JP5948218B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗濯機に関する。
洗濯機では、内槽や外槽に汚れが付着するため、洗濯運転とは別に槽洗浄を目的としたコースを設定できるものがある。しかし、槽洗浄を目的としたコースでは、洗浄用の薬剤が必要になり、槽洗浄コースをユーザが選択する操作が必要になるなど洗浄作業が煩雑であった。
そこで、内槽を回転させ、その遠心力で外槽下部からすすぎ水を外槽上部に導き、洗濯槽内に散水する洗濯機がある(特許文献1参照)。こうすることで、汚れが蓄積しやすい、内槽や外槽の上部の喫水部にすすぎ水を流すことができ、汚れの蓄積を抑制できる。
特開2009−178484号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、内槽の回転方向が一方向のため、内槽の底面や内槽の底面に配置された回転翼の裏面などは形状が複雑なため、洗えない部分が生じるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、内槽の底面に汚れが付着し難い洗濯機を提供することにある。
本発明は、筐体と、この筐体内に支持され内部に水を溜める外槽と、この外槽内に回転自在に支持され洗濯物が収容される内槽と、この内槽の内底面部に配置され回転駆動される回転翼と、前記外槽の上部に設けた中央に開口部を有する外槽カバーと、前記外槽内に給水する給水手段とを備え、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の各工程を実行する洗濯機において、前記外槽内周面に設けられ前記内槽を正回転させたときに前記外槽内の水を前記外槽上部へ巻き上げる第一の流路と、前記外槽カバーに設けられ前記第一の流路により巻き上げられた水を前記槽内へ散水する第一の吐出口と、前記外槽内周面に設けられ前記内槽を逆回転させたときに前記外槽内の水を前記外槽上部へ巻き上げる第二の流路と、前記外槽カバーに設けられ前記第二の流路により巻き上げられた水を前記槽内へ散水する第二の吐出口と、を備え、前記すすぎ工程以降に、前記給水手段により前記外槽内に水を溜めた状態で、前記内槽を正回転および逆回転させ、前記第一の吐出口から散水される水を前記内槽の中央寄りに散水させ、前記第二の吐出口から散水される水を前記内槽の外周寄りに散水させる。
本発明によれば、内槽の底面に汚れが付着し難い洗濯機を提供することが可能となる。
第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の外観斜視図である。 第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の筐体の内部を示す概略図である。 第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の給水ユニットを示す斜視図である。 第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の外槽、外槽カバーを示す斜視図である。 第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の外槽から外槽カバーを外して示した平面図である。 第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の外槽カバーの下面を示す平面図である。 第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の循環水を示す要部断面図である。 第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の制御装置の機能構成を示す図である。 第1実施形態乃至第3実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の運転工程を説明する工程図である。 第2実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の外槽、外槽カバーを示す斜視図である。 第2実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の外槽カバーの下面を示す平面図である。 第3実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の流体バランサ上部への給水部を示す要部断面図である。 第3実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の給水ユニットから洗濯機(洗濯乾燥機)までの経路を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗濯機として、洗濯から乾燥までの工程を行うことができる洗濯乾燥機を例に挙げて説明する。
≪第1実施形態≫
