JP5947636B2 - 合成皮革およびその製造方法 - Google Patents
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Description
紫外線硬化型インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が、紫外線硬化型インクに対し80重量%以上で、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートであることを特徴とする合成皮革である。
ポリウレタン樹脂表皮層と繊維質基材を接着剤にて貼り合わせる工程と、
離型性基材を剥離する工程と、
ポリウレタン樹脂表皮層上に、2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上であり、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである紫外線硬化型インクを用い画像層を形成する工程と、
溶剤系ポリウレタン樹脂保護層用液を画像層上に塗布して、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層を形成する工程と
を含むことを特徴とする合成皮革の製造方法である。
本発明の合成皮革は、繊維質基材と、ポリウレタン樹脂表皮層と、紫外線硬化型インクによる画像層と、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層とが順次積層されてなる合成皮革であって、紫外線硬化型インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上で、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである。
なかでも、反応性オリゴマーおよび反応性希釈剤との相溶性が良く、低臭気であり、自然光で反応しないものを選択するのが好ましい。
また、光重合開始剤の開始反応を促進させるために増感剤などの助剤を併用することも可能である。
ここで紫外線硬化型インクの粘度が5cpsより低いと、反応性オリゴマーの含有量が少なくなる傾向にあり、耐溶剤性や耐接着性などの物性において充分な性能が得られにくくなり、30cpsをこえると、インク粘度が充分に下がらず、吐出性に欠けたインクとなり、生産性に影響を与えることが考えられる。
また、保護層の形成に用いられるポリウレタン樹脂は特に限定されるものでなく、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などを挙げることができ、これらを1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、耐摩耗性及び耐光性の観点からポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。また、ポリウレタン樹脂の形態は、一液型、二液硬化型を問わず使用可能であり、その目的と用途に応じて適宜選択すればよい。
本発明の合成皮革の製造方法は、
(1)ポリウレタン樹脂表皮層用液を離型性基材上に塗布して、ポリウレタン樹脂表皮層を形成する工程と、
(2)ポリウレタン樹脂表皮層と繊維質基材を接着剤にて貼り合わせる工程と、
(3)離型性基材を剥離する工程と、
(4)ポリウレタン樹脂表皮層上に、2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上であり、かつ反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである紫外線硬化型インクを用い画像層を形成する工程と、
(5)溶剤系ポリウレタン樹脂保護層用液を画像層上に塗布して、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層を形成する工程と、
を含むものである。
表皮層用樹脂液の塗布厚は、前記表皮層の厚さに応じて適宜設定すればよい。
接着剤としては、公知のポリウレタン樹脂系接着剤が用いられるが、中でもポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。接着剤を塗布する方法は、公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、リバースロールコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーターなどの装置を用いた方法を挙げることができる。なかでも均一な薄膜層の形成が可能であるという点で、リバースコーター、ナイフコーター、コンマコーターによる塗布が好ましい。
インクが付与された基材を1回〜複数回紫外線を発する機器の下に通し紫外線を照射させて、インクを硬化させ画像層を形成させる。使用される紫外線発生機器としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UVLEDなど様々なものを使用することが可能である。
保護層を形成するために、保護層用樹脂液を表皮層に塗布する方法としては、公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、リバースロールコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーターなどの装置を用いた方法を挙げることができる。なかでも、画像層の凹凸に沿った薄膜層の形成が可能であるという点で、スプレーコーターによる塗布が好ましい。樹脂組成物の塗布厚は、前記保護層の厚さに応じて適宜設定すればよい。
れるものではない。
(表皮層の形成)
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(名称クリスボンNY−328、DIC(株)製)100重量部に対して、溶剤としてジメチルホルムアミド40重量部を加え、粘度約2000cpsに調整して表皮層用ポリウレタン樹脂液を作成した。該ポリウレタン樹脂液を離型紙へ塗布厚200μmになるようにコンマコーターにてコーティングした後、130℃で2分間乾燥し、ポリウレタン樹脂表皮層を得た。
