JP5943416B2 - 鋼と木質材料の複合構造物 - Google Patents

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Description

この発明は、木質材料を構造材などの建築分野へ普及する必要性から、鋼との複合した新しい構造物に関するものである。
地球環境に配慮した建築構造をコンセプトに、鋼構造技術を活かして、鋼と木質材料とが複合した新しい構造物の可能性を追求してきた。木質材料を利用することは、森林ストックの高齢化防止や炭素の固定源となることから、森林の成長、地球環境改善を積極的に図る方法の一つである。
木質材料は、耐久性や不均質性から、従来の木造建築物は3階建て以下がほとんどであり、適用スパンの制約や耐久性にも限界があった。しかし、近年木材を多用した大規模建築が始められる機運が高まってきている。
従来、非特許文献1に示したように、H形鋼を厚さ約60mmのカラマツの集成材で、柱及び梁を覆う構造(筆者はハイブリッド部材と称している。)とし、それらを600本以上用いたとする木質構造ビルが示されている。柱用のみならず梁用のハイブリッド材は、従来から公知の継手板を介して長手方向に接合すると共に、柱と梁との接合は、図示されていないが、写真1から見ると、溶接接合で、建物は剛接合とするラーメン構造であると認識できる。
また、特許文献1に示されるように、H形鋼の周囲に、複数の難燃処理された木質材料を耐火被覆材として、鉄骨部材の周囲のボルトやビスにより被覆している。更に、鉄骨部材と木質部材を密着して固定することにより、木質部材を鉄骨部材の補強材としても用いている。
特開2006―89999号公報
日経BP社発行 「日経アーキテクチュア」 2011 11―10 の52頁「国内最大の木質構造ビル」
前記した非特許文献1にあって、H形鋼を木質の集成材で覆う構造であるが、この集成材は、鋼材の耐火被覆として用いられ、構造耐力を持つものとして利用されておらず、それ以外は木質材料の持つ質感の利用に留まっていた。
前記特許文献1にあって、前記非特許文献1と同様に、木質部材が鉄骨部材の補強材として用いるとの記載があるが、木質材料の不均一性から、補強材としての利用は限られていた。
この発明は、木質材料の利用を図ると共に、架構は建物の長寿命化、リユース材として利用を図る観点から、制振部材に座屈拘束ブレースを用いた損傷制御構造とした構造物を提供することを目的としている。
この発明に係る鋼と木質材料の複合構造物は、構造物にあって、柱にはH形鋼のウエブの両側に、一対のT形鋼を溶接して断面十字形とした十字H形鋼を用い、梁にはH形鋼を用い、前記柱用の十字H形鋼には、4つのフランジ上にその長手方向に沿って木質材料を高力ボルト、溶接、またはそれらの組み合わせにより取付け、前記梁用のH形鋼には、その長手方向に沿って一対の木質材料を両側に挟み込むように取付け、前記柱用の十字H形鋼と前記梁用のH形鋼との接合は、前記梁用のH形鋼の端面にエンドプレートを溶着し、このエンドプレートを直接又は介在物を介して前記柱用の十字H形鋼のフランジに高力ボルトにて螺子結合し、前記柱用の十字H形鋼と前記梁用のH形鋼との接合部位には、後付で充填木質材料を取付けると共に、少なくとも前記柱用の十字H形鋼と前記梁用のH形鋼との間に座屈拘束ブレースを設けたことにある(請求項1)。
これにより、架構は、柱にはH形鋼のウエブの両側に一対のT形鋼を溶接して断面十字形とした十字H形鋼を用いたから、柱材として充分な構造耐力が持たされることになる。
柱用の十字H形鋼には、それに備わっている4つのフランジ上に木質材料が取付られ、また梁用のH形鋼には、その両側に木質材料が添着されているから、柱並びに梁用の鋼は露出せず木質材料が外面に表われ、木質の持つ質感が醸し出される。それから、木質材料の被り厚さは、燃えどまり設計がとられている。