図1は、洗濯乾燥機1Aの外観図、図2は、洗濯乾燥機1Aの内部構造を示す断面図である。洗濯兼脱水槽8の回転軸が略鉛直方向の縦型式洗濯乾燥機である。この洗濯乾燥機1Aの筐体2の上部には上面カバー2aが設けられており、上面カバー2aには外蓋3が設けられている。外蓋3は、山型に折れ曲がりながら後ろ側に開くことにより、開口部2bを開口し、洗濯兼脱水槽8に衣類(洗濯物)を出し入れ可能になっている。
上面カバー2aの奥側(後側)には、水道栓からの給水ホース接続口4および風呂の残り湯の吸水ホース接続口5が設けられている。上面カバー2aの手前側には、電源ボタン6が設けられ、外蓋3の手前側には、操作ボタン7aおよび表示器7bからなる操作パネル7が設けられている。操作ボタン7aは、洗濯や乾燥などの運転コース設定、洗いやすすぎ、脱水などの運転内容の設定を行うためのもので、この中には、洗濯槽のおそうじを行う操作ボタン7a1がある。
図2に示すように、洗濯乾燥機1Aは、筐体2内に、洗濯兼脱水槽8,外槽9,駆動装置10,洗剤・仕上剤の投入装置11,給水ユニット12A,乾燥ダクト20などを備えている。
洗濯兼脱水槽8は、有底円筒形状を呈し、ステンレス鋼板などで形成された胴板8aを有している。洗濯兼脱水槽8の底板8dには通水のための複数個の貫通穴8d2を設けてある。胴板8aには、通水および通風のための多数の貫通孔(図2参照、一部のみ図示)8a1が形成されている。また、胴板8aの内周面には、洗濯水の循環路8e、8gを設けてある。循環路8e、8gの下端には洗濯水の流入口8e1、8g1を有している。循環路8eの上端にはシャワー口8fを備え、循環路8gの上端の開口には糸くずフィルタ8hを備える。底板8dの外周部には複数枚の放射状の裏羽根8d1を有している。
洗濯兼脱水槽8は、内側底面に回転翼8bを備える。回転翼8bの裏面には、中心よりやや外側から放射状に延びる複数枚の裏羽根8b1を有している。
外槽9は、有底円筒形状を呈し、洗濯兼脱水槽8を同軸上に内包し、その上部に外槽カバー9aを備えて構成されている。洗濯乾燥機1Aの使用者は、外蓋3および外槽カバー9aの蓋部材9cを開くことにより、開口部2bから洗濯兼脱水槽8内に衣類の出し入れを行うことができる。
図4に示すように外槽9の胴部9dには、略180度の位置に胴部9dから径方向に飛び出して上下に延びる2本の水路A16aと、水路A16aと略90度の位置に上下に延びる2本の水路B16bが形成されている。図5は、外槽カバー9aを取り外して、外槽9と洗濯兼脱水槽8を上方からみた平面図、図6は外槽カバー9aを下方から見た平面図である。
水路A16aおよび水路B16bは、洗濯兼脱水槽8と略同心に胴部9dから外側に飛び出した円筒面16a1、16b1と傾斜面16a2、16b2、半径方向壁面16a3、16b3とで囲まれている。傾斜面16a2は、洗濯兼脱水槽8とのすき間が洗濯兼脱水槽8の右回転方向に広がるように形成されており、傾斜面16b2は洗濯兼脱水槽8とのすき間が左回転方向に広がるように形成されている。
筐体2は上面視で略四角形であるのが一般的なため、水路A16aおよび水路B16bは、外槽9を筐体2内に固定したときに四隅に配置されるように設けるのが良い。
洗濯兼脱水槽8は、胴板8aの上端縁部に合成樹脂などで形成されたバランスリング(流体バランサともいう)8cを備えている。このバランスリング8cは、その内部に比重の大きな流体を封入して構成され、洗濯兼脱水槽8の回転時に洗濯物の偏り等によって偏心が生じたときに、バランスリング8c内での流体の移動によって偏心をキャンセルし、回転のバランスを維持する働きを有する。
外槽カバー9aは、略半円形状の投入口9bを有し、外槽9の上端縁部に取り付けられる。なお、投入口9bには、開閉可能に取り付けられた蓋部材9cが設けられている。外槽カバー9aの奥側(後側)には、蛇腹管23aが接続される接続口9e設けられている。
外槽カバー9aの下面には、水路A16aの上端と対向する位置に水路17aが、水路B16bの上端と対向する位置に水路17bが形成されている。水路17a、17bを設けた部分は、上側に出っ張っており、片側に円周方向の傾斜面17a2、17b2を有し、傾斜面の反対側は略垂直の隔壁17a3、17b3を有している。また、水路17a、17bの内側(洗濯兼脱水槽側)には散水口17a1、17b1を設けてある。
洗濯中の外槽9内に洗濯水を溜め回転翼8bを回転すると、洗濯兼脱水槽8内の洗濯物を攪拌し、洗いやすすぎが実行される。同時に、裏羽根8b1が回転することにより発生する遠心ポンプ作用で、図2の太い矢印で示すように洗濯水が循環する。外槽9の底部の洗濯水は貫通穴8d2を通り洗濯兼脱水槽8の底部に吸い込まれる。そして裏羽根8b1による遠心力で吐き出され、流入口8e1、8g1から循環路8e、8gに入る。循環路8eに入った洗濯水は循環路8eを上方に流れ、シャワー口8fから洗濯兼脱水槽8内の洗濯物に散布される。また、循環路8gに入った洗濯水は循環路8gを上方に流れ、糸くずフィルタ8hで糸くずを取り除かれた後、洗濯兼脱水槽8内に流下する。そして、洗濯兼脱水槽8内の洗濯水は、多数の貫通孔8a1を通り外槽9内に戻る。
