JP5947636B2 - 合成皮革およびその製造方法 - Google Patents

合成皮革およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5947636B2
JP5947636B2 JP2012143155A JP2012143155A JP5947636B2 JP 5947636 B2 JP5947636 B2 JP 5947636B2 JP 2012143155 A JP2012143155 A JP 2012143155A JP 2012143155 A JP2012143155 A JP 2012143155A JP 5947636 B2 JP5947636 B2 JP 5947636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
layer
synthetic leather
skin layer
reactive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012143155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014005576A (ja
Inventor
山田 和則
和則 山田
伊東 芳勝
芳勝 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiren Co Ltd
Original Assignee
Seiren Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiren Co Ltd filed Critical Seiren Co Ltd
Priority to JP2012143155A priority Critical patent/JP5947636B2/ja
Publication of JP2014005576A publication Critical patent/JP2014005576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5947636B2 publication Critical patent/JP5947636B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Description

本発明は、合成皮革およびその製造方法に関する。
合成皮革は、鞄、衣料、靴、椅子および車両用シートなど各分野に幅広く応用されている。一般的に合成皮革は、離型紙上に熱溶融樹脂または溶剤型樹脂を塗布し、乾燥して皮膜を形成し、ついで、前記皮膜もしくは基材に接着剤を塗布し、皮膜と基材とを張り合わせた後、熱圧着により接着し、離型紙を剥がすことにより製造される。
ところで、近年、一般的に無地である合成皮革においても、カラフルさやデザインの変化が要求され、表面に若干の凹凸をつけて模様を付与したものだけでなく、着色された模様を付与したものが知られている。
合成皮革に着色模様を付与したものとしては、例えば、特許文献1があげられる。この方法によれば、繊維質基材上に存在する高分子弾性体層上にUV硬化顔料からなる画像を形成させ、UV硬化後に水系高分子弾性体を塗布し、該水系高分子弾性体が表皮層となることを特徴とするシート状物の製造方法を開示している。しかしながら、UV硬化樹脂と水系高分子弾性体との接着性が本来良好ではないため、未だ耐摩耗性が不十分であった。
このように、品位の良好な着色画像が付与され、かつ耐摩耗性に優れた合成皮革は、未だ得られていないのが現状である。
特開2008−55686号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、品位の良好な着色画像が付与され、かつ耐摩耗性に優れた合成皮革を提供することを目的とする。
本発明は、繊維質基材と、ポリウレタン樹脂表皮層と、紫外線硬化型インクによる画像層と、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層とが順次積層されてなる合成皮革であって、
紫外線硬化型インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が、紫外線硬化型インクに対し80重量%以上で、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートであることを特徴とする合成皮革である。
また、本発明は、ポリウレタン樹脂表皮層用液を離型性基材上に塗布して、ポリウレタン樹脂表皮層を形成する工程と、
ポリウレタン樹脂表皮層と繊維質基材を接着剤にて貼り合わせる工程と、
離型性基材を剥離する工程と、
ポリウレタン樹脂表皮層上に、2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上であり、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである紫外線硬化型インクを用い画像層を形成する工程と、
溶剤系ポリウレタン樹脂保護層用液を画像層上に塗布して、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層を形成する工程と
を含むことを特徴とする合成皮革の製造方法である。
