JP5945156B2 - 下水汚泥の処理装置 - Google Patents
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Description
この処理装置は、蒸気で加熱した2個の加熱ドラムに汚泥を貼着させて乾燥する乾燥機を使用し、バイオマスボイラについては、燃焼部へ乾燥汚泥を順次直上へ移送させるスクリューコンベアを備えている。該ボイラは縦型円筒状の炉体上部に同芯の円筒状の中壁が設けられ、該炉体と中壁の間の空間へ該炉体上部から螺旋状に旋回する外壁空冷を兼ねた燃焼空気を送り込んで、該スクリューコンベアの上端部の乾燥汚泥を燃焼させ、炉体の直上に設けた熱交換器へ燃焼ガスを導入する構造になっている。
特許文献1および特許文献2における処理方法は化石燃料を必要とし、大型の油炊きまたはガス炊き焼却炉で直接脱水汚泥を炉内において乾燥、焼却し、焼却灰とする方式と補助燃料は同じで化石燃料である。補助燃料のエネルキーを蒸気発生に用い、蒸気のもつエネルギーで脱水汚泥を乾燥させることは炉内で直接乾燥、焼却する一般的な処理方法より多量の燃料が必要となることから、油炊きまたはガス炊き焼却炉よりも多量の化石燃料を必要としてしまう。
しかしながら特許文献3のシステムでは、乾燥汚泥をスクリューコンベアで燃焼部へ供給するにあたり、燃焼状態を良好に保つ為の連続供給方法として、燃料をペレット化する方式を採用している。その為、ペレタイザーというペレット製造機を設置しなければならない。また、乾燥機で必要とされる蒸気量は、汚泥のみで得られるエネルギーでは不足することから、ペレット化する際に補助燃料としてバイオマス系燃料を乾燥汚泥に混合することが必要となる。そのためこれらを混合するための混合装置も別途必要である。さらに、未燃焼の状態で灰貯留部へ落下するものがかなりあり、また、燃焼ガスにより熱交換器の表面が汚れ易いため、燃焼効率が低下し熱交換器の蒸気発生量が思ったより低下しがちであるという問題もある。
乾燥機は、互いに内側へ回転する2個の加熱ドラムが平行に設けられ、下水汚泥を加熱ドラムへシート状に付着させて乾燥させ、これをスクレーパーで掻き取るようにしたものを使用する。加熱ドラムの熱源は、バイオマスボイラで得た蒸気を使用する。
乾燥汚泥は、旋回する燃焼空気に乗せて供給するか、中壁の内側へブロアを用いて供給する。
そして、スクリューコンベアで移送されたバイオマス燃料を燃焼させ、この火力によって、乾燥汚泥をほぼ浮遊状態で燃焼させる。
燃焼空気は、スクリューコンベアの軸を中空として乾燥汚泥の下方から吹き込んだり、スクリューコンベア上端部に燃焼空気が吹出す空気孔を多数設け、燃焼空気をできるだけ多く供給する。また、クリンカを防止するため、スクリューコンベアの回転軸の上端部に燃焼空気を吹き出すようにした中空状の攪拌翼を固設する。
図1は、本発明の下水汚泥の処理装置の実施の形態を示す全体系統図である。この装置は、下水処理施設の脱水装置に連結して設けられ、脱水汚泥を乾燥して、ほぼ粉状の乾燥汚泥にする乾燥機と、バイオマス系燃料の焼却熱で乾燥汚泥を焼却し、その燃焼ガスによって蒸気を生成する熱交換器を備えたバイオマスボイラを中核として構成されている。
この加熱ドラムは、バイオマスボイラの熱交換器から蒸気を取り入れるための配管が設けられている。
乾燥機で乾燥された乾燥汚泥は、乾燥機の下方から移送され計量器を経由してバイオマスボイラへ送られる。
スクリューコンベアは、図2に拡大して示すように、ケーシングにスクリュー羽根を螺旋状に固設した回転軸が内装されており、回転軸は、架台の外に設置した駆動手段に連結されている。そして、回転軸の上端部寄りには、攪拌翼が水平状に3本固設されている。この攪拌翼は中空状であり、上面に多数の空気孔が設けられている。
また、スクリューコンベアのケーシングの側面下部には、木質系バイオマス燃料(木チップ)を供給するため、外壁を貫通した傾斜した燃料供給ホッパーが固設されており、バイオマス燃料の搬送用のコンベアと連結されている。
また、スクリューコンベアの回転軸は中空状であり、その上端には多数の空気孔が設けられた攪拌翼が固設され、これらに燃焼空気を送るため架台の下部に供給口が設けられている。
また、スクリューコンベアの下方は、周囲が塞がれた灰貯留部が形成され、灰を取り出すための取出口が設けられている。
この熱交換器は、図8に示すように、縦型円筒状水管を同心円上に2列配置し二つの同芯円で囲まれた柵状の構造としている。そして、上部については外周に並んだ水管群と内周に並んだ水管群とでそれぞれ別々に管寄せを備え、それぞれの管寄せが別々に気水分離の機能を果たす構造としている。下部管寄せについては外周の水管群と内周の水管群を連通する構造の一般的な管寄せの構造とし、該外周に並んだ水管群と該内周に並んだ水管群それぞれは水管と水管の間を埋める形であり、燃焼ガスは該外周と該内周の間の空間内に流れ込み、熱交換を行って排出されるように入口を内周側にもち出口を外周側に設けられている。
まず、スクリューコンベアを駆動するとともに、送風機を作動させて、乾燥汚泥の供給口および燃焼空気の供給口へ燃焼空気を供給する。
まだ燃焼中のものは、順次下から移送されるバイオマス燃料と攪拌翼によって、火格子の傾斜に沿って外側へ移動する間に完全燃焼して燃焼ガスとなり中壁の内側へ上昇する。
なお、乾燥汚泥には不燃物が2割以上含有されており、燃焼ガスとして上昇せずに落下するものがあるが、火格子上で焼却され、傾斜に沿って外縁へ移動し、灰貯留部へ落下する。
Claims (2)
- 脱水汚泥を乾燥機で乾燥し自己燃焼可能な含水率の乾燥汚泥として、バイオマスボイラで焼却し、得られた蒸気を該乾燥機の熱源とした下水汚泥の処理装置において、該バイオマスボイラは、縦型円筒状の外壁を有する炉体の上部に該外壁と同芯の円筒状の中壁を備え、外壁に燃焼空気の供給口を該中壁の外周を上方から螺旋状に旋回するように設けるとともに、該外壁上部に該乾燥汚泥を炉内へ送り込む供給手段を設け、該中壁の下方に木質系バイオマス燃料を順次直上へ移送させるスクリューコンベアを備え、該スクリューコンベアのケーシングの上端に外側へ向かって漸次下降傾斜するリング状の火格子を該外壁から離して固設するとともに、燃焼空気を燃焼部のバイオマス燃料の内側からも供給するため、該スクリューコンベアの回転軸を中空としてその上端部に中空状の攪拌翼を固設し、該回転軸の上端部および該攪拌翼に多数の噴出孔を設け、該スクリューコンベアの上端部で該バイオマス燃料を燃焼させるとともに、該乾燥汚泥を炉内上部へ送り込んで浮遊状態で燃焼させ、燃焼ガスを炉体の直上に設けた熱交換器へ該中壁の中央部を上昇させて導入するようにしたことを特徴とする下水汚泥の処理装置。
- 前記燃焼装置は、前記中壁の中央部を上昇させて前記熱交換器を経て排ガス処理装置へ送る燃焼ガスの一部を炉内の燃焼部へ環流させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の下水汚泥の処理装置。
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