本発明の実施形態を図1〜図15を用いて説明する。ここで、本発明は、各種表示入力装置に適用可能であるが、複合機100(画像形成装置に相当)に設けられた操作パネル1(表示入力装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概略構成)
まず、図1に基づき、実施形態に係る複合機100本体の概略を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
本実施形態の複合機100は、上部に画像読取部2a、原稿搬送部2b、操作パネル1等が設けられる(操作パネル1の詳細は後述)。原稿搬送部2bは、原稿載置トレイ21に積載された原稿を1枚ずつ連続的に画像読取部2aの読取位置(送り読取用コンタクトガラス22)に向けて搬送する。又、原稿搬送部2bは、図1の紙面奥側に設けられた支点(不図示)により、手前側を振るようにして開閉可能である。例えば書籍等の原稿を載置読取用コンタクトガラス23に載せ、原稿搬送部2bを閉じることで原稿を抑えることができる。画像読取部2aは、送り読取用コンタクトガラス22を通過する原稿、又は、載置読取用コンタクトガラス23に載置された原稿を読み取り、画像データを生成する。生成された原稿の画像データは、コピーや送信などに用いられる。
また、複合機100本体内部に、印刷部3が設けられる。印刷部3は、給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、中間転写部3d、定着部3eを含む。
給紙部3aは、印刷に用いる用紙を収容、供給する。搬送部3bは、装置内で用紙を搬送する通路である。画像形成部3cは、各色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)の画像形成ユニット31Bk、31Y、31C、31Mと画像形成ユニット31Bk〜31Mのそれぞれに設けられた感光体ドラムを露光する露光装置32を含む。各画像形成ユニット31Bk、31Y、31C、31Mと露光装置32は、画像データに基づき、各色のトナー像を生成する。中間転写部3dは、生成されたトナー像を各画像形成ユニット31Bk、31Y、31C、31Mからずれなく重畳しつつ1次転写を受け、給紙部3aから供給された用紙にトナー像を2次転写する。定着部3eは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。搬送部3bは、定着部3eを通過した用紙を排出トレイ33に排出する。
(操作パネル1)
次に、図2を用いて、実施形態に係る操作パネル1の一例を説明する。図2は、実施形態に係る操作パネル1の一例を示す図である。
操作パネル1は、コピー等の印刷や原稿読取や画像データの送信の設定を行うための表示入力装置として機能する。そして、図1に示すように、複合機100の正面上方に設けられる。そして、図2に示すように、操作パネル1は、表示部11を含む。
表示部11は、液晶表示パネルである。しかし、画面、画像を表示できるものであればよく、有機EL表示パネルのように、液晶パネル以外の表示パネルを用いてもよい。そして、表示部11は、設定する設定項目(用いる機能)を選択するため画面や、設定値を設定するための画面を表示する。また、表示部11は、設定項目の選択、設定値の設定、設定の完了、設定のキャンセル、ジョブの実行指示を行うためのボタン(キー)、説明する文字などの画像を各画面内に表示する。使用者は、表示部11に表示されたボタンに対して操作を行う(ボタンの表示位置をタッチする)ことで、印刷、スキャン、送信など複合機100で実行できるジョブに関する設定を行う。
又、表示部11の上面には、タッチパネル部12が設けられる。タッチパネル部12はタッチされた位置、座標を検知するためのものである。尚、タッチパネル部12には、複数点のタッチを検知できるものが用いられる(例えば、静電容量方式)。
又、操作パネル1には、以下のようなハードキーが設けられる。例えば、数字入力用のテンキー部13や、各種設定後、コピー等の処理開始指示用のスタートキー14が設けられる。又、コピー機能を利用する際に押されるコピーキー15、スキャナ機能、FAX機能のような送信機能を利用する際に押される送信キー16のような機能を選択するためのキーも設けられる。また、部門管理やユーザー管理や通信設定など、複合機100のシステム的な設定を行うときに押されるシステムメニューキー17も設けられる。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図3は、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示す図である。
複合機100内には、主制御部4が設けられる。主制御部4は、例えば、操作パネル1、画像読取部2a、原稿搬送部2b、印刷部3(給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3e)などの制御を行う。