このように、洗濯水を循環し洗濯兼脱水槽8の上部から洗濯水を散布することができるため、洗濯水の水量を減らし洗濯物が洗濯水の水面より上に出ていても、洗濯物に洗濯水を行き渡らすことができるため、洗濯性能(洗浄力やすすぎ性能)を低下させることなく洗濯水の節水が行える。
一方、洗濯中に回転翼8bと洗濯兼脱水槽8を一体にして回転すると、洗濯兼脱水槽8と外槽9のすき間の洗濯水には円周方向の流れが発生する。同時に、洗濯兼脱水槽8の底面や裏羽根8d1による遠心ポンプ作用で、洗濯水が外槽9の胴板9d側に押し出される。洗濯兼脱水槽8が右回転している場合、洗濯水は、図4の二点鎖線Tで示すように回転しながら外槽9の胴部9dの内周面に沿って上昇する。このとき、洗濯兼脱水槽8内の洗濯水の水面は図7一点鎖線で示すようにすり鉢状になる。洗濯水の上昇度合いは静止時の水位や洗濯兼脱水槽8の回転数に応じて変化し、ある回転数以上にすると外槽9の上部に達する。洗濯水の一部は水路A16aに入り半径方向壁面16a3に当たり流れ方向を上向きに変え、水路A16a内を上方へ流れる(二点鎖線矢印U)。そして、図7の二点鎖線矢印Uで示すように、水路A16aから外槽カバー9aの水路17aに入る。ここで、流れTと合流し隔壁17a3と流路17aの天井(外槽カバー9cの裏面)により流れ方向を変え、散水口17a1から洗濯兼脱水槽8内に散水される。洗濯兼脱水槽8内の洗濯水は、多数の貫通孔8a1を通り外槽9内に戻る。なお、水路B16bにも洗濯水が流入するが、傾斜面16b1に沿って流れるため、上向きの流れは発生し難い。
洗濯兼脱水槽8を左回転すると、上記とは逆方向の洗濯水の流れとなり、洗濯水は、水路B16bを通り散水口17b1から洗濯兼脱水槽8内に散水される。
このように、洗濯兼脱水槽8を回転することにより、静止時の水位が低くても洗濯兼撒水槽8の上部から洗濯水を散水することができる。この方式は、洗濯物に洗濯水を散水することはできるが、機械的作用を洗濯物に与えることができないため、洗いではなくすすぎに適している。すなわち、少ない洗濯水を循環しながら洗濯物に散水し洗剤を希釈できるため、節水が実現できる。
また、水路A16a,水路B16bの上方へ流れる洗濯水のうち一部が溢れ、水路A16a,水路B16b外部へ流れ出るので、汚れが残り易い外槽9上部を洗浄する効果も得られる。
本実施例では、洗濯兼脱水槽8の外底面部に裏羽根8d1を設けることで、洗濯兼脱水槽8回転時の遠心ポンプ作用を増幅しているが、洗濯兼脱水槽8の底面によっても遠心ポンプ作用が生じるため、必ずしも設ける必要はない。
また、洗濯水を巻き上げる流路(水路16a,水路16b)は、外槽9中心に向けて開放しているが、流路の少なくとも一部を覆い流路と外槽9との仕切りとなる仕切り板(図示せず)を設けても良い。これにより、流路内で巻き上げた洗濯水を流路外へ漏れ難くすることが出来る。
洗濯を繰り返すと、外槽9の胴部9dや洗濯兼脱水槽8の胴板8aの喫水線付近に洗濯かすや水あかなどに起因する汚れやごみが付着する。しかし、洗濯兼脱水槽8を回転することにより、外槽9上部や洗濯兼脱水槽8の上部、バランスリング8cにも洗濯水を流すことができるため、汚れやごみの蓄積を防止できる。
なお、洗濯兼脱水槽8またはバランスリング8cの上端に水を流すには、散水口の少なくとも一つから散水される洗濯水が当たるようにする。これにより、洗濯兼脱水槽8の回転により周方向全体に洗濯水が流れるので、洗濯兼脱水槽8またはバランスリング8cを満遍なく洗浄できる。
駆動装置10は、外槽9の底面の外側中央に配置されている。この駆動装置10は、モータ10aとクラッチ機構10bとを有し、駆動装置10の回転軸10cが外槽9を貫通し、洗濯兼脱水槽8および回転翼8bと結合するように構成されている。クラッチ機構10bは、モータ10aの回転動力を洗濯兼脱水槽8および/または回転翼8bに伝達する機能を有する。モータ10aは、その回転を検出するホール素子あるいはフォトインタラプタなどで構成される回転検出装置28と、モータ10aに流れる電流を検出するモータ電流検出装置29を備える。
投入装置11は、上面カバー2aの手前側に備えられる。洗剤や仕上剤の投入は、投入ホース11aにより、外槽9と洗濯兼脱水槽8の間に行われる。
給水ユニット12Aは、上面カバー2aの奥側に設けられる。この給水ユニット12Aは、給水ホース接続口4からの水道水を投入装置11、後記する水冷除湿機構(図示せず)へ給水する。また、給水ユニット12Aは、給水ホース接続口4からの水道水や吸水ホース接続口5(図1参照)からの風呂水を、注水ホース11bを介して、外槽9内に注水することができる。なお、給水ユニット12Aの詳細な説明は、図3を用いて後記する。
外槽9の底面に設けられた落込部9mには、排水弁14が設けてあり、洗濯水排水路15と連通するように接続されている。排水弁14を閉弁することにより、外槽9内に洗い水やすすぎ水を貯水可能となる。また、排水弁14を開弁することにより、外槽9内の水を、洗濯水排水路15を介して、洗濯乾燥機1Aの機外へ排水することができる。
