以下に添付図面を参照して、本発明に係る各実施の形態を詳細に説明する。最初に、各実施の形態に共通の基本的概念について説明し、次に、各実施の形態の内容について順次説明し、最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔各実施の形態に共通の基本的概念〕
最初に、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。このシャッター障害物検知システムは、開口部を開閉するシャッターカーテンに対する障害物を検知するシステムである。シャッターカーテンを備えるシャッター装置は、特記する場合を除いて、任意の目的、設置場所、構造等を取ることができ、例えば、重量シャッター、軽量シャッター、グリルシャッター、あるいは防煙たれ壁として構成され、重量シャッターに関しては、防火シャッター、防煙シャッター、気密用シャッター、管理用シャッター、防音シャッター、あるいは、管理併用型シャッターのように複数の目的に併用されるシャッターとして構成される。また、シャッターカーテンの開閉方向も任意であり、鉛直方向や水平方向を含む。以下では、シャッター障害物検知システムを、シャッターカーテンを鉛直方向に沿って開閉させる管理併用型の防火防煙シャッター装置に適用した例について説明する。
また、「障害物を検知する」とは、開口部を開閉するシャッターカーテンに対する障害になり得る人や物を検知することを意味し、建築基準法の防火戸に義務付けられている「危害防止」のための障害物検知を含むが、危害防止に限定されず、任意の目的や法令に基づく障害物検知を対象とすることができる。以下では、シャッター障害物検知システムを、管理併用型のシャッター装置の降下時の危害防止を目的とする危害防止システムとして構成した例について説明する。
各実施の形態に係るシャッター障害物検知システムは、シャッターカーテンの閉鎖動作の障害になる障害物が開口部に存在することを検知する障害物センサと、障害物センサによる障害物の検知状態を示す情報を含む障害物検知状態信号を無線にて送信する第1通信手段と、障害物検知状態信号を無線にて受信する第2通信手段と、第2通信手段にて受信された障害物検知状態信号に基づいてシャッターカーテンの開閉制御を行う制御手段を備え、シャッターカーテンの電動降下時における第1通信手段と第2通信手段の相互間の通信方式(以下、電動降下通信方式)と、シャッターカーテンの自重降下時における第1通信手段と第2通信手段の相互間の通信方式(以下、自重降下通信方式)とを、相互に異なる通信方式としたことを特徴の一つとしている。
ここで、「シャッターカーテンの電動降下」とは、ユーザの操作に基づいて開閉機を介してシャッターカーテンを電動で降下させることを意味し、「シャッターカーテンの自重降下」とは、火災感知器による火災感知等に基づいて自動閉鎖装置が開閉機のブレーキを解除してシャッターカーテンを自重で降下させることを意味する。
また、「相互に異なる通信方式」とは、第1通信手段と第2通信手段の相互間の通信に関する各種の基準やパラメータ(例えば、通信間隔、通信方向、通信内容、通信時間、通信開始の基準やタイミング、あるいは、通信終了の基準やタイミング)の中で、少なくとも一つが異なることを意味する。
以下では、通信間隔が異なる例として、「連続送信」と「非連続送信」を挙げて説明する。「連続送信」とは、特定の状態が継続している間、信号を連続的に送信することを意味する。「非連続送信」とは、特定の状態が継続している間、信号を連続的に送信しないことを意味し、信号を所定間隔毎に所定時間だけ送信する処理を繰り返して行う「間欠送信」、信号を所定時間のみ連続的に送信する「所定時間送信」、及び信号の送信を停止する「送信停止」を含む。
また、以下では、通信方向が異なる例として、「一方向通信」(より具体的には、第1通信手段から第2通信手段のみに送信を行い、第2通信手段から第1通信手段への送信は行わない通信方式)と、「双方向通信」(より具体的には、第1通信手段から第2通信手段への送信と、第2通信手段から第1通信手段への送信を行う通信方式)を挙げて説明する。
このような「相互に異なる通信方式」を採用する理由は、以下の通りである。すなわち、シャッターカーテンの降下の種類には、上述した「電動降下」と「自重降下」とがある。これら電動降下と自重降下を比較すると、一般的には、管理併用型のシャッター装置において、電動降下は戸締りのために日々行われるのに対して、自重降下は年に1度の定期点検時若しくは火災検知時のみに行われるため、降下頻度は、電動降下の方が自重降下よりも圧倒的に多い。このため、第1通信手段の電池消費電力量を低減するためには、電動降下時における第1通信手段の電池消費電力量を、自重降下時における第1通信手段の電池消費電力量よりも、少なくすることが好ましい。また、一般的には、火災検知時には開口部を極力迅速に閉鎖する必要があるため、降下速度は、電動降下時よりも自重降下時の方が速い。このため、シャッターカーテンの降下時に障害物が検知された場合に、シャッターカーテンの降下を迅速に停止させてユーザ等へ危害が生じることを防止するためには、電動降下時における第1通信手段と第2通信手段の通信速度よりも、自重降下時における第1通信手段と第2通信手段の通信速度を速くすることが好ましい。これらの点に鑑みて、各実施の形態では、電動降下通信方式としては、自重降下通信方式に比べて、応答速度は遅くてもよいが電池消費電力量が少ない方式を採用し、逆に、自重降下通信方式としては、電動降下通信方式に比べて、電池消費電力量は大きくてもよいが応答速度が速い方式を採用している。
応答速度は遅くてもよいが電池消費電力量が少ない具体的な方式や、電池消費電力量は大きくてもよいが応答速度が速い具体的な方式としては、それぞれ複数の方式を挙げることができ、これら複数の方式を任意に組み合わせることが可能である。図1には、通信方式の概要を例示する。図1における「通信方式名」の欄に記載の通り、少なくとも、電動降下通信方式としては、電動降下通信方式1から電動降下通信方式4があり、自重降下通信方式としては、自重降下通信方式1と自重降下通信方式2がある。そして、例えば、電動降下通信方式1と自重降下通信方式1を組み合わせたり、電動降下通信方式1と自重降下通信方式2を組み合わせる等、電動降下通信方式1から電動降下通信方式4のいずれか任意の一つと、自重降下通信方式1又は自重降下通信方式2のいずれか任意の一つとを組み合わせて、シャッター障害物検知システムを構築することができる。以下では、図1における「実施の形態等」の欄に記載の通り、実施形態1では電動降下通信方式1と自重降下通信方式1とを組み合わせた例、実施形態2では電動降下通信方式2と自重降下通信方式2とを組み合わせた例、実施形態3では電動降下通信方式3と自重降下通信方式1とを組み合わせた例について、それぞれ説明する。また、電動降下通信方式4は、実施形態1〜3に対する変形例として説明する。
このように電動降下通信方式と自重降下通信方式とを相互に異なる通信方式で通信させる場合には、シャッターカーテンの降下が開始されたか否かを判定する「開始判定」と、シャッターカーテンの降下が電動降下と自重降下のいずれであるのかを判定する「種別判定」と、第1通信手段と第2通信手段のそれぞれにおいて判定する必要がある。
ここで、第2通信手段における判定は、比較的容易に行うことが可能である。すなわち、第2通信手段は、シャッターカーテンの降下を制御する連動中継器に近接した固定的な位置に配置することが可能であり、連動中継器と有線にて接続することが容易であるため、電動降下と自重降下を識別可能な信号を連動中継器から第2通信手段に出力することで、この信号に基づいて第2通信手段における判定を行うことができる。
一方、第1通信手段における判定は、比較的困難である。すなわち、第1通信手段は、シャッターカーテンの降下に伴って連動中継器に対して異なる位置に移動することから、連動中継器と有線にて接続することが困難であるため、連動中継器からの信号に基づいて判定を行うことができない。
このため、第1通信手段における開始判定や種別判定の方式として、図1の下方に示すように、判定方式1から判定方式4を設定し、これら判定方式1から判定方式4のいずれか一つの判定方式を採用して判定を行う。
判定方式1と判定方式2は、「起動オン信号」に基づく判定である。「起動オン信号」とは、シャッターカーテンの降下動作の起動状態に関する起動状態信号であり、連動中継器から出力され第2通信手段を介して第1通信手段に無線送信され、あるいは連動中継器からの出力に基づいて第2通信手段において生成され第1通信手段に無線送信される。
「起動オン信号」に基づく判定方法としては、「起動オン信号」に降下の種類を示す情報を含める方法と、特定の種類の降下時のみに「起動オン信号」を送信する方法を挙げることができる。
前者の場合には、「起動オン信号」は、シャッターカーテンが電動降下を開始した場合には、当該シャッターカーテンが電動降下していることを示す情報を含む起動判別信号となり、シャッターカーテンが自重降下を開始した場合には、当該シャッターカーテンが自重降下していることを示す情報を含む起動判別信号となる。このような「起動オン信号」を第2通信手段から第1通信手段に無線送信し、第1通信手段においてこの「起動オン信号」を解析することで、降下の種類を判定することができ、通信方式を決定することができる。
後者の場合には、シャッターカーテンが電動降下を開始した場合には、「起動オン信号」を送信せず、シャッターカーテンが自重降下を開始した場合にのみ、「起動オン信号」を第2通信手段から第1通信手段に無線送信する。従って、第1通信手段において「起動オン信号」が受信できたか否かに基づいて、降下の種類を判定することができ、通信方式を決定することができる。
判定方式3と判定方式4は、「センサ」に基づく判定方法としては、降下開始の前後や、電動降下と自重降下で、シャッターカーテンの物理量に相違がある場合に、当該物理量をシャッターカーテンに設けたセンサで検知して第1通信手段に有線出力し、この第1通信手段において当該物理量に基づいて開始判定や種別判定を行う方式である。
以下では、図1における「実施の形態等」の欄に記載の通り、実施形態1、2では判定方式1、実施形態3では判定方式3について、それぞれ説明する。また、判定方式2、4は、実施形態1〜3に対する変形例として説明する。
〔実施の形態1〕
次に、実施の形態1の内容について説明する。この形態は、電動降下通信方式1と自重降下通信方式1とを組み合わせた形態であり、判定方式1を採用した形態である。
(構成−シャッター装置)
最初に、本実施の形態に係るシャッター障害物検知システムが適用されるシャッター装置の構成について説明する。ただし、シャッター装置は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成や処理については従来と同様であるものとする。図2は、本実施の形態に係るシャッター装置10、火災報知システム20、及びシャッター障害物検知システム30を概念的に示す正面図である。
このシャッター装置10は、建築物に設けられた開口部1を火災発生時に全閉状態とすることで、この建築物に防火区画を形成する電動式の防火シャッター装置であり、シャッター収納部11、シャッターカーテン12、開閉機13、自動閉鎖装置14、手動閉鎖装置15、及び連動中継器16を備えて構成されている。なお、以下の説明では、図2のX方向を幅方向、Y方向を高さ方向(+Y方向を上方、−Y方向を下方)、X方向及びY方向に直交する方向を前後方向、と称する。
シャッター収納部11は、シャッター装置10の各部を収容するための中空体であり、開口部1の上端近傍位置に取り付けられている。このシャッター収納部11の内部には、開閉機13、自動閉鎖装置14、連動中継器16、及び図示しない巻き取り軸と、シャッター障害物検知システム30の後述する受信機33が収容されている。また、巻き取り軸にてシャッターカーテン12が巻き取られた状態では、シャッターカーテン12も、シャッター障害物検知システム30の後述する送信機32と共に、シャッター収納部11の内部に収容される。シャッター収納部11の下面には、開口部幅方向全長に渡って図示しないスリットが形成されており、このスリットを介してシャッターカーテン12の出し入れが行われる。
シャッターカーテン12は、巻き取り軸によって巻き取り又は巻き出しされることで、開口部1を、全開状態、全閉状態、あるいはこれらの2状態の間の状態とする遮蔽手段である。このシャッターカーテン12の幅方向の両端部は、開口部1の左右内縁において上下方向に沿って設けられたガイドレール2に挿入されており、上下方向においてはガイドレール2の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール2の外部に脱落しないように規制されている。このシャッターカーテン12の下端部には、水平状の座板17が設けられており、この座板17には、シャッター障害物検知システム30の後述する座板スイッチ31が取り付けられている。
開閉機13は、巻き取り軸を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン12を昇降させる昇降手段であり、巻き取り軸の回転を制動する図示しないブレーキを備えている。自動閉鎖装置14は、シャッターカーテン12の自重降下を制御する手段であり、連動中継器16からの制御信号に基づいて、開閉機13のブレーキレバーを引くことによりブレーキを解除させることで、シャッターカーテン12を自重降下させ、あるいは、連動中継器16からの制御信号に基づいて、開閉機13のブレーキレバーを戻すことによりブレーキを作動させることで、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
