JP5942738B2 - ガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法 - Google Patents

ガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法、及び放射線検出器に関する。
ガス増幅を利用した放射線検出器として、ピクセル型の放射線検出器が用いられてきた。この放射線検出器は、例えば両面プリント基板の主面側の一方の配線層がストリップ陰極電極から構成され、裏面側の他方の配線層がストリップ陽極電極から構成され、ストリップ陰極電極には、一定間隔に開口部が形成されるとともに、開口部の中心には裏面のストリップ陽極電極と接続されている円柱状陽極電極、すなわちピクセル電極が形成されたような構成を採っている。
なお、放射線検出器は、例えばArとエタンとの混合ガス中に配置される。また、ピクセル電極とストリップ陰極電極との間には所定の電圧が印加されている。
上記放射線検出器においては、所定の放射線が検出器内に入射すると、ガスが電離して電子を生成し、この電子は、上記ストリップ陰極電極と上記ピクセル電極との間に印加された高電圧、及び上記ピクセル電極の点電極としての形態(形状異方性)に起因して生成される強力な電場によって、電子雪崩増幅を引き起こす。一方、電子雪崩増幅によって生じた正イオンは、周囲のストリップ陰極電極に向けてドリフトする。
この結果、対象となるストリップ陰極電極及びピクセル電極に、それぞれ正孔と電子とがチャージされる。この電荷が生成されたストリップ陰極電極及びピクセル電極の位置を検出することによって、放射線の検出器における入射位置を特定することができ、放射線の検出が可能となる(特許文献1)。
このようなガス増幅を利用した放射線検出器の検出感度を増大させるためには、上述したストリップ陰極電極、ストリップ陽極電極、及びストリップ陽極電極と接続されているピクセル電極の高精細化を図る必要がある。
特許文献2には、ポリイミド樹脂の両面に銅箔を形成した両面プリント基板を作製した後、この両面プリント基板の裏面側の銅箔をパターニングしてストリップ陽極電極とし、さらに両面プリント基板の主面側から炭酸ガスレーザ光を照射して、主面側の銅箔から裏面側のストリップ陽極電極に至る貫通孔を形成し、さらに貫通孔内に銅めっきを行うことにより、当該貫通孔を銅で充填して上記ピクセル電極を形成し、その後、主面側の銅箔をパターニングしてストリップ陰極電極を形成して、ガス増幅を利用した放射線検出器を製造する技術が開示されている。
しかしながら、この技術では、ピクセル電極を形成するための貫通孔をレーザ光を用いて形成しているため、貫通孔の内壁面が粗れており、めっき法で貫通孔内に銅充填を行う場合において、貫通孔内に均一に銅充填を行うことができない。例えば、貫通孔内で銅が充填されない部分が生じたり、めっきが進行し過ぎて銅が針状に形成されてしまったりする場合があった。さらには、レーザ光のビーム径及び強度が両面プリント基板の主面側から裏面側に至るまでに均一ではないために、貫通孔の孔径が、主面側と裏面側とで異なる場合もある。
このため、均一かつ微細な大きさのピクセル電極を形成することができないという問題が生じ、また、針状に成長した銅は放射線検出器として使用する際の高電圧印加時において、放電の原因となるために、放射線検出器を安定して動作することができないという問題があった。
特開2002−6047号 特開2002−90465号
本発明は、ストリップ陰極電極、ストリップ陽極電極、及びストリップ陽極電極と接続されているピクセル電極を有するガス増幅を利用した放射線検出器において、特にピクセル電極を均一かつ微細に形成して高精細化を図り、上記放射線検出器の検出感度を増大させることを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
板状の第1の金属からなるメタル基板を準備する工程と、
前記メタル基板の主面に第1のドライフィルムレジストを形成するとともに、裏面に第1のドライフィルムよりも薄い第2のドライフィルムレジストを形成する工程と、
