JP2019507203A - 密着性に優れた鉄鋼材料用カラーインク組成物、それを用いたプリント鋼板の製造方法、及びそれにより製造されたプリント鋼板 - Google Patents

密着性に優れた鉄鋼材料用カラーインク組成物、それを用いたプリント鋼板の製造方法、及びそれにより製造されたプリント鋼板 Download PDF

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Abstract

本発明は、鋼板に対する密着性、加工性、耐溶剤性などに優れた、プリント鋼板用カラーインク組成物、それを用いたプリント鋼板の製造方法、及びそれにより製造されたプリント鋼板に関する。具体的に、ウレタンアクリレートオリゴマーと上記ウレタンアクリレートオリゴマー以外の異種のアクリレートオリゴマーとの混合物10重量部〜30重量部と、1官能基の光硬化性モノマーと2官能基以上の光硬化性モノマーとの混合物である光硬化性モノマー50重量部〜80重量部と、光開始剤5重量部〜20重量部と、顔料0.1重量部〜10重量部と、顔料100重量部当たりの分散剤固形分含量で、分散剤3〜300重量部と、を含む鉄鋼材料用カラーインク組成物であって、上記ウレタンアクリレートオリゴマーと、異種のアクリレートオリゴマーとは、1:1〜10:1の重量比で、そして、上記1官能基の光硬化性モノマーと、2官能基以上の光硬化性モノマーとは、5:1〜100:1の重量比で混合される、鉄鋼材料用カラーインク組成物、及び、鋼板に本発明の鋼板用カラーインク組成物を噴射する段階と、硬化してプリント層を形成する段階と、を含むプリント鋼板の製造方法、並びに、鋼板と、鋼板上に本発明の鋼板用カラーインク組成物で形成されたプリント層と、を含むプリント鋼板に関する。

Description

本発明は、カラーインク組成物、それを用いたプリント鋼板の製造方法、及びそれにより製造されたプリント鋼板に関する。より詳細には、本発明は、鋼鉄に対する密着性、加工性、耐溶剤性などに優れた、プリント鋼板用カラーインク組成物、それを用いたプリント鋼板の製造方法、及びそれにより製造されたプリント鋼板に関する。
従来、鋼板に図柄が入っているプリント鋼板は、シルクスクリーンやロールプリント方式により製作されている。しかしながら、シルクスクリーン方式によりプリント鋼板を製造する場合、コイルではなく、シート上への断続的なバッチタイプのプリント工程が行われる。ロールプリント方式によりプリント鋼板を製造する場合には、ロールに印刷図柄をエッチングした後、エッチングされたロールにインクやペイントを付けて鋼板にコーティングする方式によりプリント鋼板が製造される。
このように、既存のプリント鋼板は、シルクスクリーンやロールプリント、またはラミネート方式により製作されている。しかしながら、このような従来のプリント方式は、高解像度のパターン印刷が難しい。さらに、スクリーンやロールの製作による製作コストの上昇、低い実収率、多様なカラーの製品生産が難しいなどの問題もある。これを解決するために、インクジェットプリント方式を鉄鋼に適用して既存のプリント鋼板の製作方式における問題を補完しようとしている。
しかし、鉄鋼材料上にカラーインク組成物を直接噴射する場合、吸収層がないため、インクと材料との密着性を確保しにくく、製品としての活用が難しい。また、密着性だけでなく、加工性、耐溶剤性などを全て満たさなければならないため、既存のプリント鋼板を代替するには限界がある。
本発明は、鉄鋼材料に対する密着性に優れたカラーインク組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、ヘッドからの噴射性、作業性、加工性、耐溶剤性に優れた鉄鋼材料用カラーインク組成物を提供することを目的とする。
本発明は、鋼板にインクジェット方式によりカラーインク組成物を適用することで、優れた噴射性、及び作業性を有し、鋼板に対するプリント層の密着性、加工性、及び耐溶剤性に優れたプリント鋼板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、鋼板に対する密着性、加工性、及び耐溶剤性に優れたカラーインク組成物で形成されたプリント層を有するプリント鋼板を提供することを目的とする。
本発明は、ウレタンアクリレートオリゴマーと、上記ウレタンアクリレートオリゴマー以外の異種のアクリレートオリゴマーとの混合物10重量部〜30重量部と、
1官能基の光硬化性モノマーと、2官能基以上の光硬化性モノマーとの混合物である光硬化性モノマー50重量部〜80重量部と、
光開始剤5重量部〜20重量部と、
顔料0.1重量部〜10重量部と、
顔料100重量部当たりの分散剤固形分含量で、分散剤3〜300重量部と、を含む鉄鋼材料用カラーインク組成物であって、
上記ウレタンアクリレートオリゴマーと、異種のアクリレートオリゴマーとは、1:1〜10:1の重量比で、そして、上記1官能基の光硬化性モノマーと、2官能基以上の光硬化性モノマーとは、5:1〜100:1の重量比で混合される、鉄鋼材料用カラーインク組成物を提供する。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、重量平均分子量が500〜12,000であるウレタンアクリレートオリゴマーが用いられることができる。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、脂肪族ウレタンアクリレートが用いられることができる。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、官能基数が3個以下であるものが用いられることができる。
上記異種のアクリレートオリゴマーは、ポリエステルアクリレートオリゴマー、及びエポキシアクリレートオリゴマーからなる群から選択されるものであることが好ましい。
上記ポリエステルアクリレートオリゴマーとしては、官能基数が4個以下であるものが用いられることができる。
上記ポリエステルアクリレートオリゴマーとしては、重量平均分子量が500〜3,000であるものが用いられることができる。
上記エポキシアクリレートオリゴマーとしては、官能基数が2個以下であるものが用いられることができる。
上記エポキシアクリレートオリゴマーとしては、重量平均分子量が500〜2,000であるものが用いられることができる。
上記1官能基の光硬化性モノマーとしては、イソオクチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(cyclic trimethylolpropane formal acrylate)、フェノキシベンジルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルモルホリン、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