主制御部4は、例えば、CPU41等の処理、演算を行う素子を含む。CPU41は、記憶部42に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機100の各部を制御する。尚、主制御部4は、全体制御や画像処理を行う制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部を分割するなど、機能ごとに分割されてもよい。
記憶部42は、主制御部4と通信可能に接続される。記憶部42は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。記憶部42は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。
そして、主制御部4は、各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えた通信部43(通信インターフェイス)と通信可能に接続される。通信部43はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバー)や相手方FAX装置300(図7では、いずれも便宜上1つのみ図示)と接続される。例えば、通信部43を用いて、画像読取部2aでの原稿読み取りで得られた画像データをコンピューター200や相手方FAX装置300に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、通信部43を用いて、コンピューター200や相手方FAX装置300から送信され、複合機100に入力される画像データに基づき印刷等を行うこともできる(プリンター機能、FAX機能)。
又、例えば、主制御部4には、画像読取部2aで原稿を読み取って得られた画像データや通信部43を介して複合機100に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部44が設けられる。画像処理部44が処理した画像データは、画像形成部3cに送信され印刷に用いられたり、記憶部42に記憶されたり、通信部43からコンピューター200等に送信される。
又、主制御部4は、操作パネル1と通信可能に接続される。主制御部4は、操作パネル1になされた入力内容、設定内容を示す信号を操作パネル1から受信し、使用者の設定にあわせてコピーや送信のようなジョブが行われるように印刷部3、原稿搬送部2b、画像読取部2a、通信部43、記憶部42などを制御する。
次に、本実施形態の操作パネル1について説明する。操作パネル1は、パネル制御部10、メモリー18、表示部11、タッチパネル部12、テンキー部13、スタートキー14、コビーキー15、送信キー16、システムメニューキー17などを含む。
パネル制御部10は、CPUやICや表示部11のパネルのドライバ回路などを含む。パネル制御部10は、表示部11の表示を制御する。又、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力を受け、表示部11(タッチパネル部12)で押された(タッチされた)位置の座標を認識する。タッチパネル部12の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリー18に記憶される。パネル制御部10は、押された位置の座標と、表示部11に表示されている画面の画像データを比較して、画面上で操作された(押された)ボタンを特定、認識する。又、パネル制御部10は、ハードキーからの信号を受け、いずれのハードキーが押されたかを認識する。
また、メモリー18には、タッチパネル部12に対する操作(各画面に配されるボタンへの操作)や、ハードキーへの操作に応じて、各画面を表示するため画面用データD1が記憶される。画面用データD1は、各画面ごとに、画面の背景データや、枠組みの画像データや、画面に表示するボタンやメッセージ、説明文などのデータ(画像データやテキストデータ)など、表示に要する各種データを含む。パネル制御部10は、操作に応じ、画面データのうち、次に表示する画面の表示に要するデータを読み出し、表示部11に画面を切り替えさせる。
(画面表示の階層構造)
次に、図4を用いて、本実施形態に係る操作パネル1での画面表示の階層構造について説明する。図4は、実施形態に係る操作パネル1の画面表示の階層構造の一例を示す図である。
本実施形態の操作パネル1では、画面表示は階層的な構造となっている。システムメニューキー17を押したり、コピーキー15や送信キー16を押すと、各機能ごとに、メインメニュー画面51が表示される。例えば、コピーはコピー、送信は送信、システム設定はシステム設定のメインメニュー画面が用意される。メインメニュー画面は、図4での第1階層(最上位階層)に相当する。
パネル制御部10は、通常モードでは、画面に表示されたボタンが操作されると、上位階層の画面から操作されたボタンに対応する下位階層の画面を表示部11に表示させる。また、画面内には、例えば、戻るボタンB14のような、上位階層に戻るためのボタンが配される。パネル制御部10は、上位階層に戻るためのボタンが操作されると、現在表示している画面のひとつ上の階層の画面を表示部11に表示させる。