前記第1のドライフィルムレジストに対して露光現像処理を施し、前記メタル基板の少なくとも一辺に沿うとともに、前記少なくとも一辺と直交する方向に沿うように配列された前記メタル基板の主面が露出した複数の円柱状の第1の貫通孔が形成された第1のマスクを形成する工程と、
前記第2のドライフィルムレジストに対して露光現像処理を施し、前記メタル基板の裏面が露出するようにして前記複数の第1の貫通孔と対応する位置に第1の貫通孔と同一形状の複数の円柱状の第2の貫通孔が形成されるとともに、第2の貫通孔の外側に、第2の貫通孔を同心円状に囲むリング状の非貫通孔部分を介して、前記メタル基板の少なくとも一辺に沿い、互いにストリップ状の非貫通部により画定された複数のスロット状の第3の貫通孔が形成された第2のマスクを形成する工程と、
前記メタル基板に対して前記第1のマスク及び前記第2のマスクを介してめっき処理を行い、前記第1のマスクの前記複数の第1の貫通孔を、前記第1の金属よりも電気抵抗の大きい第2の金属からなる複数の第1のめっき材で充填するとともに、前記第2のマスクの前記複数の第2の貫通孔及び前記複数の第3の貫通孔を、前記第2の金属からなる複数の第2のめっき材で充填する工程と、
前記第1のマスク及び前記第2のマスクを剥離した後、前記メタル基板の主面上に残存した前記複数の第1のめっき材の上面が露出するようにして絶縁材を形成する工程と、
前記第1のマスク及び前記第2のマスクを剥離した後、前記メタル基板の裏面上に残存した前記複数の第2のめっき材をマスクとしてエッチング処理を行い、前記メタル基板をパターニングする工程と、
前記絶縁材上にドライフィルムレジストを形成した後に、露光現像し、前記メタル基板の前記少なくとも一辺と直交する方向に沿って、当該方向に配列した前記複数の第1のめっき材を等間隔で分断するように画定されたストリップ部分を覆い、残部を露出させた第3のマスクを形成する工程と、
前記第3のマスクを介してめっき処理を行い、前記絶縁材上に、前記複数の第1のめっき材の上面と電気的に接触するように形成された複数のストリップ形状のめっき膜を形成する工程とを具え、
前記複数のストリップ形状のめっき膜を含む複数のストリップ陽極電極、前記複数の第2のめっき材を含む複数のストリップ陰極電極、及び前記複数の第1のめっき材を含む複数のピクセル電極を有するガス増幅を利用した放射線検出器を製造することを特徴とする、ガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法に関する。
本発明によれば、後にガス増幅を利用した放射線検出器のピクセル電極の一部となるメタル基板の主面上にドライフィルムレジストからなる第1のマスクを形成し、当該第1のマスクに形成された複数の円柱状の第1の貫通孔に対してめっき処理を施して第1のめっき材で充填するようにしている。複数の第1の貫通孔は、メタル基板の互いに直交する2つの方向において縦横に形成することができるので、上記第1のめっき材も同様にして形成することができる。したがって、第1のめっき材は、上記ピクセル電極を構成することができる。
また、ドライフィルムレジストに形成した貫通孔は、当該ドライフィルムレジストに対して露光現像処理を行って形成したものである。このようにして形成した貫通孔は、その壁面が平滑であるとともに厚さ方向の径が均一であり、また微細化が容易である。このため、上述のような貫通孔内にめっき処理によって充填しためっき材は、大きさが均一であるとともに微細なものとすることができる。このため、本発明によれば、均一かつ微細にピクセル電極を形成することができ、その高精細化を図ることができる。
なお、複数のストリップ陰極電極は、第1のマスクが形成されたメタル基板の裏面に形成されている第2のマスクの複数の第3の貫通孔内に充填された第2のめっき材により形成され、後にピクセル電極の一部を構成する第2のめっき材が充填される第2のマスクの複数の円柱状の第2の貫通孔は、メタル基板を介して複数の円柱状の第1の貫通孔と同一箇所に形成される。
このように、本発明では、メタル基板の両面において当初第1のマスク及び第2のマスクを形成した後、これらのマスクを用いて複数のストリップ陰極電極及び複数のピクセル電極を構成するようにしている。