シャッターカーテン12を電動で昇降させる場合、自動閉鎖装置14は作動せず、開閉機13は自身でブレーキを解除すると共に、巻き取り軸を所定の巻き取り方向又は繰り出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動で上昇又は下降させて開口部1を全開状態又は全閉状態する。
一方、自動閉鎖装置14でブレーキを解除することにより、シャッターカーテン12を自重降下させて開口部1を全閉状態とし、あるいは、ブレーキを作動させて巻き取り軸の回転を制動することにより、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
手動閉鎖装置15は、シャッターカーテン12を操作する操作手段であり、シャッターカーテン12を電動で上昇させる上昇ボタン、電動で下降させる下降ボタン、昇降中のシャッターカーテン12を停止させる停止ボタンを備え、これら上昇ボタン、下降ボタン又は停止ボタンがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたボタンに応じた操作信号を連動中継器16に出力することで、開閉機13を介してシャッターカーテン12が電動で上昇及び下降し、又はシャッターカーテン12の昇降を停止する。
さらに、手動閉鎖装置15は、非常閉鎖ボタンを有しており、非常閉鎖ボタンがユーザによって押圧された場合に、後述する火災発生時と同様、シャッターカーテン12の自重降下が開始される。
また、手動閉鎖装置15は、復旧ボタンを有しており、自重降下中に復旧ボタンがユーザによって押圧された場合に自重降下が停止される。
連動中継器16は、シャッター装置10の各部を相互に連動させる制御手段であると共に、火災報知システム20をシャッター装置10に連動させる中継手段である。この連動中継器16は、開閉機13、自動閉鎖装置14、手動閉鎖装置15、及び火災報知システム20の後述する防災盤22と、シャッター障害物検知システム30の後述する受信機33とに、電気的に接続されている。特に、連動中継器16は、自動閉鎖装置14に制御信号を出力することで、シャッターカーテン12を自重降下させ、あるいは、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。また、このように自動閉鎖装置14に制御信号を出力した際、連動中継器16は、この制御内容に応じた信号を受信機33に対して出力する。具体的には、連動中継器16は、「起動オン信号」又は「起動オフ信号」を出力する。「起動オン信号」とは、シャッターカーテン12を降下させた旨を示す信号であり、特許請求の範囲における起動状態信号及び起動判別信号に対応する。「起動オフ信号」とは、シャッターカーテン12の降下を終了させた旨を示す信号である。
また、シャッター装置10のシャッター収納部11には、図示しない下限リミットスイッチが設けられている。この下限リミットスイッチは、シャッターカーテン12の下端が、床面から所定距離(数cm)だけ上方側に設定された所定位置(以下、下限位置)に対して、上方と下方のいずれの側に位置しているかを検出するためのスイッチである。この下限リミットスイッチは、例えば、シャッターカーテン12の巻き取り軸の回転量を検出するポテンショメータやカウンター式リミットスイッチを含んで構成されており、シャッターカーテン12の下端が下限位置より下方側に位置している場合に、下限リミット信号を連動中継器16に出力する。
(構成−火災報知システム)
次に、本実施の形態に係るシャッター障害物検知システム30と連動させる火災報知システム20の構成について説明する。ただし、火災報知システム20は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成及び処理については従来と同様であるものとする。この火災報知システム20は、建築物に設定された監視領域における火災発生を感知して報知するシステムであり、火災感知器21と、防災盤22を備えて構成されている。火災感知器21は、監視領域における火災発生を感知した場合に、防災盤22に火災感知信号を出力する。防災盤22は、火災感知器21から火災感知信号を受信した場合に、警報音の出力や火災表示灯の点灯を行うと共に、シャッターカーテン12を全閉して防火区画を形成して火災の延焼拡大を防止するため火災発生の旨を報知する移報信号を連動中継器16に出力する。
(構成−シャッター障害物検知システム)
次に、本実施の形態に係るシャッター障害物検知システム30の構成について説明する。このシャッター障害物検知システム30は、上述のように、開口部1を開閉するシャッターカーテン12に対する障害物を検知するシステムである。このシャッター障害物検知システム30は、座板スイッチ31、送信機32、及び受信機33を備えて構成されている。なお、送信機32は、後述するように、信号の送信と受信の両方を行う通信手段であるが、本実施の形態では、説明の便宜上、「送信機」と称して説明する。また、受信機33は、後述するように、信号の送信と受信の両方を行う通信手段であるが、本実施の形態では、説明の便宜上、「受信機」と称して説明する。
(構成−シャッター障害物検知システム−座板スイッチ)
座板スイッチ31は、シャッターカーテン12の閉鎖作動時における先端部(本実施の形態では座板17)が、障害物に接触したことを検知する障害物センサである。この座板スイッチ31は、例えば従来と同様に構成されており、シャッターカーテン12の閉鎖作動時に座板17が障害物に接触してシャッターカーテン12に対して相対的に上方に持ち上げられた際の変位を機械的(マイクロスイッチ等)に検知し、この検知結果に応じた出力を行う。以下では、座板スイッチ31からの出力のうち、障害物未検知時の出力を「座板スイッチオフ出力」、障害物検知時の出力を「座板スイッチオン出力」と称する。ただし、座板スイッチ31に代えて、障害物を検知するための任意の検知手段を用いることができ、例えば、超音波センサ、静電容量センサや光学センサによって、シャッターカーテン12の下端部よりも下方に障害物が存在することを検知してもよい。
(構成−シャッター障害物検知システム−送信機)
送信機32は、障害物センサによる障害物の検知状態を示す情報を含む信号(以下、障害物検知状態信号)を無線(電波)にて送信する第1通信手段である。図3は、送信機32の電気的構成を示すブロック図である。この送信機32は、振動センサ32a、入力部32b、表示部32c、登録スイッチ32d、第1送信部32e、第1受信部32f、アンテナ32g、記憶部32h、電源部32i、及び制御部32jを図示のように接続して構成されている。
振動センサ32aは、シャッターカーテン12の閉鎖動作が起動されたことを、当該シャッターカーテン12の機械的動作に基づいて特定する特定手段である。この振動センサ32aは、具体的には、振動を検知する振動検知手段であって、シャッターカーテン12に固定され、シャッターカーテン12の機械的な振動を検知した場合に振動検知信号を出力する。この振動センサ32aの具体的な構成は任意であるが、例えば、圧電型加速度センサを使用することができる。ただし、シャッターカーテン12の閉鎖動作を特定する特定手段としては、振動センサ32a以外の手段を用いてもよく、例えば、シャッターカーテン12が機械的に変位したことを検知するマグネットセンサや静電容量式センサを用いたり、ガイドレール2に接するように座板17に設けられたローラの機械的な回転を検知する検知器を用いてもよい。
入力部32bは、座板スイッチ31の出力の入力を受け付ける入力手段であり、例えば、座板スイッチ31の出力端子に図示しない信号線を介して接続された入力端子として構成されている。
表示部32cは、送信機32にて信号の送信が行われていることを、送信機32の外部に報知する出力手段であり、例えば、LEDとして構成されている。
登録スイッチ32dは、送信機32が通信を行うべき受信機33を登録するための登録操作手段であり、例えば、被押圧状態に応じた出力を行う押しボタン式スイッチとして構成されている。また、この登録スイッチ32dは、シャッター障害物検知システム30の機能の正常性をテストするためのテストスイッチとして兼用される。この登録スイッチ32dからの出力のうち、押圧されていない時の出力を「テストスイッチオフ出力」、押圧されている時の出力を「テストスイッチオン出力」と称する。
第1送信部32eは、障害物検知状態信号を所定の第1周波数帯域の第1周波数にて送信する送信手段である。
第1受信部32fは、障害物検知状態信号以外の所定の信号を所定の第2周波数帯域の第2周波数にて受信する受信手段である。
ここで、第1周波数帯域と第2周波数帯域について説明する。
第1周波数帯域は、障害物検知状態信号を送信可能な周波数帯域であればよいが、特に本実施の形態においては、障害物検知状態信号の連続送信が可能な周波数帯域である。「連続送信が可能な周波数帯域」とは、通信に関する法令や標準規格によって、信号を連続送信することが許容されている(送信の休止や停波が義務付けられていない)周波数帯域である。特に、本実施の形態では、シャッター装置10と共にシャッター障害物検知システム30が複数近接して配置されている場合の信号衝突を防止するため、信号送信時にキャリアセンスを行うこととしており、キャリアセンスが義務付けられている周波数帯域を使用する。このような条件に合致する第1周波数帯域としては、例えば、特定小電力無線局用の429MHz帯域(具体的には、429.2500MHzから429.7375MHzにおける12.5KHz間隔の40チャンネルの帯域)がある。
一方、第2周波数帯域は、所定の信号を送信可能な周波数帯域であればよいが、特に本実施の形態においては、間欠送信が可能な周波数帯域を使用する。また、本実施の形態では、第2周波数帯域についてはキャリアセンスが不要な周波数帯域を使用する。このような条件に合致する第2周波数帯域としては、例えば、特定小電力無線局用の315MHz帯域(具体的には、312MHzを超え315.25MHz以下の帯域)がある。
以下では、説明の便宜上、第1周波数帯域に含まれる周波数であって第1送信部32eが信号を送信する周波数(第1周波数)を「429MHz」、第2周波数帯域に含まれる周波数であって第1受信部32fが信号を受信する周波数(第2周波数)を「315MHz」と称する。
アンテナ32gは、第1送信部32eから出力された障害物検知状態信号を送信し、あるいは、所定の信号を受信して第1受信部32fに入力する送受信素子である。このアンテナ32gは、1本のみ設けられており、このアンテナ32gを429MHzと315MHzの2つの周波数の信号の送受信に併用する。このため、アンテナ32gの全長は、例えば、429MHzの波長の所定の整数比であり、かつ、315MHzの波長の所定の整数比となるように、決定されている(後述する受信機33のアンテナ33gも同様)。
記憶部32hは、送信機32を動作させるために必要な各種のプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶手段であり、例えば、EEPROMとして構成されている。この記憶部32hには、特に、送信機32を一意に識別するための識別情報(以下、送信機ID)が工場出荷時等の任意のタイミングにおいて記憶されている。また、記憶部32hには、シャッターカーテン12の累積開閉回数が記憶されている。
電源部32iは、図示しない電池を備えて構成されており、この電池から供給される電力を送信機32の各部に供給する。すなわち、送信機32は、電池の電力にて動作する通信手段である。
制御部32jは、送信機32の各部を制御する制御手段であり、例えば、記憶部32hに記憶されたプログラムを実行するCPUによって構成されている。この制御部32jは、後述する登録処理を実行する登録処理手段、後述する定期通報処理を実行する定期通報処理手段、後述する電動降下処理及び自重降下処理を実行する降下処理手段(障害物検知処理手段)、送信機32に対して電池が接続されてからの経過時間を計測する計測手段、及びシャッターカーテン12が開放されたことが所定方法で特定された回数を計数する計測手段として機能し、各種の時間を計時する計時手段としての内部タイマを備える。また、制御部32jは、後述する受信機33の第2送信部33fから送信される起動オン信号が第1受信部32fによって受信された場合に、シャッターカーテン12の閉鎖動作が起動されたものと特定する特定手段である。
(構成−シャッター障害物検知システム−受信機)
次に、図2の受信機33の構成について説明する。受信機33は、障害物検知状態信号を無線(電波)にて受信する第2通信手段である。図4は、受信機33の電気的構成を示すブロック図である。この受信機33は、入力部33a、出力部33b、表示部33c、登録スイッチ33d、第2受信部33e、第2送信部33f、アンテナ33g、記憶部33h、電源部33i、及び制御部33jを図示のように接続して構成されている。
入力部33aは、連動中継器16からの出力の入力を受け付ける入力手段であり、例えば、連動中継器16の出力端子に図示しない信号線を介して接続された入力端子として構成されている。