乾燥ダクト20は、筐体2の背面内側に縦方向に設置され、ダクト下部は外槽9の落込部9mとゴム製の蛇腹管20aによって接続されている。乾燥ダクト20内には、水冷除湿機構(図示せず)を内蔵しており、給水ユニット12Aから水冷除湿機構へ冷却水を供給する。冷却水は乾燥ダクト20の壁面(ステンレス製などの金属プレート)を伝わって流下して落込部9mに入り、洗濯水排水路15を通り機外へ排出される。
乾燥ダクト20の出口はファン21の吸気口と接続され、ファン21の出口はヒータ22と接続されている。ヒータ22の出口は、送風ダクト23およびゴム製の蛇腹管23aを介して、吹出ノズル24と接続されている。
このように、乾燥工程においては、外槽9内の空気を乾燥ダクト20で水冷除湿してファン21の吸込口から吸込し、ファン21から吐出された空気をヒータ22で加熱して、高温低湿の風を吹出ノズル24から洗濯兼脱水槽8内に向けて吹き出すことができる。
なお、図示していないが、送風ダクト23には、乾燥運転中に洗濯兼脱水槽8内に向けて吹き出される風の温度を検出する温度センサ、外槽9の落込部9mには、洗濯水の温度や、乾燥運転中に乾燥ダクト20に吸い込まれる空気の温度を検出する温度センサ、排水弁14の上部には、洗濯水の温度や、乾燥運転中に洗濯水排水路15から機外に排出される冷却水の温度を検出する温度センサ、外槽9の側面上部には、外槽9の振動による振動加速度を検知する加速度センサが設けられている。また、外槽9に溜められた洗濯水の水位を検出する水位センサ18を備えている。
図3に示すように、給水ユニット12Aは、洗剤給水電磁弁12aと、仕上剤給水電磁弁12bと、冷却水給水電磁弁12cと、外槽給水電磁弁12dと、風呂水ポンプ12fと、給水経路ユニット30と、を備えている。
洗剤給水電磁弁12aは、給水ホース接続口4からの水道水を、入水口(図示せず)から給水経路ユニット30内を通り、出水口32に接続されるホース12i(図2参照)を介して、投入装置11(図2参照)の洗剤投入室(図示せず)に給水する。洗剤投入室に注水された水道水は、投入された洗剤とともに、投入ホース11a(図2参照)を介して、外槽9内に注水される。
仕上剤給水電磁弁12bは、給水ホース接続口4からの水道水を、入水口33から給水経路ユニット30内を通り、出水口35に接続されるホース12jを介して、投入装置11(図2参照)の仕上剤投入室(図示せず)に給水する。仕上剤投入室に注水された水道水は、投入された仕上剤とともに、投入ホース11a(図2参照)を介して、外槽9内に注水される。
冷却水給水電磁弁12cは、給水ホース接続口4からの水道水を、図示しないホースを介して、乾燥ダクト20(図2参照)の水冷除湿機構(図示せず)に給水する。
外槽給水電磁弁12dは、給水ホース接続口4からの水道水を、流路12hに接続される注水ホース11b(図2参照)から外槽9内に給水する。
なお、風呂水ポンプ12fで汲み上げられた吸水ホース接続口5からの風呂水は、流路12hに合流して接続される注水ホース11b(図2参照)から外槽9内に給水される。
図8に示すように、洗濯乾燥機1Aは、制御装置100を備える。制御装置100は、マイコン110を中心に構成される。マイコン110は、運転パターンデータベース111,工程制御部112,回転速度算出部113,衣類重量算出部114などを備える。
マイコン110は、操作ボタン7aから入力された運転コースにあった運転パターンを呼び出し、洗濯または/および乾燥を開始する機能を有する。
工程制御部112は、運転パターンデータベース111から呼び出された運転パターンに基づき、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の各工程を運転制御する機能を有する。各工程において、工程制御部112は、それぞれ駆動回路を介して、給水ユニット12A(給水電磁弁12a〜12d),排水弁14,モータ10a,クラッチ機構10b,ヒータ22,ファン21,循環ポンプ17を駆動制御する機能を有する。
回転速度算出部113は、モータ10aの回転を検出する回転検出装置28からの検出値に基づき、モータ10aの回転速度を算出する機能を有する。
衣類重量算出部114は、回転速度算出部113で算出された回転速度と、モータ電流検出装置29の検出値に基づいて、洗濯兼脱水槽8内の衣類の重量を算出する機能を有する。衣類の重量が増加することにより洗濯兼脱水槽8を回転させるための負荷が大きくなり、モータ10aに流れるモータ電流が多く必要になることから、モータ10aのモータ電流と回転速度により衣類の重量を算出することができる。
次に、第1実施形態に係る洗濯乾燥機1Aの動作について図9を参照して説明する。図9は第1実施形態に係る洗濯機(洗濯乾燥機)の運転工程を説明する工程図である。なお、図9に示す洗濯運転は、洗い→すすぎ(槽洗浄)→脱水→(乾燥)の運転工程を説明する工程図である。