メタル基板の両面のマスクは、メタル基板の両面にドライフィルムレジストを形成した後、これらドライフィルムレジストに対して、例えばブック方式と呼ばれる、2つのマスクパターンの一端が固定されてなるような構成のマスクパターンを用い、当該2つのマスクパターンをメタル基板及びその両面に形成されたドライフィルムレジストを挟み込むようにして配置した後、同時あるいは順次にパターニングして形成することができる。したがって、第1のマスク及び第2のマスクの位置づれを十分に抑制することができ、これらマスクの位置合わせを正確に行うことができる。
この結果、ガス増幅を用いた放射線検出器のストリップ陰極電極及びピクセル電極の相対位置、特にストリップ陰極電極の開口部内に突出したピクセル電極上部の相対位置を高精度に画定することができる。
また、上述のように、本発明では、メタル基板は第2のめっき材をマスクとしてパターニングされ、ピクセル電極及びストリップ陰極電極の一部を構成するようになる。すなわち、ピクセル電極及びストリップ陰極電極は、低抵抗のメタル基板からなる第1の金属層、及び高抵抗の第2のめっき材からなる第2の金属層(具体的にはこれらの積層体)を含むようになる。このため、ピクセル電極及びストリップ陰極電極の全体的な抵抗が低減されるので、ガス増幅を用いた放射線検出器を駆動させて、これら電極間に高電圧を印加した場合においても、アーク放電等が生じにくくなり、またアーク放電が生じたとしても、抵抗の高い第2の金属層間において生じるため短時間で消滅してしまうので、上記電極のダメージを低減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、ストリップ陰極電極、ストリップ陽極電極、及びストリップ陽極電極と接続されているピクセル電極を有するガス増幅を利用した放射線検出器において、特にピクセル電極を均一かつ微細に形成して高精細化を図り、上記放射線検出器の検出感度を増大させることができる。
実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図1のII-II線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図2のIV-IV線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図5のVI-VI線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図9のX-X線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図12のXIII-XIII線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図14のXV-XV線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図16のXVII-XVII線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 図19のXX-XX線断面図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。
以下、本発明の特徴及びその他の利点について、発明を実施するための形態に基づいて説明する。
図1〜図22は、本実施形態のガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法における工程図である。なお、これらの図においては、本実施形態における製造方法の特徴を明確にすべく、製造過程にある放射線検出器のピクセル電極の近傍を拡大して示している。
また、図1及び図2、図3及び図4、図5及び図6、図9及び図10、図12及び図13、図14及び図15、図16及び図17、図19及び図20は、それぞれ同一の製造工程における斜視図及び対応する断面図を示している。なお、各断面図は、対応する斜視図において、II-II線、IV-IV線、VI-VI線、X-X線、XIII-XIII線、XV-XV線、XVII-XVII線及びXX-XX線に沿って切った場合を示している。