本発明によれば、品位の良好な着色画像が付与され、かつ耐摩耗性に優れた合成皮革を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の合成皮革は、繊維質基材と、ポリウレタン樹脂表皮層と、紫外線硬化型インクによる画像層と、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層とが順次積層されてなる合成皮革であって、紫外線硬化型インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上で、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである。
本発明に用いられる繊維質基材は、織物、編物、不織布などの布帛や、天然皮革を挙げることができる。布帛には、従来公知の溶剤系または水系の高分子化合物、例えば、ポリウレタン樹脂やその共重合体を塗布または含浸し、乾式凝固または湿式凝固させたものを用いることができる。また、繊維の種類は特に限定されず、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維など、従来公知の繊維を用いることができ、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、強度や加工性の点から、合成繊維、特にはポリエステル繊維からなる編物が好ましい。
本発明の合成皮革は、上記繊維質基材上に、ポリウレタン樹脂による表皮層を有するものであり、繊維質基材に接着剤にて表皮層を接合するものである。
ポリウレタン樹脂表皮層の形成に用いられるポリウレタン樹脂は特に限定されるものでなく、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などを挙げることができ、こられを1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、耐摩耗性および耐光堅牢性の観点からポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。また、ポリウレタン樹脂の形態は、無溶剤系(無溶媒系)、ホットメルト系、溶剤系、水系を問わず、さらには、一液型、二液硬化型を問わず使用可能であり、その目的と用途に応じて適宜選択すればよい。
また、ポリウレタン樹脂には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば触媒、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤、滑剤、塗料、発泡剤、離型剤などを含有させてもよい。これらは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリウレタン樹脂表皮層の厚さは5μm以上であることが好ましく、さらには20〜50μmであることが好ましい。表皮層の厚さが5μm未満であると、合成皮革の強度が損なわれる虞がある。
前記ポリウレタン樹脂表皮層上に形成された画像層は、紫外線硬化型インクからなっている。紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することにより硬化するインクであり、水系インクや溶剤系インクでは記録が不可能であるプラスチック類およびガラス類など、インク吸収性のない基材に対して、インク受容層の形成をしないで記録することが可能である。
画像層は、紫外線硬化型インクを5〜100g/mで付与することにより形成されることが好ましい。付与量が5g/mより少ないと、画像が濃度不足となる傾向にあり、100g/mをこえると、層間剥離が発生する傾向にある。
本発明に使用される紫外線硬化インクは顔料または染料の着色成分、反応性オリゴマー、反応性希釈剤、光重合開始剤を含有し、その他、必要に応じて添加剤を加えることも可能である。また着色成分を含まないクリアインクも使用することが可能である。
紫外線硬化インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和は80重量%以上である。紫外線硬化型インクとして、2官能以上の反応性オリゴマー及び反応性希釈剤の総和が80重量%以上のインクを用いて画像層を形成することにより、画像層上に溶剤系ポリウレタン樹脂を用いても、画像の鮮明性への影響が極めて少ない意匠性の良好な合成皮革となる。2官能以上の反応性オリゴマー及び反応性希釈剤の量が80重量%未満であると、画像層が溶剤系ポリウレタン樹脂により膨潤し、画像の鮮明性が失われ意匠性の劣った合成皮革となる。
反応性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートを用いる。ウレタンアクリレートのなかでも、様々な材料に対する接着性に優れるといった点や、耐光性、強靭性、柔軟性、耐薬品性、低温特性が優れるという理由から、脂肪族ウレタンアクリレートが好ましい。
また、紫外線硬化インクに含まれる反応性オリゴマーの量は、2〜30重量%であることが好ましく、さらには2〜20重量%であることが好ましい。反応性オリゴマーの量が2%未満であると、画像層と保護層の接着性が不十分となり、合成皮革の耐摩耗性が損なわれる虞がある。30%を超えると、インクの粘度が高くなり、画像の形成方法が限定される虞がある。
使用される反応性オリゴマーは、60℃における粘度が40〜10000cpsであることが好ましく、とくには40〜7500cpsであることが好ましい。反応性オリゴマーの60℃における粘度が40cps未満では、反応性オリゴマーが充分な分子量を有していないためそれらから得られる硬化膜の分子量が小さい傾向があり、十分な物性を得にくい虞がある。また10000cpsをこえると、インク中に添加できる量がごく僅かに限定されてしまい、インクの構成成分が反応性希釈剤でほとんどを占めることとなるために、得られる硬化膜の接着性が不足する虞がある。
