JP5946060B2 - 接合部材、その形成方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高温が生じやすい装置、例えばパワー半導体等の電子デバイスや電気機器等に使用される接合部材に関する。
金属同士を接続する材料として、従来、錫と鉛の共晶はんだが主として用いられてきている。
ところが、鉛は人体に対して有害であり、例えば、廃棄された電子部品に用いられていたはんだ中の鉛が酸性雨等により溶け出して地下水の汚染等が生じる恐れがある。
そのため、鉛を含まない鉛フリーはんだの開発が進められている(例えば非特許文献1参照)。これまでに、低温用鉛フリーはんだとして、錫とビスマスの共晶はんだ(融点139℃)等が製品化されており、中温用鉛フリーはんだとして、錫と銀と銅の共晶はんだ(融点217℃)等が製品化されている。
末次憲一郎 編著、詳説鉛フリーはんだ付け技術、工業調査会、2004年1月
しかしながら、パワー半導体等に使用される高温用はんだでは、低温用はんだや中温用はんだのような有力な鉛フリーはんだ材料が存在しないため、RoHS(Restriction of Hazardous Substances )規制やELV(End-of Life Vehicles Directive)規制の除外項目として、未だに鉛を多く含むものが使われている。
一方、前述の除外項目については、今後、高温用鉛フリーはんだ材料が開発されれば規制対象となるし、また、現在の世界的な地球環境保護への関心の高まりから、2014年に高温用はんだ適用除外を見直す可能性も出てきている。
このように、高温用鉛フリーはんだに対する要求が高まってきている中、ビスマス、亜鉛、錫等の種々の材料が研究されているが、高温用鉛フリーはんだ材料、特に、はんだと母材との接合部の機械的強度を確保するのに必要な高い柔軟性を備えた高温用鉛フリーはんだ材料の開発は進んでいない。
また、中温用鉛フリーはんだで用いられている銀は、高価格であるだけではなく、世界的に見て稀少な資源でもあるため、銀を含まない又は低銀化した新たな中温用鉛フリーはんだ材料に対する要求も高まってきている。
前記に鑑み、本発明は、高温でも使用可能で且つ高い柔軟性を持つ低価格な鉛フリー接合部材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らは、色々な材料について各種実験を行ったところ、以下のような知見を得た。
(1)はんだ材料として用いられている錫をスパッタ成膜すると、該錫膜は三次元網目状構造を持つ。また、該三次元網目状構造は高い柔軟性(具体的には10%を超える伸び率)を有する。これは、本願発明者らにより初めて見出された。
(2)錫を主成分として錫と他の成分、例えば銅を同時にスパッタ成膜した場合にも、(1)と同様の三次元網目状構造が生じる。
(3)(2)のスパッタ成膜におけるターゲット出力及びターゲット距離の少なくとも一方により膜中の銅含有率を制御することができる。ここで、銅含有率を高くすれば、錫−銅合金の融点が高くなり、銅含有率を低くすれば、錫−銅合金の融点が低くなる。
(4)(3)の方法により、例えば三次元網目状構造の上部のみ銅含有率つまり融点を低くして該上部を他の部材にはんだ付けすると共に、該上部を除く三次元網目状構造をはんだ接合後もそのまま残すようにすれば、高温でも使用でき且つ高い柔軟性を持つ低価格な鉛フリー接合部材となる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであって、本発明に係る接合部材は、錫を主成分とする三次元網目状構造を持つ。
本発明に係る接合部材によると、三次元網目状構造を持つため、高い柔軟性を有する。また、錫を主成分とするため、添加成分として例えば銅を用いることにより、高温でも使用できる低価格な鉛フリー接合部材とすることができる。
本発明に係る接合部材において、前記三次元網目状構造は、銅を含有してもよい。このようにすると、銅含有率により、接合部材の融点を制御することができる。この場合、前記三次元網目状構造の上部の銅含有率は、他の部分の銅含有率よりも低いと、三次元網目状構造の上部の融点を他の部分の融点よりも低くすることができる。従って、三次元網目状構造の上部を他の部材にはんだ付けすると共に、該上部を除く三次元網目状構造を溶融させずにはんだ接合後もそのまま残すことができる。これにより、接合部材全体として、高温使用においても高い柔軟性を発揮することができる。
