JP5946676B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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そのような樹脂組成物としては、例えば、特許文献1に記載の樹脂組成物が提案されている。
−O−Si−R1−NHCOO− ・・・(1)
〔上記式(1)中、R1は、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキレン基である。〕
−O−Si−R1−NHCOO− ・・・(1)
〔上記式(1)中、R1は、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキレン基である。〕
本発明で用いる上記特定のアクリル系樹脂(A)は、エチレン性不飽和基を側鎖に含有するものであり、例えば、下記の単量体成分〔i〕を重合して得られたエポキシ基を有する重合体(a3)に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物(a4)を付加させて得ることができる。
なお、上記特定の重合体(a3)に上記特定の化合物(a4)を付加させるというのは、この重合体(a3)のエポキシ基と化合物(a4)のカルボキシル基を反応させることであり、これにより、化合物(a4)の(メタ)アクリロリル基をアクリル系樹脂(A)のエチレン性不飽和基とするものである。
エポキシ基を有する重合体(a3)を製造するための単量体成分〔i〕としては、以下のエポキシ基と1個のエチレン性不飽和基とを有する単量体(a1)と、1個のエチレン性不飽和基を有する他の単量体(a2)とがあげられる。
(エポキシ基と1個のエチレン性不飽和基とを有する単量体(a1))
上記エポキシ基と1個のエチレン性不飽和基とを有する単量体(a1)としては、エポキシ基をエステル基の一部に有する(メタ)アクリル酸エステルであればよく、上記エポキシ基としては、脂環エポキシ構造を有するものが、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を光硬化させる際の反応が速いことから好ましい。このようなエポキシ基をエステル基の一部に有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等があげられ、具体的には、三菱レイヨン社製のアクリエステルG(グリシジルメタクリレート)、ダイセル化学工業社製のサイクロマーM100(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート)があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記の単量体成分〔i〕としては、上記単量体(a1)と1個のエチレン性不飽和基を有する他の単量体(a2)を含有してもよく、かかる他の単量体(a2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチルアクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等があげられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの場合には、アルキル基の炭素数が、通常1〜20、特には1〜12、更には1〜8であることが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、活性エネルギー線照射前でも高い被膜形成能を有するようになる点から、単独重合物のガラス転移点が高い単量体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等を用いることが好ましい。
上記特定の化合物(a4)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサヒドロフタル酸、カルボン酸およびその誘導体と水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物があげられる。
上記カルボン酸およびその誘導体としては、例えば、コハク酸、無水コハク酸、フタル酸、無水フタル酸等があげられ、上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等があげられる。
1.まず、単量体成分〔i〕を重合し、エポキシ基を有する重合体(a3)を製造する。上記単量体成分〔i〕を重合させる方法としては、例えば、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等があげられる。なかでも、反応の制御の容易さの点から、溶液ラジカル重合による重合が好ましい。この溶液ラジカル重合は、例えば、溶媒中に、上記単量体成分〔i〕、重合開始剤を混合あるいは滴下し、加熱撹拌して行われる。上記加熱条件は、用いる溶媒、単量体成分〔i〕の種類、重合開始剤の種類により適宜設定されるが、通常、50〜150℃の範囲であり、反応時間は2〜20時間の範囲である。
また、上記溶媒としては、得られる特定のアクリル系樹脂(A)を溶解できるものが好ましい。このような溶媒としては、例えば、2−プロパノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサンノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1,2−ジアセトキシプロパン等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類があげられ、これらは単独でもしくは2種以上混合して用いることができる。
ただし、水酸基やアミンを有する溶媒を用いることは好ましくない。この後の工程で、特定のアクリル系樹脂(A)の水酸基に、イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物(a5)を反応させ、反応生成物(A−a5)を製造する際に、上記特定の化合物(a5)が、溶媒中の水酸基やアミンとも反応してしまうためである。