2官能以上の反応性希釈剤としては、たとえば6官能のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートやそれら変性体、5官能のジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、4官能のペンタジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、3官能のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、グリセリルトリアクリレート、2官能のヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジアクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジアクリレート、ポリプロピレングリコール(700)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレートがあげられる。さらに、これらにリン、フッ素、エトキシ基、またはプロポキシ基などの官能基を付与した反応性希釈剤があげられる。これらの反応性希釈剤を単独、もしくは複合して使用できる。また、本発明の範囲を超えなければ、単官能の反応性希釈剤を含有させることができる。
また、光重合開始剤としては、ベンゾイン系、チオキサントン系、ベンゾフェノン系、ケタール系、アセトフェノン系があげられ、単独、もしくは複合して使用しても良い。
具体的には、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシ−アセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンジルージフェニルーホスフィンオキシド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロリルチオキサントン(2−および4−異性体の混合物)、ベンゾフェノン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノンとのブレンド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルケトンとのブレンド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、およびカンファーキノンなどがあげられる。
なかでも、反応性オリゴマーおよび反応性希釈剤との相溶性が良く、低臭気であり、自然光で反応しないものを選択するのが好ましい。
また、光重合開始剤の開始反応を促進させるために増感剤などの助剤を併用することも可能である。
着色成分としては、顔料および染料のいずれも使用可能である。印写記録された記録物に対して耐候性や耐光性が求められる場合は、顔料を使用することが好ましく、有機、無機を問わず任意のものが選択される。
たとえば有機顔料としては、ニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類、ピロロピロール類などがあげられる。
また、無機顔料としては、酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)、金属粉類などがあげられる。
また、耐光性をあまり重視しない場合には、染料を利用することも可能であり、その際の染料は特に限定されず任意のものが選択される。たとえば、染料としては、アゾ類、アントラキノン類、インジゴイド類、フタロシアニン類、カルボニウム類、キノンイミン類、メチン類、キサンテン類、ニトロ類、ニトロソ類などの油溶性染料、分散染料、酸性染料、反応染料、カチオン染料、直接染料等があげられる。
インク成分として使用可能な添加剤としては、分散剤、表面張力調整剤、消泡剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防腐剤が挙げられ、その他のものも必要に応じて任意に加えることも可能である。
紫外線硬化型インクは、着色成分、反応性オリゴマー、反応性希釈剤、光重合開始剤、その他添加剤を混合し、さらにその混合物をロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェトミル、ビーズミル等の分散機を使って分散させ濾過したものを用いるか、又は着色成分を分散剤及び添加剤を用い反応性オリゴマー、反応性希釈剤またはそのいずれからなる混合液を分散機にて分散させ、高濃度分散液を作成した後に、それら高濃度分散液に対して必要に応じて更に反応性オリゴマー、反応性希釈剤、光重合開始剤、その他添加剤を加えた後、ろ過を行うことで得ることができる。
紫外線硬化型インクをインクジェット方式で付与する場合はヘッドの適性に合わせた粘度に調整することが必要となる。一般的には1〜50cps程度であり、更に好ましくは5〜30cps程度である。紫外線硬化型インクの場合、設計により常温〜100℃程度での揮発成分がほぼゼロにすることも可能なためにヘッドを常温〜70℃程度まで加温し、減粘させ上記粘度範囲に適合させることも可能である。
ここで紫外線硬化型インクの粘度が5cpsより低いと、反応性オリゴマーの含有量が少なくなる傾向にあり、耐溶剤性や耐接着性などの物性において充分な性能が得られにくくなり、30cpsをこえると、インク粘度が充分に下がらず、吐出性に欠けたインクとなり、生産性に影響を与えることが考えられる。