上記2官能基以上の光硬化性モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
上記鉄鋼材料用カラーインク組成物は、常温での粘度が40cps以下であることが好ましい。
上記鉄鋼材料用カラーインク組成物は、表面張力が20〜50dyne/cmであることができる。
本発明は、鋼板に本発明の鋼板用カラーインク組成物を噴射する段階と、
噴射されたカラーインク組成物を硬化してプリント層を形成する段階と、を含むプリント鋼板の製造方法を提供する。
本発明は、鋼板と、鋼板上に上記本発明の鋼板用カラーインク組成物で形成されたプリント層と、を含むプリント鋼板を提供する。
上記プリント鋼板は、上記鋼板とプリント層との間に、カラー塗膜層、クロム層、及びクロムフリー層からなる群から選択される少なくとも1つの前処理層を含むことができる。
本発明の鉄鋼材料用カラーインク組成物は、それから形成されたプリント層が鉄鋼に対して優れた密着性を有する。さらに、上記プリント層は、優れた加工性、耐溶剤性、強度、及び色感を有するものであって、上記プリント層が形成されたプリント鋼板は、高品質のプリント鋼板として用いられる。また、本発明の鉄鋼材料用カラーインク組成物は、常温での粘度が十分に低いため、インクジェットにより鉄鋼材料に適用されることができる。
鋼板と、鋼板上に形成されたプリント層と、を有するプリント鋼板の側断面図を示す。 クロム処理またはクロムフリー処理の前処理層が備えられた鋼板上に形成されたプリント層を有するプリント鋼板の側断面図を示す。 前処理層、カラー塗膜層が形成された鋼板上に形成されたプリント層を有するプリント鋼板の側断面図を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態によると、ウレタンアクリレートオリゴマーと上記ウレタンアクリレートオリゴマー以外の異種のアクリレートオリゴマーとの混合物10重量部〜30重量部と、1官能基の光硬化性モノマーと2官能基以上の光硬化性モノマーとの混合物である光硬化性モノマー50重量部〜80重量部と、光開始剤5重量部〜20重量部と、顔料0.1重量部〜10重量部と、顔料100重量部当たりの分散剤固形分含量で、分散剤3〜300重量部と、を含む鉄鋼材料用カラーインク組成物であって、上記ウレタンアクリレートオリゴマーと、異種のアクリレートオリゴマーとは、1:1〜10:1の重量比で、そして、上記1官能基の光硬化性モノマーと、2官能基以上の光硬化性モノマーとは、5:1〜100:1の重量比で混合される鉄鋼材料用カラーインク組成物(以下、「一実施形態のカラーインク組成物」ともいう)が提供される。以下、本発明の鉄鋼材料用カラーインク組成物の組成について説明する。
本発明の鉄鋼材料用カラーインク組成物は、ウレタンアクリレートオリゴマーを主材として含む。一般に、UV硬化型樹脂組成物には、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが用いられる。しかし、ポリエステルアクリレートオリゴマーは、耐溶剤性と耐スクラッチ性は良好であるものの、加工性が良くない。エポキシアクリレートオリゴマーは、硬度と耐溶剤性には優れるものの、黄変が発生するという問題がある。ウレタンアクリレートオリゴマーは、加工性、耐溶剤性、硬度、密着性など、プリント鋼板のプリント層において求められる殆どの物性を満たし、特に、加工性において顕著な効果を有する。したがって、ウレタンアクリレートオリゴマーが主材として用いられる。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーは、密着性、硬化性、硬度などの点から、ベンゼン環を含まない脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーであることが好ましい。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、官能基数が3個以下、好ましくは官能基数が1〜3個のものが用いられることができる。ウレタンアクリレートオリゴマーの官能基数が3個を超える場合には、塗膜の柔軟性が足りなくて加工性が低下する可能性がある。少なくとも1個の官能基を有する際に、硬化反応によって塗膜を形成することができる。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、重量平均分子量(Mw)が500〜12,000であるものを用いることが好ましい。重量平均分子量が500未満である場合には、架橋密度が高くなって加工性が低下する可能性があり、重量平均分子量が12,000を超える場合には、一般に、物質の粘度が高くなって、インク組成物の噴射可能な粘度を実現するのに制約があり、塗膜の架橋密度が低下するため耐溶剤性が低くなり得る。
上記ウレタンオリゴマーの非制限的な例として、Miwon社製のMiramer PU210、Miramer PU2034C、Miramer PU2100、Miramer PU2200、Miramer PU330、Miramer PU340、Miramer PU3200、Miramer PU2560、Cytec社製のEBECRYL 244、EBECRYL 245、EBECRYL 254、EBECRYL 264、EBECRYL 265、EBECRYL 270、EBECRYL 280、EBECRYL 284、EBECRYL 285、EBECRYL 294、EBECRYL 1259、EBECRYL 1290、EBECRYL 4830、EBECRYL 4835、EBECRYL 4883、EBECRYL 8296、EBECRYL 8402、EBECRYL 8465、EBECRYL 8800、EBECRYL 8803、EBECRYL 8804、EBECRYL 8805、EBECRYL 8806、EBECRYL 9215、EBECRYL 9216、EBECRYL 9259、EBECRYL 9260、EBECRYL 9270、EBECRYL 9370、UA 7933、UP 112、UP 136、UP 137などが挙げられる。これらのウレタンアクリレートオリゴマーは、必要に応じて、1種以上を選択して用いることができる。これらは、単独で用いられてもよく、必要に応じて2種以上がともに用いられてもよい。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーは、上記ウレタンアクリレートオリゴマー以外の他の異種のアクリレートオリゴマーとともに用いる。すなわち、必要とする物性を制御するという点から、上記ウレタンアクリレートオリゴマーを異種のアクリレートオリゴマーと配合して用いることで、密着性、硬度、耐溶剤性、加工性、粘度などの物性を適切に制御することができる。