図9に示すように、布量センシング工程S1では、工程制御部112が洗濯兼脱水槽8を回転させ、衣類重量算出部114が注水前の衣類について布量を算出する。
給水・洗剤投入工程S2では、工程制御部112が外槽給水電磁弁12dを開弁し、水道水を注水ホース11bを介して洗濯兼脱水槽8内に注水する。また、工程制御部112は、外槽給水電磁弁12dが開弁されてから所定時間経過後に閉弁する。これは、給水ホース接続口4に接続されている注水ホース11b内に空気が含まれていることがあり、その空気を外槽9内に排出する動作である。
その後、工程制御部112が洗剤給水電磁弁12aを開弁し、水道水を投入装置11の洗剤投入室(図示せず)に給水する。洗剤投入室に注水された水道水は、投入された洗剤とともに、外槽9内に注水される。また、工程制御部112は、洗剤給水電磁弁12aが開弁されてから所定時間経過後(または、所定水位まで到達した後)に洗剤給水電磁弁12aを閉弁する。
洗剤とかし工程S3では、工程制御部112が洗濯兼脱水槽8、または撹拌翼8aを駆動して洗剤を溶かし、高濃度の洗剤溶液を生成する。
回転給水工程S4では、工程制御部112が外槽給水電磁弁12dを開弁して外槽に給水し、洗濯兼脱水槽8および/または回転翼8bを回転させながら、高濃度の洗剤溶液を洗濯兼脱水槽8内の衣類に散布する。
前洗い工程S5では、高濃度の洗剤溶液で衣類を洗う。
布質センシング工程S6では、まず、衣類重量算出部114が、水を含んだ状態の衣類の重量を算出する。そして、布量センシング工程S1で算出した水を含まない衣類の重量と布質センシング工程S6で算出した水を含んだ状態の衣類の重量から、衣類の布質(吸水性)を判断する。判断された衣類の布質に従って以下の工程が制御される。
洗い給水工程S7では、工程制御部112が、布量センシング工程S1で算出した衣類の重量と、布質センシング工程S6で判断した衣類の布質に合わせて外槽9(または洗濯兼脱水槽8)の内部に給水する。
本洗い工程S8では、工程制御部112が、回転翼8bを回転(または、正方向逆方向に交互に回転)して、衣類を洗う。なお、図示していないが、本洗い工程S8では、回転翼8bを正方向逆方向に交互に回転させ衣類をほぐす運転も行う。また、工程制御部112は、この本洗い工程とほぐし工程を数回繰り返す。本洗いが終了すると、衣類のアンバランス状態を監視し、脱水に移行するか否かを判断する。
排水工程S9では、工程制御部112が、排水弁14を開弁し、外槽9内の洗い水を排水する。
脱水工程S10では、排水終了後、工程制御部112が、洗濯兼脱水槽8を回転させて衣類に含まれる水(洗い水)を脱水する。
回転シャワー工程S11では、工程制御部112が、排水弁14を閉弁、外槽給水電磁弁12dを開弁して、洗濯兼脱水槽8にすすぎ水を供給する。そして、洗濯兼脱水槽8を低速(毎分30から50回転程度)で右回りに回転させつつ、すすぎ水を洗濯兼脱水槽8内の衣類に散布する。ただし、供給したすすぎ水のすべてを衣類に浸透させるのは困難で、一部のすすぎ水は衣類に浸透せずに外槽9内に溜まる。そこで、所定時間経過後、あるいは所定水位に達したら外槽給水電磁弁12dを閉弁して、洗濯兼脱水槽8を毎分150から200で回転する。すすぎ水は、洗濯兼脱水槽8の底面8dと裏羽根8d2の遠心ポンプ作用により流路A16aを上昇し、散水口17a1から洗濯兼脱水槽8内の衣類に散水され、衣類に含まれる洗剤を希釈する。このようにすることで、供給したすすぎ水を有効に衣類に散布できる。
脱水工程S12では、工程制御部112が、排水弁を開弁し、洗濯兼脱水槽8を回転させつつ、衣類からすすぎ水を脱水する。
回転シャワー工程S13では、回転シャワー工程S11と同様の運転を行う。
排水工程S14では、工程制御部112が、洗濯兼脱水槽8を停止させて、排水弁14を開弁し、外槽9内のすすぎ水を排水する。
脱水工程S15では、排水終了後、工程制御部112が、洗濯兼脱水槽8を回転させて衣類に含まれる水(すすぎ水)を脱水する。
すすぎ給水工程S16では、工程制御部112が、排水弁14を閉弁、仕上剤給水電磁弁12bを開弁し、洗濯兼脱水槽8に仕上剤を含むすすぎ水を供給する。所定時間経過後、外槽給水電磁弁12dを開弁して、外槽9(または、洗濯兼脱水槽8)にすすぎ水を供給する。
ほぐし工程S17では、工程制御部112が、回転翼8bを正方向逆方向に交互に回転させ衣類をほぐす運転を行う。
かくはん工程S18では、工程制御部112が、外槽9にすすぎ水を溜めた状態で洗濯兼脱水槽8を回転させて衣類を攪拌しつつすすぐ。
上述した回転シャワー工程S11,S13では、すすぎ水は洗濯兼脱水槽8や外槽9の上部に達するため、洗濯兼脱水槽8や外槽9への汚れの付着を防止する作用を有する。しかし、洗濯兼脱水槽8の底面や攪拌翼8bの裏面の形状は複雑なため、一方向の回転のみではすすぎ水の流れに対して影になる部分が生じ、この部分には汚れが付着する可能性がある。