出力部33bは、連動中継器16に対して障害物検知状態信号を出力する出力手段であり、例えば、連動中継器16の入力端子に図示しない信号線を介して接続された出力端子として構成されている。特に、出力部33bは、出力すべき信号の種類の切り替えを、当該出力部33bの内部の抵抗値を切り替えることで行う。本実施の形態では、出力すべき信号の種類として、座板スイッチ31による障害物未検知時の信号を「座板スイッチオフ信号」、座板スイッチ31による障害物検知時の信号を「座板スイッチオン信号」、送信機32と受信機33の相互間に通信障害が発生している時の信号を「通信障害信号」、送信機32の電池が消耗した時の信号を「電池消耗信号」、シャッターカーテン12の開閉の累積回数が所定回数以上になった時の信号を「開閉回数オーバー信号」と称する。そして、これら信号の各々に対して異なる抵抗値(又は抵抗範囲)が予め設定されており、当該出力部33bの内部の抵抗値を、出力すべき信号の種類に対応した抵抗値にすることで、受信機33から連動中継器16に流れる電流値を変化させて、連動中継器16に当該信号を出力する。
表示部33cは、当該受信機33にて信号の受信が行われていることを受信機33の外部に報知する出力手段であり、例えば、LEDとして構成されている。
登録スイッチ33dは、相互に通信を行うべき送信機32と受信機33の組み合わせを、これら送信機32と受信機33に登録するための登録操作手段であり、例えば、押しボタン式スイッチとして構成されている。
第2受信部33eは、障害物検知状態信号を第1周波数帯域にて受信する受信手段である。
第2送信部33fは、所定の信号を第2周波数帯域にて送信する送信手段である。
アンテナ33gは、第2送信部33fから出力された所定の信号を送信し、あるいは、障害物検知状態信号を受信して第2受信部33eに入力する送受信素子である。
記憶部33hは、受信機33を動作させるために必要な各種のプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶手段であり、例えば、EEPROMとして構成されている。この記憶部33hには、特に、受信機33を一意に識別するための識別情報(以下、受信機ID)が工場出荷時等の任意のタイミングにおいて記憶されている。
電源部33iは、図示しない電源線を介して連動中継器16に接続されており、この連動中継器16から供給される電力を受信機33の各部に供給する。
制御部33jは、受信機33の各部を制御する制御手段であり、例えば、記憶部33hに記憶されたプログラムを実行するCPUによって構成されている。この制御部33jは、後述する登録処理を実行する登録処理手段、後述する定期通報処理を実行する定期通報処理手段、後述する電動降下処理及び自重降下処理を実行する降下処理手段(障害物検知処理手段)として機能するものであり、各種の時間を計時する計時手段としての図示しない内部タイマを備える。
(処理)
次に、上記のように構成されたシャッター障害物検知システム30において実行される処理について説明する。この処理は、登録処理、定期通報処理、電動降下処理、自重降下処理、及びテスト処理に大別される。以下、これら各処理に共通の処理について説明した後、各処理について順次説明する。なお、以下では、「ステップ」を「S」と略記する。
最初に、各処理に共通の処理である「キャリアセンス」について説明する。
送信機32は、429MHzにより第1送信部32eを介して信号を送信する際、キャリアセンスを行うことにより、送信に使用できる空きチャンネルを特定して、電波の衝突を防止する。
具体的には、429MHzの40チャンネルを候補チャンネルとし、この候補チャンネルの中から、1つのチャンネルを選択する。そして、第1送信部32eを一旦受信手段として設定し、当該選択したチャンネルの受信信号強度を測定し、当該測定した信号強度が所定閾値以上であるか否かを判定することで、当該選択したチャンネルが空きチャンネルであるか否かを判定する。そして、空きチャンネルでない場合には、候補チャンネルから他の1つのチャンネルを選択し、同様に空きチャンネルの判定を行う。以降同様に、候補チャンネルの各チャンネルに対して判定を順次行い、最初に空きチャンネルであると判定されたチャンネルを、送信に使用できる空きチャンネルとして特定して、キャリアセンスを終了する。
なお、候補チャンネルは、40チャンネルの中から限定してもよく、例えば、送信機32と受信機33の組み合わせ毎(例えば、記憶部32hに予め記憶された自己の送信機IDと、登録処理で記憶部32hに記憶された通信相手の受信機IDとの組み合わせ毎)に予め設定されたチャンネルを候補チャンネルに設定したり、所定数(例えば、3〜6つ程度)のチャンネルを候補チャンネルに設定してもよい。
このキャリアセンスの直後には、特定した空きチャンネルを介して送信機32から受信機33に接続要求信号を送信し、この接続要求信号を受信した受信機33から送信機32に接続応答信号を送信することで、これら送信機32と受信機33の通信が確立される。
次に、各処理に共通の処理である「チャンネルスキャン」について説明する。
受信機33は、429MHzにより第2受信部33eを介して信号を受信するため、チャンネルスキャンを行うことにより、送信機32が429MHzでの信号の送信に使用したチャンネルを特定し、当該チャンネルにおいて送信機32から送信された信号を受信することを試みる。
具体的には、送信機32のキャリアセンスと同様に設定された候補チャンネルの中から、1つのチャンネルを選択する。そして、当該選択したチャンネルによって所定時間以内に第2受信部33eを介して信号を受信できるか否かを監視し、信号を受信できた場合には、当該信号に含まれている送信機IDが、後述する登録処理で自己の記憶部33hに記憶された送信機IDに合致するか否かを判定する。そして、所定時間以内に信号を受信できなかった場合や、受信できた場合であっても送信機IDが合致しない場合には、候補チャンネルから他の1つのチャンネルを選択し、同様に信号受信の有無と送信機IDの合致の判定を行う。以降同様に、候補チャンネルの各チャンネルに対して順次判定を行い、合致する送信機IDが含まれると判定されたチャンネルを、送信機32が信号送信に使用したチャンネルとして特定し、チャンネルスキャンを終了する。なお、登録処理を行う前のチャンネルスキャンでは、送信機IDの合致判定は省略する。
以下の説明では、特記する場合を除き、受信機33は、このチャンネルスキャンを常時繰り返しているものとする。
次に、各処理に共通の処理である「間欠受信」について説明する。
送信機32は、所定の間欠受信タイミング(例えば、数秒毎)が到来したか否かを監視し、到来した場合には、所定時間(例えば、数ms)だけ第1受信部32fに電力を供給することで、当該所定時間だけ第1受信部32fを介して315MHzで受信を行う。このように間欠受信を行うのは、信号受信に要する電池電力の消費量を低減するためである。
また、詳細は後述するが、数秒毎の間欠受信中に所定の条件が成立したら、間欠受信の間隔を短くして受信処理を行う。つまり、送信機32に設けた振動センサ32aからの出力がオンした場合は、シャッターカーテン12が降下中であり、受信機33から送信器32へ信号を送信している可能性が高く、送信器32は間欠受信の間隔を通常よりも短くする。
なお、通常時には受信を完全に停止し、振動センサ32aからの出力がオンになった時点で間欠受信を開始するようにしてもよいが、シャッターカーテン12が円滑に降下した場合にその振動を振動センサ32aで検知できない可能性や、振動センサ32aの機能に障害が発生する可能性もあるため、振動センサ32aからの出力に関わらず間欠受信を行うことで、障害物検知の信頼性を一層向上させている。
以下の説明では、特記する場合を除き、送信機32は、この間欠受信を常時繰り返しているものとする。
(処理−登録処理)
次に、登録処理について説明する。図5は、登録処理のフローチャートである。この登録処理は、受信機33に対して、通信相手となる送信機32の送信機IDを登録する処理であり、これら送信機32と受信機33の電源が投入されることによって起動される。
まず、受信機33の制御部33jは、受信機33の登録スイッチ33dがユーザによって所定方法で操作されたか否か(例えば、所定時間連続して押圧されたか否か)を監視しており(SA1)、操作された場合には(SA1、Yes)、送信機32から送信される送信機IDの受信待ち状態となる(SA2)。
一方、送信機32の制御部32jは、送信機32の登録スイッチ32dがユーザによって所定方法で操作されたか否か(例えば、所定時間連続して押圧されたか否か)を監視しており(SA3)、操作された場合には(SA3、Yes)、第1送信部32eを介して429MHzにおけるキャリアセンスを行うことにより、送信に使用できる空きチャンネルを特定する(SA4、SA5)。そして、制御部32jは、空きチャンネルを特定できた場合(SA5、Yes)、この空きチャンネルによって、記憶部32hに予め記憶されている送信機IDを含む信号を、第1送信部32eを介して429MHzで送信する(SA6)。
一方、受信機33の制御部33jは、SA2における送信機IDの受信待ち状態において、チャンネルスキャンを行うことにより、送信機32が429MHzでの信号の送信に使用したチャンネルを特定し、当該チャンネルにおいて送信機32から送信された信号を受信することを試みる(SA2)。そして、制御部33jは、送信機IDを含む信号が受信できた場合(SA2、Yes)、当該信号に含まれる送信機IDを、通信相手となる送信機32の送信機IDとして記憶部33hに記憶する(SA7)。これにて登録処理が終了する。
なお、ここでは、送信機32と受信機33は1対1で通信を行うものとし、既に受信機33の記憶部33hに通信相手の送信機IDが記憶されている状態で登録処理が行われた場合には、新しく受信された送信機IDによって、記憶部33hの送信機IDが上書きされるものとする。ただし、1対多で通信を行う場合には、記憶部33hに複数の送信機IDを登録するようにしてもよい。また、登録処理は、登録スイッチ32dがユーザによって押圧された後の所定時間(例えば1分間)のみ有効であり、この時間内に通信相手の送信機IDが受信できなかった場合には、登録処理を終了するようにしてもよい。また、上記送信機IDの登録と同様の処理によって、受信機IDを送信機32に登録してもよい。すなわち、受信機IDを受信機33から送信機32に送信し、送信機32の記憶部32hに受信機IDを記憶させてもよい。この場合、その後に、送信機32が受信機33から315MHzで送信された信号を間欠受信した場合には、送信機32は、当該信号に含まれる受信機IDが自己の記憶部33hに記憶された受信機IDに合致するか否かを判定し、合致する場合にのみ、当該信号を有効な信号として受け付けるようにしてもよい。
(処理−定期通報処理)
次に、定期通報処理について説明する。図6は、定期通報処理のフローチャートである。この処理は、送信機32の機能の正常性や座板スイッチ31の出力状態に関する情報を、受信機33に定期的に送信する処理であり、登録処理後に自動的に繰り返し起動される。
まず、受信機33の制御部33jは、所定の定期通報タイミング(例えば、数日毎)が到来したか否かを監視し(SB1)、到来した場合には(SB1、Yes)、定期通報要求信号を生成して第2送信部33fを介して315MHzで送信する(SB2)。この定期通報要求信号は、定期通報を要求する旨のデータを含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。
一方、送信機32の制御部32jは、受信機33からの定期通報要求信号を間欠受信により受信した場合(SB3、Yes)、キャリアセンスを行って空きチャンネルを特定し(SB4、SB5)、定期通報信号を生成して第1送信部32eを介して空きチャンネルにより429MHzで送信する(SB6)。この定期通報信号(障害物検知状態信号)は、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力と座板スイッチオン出力のいずれであるのかを示すデータ、テストスイッチからの出力テストスイッチオフ出力とテストスイッチオン出力のいずれであるのかを示すデータ、電池消耗の有無を示すデータ、記憶部32hに記憶されたシャッターカーテン12の累積開閉回数オーバーの有無を示すデータ、及び記憶部32hに設定された送信機IDを含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。
この際の電池消耗の有無の判定は、例えば、以下のように行われる。すなわち、制御部32jは、公知の方法で取得した電池の電圧を所定閾値と比較し、電圧が所定閾値以上であれば電池消耗がないと判定し、電圧が所定閾値未満であれば電池消耗があると判定する。あるいは、制御部32jは、送信機32に対して電池が接続されてからの経過時間(より具体的には、電池の電力が送信機32の各部に供給されてからの経過時間)を継続的に計測し、この経過時間を所定時間(例えば、数年間)と比較し、経過時間が所定時間未満であれば電池消耗がないと判定し、経過時間が所定時間以上であれば電池消耗があると判定する。また、電池消耗があると判定された場合、制御部32jは、表示部32cを点灯又は点滅させることで、電池消耗の旨を外部に報知する。