本発明の合成皮革は、紫外線硬化型インクによる画像層上に、溶剤系ポリウレタン樹脂による保護層を有するものであり、保護層は画像層上に形成される。
保護層は溶剤系ポリウレタン樹脂を用いて形成する。溶剤系ポリウレタン樹脂を用いることにより、画像層と保護層の接着性が向上し、耐摩耗性の良好な合成皮革となる。
また、保護層の形成に用いられるポリウレタン樹脂は特に限定されるものでなく、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などを挙げることができ、これらを1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、耐摩耗性及び耐光性の観点からポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。また、ポリウレタン樹脂の形態は、一液型、二液硬化型を問わず使用可能であり、その目的と用途に応じて適宜選択すればよい。
ポリウレタン樹脂には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば触媒、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤、滑剤、塗料、発泡剤、離型剤などを含有させてもよい。これらは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
保護層の厚さは3〜30μmであることが好ましく、より好ましくは5〜15μmである。厚さが3μm未満であると、均一に保護層を形成することが困難で、部分的に保護層が欠如する虞がある。厚さが30μmを超えると、合成皮革の触感や風合いが粗硬になる虞がある。
次に、本発明の合成皮革の製造方法について説明する。
本発明の合成皮革の製造方法は、
(1)ポリウレタン樹脂表皮層用液を離型性基材上に塗布して、ポリウレタン樹脂表皮層を形成する工程と、
(2)ポリウレタン樹脂表皮層と繊維質基材を接着剤にて貼り合わせる工程と、
(3)離型性基材を剥離する工程と、
(4)ポリウレタン樹脂表皮層上に、2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上であり、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである紫外線硬化型インクを用い画像層を形成する工程と、
(5)溶剤系ポリウレタン樹脂保護層用液を画像層上に塗布して、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層を形成する工程と、
を含むものである。
離型性基材上に表皮層用樹脂液を塗布する方法としては、公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、スプレーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、コンマコーターなどの装置を用いた方法を挙げることができる。なかでも均一な薄膜層の形成が可能であるという点で、リバースコーター、ナイフコーター、コンマコーターによる塗布が好ましい。
表皮層用樹脂液の塗布厚は、前記表皮層の厚さに応じて適宜設定すればよい。
本発明に用いられる離型性基材は特に限定されるものでなく、ポリウレタン樹脂に対して離型性を有する基材、あるいは離型処理を施した基材であればよく、例えば、離型紙、離型処理布、撥水処理布、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂などからなるオレフィンシートまたはフィルム、フッ素樹脂シートまたはフィルム、離型紙付きプラスチックフィルムなどを挙げることができる。離型性基材は凹凸模様を有していてもよく、このような離型性基材を用いることにより、合成皮革の表面に立体的な意匠を付与することができる。
表皮層用樹脂液を離型性基材に塗布した後、必要により熱処理を行う。熱処理は、表皮層用樹脂液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を乾燥させるとともに、熱処理によって架橋反応を起こす架橋剤を用いる場合や、二液硬化型の樹脂を用いる場合にあっては、反応を促進し、十分な強度を有する皮膜を形成するために行われる。
熱処理温度は50〜150℃であることが好ましく、より好ましくは60〜120℃である。熱処理温度が50℃未満であると、熱処理に時間がかかり、工程負荷が大きくなったり、樹脂の架橋が不十分となって耐摩耗性が不良となったりする虞がある。熱処理温度が150℃を超えると、合成皮革の風合いが粗硬になる虞がある。また、熱処理時間は2〜20分間であることが好ましく、より好ましくは2〜10分間である。熱処理時間が2分間未満であると、樹脂の架橋が不十分となって耐摩耗性が不良となる虞がある。熱処理時間が20分間を超えると、加工速度が遅くなり工程負荷が大きくなる虞がある。
次いで、表皮層に接着剤を塗布し、塗装面に繊維質基材に貼り合わせる。
接着剤としては、公知のポリウレタン樹脂系接着剤が用いられるが、中でもポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。接着剤を塗布する方法は、公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、リバースロールコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーターなどの装置を用いた方法を挙げることができる。なかでも均一な薄膜層の形成が可能であるという点で、リバースコーター、ナイフコーター、コンマコーターによる塗布が好ましい。
