JP2013224810A - 有機汚泥の処理装置と処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脱水汚泥を乾燥機で粉末または皮状に乾燥し乾燥汚泥としたものを、▲6▼バイオマス系補助燃料を連続供給して燃焼させる手段を備えたバイオマス燃焼炉の安定した燃焼状態にある炉内中空の上部へバイオマス系補助燃料を供給する手段とは別に連続して供給する手段を増設して送り込むことで、該乾燥汚泥を浮遊状態または炉床面において燃焼、焼却灰としバイオマス系補助燃料と汚泥の燃焼熱により熱交換器で蒸気を発生させ、該蒸気を前記脱水汚泥の乾燥に利用する。
【選択図】図15
Description
この処理装置と処理方法では、蒸気で加熱した2個の加熱ドラムに汚泥を貼着させて乾燥する乾燥機を使用し、バイオマスボイラについては、燃焼部へ乾燥汚泥を順次直上へ移送させるスクリューコンベアを備えている。該ボイラは縦型円筒状の炉体上部に同芯の円筒状の中壁が設けられ、該炉体と中壁の間の空間へ該炉体上部から螺旋状に旋回する外壁空冷を兼ねた燃焼空気を送り込んで、該スクリューコンベアの上端部の乾燥汚泥を燃焼させ、炉体の直上に設けた熱交換器へ燃焼ガスを導入する構造になっている。
特許文献1および特許文献2における処理方法は化石燃料を必要とし、大型の油炊きまたはガス炊き焼却炉で直接脱水汚泥を炉内において乾燥、焼却し、焼却灰とする方式と補助燃料は同じで化石燃料である。補助燃料のエネルキーを蒸気発生に用い、蒸気のもつエネルギーで脱水汚泥を乾燥させることは炉内で直接乾燥、焼却する一般的な処理方法より多量の燃料が必要となることから、油炊きまたはガス炊き焼却炉よりも多量の化石燃料を必要としてしまう。
しかしながら特許文献3のシステムでは、乾燥汚泥をスクリューコンベアで燃焼部へ供給するにあたり、燃焼状態を良好に保つ為の連続供給方法として、燃料をペレット化する方式を採用している。その為、ペレタイザーというペレット製造機を設置しなければならない。また、乾燥機で必要とされる蒸気量は、汚泥のみで得られるエネルギーでは不足することから、ペレット化する際に補助燃料としてバイオマス系燃料を乾燥汚泥に混合することが必要となる。そのためこれらを混合するための混合装置も別途必要となる。
ペレット化した汚泥燃料は粉体の汚泥燃料を焼却処理するよりも燃焼効率が緩慢になる為、要求される下水汚泥の処理量を汚泥ペレット化して焼却処理するためには、炉の大きさも相応の大きさにせざるを得ないという問題があり、コンパクトで経済的な処理装置という点において改善の余地を残した汚泥の焼却処理システムであった。また、高温になる炉床面に汚泥が接している時間が長くなるため、クリンカの発生が起きやすく、クリンカが発生してしまえば燃焼効率が極端に落ち、乾燥に必要な蒸気が得られず連続運転ができなくなる。
それに加え、バイオマス系補助燃料と乾燥汚泥を混合装置で混合ペレット化する際には、乾燥汚泥の含水率を10%〜15%程度の範囲内に調整しなければスクリューコンベアで直上移送するのに適した性状の混合ペレットを製造できないため、蒸気圧、燃焼空気の送り量、汚泥ペレット燃料の送り量等システム全体の繊細な制御が必要とされることに加え、乾燥機のスクレパ−とドラム面に異物が混入するとドラム面が傷つき正常な乾燥汚泥の形成に支障をきたす場合もあった。さらにスクリューコンベアによる燃料供給は定量が安定せず供給量が上下するという問題も抱えており、安定した連続運転の難しさを抱える汚泥の処理装置と処理方法であった。含水率を10%〜15%程度にまでしか落とせないという制約は燃焼効率の悪化につながることから不完全燃焼になりやすく、一酸化炭素、ダイオキシン等有害物質の発生を誘発してしまう。不完全燃焼をさけるために燃焼空気の供給量を過剰にすると、炉床面や燃焼炉内が高温になり、クリンカや窒素酸化物の発生を誘発しやすくなる。前記のようにスクリュ−コンベアでの連続供給方式ではペレット燃料の送り量が安定しないことから、このシステムにおいては熟練したオペレーターの存在が欠かせないという問題がある。
