JP5987594B2 - ガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法 - Google Patents

ガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法に関する。
ガス増幅を利用した放射線検出器として、ピクセル型の放射線検出器が用いられてきた。この放射線検出器は、例えば両面プリント基板の主面側の一方の配線層がストリップ陰極電極から構成され、裏面側の他方の配線層がストリップ陽極電極から構成され、ストリップ陰極電極には、一定間隔に開口部が形成されるとともに、開口部の中心には裏面のストリップ陽極電極と接続されている円柱状陽極電極、すなわちピクセル電極が形成されたような構成を採っている。
なお、放射線検出器は、例えばArとエタンとの混合ガス中に配置される。また、ピクセル電極とストリップ陰極電極との間には所定の電圧が印加されている。
上記放射線検出器においては、所定の放射線が検出器内に入射すると、ガスが電離して電子を生成し、この電子は、上記ストリップ陰極電極と上記ピクセル電極との間に印加された高電圧、及び上記ピクセル電極の点電極としての形態(形状異方性)に起因して生成される強力な電場によって、電子雪崩増幅を引き起こす。一方、電子雪崩増幅によって生じた正イオンは、周囲のストリップ陰極電極に向けてドリフトする。
この結果、対象となるストリップ陰極電極及びピクセル電極に、それぞれ正孔と電子とがチャージされる。この電荷が生成されたストリップ陰極電極及びピクセル電極の位置を検出することによって、放射線の検出器における入射位置を特定することができ、放射線の検出が可能となる(特許文献1)。
このようなガス増幅を利用した放射線検出器の検出感度を増大させるためには、上述したストリップ陰極電極、ストリップ陽極電極、及びストリップ陽極電極と接続されているピクセル電極の高精細化を図る必要がある。
特許文献2には、ポリイミド樹脂の両面に銅箔を形成した両面プリント基板を作製した後、この両面プリント基板の裏面側の銅箔をパターニングしてストリップ陽極電極とし、さらに両面プリント基板の主面側から炭酸ガスレーザ光を照射して、主面側の銅箔から裏面側のストリップ陽極電極に至る貫通孔を形成し、さらに貫通孔内に銅めっきを行うことにより、当該貫通孔を銅で充填して上記ピクセル電極を形成し、その後、主面側の銅箔をパターニングしてストリップ陰極電極を形成して、ガス増幅を利用した放射線検出器を製造する技術が開示されている。
しかしながら、この技術では、ピクセル電極を形成するための貫通孔をレーザ光を用いて形成しているため、貫通孔の内壁面が粗れており、めっき法で貫通孔内に銅充填を行う場合において、貫通孔内に均一に銅充填を行うことができない。例えば、貫通孔内で銅が充填されない部分が生じたり、めっきが進行し過ぎて銅が針状に形成されてしまったりする場合があった。さらには、レーザ光のビーム径及び強度が両面プリント基板の主面側から裏面側に至るまでに均一ではないために、貫通孔の孔径が、主面側と裏面側とで異なる場合もある。
このため、均一かつ微細な大きさのピクセル電極を形成することができないという問題が生じ、また、針状に成長した銅は放射線検出器として使用する際の高電圧印加時において、放電の原因となるために、放射線検出器を安定して動作することができないという問題があった。
特開2002−6047号 特開2002−90465号
本発明は、ストリップ陰極電極、ストリップ陽極電極、及びストリップ陽極電極と接続されているピクセル電極を有するガス増幅を利用した放射線検出器において、特にピクセル電極を均一かつ微細に形成して高精細化を図り、上記放射線検出器の検出感度を増大させることを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
板状のステンレス基板を準備する工程と、