また、この際の累積開閉回数オーバーの有無の判定は、例えば、以下のように行われる。すなわち、後述する障害物検知処理において、送信機32が起動オン信号を受信する毎に、あるいは、振動センサ32aが振動検知信号を出力する毎に、制御部32jが、シャッターカーテン12の累積開閉回数を一つ増分させて記憶部32hに記憶させる。そして、本処理において、制御部32jが、このように記憶部32hに記憶させた累積開閉回数を所定回数と比較し、累積開閉回数が所定回数未満であれば累積開閉回数オーバーではないと判定し、累積開閉回数が所定回数以上であれば累積開閉回数オーバーであると判定する。また、累積開閉回数オーバーであると判定された場合、制御部32jは、表示部32cを点灯又は点滅させることで、電池消耗の旨を外部に報知する。ただし、このように累積開閉回数オーバーの判定を行う目的は、電池消耗の有無の予測のためであるため、上述した電池消耗の有無の判定と累積開閉回数オーバーの判定のいずれか一方を省略してもよい。
次いで、受信機33の制御部33jは、SB2の後、所定時間以内に、送信機32のキャリアセンスに伴う通信確立を行うことができたか否かを監視し(SB7)、通信確立を行うことができなかった場合には(SB7、No)、通信障害信号を連動中継器16に出力して(SB8)、定期通報処理を終了する。通信障害信号を受けた連動中継器16は、通信障害を示す所定の表示灯を点灯又は点滅させたり、所定の外部機器に対して通信障害信号を出力すること等により、通信障害の発生を外部に報知する。一方、所定時間以内に通信確立を行うことができた場合(SB7、Yes)、制御部33jは、確立した通信によって、第2受信部33eを介して429MHzで定期通報信号を受信し(SB9、Yes)、当該定期通報信号の内容に応じた処理を行う(SB10)。例えば、制御部33jは、出力部33bの内部の抵抗値を切り替えることで、座板スイッチオフ信号又は座板スイッチオン信号、電池消耗信号、開閉回数オーバー信号を、連動中継器16に対して出力する。
この際、制御部33jは、座板スイッチオフ信号と座板スイッチオン信号に変化があった場合(座板スイッチオフ信号が座板スイッチオン信号に切り替わった場合、あるいは、座板スイッチオン信号が座板スイッチオフ信号に切り替わった場合)には、他の信号に優先して、座板スイッチオフ信号又は座板スイッチオン信号を出力する。一方、所定時間(例えば、数100秒)の間に座板スイッチオフ信号と座板スイッチオン信号に変化がなかった場合には、座板スイッチオフ信号又は座板スイッチオン信号以外の信号を出力する。ここで、出力すべき信号が複数存在する場合には、所定の優先順位に基づいて、最も優先順位の高い信号(例えば、電池消耗信号)のみを出力したり、優先順位の高い順に各信号を所定間隔で順次切り替えて出力する。この出力を受けた連動中継器16は、必要に応じて、異常を示す所定の表示灯を点灯又は点滅させたり、所定の外部機器に対して異常信号を出力すること等により、これらの状態の発生を外部に報知する。
(処理−電動降下処理)
次に、電動降下処理(障害物検知処理、危害防止処理)について説明する。図7、8は、電動降下通信方式1による電動降下処理のフローチャートである。この処理は、定期通報処理が行われている間に、ユーザの手動操作によってシャッターカーテン12を電動降下させるための処理であり、定期通報処理に対する割り込み処理として起動される。
ユーザが手動閉鎖装置15を介して操作を行った場合、手動閉鎖装置15から連動中継器16に操作信号が出力され、連動中継器16が開閉機13に起動信号を出力し、開閉機13が、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動下降させる。この際、連動中継器16は、シャッターカーテン12を電動下降させた旨を含む起動オン信号を受信機33に継続的に出力する。
図7に示すように、この起動オン信号が受信機33の入力部33aを介して受け付けられた場合(SC1、Yes)、受信機33の制御部33jは、シャッターカーテンの電動下降動作が起動されたものと特定し、この起動オン信号を第2送信部33fを介して315MHzで送信する(SC2)。
一方、シャッターカーテン12が降下を開始すると、この降下に伴って発生するシャッターカーテン12の振動を検知した振動センサ32aが、振動検知信号を出力する。この振動検知信号が出力された場合(SC3、Yes)、送信機32の制御部32jは、当該出力された時から所定時間(例えば、1s)が経過しても振動検知信号が出力されているか否かを監視し(SC4)、出力されていない場合には(SC4、No)、地震や風等に起因するシャッターカーテン12の一時的な振動が検知されたものとして、SC3に戻る。一方、出力されている場合には(SC4、Yes)、降下に起因するシャッターカーテン12の継続的な振動が検知されたものとして、通常時に所定間隔で行う間欠受信の時期が到来したか否かに関わらず、315MHzにおける割り込み受信を第1受信部32fを介して行う(SC5)。振動センサ32aの振動検知が連動中継器16からの起動信号出力に基づくシャッターカーテン12の降下制御であれば、受信機33から起動オン信号が送信されているはずなので、受信機33から送信された起動オン信号を迅速に受信することを試みる(SC6)。
そして、起動オン信号が所定時間以内に受信できなかった場合(SC6、No)、制御部32jは、振動センサ32aにて検知された振動はシャッターカーテン12の降下に起因するものではないとし、SC3に戻る。一方、起動オン信号が所定時間以内に受信できた場合(SC6、Yes)、制御部32jは、シャッターカーテン12の閉鎖動作が起動されたものと特定し、シャッターカーテン12の累積開閉回数を一つ増分させて記憶部32hに記憶させる。また、制御部32jは、この起動オン信号に基づいて、シャッターカーテンが電動降下と自重降下のいずれによって降下されているのかを判別し、当該判別結果に基づいて受信機33との間の通信方式を決定する。ここでは、シャッターカーテンが電動降下によって降下されているものと判別し、受信機33との間の通信方式を電動降下通信方式1に決定する。
この電動降下通信方式1において、制御部32jは、図8に示すように、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になったか否かを監視する(SC7)。ただし、この時点では、後述する自重降下通信方式1とは異なり、送信機情報信号の連続送信は行わない。このため、送信機情報信号の連続送信を行う場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を低減することが可能になる。その後、図7のSC6で起動オン信号を受信してから、所定時間が経過しても座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力にならなかった場合には(SC8、Yes)、制御部32jは、間欠受信に復帰した上で、電動降下処理を終了する。
一方、所定時間が経過する前に、シャッターカーテン12が障害物に当たったり、もしくはシャッターカーテン12が全閉になったりすることで、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になった場合(SC7、Yes)、制御部32jは、キャリアセンス(SC9)及び空きチャンネルの特定(SC10)を行った後、送信機情報信号(障害物検知状態信号)を生成し、この送信機情報信号を、429MHzにおける空きチャンネルにて第1送信部32eを介して所定時間連続送信して(SC11)、電動降下停止処理を起動する(SC12)。この送信機情報信号は、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力と座板スイッチオン出力のいずれであるのかを示すデータ(ここでは、座板スイッチオン出力であることを示すデータ)、テストスイッチからの出力テストスイッチオフ出力とテストスイッチオン出力のいずれであるのかを示すデータ、電池消耗の有無を示すデータ、記憶部32hに記憶されたシャッターカーテン12の累積開閉回数オーバーの有無を示すデータ、及び記憶部32hに設定された送信機IDを含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。なお、送信機情報信号には、電動降下処理に最低限必要な情報として、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力と座板スイッチオン出力のいずれであるのかを示すデータと送信機IDのみを含めるようにしてもよい。このSC11における送信は、後述する自重降下通信方式1とは異なり、非連続送信にて行うものとし、具体的には、所定時間(例えば1sec)だけ信号を送信する所定時間送信を行う。このように所定時間送信を行う場合には、連続送信を行う場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を低減することが可能になる。
一方、受信機33の制御部33jは、図7のSC2において起動オン信号を送信した後、送信機32から座板スイッチオン信号を受信したか否かを監視する(SC13)。そして、SC2において起動オン信号を送信してから、所定時間が経過しても座板スイッチオン信号を受信しなかった場合には(SC14、Yes)、電動降下処理を終了する。あるいは、所定時間が経過する前に、座板スイッチオン信号を受信した場合には(SC13、Yes)、電動降下停止処理を起動する(SC12)。
(処理−電動降下処理−電動降下停止処理)
次に、SC10の電動降下停止処理の詳細について説明する。図9は、電動降下停止処理のフローチャートである。この処理は、シャッターカーテン12の電動降下を停止させるための処理である。
まず、送信機32から座板スイッチオン信号を受信した受信機33の制御部33jは、出力部33bの内部の抵抗値を切り替えることで、連動中継器16に座板スイッチオン信号を出力する(SD1)。ここでは、座板スイッチオン信号を他の信号に優先して出力する。この座板スイッチオン信号を受けた連動中継器16は、下限リミットスイッチの検出状態に基づいて、シャッターカーテン12の電動降下を制御する。具体的には、シャッターカーテン12の下端が下限位置より上方側に位置していることが下限リミットスイッチにより検出されている場合には、シャッターカーテン12の下端が障害物に接触した可能性があるため、シャッターカーテン12の電動降下を一旦停止し、その後、受信機33からの座板スイッチオン信号を受けた連動中継器16が開閉機13に起動信号を出力し、開閉機13が、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を所定量だけ巻き取り方向に駆動して停止する動作(タッチアップ動作)を行うことにより、シャッターカーテン12を所定量だけ上昇させて、障害物への危害を一層確実に防止する。このように電動降下を停止させた場合には、その後に座板スイッチオフ信号が出力された場合であってもシャッターカーテン12の降下を自動的に再開するようなことは行わないので、連動中継器16は、受信機33に起動オフ信号を出力する。一方、シャッターカーテン12の下端が下限位置より下方側に位置していることが下限リミットスイッチにより検出されている場合には、連動中継器16は、開閉機13に制御信号を出力し、開閉機13のブレーキを作動させてシャッターカーテン12の電動降下を停止させる動作(完全停止動作)を行う。このように完全停止動作を行った場合にも、連動中継器16は、受信機33に起動オフ信号を出力する。
また、受信機33の制御部33jは、連動中継器16からの起動オフ信号の出力を監視すると共に(SD3)、図8のSC13において送信機32から座板スイッチオン信号を受信した後の経過時間を内部タイマにより監視する(SD4)。そして、経過時間が所定時間以上継続する前に(SD4、No)、連動中継器16からの起動オフ信号を受けた場合には(SD3、Yes)、起動オフ信号を315MHzで第2送信部33fを介して送信した後(SD5)、電動降下停止処理を終了して、図7、8の電動降下処理を終了する。一方、連動中継器16からの起動オフ信号を受ける前に(SD3、No)、経過時間が所定時間以上継続した場合には(SD4、Yes)、起動オフ信号を送信することなく、電動降下停止処理を終了して、図7、8の電動降下処理を終了する。
一方、送信機32の制御部32jは、座板スイッチ31からの出力を継続して監視すると共に(SD6)、受信機33からの起動オフ信号の受信の有無を監視する(SD7)。そして、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力になる前に(SD6、No)、受信機33からの起動オフ信号を受信した場合には(SD7、Yes)、完全停止動作が行われたものと考えられるので、間欠受信に復帰した上で、電動降下停止処理を終了して、図7、8の電動降下処理を終了する。
あるいは、受信機33からの起動オフ信号を受信する前に(SD7、No)、シャッターカーテン12に挟まった人が避難したり、シャッターカーテン12に当たっていた障害物が取り除かれたり等することで、座板スイッチ31によって障害物が検知されなくなり、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力になった場合(SC6、Yes)、制御部32jは、キャリアセンス(SD8)及び空きチャンネルの特定(SD9)を行った後、座板スイッチオフ出力であることを示すデータを含む送信機情報信号を生成し、この送信機情報信号を第1送信部32eを介して429MHzで送信する(SD10)。このSD10における送信は、図8のSC11と同様に所定時間送信として行うため、連続送信を行う場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を低減することが可能になる。