そして、図4において、目印として枠で囲った画面(画面C3、画面D2など)は、遷移の経路上の最下位の階層として示している。言い換えると、目印として枠で囲った画面は、その経路では、更に下位の階層がなく終点の画面にあたる。最下位の階層の画面は、例えば、設定値を選び、設定するための画面である。図4に示すように、設定値を設定するための画面は同じ階層ではなく、最下位の階層が何階層目に当たるかは、経路により異なる。そのため、設定値を設定するための画面の種類により、その画面に到達するまでにボタンを操作する回数が異なる。
このような階層構造を有しているので、使用者は、目的とする画面に到達するには、第1階層(最上位の階層)から目的とする画面(所望の画面)に到るまでの経路を辿るように、ボタンを複数回操作する。
(通常の画面切り替え操作)
本実施形態の操作パネル1では、透過遷移表示を行うことができる。しかし、まず、図5〜図10を用いて、通常の(通常モードでの)画面切り替え操作を説明する。図5〜図10は、実施形態に係る操作パネル1で表示される画面の一例を示す図である。
本説明では、複合機100のシステムに関する設定を行う場合を例に挙げて説明する。具体的に、操作パネル1でシステムメニューキー17(図2参照)を押して、ユーザー管理に関する設定を行う場合について説明する。他の設定(経路)についても同様であるが、説明を割愛する。
図5は、システムメニューキー17を押すと表示されるメインメニュー画面51の一例を示す。パネル制御部10は、システムメニューキー17が押されると、メインメニュー画面51を表示部11に表示させる。メインメニュー画面51は、システムの設定に関する画面のうち、最上位階層の画面である。
メインメニュー画面51には、複数のボタンが配される。メインメニュー画面51に配されるボタンは、設定項目の大きな分類を示す。ユーザー管理に関する設定を行うとき、使用者は、ユーザー管理ボタンB1(「ユーザー管理」の文字列を含むボタン)を操作する(表示位置をタッチする。以下、同様。)。尚、メインメニュー画面51内のユーザー管理ボタンB1以外のボタンを操作すると、対応する画面が表示されるが、詳細については、説明を割愛する。
図6に示すように、ユーザー管理ボタンB1が操作されると、パネル制御部10は、1つ下の階層にあたるユーザー管理画面52を表示部11に表示させる。ユーザー管理画面52には、認証方式ボタンB2(「ユーザー管理」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)と、ユーザーリストボタンB3(「ローカルユーザーリスト」の文字列に付随、対応し、「登録・編集」の文字列を含むボタン)と、ローカル認可ボタンB4(「ローカル認可」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)と、ゲスト認可ボタンB5(「ゲスト認可設定」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)が表示される。認証方式ボタンB2は、ローカル認証(複合機100に記憶された使用者情報に基づく認証)を行うか、ネットワーク認証(ネットワーク経由でサーバーに記憶された使用者情報に基づく認証)を行うかを設定するための画面を表示させるボタンである。ユーザーリストボタンB3は、複合機100の使用許可を与える使用者を登録、編集するためのボタンである。ローカル認可ボタンB4は、ユーザー単位で、使用できる機能(例えば、コピーやスキャンや送信などの機能)を制限、解除するための画面を表示させるボタンである。ゲスト認可ボタンB5は、本来、複合機100やサーバーに登録されていないため、認証を受けられず複合機100を使用できない者(ゲスト)に対する設定を行うための画面を表示させるためのボタンである。
ユーザー管理画面52でゲスト認可ボタンB5が操作されると、図7に示すように、パネル制御部10は、1つ下の階層にあたるゲスト認可設定画面53を表示部11に表示させる。尚、ユーザー管理画面52で、ゲスト認可ボタンB5以外のボタンが押されると対応する画面か表示されるが、詳細については、説明を割愛する。
ゲスト認可設定画面53には、ゲスト認可可否ボタンB6と、ゲストプロパティボタンB7が表示される。ゲスト認可可否ボタンB6(「ゲスト認可」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)は、ゲスト(複合機100に登録されていない使用者)に一時的に複合機100の使用を認めるか否かを設定するための画面を表示させるボタンである。ゲストプロパティボタンB7(「ゲストプロパティ」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)は、ゲストの情報(ゲストのプロパティ)を設定するための画面を表示させるボタンである。