前記ステンレス基板の主面上に第1のドライフィルムレジストを形成した後に、露光現像し、前記ステンレス基板の少なくとも一辺に沿った第1の方向、及び当該第1の方向と直交する第2の方向にそれぞれ配列した複数の環状部分、並びに前記複数の環状部分のうちの、前記第1の方向に隣接する環状部分同士を等間隔で分断するように画定されたストリップ形状部分を覆い、残部を露出させた第1のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクを介して前記ステンレス基板の主面上に電鋳を行い、前記第1のマスクの、前記複数の環状部分の内方に複数の円形状の第1の電鋳膜を形成するとともに、前記複数の円形状の第1の電鋳膜を、前記第1のマスクの前記複数の環状部分に相当する環状の電鋳膜非形成領域を介して、前記複数の円形状の第1の電鋳膜を含むようにして複数のストリップ形状の第2の電鋳膜を形成する工程と、
前記ステンレス基板の主面上において、前記複数の円形状の第1の電鋳膜及び前記複数のストリップ形状の第2の電鋳膜を覆うように前記ステンレス基板の主面上全面に第2のドライフィルムレジストを形成した後、当該第2のドライフィルムレジストに対して露光現像処理を行い、前記複数の円形状の第1の電鋳膜が露出するような複数の円柱状の貫通孔を形成する工程と、
前記複数の円柱状の貫通孔内に、前記複数の円形状の第1の電鋳膜を介して電鋳を行い、前記複数の円柱状の貫通孔内に電鋳材を充填する工程と、
前記第2のドライフィルムレジストを剥離した後、前記ステンレス基板の主面上に、前記電鋳材の上面が露出するようにして絶縁材を形成する工程と、
前記絶縁材上に第3のドライフィルムレジストを形成した後に、露光現像し、少なくとも前記ステンレス基板の前記少なくとも一辺と直交する方向に沿って、当該方向に配列した前記複数の電鋳材を等間隔で分断するように画定されたストリップ形状部分を覆い、残部を露出させた第2のマスクを形成する工程と、
前記第2のマスクを介してめっき処理を行い、前記絶縁材上に、前記複数の電鋳材の上面と電気的に接触するように形成された複数のストリップ形状のめっき膜を形成する工程と、
前記ステンレス基板を除去する工程とを具え、
前記複数のストリップ形状の第2の電鋳膜からなる複数のストリップ陰極電極、前記複数のストリップ形状のめっき膜からなる複数のストリップ陽極電極、及び前記複数の電鋳材からなる複数のピクセル電極を含むガス増幅を利用した放射線検出器を製造することを特徴とする、ガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法に関する。
本発明によれば、ステンレス基板の主面上に、電鋳法を用いて、後にガス増幅を利用した放射線検出器のピクセル電極の一部となる複数の円形状の第1の電鋳膜を形成し、また、これら複数の円形状の第1の電鋳膜をマスク形状に起因した環状の電鋳膜非形成領域を介して含むように、後に複数のストリップ陰極電極となる複数のストリップ形状の第2の電鋳膜を形成している。さらに、上記ステンレス基板の主面上に、上述した複数の第1の電鋳膜及び第2の電鋳膜を覆うようにしてドライフィルムレジストを形成し、このドライフィルムレジストに対して露光現像処理を施し、上記複数の第1の電鋳膜に相当する位置に複数の円柱状の貫通孔を形成し、これら複数の貫通孔に対して電鋳を行って電鋳材で充填するようにしている。また、複数の貫通孔は、ステンレス基板の互いに直交する2つの方向において縦横に形成されているので、上記電鋳材も同様にして形成されることになる。
したがって、電鋳材は、ストリップ陰極電極である複数のストリップ形状の第1の電鋳膜の、上記環状の電鋳膜非形成領域で画定される開口部の中心に位置し、その配列パターンに対して平行かつ直交するように配列されていることからピクセル電極として使用することができる。
また、ドライフィルムレジストに形成した貫通孔は、当該ドライフィルムレジストに対して露光現像処理を行って形成したものである。このようにして形成した貫通孔は、その壁面が平滑であるとともに厚さ方向の径が均一であり、また微細化が容易である。このため、上述のような貫通孔内に電鋳法によって充填した電鋳材は、大きさが均一であるとともに微細なものとすることができる。したがって、本発明によれば、均一かつ微細にピクセル電極を形成することができ、その高精細化を図ることができる。