一方、受信機33は、SD3における連動中継器16からの起動オフ信号の入力の監視と、SD4における所定時間の監視との間に、送信機32から送信された座板スイッチオフの送信機情報信号を受信した場合には(SD2、Yes)、起動オフ信号を315MHzで第2送信部33fを介して送信した後(SD5)、電動降下停止処理を終了して、図7、8の電動降下処理を終了する。なお、この起動オフ信号の送信は、所定ステップの図示は省略するが、受信機33から連動中継器16に座板スイッチオフ信号を出力し、連動中継器16が受信機33に起動オフ信号を出力することで行われる。
また、送信機32の制御部32jは、受信機33からの起動オフ信号の受信の有無を監視し(SD11)受信機33からの起動オフ信号を受信した場合には(SD11、Yes)、間欠受信に復帰した上で、電動降下停止処理を終了して、図7、8の電動降下処理を終了する。
(処理−自重降下処理)
次に、自重降下処理(障害物検知処理、危害防止処理)について説明する。図10、11は、自重降下通信方式1による自重降下処理のフローチャートである。この処理は、火災報知システム20の火災感知器21により火災が感知された場合にシャッターカーテン12を自重降下させるための処理であり、定期通報処理に対する割り込み処理として起動される。
火災報知システム20の火災感知器21により火災が感知された場合、この火災感知器21が防災盤22に火災感知信号を出力し、防災盤22が連動中継器16に移報信号を出力し、連動中継器16が自動閉鎖装置14に起動信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを解除して、シャッターカーテン12の自重降下を開始させる。あるいは、手動閉鎖装置15の非常閉鎖ボタンがユーザによって押圧された場合にも、同様に、連動中継器16が自動閉鎖装置14に起動信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを解除して、シャッターカーテン12の自重降下を開始させる。また、このように自重降下を開始させた場合、連動中継器16は、シャッターカーテン12を自重下降させた旨を含む起動オン信号を受信機33に継続的に出力する。
図11に示すように、この起動オン信号が受信機33の入力部33aを介して受け付けられた場合(SF1、Yes)、受信機33の制御部33jは、シャッターカーテンの自重下降動作が起動されたものと特定し、この起動オン信号を第2送信部33fを介して315MHzで送信する(SF2)。
一方、シャッターカーテン12が降下を開始すると、送信機32の制御部32jは、図7のSC3〜SC6と同様に、通常時に所定間隔で行う間欠受信の時期が到来したか否かに関わらず、315MHzにおける割り込み受信を第1受信部32fを介して行う(SF3〜SF6)。そして、起動オン信号が所定時間以内に受信できた場合(SF6、Yes)、制御部32jは、シャッターカーテン12の閉鎖動作が起動されたものと特定し、シャッターカーテン12の累積開閉回数を一つ増分させて記憶部32hに記憶させる。また、制御部32jは、この起動オン信号に基づいて、シャッターカーテンが電動降下と自重降下のいずれによって降下されているのかを判別し、当該判別結果に基づいて受信機33との間の通信方式を決定する。ここでは、シャッターカーテンが自重降下によって降下されているものと判別し、受信機33との間の通信方式を自重降下通信方式1に決定する。
この自重降下通信方式1において、制御部32jは、送信機情報信号の連続送信を行うため、429MHzにおいてキャリアセンスを行うことで、送信に使用する空きチャンネルを特定する(SF7、SF8)。次いで、制御部32jは、送信機情報信号を生成し、この送信機情報信号を、429MHzにおける空きチャンネルにて第1送信部32eを介して所定時間連続送信する(SF9)。この送信機情報信号は、図8のSC11と同様に構成される。ただし、ここでは、SC11と異なり、送信開始当初は座板スイッチ31からの出力はオンとなっていないので、座板スイッチオフを示すデータを含む送信機情報信号を送信し、以降は、座板スイッチ31からの出力に変化があった場合に、当該変化後の状態を示すデータを含む送信機情報信号を送信する。このように、SC11と異なり、送信機情報信号を連続送信するので、座板スイッチ31からの出力に変化があった場合には、当該変化を迅速に受信機33に伝達することが可能になる。その後、制御部32jは、この連続送信を行う所定時間の経過を管理するため、SF9と同時又はその直後に、制御部32jの内部タイマによる送信時間の計時を開始することで、図11に示すように、計時された時間が所定時間以上になったか否かを監視し(SF14)、所定時間以上になった場合には(SF14、Yes)、送信機情報信号の連続送信を停止し(SF15)、受信機33と確立していた通信を遮断して、間欠受信に復帰して、自重降下処理を終了する。このSF13の所定時間とは、全開状態のシャッターカーテン12が自重降下してから全閉するまでの時間よりも長い任意の時間が設定してあり、全閉時に座板スイッチ31が何らかの理由により座板スイッチオン出力できなかった場合に、送信機32から継続して送信することによる電池電源を無駄に消耗することを防止する処理である。
このように管理される連続送信の所定時間の間、制御部32jは、座板スイッチ31からのその時点毎の出力に対応するデータを含んだ送信機情報信号を逐次生成して送信する。そして、この連続送信の所定時間の間に、シャッターカーテン12が障害物に当たった場合、もしくはシャッターカーテン12が全閉になった場合に、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になった場合には(SF13、Yes)、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるため、自重降下停止処理を起動する(SF16)。この自重降下停止処理の詳細については後述する。また、制御部32jは、このように座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になった場合には、表示部32cを点灯又は点滅させることで、座板スイッチ31の出力がオンである旨を外部に報知する。
一方、受信機33の制御部33jは、図11に示すように、SF2における起動オン信号の送信と同時又はその直後に、通信確立時間を計測するために制御部32jの内部タイマによる計時をスタートし、計測された時間が所定時間以上になる前に送信機32との通信が確立できるか否かを監視する(SF10)。そして、所定時間以上になっても通信が確立できなかった場合には(SF10、No)、通信障害を出力する(SF11)。通信障害の処理としては、受信機33や連動中継器16や防災盤22など所定の外部機器に対して通信障害信号を出力すること等により、通信障害の発生を外部に報知する。一方、所定時間以上になる前に、送信機32のSF7におけるキャリアセンスに伴って通信が確立できた場合には、429MHzにおける送信機32からの送信機情報信号を第2受信部33eを介して継続して受信する(SF12)。
また、制御部33jは、SF12における送信機情報信号の受信と同時又はその直後に、受信時間を計測するために制御部32jの内部タイマによる計時をスタートすることにより、図11に示すように、計測された時間が所定時間以上になったか否かを監視し(SF18)、所定時間以上になった場合には(SF18、Yes)、送信機情報信号の受信を停止し(SF19)、送信機32と確立していた通信を遮断して、自重降下処理を終了する。
このように管理される受信の所定時間の間、制御部33jは、送信機情報信号に含まれる座板スイッチ31のその時点毎の出力に対応するデータを監視し、この受信の所定時間の間に、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力であることを示すデータを受信した場合には(SF17、Yes)、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるため、自重降下停止処理を起動する(SF16)。この自重降下停止処理の詳細については後述する。
また、図10のSF9から図11のSF15までの連続送信を行っている間において、何らかの理由により、この連続送信を停止する必要が生じた場合、連動中継器16からの出力を受けた受信機33の制御部33jは、連続送信の停止を指示するための連続送信停止指示信号を第2送信部33fを介して315MHzで送信し、SF19に移行して受信を停止する。一方、送信機32の制御部32jは、連続送信停止指示信号を第1受信部32fを介して315MHzで受信した場合、SF14の所定時間が経過する前であっても、SF15に移行して連続送信を停止する。すなわち、本実施の形態においては、SF14の所定時間が経過したこと、又は、連続送信停止指示信号が受信されたことを、第1送信部32eによる送信機情報信号の連続送信を停止する停止条件としており、これらいずれか一方の条件が満たされる迄は、座板スイッチ31の出力状態の変化に関わらず送信機情報信号の連続送信を継続し、座板スイッチ31の出力状態に応じて送信機情報信号の内容のみを書き換える。
(処理−自重降下処理−自重降下停止処理)
次に、SF16の自重降下停止処理の詳細について説明する。図12は、自重降下停止処理のフローチャートである。この処理は、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるための処理である。
まず、障害物を検知したり、シャッターカーテンが全閉したことで、送信機32から座板スイッチオン出力であることを示すデータを受信した受信機33の制御部33jは、出力部33bの内部の抵抗値を切り替えることで、連動中継器16に座板スイッチオン信号を出力する(SG1)。ここでは、上述のように、座板スイッチオン信号を他の信号に優先して出力する。この座板スイッチオン信号を受けた連動中継器16は、下限リミットスイッチの検出状態と、公知の方法で特定したシャッター装置10における停電の有無とに基づいて、シャッターカーテン12の自重降下を制御する。具体的には、シャッターカーテン12の下端が下限位置より上方側に位置していることが下限リミットスイッチにより検出されている場合であって、シャッター装置10が停電していない場合には、自動閉鎖装置14に制御信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを作動させてシャッターカーテン12の自重降下を一旦停止させ、開閉機13を駆動して所定時間だけ上昇させたのち停止する動作(タッチアップ動作)を行う。この場合、連動中継器16は、起動オン信号を受信機33に継続的に出力する。ただし、この状態において手動閉鎖装置15の復旧ボタンが押された場合、連動中継器16は、起動オフ信号を受信機33に出力する。あるいは、シャッターカーテン12の下端が下限位置より上方側に位置していることが下限リミットスイッチにより検出されている場合であって、シャッター装置10が停電している場合には、自動閉鎖装置14に制御信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを作動させてシャッターカーテン12の自重降下を一旦停止させる動作(タッチストップ動作)を行う。この場合にも、連動中継器16は、起動オン信号を受信機33に継続的に出力する。一方、シャッターカーテン12の下端が下限位置より下方側に位置していることが下限リミットスイッチにより検出されている場合には、シャッター装置10が停電しているか否かに関わらず、シャッターカーテン12の下端が下限位置を通過した後の所定時間経過後に、自動閉鎖装置14に制御信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを作動させてシャッターカーテン12の自重降下を停止させる動作(完全停止動作)を行う。この際の所定時間は、座板スイッチ31が床面に接して座板スイッチオンとなる位置よりも、さらに下方でシャッターカーテン12を停止させるように設定される。このような所定時間経過後の停止を行うのは、床面が斜めになっている場合であっても、座板と床面の間に隙間が出来ないようにするためである。このように完全停止動作を行った場合には、連動中継器16は、受信機33に起動オフ信号を出力する。
受信機33の制御部33jは、連動中継器16からの起動オフ信号の出力を監視する(SG2)。そして、連動中継器16からの起動オフ信号を受けた場合には(SG2、Yes)、起動オフ信号を315MHzで第2送信部33fを介して送信した後(SG3)、送信機情報信号の受信を停止し(SG4)、送信機32と確立していた通信を遮断して自重降下停止処理を終了して、図10、11の自重降下処理を終了する。
一方、送信機32の制御部32jは、図11のSF13において座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になった後の経過時間を内部タイマにより監視すると共に(SG5)、受信機33からの起動オフ信号の受信の有無を監視する(SG7)。そして、経過時間が所定時間以上継続する前に(SG5、No)、受信機33からの起動オフ信号を受信した場合には(SG7、Yes)、完全停止動作が行われたものと考えられるので、直ちに送信機情報信号の連続送信を停止して電池消耗を抑え(SG8)、受信機33と確立していた通信を遮断して、自重降下停止処理を終了して、図10、11の自重降下処理を終了する。
