JP2021007629A - 洗濯機 - Google Patents

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秀昭 道山
Hideaki Michiyama
秀昭 道山
淳 北川
Atsushi Kitagawa
淳 北川
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Abstract

【課題】洗濯槽の下部に溜まった洗浄水やすすぎ水を洗濯槽の上部まで確実に汲み上げることができる洗濯槽を得る。【解決手段】洗濯機は、上下方向に延びる中心軸線を中心として回転可能に設けられた洗濯槽21を有している。洗濯槽21は槽ハウジング22に収容され、その上方は蓋板部31によって閉じられている。洗濯槽21の周壁には、槽内外を貫通する多数の貫通孔が形成されている。槽ハウジング22の内周面には、洗濯槽21の下端部から上端部にかけて螺旋状をなす揚水ガイド73,74が形成されている。洗濯槽21の底板部62と槽ハウジング21の底部との間の下部空間71において、洗濯槽21の底板部62には、放射状に延びるフィン72が設けられている。【選択図】 図9

Description

本発明は、洗濯機に関する。
ウールや絹等の繊維が用いられた繊維製品は、ドラム式やもみ洗い方式といった一般的な水洗い方式で洗濯すると繊維が損傷し、縮みや型崩れ等が生じる。そのため、有機溶剤を使うドライクリーニングによって洗濯することが主流となっている。
ただ、近年の環境意識の高まりから、有機溶剤の使用は避けることが好ましい。そこで、従来の一般的な水洗い方式とは異なる水洗い方式が提案されている(例えば特許文献1参照)。かかる技術では、被洗濯物を収容した洗濯槽を高速回転させ、その回転に伴う遠心力によって洗浄水を槽外に排出している。槽外へ水を排出する際に、被洗濯物の繊維間に通過させることで、被洗濯物を洗浄する。そして、槽外に排出した洗浄水は、槽外に設けられた揚水翼(揚水ガイド)と洗濯槽の回転とによって上部まで揚水され、再び洗濯槽内に戻される。かかる水洗い方式を採用すれば、水洗いであっても繊維の損傷を抑制できる。
特開2016−97239号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、洗濯槽の外側に揚水ガイドが設けられただけでは、洗濯槽の下部に溜まった洗浄水を揚水ガイドに導くことが困難で、十分な量の洗浄水を洗濯槽の上部まで汲み上げることができないという問題がある。
そこで、本発明は、洗濯槽の下部に溜まった洗浄水やすすぎ水を洗濯槽の上部まで確実に汲み上げることができる洗濯槽を得ることを主たる目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の洗濯機は、
筒状をなし、上下方向に延びる中心軸線を中心として回転可能に設けられた洗濯槽と、
前記洗濯槽の周壁に設けられ、槽内外を貫通する多数の貫通孔と、
前記洗濯槽の全体を収容する槽ハウジングと、
前記槽ハウジングの上方を閉じる蓋体と、
前記槽ハウジングの内周面において、前記洗濯槽の下端部から上端部にかけて螺旋状に設けられ、前記槽ハウジングの内周面と前記洗濯槽の外周面との間の環状槽外空間にある水に、前記洗濯槽の回転に伴って前記洗濯槽の下端から上端に至る螺旋状の水流を生じさせる揚水ガイドと、
前記洗濯槽の底板部と前記槽ハウジングの底部との間の下部空間において前記洗濯槽の底部に設けられ、前記洗濯槽の回転に伴って前記下部空間にある水を前記洗濯槽の回転方向に回転させながら前記環状槽外空間へ追いやるフィンと、
を備えた洗濯機。
本発明の洗濯機によれば、洗濯槽及び槽ハウジングの下部に水を溜めた状態で洗濯槽を回転させると、洗濯槽の底板部と槽ハウジングの底部との間の水(洗浄水やすすぎ水)は、フィンの回転による遠心力によって、洗濯槽の回転方向へ回転しながら外側へ追いやられる。そのため、フィンによって外側に追いやられた水は、水の回転方向と揚水ガイドの螺旋の上方へ向けた周回方向とが一致し、揚水ガイドへ円滑に入り込みやすくなっている。その結果、洗濯槽及び槽ハウジングに溜まった水を、洗濯槽の上部まで確実に汲み上げることができる。
洗濯機を示す側面図。 洗濯装置部を示す側面図。 洗濯装置部を示す平面図。 洗濯機が傾斜した状態を示す側面図。 洗濯槽を示す縦断面図。 図5の一部を拡大した拡大断面図であり、(a)は図5のY部の拡大断面図であり、(b)は図5のX部の拡大断面図である。 図3におけるA−A断面において、槽ハウジングの内部構造を示す断面図。 樋部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)側面図を示している。 槽ハウジング内における洗濯時の水流の様子を示す断面図。 図9の下端部の一部を示す断面図。 樋部材内での水流の様子を示す平面図。
本発明を具体化した一実施の形態の業務用洗濯機(以下単に「洗濯機」という。)について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「左右」、「手前」、「奥」という場合は各図面に示された状態を基準とし、「上下」は特に指定しない限り鉛直方向を意味している。
(洗濯機の概要)
初めに、洗濯機の概要を説明する。図1に示すように、洗濯機10は、洗濯装置部11と、洗濯装置部11を支持する支持構造12と、傾斜駆動部13とを有している。洗濯装置部11は衣類等の繊維製品の洗濯を行う部分であり、支持構造12によって水平に支持されている。傾斜駆動部13は、繊維製品よりなる被洗濯物W(後述する図9参照)を洗濯装置部11から出し入れする際に、支持構造12に支持された洗濯装置部11を右側へ傾斜させる(後述する図4参照)。