最初に、図1及び図2に示すように、主面及び裏面が矩形状(長方形あるいは正方形)であって、厚さ方向に垂直な断面積が均一な板状、すなわち四角柱形状のメタル基板11を準備する。このメタル基板11は、後にガス増幅を用いた放射線検出器のピクセル電極の一部を構成するものであるため、電気的良導体の金属、例えば銅、金、銀、アルミニウム等から構成する。しかしながら、一般には安価であって、放射線検出器の電極材料として長年に亘って用いられ、高い信頼性を有する銅から構成する。
次いで、図3及び図4に示すように、メタル基板11の主面上に第1のドライフィルムレジスト12を形成するとともに、メタル基板11の裏面上に第1のドライフィルムレジスト12よりも薄い第2のドライフィルムレジスト13を形成する。なお、第1のドライフィルムレジスト12の厚さt1は、後に上記ピクセル電極の内、絶縁層内に埋設された部分の高さに相当するので、例えば40μm〜80μmの厚さとする。また、第2のドライフィルムレジスト13の厚さt2は、後に上記ピクセル電極の内、絶縁層外に露出した部分の一部を構成するので、例えば10μm〜30μmの厚さとする。
第1のドライフィルムレジスト12及び第2のドライフィルムレジスト13は、例えば保護フィルム及び支持フィルムで感光性の樹脂層を狭持したような汎用のものを用いることができ、旭化成/SUNFORT、DuPont/MPF、日立化成/ファテック及びニチゴーモートン/NITを用いることができる。
次いで、図5及び図6に示すように、第1のドライフィルムレジスト12に対して露光現像処理を施し、メタル基板11の主面が露出するようにして複数の円柱状の第1の貫通孔12Aが形成された第1のマスク12Xを形成する。なお、本実施形態では、メタル基板11の互いに直交する辺に沿ったX方向及びY方向に沿って配列するように複数の円柱状の第1の貫通孔12Aを形成している。
具体的には、図7に示すように、X方向及びY方向に延在するようにして配列された複数の円柱状の第1の貫通孔12Aが形成された第1のマスク12Xを形成する。
次いで、第2のドライフィルムレジスト13に対して露光現像処理を施し、メタル基板11の裏面が露出するようにして、上記複数の円柱状の第1の貫通孔12Aと同一箇所に位置するような複数の円柱状の第2の貫通孔13Aが形成され、これら第2の貫通孔13Aを中心としたリング状の非貫通孔部分13XYを介して第2の貫通孔13Aを囲むとともに、メタル基板11の一辺に沿ったY方向に沿って延在するようにして複数のスロット状の第3の貫通孔13Bが形成された第2のマスク13Xを形成する。
具体的には、図8に示すように、X方向及びY方向に延在するようにして配列された複数の円柱状の第2の貫通孔13Aが形成され、Y方向に延在するようにして配列された複数のスロット状の第3の貫通孔13Bが形成された第2のマスク13Xを形成する。
第1の貫通孔12A,第2の貫通孔13A及び第3の貫通孔13Bは汎用の技術、例えばイオンミリングのような物理エッチングやドライエッチング、ウェットエッチングなどのエッチング、あるいはレーザ加工等によって形成することができる。
次いで、図9及び図10に示すように、メタル基板11に対して第1のマスク12X及び第2のマスク13Xを介してめっき処理を行い、第1のマスク12Xに形成された複数の円柱状の第1の貫通孔12Aを第1のめっき材14で充填するとともに、第2のマスク13Xに形成された複数の円柱状の第2の貫通孔13A及び複数のスロット状の第3の貫通孔13Bを第2のめっき材15で充填する。
めっき処理は汎用の方法を用いることができ、例えば無電解めっきによって複数の円柱状の貫通孔12A、複数の円柱状の貫通孔13A及び複数のスロット状の貫通孔13B内にめっき下地層(シード層)を形成した後、電解めっきを行うことによって第1のめっき材14及び第2のめっき材15を充填する。シード層がなくてもメタル基板に電解めっきを施せる。
なお、第1のめっき材14及び第2のめっき材15は、以下に説明するように、ガス増幅を用いた放射線検出器におけるピクセル電極及びストリップ陰極電極に高電圧を印加した際のアーク放電等の抑制による電極ダメージ低減の観点から、メタル基板11を構成する第1の金属よりも電気抵抗が大きく、第1の金属に対して異なるエッチング特性を有する第2の金属から構成する。例えば、第1の金属として銅、金、銀、アルミニウム等を用いた場合は、第2の金属としてニッケル、ニッケルコバルト、ニッケルクロム及びニッケルリン等を用いることができる。