上記本発明の組成物における上記ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーとの混合物の含量は、カラーインク組成物の重量を基準として、一実施形態によるカラーインク組成物の他の成分の含量に対して10〜30重量部であることができる。上記ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーとの混合物の含量が10重量部未満である場合には、接着性、加工性、耐溶剤性などが低くなる。上記含量が30重量部を超える場合には、粘度が高くなりすぎて噴射が難しくなるため、インクジェットシステムでの使用が厳しくなる。
上記異種のアクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルアクリレートオリゴマー、及びエポキシアクリレートオリゴマーからなる群から選択されるものが用いられることができる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
上記ポリエステルアクリレートオリゴマーとしては、官能基数が4個以下、好ましくは官能基数が1個以上、且つ4個以下であるものが用いられることができる。ポリエステルアクリレートオリゴマーの官能基数が4個を超える場合には、架橋密度が高くなって加工性が低下する可能性がある。少なくとも1個の官能基を有する際に、重合反応によってプリント層が形成されることができる。
上記ポリエステルアクリレートオリゴマーは、重量平均分子量(Mw)が500〜3,000であることが好ましい。重量平均分子量が500未満であるか、3,000を超える場合には、物性を効果的に制御することが難しくなる可能性がある。
上記ポリエステルアクリレートオリゴマーの非制限的な例としては、Miwon社製のMiramer PS4040、Miramer PS420、CYTEC社製のEBECRYL 80、EBECRYL 81、EBECRYL 84、EBECRYL 452、EBECRYL 657、EBECRYL 800、EBECRYL 810、EBECRYL 851、EBECRYL 852、EBECRYL 884、EBECRYL 1657、EBECRYL 1810、UP 039などが挙げられる。これらは、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
上記エポキシアクリレートオリゴマーとしては、官能基数が2個以下、好ましくは官能基数が1個以上、且つ2個以下であるものが用いられることができる。エポキシアクリレートオリゴマーの官能基数が2個を超える場合には、加工性が低下し得る。少なくとも1個の官能基を有する際に、重合反応によってプリント層が形成されることができる。
上記エポキシアクリレートオリゴマーは、重量平均分子量が500〜2,000であることが好ましい。重量平均分子量が500未満であるか、2,000を超える場合には、要求される物性を満たすことが難しくなる可能性がある。
上記エポキシアクリレートオリゴマーとしては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型など、種類が特に限定されず、非制限的な例として、Miwon社製のMiramer EA2235、Miramer EA2255、Miramer EA2259、Miramer EA2280、Cytec社製のEBECRYL 600、EBECRYL 604、EBECRYL 605、EBECRYL 606、EBECRYL 608、EBECRYL 629、EBECRYL 645、EBECRYL 648、EBECRYL 1608、EBECRYL 1940、EBECRYL 2959、EBECRYL 3105、EBECRYL 3200、EBECRYL 3201、EBECRYL 3500、EBECRYL 3502、EBECRYL 3600、EBECRYL 3605、EBECRYL 3700、EBECRYL 3701、EBECRYL 3702、EBECRYL 3703、EBECRYL 3708、EBECRYL 3720、EBECRYL 6040、EBECRYL 9686、EBECRYL 9706、EBECRYL 9704などが挙げられる。これらは、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
上記ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーとは、1:1〜10:1の重量比、好ましくは1.2:1〜7:1の重量比、より好ましくは1.2:1〜5:1の重量比で混合して用いることが好ましい。上記ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーとを上記混合比の範囲で混合して用いることが、バランスの良い物性を実現するという点から好ましい。
本発明のカラーインク組成物は、上記ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーとの混合物の希釈剤として、光硬化性モノマーを含む。上記光硬化性モノマーとしては、1官能基の光硬化性モノマーと2官能基以上の光硬化性モノマーがともに用いられる。1官能基の光硬化性モノマーと2官能基以上の光硬化性モノマーがともに用いられることで、プリント層の形成の際に、密着性、加工性、耐溶剤性、表面硬度が向上する。
本発明のインク組成物における上記光硬化性モノマーの含量は、カラーインク組成物の重量を基準として、一実施形態によるカラーインク組成物の他の成分の含量に対して50重量部〜80重量部であることができる。上記光硬化性モノマーの含量が50重量部未満である場合には、粘度が高くなるため、インクジェットシステムを用いた鉄鋼材料に対するインク組成物の適用が不可能となる。これに対し、光硬化性モノマーの含量が80重量部を超える場合には、全般的な塗膜の物性に良くない影響を与える。