洗濯装置部11は、図2及び図3に示すように、洗濯槽21と、槽ハウジング22と、回転機構23とを備えている。
洗濯槽21は、ステンレス等の防錆性能を有する金属材料によって有底円筒状に形成されている。洗濯槽21は、その円形状をなす底部の中心において上下方向に延びる中心軸線を回転中心として、回転可能に設けられている。洗濯槽21は上端の略全域が開口しており、上端開口部21aから被洗濯物Wが出し入れされる。
槽ハウジング22は、ステンレス等の金属材料によって有底円筒状に形成されている。槽ハウジング22の内部には、洗濯槽21が収容されている。槽ハウジング22の上端部には、蓋板部31が設けられている。蓋板部31は、槽ハウジング22の蓋体に相当する。図3に示すように、蓋板部31は、平面視において、槽ハウジング22の外径よりも大きい一辺長さを有する正方形状に形成されている。蓋板部31と槽ハウジング22とは、双方の中心が一致している。
図3に示すように、蓋板部31には、洗濯槽21の上端開口部21aの上方に、投入口32が設けられている。投入口32は、平面視においてD型形状をなしている。投入口32の左側は、直線開口縁32aとなっている。図4に示すように、投入口32には、当該投入口32を開閉する開閉部材33が設けられている(図1及び図2参照)。開閉部材33は、投入口32と同じく平面視においてD型形状をなしている。開閉部材33は、投入口32を閉じた際に、当該投入口32の全体を覆うように、投入口32よりも大きく形成されている。
図3に示すように、蓋板部31において、直線開口縁32aの投入口32とは反対側であって洗濯槽21の上方となる部分には、半月状をなす平面部31aが設けられている。平面部31aは、洗濯槽21の上端開口部21aのうち平面部31aの下方となる半月領域を覆っている。平面部31aには、水供給管34の一端が接続される管接続部35が設けられている。水供給管34の他端は、洗濯槽21に供給する水量を調整可能な水供給部36と接続されている。水供給部36は、例えば給水バルブ、給水バルブの制御装置等を含んで構成されている。なお、制御装置は、予め設定された所定水量が洗濯槽21に供給された場合に、給水バルブを制御して給水を停止させる。
図2及び図3に示すように、蓋板部31は、槽ハウジング22の外周部よりも外方に突出するフランジ部37を有している。蓋板部31の4つの角部は、それぞれ面取りされている。面取りされた各角部では、フランジ部37の裏面側に緩衝部材38が設けられている。緩衝部材38は、図1に示すように、後述する支持フレーム54の上面との間に介在される。
図2に示すように、回転機構23は、洗濯槽21に設けられた槽回転軸41と、回転駆動部42とを有している。槽回転軸41は、洗濯槽21の底部中心において上下方向に延びるように設けられ、洗濯槽21の底部から下方に突出している。槽回転軸41は、洗濯槽21の内部にも突出している。内部への突出部分は、軸収容部43に収容されている。軸収容部43の内部には、槽回転軸41の回転を洗濯槽21の回転に伝達する軸継手等が設けられている。槽回転軸41は、槽ハウジング22の底部を貫通し、下方に突出している。槽ハウジング22の下方に存在する槽回転軸41の先端部には、従動プーリ45が設けられている。なお、槽ハウジング22の底部において、槽回転軸41が貫通する部位はシールされ、槽ハウジング22の内部から水漏れが生じることを防止している。
回転駆動部42は電動モータ等であり、槽ハウジング22の下端側の外方に設けられている。槽ハウジング22の外周部には、図2における左端部に設置板部44が設けられている。回転駆動部42は、槽ハウジング22の外周部から若干離れた状態で、設置板部44の上に設置されている。回転駆動部42は、駆動回転軸46を有している。駆動回転軸46は、上下方向に延びるとともに、設置板部44を貫通して下方に突出している。設置板部44の下方に突出した駆動回転軸46の先端部には、駆動プーリ47が設けられている。駆動プーリ47と従動プーリ45との間はVベルト等のベルト部材48が掛け渡されている。洗濯槽21の内部に収容された被洗濯物Wを洗濯する際には、回転駆動部42を駆動して駆動プーリ47を回転させる。すると、その回転がベルト部材48によって従動プーリ45に伝達され、槽回転軸41の回転により洗濯槽21が回転する。図3に示すように、洗濯槽21の回転方向βは、本実施形態では時計回り(右回り)である。
次に、洗濯装置部11の支持構造12は、図1に示すように、支持土台51と、支持柱52,53と、支持フレーム54と、支持補強部55とを有している。これら支持土台51、支持柱52,53、支持フレーム54及び支持補強部55は、いずれも鋼材によって形成されている。
支持土台51は、平面視(図示略)において四角枠状に形成されている。支持柱52,53は、支持土台51に立設されている。図1における左側には、手前側と奥側とに並ぶ一対の左支持柱52が設けられ、右側にも手前側と奥側とに並ぶ一対の右支持柱53が設けられている。
支持フレーム54は、上下2段の正方形状の枠体54a,54bにより形成されている。上段枠体54aと下段枠体54bとの間は、連結柱54cによって連結されている。支持フレーム54の図1における左端側は、一対の左支持柱52の上に載置されている。一対の右支持柱53は支持フレーム54の左右中央部よりも右側であって左右中央寄りの位置に配置されている。各右支持柱53の上端部と下段枠体54bとは、回動連結部56により回動可能に連結されている。支持フレーム54は、一対の左支持柱52と一対の右支持柱53とによって、水平に保持されている。