そこで、槽のおそうじを行う操作ボタン17a1が設定されている場合は、槽洗浄工程S19を実施する。槽洗浄工程S19では、洗濯兼脱水槽8を左右両方向に回転させて、洗濯兼脱水槽8の底面の上面や下面、及び回転翼8bの下面を洗浄する。この時の洗濯兼脱水槽8の回転数は、外槽9に溜めた水量に応じて変え、水位が高いほど回転数を低くする。例えば、所定水位(静止時に外槽9の高さ三分の一)以下の場合は毎分150〜200回転、所定水位(静止時に外槽9の高さ三分の一)より高い場合は、毎分80〜130回転のようにする。この回転数は、洗濯兼脱水槽8の回転による遠心作用ですすぎ水が外槽9の胴部9dに沿って上昇し、外槽カバー9aの裏面に達するように設定する。
例えば、最初に洗濯兼脱水槽8を右回りに回転させ流路A16aからすすぎ水を上昇させ、散水口17a1から洗濯兼脱水槽8内に散水し、規定時間が経過したら洗濯兼脱水槽8の回転をいったん停止した後、左回りに洗濯兼脱水槽8を回転させ、流路B16bからすすぎ水を上昇させ、散水口17b1から洗濯兼脱水槽8内の衣類に散水する。このようにすることで、すすぎ水の流れにより洗濯兼脱水槽8や攪拌翼8bの裏面、外槽9全体に汚れが付着することを防止できる。
流路A16a、B16bにより、まとまった量の水が巻き上げられるため、単に洗濯兼脱水槽8の回転によってすり鉢上に水が持ち上げられる場合より槽洗浄力が向上する。また、左右回転で攪拌翼8bの裏側や裏羽根8b1を洗浄しながら、右回転および左回転どちらでも水を巻き上げることができるので、効率的に槽内の洗浄が行える。さらに、左右回転で水流方向が異なるため、洗浄ムラの発生を抑制することができ、より満遍なく槽内の洗浄を実現できる。
さらに、回転を反転する場合は、回転を停止した後、速やかに逆向きに回転させた方がよい。こうすることで、最初の洗濯兼脱水槽8の回転で外槽9内で旋回しているすすぎ水に逆らって洗濯兼脱水槽8が回転するため、外槽9内の水と洗濯兼脱水槽8の相対速度が向上し強い流体力が洗濯兼脱水槽8の底板8dや回転翼8bの裏面に作用し、一層効果的に汚れやごみを除去することができる。また、洗濯兼脱水槽8の回転方向の反転は複数回繰り返すようにしてもよい。こうすることで、より一層確実に洗浄が行える。
さらに、槽洗浄工程S19での洗濯兼脱水槽8の回転速度を回転シャワー工程S11、S13の毎分150から200回転よりさらに高くして、すすぎ水の循環流量を増加させてもよい。こうすることで洗濯兼脱水槽8と外槽9の間を流れる流速が上昇し、槽の表面や撹拌翼8bの裏面の洗浄効果が増し、汚れやごみを効果的に除去できる。
なお、上記では、すすぎ水をそのまま槽洗浄に使用したが、すすぎ水を排水し、洗剤給水弁12aと仕上げ剤給水弁12bを開弁し、水道水を外槽9内に給水し(水量は回転シャワー工程S11やS13と同じ)、洗濯兼脱水槽8を毎分150〜200回転で右回転、停止、左回転させてもよい。こうすることで、きれいな水道水で洗濯兼脱水槽8や回転翼8b、外槽9の洗浄が行えるため、より一層洗浄効果を高くできる。
槽洗浄工程S19が終了すると、工程制御部112は、衣類のアンバランス状態を監視し、最終脱水に移行するか否かを判断する。
排水工程S20では、工程制御部112が、排水弁14を開弁し、外槽9内のすすぎ水を排水する。
洗濯から乾燥までの一連の運転を行うモードが設定されている場合には、脱水工程S21後に乾燥工程S22を行う。
乾燥工程S22では、工程制御部112が、冷却水給水電磁弁12cを開弁して、ヒータ22を通電し、ファン21を駆動させる。
以上説明したように、第1実施形態に係る洗濯乾燥機1Aでは、洗濯兼脱水槽8を回転させ、その遠心力ですすぎ水を洗濯兼脱水槽8や外槽9の上部へ流すことができ、さらに、洗濯兼脱水槽8の回転方向を反転させるため、すすぎ水の流体力がまんべんなく作用し、洗濯兼脱水槽8や回転翼8b、外槽9への汚れやごみの付着を防止できる。
なお、上述した第1実施形態において、回転シャワー工程S11とS13での洗濯兼脱水槽8の回転方向は両方とも右回りで説明したが、回転シャワー工程S11では右回り、回転シャワー工程S13では左回りにしてもよい。こうすることで、槽のおそうじを行う操作ボタン17a1が設定されていない場合においても、回転シャワー工程において、すすぎ水が洗濯兼脱水槽8や回転翼8b、外槽9に万遍なく行き渡り、これらへの汚れやごみの付着を抑制する効果を高めることができる。
また、すすぎ工程の最終すすぎ、または槽洗浄工程における洗濯兼脱水槽8の回転数を回転シャワー工程のときより高い回転数にすることで、より強い水流を発生させた状態できれいな水による槽洗浄が行える。
また、散水口17a1と散水口17b1の形状を変え、すすぎ水の散水方向を異ならせてもよい。例えば、隔壁17a3の形状を散水口17a1からのすすぎ水が洗濯兼脱水槽8の中央寄りに散水するようにし、隔壁17b3の形状を散水口17b1からのすすぎ水が洗濯兼脱水槽8の外周寄り(胴板8a寄り)に散水するようにする。こうすることで、洗濯兼脱水槽8内の衣類に万遍なくすすぎ水を散水でき、すすぎ性能を向上できる。
なお、槽洗浄の操作ボタン17a1を設けずに、常に槽洗浄を実行するようにしてももちろん良い。