表皮層に接着剤を塗布し繊維質基材に貼り合わせた後、離型性基材を剥離し、繊維質基材上に表皮層が形成される。該表皮層上に、紫外線硬化型インクによる画像層を形成する。
画像層の形成は、凸版印刷、平版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷またはインクジェット印刷などにより行われる。なかでも微細な表現が可能な点で、インクジェット印刷が好ましい。
インクが付与された基材を1回〜複数回紫外線を発する機器の下に通し紫外線を照射させて、インクを硬化させ画像層を形成させる。使用される紫外線発生機器としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UVLEDなど様々なものを使用することが可能である。
次いで、画像層上に、ポリウレタン樹脂保護層を形成する。
保護層を形成するために、保護層用樹脂液を表皮層に塗布する方法としては、公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、リバースロールコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーターなどの装置を用いた方法を挙げることができる。なかでも、画像層の凹凸に沿った薄膜層の形成が可能であるという点で、スプレーコーターによる塗布が好ましい。樹脂組成物の塗布厚は、前記保護層の厚さに応じて適宜設定すればよい。
次いで、必要により熱処理を行う。熱処理は、保護層用樹脂液中の溶媒を蒸発させ、樹脂を乾燥させるとともに、熱処理によって架橋反応を起こす架橋剤を用いる場合や、二液硬化型の樹脂を用いる場合にあっては、反応を促進し、十分な強度を有する皮膜を形成するために行われる。
熱処理温度は50〜150℃であることが好ましく、より好ましくは60〜120℃である。熱処理温度が50℃未満であると、熱処理に時間がかかり、工程負荷が大きくなったり、樹脂の架橋が不十分となって耐摩耗性が不良となったりする虞がある。熱処理温度が150℃を超えると、合成皮革の風合いが粗硬になる虞がある。また、熱処理時間は2〜20分間であることが好ましく、より好ましくは2〜10分間である。熱処理時間が2分間未満であると、樹脂の架橋が不十分となって耐摩耗性が不良となる虞がある。熱処理時間が20分間を超えると、加工速度が遅くなり工程負荷が大きくなる虞がある。
このようにして、本発明の合成皮革を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。
[実施例1]
(表皮層の形成)
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(名称クリスボンNY−328、DIC(株)製)100重量部に対して、溶剤としてジメチルホルムアミド40重量部を加え、粘度約2000cpsに調整して表皮層用ポリウレタン樹脂液を作成した。該ポリウレタン樹脂液を離型紙へ塗布厚200μmになるようにコンマコーターにてコーティングした後、130℃で2分間乾燥し、ポリウレタン樹脂表皮層を得た。
ポリウレタン樹脂表皮層とトリコット編地とを、ポリカーボネート系ポリウレタン接着剤(名称クリスボンTA−205、DIC(株)製)にて接着した後、離型性基材を剥離して、厚さ40μmのポリウレタン樹脂表皮層を有する積層体を得た。
(紫外線硬化型インクの作製)
反応性オリゴマー(名称CN985B88、アルケマ(株)製、樹脂の種類、脂肪族ウレタンアクリレート、官能基数2、60℃における粘度205cps)を18重量部、反応性希釈剤(名称SR−9003、サートマー社製、樹脂の種類、プロポキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、官能基数2)を74.5重量部、着色剤としてIRGALITEBlueGLNF(銅フタロシアニンブルー、PB15:4、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2重量部、および分散剤としてDisperbyk−168(ブロック共重合体、BYKChemie社製)0.5重量部、および光開始重合剤としてイルガキュア907(2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5重量部を加え、ビーズミル分散機を用い分散させ、その後ろ過を行い不純物除去し、均質な紫外線硬化型インクを作製した。このインクの粘度は11cps/60℃であった。
インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び反応性希釈剤の割合は92.5%であった。
(画像層の形成)
作製した紫外線硬化型インクを用いてインクジェット方式により、表皮層上に格子柄の画像層を形成した。印写条件を以下に示す。なお、インクの付与量は22g/mである。
〔印写条件〕
イ)ノズル径:70(μm)
ロ)印加電圧:50(V)
ハ)パルス幅:20(μs)
ニ)駆動周波数:1(kHz)
ホ)解像度:200(dpi)
ヘ)加熱温度:60(℃)
〔紫外線照射条件〕
あ)ランプ種類:メタルハライドランプ
い)電圧:100W/cm
う)照射時間:1秒
え)照射高さ:10(cm)
(保護層の形成)