1官能基の光硬化性モノマーは、本発明のカラーインク組成物が低い粘度を有するようにし、本発明のカラーインク組成物で形成されたプリント層の密着性及び加工性を向上させる。1官能基の光硬化性モノマーの非制限的な例としては、イソオクチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、フェノキシベンジルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルモルホリン、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。これらの1官能基の光硬化性モノマーは、必要に応じて、1種以上を選択して用いることができる。これらは、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
2官能基以上の光硬化性モノマーは、本発明のカラーインク組成物で形成されたプリント層の耐溶剤性及び表面強度を向上させる。2官能基以上の光硬化性モノマーの非制限的な例としては、エチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。これらの2官能基以上の光硬化性モノマーは、必要に応じて、1種以上を選択して用いることができる。これらは、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。2官能基以上の光硬化性モノマーは、官能基が最大6官能基であることができる。これは、上記光硬化性モノマーが有し得る官能基数が最大6個であるためである。
上記1官能基の光硬化性モノマーと2官能基以上の光硬化性モノマーとは、5:1〜100:1の重量比、好ましくは5:1〜90:1の重量比、より好ましくは6:1〜90:1の重量比で混合して用いることが好ましい。上記1官能基の光硬化性モノマーと2官能基以上の光硬化性モノマーとを上記の割合で混合することが、粘度の調節と全般的な塗膜の物性を効果的に制御するという点から好ましい。
本発明のカラーインク組成物は、紫外線を用いて上記ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーとの混合物及び光硬化性モノマーの重合反応を誘導するために、光開始剤を含む。光開始剤としては、本発明によるカラーインク組成物の光重合反応を誘導できるものであれば、如何なる光開始剤を用いてもよい。
光開始剤の具体例としては、下記化合物またはこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。光開始剤の例としては、ベンゾフェノン及び置換されたベンゾフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2,6)−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、2−メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、5,7−ジヨード−3−ブトキシ−6−フルオロン、ジフェニルヨードニウムフルオライド、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオホスフェートなどが挙げられる。これらは、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
本発明のカラーインク組成物に使用可能な光開始剤の非制限的な例としては、さらに、Irgacure(登録商標)184、500、369、379、907、819、Darocur(登録商標)1173、MBF、TPO、BP、ITXなどが挙げられる。これらの光開始剤は、必要に応じて、1種以上を選択して用いることができる。これらは、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
本発明のカラーインク組成物における上記光開始剤の含量は、カラーインク組成物の重量を基準として、一実施形態によるカラーインク組成物の他の成分の含量に対して5重量部〜20重量部であることができる。上記光開始剤が5重量部未満である場合には、プリント層が十分に硬化しないため、プリント層の性能が十分に実現されない。これに対し、20重量部を超える場合には、プリント層に黄変が発生するか、組成物の貯蔵安定性が低下する。
本発明のカラーインク組成物は、鉄鋼材料に色を付与するための顔料を含む。上記顔料の含量は、カラーインク組成物の重量を基準として、一実施形態によるカラーインク組成物の他の成分の含量に対して0.1重量部〜10重量部であることができる。顔料の含量が0.1重量部未満である場合には着色力が劣化し、10重量部を超える場合には分散性が低下してインク安定性が低下する。
上記顔料としては、有機顔料、無機顔料などが用いられることができる。
上記無機顔料の非制限的な例としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛黄、ベンガラ、カドミウム赤、群青、紺青などが挙げられる。上記有機顔料の非制限的な例としては、不溶性アゾ顔料、可溶性アゾ顔料、フタロシアニン系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、ピラントロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、ニッケルアゾイエロー、ジオキサジンバイオレットなどが挙げられる。上記顔料は、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
上記顔料は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレット、ブラウン色、これらの混合物などであることができる。
有機顔料のカラーインデックス(C.I.)番号の例示としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、213、214;C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48、49、52、53、57、97、112、122、123、149、168、177、180、184、192、202、206、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254;C.I.ピグメントグリーン7、36、58;C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64;C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61;C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50;C.I.ピグメントブラウン23、25、26などが挙げられる。