本発明に係る接合部材において、前記三次元網目状構造が両面に形成されたシート状部材をさらに備えていてもよい。このようにすると、接合部材の両側に配置された他の部材を、シート状部材両面に形成された各三次元網目状構造によって接合することができる。
本発明に係る接合部材の形成方法は、錫ターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、前述の三次元網目状構造を持つ接合部材を形成するものである。
また、本発明に係る接合部材の形成方法において、前記錫ターゲットと同時に銅ターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、前記三次元網目状構造に銅を含有させてもよい。ここで、前記スパッタリングにおけるターゲット出力及びターゲット距離の少なくとも一方を調節することにより、前記三次元網目状構造の銅含有率を制御してもよい。
また、本発明に係る接合部材の形成方法において、前記スパッタリングをスパッタ装置によって実施してもよい。
本発明に係る装置は、第1部材と、第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とを接合する接合部材とを備え、前記接合部材は、錫を主成分とする三次元網目状構造を持つ。
すなわち、本発明に係る装置によると、前述の本発明に係る接合部材によって、第1部材と第2部材とを接合するため、高温使用においても接合箇所の機械的強度を確保することができる。従って、高温が生じやすい装置、例えばパワー半導体等の電子デバイスや電気機器等に適用した場合に信頼性の向上を図ることができる。
本発明に係る装置において、前記接合部材は、前記三次元網目状構造が両面に形成されたシート状部材を備え、前記三次元網目状構造と前記第1部材及び前記第2部材のそれぞれとは、はんだ付けされていてもよい。或いは、前記三次元網目状構造は、前記第1部材上に形成されており、前記三次元網目状構造と前記第2部材とは、はんだ付けされていてもよい。すなわち、前述の三次元網目状構造は、スパッタリングにより第1部材上に直接形成されていてもよい。
本発明によると、高温でも使用可能で且つ高い柔軟性を持つ低価格な鉛フリー接合部材を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る接合部材の断面図である。 図2(a)は、図1に示す接合部材を用いた装置の断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す装置における接合部材及びその近傍の拡大図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る接合部材を形成するために用いたスパッタ装置の断面図である。 図4(a)〜(g)は、本発明の一実施形態に係る接合部材の三次元網目状構造の表面を走査型電子顕微鏡により観察した様子を示している。 図5は、本発明の一実施形態に係る接合部材の三次元網目状構造の組成をEPMA)装置を用いて分析した結果を示している。 図6は、図5に示す結果を、横軸にPCu/PSn比、縦軸にCu含有量を取ってグラフ化したものである。 図7は、本発明の一実施形態に係る接合部材の三次元網目状構造に対してX線回折装置を用いて結晶性を調べた結果を示している。 図8(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る接合部材の三次元網目状構造に対して伸び率の測定を行っている様子を示している。 図9は、本発明の一実施形態に係る接合部材の三次元網目状構造の伸び率を測定した結果を示している。 図10は、図9に示すPCu/PSn比と伸び率との関係を、図6に示すPCu/PSn比とCu含有量との相関に基づいて、Cu含有量と伸び率との関係に直して示している。 図11は、本発明の一変形例に係る接合部材を用いた装置の断面図である。 図12は、本発明の他の変形例に係る接合部材を用いた装置の断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る接合部材、その形成方法、及び該接合部材を用いた装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る接合部材の概略構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の接合部材10は、例えば銅薄板等のシート状部材11と、該シート状部材11の両面上に形成された三次元網目状構造12とを有している。ここで、三次元網目状構造12は、錫を主成分とする錫−銅合金からなり、スパッタリングによりシート状部材11の両面に直接形成されている。また、三次元網目状構造12の上部(シート状部材11の反対側の部分)12Aの銅含有率は、他の部分12Bの銅含有率よりも低くなっている。これにより、三次元網目状構造12の上部12Aの融点は、他の部分12Bの融点よりも低くなる。