また、制御部32jは、このようにSG5における経過時間の監視とSG7における起動オフ信号の受信の監視を行っている間に、座板スイッチ31からの出力を継続して監視する(SG6)。そして、シャッターカーテン12に挟まった人が避難したり、シャッターカーテン12に当たっていた障害物が取り除かれたり等することで、座板スイッチ31によって障害物が検知されなくなり、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力になった場合には(SG6、Yes)、シャッターカーテン12の自重降下を再開させるために自重降下再開処理を起動する(SG9)。
また、受信機33からの起動オフ信号を受信する前や(SG7、No)、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力になる前に(SG6、No)、経過時間が所定時間以上継続した場合(SG5、Yes)、制御部32jは、送信機情報信号の連続送信を停止して電池消耗を抑えた上で(SG10)、座板スイッチ31からの出力の監視と(SG11)、受信機33からの起動オフ信号の受信の有無を監視を再び行う(SG12)。そして、受信機33からの起動オフ信号を受信した場合には(SG12、Yes)、自重降下停止処理を終了して、図10、11の自重降下処理を終了する。一方、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力になった場合には(SG11、Yes)、シャッターカーテン12の自重降下を再開させるために自重降下再開処理を起動する(SG9)。
(処理−自重降下処理−自重降下停止処理−自重降下再開処理)
次に、自重降下再開処理について説明する。図13、14は、自重降下再開処理のフローチャートである。この処理は、自重降下停止処理によって停止されたシャッターカーテン12の自重降下を再開させるための処理である。
まず、送信機32の制御部32jは、送信機情報信号を生成し、この送信機情報信号を、429MHzにおける空きチャンネルにて第1送信部32eを介して連続送信する(SH1)。この送信機情報信号は、図10のSF9と同様に生成される。なお、図12のSG6からSG9に移行したことにより自重降下再開処理が起動された場合には、送信機情報信号の連続送信が停止されておらず、送信機32における受信機33との接続も遮断されていないため、キャリアセンスや空きチャンネルの特定を行うことなく、SH1における連続送信を行うことができる。一方、図12のSG11からSG9に移行したことにより自重降下再開処理が起動された場合には、SG10において送信機情報信号の連続送信が停止されており、送信機32における受信機33との接続も遮断されているため、キャリアセンスや空きチャンネルの特定を図10のSF7、SF8と同様に行った上で、SH1における連続送信を行う。
一方、受信機33の制御部33jは、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力であることを示すデータを含む送信機情報信号を429MHzにおいて第2受信部33eを介して受信し(SH2)、出力部33bの内部の抵抗値を切り替えることで、連動中継器16に障害物が除去された旨の座板スイッチオフ信号を出力する(SH3)。この座板スイッチオフ信号を受けた連動中継器16は、挟まった人がシャッターカーテン12から確実に避難できる所定時間が経過したのちに、自動閉鎖装置14に制御信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを解除してシャッターカーテン12の自重降下を再開させる。また同時に、連動中継器16は、受信機33に起動オン信号を出力することで、シャッターカーテン12の自重降下を再開させた旨を報知する。この起動オン信号を入力部33aを介して受け付けた場合(SH4、Yes)、受信機33の制御部33jは、図14に示すように、起動オン信号を第2送信部33fを介して315MHzで送信し(SH5)、この起動オン信号が送信機32によって受信される(SH6)。なお、図14ではSH5とSH6を便宜上図示の位置に示しているが、実際には、上述のように、連動中継器16は自動降下時においては完全停止になるまで起動オン信号を受信機33に継続的に出力し、受信機33は一旦起動オン信号を送信機32に送信した後は、連動中継器16から起動オフ信号を受信するまでは、信号を送信しない。従って、SH5とSH6は、図14における他の位置に記載してもよく、あるいは図示を省略してもよい(後述する図22の自重降下再開処理におけるSN7とSN8も同様)。
一方、送信機32の制御部32jは、図13のSH1で送信機情報信号の連続送信を開始した後、この連続送信を行う所定時間の経過を管理するため、SH1と同時又はその直後に、制御部32jの内部タイマによる送信時間の計時を開始することによって、図14に示すように、計時された時間が所定時間以上になったか否かを監視する(SH8)。そして、所定時間以上になった場合には(SH8、Yes)、連続送信を停止し(SH9)、受信機33と確立していた通信を遮断し、間欠受信に復帰して、自重降下再開処理を終了し、図12の自重降下停止処理を終了して、図10、11の自重降下処理を終了する。
このように管理される連続送信の所定時間の間、制御部32jは、座板スイッチ31からのその時点毎の出力に対応するデータを含んだ送信機情報信号を生成して送信する。そして、この連続送信の所定時間の間に、座板スイッチ31からの出力が再び座板スイッチオン出力になった場合には(SH7、Yes)、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるため、図12の自重降下停止処理を再び起動する(SH10)。以降、これまで説明したのと同様に、自重降下停止処理と自重降下再開処理が、座板スイッチ31の出力に応じて繰り返される。
一方、受信機33の制御部33jは、図13のSH2で送信機情報信号を受信した後、429MHzの受信時間を計測するために制御部32jの内部タイマによる計時をスタートすることにより、図14に示すように、計測された時間が所定時間以上になったか否かを監視する(SH12)。そして、所定時間以上になった場合には(SH12、Yes)、受信を停止し(SH13)、送信機32と確立していた通信を遮断し、間欠受信に復帰して、自重降下再開処理を終了し、図12の自重降下停止処理を終了して、図10、11の自重降下処理を終了する。
このように管理される受信の所定時間の間、制御部33jは、送信機情報信号に含まれる座板スイッチ31のその時点毎の出力に対応するデータを監視する。そして、この受信の所定時間の間に、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力であることを示すデータを再び受信した場合には(SH11、Yes)、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるため、図13の自重降下停止処理を再び起動する(SH10)。以降、これまで説明したのと同様に、自重降下停止処理と自重降下再開処理が、座板スイッチ31の出力に応じて繰り返される。
(処理−テスト処理)
次に、テスト処理について説明する。この処理は、送信機32と受信機33の機能の正常性に関するテストを行うための処理であり、ユーザの操作により任意のタイミングで起動される。まず、送信機32の制御部32jは、送信機32の登録スイッチ32dがユーザによって所定方法で操作されたか否か(例えば、登録処理における登録スイッチ32dの押圧時間とは異なる所定時間だけ連続して押圧されたか否か)を監視しており、操作された場合には、図8のSC11と同様に、座板スイッチオン出力を示すデータを含んだ送信機情報信号を生成し、この送信機情報信号を、429MHzにおける空きチャンネルにて第1送信部32eを介して所定時間だけ連続送信する。このことにより、図12の自重降下停止処理が行われることとなり、施工時や定期点検時にこの自重降下停止処理が正常に実行されるか否かを監視することで、送信機32と受信機33の機能の正常性に関するテストを行うことができる。
(実施の形態1の効果)
これまで説明したように実施の形態1によれば、電動降下通信方式1と自重降下通信方式1とを組み合わせたことにより、種々の効果を得ることができる。
すなわち、電動降下通信方式1による通信を行うことで、送信機情報信号を連続送信することなく所定時間送信するため、自重降下通信方式1のように連続送信を行う場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を小さくすることができる。特に、後述する電動降下通信方式2〜4に比べても、送信機情報信号の送信時間を最も短くできるため、送信機32の電池消費電力量を最も小さくすることができる。特に、降下頻度の多い電動降下時において、送信機32の電池消費電力量を小さくすることができるので、送信機32の電池消費電力量の削減効果を最大化することができる。
また、自重降下通信方式1による通信を行うことで、送信機情報信号を連続送信するため、電動降下通信方式1のように所定時間送信を行う場合に比べて、座板スイッチ31の検知結果を受信機33に迅速に伝達することができるので、シャッターカーテン12の自重降下時における安全性を高めることができる。特に、降下速度が速い自重降下時において、座板スイッチ31の検知結果を迅速に伝達することができるので、シャッターカーテン12の安全性を高めることができる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2の内容について説明する。この形態は、電動降下通信方式2と自重降下通信方式2とを組み合わせた形態であり、判定方式1を採用した形態である。ただし、特に説明なき構成や処理については、実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同一の構成については、必要に応じて、実施の形態1の説明中に使用した符号と同一の名称又は符号を付して、その説明を省略する。
(処理)
本実施の形態に係るシャッター障害物検知システム30において実行される処理について説明する。ただし、登録処理、定期通報処理、及びテスト処理は、実施の形態1と同様に行うことができるためにその説明を省略し、以下では、電動降下処理と自重降下処理を順次説明する。
(処理−電動降下処理)
最初に、電動降下処理について説明する。図15、16は、電動降下通信方式2による電動降下処理のフローチャートである。この処理において、SI1〜SI10、SI13、SI14は、図7、8のSC1〜SC10、SC13、SC14と同様であるため、その説明を省略する。
SI6で起動オン信号を受信してから所定時間が経過する前に、シャッターカーテン12が障害物に当たったり、もしくはシャッターカーテン12が全閉になったりすることで、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になった場合(SI7、Yes)、送信機32の制御部32jは、キャリアセンス(SI9)及び空きチャンネルの特定(SI10)を行った後、送信機情報信号を生成し、この送信機情報信号を、429MHzにおける空きチャンネルにて第1送信部32eを介して送信して(SI11)、電動降下停止処理を起動する(SI12)。このSI11における送信は、図8のSC11と同様に行うことができるが、所定時間送信ではなく連続送信にて行う。このように電動降下通信方式2においては、座板スイッチオン出力になった場合に送信機情報信号の連続送信を開始する点で、座板スイッチオン出力になった場合に送信機情報信号の連続送信を終了する後述する自重降下通信方式2とは異なり、送信機情報信号を所定時間送信する上記電動降下通信方式1とも異なる。
(処理−電動降下処理−電動降下停止処理)
次に、SI12の電動降下停止処理の詳細について説明する。図17は、電動降下停止処理のフローチャートである。この処理において、SJ1、SJ3〜SJ6は、図9のSD1、SD3〜SD6と同様であるため、その説明を省略する。
送信機32の制御部32jは、受信機33からの起動オフ信号の受信を監視し(SJ7)、起動オフ信号を受信した場合には(SJ7、Yes)、受信機33との接続を遮断し、電動降下停止処理を終了して、図15、16の電動降下処理を終了する。一方、SJ7における起動オフ信号の受信の監視の間に、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力になった場合(SJ6、Yes)、制御部32jは、送信機情報信号の連続送信を停止することにより(SJ18)、座板スイッチオフ出力になったことを受信機33に伝達する。このように電動降下通信方式2においては、座板スイッチオフ出力になった場合に送信機情報信号の連続送信を終了する点で、シャッターカーテン12の降下中に常時連続送信を行う後述する自重降下通信方式2とは異なり、送信機情報信号を所定時間送信する上記電動降下通信方式1とも異なる。