≪第2実施形態≫
図10は、第2実施形態に係る洗濯乾燥機の外槽90の概略外観図である。なお、図2と重複する部分については、同じ符号を付して説明を省略する。
第1実施形態と異なる点は、洗濯兼脱水槽8が右回りの時にすすぎ水を上方に導く水路116aを外槽109の胴部109dに3本以上設けたことである。図10では、水路116aを4本設けた場合を示している。そして、図11に示すように、外槽カバー90aの下面には、水路116aの上端と対向する位置に水路117aが形成されている。水路117aを設けた部分は、上側に出っ張っており、片側に円周方向の傾斜面117bを有し、傾斜面の反対側は略垂直の隔壁117cを有している。また、水路117aの内側(洗濯兼脱水槽側)には散水口117a1を設けてある。
このように、水路116aの本数を増やすことで、洗濯兼脱水槽8や外槽109の上部へ導くすすぎ水の流量を増やすことができるため、洗濯兼脱水槽8や外槽109への汚れやごみの付着を抑制することができる。
本実施形態の運転工程は、基本的に図9に示す第1実施形態と同様であるが、槽洗浄工程S19において、洗濯兼脱水槽8を一方向のみに回転させる。また、外槽カバー90aの水路11aの隔壁117cの洗濯兼脱水槽8へ向かう角度を異ならせてある。図11の例では、隔壁117cはほぼ洗濯兼脱水槽8の回転軸に向かっているのに対し、隔壁117c1は洗濯兼脱水槽8の回転方向に逆らう向きに、隔壁117c2は洗濯兼脱水槽8の回転方向と同方向に向かっている。このようにすることで、すすぎ水をより広範囲に散水でき、すすぎ水が洗濯物にむらなくかかり、すすぎ性能が向上する。
散水位置を異ならせるときに、回転軸中心からの距離を変えると良い。回転軸中心から離れた外周側に向けて散水すると、脱水時に洗濯物は洗濯兼脱水槽8の外周側に偏在するため、脱水後に行う回転シャワー工程時に洗濯水を効率よく洗濯物に散水可能となる。
≪第3実施形態≫
図12は、第3実施形態に係る洗濯乾燥機のバランスリング80への給水部を示す部分断面図、図13は、給水経路を示す概略図である。なお、図2と重複する部分については、同じ符号を付して説明を省略する。
バランスリング80の上端面には、洗浄水貯水部80aが形成されている。洗浄水貯水部80aは、窪み部80bと窪み部の内周部にバランスリング80の上端面より上部に飛び出して設けた内周壁80c、窪み部の外周部にバランスリング80の上端面より上部に飛び出して設けた外周壁80dとからなっている。内周壁80cの上端は、外周壁80dの上端より高くしてある。
外槽給水電磁弁12dは、給水ホース接続口4からの水道水を、注水ホース11bから外槽9内に給水する。注水ホース11bは途中から注水ホース11cが分岐し、注水ホース11cは外槽カバー90aの上面奥側に設けた接続口9fに接続される。外槽カバー90aの下面には、バランスリング80の上面の洗浄水貯水部80aに対向する位置に散水口50が設けてある。散水口50と接続口9fは連通しており、外槽給水弁12dから供給された水道水の一部は、洗浄水貯水部80aに蓄えられる。
第3実施形態に係る洗濯乾燥機の運転工程は、図9に示す第1実施形態と同様である。本実施形態では、外槽給水電磁弁12dを開弁する給水・洗剤投入工程S2、回転給水工程S4、洗い給水工程S7、回転シャワー工程S11,S13、すすぎ給水工程S16の時に水道水が洗浄水貯水部80aに供給される。
この時、洗濯兼脱水槽8が停止あるいは極低速(毎分10回転程度)で回転している場合は、洗浄水貯水部80aに供給された水道水は外周壁80dから溢れ出て、重力で洗濯兼脱水槽8の胴板8aの外側に沿って流下し、洗濯兼脱水槽8の胴板8aの外側面の汚れやごみを洗い流す。また、洗濯兼脱水槽8を毎分数十回転程度で回転させると、洗浄水貯水部80aに供給された水道水は遠心力で外槽9の内周面に飛ばされ、外槽9の内周面に沿って流下し、外槽9の内周面の汚れやごみを洗い流す。
具体的には、外槽給水電磁弁12dを開弁後、洗濯兼脱水槽8を停止あるいは極低速で回転し、規定の時間経過後、洗濯兼脱水槽8を毎分数十回転まで加速する。なお、この時の加速率を高くすると、洗浄水貯水部80aに溜まっている水道水が一気に外槽9の内周面に流れるため、汚れやごみを洗い流す効果を高くすることができる。こうすることで、洗いやすすぎの給水時に常に洗濯兼脱水槽8の胴板8aの外側面や外槽9の内周面を水道水で洗い流すため、第1実施形態や第2実施形態の場合よりも、さらに洗濯兼脱水槽8や外槽9への汚れやごみの蓄積を防止できる。また、洗いやすすぎに使用する水の一部を使用しているため、余分な水道水を使う必要がないという利点もある。
第3実施形態は、第1実施形態または第2実施形態と組み合わすことも可能である。すなわち、第1実施形態または第2実施形態において、バランスリング80の上端面に洗浄水貯水部80aを設け、散水口17a1、17b1または117a1から洗浄水貯水部80aに散水するような構成とする。これにより、洗濯兼脱水槽8を回転させたときに、外槽9に設けた水路によって散水口まで持ち上げられた水が、洗浄水貯水部80aに供給され、外槽9へ向かって散水される動作が繰り返されるため、洗浄が難しい外槽9上部に対して効果的な洗浄が行える。また、新たな水を供給せずとも、洗濯兼脱水槽8の回転させている間は、洗浄水貯水部80aに給水され続けるため、洗浄が継続的に行われ、節水を実現しつつも槽内の洗浄を行うことができる。