次いで、第1のマスク12X及び第2のマスク13Xを剥離して複数の第1のめっき材14及び複数の第2のめっき材15を露出させる。なお、第2のマスク13Xの除去に伴って、第1のめっき材14の下方に位置する第2のめっき材15の周囲には、第2のめっき材15が形成されていないリング状の非形成領域、すなわち開口部15hが形成される。
次いで、図12及び図13に示すように、メタル基板11の主面上に、露出した複数の第1のめっき材14を覆うとともに、その上部が露出するようにして絶縁材16を形成する。
絶縁材16は、後に放射線検出器のストリップ陽極電極及びストリップ陰極電極間を電気的に絶縁する絶縁層となるものであり、エポキシ樹脂を主成分とするポッティングレジンやトランスファーモールドレジン、さらには液状封止材、一括封止成形用テープ及び高耐熱コーティング材等のモールド樹脂を形成、又はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂のシート状のプリプレグを貼付することによって形成する。なお、絶縁材16の厚さは、第1のめっき材14の高さ、すなわち第2のドライフィルムレジスト13の厚さt2に相当する。
なお、上述のようにして形成した絶縁材16は、必要に応じてプラズマ照射や加熱することによって乾燥させる。また、絶縁材16の表面が凸凹であって、10μmオーダの表面粗さを有しているような場合は、適宜研磨処理を行って平滑にする。一方、絶縁材16の表面には再度ドライフィルムレジストを形成するので、当該ドライフィルムレジストと絶縁材16との密着性が向上するように、例えば絶縁材16の表面を表面粗さが1μm程度となるように粗化処理を行ってもよい。
次いで、図14及び図15に示すように、第2のめっき材15をマスクとしてメタル基板11に対してエッチング処理を行い、メタル基板11の、開口部15hに露出した部分を除去して、メタル基板11を第2のめっき材15の形成パターンと整合するようにパターニングする。なお、エッチング処理は、ドライエッチング、ウェットエッチングのいずれでもよい。特に、メタル基板11を上述した銅等から構成し、第2のめっき材15をニッケル等から構成した場合は、塩化第2鉄水溶液によってエッチングすることが好ましい。これによって、メタル基板11のみを容易に選択エッチングすることができる。
次いで、図16及び図17に示すように、絶縁材16上に、上記同様にしてドライフィルムレジストを形成した後、露光現像処理を施し、メタル基板11の、一辺に沿ったY方向に延在し、同じY方向に配列した複数の第1のめっき材14を等間隔で分断するように画定された複数のストリップ部分を覆い、残部を露出させた第3のマスク17Xを形成する。具体的には、図18に示すように、Y方向に延在した複数のストリップ部分17XYを有する第3のマスク17Xを形成する。
次いで、図19〜図21に示すように、第3のマスク17Xを介してめっき処理を行い、絶縁材16上に、複数の第1のめっき材14の上面と電気的に接触し、Y方向に沿って複数のストリップ形状のめっき膜18を形成する。
この結果、図22に示すように、複数のストリップ形状のめっき膜18はそのまま複数のストリップ陽極電極21を構成し、上述した複数の第2のめっき材15の内、第1のめっき材14の外方に位置する部分及びパターンニングされたメタル基板11(の積層体)は複数のストリップ陰極電極23を構成する。
また、複数の第1のめっき材14、この直下に位置するパターニングされたメタル基板11及び複数の第2のめっき材15(の積層体)は、複数のストリップ陽極電極21から上方に延在し、複数のストリップ陰極電極23の開口部23hに上部が露出した複数のピクセル電極24を構成する。さらに、絶縁材16は、上述したように、複数のストリップ陽極電極21と複数のストリップ陰極電極23とを電気的に絶縁する絶縁層22を構成する。この結果、目的とするガス増幅を用いた放射線検出器20を得ることができる。