反応性オリゴマー(名称CN985B88、アルケマ(株)製、樹脂の種類、脂肪族ウレタンアクリレート、官能基数2、60℃における粘度205cps)を18重量部、反応性希釈剤(名称SR−9003、サートマー社製、樹脂の種類、プロポキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、官能基数2)を74.5重量部、着色剤としてIRGALITEBlueGLNF(銅フタロシアニンブルー、PB15:4、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2重量部、および分散剤としてDisperbyk−168(ブロック共重合体、BYKChemie社製)0.5重量部、および光開始重合剤としてイルガキュア907(2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5重量部を加え、ビーズミル分散機を用い分散させ、その後ろ過を行い不純物除去し、均質な紫外線硬化型インクを作製した。このインクの粘度は11cps/60℃であった。
インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び反応性希釈剤の割合は92.5%であった。
作製した紫外線硬化型インクを用いてインクジェット方式により、表皮層上に格子柄の画像層を形成した。印写条件を以下に示す。なお、インクの付与量は22g/m2である。
〔印写条件〕
イ)ノズル径:70(μm)
ロ)印加電圧:50(V)
ハ)パルス幅:20(μs)
ニ)駆動周波数:1(kHz)
ホ)解像度:200(dpi)
ヘ)加熱温度:60(℃)
〔紫外線照射条件〕
あ)ランプ種類:メタルハライドランプ
い)電圧:100W/cm
う)照射時間:1秒
え)照射高さ:10(cm)
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(名称クリスボンNY−328、DIC(株)製)100重量部に対して、溶剤としてジメチルホルムアミド40重量部を加え粘度約2000cpsに調整しての保護層用ポリウレタン樹脂液を作成した。該ポリウレタン樹脂液を画像層上へ塗布量50g/m2になるようにスプレーコーターにてコーティングした後、130℃で2分間乾燥し、厚さ15μmの保護層を形成し、本発明の合成皮革を得た。
[耐テーバ摩耗性]
JIS L 1096 8.19.3 C法(テーバ形法)に準拠して測定した。条件は、摩耗輪CS−10、荷重4.9N、摩耗回数1000回とした。摩耗後の試験片を観察し、以下の基準に従って判定した。
○ : 外観に変化なし
△ : 摩耗前と比べて表面が若干削れ落ちている
× : 摩耗前と比べて表面が削れ落ちて全体がひび割れ状になっている
保護層形成前、形成後で画像の鮮明性を比較し、以下の基準に従って評価した。
○ : 保護層の形成前後で、画像の鮮明性に違いがない
△ : 保護層の形成前に比べて、形成後の画像の鮮明性がやや劣る
× : 保護層の形成前に比べて、形成後の画像の鮮明性が劣る
以下の処方で作成した紫外線硬化型インクを用いた以外は、全て実施例1と同様にして、合成皮革を得た。
反応性オリゴマー(名称CN985B88、アルケマ(株)製、樹脂の種類、脂肪族ウレタンアクリレート、官能基数2、60℃における粘度205cps)を18重量部、反応性希釈剤1として(名称SR−9003、アルケマ(株)製、樹脂の種類、プロポキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、官能基数2)を44.5重量部、反応性希釈剤2として(名称SR−489D、アルケマ(株)製、樹脂の種類、トリデシルアクリレート、官能基数1)を30重量部、着色剤としてIRGALITEBlueGLNF(銅フタロシアニンブルー、PB15:4、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2重量部、および分散剤としてDisperbyk−168(ブロック共重合体、BYKChemie社製)0.5重量部、および光開始重合剤としてイルガキュア907(2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5重量部を加え、ビーズミル分散機を用い分散させ、その後ろ過を行い不純物除去し、均質な紫外線硬化型インクを作製した。このインクの粘度は9cps/60℃であった。
インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び反応性希釈剤の割合は62.5%であった。
Claims (2)
- 繊維質基材と、ポリウレタン樹脂表皮層と、紫外線硬化型インクによる画像層と、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層とが順次積層されてなる合成皮革であって、
前記紫外線硬化型インクに含まれる2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が、前記紫外線硬化型インクに対し80重量%以上で、かつ前記反応性オリゴマーがウレタンアクリレートであることを特徴とする合成皮革。 - ポリウレタン樹脂表皮層用液を離型性基材上に塗布して、ポリウレタン樹脂表皮層を形成する工程と、
前記ポリウレタン樹脂表皮層と繊維質基材を接着剤にて貼り合わせる工程と、
前記離型性基材を剥離する工程と、
前記ポリウレタン樹脂表皮層上に、2官能以上の反応性オリゴマー及び2官能以上の反応性希釈剤の総和が80重量%以上であり、かつ前記反応性オリゴマーがウレタンアクリレートである紫外線硬化型インクを用い画像層を形成する工程と、
溶剤系ポリウレタン樹脂保護層用液を前記画像層上に塗布して、溶剤系ポリウレタン樹脂保護層を形成する工程と
を含むことを特徴とする合成皮革の製造方法。
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