図2(a)は、図1に示す接合部材10を用いた装置、具体的には、パワー半導体装置の概略構成を模式的に示す断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示すパワー半導体装置における接合部材10及びその近傍の拡大図である。
図2(a)に示す装置100においては、例えばリードフレーム等の基材101上に接合部材10を介して半導体チップ102が搭載されている。基材101の外側には、例えばアウターリード等の外部端子103が配置されており、該外部端子103と半導体チップ102の上面パッド(図示省略)とはボンディングワイヤ104によって電気的に接続されている。基材101、半導体チップ102、外部端子103及びボンディングワイヤ104は、例えば樹脂等の封止材料105によって封止されている。
また、図2(b)に示すように、シート状部材11下側の三次元網目状構造12のうち融点が低い上部12Aが基材101上面にはんだ付けされている。また、シート状部材11上側の三次元網目状構造12のうち融点が低い上部12Aが半導体チップ102下面にはんだ付けされている。ここで、シート状部材11上下の三次元網目状構造12のうち融点が高い他の部分12Bは、はんだ付け時にも溶融することなくそのまま残っている。
以上に説明したように、本実施形態の接合部材10は三次元網目状構造12を持つため、高い柔軟性を有する。また、接合部材10は、錫を主成分とする錫−銅合金からなるため、高温でも使用できる低価格な鉛フリー接合部材となると共に、接合部材10の融点を銅含有率により制御することができる。具体的には、三次元網目状構造12の上部12Aの銅含有率を他の部分12Bの銅含有率よりも低くすることによって、三次元網目状構造12の上部12Aの融点を他の部分12Bの融点よりも低くしている。従って、三次元網目状構造12の上部12Aを他の部材(例えば図2(a)の基材101や半導体チップ102)にはんだ付けすると共に、三次元網目状構造12の他の部分12Bを溶融させずにはんだ接合後もそのまま残すことができる。これにより、接合部材10全体として、高温使用においても高い柔軟性を発揮することができる。
また、本実施形態によると、三次元網目状構造12が両面に形成されたシート状部材11を接合部材10が備えているため、接合部材10の両側に配置された他の部材(例えば図2(a)の基材101や半導体チップ102)を、シート状部材11両面の各三次元網目状構造12によって接合することができる。
また、本実施形態によると、装置100における基材101と半導体チップ102との接合に前述の接合部材10を用いているため、高温使用においても接合箇所の機械的強度を確保することができる。従って、装置100の信頼性を向上させることができる。
図3は、本実施形態の三次元網目状構造を形成するために用いたスパッタ装置、具体的には、ヘリコンスパッタ装置の概略構成を示す断面図である。
図3に示すスパッタ装置50は、真空チャンバー51と、真空チャンバー51内において基板80(例えば図1に示すシート状部材11)を保持するホルダー52と、基板80をホルダー52と共に回転させるモーター53と、真空チャンバー51に接続された真空ポンプ54とを備えている。ここで、ホルダー52は、基板80を加熱するための機構を持つ。また、真空チャンバー51内には、錫ターゲット62が載置されたカソード61と、銅ターゲット72が載置されたカソード71とが設けられている。カソード61及びカソード71のそれぞれには、真空チャンバー51外に配置された高周波電源63及び高周波電源73が接続されている。また、真空チャンバー51内には、錫ターゲット62及び銅ターゲット72のそれぞれと対向するようにRFコイル64及びRFコイル74が配置されている。RFコイル64及びRFコイル74のそれぞれには、真空チャンバー51外に配置された高周波電源65及び高周波電源75が接続されている。さらに、真空チャンバー51には、錫ターゲット62及び銅ターゲット72のそれぞれの近傍に供給口を持つAr供給ライン66及びAr供給ライン76が設けられている。