本発明のカラーインク組成物は、顔料を分散させるために分散剤を含む。上記分散剤としては高分子分散剤が用いられることができ、これらの種類は特に限定されるものではない。使用可能な高分子分散剤の非制限的な例として、Lubrizol社製のSOLSPERSE分散剤、BYK社製のDISPERBYK分散剤、BASF社製のEFKA分散剤などが挙げられる。これらは、必要に応じて、単独で用いられてもよく、2種以上がともに用いられてもよい。
上記カラーインク組成物における分散剤の含量は、通常、顔料の種類及び濃度によって変わる。上記分散剤は、分散剤の固形分含量が顔料100重量部当たり3〜300重量部、好ましくは5〜200重量部であることが、分散性と分散安定性において好ましい。
本発明のカラーインク組成物おける顔料の平均粒子サイズは、噴射性において重要な特徴の1つである。顔料粒子は、インクジェットヘッドを介して噴射可能であり、且つノズル詰まりを引き起こさない程度に十分に小さいサイズを有するべきである。また、顔料の種類によって変わり得るが、顔料の分散性及び分散安定性が良好であり、且つ十分な色を表現するために、顔料の平均粒子サイズは10〜500nm、好ましくは50〜300nmであることが好ましい。顔料の平均粒子サイズが10nm未満である場合には、耐光堅牢度が低下する恐れがあり、500nmを超える場合には、大きい粒子によってインクジェットシステムのヘッドノズルが詰まって噴射安定性の低下をもたらす可能性がある。上記顔料の平均粒子サイズは、Microtrac社製のNanotrac 250 Particle Size Analyzerを用いて測定する。
本発明のカラーインク組成物における顔料は、粒子サイズが非常に小さいため、組成物に均一に分散させにくい。したがって、先ず、上記分散剤に顔料を別に分散させた顔料分散液を製造してから、カラーインク組成物の他の成分と配合してカラーインク組成物を製造する。
一方、所望の顔料の平均粒子サイズは、分散剤とともに分散媒質中に顔料を入れ、湿潤、粉砕、分散することで得られる。上記顔料分散液の製造方法は特に限定されず、例えば、ビーズミル、ボールミル、3ロールミルなどの粉砕法により顔料の粒子サイズを所望のサイズに調節しながら製造することができる。
上記本発明のカラーインク組成物には、必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、付着増進剤などが、要求される物性を低下させない範囲内の含量で含まれることができる。
本発明のカラーインク組成物は、インクジェットシステムを用いてプリント層を形成するために、既存のシルクスクリーンやロール印刷方式の組成物に比べて低い粘度を有する。具体的には、本発明のカラーインク組成物は、常温(例えば、15〜25℃)で40cps以下、好ましくは30cps以下、より好ましくは20cps〜30cpsの粘度を有する。上記粘度範囲のカラーインク組成物が、インクジェットシステムを用いて鉄鋼材料に塗膜を形成するのに好適に適用されることができる。このように、本発明のカラーインク組成物は、インクジェットシステムによって対象材料に噴射して適用可能な粘度を有する。したがって、本発明のカラーインク組成物は、インクジェットシステムによって鉄鋼材料に適用されることができる。本発明のカラーインク組成物は、このように有機溶剤を用いなくても、インクジェットシステムで使用可能な程度の粘度が確保されるという利点を有する。
本発明のカラーインク組成物は、溶剤を含まない無溶剤システムであるが、硬化前には、インクジェットシステムを用いて材料にプリント層を形成することができるように、十分に低い粘度を有し、硬化して鉄鋼材料に形成されたプリント層は、鉄鋼材料に対する満足のいく程度の密着性、加工性、耐溶剤性、硬度を有する。
また、カラーインク組成物は、インクジェットシステムから噴射して鉄鋼材料に適用するために、適切な表面張力を有することが好ましい。本発明のカラーインク組成物は、常温(例えば、15〜25℃)で20〜50dyne/cm、好ましくは22〜40dyne/cmの表面張力を有する。表面張力が20dyne/cm未満である場合には、インクジェットシステムのヘッドノズル部位にインク滴が付いてノズルを詰まらせ、噴射を妨害する現象が発生したり、ノズル抜け現象が発生し、ノズル部分からインクが漏れる現象が発生し得る。表面張力が50dyne/cmを超える場合には、インクジェットプリントヘッドへのインクの供給が円滑ではないため、連続噴射が難しくなるか、鉄鋼材料に噴射される際に材料の表面におけるレべリング性が低下して好ましい塗膜が実現されにくくなり、要求される物性を満たすことが難しくなる可能性がある。
上記鉄鋼材料は特に制限されず、例えば、鋼板が挙げられる。上記鋼板としては、表面に別の前処理塗装が施されていない鋼板、及び表面に別の前処理塗装が施されている塗装鋼板、表面処理鋼板の何れも用いられることができる。本発明のカラーインク組成物が適用可能な鋼板の種類が特に限定されるものではないが、これらの非制限的な例として、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、マグネシウム鋼板、アルミニウム鋼板、亜鉛鋼板、チタン鋼板、カラー塗装鋼板、耐指紋鋼板などが挙げられる。本発明のインク組成物は鋼板の表面に適用されるものであって、インク組成物が適用される鋼板の厚さは特に限定されない。一般に、0.1mm〜10mmの厚さの鋼板が用いられることができる。
本発明の他の実施形態によると、鋼板に本発明の鋼板用カラーインク組成物を噴射する段階と、噴射されたカラーインク組成物を硬化してプリント層を形成する段階と、を含むプリント鋼板の製造方法が提供される。上記カラーインク組成物に記載の事項が、プリント鋼板の製造方法に同様に適用される。
本発明のカラーインク組成物で形成されたプリント層は、鉄鋼材料に対する密着性に優れ、上述のように、常温で低い粘度を有するものをインクジェットシステムにより鋼板に噴射して適用されることができる。
上記鉄鋼材料、具体的には鋼板に、本発明のインク組成物がインクジェットシステムにより噴射されて適用される。インクジェット印刷システム用に幅広く用いられているプリントヘッドは、ヘッド内の加熱板で瞬間的に発生する熱によって気泡を形成してインクを噴射するサーマルジェット方式と、プリントヘッド内の圧電式セラミック変換器を電圧の印加により変化させてインクを充填し、噴射する圧電式(Piezoelectric)ヘッドと、に大別され、その他に、連続式、静電式などの様々な類型を含むことができる。本発明では、インクジェット印刷システム用のヘッドとして圧電式ヘッドを用いているが、これに特に限定されず、上記様々な類型のヘッドが用いられることができる。