上記無機酸化物微粒子(B)は、コロイダルシリカを主成分とするものであればよく、水ガラスを原料として酸で中和したり、アルキルシリケートをアルカリで加水分解させる方法等の方法によって得ることができる。また、市販品として販売されているものを用いることもできる。なお、「コロイダルシリカを主成分とする」とは、通常、コロイダルシリカを50重量%以上含有するものを意味し、コロイダルシリカのみから構成されているものを含む趣旨である。
上記無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)は、上記特定のアクリル系樹脂(A)と無機酸化物微粒子(B)とが下記式(1)で示される結合部位を介して結合してなるものであり、この無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)を含有することにより、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物のポットライフが優れるようになり、さらには、これを硬化させてなる硬化膜の耐擦傷性の向上を図ることができる。
−O−Si−R1−NHCOO− ・・・(1)
〔上記式(1)中、R1は、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキレン基である。〕
上記特定の化合物(a5)としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランがあげられ、具体的には、信越化学工業社製のKBE−9007(3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)があげられる。
すなわち、〔1〕:[I]エポキシ基と1個のエチレン性不飽和基とを有する単量体(a1)を含有する単量体成分〔i〕を重合して得られたエポキシ基を有する重合体(a3)に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物(a4)を付加させてアクリル系樹脂(A)を製造する工程と、[II]この付加反応時に生じた水酸基に、イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物(a5)のイソシアネート基を反応させて反応生成物(A−a5)を製造する工程と、[III]この反応生成物(A−a5)中のアルコキシシリル基とコロイダルシリカを主成分とする無機酸化物微粒子(B)中の水酸基とを反応させることにより、アクリル系樹脂(A)と無機酸化物微粒子(B)とが、下記式(1)で示される結合部位を介して結合してなる無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)を製造する工程と、[IV]この無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)とともに、光重合開始剤(C)を混合する工程とを備えた製造方法。
(反応生成物(A−a5)の製造)
特定のアクリル系樹脂(A)における、上記特定の重合体(a3)に特定の化合物(a4)を付加させた際に生じた水酸基に、イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物(a5)のイソシアネート基を反応させることにより、反応生成物(A−a5)を製造する。すなわち、上記特定のアクリル系樹脂(A)を製造した溶液に、この特定の化合物(a5)を混合あるいは滴下し、必要があれば加熱撹拌を行う。
つぎに、上記で製造した反応生成物(A−a5)とコロイダルシリカを主成分とする無機酸化物微粒子(B)とを水と加えて加水分解縮合反応させることにより、下記式(1)で示される結合部位を介して結合してなる無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)を製造することができる。
−O−Si−R1−NHCOO− ・・・(1)
〔上記式(1)中、R1は、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキレン基である。〕
上記〔1〕の製造方法と異なるのは、特定のアクリル系樹脂(A)にイソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物(a5)を反応させた反応生成物(A−a5)を製造せず、代わりに、コロイダルシリカを主成分とする無機酸化物微粒子(B)中の水酸基と、上記特定の化合物(a5)中のアルコキシシリル基とを反応させて、反応生成物(B−a5)の製造を行うことである。
上記反応生成物(B−a5)は、上記特定の化合物(a5)由来のアルコキシシリル基を水で加水分解してシラノール基を生じさせ、これに上記無機酸化物微粒子(B)表面の水酸基(オルガノシリカゾルの場合はシラノール基の形をとっている)を縮合反応させることにより、製造することができる。得られた反応生成物(B−a5)は、イソシアネート基が配合した水と反応するのを防止する点から、すぐに、特定のアクリル系樹脂(A)との反応に用いることが好ましい。
上記特定のアクリル系樹脂(A)と、反応生成物(B−a5)とを反応させることにより、無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)を得ることができる。すなわち、上記特定のアクリル系樹脂(A)は、特定の重合体(a3)に特定の化合物(a4)を付加させた際に生じた水酸基を有している。一方、上記反応生成物(B−a5)は、先に示した加水分解縮合反応により、イソシアネート基が導入されている。したがって、上記特定のアクリル系樹脂(A)の水酸基と反応生成物(B−a5)のイソシアネート基を反応させることで、無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)を製造することができる。