柱用の十字H形鋼と梁用のH形鋼との接合は、前記梁用のH形鋼の端面に溶着のエンドプレートを用い、高力ボルトにて、柱用の十字H形鋼のフランジに螺子結合したことで、柱梁接合を剛接合ではなく、半剛接合となり、中又は大規模地震では、その接合を支点として回転し、柱用の十字H形鋼、梁用のH形鋼の損傷が防がれる。
柱用の十字H形鋼と梁用のH形鋼との接合は、高力ボルトにより行なわれるため、その部位には木質材料が予め取付られていないので、高力ボルトによる接合後に、後付で充填木質材料を取り付けている。
前記梁用のH形鋼と前記柱用の十字形鋼との間に座屈拘束ブレースを設けているので、中又は大規模の地震時に、座屈拘束ブレースが作動して柱の十字H形鋼、
梁のH形鋼の塑性化が防がれる。このため、十字H形鋼及びH形鋼は弾性挙動となりリユース材として利用しやすい。
前記柱用の十字H形鋼は、H形鋼のウエブを長手方向に沿って切断して2つのT形鋼を作り、この2つのT形鋼をH形鋼の両側に配すると共に、前記それぞれT形鋼のウエブの切断端面を前記H形鋼のウエブにそれぞれ溶着して断面十字形構造にしたことにある(請求項2)。
このため、柱用の鋼をH形鋼のみでは、荷重抵抗要素としての方向性が存在し、
T形鋼を溶接することで、2方向に抵抗できる。T形鋼はH形鋼を切断して作ることができ、リユース材としての利用の促進にもなる。また柱用の十字H形鋼は4つのフランジを持つことから、梁用のH形鋼との四方からの接合をも可能とし、その接合にあっても、高力ボルト接合を行なうことができる。
前記梁は、H形鋼の両側から一対の木質材料を添着すると共に、その長手方向と直角方向に穴を形成し、この穴に結合ボルトを配し、その結合ボルトにナットが螺合し、前記木質材料をH形鋼に固着させると共に、更にこの穴に前記結合ボルトを保護する充填材が入れられたことにある(請求項3)。
このため、木質材料が梁用のH形鋼の両側に強く固着させることができる。火災時にボルトから熱が伝わるのを防止するため、充填材があり、これにより、ボルトからH形鋼へ熱の伝達が防がれる。
前記柱用の十字H形鋼のフランジと前記梁用のH形鋼の端部に溶着の平板状のエンドプレートとの接合は、前記エンドプレートに所定数の穴を形成し、前記フランジにも所定数穴を形成し、前記両方の穴の一方から高力ボルトを挿入し、穴から突出した高力ボルトの先端にナットを螺合して締結することが好ましい(請求項4)。
このため、柱用の十字H形鋼と梁用のH形鋼は、高力ボルトによりエンドプレート及びフランジに形成のそれぞれの穴を用いて容易に締結することができる。この場合、両者の接合は半剛接合となる。
前記柱は、十字H形鋼の周囲を複数の木質材料により覆うと共に、十字H形鋼と木質材料とを固定することなしに、前記複数の木質材料の接合部のみを接着剤
により又は固定金具により、及び双方により接着したことにある(請求項5)。このため、木質材料が十字H形鋼を座屈補剛するため、外力を受けても大きな変形を生じさせることがない。
前記梁は、H形鋼の両側から一対の木質材料により覆うと共に、H形鋼と木質材料とを固定することなしに、一対の木質材料の接合部のみを接着剤により又は
固定金具により、及び双方により接合したことにある(請求項6)。このため、木質材料がH形鋼を座屈補剛する作用が得られる。
以上のように、この発明の請求項1によれば、架構を構成する柱には、H形鋼のウエブの両側に一対のT形鋼を溶着の断面十字形となる十字H形鋼を用いたから、柱材として充分な構造耐力を持つものとなる。