以上、第1実施形態から第3実施形態について説明したが、槽洗浄工程は最後のすすぎ水を使用している。このため、すすぎ中にはわずかであるが、洗剤成分や石鹸かす、洗濯物から出た汚れ成分などがふくまれる。このため、長時間の使用で、これらに起因するカビや雑菌などの繁殖の可能性がある。そこで、洗濯終了後に、これらの繁殖を抑制するために、外槽9内の乾燥運転を行うようにした方がよい。具体的には、洗濯が終了し、使用者が外蓋3と蓋部材9cを開け洗濯物を取り出し、蓋部材9c、外蓋3を閉じたことを検知後、
ヒータ22を通電し、ファン21を駆動し、温風を洗濯兼脱水槽8や外槽9内に吹き込み、温度を上げて、内部の水分を蒸発させる、槽の乾燥運転を行う。これにより、温度上昇による除菌や水分の除去によるカビの繁殖防止ができる。外蓋3を閉じたことの検知は、外蓋3の開閉検知手段や、使用者が槽の乾燥運転を開始する操作ボタン7aの操作を検知することなどにより行う。
また、槽の乾燥運転の代わりに、放電により発生するオゾンや、同じく放電により空気中の水分から発生するOHマイナスイオンを利用し除菌やカビ菌の発生を抑制する方法でもよい。この場合、上記の槽の乾燥運転のように、洗濯物を取り出した後に行ってもよいが、脱水工程S21中に、洗濯兼脱水槽8の高速回転で発生する気流内にオゾンやOHマイナスイオンを混入するようにしてもよい。
また、銀イオンを溶出した水や、水を電気分解した電解水、オゾンガスを溶解したオゾン水で最後のすすぎを行うようにしてもよい。
以上、洗濯乾燥機を用いて説明したが、これらに限定されるものではなく、乾燥機能を有しない洗濯機であってもよい。
1A 洗濯乾燥機(洗濯機)
2 筐体
6 電源ボタン
7 操作パネル
7a 操作ボタン
7b 表示器
7a1 自動槽洗浄ボタン
8 洗濯兼脱水槽(内槽)
8a 胴板
8b 回転翼
8b1 裏羽根
8c、80 バランスリング
80a 洗浄水貯水部
8e、8g 循環路
9 外槽
9a、90a 外槽カバー
10 駆動装置
12 給水ユニット(給水手段)
16a、16b 水路
17a、17b 水路
17a1、17b1 散水口
100 制御装置

Claims (6)

  1. 筐体と、この筐体内に支持され内部に水を溜める外槽と、この外槽内に回転自在に支持され洗濯物が収容される内槽と、この内槽の内底面部に配置され回転駆動される回転翼と、前記外槽の上部に設けた中央に開口部を有する外槽カバーと、前記外槽内に給水する給水手段とを備え、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の各工程を実行する洗濯機において、
    前記外槽内周面に設けられ前記内槽を正回転させたときに前記外槽内の水を前記外槽上部へ巻き上げる第一の流路と、前記外槽カバーに設けられ前記第一の流路により巻き上げられた水を前記槽内へ散水する第一の吐出口と、
    前記外槽内周面に設けられ前記内槽を逆回転させたときに前記外槽内の水を前記外槽上部へ巻き上げる第二の流路と、前記外槽カバーに設けられ前記第二の流路により巻き上げられた水を前記槽内へ散水する第二の吐出口と、を備え、
    前記すすぎ工程以降に、前記給水手段により前記外槽内に水を溜めた状態で前記内槽を正回転および逆回転させ
    前記第一の吐出口から散水される水を前記内槽の中央寄りに散水させ、前記第二の吐出口から散水される水を前記内槽の外周寄りに散水させることを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項1において、
    前記内槽の外底面部に水を攪拌する裏羽根が設けられることを特徴とする洗濯機。
  3. 請求項1において、
    前記第一の吐出口または前記第二の吐出口は、前記内槽の上端部に散水することを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項1乃至3において、
    前記すすぎ工程の終了後に、すすぎに使用したすすぎ水を前記外槽内に溜めたままの状態で前記内槽を正回転および逆回転させることを特徴とする洗濯機。
  5. 請求項4において、
    前記すすぎ工程の終了後に、すすぎに使用したすすぎ水の少なくとも一部を排出し前記給水手段により水を溜め直した状態で前記内槽を正回転および逆回転させることを特徴とする洗濯機。
  6. 請求項1乃至5において、
    前記第一の吐出口および前記第一の流路、または、前記第二の吐出口および前記第二の流路を複数設けたことを特徴とする洗濯機。
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