インクジェットプリントヘッドは、カラーインク組成物の1つ以上の成分の潜在的揮発性及び反応性、ヘッド耐久性などにより、通常65℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは50℃以下〜常温(例えば、15℃〜25℃)の温度で噴射する。噴射される液滴の移動速度は4m/s〜15m/sであり、鉄鋼材料とヘッドとの間の距離としては、1mm〜10mm、好ましくは1mm〜7mmの距離を形成することが、正確な画像を実現するにおいて有利である。
噴射された液滴により形成された塗膜の厚さは、実現しようとする画像の解像度やプリント層の数によって変わり得るが、5μm〜50μm、好ましくは5μm〜30μmの厚さに形成することが、塗膜の物性を確保するにおいて有利である。
その後、噴射されたカラーインク組成物に紫外線を照射して硬化させることで塗膜を形成する。硬化手段は、インクジェットプリンターのプリントヘッドと組み合わされて配列され、プリントヘッドとともに移動して紫外線を照射してもよく、静的な固定硬化手段により紫外線を照射してもよい。また、これらは1種が用いられてもよく、または2種以上がともに用いられてもよい。
上記硬化手段により照射される紫外線は、波長によって、一般に400nm〜320nmの領域のUV−A、320nm〜290nmの領域のUV−B、290nm〜100nmの領域のUV−Cに分類され得る。水銀ランプやメタル−ハライドランプ、ガリウムランプの場合、紫外線の全領域において複合波長で紫外線を照射し、LEDランプの場合、特定波長帯の紫外線をLEDモジュールの構成によって照射することができる。
紫外線硬化型ランプは、ランプ内の発光物質の種類に応じて、水銀ランプ、メタル−ハライドランプ、ガリウムランプなどに分類され、照射する波長に応じては、H−バルブ(H−Bulb)、D−バルブ、A−バルブなどに分類され得る。
本発明によるインク組成物では、Integration社製のH−バルブ紫外線ランプを硬化手段として用いたが、特にこれに限定されるものではなく、如何なる種類のランプも使用できる。
本発明のインク組成物は、インクジェットプリントヘッドから鉄鋼材料に噴射された後、紫外線硬化手段により硬化して塗膜として形成されることができる。硬化エネルギーの量は、関連した反応物の量と形態、エネルギー源、エネルギー源からの距離、及び硬化する塗膜の厚さなどの多くの因子によって決定される。通常、紫外線の照射量は約0.1J/cm〜10J/cmであり、紫外線に露出する時間は約1秒未満〜10分以下であることができる。また、紫外線の照射は、空気中、または窒素などの不活性環境下で行うことができる。上記紫外線の照射量及び露出時間で硬化させることで、所望の物性の塗膜が形成されることができる。
また、上記本発明のカラーインク組成物が適用される鋼板には、カラーインク組成物を適用する前に、カラー塗膜層、クロム層、またはクロムフリー層が形成されることができる。カラー塗膜層が形成された鋼板に本発明のカラーインク組成物を適用することで、色の対比により、所望のカラープリント層を鮮明な色及び/または図柄として実現することができる。また、クロム層またはクロムフリー層を形成することで、カラー塗膜層またはプリント層の密着性を向上させることができる。さらに、本発明のカラーインク組成物で形成されたプリント層上に、必要に応じて、クリアトップコート層、紫外線硬化塗膜層などをさらに形成することもできる。上記カラー塗膜層、クロム層、クロムフリー層、クリアトップコート層、紫外線硬化塗膜層などは、この技術分野において一般的な鋼板処理に該当するものであって、本発明がこれらに限定されるものではなく、この技術分野の技術者が必要に応じて適宜組み合わせて適用することができる。
本発明のさらに他の実施形態によると、鋼板と、鋼板上に本発明のカラーインク組成物で形成されたプリント層と、を有するプリント鋼板が提供される。本発明のプリント鋼板には、上記のカラーインク組成物及びプリント鋼板の製造方法に記載の事項が同様に適用される。図1に、鋼板と、鋼板上に形成されたプリント層と、を有するプリント鋼板の側断面図を示す。図2に、クロム処理またはクロムフリー前処理により形成された前処理層が備えられた鋼板上に形成されたプリント層を有するプリント鋼板の側断面図を示す。また、図3に、上記前処理層、カラー塗膜層が形成された鋼板上に形成されたプリント層を有するプリント鋼板の側断面図を示す。
上記のように、本発明のカラーインク組成物で形成されたプリント層は、鋼板に対する密着性に優れるだけでなく、プリント層の耐溶剤性、硬度、色感などに優れる。したがって、それを含む本発明のプリント鋼板も高品質であって、プリント鋼板で要求される物性を満たすものである。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。下記実施例は本発明の理解を簡単にするための例示に過ぎず、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
1.カラーインク組成物の製造
(実施例1)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(実施例2)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、エポキシアクリレートオリゴマー(EBECRYL 3200、Cytec社製、2官能基、Mw500)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(実施例3)
ブルー顔料(PB15:3、Clariant社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(MIRAMER PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(実施例4)
バイオレット顔料(PV19、Clariant社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(MIRAMER PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(実施例5)