本実施形態では、後にガス増幅を利用した放射線検出器のピクセル電極の一部となるメタル基板11の主面上に第1のドライフィルムレジスト12からなる第1のマスク12Xを形成し、当該第1のマスク12Xに形成された複数の円柱状の第1の貫通孔12Aに対してめっき処理を施して、同じくピクセル電極の一部となる第1のめっき材14で充填するようにしている。
また、第1のドライフィルムレジスト12に形成した貫通孔12Aは、当該第1のドライフィルムレジスト12に対して露光現像処理を行って形成したものである。このようにして形成した貫通孔12Aは、その壁面が平滑であるとともに厚さ方向の径が均一であり、また微細化が容易である。このため、上述のような貫通孔12A内にめっき処理によって充填した第1のめっき材14は、大きさが均一であるとともに微細なものとすることができる。このため、本実施形態によれば、均一かつ微細にピクセル電極を形成することができ、その高精細化を図ることができる。
具体的には、ピクセル電極24の径を30μm以下であって、高さが50μm以上の微細かつ高アスペクト比のピクセル電極24を形成することができる。なお、ピクセル電極24の径の下限値は、第1のドライフィルムレジスト12に対する露光現像処理における光の回折限界によって決定されるものであり、使用する光源の波長に依存する。現状では、その下限値は15μm程度である。一方、ピクセル電極24を高精度に形成するための高さの限界は、使用する光源の強度及び第1のドライフィルムレジスト12の材料組成に依存するが、例えば100μm程度である。
なお、複数のストリップ陰極電極23は、第1のマスク12Xが形成されたメタル基板11の裏面に形成されている第2のマスク13Xの複数の第3の貫通孔13B内に充填された第2のめっき材15により形成され、後にピクセル電極の一部を構成する第2のめっき材15が充填される第2のマスク13Xの複数の円柱状の第2の貫通孔13Aは、メタル基板11を介して複数の円柱状の第1の貫通孔12Aと同一箇所に形成される。
このように、本実施形態では、メタル基板11の両面において第1のマスク12X及び第2のマスク13Xを形成した後、これらのマスクを用いて複数のストリップ陰極電極23及び複数のピクセル電極24を構成するようにしている。
メタル基板11の両面のマスク12X及び13Xは、メタル基板11の両面にドライフィルムレジスト12及び13を形成した後、これらドライフィルムレジストに対して、例えばブック方式と呼ばれる、2つのマスクパターンの一端が固定されてなるような構成のマスクパターンを用い、当該2つのマスクパターンをメタル基板11及びその両面に形成されたドライフィルムレジスト12,13を挟み込むようにして配置した後、同時あるいは順次にパターニングして形成することができる。したがって、第1のマスク12X及び第2のマスク13Xの位置づれを十分に抑制することができ、これらマスク12X及び13Xの位置合わせを正確に行うことができる。
この結果、ガス増幅を用いた放射線検出器20のストリップ陰極電極23及びピクセル電極24の相対位置、特にストリップ陰極電極23の開口部23h内に突出したピクセル電極24の上部の相対位置を高精度に画定することができる。
また、本実施形態では、メタル基板11は第2のめっき材15をマスクとしてパターニングされ、ピクセル電極24及びストリップ陰極電極23の一部を構成するようになる。すなわち、ピクセル電極24及びストリップ陰極電極23は、低抵抗のメタル基板11からなる第1の金属層、及び高抵抗の第2のめっき材15からなる第2の金属層(具体的にはこれらの積層体)を含むようになる。このため、ピクセル電極24及びストリップ陰極電極23の全体的な抵抗が低減されるので、ガス増幅を用いた放射線検出器20を駆動させて、これら電極間に高電圧を印加した場合においても、アーク放電等が生じにくくなり、またアーク放電が生じたとしても、抵抗の高い第2の金属層間において生じるため短時間で消滅してしまうので、上記電極のダメージを低減することができる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
11 板状のメタル基板
12 第1のドライフィルムレジスト
12X 第1のマスク
13 第2のドライフィルムレジスト
13X 第2のマスク
14 第1のめっき材
15 第2のめっき材
16 絶縁材