柱用の十字H形鋼には、その周囲に4つのフランジがあって、その上に木質材料が取付られ、また梁用のH形鋼にも、その周囲に木質材料が取付られるから、柱並びに梁には、鋼が露出せず、木質材料が表われ、その持つ質感が醸し出される効果を有する。木質材料の被り厚さは、燃えどまり設計を行うことで十字H形鋼のみならずH形鋼を火災より保護することができる。
柱用の十字形鋼と梁用のH形鋼との接合は、梁用のH形鋼の端面に設けられたエンドプレートを、高力ボルトにより、柱用の十字H形鋼のフランジに螺子止めしたことで、柱梁接合を半剛接合とし、中又は大規模地震では、その接合部を支点として回転し、柱用の十字H形鋼のみならず梁用のH形鋼の損傷を防ぐことができる。
柱用の十字形鋼と梁用のH形鋼との接合部位は、木質材料が予め取付られていないので、両者の接合後に後付で充填木質材料が取付られ、木質材料を外面に表すことができる。
柱用の十字H形鋼と梁用のH形鋼との間に座屈拘束ブレースを設けているので、中又は大規模の地震時に、座屈拘束ブレースが作動して、前記柱用の十字H形鋼のみならず梁用のH形鋼の塑性化が防がれる。このために、十字形H鋼並びにH形鋼とがリユース材としての利用が確保される利点を有する。
請求項2によれば、柱用の十字H形鋼にT形鋼を溶接して構成しているから、耐力の向上が図れる利点を持つと共に、T形鋼はH形鋼を切断して作り出すことができる。H形鋼のリユース材の利用を促進させる。また柱用の十字H形鋼は4つのフランジを持つことから、梁用のH形鋼の四方からの接合をも可能とすることができる。
請求項3によれば、梁はH形鋼の両側に木質材料を強く固着されると共に、木質材料が燃えどまり効果のみならずボルトの穴に充填材が充填材が挿入されるため、火災時にボルトからH形鋼への熱の伝達を防ぐ効果を有している。
請求項4によれば、柱用の十字H形鋼と梁用のH形鋼は、高力ボルトにより、十字H形鋼のフランジに形成の穴とH形鋼の端部のエンドプレートに形成の穴とを用いて容易に締結することができ、半剛接合とすることができる。
請求項5、6によれば、柱用の十字H形鋼並びに梁用のH形鋼が木質材料に全周にわたって覆われ、且つ柱用の十字H形鋼並びに梁用のH形鋼と木質材料との固定を無くしたことから、この木質材料が前記十字H形鋼並びに梁用のH形鋼を座屈補剛する効果を奏する。
この発明に係る鋼と木質材料の複合構造物の内装配置の一例を示す正面図である。 柱の平面図である。 同上の斜視図である。 柱の他の例を示した斜視図である。 柱用の十字H形鋼の製造工程の説明図を示し、(a)はH形鋼を縦方向に切断しT形鋼を作る工程、(b)一対のT形鋼をH形鋼の両側に配した工程、(c)一対のT形鋼をH形鋼に溶接して断面十字形とした十字H形鋼を作る工程を示す。 梁の製造工程の説明図を示し、(a)はH形鋼の両側に一対の木質材料を配した工程、(b)はH形鋼に一対の木質材料を挟み込むように取付工程を示す。 梁の他の例を示す斜視図である。 柱と梁との接合工程を示し、柱用の十字H形鋼と梁用のH形鋼との接合状態を示す斜視図である。 柱用の十字H形鋼と梁用のH形鋼とを接合した後に、木質材料が被されていない部位に充填木質材料を取付けた状態の斜視図である。 この発明に係る鋼と木質材料の複合構造物の内装配置の他例を示す正面図である。
図1において、鋼と木質材料の複合構造の柱と梁とを用いた複合構造物1が示されている。この複合構造物1に用いられている柱2は、H形鋼のウエブの両側に、一対のT形鋼を溶接して断面十字形とした十字H型鋼(後述に詳細に説明する。)が用いられ、また梁3(後述に詳細に説明する。)はH形鋼が用いられ、両柱2と梁3とは、その外周に木質材料が添着されている。したがって、複合構造物1からは木質の持つ質感が醸し出される。