錫ターゲット62としては、例えば厚さ50mmの錫板(錫(純度):99.9質量%、鉄:0.0002質量%、銅:0.0003質量%、鉛:0.0009質量%、ビスマス:0.0001質量%、インジウム:0.0004質量%、砒素:0.0001質量%、アンチモン:0.0001質量%)を用いてもよい。また、銅ターゲット72としては、例えば厚さ50mmの銅板(銅(純度):99.9質量%、銀:5ppm、カルシウム:0.1ppm、鉄:8ppm、マグネシウム:0.1ppm、マンガン:0.2ppm、ニッケル:2ppm、シリコン:2ppm)を用いてもよい。
基板80から錫ターゲット62までの距離、及び基板80から銅ターゲット72までの距離(以下、これらの距離をターゲット距離と称する)はそれぞれ、例えば80mm及び200mmに設定してもよい。
本実施形態の三次元網目状構造の形成に際しては、まず、真空チャンバー51内を例えば3×10-5Pa程度の真空状態にした後、Ar供給ライン66及びAr供給ライン76から例えば純度99.99%のアルゴンガスを流量18cm3 /分(標準状態)で真空チャンバー51内に導入する。その後、RFコイル64及びRFコイル74に例えば100Wの高周波電力を印加すると共に、カソード61及びカソード71にそれぞれ例えば50〜150Wの高周波電力及び30〜100Wの高周波電力(以下、これらの高周波電力をターゲット出力という)を印加する。これにより、錫ターゲット62及び銅ターゲット72に対してスパッタリングを行い、基板80の表面に錫−銅合金からなる三次元網目状構造を形成する。ここで、三次元網目状構造を均一に形成するため、モーター53によって基板80を10rpmで回転させてもよい。
以上に説明したように、錫ターゲット62及び銅ターゲット72を用いて同時にスパッタリングを行うことにより、錫−銅合金からなる三次元網目状構造を得ることができる。また、該スパッタリングにおけるターゲット出力及びターゲット距離の少なくとも一方を調節することによって、三次元網目状構造12の銅含有率を制御することができる。
図4(a)〜(g)は、図3に示すスパッタ装置を用いて、厚さ1.5mm、長さ25mm、幅12mmの銅板上に形成した三次元網目状構造の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した様子を示している。ここで、図4(a)に示す三次元網目状構造は、銅ターゲット出力(PCu)を0W、錫ターゲット出力(PSn)を100Wに設定して得られたものである。同様に、図4(b)〜(g)のそれぞれに示す三次元網目状構造は、(PCu、PSn)を(40W、150W)、(40W、140W)、(40W、130W)、(40W、120W)、(40W、110W)、(40W、100W)に設定して得られたものである。
図5は、図3に示すスパッタ装置を用いて形成した三次元網目状構造の組成(錫(Sn)及び銅(Cu)の含有量(質量%))を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)装置を用いて分析した結果を示している。EPMA装置では、試料台にサンプルを設置し、該サンプルに電子線を照射することにより発生した特性X線の波長及び強度を検出することにより、組成分析を行う。尚、図5には、Sn及びCuの含有量と合わせて、該サンプル形成に用いた銅ターゲット出力(PCu)及び錫ターゲット出力(PSn)をそれらの比PCu/PSnと合わせて示している。
また、図6は、図5に示す結果を、横軸にPCu/PSn比、縦軸にCu含有量(質量%)を取ってグラフ化したものである。
図5及び図6に示すように、PCu/PSn比の増加に伴って銅の含有量が高くなっている。このことから、錫ターゲット62及び銅ターゲット72を用いて同時にスパッタリングを行う際に、各ターゲット出力を調節することによって、三次元網目状構造の銅含有率を制御できることが分かる。