Claims (18)
- 炉体の内部中央にバイオマス燃料を燃焼部へ直上移送するためのスクリュ−コンベアを格納する円筒状のケ−シングを有し、該ケ−シングの上端円周部に中空リング状の火格子を備え該火格子の中空内部へ燃焼空気を供給できる構造とし、該火格子の中空内部から炉床面および該スクリュ−コンベアで直上移送中の該ケーシング内のバイオマス燃料へ燃焼空気を供給するための空気孔が多数開けられるとともに、該ケ−シングの中間部あたりにも燃焼空気を供給できる中空リング状の構造物を備え、該スクリュ−コンベアで直上移送中の該ケーシング内のバイオマス燃料へ燃焼空気を供給するための空気孔が該ケーシングに多数開けられ、該火格子の炉床面は該炉床面から焼却灰が連続的に下部の灰受け部や取出口に落ちるよう中心部から円周部に向かい漸次下降傾斜する形状とし、該火格子は炉体の外壁に接着することなく離して固設され、燃焼空気をバイオマス燃料の各部分へ均一かつ効率的に供給するために該スクリュ−コンベアの回転軸は中空となっておりその上端部には中空の攪拌翼が固設され、これら中空の回転軸や攪拌翼の各部分には多数の空気孔が開けられ燃焼空気が各空気孔からバイオマス燃料へ供給される構造とし、該攪拌翼は燃料の攪拌や燃焼空気の供給をして効率的な燃焼を促す役目だけでなく焼却灰をスム−ズに連続して灰受け部や灰の取出口へ搬送する役割も持つ構造と形状になっており、取り外しが可能かつ取付け位置の高さをスペ−サ−を脱着することで調整可能であることを特徴とするバイオマス燃焼炉。
- 直上移送されるバイオマス燃料の燃焼部分における形状を円錐形に形成させるため、スクリュ−コンベア上端側のスクリュ−羽根を小径なものとして、その外周部に断面八字状の中空周状案内部材を設け、スクリュ−コンベアを格納する円筒状のケ−シング外壁に設けられた燃焼空気を供給できる中空リング状の構造物と中空部材で外壁を挟む位置関係でハブ状に架橋固設することで、該案内部材の中空内部にも燃焼空気を供給できる構造を備えるとともに該スクリュ−コンベアで直上移送中のバイオマス燃料へ燃焼空気を供給する空気孔が多数開けられ、該ケ−シング外壁に燃焼空気を供給できる中空リング状の構造物を増設し、該スクリュ−コンベアで直上移送中の該ケーシング内のバイオマス燃料へ燃焼空気を供給することを特徴とする請求項1記載のバイオマス燃焼炉。
- 直上移送するスクリュ−コンベアまでバイオマス燃料を移送する手段として、横方向に移送するスクリュ−コンベアを付設することで燃焼部への定量供給の不安定さを緩和することを特徴とする請求項1または請求項2記載のバイオマス燃焼炉。
- バッチ式の定量ホッパと燃料を搬送する下降または下降傾斜するシュ−タ(燃料搬送部)の間にスライドして開閉する二枚の仕切板を設け、定量された燃料を一旦この二枚の仕切板の間の空間に溜めてから該シュ−タへ落とす構造と仕組みにすることで燃焼部から燃料貯留部までの空間が必ず該仕切板のいずれかに仕切られた状態で燃料供給することで逆火を完全に防止するとともに該シュ−タに1個のセンサ−とバイブレ−タ−を設置して該センサ−設置部分の高さより燃料面が下がり燃料が一定量搬送されたことを知らせる信号の間隔を計測することで燃焼部に実際に供給された燃料の時間当たりの量を把握することに加えシュ−タにブリッジが形成されていることを検知した場合は該バイブレ−タ−を稼動することを特徴とするバイオマス燃焼炉。
- 縦型円筒状の外壁を有する炉体の上部に該外壁と同芯の円筒状の中壁を備え、外壁と中壁の間の空間へ外壁を空冷するための燃焼空気を送り込むためや該燃焼空気と燃料を混合して炉内へ供給するために、該中壁の外周を燃焼空気が上方から螺旋状に旋回するよう外壁に対して接線状に接続する形状で設けることを特徴とする請求項4記載のバイオマス燃焼炉。