前記柱2と梁3とは、半剛性接合となる損傷制御構造となっている。この損傷制御構造であることから、柱2と梁3との間には、公知の座屈拘束ブレース4が設けられ、接合部における不足耐力を補填する働きをしている。この座屈拘束ブレース4は、塑性変形するブレース芯材と、その芯材の両端に連結部を備え、圧縮荷重負担時の座屈を防ぐために、内在するコンクリート及びそれを外包する鋼材にて拘束される構成であり、前記芯材の両端の連結材がガゼットプレート5,6に連結している。
前記ガゼットプレート5は、柱2の十字H形鋼(下記に説明する符号20)と、下階の梁3のH形鋼(下記に説明の符号37)とに接続され、前記ガゼットプレート6は、上階の梁3のH形鋼(下記に説明する符号37)に接続されている。7はスラブ、8は小梁である。また当然ながら、芯材を外包する鋼材上には、木質材料が被せられている。
座屈拘束ブレース4の柱2と梁3との間に設けられる他の例として、図10に示され、ガゼットプレート5は柱2の十字H形鋼(下記に説明する符号20)のみに接続され、ガゼットプレート6は前記例と同じに上階の梁3のH形鋼(下記に説明する符号37)に接続されている。このように、座屈拘束ブレース4の取付位置により、窓の開口部を使い易くする利点を持っている。しかし、座屈拘束ブレース4の作用効果を引き出すことができることに変わりはない。
次に、柱2と梁3との具体的構成並びに柱2と梁3との接合例を説明する。図2及び図3に柱2の平面図及び斜視図、また図4には柱2の変形例の斜視図が図示され、図5に柱2の製造工程(a)、(b)、(c)が示されている。柱2は、構造耐力の向上から、ウエブ11とその両端に形成のフランジ12より成るH形鋼10を基に、そのウエブ11の両側に、一対のT形鋼17,17を溶接して構成されている。
前記T形鋼17は、柱2の製造工程の図5(a)に示すように、H形鋼14のウエブ15の長手方向でその中心から切断線16に沿って切断して作り出したもので、切断されたウエブ15aとフランジ19とより成っている。ここで使用されるH形鋼14は、リユースされたH形鋼が用いられている例を示し、リユース材の使用の促進を図っている。
切断されて形成のT形鋼17は、図5(b)のように、H形鋼10の両側に配され、そのウエブ15aの切断端面18が前記H形鋼10のウエブ11に対峙し、その後に隅肉溶接される。一対のT形鋼17が溶接されると、図5(c)のように、断面十字形とした十字H形鋼20(以下柱用の十字H形鋼と称する。)となる。
柱用の十字H形鋼20は、4つのフランジ12、12及び19、19を持つ構成となる。それから、更にこの4つのフランジ12、12、19、19上に、木質材料22が長手方向沿って添着されて全体が覆われている。ここで使用される
木質材料22はスギ、ヒノキ、カラマツなどや、それらの集成材である。これらの木質材料22は、身からに形成の穴23に高力ボルト24を挿入し、図示しない前記フランジ19に形成の穴に螺子結合によりフランジ12、19に固定しても良いし、接着剤26により接着しても良い。さらに、高力ボルト24との接合を組み合わせても良い。このように構成されることで、木質材料22が柱用の十字H形鋼20の全周に表われ、木質の質感が醸し出される。25は充填材である。
図4には、木質材料22を柱用の十字H形鋼20に取付ける他の例が示されている。この例では、木質材料22が木質材料22どうしのみを接合して柱用の十字H形鋼20を覆うことで、十字H形鋼20の座屈補剛している。そのため、木質材料22は木ネジ27、又は接着剤28及び双方により接合していて、十字H形鋼20のフランジ12、19とに固定されていない。その他の部分である十字H形鋼20は図3に示した十字H形鋼と同一のため、同一の符号を付して説明を省略した。