17X 第3のマスク
18 ストリップ電極
20 ガス増幅を用いた放射線検出器
21 ストリップ陽極電極
22 絶縁層
23 ストリップ陰極電極
24 ピクセル電極

Claims (3)

  1. 板状の第1の金属からなるメタル基板を準備する工程と、
    前記メタル基板の主面に第1のドライフィルムレジストを形成するとともに、裏面に第1のドライフィルムよりも薄い第2のドライフィルムレジストを形成する工程と、
    前記第1のドライフィルムレジストに対して露光現像処理を施し、前記メタル基板の少なくとも一辺に沿うとともに、前記少なくとも一辺と直交する方向に沿うように配列された前記メタル基板の主面が露出した複数の円柱状の第1の貫通孔が形成された第1のマスクを形成する工程と、
    前記第2のドライフィルムレジストに対して露光現像処理を施し、前記メタル基板の裏面が露出するようにして前記複数の第1の貫通孔と対応する位置に第1の貫通孔と同一形状の複数の円柱状の第2の貫通孔が形成されるとともに、第2の貫通孔の外側に、第2の貫通孔を同心円状に囲むリング状の非貫通孔部分を介して、前記メタル基板の少なくとも一辺に沿い、互いにストリップ状の非貫通部により画定された複数のスロット状の第3の貫通孔が形成された第2のマスクを形成する工程と、
    前記メタル基板に対して前記第1のマスク及び前記第2のマスクを介してめっき処理を行い、前記第1のマスクの前記複数の第1の貫通孔を、前記第1の金属よりも電気抵抗の大きい第2の金属からなる複数の第1のめっき材で充填するとともに、前記第2のマスクの前記複数の第2の貫通孔及び前記複数の第3の貫通孔を、前記第2の金属からなる複数の第2のめっき材で充填する工程と、
    前記第1のマスク及び前記第2のマスクを剥離した後、前記メタル基板の主面上に残存した前記複数の第1のめっき材の上面が露出するようにして絶縁材を形成する工程と、
    前記第1のマスク及び前記第2のマスクを剥離した後、前記メタル基板の裏面上に残存した前記複数の第2のめっき材をマスクとしてエッチング処理を行い、前記メタル基板をパターニングする工程と、
    前記絶縁材上にドライフィルムレジストを形成した後に、露光現像し、前記メタル基板の前記少なくとも一辺と直交する方向に沿って、当該方向に配列した前記複数の第1のめっき材を等間隔で分断するように画定されたストリップ部分を覆い、残部を露出させた第3のマスクを形成する工程と、
    前記第3のマスクを介してめっき処理を行い、前記絶縁材上に、前記複数の第1のめっき材の上面と電気的に接触するように形成された複数のストリップ形状のめっき膜を形成する工程とを具え、
    前記複数のストリップ形状のめっき膜を含む複数のストリップ陽極電極、前記複数の第2のめっき材を含む複数のストリップ陰極電極、及び前記複数の第1のめっき材を含む複数のピクセル電極を有するガス増幅を利用した放射線検出器を製造することを特徴とする、ガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法。
  2. 前記ピクセル電極を構成する前記めっき材の直径が20μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法。
  3. 絶縁層の主面上に形成された、円形状の複数の開口部を有する複数のストリップ陰極電極と、
    前記絶縁層の裏面上に形成された、前記複数のストリップ陰極電極と直交するように形成された複数のストリップ陽極電極と、
    前記複数のストリップ陽極電極のそれぞれの上において延在し、それぞれが前記絶縁層を貫通して前記開口部の略中心部に先端が露出してなる複数のピクセル電極とを具え、
    前記複数のストリップ陰極電極及び前記複数のピクセル電極は、それぞれ第1の金属からなる第1の電極層と、この第1の電極層上に形成された前記第1の金属よりも電気抵抗の大きな第2の金属からなる第2の電極層と、を含むことを特徴とする、ガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法。
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