JP5947194B2 - 成形シミュレーションシステム - Google Patents
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Description
このようなシミュレーション装置として、特許文献1には、プレス成形のシミュレーションを行うとともに、シミュレーション結果に形状不良が発生している場合にシミュレーションに用いたパラメータを自動的に修正する装置が記載されている。
これにより、シミュレーション結果に形状不良が発生した場合に、その原因となった部位を特定できるとともに、当該原因部位に対するパラメータの修正量を簡易に取得することができる。その結果、形状不良が発生した際のパラメータを容易に修正することができ、パラメータの修正と成形シミュレーションとを繰り返し行うことがない。
図1は、本発明の一実施形態に係る成形シミュレーションシステム1の機能的構成を示すブロック図である。
成形シミュレーションシステム1は、シミュレーション装置2と、成形モデル調整装置3と、を含んで構成される。なお、シミュレーション装置2と、成形モデル調整装置3とは、それぞれ個別の端末装置により構成することとしてもよく、シミュレーション装置2が実行する機能と成形モデル調整装置3が実行する機能との2つの機能を有する1つの端末装置により構成することとしてもよい。また、端末装置としては、制御部(CPU)、記憶部(メモリ、ストレージ)、入力部、表示部等を含んで構成される一般的なコンピュータを用いることができる。
実際には、他の要素とのバランスを考慮しながら原因部位のパラメータを設定しなければならないため、一般的にシミュレーション時には、原因部位のパラメータが基準値に設定されることはない。
図3を参照して、プレス加工装置500は、いわゆるサーボプレス機であり、ワークとしての鋼板540の下側に配置された下型521を有する下型機構520と、下型521に対して上型531を接近、離隔させる上型機構530と、これら下型機構520及び上型機構530を制御する制御装置510と、を含んで構成される。
また、下型521の周囲には、鋼板540の周辺部を支持する環状のブランクホルダ523が設けられている。ブランクホルダ523は、上型531に設けられたホルダ533と対向する位置に設けられ、鋼板540をプレスする際にしわの発生及び位置ずれ等を防止するために、該ホルダ533とともに鋼板540の端部を挟持する。
その後、制御装置510の作用下にブランクホルダ523が鋼板540の下面を押圧気味となるように適度な力を発生させた状態で、ブランクホルダ523を押し下げる。これにより、鋼板540はブランクホルダ523とホルダ533とによって周辺部を挟持されながら下降し、次第に上型531と下型521によってプレスされ、図4に示す成形モデルMが成形されることになる。
なお、原因部位の設定は、これに限られるものではなく、例えば、鋼板540をブランクホルダ523上に投入した際の鋼板540のたわみ具合等のように成形プロセス中の所定のタイミングにおける鋼板540の形状や鋼板540と金型との関係等を原因部位及び原因部位のパラメータとして設定することとしてもよい。すなわち、鋼板540をブランクホルダ523上に投入した際の鋼板540のたわみ具合に着目する場合には、鋼板540の任意の部位が原因部位として設定され、鋼板540のたわみ具合が原因部位のパラメータとして設定される。
また、プレス加工の結果、成形モデルMが成形されることになるが、この成形モデルMの上面や側面等の任意の部位の厚み、上面と側面との成す角度等により成形モデルMの形状不良が発生することになる。本実施形態では、このような形状不良が発生する可能性のある部位を調整候補部位として設定する。一例として、調整候補部位「A001」は、成形モデルMの上面であり、その厚みに基づいて形状不良が発生したか否かが判定される。
目標値及び実測値に基づく調整部位の特定では、調整部位特定手段321は、シミュレーション装置2により生成された成形モデルから、当該成形モデルに含まれる調整候補部位の実測値をそれぞれ取得し、調整部位データベース311に記憶された目標値と比較する。そして、調整部位特定手段321は、調整候補部位のうちこの比較結果が所定以上乖離する部位を調整部位として特定する。なお、判定結果として用いる閾値は、調整部位毎に異なる値とすることが好ましい。