木質材料22の被り厚さは、鋼の耐火被覆となるため、燃えどまり設計として、鋼の1時間耐火であれば45mm、2時間耐火であれば90mmとなる。
図6は梁3の製造工程(a)、(b)が図示され、梁3はH形鋼37(以下梁用のH形鋼と称する。)と、その長手方向に沿って両側より挟み込むように取付られた一対の木質材料40より構成されている。前記梁用のH形鋼37はウエブ35とそのウエブ35両端に接続のフランジ36とにより構成された圧延製造のもので、前記ウエブ35に穴38が直角方向に形成されている。
木質材料40は断面矩形の板材で、前記木質材料22と同じスギ、ヒノキ、カラマツなどや、それらの集成形で作られている。この木質材料40は、その一面(H形鋼側)に長手方向に一対(上下に)長溝41が形成されている。この長溝41は前記梁用のH形鋼37のフランジ36が挿入されるに充分な巾と深さを有している。また、木質材料40の適所で長手方向に対し直角方向に穴42が形成され、この穴42は前記ウエブ35の穴38の位置と対応している。
図6(b)には、前記梁用のH形鋼37に対し、その両側から前記木質材料40が挟み込むように取り付ける例が示され、木質材料40の長溝41を梁用のH形鋼37のフランジ36に被挿している。これにより、梁用のH形鋼37は木質材料にて完全に覆われ、更に木質材料40の穴42から結合ボルト44を挿入し、突出先端にナット45と螺合し締結している。結合ボルト44の締結が完了したら、不燃の充填材46を挿入する。なお、木質材料40の被り厚さは、前記木質材料22と同じ鋼の耐火被覆となるため、燃えどまり設計となっている。なお、一対の木質材料40は、その接合面に接着剤47が塗布されて、接合されている。
図7には、木質材料40がH形鋼37に取付ける他の例が示されている。この例では木質材料40が木質材料40どうしのみを接合してH形鋼37を覆うことで、H形鋼37の座屈補剛している。そのため、木質材料40の接合面が重ね接合が採用され、接合面に接着剤、又は木ネジ33及び双方により接合されていて、H形鋼37には固定されていない。
図8には柱2と梁3と接合例が示されている。鋼と木質材料の複合構造物1で、しかも制振部材に座屈拘束ブレースを用いた損傷制御構造が採用されているから、接合部は、剛接合でなく、半剛接合が用いられる。
柱2と梁3との接合は、木質材料22、40に品質からくる強度上の問題、鋼と木質材料を完全には一体化できないため、柱用の十字H形鋼20と梁用のH形鋼37との接合となる。梁用のH形鋼37の端面にエンドプレート48を長手方向に対し直角に溶着すると共に、このエンドプレート48に複数の穴49が所定のピッチを持って形成されている。
これに対して、柱用の十字H形鋼20のフランジ12に、複数の穴50が形成されている。この穴50は前記穴49と対応していて、所定のピッチを持って形成されている。この穴50には、高力ボルト52がフランジ12の裏側から挿入され、その先端が前記エンドプレート48に形成の穴49に挿入され、ナット53と螺合して、梁用のH形鋼37が柱2のフランジ12に結合される。結合前の状態が図8の右側に、結合後の状態が90度を離れた同図の左側に示されている。なお、半剛接合を得るには、高力ボルト52の長さ、径、使用本数を適宜に選択すれば、半剛接合の回転剛性を任意に定めることができる。また柱用の十字H形鋼20のフランジ12と梁用のH形鋼37のエンドプレート48の間に介在物を入れることによっても同様の作用効果を得ることができる。
なお、5は、図1に示され、図8に詳述された座屈拘束ブレース用のガゼットプレートで、前記柱2のフランジ12と梁用のH形鋼37とにボルト結合のために穴56、57が、それに対応して、柱2の柱用の十字H形鋼20のフランジ12に、梁用のH形鋼37のフランジ36それぞれ穴58、59が形成されている。