支持フレーム54の枠内には、洗濯装置部11の槽ハウジング22が挿通されている。支持フレーム54の上面には、槽ハウジング22のフランジ部37が載置されている。これにより、支持フレーム54によって洗濯装置部11が支持されている。槽ハウジング22の上端部の周囲は、支持フレーム54によって囲われている。フランジ部37と支持フレーム54との間には、フランジ部37に設けられた緩衝部材38が介在されている。洗濯時の洗濯槽21の回転により生じる洗濯装置部11の振動は、緩衝部材38によって吸収される。
支持補強部55は一対設けられ、それぞれが図1において手前側と奥側とに設けられている。図1に示された手間側の支持補強部55は、左支持柱52と右支持柱53との間であってかつ洗濯装置部11の左右中央において、支持フレーム54から上下方向の下方に向かって延びている。槽ハウジング22を挟んだ反対側には、同様の構成を有する奥側の支持補強部55が設けられている。各支持補強部55の上端部は、支持フレーム54に連結されている。各支持補強部55の下端部には、ウレタンゴム等の弾性部材よりなる振動吸収部材57が設けられている。それぞれの振動吸収部材57には、挿通孔58が設けられている。挿通孔58には、槽ハウジング22の外側面から外方向に向けて水平に突出する水平軸部39(後述する図7参照)が、若干の遊びを有する状態で挿通されている。洗濯装置部11に振動が生じた場合には、水平軸部39が挿通孔58の内面にあたることでその振動が吸収される。
次に、図1に示すように、傾斜駆動部13は油圧シリンダ又はエアシリンダ等のシリンダ装置である。傾斜駆動部13は一対設けられ、それぞれが図1において手前側と奥側とに設けられている。各傾斜駆動部13は、それぞれ左支持柱52に設けられている。図1に示された手間側の傾斜駆動部13について、そのロッド13aの先端部は、左支持柱52と支持補強部55との間で、支持フレーム54に連結されている。槽ハウジング22を挟んだ反対側には、同様の構成を有する奥側の傾斜駆動部13が設けられている。各傾斜駆動部13のロッド13aが没入した状態では、支持フレーム54は、一対の左支持柱52の上に載置されている。そのため、支持フレーム54は水平に保持され、洗濯装置部11も水平に支持されている。洗濯槽21内に収容された被洗濯物Wを洗濯する際には、このように支持フレーム54及び洗濯装置部11が水平に保持された状態で行われる。
被洗濯物Wを洗濯槽内に投入したり、洗濯終了後に洗濯槽21から被洗濯物Wを取り出したりする場合は、傾斜駆動部13を駆動してロッド13aを突出させる。すると、図4に示すように、支持フレーム54は、回動連結部56を中心として回動する。この回動により、支持フレーム54は図1における左端側が左支持柱52から離れて持ち上げられ、右側は下方へ移動し、傾斜する。洗濯装置部11も支持フレーム54とともに傾斜し、開閉部材33の開閉、被洗濯物Wの投入及び取り出しを容易に行うことができる。
なお、支持フレーム54及び洗濯装置部11が傾斜すると、槽ハウジング22の下端部に設けられた回転ローラ59が支持土台51に設けられた傾斜支持板51aの上に載る。さらに傾斜が進むと、回転ローラ59は傾斜支持板51aの上を転動する。この転動により、槽ハウジング22の傾斜駆動が円滑に行われる。回転ローラ59は傾斜駆動が完了した時点でも傾斜支持板51aの上に載った状態となっている。そのため、回転ローラ59によって傾斜した槽ハウジング22が支持される。
(洗濯機能を実現する詳細構成)
次に、洗濯機10の洗濯機能を実現する詳細な構成について、図5乃至図8をさらに参照しながら説明する。
先の図3及び図5に示すように、洗濯槽21の周壁61及び底板部62には、槽内外を貫通する多数の貫通孔63,64が形成されている。洗濯槽21が回転していない状態で槽内に供給された水(洗浄水やすすぎ水)は、底板部62の貫通孔64や周壁61の下端側の貫通孔63を通じて槽外へ排出されつつ槽ハウジング22の底部に溜められる。
また、図6(a)(b)に拡大して示すように、洗濯槽21は、その上端部には内側へ水平に延びる上側フランジ部65が周方向の全域にわたって設けられている。図5及び図6に示すように、上側フランジ部65と底板部62との間には、上下方向に延びる補強棒66が掛け渡されている。補強棒66は、洗濯槽21の周方向に沿って等間隔で複数設けられている。これら複数の補強棒66により洗濯槽21の強度が確保され、洗濯槽21の筒形状が保持される。
図5及び図6(a)(b)に示すように、補強棒66と洗濯槽21の内周面との間には、透水材67が保持されている。透水材67は、洗濯槽21の上下方向の全域かつ周方向の全域に設けられている。図5では、透水材67の一部が省略されている。透水材67は、立体構造を有する経編地(例えば、ダブルラッセル経編地)を素材として形成されている。立体構造を有する経編地は、クッション性や厚み保持性、通気性に優れる素材として用いられているものである。透水材67は、目の細かい側を内側にして設けられている。透水材67は横長のものを、補強棒66と洗濯槽21の内周面との間に通しながら設けるようにしてもよいし、予め円筒状をなすように形成しておき、補強棒66を取り付ける前に洗濯槽21の内周面に設けておくようにしてもよい。
図6(b)に示すように、洗濯槽21の上端部において、上側フランジ部65にはフック68が設けられている。フック68は補強棒66同士の間に設けられ、全体として複数(例えば4つ)設けられている、各フック68には、被洗濯物Wを掛けたハンガーH(後述する図9参照)が引っ掛けられる。洗濯槽21が回転すると、被洗濯物Wには遠心力が作用し、被洗濯物Wは透水材67に密着する。