一方、受信機33は、SJ3における連動中継器16からの起動オフ信号の出力の監視と、SJ4における所定時間の監視との間に、送信機32から連続送信されていた座板スイッチオンの送信機情報信号の受信が停止した場合には(SJ2、Yes)、起動オフ信号を315MHzで第2送信部33fを介して送信した後(SJ5)、電動降下停止処理を終了して、図15、16の電動降下処理を終了する。なお、この起動オフ信号の送信は、所定ステップの図示は省略するが、受信機33から連動中継器16に座板スイッチオフ信号を出力し、連動中継器16が受信機33に起動オフ信号を出力することで行われる。
また、送信機32の制御部32jは、受信機33からの起動オフ信号の受信の有無を監視し(SJ9)受信機33からの起動オフ信号を受信した場合には(SJ9、Yes)、間欠受信に復帰した上で、電動降下停止処理を終了して、図15、16の電動降下処理を終了する。なお、制御部32jは、シャッターカーテン12が全閉したことに伴い、受信機33からの起動オフ信号を受信した場合において、連続送信を継続している場合には、この連続送信を停止させた上で、電動降下停止処理を終了する。
(処理−自重降下処理)
次に、自重降下処理について説明する。図18、19は、自重降下通信方式2による自重降下処理のフローチャートである。この処理において、SL1〜SL15、SL19、SL20は、図10、11のSF1〜SF15、SF18、SF19と同様であるため、その説明を省略する。
送信機32の制御部32jは、連続送信の所定時間の監視の間(SL14)、座板スイッチ31からのその時点毎の出力に対応するデータを含んだ送信機情報信号を逐次生成して送信する。そして、この連続送信の所定時間の間に、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になった場合には(SL13、Yes)、送信機情報信号の連続送信を停止した上で(SL16)、自重降下停止処理を起動する(SL17)。このように自重降下通信方式2においては、座板スイッチオン出力になった場合に送信機情報信号の連続送信を停止する点で、座板スイッチオン出力になった場合に送信機情報信号の連続送信を開始する上記電動降下通信方式2とは異なり、シャッターカーテン12の降下中に常時連続送信を行う上記自重降下通信方式1とも異なる。
一方、受信機33の制御部33jは、受信の所定時間の監視の間、送信機情報信号が受信できているか否かを監視し、送信機情報信号が受信できなくなった場合には(SL18、No)、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるための自重降下停止処理を起動する(SL17)。この自重降下停止処理の起動は、シャッターカーテン12の自重降下を迅速に停止させる観点からは、送信機情報信号が受信できなくなった場合には直ちに行うことが好ましい。しかしながら、送信機情報信号の送信が実際には継続されているにも関わらず、電波干渉等により送信機情報信号が一時的に受信できなくなる可能性もあるため、所定時間(例えば50msec)連続して送信機情報信号が受信できなかった場合にのみ、自重降下停止処理を起動するようにしてもよい。
なお、この自重降下通信方式2においては、座板スイッチオン出力になったことを、送信機情報信号の連続送信を停止することで送信機32から受信機33に伝達しているため、SL16のように座板スイッチオン出力に基づいて連続送信を停止した場合のみならず、SL15のように座板スイッチオン出力以外の条件に基づいて連続送信を停止した場合においても、受信機33においては、座板スイッチオン出力になったものと認識してしまう可能性がある。しかしながら、図19の処理では、SL19において所定時間が経過したものと判定された場合に、SL20で送信機情報信号の受信を停止しているので、このSL19における所定時間の経過判定がSL14における所定時間の経過判定と同時又は早く行われるように、これら所定時間を設定しておくことで、座板スイッチオン出力の有無を受信機33において正しく認識することが可能になる(後述する図22の自重降下再開処理におけるSN11の連続送信停止とSN12の連続送信停止に関しても、SN10の所定時間とSN15の所定時間を同様に設定しておくことで、座板スイッチオン出力の有無を受信機33において正しく認識することが可能になる)。
(処理−自重降下処理−自重降下停止処理)
次に、SL17の自重降下停止処理の詳細について説明する。図20は、自重降下停止処理のフローチャートである。この処理において、SM1〜SM3は、図12のSG1〜SG3と同様であるため、その説明を省略する。
送信機32の制御部32jは、座板スイッチ31からの出力の監視と(SM4)、受信機33からの起動オフ信号の受信の監視を行い(SM5)、起動オフ信号を受信した場合には(SM5、Yes)、自重降下停止処理を終了して、図18、19の自重降下処理を終了する。一方、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオフ出力になった場合には(SM4、Yes)、自重降下再開処理を起動する(SM6)。
(処理−自重降下処理−自重降下停止処理−自重降下再開処理)
次に、自重降下再開処理について説明する。図21、22は、自重降下再開処理のフローチャートである。この処理において、SN3〜SN11、SN15、SN16は、図13、14のSH1〜SH9、SH12、SH13と同様であるため、その説明を省略する。
送信機32の制御部32jは、キャリアセンス(SN1)及び空きチャンネルの特定(SN2)を行った後、送信機情報信号(座板スイッチオフ出力)を生成し、この送信機情報信号を、429MHzにおける空きチャンネルにて第1送信部32eを介して連続送信する(SN3)。
その後、制御部32jは、SN10における連続送信の所定時間の監視の間、座板スイッチ31からの出力が再び座板スイッチオン出力になった場合には(SN9、Yes)、送信機情報信号の連続送信を再び停止し(SN12)、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるために図20の自重降下停止処理を再び起動する(SN13)。以降、これまで説明したのと同様に、自重降下停止処理と自重降下再開処理が、座板スイッチ31の出力に応じて繰り返される。
一方、受信機33の制御部33jは、送信機情報信号が受信できなくなった場合には(SN14、No)、シャッターカーテン12の自重降下を停止させるため、図20の自重降下停止処理を再び起動する(SN13)。以降、これまで説明したのと同様に、自重降下停止処理と自重降下再開処理が、座板スイッチ31の出力に応じて繰り返される。
(実施の形態2の効果)
これまで説明したように実施の形態2によれば、電動降下通信方式2と自重降下通信方式2とを組み合わせたことにより、種々の効果を得ることができる。
すなわち、電動降下通信方式2による通信を行うことで、シャッターカーテン12の電動降下が開始されても送信機情報信号の連続送信を直ちには開始せず、座板スイッチオン出力になった場合に送信機情報信号の連続送信を開始し、座板スイッチオフ出力になった場合に送信機情報信号の連続送信を停止するので、自重降下通信方式2のようにシャッターカーテン12の電動降下が開始された場合に送信機情報信号の連続送信を直ちに開始する場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を小さくすることができる。特に、降下頻度の多い電動降下時において、送信機32の電池消費電力量を小さくすることができるので、送信機32の電池消費電力量の削減効果を最大化することができる。
また、自重降下通信方式2による通信を行うことで、シャッターカーテン12の電動降下が開始された場合に送信機情報信号の連続送信を直ちに開始するため、電動降下通信方式2のように座板スイッチオン出力になってからキャリアセンス及び空きチャンネルの特定を経て連続送信を開始する場合に比べて、座板スイッチ31の検知結果を受信機33に迅速に伝達することができ、シャッターカーテン12の自重降下時における安全性を高めることができる。特に、自重降下通信方式1、3〜5に比べても、座板スイッチオン出力になったことを、送信機情報信号の連続送信を停止することにより伝達するので、受信機33においては送信機情報信号の内容を解析することなく座板スイッチオン出力を特定できるので、座板スイッチ31の検知結果を受信機33に最も速く伝達することができ、シャッターカーテン12の自重降下時における安全性を最大化することができる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3の内容について説明する。この形態は、電動降下通信方式3と自重降下通信方式1とを組み合わせた形態であり、判定方式3を採用した形態である。ただし、特に説明なき構成や処理については、実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同一の構成については、必要に応じて、実施の形態1の説明中に使用した符号と同一の名称又は符号を付して、その説明を省略する。
(処理)
本実施の形態に係るシャッター障害物検知システム30において実行される処理について説明する。ただし、登録処理、定期通報処理、及びテスト処理は、実施の形態1と同様に行うことができるためにその説明を省略し、以下では、電動降下処理のみを説明する。
(処理−電動降下処理)
図23、24は、電動降下通信方式3による電動降下処理のフローチャートである。
ユーザが手動閉鎖装置15を介して操作を行った場合、手動閉鎖装置15から連動中継器16に操作信号が出力され、連動中継器16が開閉機13に起動信号を出力し、開閉機13が、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動下降させる。
このようにシャッターカーテン12が降下を開始し、振動センサ32aから振動検知信号が出力された場合(SO1、Yes)、送信機32の制御部32jは、当該出力された時から所定時間(例えば、1s)が経過しても振動検知信号が出力されているか否かを監視し(SO2)、出力されていない場合には(SO2、No)、地震や風等に起因するシャッターカーテン12の一時的な振動が検知されたものとして、SO1に戻る。一方、出力されている場合には(SO2、Yes)、降下に起因するシャッターカーテン12の継続的な振動が検知されたものとして、電動降下又は自重降下に伴う処理に移行する。
このため、制御部32jは、現在のシャッターカーテン12の降下が、電動降下と自重降下のいずれであるのかを判定し、当該特定した結果に応じた通信方式による処理を行う。この定は、図1の判定方式3により行う。すなわち、上述のように降下速度は電動降下時よりも自重降下時の方が速いため、シャッターカーテンに設けた図示しない加速度センサによってシャッターカーテンの降下時の加速度を検知し、送信機32においてこの加速度に基づいて降下の種類を判定して通信方式を決定して通信を行う。より具体的には、電動降下時の降下速度と自重降下時の降下速度との間に閾値を設定しておき、加速度センサによって検知された加速度が、0を超えているが閾値未満である場合には、電動降下であると判定し、閾値を超えている場合には自重降下時であると判定する。この場合、送信機32は、受信機33から起動オン信号を受信することなく、送信機情報信号の連続送信を開始できるので、一方向通信による処理を行うことが可能になる。ただし、加速度センサによる判定結果と起動オフ信号とのAND条件が満たされた場合に送信機情報信号の連続送信を開始する等、双方向通信を行ってもよい。なお、加速度センサは振動センサと原理的には同じであるため、加速度センサによって上記振動センサ32aを兼ねてもよく、あるいは、これらを別個に設けてもよい。
このような特定の結果、現在のシャッターカーテン12の降下が電動降下であると特定した場合、制御部32jは、電動降下通信方式3による処理を開始する。具体的には、制御部32jは、キャリアセンス(SO3)及び空きチャンネルの特定(SO4)を行った後、図10のSF9と同様に、送信機情報信号を生成し、この送信機情報信号を、429MHzにおける空きチャンネルにて第1送信部32eを介して連続送信する(SO5)。また、制御部32jは、この連続送信を行う所定時間の経過を管理するため、SO5と同時又はその直後に、制御部32jの内部タイマによる送信時間の計時を開始することで、計時された時間が所定時間以上になったか否かを監視し(SO7)、所定時間以上になった場合には(SO7、Yes)、送信機情報信号の連続送信を停止し(SO8)、受信機33と確立していた通信を遮断して、電動降下処理を終了する。
このように管理される連続送信の所定時間の間、制御部32jは、座板スイッチ31からのその時点毎の出力に対応するデータを含んだ送信機情報信号を逐次生成して送信する。そして、この連続送信の所定時間の間に、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力になった場合には(SO6、Yes)、連続送信している送信機情報信号を、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力であることを示すデータを含む送信機情報信号に代えて連続送信を継続し、シャッターカーテン12の電動降下を停止させるための電動降下停止処理を起動する(SO9)。