イエロー顔料(PY155、Clariant社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(実施例6)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヒドロキシプロピルアクリレート(2−HPA)24.5重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(実施例7)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、エトキシエトキシエチルアクリレート(EOEOEA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(実施例8)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(比較例1)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)5重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)10重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(比較例2)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)14重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)1重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、 Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(比較例3)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)24.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)15重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)15重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)15重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(比較例4)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)10重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Miramer PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)5重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)29重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)20重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)20重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)0.5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
(比較例5)
黒色顔料(Carbon Black、Degussa社製)3重量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(Miramer PU2560、Miwon社製、2官能基、Mw10,400)25重量部、ポリエステルアクリレートオリゴマー(MIRAMER PS420、Miwon社製、4官能基、Mw1,800)10重量部、フェノキシエチルアクリレート(2−PEA)14.5重量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)15重量部、イソボルニルアクリレート(IBOA)15重量部、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部、光開始剤Irgacure 184(BASF社製)2重量部、光開始剤Irgacure 369(BASF社製)3重量部、光開始剤Darocur TPO(BASF社製)5重量部、レベリング剤(BYK−UV3510、BYK社製)0.5重量部、分散剤(Solsperse35000、Lubrizol社製)2重量部を混合してインク組成物を製造した。用いられた成分の組成を下記表1に示した。
Figure 2019507203
(*実施例1〜8及び比較例1〜5のカラーインク組成物の表面張力は25〜30dyne/cmであり、顔料は、先ず、ビーズミルで粒度を調節しながら分散剤と配合して顔料分散液を製造してから他の成分と配合した。)
2.試験片の製作
上記実施例1〜8、及び比較例1〜5のカラーインク組成物を、10〜15μmに塗装された白色塗装鋼板にInkTec社製のUVプリンターJETRIX KX6SDを用いて噴射し、UV硬化して厚さ5〜10μmのプリント層を形成することで、試験片を製造した。具体的な印刷条件は下記のとおりである。
使用装備:InkTec社製のJETRIX KX6SD
使用ヘッド:Konica Minolta社製のKM1024SHB
ヘッド温度:45℃
画像の解像度:1440x720dpi
出力モード:Fine art(12pass)
UV光源:Integration社製のSubzero Lamp 170mm H−bulb
硬化モード:Normal Full Cure
紫外線の照射光量:EIT社製のUV Power Puck IIで測定、累積光量で約2J/cm
紫外線の照射時間:3秒
塗膜の厚さ:7μm
材料とプリントヘッドとの間の距離:2mm
液滴の移動速度:4m/sec〜15m/sec
3.評価方法
上記のように製作された試験片及びカラーインク組成物に対して、次のような方法により粘度、密着性(付着性)、加工性、耐溶剤性、鉛筆硬度を評価し、その結果を表2に示した。
(1)粘度
インク組成物の粘度は、25℃でBrookField社製の粘度計DV II+CPE−40スピンドルを用いて測定、評価した。
(2)平均粒度
平均粒度は、顔料の平均粒子サイズをMicrotrac社製のNanotrac 250 Particle Size Analyzerを用いて測定した。
(3)密着性(付着性)
付着性は、試験片の上面を、縦横間隔が1mmとなるようにカッターで10本ずつ引いて100個とし、その上にセロハン接着テープを付着させてから剥離して、プリント層の密着性を評価した。