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(名称クリスボンNY−328、DIC(株)製)100重量部に対して、溶剤としてジメチルホルムアミド40重量部を加え粘度約2000cpsに調整しての保護層用ポリウレタン樹脂液を作成した。該ポリウレタン樹脂液を画像層上へ塗布量50g/mになるようにスプレーコーターにてコーティングした後、130℃で2分間乾燥し、厚さ15μmの保護層を形成し、本発明の合成皮革を得た。
得られた合成皮革を以下の評価項目について評価した。
(評価項目)
[耐テーバ摩耗性]
JIS L 1096 8.19.3 C法(テーバ形法)に準拠して測定した。条件は、摩耗輪CS−10、荷重4.9N、摩耗回数1000回とした。摩耗後の試験片を観察し、以下の基準に従って判定した。
○ : 外観に変化なし
△ : 摩耗前と比べて表面が若干削れ落ちている
× : 摩耗前と比べて表面が削れ落ちて全体がひび割れ状になっている
[画像の鮮明性]
保護層形成前、形成後で画像の鮮明性を比較し、以下の基準に従って評価した。
○ : 保護層の形成前後で、画像の鮮明性に違いがない
△ : 保護層の形成前に比べて、形成後の画像の鮮明性がやや劣る
× : 保護層の形成前に比べて、形成後の画像の鮮明性が劣る
評価した結果、合成皮革の耐テーバ摩耗性は○、画像の鮮明性は○であった。
[比較例1]
以下の処方で作成した紫外線硬化型インクを用いた以外は、全て実施例1と同様にして、合成皮革を得た。
(紫外線硬化型インクの作製)
反応性オリゴマー(名称CN985B88、アルケマ(株)製、樹脂の種類、脂肪族ウレタンアクリレート、官能基数2、60℃における粘度205cps)を18重量部、反応性希釈剤1として(名称SR−9003、アルケマ(株)製、樹脂の種類、プロポキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、官能基数2)を44.5重量部、反応性希釈剤2として(名称SR−489D、アルケマ(株)製、樹脂の種類、トリデシルアクリレート、官能基数1)を30重量部、着色剤としてIRGALITEBlueGLNF(銅フタロシアニンブルー、PB15:4、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2重量部、および分散剤としてDisperbyk−168(ブロック共重合体、BYKChemie社製)0.5重量部、および光開始重合剤としてイルガキュア907(2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5重量部を加え、ビーズミル分散機を用い分散させ、その後ろ過を行い不純物除去し、均質な紫外線硬化型インクを作製した。このインクの粘度は9cps/60℃であった。
インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び反応性希釈剤の割合は62.5%であった。
得られた合成皮革の耐テーバ摩耗性は○、画像の鮮明性は×であった。溶剤系ポリウレタン保護層の溶剤により紫外線硬化型インクが膨潤し、青色プリント部の硬化膜が溶解したような状態になっていた。

Claims (2)

  1. 繊維質基材と、ポリウレタン樹脂表皮層と、紫外線硬化型インクによる画像層と、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層とが順次積層されてなる合成皮革であって、
    前記紫外線硬化型インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が、前記紫外線硬化型インクに対し80重量%以上で、かつ前記反応性オリゴマーがウレタンアクリレートであることを特徴とする合成皮革。
  2. ポリウレタン樹脂表皮層用液を離型性基材上に塗布して、ポリウレタン樹脂表皮層を形成する工程と、
    前記ポリウレタン樹脂表皮層と繊維質基材を接着剤にて貼り合わせる工程と、
    前記離型性基材を剥離する工程と、
    前記ポリウレタン樹脂表皮層上に、2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上であり、かつ前記反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである紫外線硬化型インクを用い画像層を形成する工程と、
    溶剤系ポリウレタン樹脂保護層用液を前記画像層上に塗布して、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする合成皮革の製造方法。
JP2012143155A 2012-06-26 2012-06-26 合成皮革およびその製造方法 Active JP5947636B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012143155A JP5947636B2 (ja) 2012-06-26 2012-06-26 合成皮革およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012143155A JP5947636B2 (ja) 2012-06-26 2012-06-26 合成皮革およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014005576A JP2014005576A (ja) 2014-01-16