一方、受信機33の制御部33jは、送信機32との通信を確立した後(SO10)、送信機情報信号を受信した場合には(SO11、Yes)、この受信と同時又はその直後に、受信時間を計測するために制御部32jの内部タイマによる計時をスタートすることにより、計測された時間が所定時間以上になったか否かを監視し(SO13)、所定時間以上になった場合には(SO13、Yes)、送信機情報信号の受信を停止し(SO14)、送信機32と確立していた通信を遮断して、電動降下処理を終了する。
このように管理される受信の所定時間の間、制御部33jは、送信機情報信号に含まれる座板スイッチ31のその時点毎の出力に対応するデータを監視し、この受信の所定時間の間に、座板スイッチ31からの出力が座板スイッチオン出力であることを示すデータを含む送信機情報信号を受信した場合には(SO12、Yes)、シャッターカーテン12の電動降下を停止させるための電動降下停止処理を起動する(SO9)。
(処理−電動降下処理−電動降下停止処理)
次に、SO9の電動降下停止処理の詳細について説明する。図25は、電動降下停止処理のフローチャートである。ただし、SP1、SP4〜SP9、SP11〜SP13は、図9におけるSD1、SD6〜SD11、SD2、SD4、SD5と同様であるため、その説明を省略する。
送信機32の制御部32jは、連動中継器16の制御によってシャッターカーテン12の電動降下が停止されることで、振動センサ32aの振動検知信号がオフになった場合(SP2、Yes)、送信機情報信号の連続送信を停止して電池消耗を抑える(SP3)。
一方、受信機33の制御部33jは、送信機情報信号が受信できなくなった場合(SP10)、その後の経過時間を内部タイマにより監視する(SP12)。そして、経過時間が所定時間以上継続した場合(SP12、Yes)、あるいは、座板スイッチオフの送信機情報信号を受信したことにより起動オフ信号を送信した場合には(SP11、Yes、SP13),電動降下停止処理を終了し、図23、24の電動降下処理を終了する。
(実施の形態3の効果)
これまで説明したように実施の形態3によれば、電動降下通信方式3と自重降下通信方式1とを組み合わせたことにより、種々の効果を得ることができる。
すなわち、電動降下通信方式3による通信を行うことで、シャッターカーテン12の電動降下が停止した場合には送信機情報信号の連続送信を停止するので、自重降下通信方式1のようにシャッターカーテン12の電動降下が開始された場合に送信機情報信号を常時連続送信する場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を小さくすることができる。また、受信機から起動オン信号を受信するのではなく、振動センサの出力に基づいて通信を開始するので、一方向通信による電動降下処理を行うことができ、自重降下通信方式1のように双方向通信による電動降下処理を行う場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を小さくすることができる。
また、自重降下通信方式1による通信を行うことで、送信機情報信号を連続送信するため、電動降下通信方式1のように所定時間送信を行う場合に比べて、座板スイッチ31の検知結果を受信機33に迅速に伝達することができ、シャッターカーテン12の自重降下時における安全性を高めることができる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、送信機32の電池消費電力量を従来より低減できていない場合であっても、障害検知機能を従来とは異なる手段によって達成できている場合には、本願の課題が解決されている。
(通信方式について)
図1には、電動降下通信方式として、電動降下通信方式1から電動降下通信方式4を挙げると共に、自重降下通信方式として、自重降下通信方式1から自重降下通信方式5を挙げているが、電動降下通信方式と自重降下通信方式とを相互に異なる通信方式としている限りにおいて、この他の任意の通信方式を採用することができる。
例えば、送信機情報信号の送信開始、送信終了、送信間隔が同じであっても、電動降下時における送信機情報信号に含めるデータ量を、自重降下時における送信機情報信号に含めるデータ量より少なくすることで、電動降下時における送信機32の電池消費電力量を低減してもよい。
あるいは、電動降下時と自重降下時で、通信に使用する周波数を変えるようにしてもよい。例えば、電動降下時に連続送信を行わない場合には、キャリアセンスが必要のない周波数帯で通信を行い、自重降下時に連続送信を行う場合には、キャリアセンスが必要な周波数帯で通信を行うようにしてもよい。
また、「相互に異なる通信方式」を採用する理由としては、上述したように、降下頻度は電動降下の方が自重降下よりも圧倒的に多く、降下速度は電動降下時よりも自重降下時の方が速いことを前提としているが、この前提が何らかの理由により変わった場合には、これに伴って通信方式を変えてもよい。例えば、降下速度が自重降下時よりも電動降下時の方が速くなった場合には、電動降下通信方式として自重降下通信方式よりも応答速度が速い方式を採用することができ、具体的には、電動降下通信方式1から電動降下通信方式4の一部と、自重降下通信方式1から自重降下通信方式5の一部を入れ替えることができる。
(電動降下通信方式4について)
次に、図1の電動降下通信方式4について説明する。この電動降下通信方式4は、実施の形態1で説明した自重降下通信方式1とほぼ同様であるが、送信機32から受信機33への送信機情報信号の送信を、自重降下通信方式1とは異なり、連続送信ではなく非連続送信にて行う点で異なる。この非連続送信は、具体的には、信号を所定間隔毎に所定時間だけ送信する処理を繰り返して行う間欠送信とする。このように間欠送信を行う場合には、連続送信を行う場合に比べて、送信機32の電池消費電力量を低減することが可能になる。特に、間欠送信を行う場合には、キャリアセンスを行う必要がないため、その分だけ送信機32の電池消費電力量を低減することが可能になる。
(判定方式2について)
次に、図1の判定方式2について説明する。この判定方式2は、実施の形態1で説明した判定方式1とほぼ同様であるが、判定方式1においては、連動中継器16から受信機33に対して出力された起動オン信号に基づいて判定を行っていたのに対して、判定方式2においては、自動閉鎖装置14から受信機33に対して出力された移報接点に基づいて判定を行う点で異なる。すなわち、自重降下時には連動中継器16の制御によって自動閉鎖装置14が動作してシャッターカーテン12を自重降下させるため、この自動閉鎖装置14の動作時における移報接点を受信機33に出力することで、受信機33においてシャッターカーテン12が自重降下されものと判定し、自重降下されたことを示す起動オン信号を受信機33から送信機32に送信する。自動閉鎖装置14の移報接点は、自重降下時のみに出力されるため、送信機32は、振動センサ32aにて振動が検知されている場合に、起動オン信号を受信機33から受信した場合には、自重降下が行われたものと判定して通信方式を選択し、起動オン信号を受信機33から受信できない場合には、電動降下が行われたものと判定して通信方式を選択する。
(判定方式4について)
次に、図1の判定方式4について説明する。この判定方式4は、実施の形態1で説明した判定方式1とほぼ同様であるが、判定方式1においては、送信機32は受信機33からの起動オフ信号に基づいて開始判定を行うのに対して、判定方式4においては、シャッターカーテン12の位置センサからの出力に基づいて開始判定を行い、送信機情報信号の連続送信を開始する。この位置センサは、シャッターカーテン12の位置が全閉位置から降下位置に変化したことを検知するものであり、例えば、近接センサや赤外線センサとして構成される。近接センサとして構成される場合には、例えば、シャッター収納部11に磁石を固定すると共に、シャッターカーテン12の下端近傍に近接センサを固定し、シャッターカーテン12の位置が全閉位置である状態(シャッター収納部11に完全に収容されている状態)において、近接センサにて磁石の磁力を検知可能なようにしておく。そして、シャッターカーテン12が降下を開始した場合には、近接センサにて磁石の磁力が検知不可等となるため、この近接センサの出力に基づいてシャッターカーテン12の位置が変化したことを検知できる。そして、送信機32は、このようにシャッターカーテン12の位置が変化した場合に、送信機情報信号の連続送信を開始する。この場合、送信機32は、受信機33から起動オン信号を受信することなく、送信機情報信号の連続送信を開始できるので、一方向通信による処理を行うことが可能になる。ただし、近接センサの出力と起動オン信号とのAND条件が満たされた場合に送信機情報信号の連続送信を開始する等することで、双方向通信を行ってもよい。
(シャッターカーテンの降下制御について)
シャッターカーテン12の降下制御については、上記と異なる制御を採用してもよい。例えば、上記実施の形態においては、電動降下時に座板スイッチオンとなったことで電動降下を停止させた場合には、座板スイッチオフとなっても電動降下を自動的に再開することはしていないが、電動降下を自動的に再開させてもよい。例えば、電動降下時に座板スイッチオンとなったことで電動降下を停止させ、タッチアップ動作を行った場合に、連動中継器16から起動オン信号を継続して出力することで、電動降下を自動的に再開させることができる。
(障害物検知結果の利用について)
上記実施の形態では、シャッター障害物検知システム30による検知結果に基づいて、シャッターの降下制御を行っているが、この検知結果は他の目的で利用してもよい。例えば、シャッター装置がセキュリティゾーンへの人の侵入を防止するためのものであり、軽量シャッター装置であるために障害物に対して危害を与える可能性が低い場合には、シャッター障害物検知システム30により障害物が検知されてもシャッターカーテン12の降下停止は行わず、セキュリティシステムへの移報出力のみを行ってもよい。
(周波数帯域の選択について)
第1周波数帯域と第2周波数帯域については、上記実施の形態で例示した周波数帯域以外の周波数帯域を選択してもよい。例えば、送信機32から受信機33へ障害物検知状態信号を送信する際、連続送信を行うことが必要でない場合には、連続送信を行うことができない周波数帯域(一定時間送信を行った後、一定時間の休止が義務付けられている周波数帯域)を第1周波数帯域として選択してもよい。また、シャッター装置10が単独でのみ設置される場合のように、複数のシャッター装置10の各々に設けられたシャッター障害物検知システム30の信号が相互に混信するような可能性がない場合には、受信機33から送信機32への信号送信時のキャリアセンスを省略するものとし、第1周波数帯域としてキャリアセンスが義務付けられていない周波数帯域を選択してもよい。また、上記実施の形態では、第1周波数帯域と第2周波数帯域を相互に異なる周波数としているが、これらを相互に同一の周波数としてもよい。
(受信部及び送信部と、周波数帯域の数について)
上記実施の形態では、送信機32に第1受信部32fと第1送信部32eを設け、受信機33に第2受信部33eと第2送信部33fを設けて、これら各受信部と各送信部を介して第1周波数帯域と第2周波数帯域を用いた通信を行うことで、2系統×2周波数帯域での通信を行っているが、2系統を超える数の通信系統を設けたり、2周波数帯域を超える数の周波数帯域を使用してもよい。例えば、受信機33から送信機32に信号を送信する系統として、障害物検知状態信号を送信する系統と、電池消耗を送信する系統を別々に専用系統として設けてもよく、これらを相互に異なる周波数帯域で送信してもよい。また、一方向通信のみを行う場合には、送信機32の第1受信部32fと、受信機33の第2送信部33fとを、省略してもよい。
(閉鎖動作の特定について)
上記実施の形態では、第1受信部32fの受信間隔を変更する条件を、振動センサ32aから振動検知信号が出力されたこととし、第1送信部32eの連続送信を開始する条件を、制御部32jによって起動オン信号の受信が特定されたこととしているが、これら条件を相互に変更したり、一方を省略等したりしてもよい。例えば、振動センサ32aから振動検知信号が出力された場合に、第1送信部32eが連続送信を開始するようにしてもよい。すなわち、振動センサ32aからの振動検知信号の出力状態や、起動オン信号の受信状態とを、AND条件やOR条件として任意に組み合わせて、第1受信部32fの受信間隔を変更したり、第1送信部32eの連続送信を開始させてもよい。
(送信機32の受信状態の変更について)
上記実施の形態では、振動センサ32aにて振動が検知された場合には、送信機32の第1受信部32fの受信状態を、間欠受信から割り込み受信に変更しているが、この他の方法を採用してもよい。例えば、定期通報が必要ない場合には、通常時には第1受信部32fを完全に休止させることで送信機32における電池の消費電力量を低減し、振動センサ32aにて振動が検知された場合に、第1受信部32fを起動させてもよい。あるいは、通常時には第1受信部32fを間欠受信させ、振動センサ32aにて振動が検知された場合に、第1受信部32fの間欠受信間隔を短くしてもよい。このように「間欠受信間隔を短くする」という概念には、上記実施の形態のように、第1受信部32fの受信状態を間欠受信から割り込み受信に変更することを含む。
また、上記実施の形態では、振動センサ32aからの出力が所定時間継続している場合にのみ、第1受信部32fの受信状態を変更しているが、地震や風等による振動を誤検知する可能性を考慮する必要がない場合等には、振動センサ32aからの出力があった場合には直ちに受信状態を変更してもよい。