なお、本発明では、ステンレス基板を用いた電鋳法によって、ピクセル電極を構成する電鋳材の下地膜に相当する第1の電鋳膜及びストリップ陰極電極を構成する第2の電鋳膜を形成している。このため、これら第1の電鋳膜及び第2の電鋳膜は、目的とする形成箇所に極めて高い精度で形成することができる。したがって、第1の電鋳膜を介して形成した電鋳材からなるピクセル電極、及び第2の電鋳膜からなるストリップ陰極電極の位置精度を向上させることもできる。
また、本発明によれば、ガス増幅を用いた放射線検出器において、極めて高い電圧が印加されるピクセル電極及びストリップ陰極電極を、ステンレス基板上に形成することができるので、これらの電極面を十分に平坦化することができる。したがって、高電圧印加時の、電極面に形成された凸部等に基づくアーク放電の発生なども抑制することができる。
なお、ストリップ陽極電極は、上記ピクセル電極(電鋳材)を覆い、かつ上面が露出するようにして絶縁材を形成し、この絶縁材上にドライフィルムレジストを形成した後に露光現像し、上記複数のストリップ形状の第2の電鋳膜と直交するように複数のストリップ形状のめっき膜を形成する。このめっき膜は、ピクセル電極の上面と電気的に接触するので、ガス増幅を用いた放射線検出器のストリップ陽極電極を構成するようになる。
以上のように、本発明によれば、ピクセル電極を均一かつ微細に形成して高精細化を図ることができるので、検出感度の高いガス増幅を利用した放射線検出器を提供することができる。
なお、上記ステンレス基板は、ガス増幅を用いた放射線検出器においては不要な構成要素であるので、放射線検出器を完成させた後に適宜除去する。
以上説明したように、本発明によれば、ストリップ陰極電極、ストリップ陽極電極、及びストリップ陽極電極と接続されているピクセル電極を有するガス増幅を利用した放射線検出器において、特にピクセル電極を均一かつ微細に形成して高精細化を図り、上記放射線検出器の検出感度を増大させることができる。
実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。 実施形態におけるガス増幅を用いた放射線検出器の製造方法における工程図である。
以下、本発明の特徴及びその他の利点について、発明を実施するための形態に基づいて説明する。
図1〜図9は、本実施形態のガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法における工程図である。なお、これらの図においては、本実施形態における製造方法の特徴を明確にすべく、製造過程にある放射線検出器の一部を拡大して示している。
最初に、図1に示すように、主面及び裏面が矩形状(長方形あるいは正方形)であって、厚さ方向に垂直な断面積が均一な板状、すなわち四角柱形状のステンレス基板11を準備する。このステンレス基板11は、汎用のステンレス材から構成することができ、例えばJISで規定された任意のSUS材から構成することができる。
次いで、図2に示すように、ステンレス基板11の裏面側に保護フィルム12を貼付した後、ステンレス基板11の主面側にドライフィルムレジストを形成して露光現像処理を施し、ステンレス基板11の互いに平行であって相対向する一対の辺11A,11B、及びこれらの辺と直交する辺11Cに沿って配列した複数の環状部分、及び一対の辺11A,11Bに沿って配列され、当該方向において複数の環状部分を等間隔Wで分断するように画定されたストリップ形状部分を覆い、残部を露出させたマスク13を形成する。
保護フィルム12は、ステンレス基板11を以下に説明するような工程に従って加工する際に、ステンレス基板11の裏面に対する損傷を防止するためのものであり、使用する薬液に対する溶解から保護するためのものである。このような保護フィルム12としては、ポリイミドフィルムやPETフィルム等汎用の保護フィルムを用いることもできるし、安価なポリプロピレンフィルム等のようにポリオレフィン系のフィルムを用いることもできる。
但し、ステンレス基板11が、硬度が高く、その結果、外傷を受けにくく、さらに化学的に安定で薬液に対する耐性も高いようなSUS材から構成されるような場合は、特に保護フィルム12を用いる必要はない。