上述したように、柱用の十字H形鋼20と梁用のH形鋼37とが高力ボルト52により接合されても、図8に示すように、鋼部分がむき出し状態であるため、図9に示すように、その部分に木質材料よりなる充填木質材料62、63が取付られる。その構造は柱用の十字H形鋼20と梁用のH形鋼37の外形形状に対応した形状となり、外側は、前記したそれぞれの木質材料22、40に違和感なく形成されている。65は前記ガゼットプレート5を覆うカバーで、木質材料で作られている。
1 複合構造物
2 柱
3 梁
4 座屈拘束ブレース
5 ガゼットプレート
6 ガゼットプレート
10 H形鋼
11 ウエブ
12 フランジ
14 H形鋼
15 ウエブ
15a 切断されたウエブ
17 T形鋼
18 切断端面
19 フランジ
20 十字H形鋼
22 木質材料
35 ウエブ
36 フランジ
37 H形鋼
38 穴
40 木質材料
41 長溝
42 穴
44 結合ボルト
45 ナット
46 充填材
48 エンドプレート
52 高力ボルト
53 ナット
62、63 充填木質材料

Claims (6)

  1. 構造物にあって、柱にはH形鋼のウエブの両側に、一対のT形鋼を溶接して断面十字形とした十字H形鋼を用い、梁にはH形鋼を用い、
    前記柱用の十字H形鋼には、4つのフランジ上にその長手方向に沿って木質材料を取付け、
    前記梁用のH形鋼には、その長手方向に沿って一対の木質材料を両側に挟み込むように取付け、
    前記柱用の十字H形鋼と前記梁用のH形鋼との接合は、前記梁用のH形鋼の端面にエンドプレートを溶着し、このエンドプレートを直接又は介在物を介して前記柱用の十字H形鋼のフランジに高力ボルトにて螺子結合し、前記柱用の十字H形鋼と前記梁用のH形鋼との接合部位には、後付で充填木質材料を取付けると共に、少なくとも、前記柱用の十字H形鋼と前記梁用のH形鋼との間に座屈拘束ブレースを設けたことを特徴とする鋼と木質材料の複合構造物。
  2. 前記柱用の十字H形鋼は、H形鋼のウエブを長手方向に沿って切断して2つのT形鋼を作り、この2つのT形鋼をH形鋼の両側に配すると共に、前記それぞれT形鋼のウエブの切断端面を前記H形鋼のウエブにそれぞれ溶着して断面十字形構造にしたことを特徴とする請求項1記載の鋼と木質材料の複合構造物。
  3. 前記梁は、H形鋼の両側から一対の木質材料を添着すると共に、その長手方向と直角方向に穴を形成し、この穴に結合ボルトを配し、その結合ボルトにナットが螺合し、前記木質材料をH形鋼に固着させると共に、更にこの穴に前記結合ボルトを保護する充填材が入れられたことを特徴とする請求項1記載の鋼と木質材料の複合構造物。
  4. 前記柱用の十字H形鋼のフランジと前記梁用のH形鋼の端部に溶着の平板状のエンドプレートとの接合は、前記エンドプレートに所定数の穴を形成し、前記フランジにも所定数穴を形成し、前記両方の穴一方から高力ボルトを挿入し、穴から突出した高力ボルトの先端にナットを螺合して締結したことを特徴とする請求項1記載の鋼と木質材料の複合構造物。
  5. 前記柱は、十字H形鋼の周囲を複数の木質材料により覆うと共に、十字H形鋼と木質材料とを固定することなしに、前記複数の木質材料の接合部のみを接合したことを特徴とする請求項1記載の鋼と木質材料の複合構造物。
  6. 前記梁は、H形鋼の両側から一対の木質材料により覆うと共に、H形鋼と木質材料とを固定することなしに、一対の木質材料の接合部のみを接合したことを特徴とする請求項1記載の鋼と木質材料の複合構造物。
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