また、前述の図4(a)に示すように、銅ターゲット出力PCuがを0Wの場合(つまり銅の含有量が実質的に0の場合)にも三次元網目状構造が得られていると共に、図4(a)〜(g)に示すように、銅ターゲット出力PCuつまり銅の含有量が違っても、三次元網目状構造の様子(つまり表面に凹凸があり、不規則形状の空洞が多数含まれている)に大きな変化は見られない。従って、堆積物の主成分が錫となるようにスパッタリングを行うことにより、三次元網目状構造が得られることが分かる。また、後述するように、三次元網目状構造に力が加わった場合、三次元網目状構造の構成材料自体の破断ひずみが小さくても、三次元網目状構造が変形することにより、三次元網目状構造全体としては大きいひずみが発生する。
図7は、図3に示すスパッタ装置を用いて形成した三次元網目状構造に対してX線回折装置を用いて結晶性を調べた結果を示している。尚、結晶性の確認は、(PCu、PSn)をそれぞれ(0W、150W)、(0W、75W)に設定して形成された錫の三次元網目状構造に対して行った。図7に示すように、いずれの三次元網目状構造においても、ブロードなピークは見られないことから、該各三次元網目状構造を構成する錫は結晶質であることが分かる。
また、本実施形態の三次元網目状構造について、ピン・オン・ディスク方式高温摩擦・摩耗試験機のヒーター(シートヒーター)を使用して融点測定を行った。具体的には、シートヒーターを用いてサンプルをまず約200℃まで昇温させた後、約10℃ずつ昇温させる度にSEMにより形状変化(つまり融解)を確認し、該形状変化が起きた時の温度を融点とした。その結果、三次元網目状構造の銅含有率が高くなるに従って三次元網目状構造の融点が高くなること、及び、銅の含有率を3%程度以上にすれば、250℃程度の融点が得られることが分かった。これにより、高温でも使用可能で且つ高い柔軟性を持つ低価格な鉛フリー接合部材を提供することが可能となる。
図8(a)及び(b)は、図3に示すスパッタ装置を用いて形成した三次元網目状構造に対して伸び率の測定を行っている様子を示している。まず、図8(a)に示すように、厚さ1.5mmの銅板(基材)上に三次元網目状構造(Sn−Cu薄膜)を形成したサンプルを準備し、該サンプルに対して万力により両端から圧縮方向に力を加える。その後、図8(b)に示すように、サンプルに圧縮曲げが生じたら、その時の曲率に基づいて、材料力学的に下記のように、ひずみεを算出する。
ε=((ρ+B2 /2)dθ−ρdθ)/ρdθ=B2 /2ρ
ここで、ρは曲率半径、B2 はサンプル厚さである。また、三次元網目状構造(Sn−Cu薄膜)は銅板(基材)に対して十分に薄いので、銅板単体と近似してひずみεを算出する。さらに、三次元網目状構造が銅板から剥離したときのひずみεを伸び率として求める。
図9は、図3に示すスパッタ装置を用いて、様々なPCu/PSn比で形成した三次元網目状構造の伸び率を前述の方法により測定した結果を示しており、図10は、図9に示すPCu/PSn比と伸び率との関係を、図5に示すPCu/PSn比とCu含有量(質量%)との相関に基づいて、Cu含有量(質量%)と伸び率との関係に直して示している。
図9及び図10に示すように、各三次元網目状構造の伸び率として、通常のSn−Cu合金の伸び率である数%を大きく上回る12.6〜17.6%程度の値が得られており、三次元網目状構造が非常に高い柔軟性を有していることが分かる。また、PCu/PSn比つまりCu含有量が大きくなるに従って、三次元網目状構造の伸び率が高くなっていることが分かる。
尚、本実施形態の接合部材を用いた装置の例として、パワー半導体装置を挙げたが、これに限定されず、高温が生じやすい他の電子デバイスや電気機器等に本実施形態の接合部材を使用してもよいことは言うまでもない。
また、図1に示す接合部材10は、三次元網目状構造12が両面に形成されたシート状部材11を有していたが、これに代えて、例えば、図11に示すように、リードフレーム等の基材101上にスパッタリングにより三次元網目状構造12を直接形成し、該三次元網目状構造12のうち融点が低い上部12Aを半導体チップ102下面にはんだ付けしてもよい。
また、図1に示す接合部材10の三次元網目状構造12は、他の部分12Bと同じ材料からなり且つ融点が低い上部12Aを有していたが、これに代えて、例えば、図12に示すように、他の部分12Bと異なる材料からなり且つ融点が低い上部20を設け、該上部20を基材101や半導体チップ102等の母材にはんだ付けしてもよい。或いは、三次元網目状構造12の上部を低融点とはせずに、三次元網目状構造12を他の低融点はんだペーストを用いて母材にはんだ付けしてもよい。