ドライフィルムレジストは、例えば保護フィルム及び支持フィルムで感光性の樹脂層を狭持したような汎用のものを用いることができ、旭化成/SUNFORT、DuPont/MPF、日立化成/ファテック及びニチゴーモートン/NITなどを用いることができる。
次いで、図3に示すように、マスク13を介してステンレス基板11の主面上に電鋳を行い、マスク13の上記複数の環状部分の内方に複数の円形状の第1の電鋳膜14を形成し、マスク13の複数の環状部材に相当する環状の電鋳非形成領域を介して、複数の第1の電鋳膜14を含むようにして複数のストリップ形状の第2の電鋳膜15を形成する。
なお、複数の第1の電鋳膜14は後の電鋳処理に対する下地膜として機能し、複数の第1の電鋳膜14はそのままガス増幅を用いた放射線検出器の複数のストリップ陰極電極を構成するので、電気的良導体の金属、例えば銅、金、銀、アルミニウム等から構成する。しかしながら、一般には安価であって、放射線検出器の電極材料として長年に亘って用いられ、高い信頼性を有する銅から構成する。
また、第1の電鋳膜14の径d1は、上記電鋳処理を経て形成するピクセル電極の径を画定するものであるので、当該径を考慮して決定するが、通常は数十μmのオーダである。
ステンレス基板11の主面及び裏面が長方形あるいは正方形以外の板状であって、相対向する一対の辺11A、11Bが互いに非平行である場合は、いずれか一方の辺に沿うようにしてマスク13の複数の環状部分を形成し、複数のストリップ形状部分を形成する。ステンレス基板11は、後に説明するようにガス増幅を用いた放射線検出器が完成した後は除去するものであるため、上述のようにしてマスク13を形成し、これに基づいて複数の第1の電鋳膜14及び複数の第2の電鋳膜15を形成しても、放射線検出器の動作には何ら影響を及ぼすものではない。
次いで、図4に示すように、ステンレス基板11の主面上に、複数の第1の電鋳膜14及び複数の第2の電鋳膜15を覆うようにしてドライフィルムレジスト16を形成して露光現像処理を行い、当該ドライフィルムレジスト16に対して複数の第1の電鋳膜14が露出するような複数の円柱状の貫通孔16hを形成する。なお、ドライフィルムレジスト16は、上述した汎用のものから構成する。
なお、ドライフィルムレジスト16の厚さt1は、後に形成するピクセル電極の高さを画定するものであるので、当該高さを考慮して決定するが、通常は数十μmのオーダである。
また、ドライフィルムレジスト16の貫通孔16hの径は、第1の電鋳膜14の径と同様に、後に形成するピクセル電極の径を画定するものであるので、当該径を考慮して決定するが、通常は数十μmのオーダである。
次いで、図5に示すように、ドライフィルムレジスト16に形成した複数の円柱状の貫通孔16hに対して電鋳処理を施し、これら貫通孔16h内にそれぞれ電鋳材17を充填する。
電鋳材17は、後にピクセル電極を構成するので、電気的良導体の金属、例えば銅、金、銀、アルミニウム等から構成する。しかしながら、一般には安価であって、放射線検出器の電極材料として長年に亘って用いられ、高い信頼性を有する銅から構成する。
次いで、図6に示すように、ドライフィルムレジスト16を剥離して複数の電鋳材17を露出させた後、図7に示すように、ステンレス基板11上に、露出した複数の電鋳材17の上面が露出するようにして絶縁材18を形成する。
絶縁材18は、後に放射線検出器のストリップ陽極電極及びストリップ陰極電極間を電気的に絶縁する絶縁層となるものであり、エポキシ樹脂を主成分とするポッティングレジンやトランスファーモールドレジン、さらには液状封止材、一括封止成形用テープ及び高耐熱コーティング材等のモールド樹脂を形成、又はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂のシート状のプリプレグを貼付することによって形成する。なお、絶縁材18の厚さt2は、通常は数十μmから数百μmのオーダである。