JP5947636B2 true JP5947636B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=50103547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012143155A Active JP5947636B2 (ja) 2012-06-26 2012-06-26 合成皮革およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5947636B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101848062B1 (ko) 2013-03-22 2018-04-12 코오롱글로텍주식회사 폴리우레탄 수지를 이용한 외장재 및 이의 제조방법
CN115162025B (zh) * 2022-07-22 2023-11-17 潍坊佳诚数码材料有限公司 一种数码喷绘伪装网及其制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11286878A (ja) * 1998-04-03 1999-10-19 Hiroshima Kasei Ltd 積層プリント合成皮革及びそれを製造する方法
JP4536473B2 (ja) * 2004-10-01 2010-09-01 セーレン株式会社 合成皮革およびその製造方法
JP4943049B2 (ja) * 2006-04-12 2012-05-30 セーレン株式会社 模様形成皮革
JP5378067B2 (ja) * 2008-06-03 2013-12-25 セーレン株式会社 透湿性防水布帛およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014005576A (ja) 2014-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5643090B2 (ja) 合成樹脂成形品の加飾表面構造体、その製造方法および自動車内装部品
JP4425559B2 (ja) 紫外線硬化型インクを用いた布帛のインクジェット記録方法および記録装置
JP4595535B2 (ja) エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物を用いた画像形成方法
US20110223391A1 (en) Ink Composition for Ink Jet Recording of the Active Energy Beam Curing Type, and Printed Article
JP4536473B2 (ja) 合成皮革およびその製造方法
JP2019507203A (ja) 密着性に優れた鉄鋼材料用カラーインク組成物、それを用いたプリント鋼板の製造方法、及びそれにより製造されたプリント鋼板
GB2512429A (en) Method of printing
JP2011178910A (ja) グラビア印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型ハードコート樹脂組成物
WO2018168609A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク組成物、このインク組成物を用いた積層体、基材上に像を形成する像形成方法及び印刷物の製造方法
GB2512430A (en) Method of printing
CN107636099A (zh) 粘着膜、层叠体及装饰成型体
JP4943049B2 (ja) 模様形成皮革
JP5800967B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク組成物、このインク組成物を用いた積層体、及び基材上に像を形成する像形成方法
JP5947636B2 (ja) 合成皮革およびその製造方法
JP4755269B2 (ja) 紫外線硬化型インクを用いた布帛のインクジェット記録方法および記録装置
JP2008163206A (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物
US20120308791A1 (en) Ink set, printed matter, and molded article
JP7283527B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体
WO2007067466A2 (en) Digital printing using ultraviolet inks
JP5134860B2 (ja) 模様の形成された皮革
TW201934357A (zh) 轉印有印刷像之物品的製法及其相關技術
JP2017160362A (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置
WO2018235748A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク組成物、このインク組成物を用いた積層体、及び基材上に像を形成する像形成方法、及び印刷物の製造方法
JP5210030B2 (ja) 凸感のある模様が形成された繊維布帛の製造方法
WO2008145595A1 (en) Modified printable surfaces

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5947636

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250