洗濯槽21の底板部62の裏側には、図3及び図5に示すように、槽ハウジング22の底板部62との間の下部空間71において、複数(本実施形態では8枚)のフィン72が設けられている。なお、下部空間71とは、洗濯槽21の下方において、洗濯槽21と同じ径を有する円形空間を意味する。各フィン72は、底板部62の裏側に立設された板状部材によって形成されている。各フィン72は、槽回転軸41の外周部周辺から洗濯槽21の外周部に向かって等角度で放射状に延びるように設けられている。各フィン72は、洗濯槽21の外周部よりも外方へ突出する突出部72aを有している。
槽ハウジング22においては、図7に示すように、その内周面に、揚水ガイド73,74が設けられている。揚水ガイド73,74は、槽ハウジング22の内周面の下端部から上端部にかけて螺旋状をなしている。図7において、揚水ガイド73,74について二点鎖線で示す部分は、図の手前側に設けられた箇所を示している。揚水ガイド73,74は、槽ハウジング22の内周面に対し、その内方へ向かって立設された板状部材である。揚水ガイド73,74は、洗濯槽21を囲む環状槽外空間R1に存在する水に、洗濯槽21の回転に伴って、洗濯槽21の下端から上端へ向かう螺旋状の水流を生じさせる。この水流によって、水は洗濯槽21の下端側から上端側へ汲み上げられる。なお、環状槽外空間R1は、槽ハウジング22の内周面と洗濯槽21の外周面との間の環状空間であって、洗濯槽21と同じ高さを有する空間を意味する(後述する図9参照)。
揚水ガイド73,74は、2条設けられている。各揚水ガイド73,74の下端73a,74aは、洗濯槽21の底板部62の配置箇所に設けられている。各揚水ガイド73,74の下端73a,74aは、平面視において、180度反対の位置に設けられている。本実施形態では、第1揚水ガイド73の下端73aは図7における右側に、第2揚水ガイド74の下端74aは図7における左側にそれぞれ設けられている。
各揚水ガイド73,74の上端73b,74bは、洗濯槽21の上端よりも若干下方となる箇所に設けられている。各揚水ガイド73,74の上端73b,74bは、平面視において、180度反対の位置に設けられている。本実施形態では、下端73a,74aとは反対の側、すなわち第1揚水ガイド73の上端73bは図7における左側に、第2揚水ガイド74の上端74bは図7における右側にそれぞれ設けられている。
各揚水ガイド73,74の傾斜角度αは、水平方向に対して5〜20度の範囲に設定されることが好ましく、10〜15度の範囲に設定されることがより好ましい。本実施の形態では、揚水ガイド73,74の傾斜角度αは13度に設定されている。
槽ハウジング22の上端は、図7に示すように、洗濯槽21の上端よりも上方に設けられている。槽ハウジング22の内部において、洗濯槽21の上端と蓋板部31との間には、樋部材80が設けられている。樋部材80は、水平方向に沿って延びる長尺状をなしている。樋部材80は、図3に示すように、蓋板部31の平面部31aの裏側において、投入口32の直線開口縁32aの左側に配置されている。樋部材80は、直線開口縁32aに沿って延びるように、平面部31aの裏面に取り付けられている。樋部材80の全長は、当該直線開口縁32aと略同じ長さを有している。
樋部材80は、図8に示すように、上方及び両端部が開口する断面U字形状をなしている。樋部材80は、樋底部81と、一対の対向壁部82,83と、長手方向に延びる流水路84とを有している。一対の対向壁部82,83のうち、洗濯槽21の回転方向βの先側に設けられた側を第1対向壁部82とし、もう一方の側を第2対向壁部83とする。第1対向壁部82の図8における左端部は、外方かつ洗濯槽21の回転方向βとは反対側へ向かって湾曲するように延長されている。この延長された部分は、導水ガイド85である。導水ガイド85の先端部は、図3に示すように、槽ハウジング22の内周面に近接した位置に配置されている。
図7に示すように、蓋板部31の裏面には、樋部材80の長手方向に沿って延びる一対の取付け片86が固定されている。一対の取付け片86の間に樋部材80が設けられ、各取付け片86は第1対向壁部82又は第2対向壁部83に重ね合わされている。互いに重なり合う取付け片86と対向壁部82,83とが連結されることにより、樋部材80が蓋板部31の裏面に取り付けられている。第1対向壁部82、第2対向壁部83及び導水ガイド85の上端部は、その全域で蓋板部31の裏面に当接している。
図8(a)に示すように、導水ガイド85の先端部のさらに先には、第1揚水ガイド73の上端73bが設けられている。そのため、第1揚水ガイド73に沿った水流によって上昇した水は、導水ガイド85から樋部材80の図8における左側の導水口87に至り、流水路84に導入される。
樋底部81には、一対の長孔91,92が図8(a)における左右に並んで設けられている。各長孔91,92は、樋部材80の長手方向に沿って長尺状をなしている。各長孔91,92のうち第1長孔91は、流路中央部よりも左側、すなわち導入側に設けられている。第1長孔91は、第1対向壁部82の側へオフセットして設けられている。第1長孔91は、導水口87から若干奥まった位置を起点に、樋部材80の流路中央部に至るまで設けられている。第2長孔92は、流路中央部よりも奥側に設けられている。第2長孔92は、両対向壁部82,83の間の中央部において、第1長孔91よりも幅広に形成されている。第2長孔92は、流路中央部よりも若干奥側に寄った位置から流路最奥部に至るまで形成されている。