- 縦型円筒状の外壁を有する炉体の上部に該外壁と同芯の円筒状の中壁を備え外壁上部には二つの供給口が設けられ一方の供給口は外壁の空冷を兼ねる燃焼空気を送り込むためや燃料もしくはこれらを混合して炉内へ供給するために、該中壁の外周を燃焼空気が上方から螺旋状に旋回するよう外壁に対して接線状に接続する形状で設け、もう一方の供給口を、該円筒状の中壁内部の空間へ乾燥汚泥を連続して送り込む手段を設けることで乾燥汚泥を燃焼炉へ連続供給することを特徴とする請求項4記載のバイオマス燃焼炉。
- 縦型円筒状の外壁を有する炉体の上部に該外壁と同芯の円筒状の中壁を備え外壁上部には二つの供給口が設けられ、双方の供給口が外壁と内壁の間の空間に燃焼空気もしくは燃料、またはこれらを混合して送る構造を特徴とする請求項4記載のバイオマス燃焼炉。
- 中空円盤状の火格子の上端側が断面台形状に形成され台形の上底にあたる部分の炉床面および丘陵面にあたる炉床面に多数の空気孔が開けられ、該火格子の中心部に中空の軸と攪拌翼を備え該攪拌翼には多数の空気孔が開けられるとともに取り外しが可能かつ取付け位置の高さをスペ−サ−を脱着することで調整可能とし、攪拌翼または炉床面が回転し、炉床面および攪拌翼から燃焼空気が燃料へ供給するとともに焼却灰をスム−ズに連続して灰受け部や灰の取出口へ搬送する構造と機能を備えたことを特徴とするバイオマス燃焼炉。
- 請求項1〜請求項3記載のいずれかの特徴と請求項4〜請求項7記載のいずれかの特徴を組み合わせて設計制作されたことを特徴とするバイオマス燃焼炉、および請求項8記載の火格子と請求項4〜請求項7記載のいずれかの特徴を組み合わせて設計制作されたことを特徴とするバイオマス燃焼炉。
- 縦型円筒状水管を同心円上に2列配置し二つの同芯円で囲まれた柵状の構造とし、上部については外周に並んだ水管群と内周に並んだ水管群とでそれぞれ別々に管寄を備えそれぞれの管寄が別々に気水分離の機能を果たす構造として下部管寄については外周の水管群と内周の水管群を連通する構造にして一般的な管寄の構造としたうえで該外周に並んだ水管群と該内周に並んだ水管群それぞれについて水管と水管の間を埋める形で尚且つ該外周と該内周の間の空間内に燃焼ガスが流れ込む入口を内周側にもち熱交換を行ったあとの燃焼ガスが該空間内から流れ出る出口を外周側にもつ形でバッフルを配置して液体による水管の洗浄が必要な場合には該燃焼ガス出入口に液漏れ防止金具を装着させることができる仕組みを設け該空間内に液体を溜め水管を浸漬方法で洗浄する機能をもつ構造とすることに加え該空間内に溜められた液体を該空間下部から抜き取るための排出口を該排出口に向かい下降傾斜する形状で形成された該空間下部に下部管寄せを貫通して設置することで洗浄後の廃液をスム−ズに抜くことができ水管を簡易かつ確実に清掃することが可能で年間を通して安定的なボイラ効率を確保できる機能をもつ熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項9記載のいずれかのバイオマスボイラ。
- 排ガスを一部燃焼部へ還流させる構造を有し、排気管もしくは還流部分に酸素センサ−が設置され、還流部分に排ガス流量計およびブロワ−が設置され、該ブロワ−の回転数を上下させることにより還流排ガス量の調整ができ、最適な炉内の酸素濃度と燃焼温度を維持することで窒素酸化物とクリンカの発生を抑制しクリ−ンで最適、良好な燃焼状態を維持して運転する機能に加え還流排ガスによる予熱効果もはたらき運転の安定性、効率性も得られる機能をもつ構造と機器を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項10記載のいずれかの燃焼炉またはバイオマスボイラ。
- 耐熱エンジニアリング樹脂を、ドラム面に貼着させた乾燥汚泥をかきとるスクレパ−として用いることを特徴とする蒸気式ダブルドラム乾燥機または蒸気式ツインドラム乾燥機。