なお、上述のようにして形成した絶縁材18は、必要に応じてプラズマ照射や加熱することによって乾燥させる。また、絶縁材18の表面が凸凹であって、10μmオーダの表面粗さを有しているような場合は、適宜研磨処理を行って平滑にする。一方、絶縁材18の表面には再度ドライフィルムレジストを形成するので、当該ドライフィルムレジストと絶縁材18との密着性が向上するように、例えば絶縁材18の表面を表面粗さが1μm程度となるように粗化処理を行ってもよい。
次いで、図8に示すように、絶縁材18上に、上記同様にしてドライフィルムレジストを形成した後、露光現像処理を施し、ステンレス基板11の、一対の辺11A,11Bと直交する辺11Cの方向に沿って、当該方向に配列された複数の電鋳材17を等間隔で分断するように画定されたストリップ形状部分、及び辺11B側の縁部を覆い、残部を露出させたマスク19を形成する。
次いで、マスク19を介してめっき処理を行い、絶縁材18上に、複数の電鋳材17の上面と電気的に接触し、辺11Cに沿って複数のストリップ形状の第3のめっき膜21を形成する。なお、マスク19は第3のめっき膜21の形成後に除去する(図9参照)。
複数のストリップ形状のめっき膜21はそのまま複数のストリップ陽極電極21を構成し、上述したように、複数のストリップ形状の第2の電鋳膜15は複数のストリップ陰極電極を構成する。また、複数の電鋳材17は複数のピクセル電極24を構成する。さらに、絶縁材18は、複数のストリップ陽極電極21と複数のストリップ陰極電極23とを電気的に絶縁する絶縁層22を構成する。この結果、目的とするガス増幅を用いた放射線検出器20を得ることができる。
なお、放射線検出器20を形成した後は、ステンレス基板11を機械的に研削(例えばグラインダーによる研削等)及び化学的に研削(CMPによる研削等)によって除去する。
本実施形態では、ステンレス基板11の主面上に、電鋳法を用いて、後にガス増幅を利用した放射線検出器20のピクセル電極24の一部となる複数の円形状の第1の電鋳膜14を形成し、さらに、これら複数の円形状の第1の電鋳膜14をマスク形状に起因した環状の電鋳膜非形成領域を介して含むように、後に複数のストリップ陰極電極23となる複数のストリップ形状の第2の電鋳膜15を形成している。
また、ステンレス基板11の主面上に、複数の第1の電鋳膜14及び第2の電鋳膜15を覆うようにしてドライフィルムレジスト16を形成し、このドライフィルムレジスト16に対して露光現像処理を施し、複数の第1の電鋳膜14に相当する位置に複数の円柱状の貫通孔16hを形成し、これら複数の貫通孔16hに対して電鋳処理を施して電鋳材17で充填するようにしている。
また、ドライフィルムレジスト16に形成した貫通孔16hは、当該ドライフィルムレジスト16に対して露光現像処理を行って形成したものである。このようにして形成した貫通孔16hは、その壁面が平滑であるとともに厚さ方向の径が均一であり、また微細化が容易である。このため、上述のような貫通孔16h内に電鋳処理によって充填した電鋳材17は、大きさが均一であるとともに微細なものとすることができる。このため、本実施形態によれば、均一かつ微細にピクセル電極を形成することができ、その高精細化を図ることができる。この結果、放射線検出器20の検出感度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、ステンレス基板を用いた電鋳法によって、ピクセル電極24を構成する電鋳材17の下地膜に相当する第1の電鋳膜14及びストリップ陰極電極を構成する第2の電鋳膜15を形成している。このため、これら第1の電鋳膜14及び第2の電鋳膜15は、目的とする形成箇所に極めて高い精度で形成することができる。したがって、第1の電鋳膜14を介して形成した電鋳材17からなるピクセル電極24、及び第2の電鋳膜15からなるストリップ陰極電極23の位置精度を向上させることもできる。
また、本実施形態によれば、ガス増幅を用いた放射線検出器において、極めて高い電圧が印加されるピクセル電極24及びストリップ陰極電極23を、ステンレス基板11の主面上に形成することができるので、これらの電極面を十分に平坦化することができる。したがって、高電圧印加時の、電極面に形成された凸部等に基づくアーク放電の発生なども抑制することができる。