(◎:異常なし(脱落なし)、○:10個以内に脱落、△:50個以内に脱落、×:完全に脱落)
(4)加工性
加工性は、試験片を3T(3枚の材料の厚さ)180°屈曲加工した後、クラックの発生有無を確認した。
(◎:異常なし(クラックの発生なし)、×:クラックが発生)
(5)耐溶剤性
耐溶剤性は、ガーゼにMEK(メチルエチルケトン)を付け、一定の力を加えて往復に擦った後、プリント層の良好な状態を観察した。塗膜が溶剤によって剥離または損傷された回数を区分して評価した。
(◎:50回以上、○:20回未満、△:10回未満、×:5回未満)
(6)鉛筆硬度
鉛筆硬度はJIS K5600−5−4KSに準じて測定した。ここで、上記鉛筆硬度は9B〜9Hまで順に測定し、9Bに近いほど硬度が弱く、9Hに近いほど硬度が強いものである。
Figure 2019507203
上記表2に示されるように、本発明のカラーインク組成物の組成を満たすカラーインク組成物である実施例1〜8は、何れも噴射において特に問題のない粘度と平均粒度が確保された。また、これらにより形成されたプリント層は、優れた密着性、加工性、耐溶剤性、及び鉛筆硬度を示した。
ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーとの混合比が本発明の範囲を外れている比較例1及び2で形成されたプリント層は、バランスの良い物性を満たすことができなかった。1官能基のモノマーと2官能基以上のモノマーとの混合比が本発明の範囲を外れている比較例3及び4は、相反した物性の悪化をもたらすことが確認できた。ウレタンアクリレートオリゴマーと異種のアクリレートオリゴマーの総含量が30重量部を超え、光硬化性モノマーが50重量部未満である比較例5は、粘度が高いため、インクジェットシステムによる噴射が難しいことが確認できた。

Claims (16)

  1. ウレタンアクリレートオリゴマーと、前記ウレタンアクリレートオリゴマー以外の異種のアクリレートオリゴマーとの混合物10重量部〜30重量部と、
    1官能基の光硬化性モノマーと、2官能基以上の光硬化性モノマーとの混合物である光硬化性モノマー50重量部〜80重量部と、
    光開始剤5重量部〜20重量部と、
    顔料0.1重量部〜10重量部と、
    顔料100重量部当たりの分散剤固形分含量で、分散剤3〜300重量部と、を含む鉄鋼材料用カラーインク組成物であって、
    前記ウレタンアクリレートオリゴマーと、異種のアクリレートオリゴマーとは、1:1〜10:1の重量比で、そして、前記1官能基の光硬化性モノマーと、2官能基以上の光硬化性モノマーとは、5:1〜100:1の重量比で混合される、鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  2. 前記ウレタンアクリレートオリゴマーは、重量平均分子量が500〜12,000である、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  3. 前記ウレタンアクリレートオリゴマーは脂肪族ウレタンアクリレートである、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  4. 前記ウレタンアクリレートオリゴマーは、官能基数が3個以下である、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  5. 前記異種のアクリレートオリゴマーは、ポリエステルアクリレートオリゴマー、及びエポキシアクリレートオリゴマーからなる群から選択される、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  6. 前記ポリエステルアクリレートオリゴマーは、官能基数が4個以下である、請求項5に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  7. 前記ポリエステルアクリレートオリゴマーは、重量平均分子量が500〜3,000である、請求項5に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  8. 前記エポキシアクリレートオリゴマーは、官能基数が2個以下である、請求項5に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  9. 前記エポキシアクリレートオリゴマーは、重量平均分子量が500〜2,000である、請求項5に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  10. 前記1官能基の光硬化性モノマーは、イソオクチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、フェノキシベンジルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルモルホリン、ビニルエーテル、ビニルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムからなる群から選択される、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  11. 前記2官能基以上の光硬化性モノマーは、エチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  12. 常温での粘度が40cps以下である、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  13. 表面張力が20〜50dyne/cmである、請求項1に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物。
  14. 鋼板に請求項1から13の何れか一項に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物を噴射する段階と、
    噴射されたカラーインク組成物を硬化してプリント層を形成する段階と、を含む、プリント鋼板の製造方法。
  15. 鋼板と、
    鋼板上に請求項1から13の何れか一項に記載の鉄鋼材料用カラーインク組成物で形成されたプリント層と、を含む、プリント鋼板。
  16. 前記鋼板とプリント層との間に、カラー塗膜層、クロム層、及びクロムフリー層からなる群から選択される少なくとも1つの前処理層を含む、請求項15に記載のプリント鋼板。
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