樋部材80において、第1長孔91が設けられた箇所には、第1せき止め板93が設けられている。第1せき止め板93はL字状をなし、第1取付け板部93aと第1せき止め板部93bとを有している。第1取付け板部93aは、第1対向壁部82に取り付けられている。第1せき止め板部93bは、第1対向壁部82から流水路内に向けて立設されている。第1せき止め板部93bは、図8(b)に示すように、第1対向壁部82の高さ方向の略全域に設けられている。第1せき止め板部93bは、図8(a)に示すように、第1長孔91を横切るだけの突出長さを有している。そのため、第1せき止め板部93bの先端と第2対向壁部83との間には、流通口99が形成されている。
第1せき止め板93が存在することにより、第1長孔91のうち第1せき止め板93の導入側は、第1落水孔95となっている。第1対向壁部82には、第1長孔91の長手方向に沿って複数の取付け用孔96が設けられている。複数の取付け用孔96を利用することで、第1せき止め板93はその取付け位置を変更することが可能となっている。第1せき止め板93の取り付け位置が変更されることにより、第1落水孔95の大きさが変更される。
樋部材80において、第2長孔92が設けられた箇所には、第2せき止め板94が設けられている。第2せき止め板94はL字状をなし、第2取付け板部94aと第2せき止め板部94bとを有している。第2取付け板部94aは、樋底部81に取り付けられている。第2せき止め板部94bは、樋底部81から流水路84に向けて立設されている。第2せき止め板部94bは、図8(b)に示すように、両対向壁部82,83の高さと略同じ高さを有するとともに、両対向壁部82,83の間の略全域に設けられている。
第2せき止め板94により、第2長孔92のうち第2せき止め板94の導入側は、第2落水孔97となっている。樋底部81には、第2長孔92の長手方向に沿って複数の取付け用孔98が設けられている。複数の取付け用孔98を利用することで、第2せき止め板94はその取付け位置を変更することが可能となっている。第2せき止め板94の取り付け位置が変更されることにより、第2落水孔97の大きさが変更される。
(洗濯機能の説明)
次に、以上の構成を有する洗濯機10を用いた洗濯手順と洗濯機能とを、図9乃至図11をさらに参照しながら説明する。
洗濯手順として、まず、傾斜駆動部13を駆動して、図4に示すように洗濯装置部11を傾斜させる。槽ハウジング22の蓋板部31に設けられた開閉部材33を開き、被洗濯物Wを掛けたハンガーHを投入口32から投入する。投入したハンガーHを洗濯槽21内のフック68に引っ掛け、被洗濯物Wを洗濯槽21の内部にセットする。その後、洗濯装置部11を水平な洗濯実施状態に戻し、洗濯槽21の内部に水(ここでは洗浄水)を供給する。
この時に供給される水の量は、水供給部36により、槽ハウジング22の内部空間のうち洗濯槽21と下部空間71とを除いた空間の容量よりも少ない量に調整されている。例えば、前記空間の容量が130リットルとされる場合、100リットルの水が供給される。供給された水は、洗濯槽21の周壁61及び底板部62に設けられた貫通孔63,64を通じて槽外に排出され、槽ハウジング22の底部に溜められる。
続いて、回転駆動部42を駆動して洗濯槽21を回転させる。洗濯槽21が回転すると、洗濯槽21の内部に収容された被洗濯物Wに遠心力が作用し、被洗濯物Wは透水材67に密着する。環状槽外空間R1に入り込んだ水には、揚水ガイド73,74によって洗濯槽21の上端部に至る水流が形成される。これにより、水が洗濯槽21の上端部まで汲み上げられる。
当初、洗濯槽21の下部空間71に存在していた水は、図10に示すように、フィン72の回転による遠心力によって、洗濯槽21の回転方向βへ回転しながら外側へ追いやられる。フィン72によって外側に追いやられた水は、水の回転方向と揚水ガイド73,74の螺旋の上方へ向けた周回方向とが一致し、環状槽外空間R1へ入り込みやすくなっている。環状槽外空間R1に入り込んだ水は、前述したとおり、揚水ガイド73,74によって汲み上げられる。フィン72は突出部72aを有しているため、この突出部72aにより、フィン72によって外側へ追いやられた水には、上方へ向かう流れが形成される。
図9に示すように、第2揚水ガイド74によって汲み上げられた水は、第2揚水ガイド74の上端74bから勢いよく排出される。排出された水は、蓋板部31の裏面に衝突した後、洗濯槽21の内部に流れ落ちる。槽内に流れ落ちた水は、洗濯槽21の内部の透水材67に密着している被洗濯物Wに降りかかる。被洗濯物Wに降りかかった水は、洗濯槽21が回転していることにより生じる遠心力によって被洗濯物Wの繊維同士の間に浸透し、繊維同士の間を通過する。その後、透水材67及び洗濯槽21の周壁61の貫通孔63をさらに通過し、環状槽外空間R1に排出される。洗浄水が被洗濯物Wの繊維同士の間に浸透し、かつ通過する際に、被洗濯物Wが洗浄される。
一方、第1揚水ガイド73によって汲み上げられた水は、第1揚水ガイド73の上端73bから勢いよく排出される。排出された水は、図11に示すように、導水口87から樋部材80の流水路84に導入される。その水は流水路84を流れ、うち第1対向壁部82の側を流れる水は第1落水孔95から流れ落ちる。図9に示すように、その水が流れ落ちる箇所は、洗濯槽21の上端開口部21aにおいて、樋部材80が設けられた箇所の中央部付近となる。そのため、水は、洗濯槽21の下部領域に振りかかる。