なお、ピクセル電極24は、その径が30μm以下であって、高さが50μm以上の微細かつ高アスペクト比のピクセル電極として形成することができる。なお、ピクセル電極24の径の下限値は、ドライフィルムレジスト16に対する露光現像処理における光の回折限界によって決定されるものであり、使用する光源の波長に依存する。現状では、その下限値は15μm程度である。一方、ピクセル電極24を高精度に形成するための高さの限界は、使用する光源の強度及びドライフィルムレジスト16の材料組成に依存するが、例えば100μm程度である。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
11 板状のステンレス基板
12 保護フィルム
13 ドライフィルムレジストのマスク
14 (円形状の)第1の電鋳膜
15 (ストリップ形状の)第2の電鋳膜
16 ドライフィルムレジスト
16h 円柱状の貫通孔
17 電鋳材
18 絶縁材
19 ドライフィルムレジストのマスク
20 ガス増幅を用いた放射線検出器
21 ストリップ陽極電極
22 絶縁層
23 ストリップ陰極電極
24 ピクセル電極

Claims (2)

  1. 板状のステンレス基板を準備する工程と、
    前記ステンレス基板の主面上に第1のドライフィルムレジストを形成した後に、露光現像し、前記ステンレス基板の少なくとも一辺に沿った第1の方向、及び当該第1の方向と直交する第2の方向にそれぞれ配列した複数の環状部分、並びに前記複数の環状部分のうちの、前記第1の方向に隣接する環状部分同士を等間隔で分断するように画定されたストリップ形状部分を覆い、残部を露出させた第1のマスクを形成する工程と、
    前記第1のマスクを介して前記ステンレス基板の主面上に電鋳を行い、前記第1のマスクの、前記複数の環状部分の内方に複数の円形状の第1の電鋳膜を形成するとともに、前記複数の円形状の第1の電鋳膜を、前記第1のマスクの前記複数の環状部分に相当する環状の電鋳膜非形成領域を介して、前記複数の円形状の第1の電鋳膜を含むようにして複数のストリップ形状の第2の電鋳膜を形成する工程と、
    前記ステンレス基板の主面上において、前記複数の円形状の第1の電鋳膜及び前記複数のストリップ形状の第2の電鋳膜を覆うように前記ステンレス基板の主面上全面に第2のドライフィルムレジストを形成した後、当該第2のドライフィルムレジストに対して露光現像処理を行い、前記複数の円形状の第1の電鋳膜が露出するような複数の円柱状の貫通孔を形成する工程と、
    前記複数の円柱状の貫通孔内に、前記複数の円形状の第1の電鋳膜を介して電鋳を行い、前記複数の円柱状の貫通孔内に電鋳材を充填する工程と、
    前記第2のドライフィルムレジストを剥離した後、前記ステンレス基板の主面上に、前記電鋳材の上面が露出するようにして絶縁材を形成する工程と、
    前記絶縁材上に第3のドライフィルムレジストを形成した後に、露光現像し、少なくとも前記ステンレス基板の前記少なくとも一辺と直交する方向に沿って、当該方向に配列した前記複数の電鋳材を等間隔で分断するように画定されたストリップ形状部分を覆い、残部を露出させた第2のマスクを形成する工程と、
    前記第2のマスクを介してめっき処理を行い、前記絶縁材上に、前記複数の電鋳材の上面と電気的に接触するように形成された複数のストリップ形状のめっき膜を形成する工程と、
    前記ステンレス基板を除去する工程とを具え、
    前記複数のストリップ形状の第2の電鋳膜からなる複数のストリップ陰極電極、前記複数のストリップ形状のめっき膜からなる複数のストリップ陽極電極、及び前記複数の電鋳材からなる複数のピクセル電極を含むガス増幅を利用した放射線検出器を製造することを特徴とする、ガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法。
  2. 前記ピクセル電極を構成する前記電鋳材の直径が20μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガス増幅を利用した放射線検出器の製造方法。
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