上記光重合開始剤(C)は、活性エネルギー線を照射されることにより、ラジカル等を発生するものであり、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、通常の光重合開始剤を用いることができる。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記多官能アクリレート(D)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明により得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、粘度調整や、これを塗布する対象の成形品への濡れ調整の点から、無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)、光重合開始剤(C)、多官能アクリレート(D)を溶解させることが可能となる溶媒を用いることができる。このような溶媒としては、例えば、2−プロパノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1,2−ジアセトキシプロパン等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類があげられる。
本発明により得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、その硬化膜の物性を改良する目的で、種々の添加物を用いることができる。このような添加物としては、例えば、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤等があげられる。
−O−Si−R1−NHCOO− ・・・(1)
〔上記式(1)中、R1は、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキレン基である。〕
(特定のアクリル系樹脂(A)の製造)
撹拌機、還流冷却機、窒素の吹き込み口、温度計、滴下ロートを備えた500mLフラスコに、単量体成分〔i〕として、エポキシ基と1個のエチレン性不飽和基とを有する単量体(a1):グリシジルメタクリレート(三菱レイヨン社製、アクリエステルG)50部、1個のエチレン性不飽和基を有する他の単量体(a2):メチルメタクリレート1部、溶媒として、酢酸ブチル75部を仕込み、窒素置換した後、連鎖移動剤として、ラウリルメルカプタン1.6部、重合開始剤として、2,2−アゾビスジメチルバレロニトリル(大塚化学社製、ADVN)0.52部を加えて、65℃の温度で反応を開始させた。3時間後、上記重合開始剤0.26部を追加して、さらに3時間反応させた後、100℃に昇温しこの状態を0.5時間保った後、70℃にまで冷却したところで、1−メトキシ−2−プロピルアセテート78部を追加し、単量体成分〔i〕を共重合して得られたエポキシ基を有する重合体(a3)を得た。このエポキシ基を有する重合体(a3)のエポキシ当量は、150であった。
つぎに、上記特定のアクリル系樹脂(A)を製造した反応系に、イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物(a5)として、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製、KBE−9007)0.86部を1−メトキシ−2−プロピルアセテート1.5部に溶かしたものを加え、触媒として、ジブチル錫ジラウレート0.03部を追加し、80℃の温度で2時間反応させることにより、反応生成物(A−a5)を得た。なお、反応終了後の液をアミンで滴定したところ、イソシアネート基は認められなかった。
上記反応生成物(A−a5)を有する反応系を室温にまで徐冷した後、コロイダルシリカを主成分とする無機酸化物微粒子(B)として、4−メチル−2−ペンタノンに分散させたコロイダルシリカ(日産化学工業社製、MIBK−ST、平均粒子径10〜15nm、固型分30重量%)168部、水0.065部、触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート0.010部、重合禁止剤として、4−メトキシフェノール0.06部を加え、70℃の温度で4時間加水分解することにより、無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)を得た。
上記無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)10部に、光重合開始剤(C)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバジャパン社製、イルガキュア184)0.064部を加えて、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
反応生成物(A−a5)を製造せず、単に、特定のアクリル系樹脂(A)と無機酸化物微粒子(B)を混合させた他は、実施例1と同様にして比較例1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。すなわち、比較例1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、無機酸化物微粒子(B)を有しているものの、特定のアクリル系樹脂(A)と無機酸化物微粒子(B)とは、上記式(1)で示される結合部位を介して結合していないものである。
反応生成物(A−a5)を製造せず、無機酸化物微粒子(B)を用いなかった他は、実施例1と同様にして比較例2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。すなわち、比較例2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、無機酸化物微粒子(B)を含有していないものである。