流水路84に導入された水は、遠心力によって水流が形成された水である。そのため、第2対向壁部83の側よりも第1対向壁部82の側において、より多くの量の水が勢いよく流れている。そうすると、図11に示すように、第1対向壁部82の側を流れる水のすべてが第1落水孔95から流れ落ちるのではなく、水流の勢いによって第1せき止め板93に衝突して跳ね返され、逆の流れが生じる。この逆の流れにより、導水口87からも水が流れ落ちる。図9に示すように、その水が流れ落ちる箇所は、洗濯槽21の上端開口部21aにおいて、洗濯槽21の内周面寄りの位置となる。そのため、水は洗濯槽21の上部領域に振りかかる。
図11に示すように、第2対向壁部83の側を流れる水は、第1落水孔95から流れ落ちたり、第1せき止め板93によってせき止められたりせず、第1せき止め板93と第2対向壁部83との間の流通口99を通じて奥側へ流れる。その後、水は第2落水孔97から流れ落ちる。水流の勢いによって第2落水孔97から流れ落ちなかった水も、第2せき止め板94に衝突して導入側へ戻され、第2落水孔97から流れ落ちる。図9に示すように、その水が流れ落ちる箇所は、洗濯槽21の上端開口部21aにおいて、流路中央よりも奥側の位置となっている。そのため、水は洗濯槽21の上下中間領域に振りかかる。
このように、樋部材80から流れ落ちる水が洗濯槽21の内部に降りかかる箇所は、洗濯槽21の内周の上部領域、下部領域及び上下中間領域に散らばっている。そのため、樋部材80から、洗濯槽21の内周面の上下方向全域に水を降り注ぐことができる。これにより、被洗濯物Wにおいて、水が降りかかる箇所の偏りが抑制され、洗濯槽21の内周全域にまんべんなく水が降り注がれる。
被洗濯物Wに降りかかった水も、第2揚水ガイド74によって汲み上げられた水が被洗濯物Wに降りかかった場合と同様に、遠心力によって被洗濯物Wの繊維同士の間に浸透し、繊維同士の間を通過する。その後、透水材67及び洗濯槽21の周壁61の貫通孔63をさらに通過し、環状槽外空間R1に排出される。洗浄水が被洗濯物Wの繊維同士の間に浸透し、かつ通過する際に、被洗濯物Wが洗浄される。
環状槽外空間R1に排出された水は、揚水ガイド73,74に沿って、洗濯槽21の上端部まで再び汲み上げられる。汲み上げられた水は、揚水ガイド73,74の上端73b,74bから排出され、被洗濯物Wに再び降りかかる。このような水の流れが繰り返されることにより、被洗濯物Wの洗浄度が高められる。
洗浄水を用いた被洗濯物Wの洗浄が終了すると、洗濯手順として、脱水した後にすすぎを行う。すすぎでは、すすぎ水を洗濯槽21に供給し、洗濯槽21を回転させる。すすぎにおいても、水の流れは、上述した洗浄時における洗浄水の流れと同じである。つまり、洗濯槽21の回転によりすすぎ水が汲み上げられて洗濯槽21に注がれる。注がれたすすぎ水は、遠心力によって被洗濯物Wの繊維同士の間に浸透し、通過することで、被洗濯物Wがすすがれる。水の汲み上げと洗濯槽21への注水が繰り返されることで、すすぎ度が高められる。
すすぎが終了すると、脱水すれば洗濯が完了する。傾斜駆動部13を再び駆動して、図4に示すように洗濯装置部11を傾斜させ、被洗濯物Wを洗濯槽21から取り出せば、洗浄された被洗濯物Wが得られる。
以上をまとめると、本実施形態の洗濯機10によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)洗濯槽21の下方にある下部空間71において、洗濯槽21の底板部62にはフィン72が設けられている。洗濯槽21及び槽ハウジング22に水を溜めた状態で洗濯槽21を回転させると、下部空間71の水(洗浄水やすすぎ水)は、フィン72の回転による遠心力によって、洗濯槽21の回転方向βへ回転しながら外側へ追いやられる。フィン72によって外側に追いやられた水は、水の回転方向と揚水ガイド73,74の螺旋の上方へ向けた周回方向とが一致し、揚水ガイド73,74へ入り込みやすくなっている。その結果、下部空間71に溜まった水を、洗濯槽21の上部まで確実に汲み上げることができる。
(2)フィン72は、洗濯槽21の外周部よりも外方へ突出する突出部72aが設けられている。突出部72aが存在することで、フィン72によって外側へ追いやられた水には、上方へ向かう流れが形成される。そのため、フィン72によって外側に追いやられた水は、揚水ガイド73,74へより入り込みやすくなり、洗濯槽21の上部までより一層確実に汲み上げることができる。
(3)槽ハウジング22の内部空間において、洗濯槽21の上方には樋部材80が設けられている。樋部材80の樋底部81には、樋部材80への導入側に第1落水孔95が形成され、奥側には第2落水孔97が形成されている。第1揚水ガイド73によって洗濯槽21の上端部まで汲み上げられた水は、樋部材80の流水路84に導入され、その後、第1落水孔95及び第2落水孔97から流れ落ちる。水は2つの異なる位置から流れ落ちるため、被洗濯物Wにおいて、水が降りかかる箇所に偏りが生じることを抑制できる。
(4)樋部材80の導入側には、導水ガイド85が設けられている。導水ガイド85は、第1対向壁部82とともに1枚の板状部材によって形成され、第1対向壁部82から外方に延びている。第1対向壁部82に隙間なくつながる導水ガイド85により、第1揚水ガイド73の上端73bから排出された水を、導水口87へより多く確実に導入することができる。
(5)樋部材80に設けられた第1落水孔95及び第2落水孔97の大きさは、第1せき止め板93や第2せき止め板94の取付け位置を変更することによって変更可能となっている。被洗濯物Wの形態に合わせた最適な領域に水が降りかかるように、第1落水孔95や第2落水孔97の大きさを変更することで、水の降りかかりに偏りが生じることを抑制できる。