また、オペレータによる調整部位の特定では、調整部位特定手段321は、シミュレーション装置2により生成された成形モデルをオペレータに向けて表示するとともに、オペレータからの入力を受け付けることで調整部位を特定する。
なお、図2(1)では、調整候補部位に対して1つの原因部位を対応付けることとしているが、調整候補部位に対して複数の原因部位を対応付けることとしてもよい。この場合、原因部位特定手段331は、調整部位に対応する原因部位として複数の原因部位を特定することとしてもよく、複数の原因部位のうち1の原因部位のみを特定することとしてもよい。1の原因部位のみの特定は、優先順位に基づいて1の原因部位を特定することとしてもよく、また、調整部位の乖離度に基づいて1の原因部位を特定することとしてもよく、また、他の調整部位との関係から1の原因部位を特定することとしてもよく、その他任意の方法により行うこととしてもよい。
修正量算出手段332により算出された修正量は、シミュレーション装置2に供給され、この修正量に基づき修正されたパラメータに従い、シミュレーション装置2によるシミュレーションが再度行われる。
シミュレーション装置2が成形モデルMを生成すると、成形モデル調整装置3は、生成された成形モデルM、より詳細には成形モデルMを構成する数値データ(実測値)を取得する(ステップST2)。
ここで、図4に示す成形モデルMにおいて、調整候補部位「A001」の実測値が0.5mmである場合、目標値(1mm)とは0.5mm乖離する。本実施形態では、調整候補部位「A001」における0.5mmの乖離は、所定以上乖離するものとし、このような場合には調整候補部位「A001」を調整部位として特定することとする。
ステップST4において調整候補部位の全てが調整不要と判定されると、成形モデル調整装置3は処理を終了する一方で、調整候補部位の中に調整が必要な部位があると判定されると、ステップST5の処理に移る。
例えば、調整候補部位「A001」の実測値が0.5mmである場合、乖離度は、50%(=(1−0.5)/1×100%)となる。
図2(1)を参照して、調整候補部位「A001」に対応付けられた原因部位は「Z001」であるため、原因部位特定手段331は、調整部位「A001」に対応する原因部位として「Z001」を特定する。なお、原因部位「Z001」は、例えば、成形モデルMのフランジ部であり、シミュレーション時には、しわ抑え力がパラメータとして入力される。
例えば、原因部位「Z001」に単位面積当たり7kgfのパラメータが設定されていた場合には、修正量として1.5kgf(=(10kgf−7kgf)×50%)が算出されることになる。このように算出された修正量(1.5kgf)に基づいて、原因部位「Z001」のパラメータが7kgfから8.5kgfに変更される。
2…シミュレーション装置
3…成形モデル調整装置
31…記憶部
311…調整部位データベース
312…原因部位データベース
32…調整部位処理部
321…調整部位特定手段
322…乖離度算出手段
33…原因部位処理部
331…原因部位特定手段
332…修正量算出手段
Claims (1)
- プレス成形の成形シミュレーションシステムにおいて、
入力されたパラメータに基づいてプレス成形のシミュレーションを実行し、実行結果としての成形モデルを生成するシミュレーション装置と、
前記シミュレーション装置によって生成された前記成形モデルの任意の部位であってプレス成形時に形状不良が発生したか否かの判定を要する部位である調整候補部位のうち形状不良が発生したと判定される調整部位を特定する調整部位特定手段と、
前記調整部位特定手段により特定された前記調整部位の目標値と実測値との乖離度を算出する乖離度算出手段と、
前記成形モデルの任意の位置又はプレス成形を行う金型モデルの任意の位置から、前記調整候補部位に形状不良が発生した場合の原因となる部位のうち前記調整部位に対応付けられた原因部位を特定すると共に前記調整候補部位毎の基準値を設定する原因部位特定手段と、
前記原因部位の基準値、前記原因部位のパラメータ、及び前記乖離度に基づいて、前記原因部位のパラメータの修正量を算出する修正量算出手段と、
を備えることを特徴とする成形シミュレーションシステム。
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