- 下水処理場等で発生する脱水汚泥を、蒸気を熱源とする乾燥機で乾燥汚泥としたものを▲1▼農場やゴルフ場等において用いる肥料としたり、▲2▼該乾燥汚泥をペッレット製造機により汚泥ペレット化したものや該乾燥汚泥とバイオマス系補助燃料とを混合装置により混合したものをペレット製造機で汚泥混合ペレット化したものを発電所や製紙工場またはセメント工場等で補助燃料として用いる燃料としたり、▲3▼該汚泥ペレット燃料を主燃料、バイオマス系燃料を補助燃料として直接バイオマスボイラに投入、▲4▼該乾燥汚泥を該混合装置でバイオマス系補助燃料と混合したものをバイオマスボイラに投入、または▲5▼該汚泥ペレット燃料とバイオマス系補助燃料とを混合したものをバイオマスボイラに投入することにより燃焼させ焼却灰とし、これらの燃焼熱により熱交換器で蒸気を発生し該蒸気を該乾燥機の熱源として該脱水汚泥の乾燥に利用することで連続して脱水汚泥を乾燥、焼却処理することを特徴とする汚泥の用途が選択可能な連続処理方法。
- 脱水汚泥を乾燥機で粉末または皮状に乾燥し乾燥汚泥としたものを、▲6▼バイオマス系補助燃料を連続供給して燃焼させる手段を備えたバイオマス燃焼炉の安定した燃焼状態にある炉内中空の上部へバイオマス系補助燃料を供給する手段とは別に連続して供給する手段を増設して送り込むことで、該乾燥汚泥を浮遊状態または炉床面において燃焼、焼却灰とすることを特徴とする請求項13記載の汚泥の連続処理方法。
- 排気する燃焼ガスの一部を燃焼空気として還流させ、排ガス還流量を調整することにより炉内の酸素濃度と燃焼温度をコントロールして窒素酸化物およびクリンカの発生を抑制し予熱効果も得ながらクリーンで安定的かつ効率良く燃焼、焼却することを特徴とする請求項13または請求項14記載の汚泥の連続処理方法。
- バイオマスボイラを稼働し最適、良好な運転に入ったのち、排ガスに含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の濃度を計測することで炉内の燃焼状態と変化をとらえ、一酸化炭素、炭化水素の濃度が上昇傾向を示したときには燃焼炉に送り込む空気の流量を予め定められた流量の上限の範囲内で増加させ、窒素酸化物の濃度が上昇傾向を示したときには予め定められた下限の範囲内で減少させることで、炉内の燃焼状態を最適、良好に維持し蒸気圧力を最適に維持することを特徴とする請求項13〜請求項15記載のいずれかの汚泥の連続処理方法。
- 燃焼炉の燃焼部へスクリュ−コンベアを用いてバイオマス燃料を連続供給する場合、時間当たりの供給量を把握するため、バッチ式の定量ホッパスケ−ルからスクリュ−コンベア部まで燃料を搬送する下降または下降傾斜するシュ−タ(燃料搬送部)に1個のセンサ−とバイブレ−タ−を設置して該センサ−設置部分の高さより燃料面が下がり燃料が一定量搬送されたことを知らせる信号の間隔を計測することで予め定められた時間当たりの供給量の上限と下限を超えた搬送量の計測結果が得られたときにはスクリュ−コンベアを駆動するモ−タ−の回転数を供給過剰量または供給不足量の程度に対応して予め定められた回転数を減少または増加させることで燃料供給量を調整し、またはシュ−タにブリッジが形成されていることを検知した場合にはシュ−タに取り付けられたバイブレ−タ−でブリッジを崩すことで燃焼炉の燃焼部へ安定してバイオマス燃料を連続供給し続けることを特徴とする請求項13〜請求項16記載のいずれかの汚泥の連続処理方法。
- 請求項10記載のバイオマスボイラの上部管寄の隙間に清掃用器具を差し込んで物理的な力で水管部分の汚れを落とすことに加え、洗浄液による清掃が必要な場合には前記燃焼ガス出入口に液漏れ防止金具を装着させることで該出入口を塞いで該空間内に液体を溜められる構造にして該空間内に溜め水管を浸漬方法で確実に清掃し洗浄後の液体を該空間下部ドレン口より抜き取ることで日常時の簡易な清掃方法と定期メンテナンス時のような確実な清掃方法を可能とし年間を通して安定的なボイラ効率を確保できる熱交換器の清掃方法を特徴とする請求項13〜請求項17記載のいずれかの汚泥の連続処理方法。
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