(6)流水路84の導入側に設けられた第1落水孔95は、第1対向壁部82の側、つまり、洗濯槽21の回転方向βであって水流方向の先側に、オフセットして設けられている。第1落水孔95の奥側には、第1せき止め板93が設けられている。遠心力によって第1対向壁部82の側を水が勢いよく流れるため、その水を第1せき止め板93に衝突して跳ね返すことが可能となる。この水の跳ね返りにより、導水口87からも水が流れ落ちるため、その水を洗濯槽21の内周面の上部領域に降り注ぐことができる。
(7)洗濯時には、槽ハウジング22の内側空間のうち洗濯槽21と下部空間71とを除いた残余空間の容量よりも少ない水が洗濯槽21に供給される。洗濯時に、前記残余空間の容量よりも多い水が供給されてしまうと、洗濯槽21を回転させた場合に、前記残余空間の全体に水が充満した状態となる。そのため、洗濯槽21の内部に流れ落ちて被洗濯物Wに降りかかった水は環状槽外空間R1に排出されづらくなる。前記残余空間の容量よりも少ない水が洗濯槽21に供給されることにより、被洗濯物Wに降りかかった水が環状槽外空間R1に排出されやすくなる。
(8)揚水ガイド73,74は、水平方向に対して5〜20度の傾斜角度αを有している。傾斜角度αが大きいと、揚水ガイド73,74に沿って上昇する水に作用する重力の影響が高まり、水が上昇しづらくなる。逆に、傾斜角度αが小さいと、洗濯槽21の上端部に至るまでの時間がかかり、洗濯効率を低下させてしまう。揚水ガイド73,74の傾斜角度αを上記のとおり設定することで、揚水ガイド73,74に沿って水を好適に上昇させることができる。
(9)洗濯槽21の周壁61には、多数の貫通孔63が設けられている。そこに被洗濯物Wが遠心力によって密着すると、被洗濯物Wに貫通孔63の跡がついてしまい、被洗濯物Wの損傷や型崩れ等を生じさせるおそれがある。また、被洗濯物Wを水が通過する場合に、周壁61の貫通孔63が設けられた箇所でより多くの水が通過し、洗浄ムラが生じるおそれもある。
この点、洗濯槽21の内周面には、ダブルラッセル経編地等を素材とする透水材67が設けられている。そのため、被洗濯物Wは、洗濯槽21の周壁61ではなく、透水材67に密着する。これにより、被洗濯物Wに貫通孔63の跡がつくことを防止できる。また、被洗濯物Wを水が通過する場合に、通気性に優れかつ水の透過性や分散性にも優れる透水材67に向けて水が通過する。そのため、被洗濯物Wの全体に水をムラなく通過させることができ、洗浄ムラが生じることも抑制できる。
(10)透水材67は、洗濯槽21の内周面と複数の補強棒66との間を通された状態で保持されている。そのため、洗濯槽21を回転させてない場合でも、透水材67が洗濯槽21の内周面に設けられた状態を保持できる。
なお、本発明は、上記実施の形態の洗濯機10に限定されず、例えば次のような構成を採用してもよい。
(a)上記実施の形態では、槽ハウジング22の内周面に揚水ガイド73,74が2条設けられている。これに代えて、1条であってもよいし3条以上設けられていてもよい。
(b)上記実施の形態では、樋部材80の第1対向壁部82から延長された部分を導水ガイド85とし、第1対向壁部82と導水ガイド85とが一枚の板状部材によって形成されている。これに代えて、第1対向壁部82と導水ガイド85とを別部材とし、第1対向壁部82の導入側端部に導水ガイド85を連結して一体化させるようにしてもよい。この場合でも、導水ガイド85は第1対向壁部82から隙間なく延長されるように、両者を連結した構成とする。
(c)上記実施の形態では、樋部材80の樋底部81には一対の長孔91,92が設けられ、せき止め板93,94の位置を変更することにより、落水孔95,97の大きさを変更可能となっている。これに代えて、大きさの変更が不能な落水孔が複数設けられた構成としたり、より短い長孔を複数設け、落水孔の大きさを変更できる範囲を短くした構成としたりしてもよい。異なる位置から水が流れ落ちるようにすべく、樋部材80の長手方向に沿って異なる位置に複数の落水孔が設けられていれば足りる。
(d)上記実施の形態では、洗濯槽21の周壁61は円筒状をなすように形成されている。周壁61の形状は任意であり、例えば、角形筒状であったり、上下方向の中央部が外方へ拡張された壺型形状であったりしてもよい。
(e)上記実施の形態では、洗濯槽21の底板部62は水平をなすように形成されている。底板部62の形状は任意であり、例えば、平面視における底中央部が外周側よりも盛り上がった形状をなすように形成してもよい。
(f)上記実施の形態では、洗濯槽21の底板部62に多数の貫通孔64が形成されている。これに代えて、貫通孔64が形成されていない底板部62を有する洗濯槽21であってもよい。
なお、以下に、本実施の形態から抽出され得る技術的思想について、その作用効果を示しつつここに付記する。
手段1.筒状をなし、所定方向に延びる中心軸線を中心として回転可能に設けられた洗濯槽(洗濯槽21)と、
前記洗濯槽の周壁に設けられ、槽内外を貫通する多数の貫通孔(貫通孔63)と、
前記洗濯槽の全体を収容する槽ハウジング(槽ハウジング22)と、
前記槽ハウジングの上方を閉じる蓋体(蓋板部31)と、
を備え、
前記洗濯槽の回転によって生じる遠心力により、前記洗濯槽の内周面に存在する被洗濯物に水を通過させることで当該被洗濯物を水洗いする洗濯機(洗濯機10)に適用され、
前記洗濯槽の内周面に設けられた透水材(透水材67)であって、
立体構造を有する経編地(ダブルラッセル経編地)を素材として形成されている透水材。
手段1を具体化した洗濯機は、上記実施の形態の洗濯機10とは異なり、洗濯槽21の中心軸線が上下方向に対して傾斜していてもよい。また、槽ハウジング22の内周面に揚水ガイド73,74が設けられていない一般的な構成の洗濯機であってもよい。