また、本実施形態においては、図3に示すスパッタ装置、具体的にはヘリコンスパッタ装置を用いて三次元網目状構造を形成したが、該三次元網目状構造を形成可能なスパッタ装置は、複数成分の同時スパッタが可能な構成を有していれば、特に限定されるものではない。例えば、電源に高周波(RF)を使用したRFマグネトロンスパッタ装置や電源に直流(DC)を使用したDCマグネトロンスパッタ装置等のマグネトロンスパッタ装置でも三次元網目状構造を形成可能である。ここで、RFマグネトロンスパッタ装置を用いた場合には、絶縁体の成膜も可能になる。また、本実施形態のようにヘリコンスパッタ装置を用いた場合、高真空でスパッタリングを行えるため、高品質な膜の形成が可能となる。
また、本実施形態の三次元網目状構造は、堆積物の主成分が錫となるようにスパッタリングを行うことにより形成可能なものであり、本実施形態では例示として、錫以外の成分である銅を三次元網目状構造に添加した。しかし、接合部材に要求される融点や柔軟性に応じて、銅に代えて又は銅に加えて、その他の成分を錫を主成分とする三次元網目状構造に添加してもよい。また、高温使用を前提としない場合には、三次元網目状構造を実質的に錫のみよって構成することも可能である。
本発明は、高温が生じやすい装置、例えばパワー半導体等の電子デバイスや電気機器等に使用される接合部材として有用である。
10 接合部材
11 シート状部材
12 三次元網目状構造
12A、20 上部
12B 他の部分
50 スパッタ装置
51 真空チャンバー
52 ホルダー
53 モーター
54 真空ポンプ
61、71 カソード
62 錫ターゲット
63、65、73、75 高周波電源
64、74 RFコイル
66、76 Ar供給ライン
72 銅ターゲット
80 基板
100 装置
101 基材
102 半導体チップ
103 外部端子
104 ボンディングワイヤ
105 封止材料

Claims (9)

  1. 錫を主成分とし、銅を含有する三次元網目状構造を持ち、
    前記三次元網目状構造を介して被接合部材に接合され、
    前記三次元網目状構造のうち、前記被接合部材に近い部分の銅含有率は、他の部分の銅含有率よりも低いことを特徴とする接合部材。
  2. 請求項1に記載の接合部材において、
    前記三次元網目状構造が両面に形成されたシート状部材をさらに備えていることを特徴とする接合部材。
  3. 錫ターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、錫を主成分とする三次元網目状構造を持つ接合部材を形成することを特徴とする接合部材の形成方法。
  4. 請求項に記載の接合部材の形成方法において、
    前記錫ターゲットと同時に銅ターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、前記三次元網目状構造に銅を含有させることを特徴とする接合部材の形成方法。
  5. 請求項に記載の接合部材の形成方法において、
    前記スパッタリングにおけるターゲット出力及びターゲット距離の少なくとも一方を調節することにより、前記三次元網目状構造の銅含有率を制御することを特徴とする接合部材の形成方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の接合部材の形成方法において、
    前記スパッタリングはスパッタ装置によって行われることを特徴とする接合部材の形成方法。
  7. 第1部材と、第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とを接合する接合部材とを備え、
    前記接合部材は、錫を主成分とし、銅を含有する三次元網目状構造を持ち、
    前記三次元網目状構造のうち、前記第1部材に近い部分及び前記第2部材に近い部分の少なくとも一方の銅含有率は、他の部分の銅含有率よりも低いことを特徴とする装置。
  8. 請求項に記載の装置において、
    前記接合部材は、前記三次元網目状構造が両面に形成されたシート状部材を備え、
    前記三次元網目状構造と前記第1部材及び前記第2部材のそれぞれとは、はんだ付けされていることを特徴とする装置。
  9. 請求項に記載の装置において、
    前記三次元網目状構造は、前記第1部材上に形成されており、
    前記三次元網目状構造と前記第2部材とは、はんだ付けされていることを特徴とする装置。
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