各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を暗所下、室温(25℃)にて保管し、目視によりゲル化が認められるまでの期間を測定した。
各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、PETフィルム基材(東レ社製、ルミラー、厚み100μm)に、#16バーコーターを用いてその乾燥後の厚みが7μmとなるよう塗布し、これを80℃の温度下で2分間乾燥させた。乾燥させた後の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の表面を指で触ってタックの有無を確認し、タックのないものを被膜形成性良好(○)とし、タックのあるものを被膜形成性不良(×)と評価した。
上記被膜形成性の評価を行った後、各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に対し波長365nmでの照射エネルギーが250または500mJ/cm2となるように紫外線を照射し、これらを硬化させてなる硬化膜を製造した。そして、これらの硬化膜の鉛筆硬度をJIS K5600−5−4に従って測定した。
上記鉛筆硬度の項で製造した硬化膜のうち、波長365nmでの紫外線照射エネルギーが250mJ/cm2となるように紫外線を照射したものについて、磨耗試験前後の硬化膜のヘーズを測定し、その差(Δヘーズ)で評価した。磨耗試験は、JIS K−5600−5−9による磨耗輪法を用い、磨耗輪CS−10F、荷重1kg、回転数200回の条件で行った。そして、硬化膜のヘーズは、JIS K−7105に従って測定し、磨耗試験前後のヘーズの差を算出して、Δヘーズとした(単位:%)。なお、Δヘーズの値が小さいほど、耐擦傷性に優れていることを示している。
各活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、予めその上に錘を置いて1日放置し平坦としたPETフィルム基材(東洋紡績社製、コスモシャインA4300、厚み38μm、A4サイズ)に、#10バーコーターを用いてその乾燥後の厚みが4μmとなるように塗布し、80℃の温度下で3分間乾燥させた後、波長365nmでの照射エネルギーが500mJ/cm2となるよう紫外線を照射し硬化させた。これにより、硬化膜によってフィルムの一方の面が被覆されているハードコートフィルムを製造した。このハードコートフィルムを温度23℃、湿度50RH%の条件下で一晩放置した後、10cm×10cmの大きさに切り出し、フィルムの四隅の中央部に対するそりを定規を用いて測定し、各隅のそりの平均をカール値(mm)とした。なお、カール値が小さいほど、そりが小さく、紫外線照射による硬化収縮が少なかったことを示している。
Claims (5)
- エチレン性不飽和基を側鎖に含有してなるアクリル系樹脂(A)と、コロイダルシリカを主成分とする無機酸化物微粒子(B)とが、下記式(1)で示される結合部位を介して結合してなる無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)、および光重合開始剤(C)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
[I]エポキシ基と1個のエチレン性不飽和基とを有する単量体(a1)を含有する単量体成分〔i〕を重合して得られ、かつエポキシ当量が180以下であるエポキシ基を有する重合体(a3)に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物(a4)を付加させてアクリル系樹脂(A)を製造する工程と、
[II]この付加反応時に生じた水酸基に、イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物(a5)のイソシアネート基を反応させて反応生成物(A−a5)を製造する工程と、
[III]この反応生成物(A−a5)中のアルコキシシリル基とコロイダルシリカを主成分とする無機酸化物微粒子(B)中の水酸基とを反応させることにより、アクリル系樹脂(A)と無機酸化物微粒子(B)とが、下記式(1)で示される結合部位を介して結合してなる無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)を製造する工程と、
[IV]この無機酸化物−アクリル系樹脂複合体(α)とともに、光重合開始剤(C)を混合する工程
とを備えたことを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法。
−O−Si−R1−NHCOO− ・・・(1)
〔上記式(1)中、R1は、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキレン基である。〕 - 単量体成分〔i〕が、上記単量体(a1)および1個のエチレン性不飽和基を有する他の単量体(a2)を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法。
- アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が、1万〜10万であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 無機酸化物微粒子(B)の平均粒子径が、10〜100nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 無機酸化物微粒子(B)の配合量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5〜400重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法。
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