手段2.筒状をなし、上下方向に延びる中心軸線を中心として回転可能に設けられた洗濯槽(洗濯槽21)と、
前記洗濯槽の周壁に設けられ、槽内外を貫通する多数の貫通孔(貫通孔63)と、
前記洗濯槽の上方に上部空間が形成された状態で、前記洗濯槽の全体を収容する槽ハウジング(槽ハウジング22)と、
前記槽ハウジングの上方を閉じる蓋体(蓋板部31)と、
前記槽ハウジングの内周面において、前記洗濯槽の下端部から上端部にかけて螺旋状に設けられた揚水ガイド(揚水ガイド73,74)と、
前記洗濯槽の内周面に設けられ、立体構造を有する経編地を素材とする透水材(透水材67)と、
を備え、
前記洗濯槽の回転によって生じる遠心力により、前記洗濯槽の内周面に存在する被洗濯物を水が通過し、その透過した水が前記透水材を通過し、さらに前記透水材を通過した水が前記貫通孔を通過して前記洗濯槽の外方へ排出し、
前記排出された水を前記揚水ガイドに沿って前記洗濯槽の下端から上端へ汲み上げて前記洗濯槽の上方から槽内に落とし、前記被洗濯物に振り注いで前記被洗濯物を水洗いする洗濯方法。
上記手段1及び手段2によれば、洗濯槽の周壁に被洗濯物が直接密着しないため、被洗濯物に周壁に設けられた貫通孔の跡がつくことを防止できる。また、被洗濯物を水が通過する場合に、被洗濯物全体に水をムラなく通過させて洗浄ムラが生じることも抑制できる。
10…洗濯機、21…洗濯槽、22…槽ハウジング、31…蓋板部(蓋体)、34…水供給部、62…底板部、63…貫通孔、65…上側フランジ部、66…補強棒、67…透水材、71…下部空間、72…フィン、73,74…揚水ガイド、80…樋部材、82…第1対向壁部、82…第2対向壁部、84…流水路、85…導水ガイド、93…第1せき止め板、95…第1落水孔,97…第2落水孔、R1…環状槽外空間。

Claims (10)

  1. 筒状をなし、上下方向に延びる中心軸線を中心として回転可能に設けられた洗濯槽と、
    前記洗濯槽の周壁に設けられ、槽内外を貫通する多数の貫通孔と、
    前記洗濯槽の全体を収容する槽ハウジングと、
    前記槽ハウジングの上方を閉じる蓋体と、
    前記槽ハウジングの内周面において、前記洗濯槽の下端部から上端部にかけて螺旋状に設けられ、前記槽ハウジングの内周面と前記洗濯槽の外周面との間の環状槽外空間にある水に、前記洗濯槽の回転に伴って前記洗濯槽の下端から上端に至る螺旋状の水流を生じさせる揚水ガイドと、
    前記洗濯槽の底板部と前記槽ハウジングの底部との間の下部空間において前記洗濯槽の底部に設けられ、前記洗濯槽の回転に伴って前記下部空間にある水を前記洗濯槽の回転方向に回転させながら前記環状槽外空間へ追いやるフィンと、
    を備えた洗濯機。
  2. 前記フィンは、前記洗濯槽の外周部より外方へ突出する突出部を備えている請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記槽ハウジングの内部において前記洗濯槽の上端と前記蓋体との間には、水平方向に延びる長尺状に形成された樋部材と、
    前記樋部材に設けられ、前記揚水ガイドによって前記洗濯槽の上端部まで汲み上げられた水が導入されて水平方向に流通する流水路と、
    前記樋部材の樋底部において、前記樋部材の長手方向に沿って異なる位置に設けられた複数の落水孔と、
    をさらに備えている請求項1又は2に記載の洗濯機。
  4. 前記流水路への導水口から外方かつ前記洗濯槽の回転方向と反対側へ向かって湾曲して延び、前記導水口への導入をガイドする導水ガイドをさらに備え、
    前記導水ガイドは、前記流水路を形成する一対の対向壁部のうち、前記洗濯槽の回転方向の先側に設けられた対向壁部と隙間なくつながって設けられている請求項3に記載の洗濯機。
  5. 前記複数の落水孔は、前記樋部材の長手方向に沿った長さが調整可能となっている請求項4に記載の洗濯機。
  6. 前記流水路を形成する一対の対向壁部のうち、前記洗濯槽の回転方向の先側に設けられた前記対向壁を第1対向壁部とし、他方の対向壁部を第2対向壁部とし、
    前記落水孔の一つは、前記樋部材の長手方向中央よりも導入側であってかつ前記長手方向の中央側寄りの位置において、前記第1対向壁部の側にオフセットして設けられ、当該落水孔の奥側にはせき止め板が設けられている請求項5に記載の洗濯機。
  7. 洗濯時において、前記槽ハウジングの内側空間のうち前記洗濯槽と前記下部空間とを除いた空間の容量よりも少ない水を前記洗濯槽に供給する水供給部を備えた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の洗濯機。
  8. 前記揚水ガイドは、水平方向に対して5〜20度の傾斜角度を有して設けられている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の洗濯機。
  9. 前記洗濯槽の内周面には、立体構造を有する経編地を素材とする透水材が設けられている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の洗濯機。
  10. 前記洗濯槽は、
    前記洗濯槽の上端から内側へ向かって延びる上側フランジ部と、
    前記底板部と前記上側フランジ部と間に掛け渡され、前記洗濯槽の周方向に沿って複数設けられて前記洗濯槽の筒形状を保持するための補強となる補強棒と、
    を備え、
    前記透水材は、前記洗濯槽の内周面と前記補強棒との間を通された状態で保持されている請求項9に記載の洗濯機。
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