ゲスト認可設定画面53でゲストプロパティボタンB7が操作されると、図8に示すように、パネル制御部10は、1つ下の階層にあたるゲストプロパティ設定画面54を表示部11に表示させる。尚、ゲスト認可設定画面53で、ゲストプロパティボタンB7以外のボタンが押されたとき、対応する画面か表示されるが、詳細については、説明を割愛する。
ゲストプロパティ設定画面54には、ゲストを使用者と扱う場合における情報を設定するためのボタンが計7個配される。ゲストプロパティ設定画面54に配された何れかのボタンをタッチすることで、図8に示すように、ユーザー名(=ゲスト名)、ゲストとしてログインするためのログイン名、ゲストとしてログインするためのパスワードなどを設定することができる。文字列の入力の必要な設定項目(例えば、ユーザー名=ゲスト名など)に対応するボタンが操作されると、パネル制御部10は、文字列入力用のソフトウェアキーボード(不図示)を表示させる。また、ゲストプロパティ設定画面54に配されるボタンのうち、認可情報ボタンB8(「認可情報」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)は、複合機100の機能(コピーや送信など)のうち、ゲストが利用できる機能の制限や、ゲストが利用できる機能を変更するための画面を表示させるボタンである。
ゲストプロパティ設定画面54で認可情報ボタンB8が操作されると、図9に示すように、パネル制御部10は、1つ下の階層にあたる使用制限設定画面55を表示部11に表示させる。尚、ゲストプロパティ設定画面54で、認可情報ボタンB8以外のボタンが押されたとき、対応する画面か表示されるが、詳細については、説明を割愛する。
使用制限設定画面55には、ゲストが使用できる機能を制限するためのボタンが計9個配される。使用制限設定画面55に配されたボタンを操作して、使用者がゲストであるときに使用できる機能を定めることができる。
例えば、印刷に関し、ゲストが、複合機100をコピー機や、プリンターとして利用できるか否かを設定できる。また、コピーやプリントでは、ゲストが、カラー印刷できるか否かを設定できる。また、送信に関し、ゲストが、画像読取部2aが読み取った画像データを、外部メモリー18や記憶部に記憶させることを認めるか否かの設定や、ネットワークやFAXによる送信を認めるか否かの設定を行うことができる。そして、使用制限設定画面55に配されるボタンのうち、送信制限ボタンB9(「送信制限」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)は、ゲストが、複合機100の機能のうち、ネットワークのコンピューター200や記憶装置に、画像データを送信(ファクシミリ送信を除く)する機能を利用できるか否かを設定するための画面を表示させるボタンである。
使用制限設定画面55で送信制限ボタンB9が操作されると、図10に示すように、パネル制御部10は、1つ下の階層にあたる送信制限設定画面56を表示部11に表示させる。尚、使用制限設定画面55で、送信制限ボタンB9以外のボタンが押されたとき、操作されたボタンに対応する画面か表示されるが、詳細については、説明を割愛する。
送信制限設定画面56は、設定値を設定するための画面であり、階層的に最下層の画面である。送信制限設定画面56では、「ゲストに送信を認める」という設定値と、「ゲストに送信を認めない」という設定値のうち、何れかを選択することができる。
具体的に、送信制限設定画面56には、送信制限を実行させるための制限実行ボタンB10(「設定する」の文字列を含むボタン)と、送信制限をかけないようにするための制限不実行ボタンB11(「設定しない」の文字列を含むボタン)が表示される。パネル制御部10は、制限実行ボタンB10が操作され、OKボタンB12(「OK」の文字列を含むボタン)が操作されると、送信制限を行う設定がなされたと認識する。パネル制御部10は、主制御部4に設定内容を伝達する。その結果、主制御部4は、通信部43を制御し、画像データを複合機100から送信できなくする。あるいは、パネル制御部10は、ゲストによる送信実行指示を受け付けず、無視する。一方、パネル制御部10は、制限不実行ボタンB11が操作され、OKボタンB12が操作されると、送信制限を行わない設定がなされたと認識する。この場合、パネル制御部10はゲストになされた送信に関する設定内容を主制御部4に伝達し、主制御部4は、伝達された設定内容に即した送信ジョブが実行されるように、通信部43や画像読取部2aを制御する。
ここで、最下位の階層の画面(設定値を設定する画面)には、それぞれ、OKボタンB12が配される。言い換えると、図10の画面以外の画面でも、設定値を設定する画面には、OKボタンB12が配される場合がある。OKボタンB12に対する操作がなされ、設定値の設定が受け付けられると、パネル制御部10は、画面を最上位階層の画面に切り替える。
また、各画面には、設定をキャンセルするためのキャンセルボタンB13(「キャンセル」の文字列を含むボタン)も配される。キャンセルボタンB13に対する操作がなされると、パネル制御部10は、現在の設定値を変更せず、また、画面を最上位階層の画面を表示部11に表示させる。また、最上位階層以外の画面には、戻るボタンB14(「戻る」の文字列を含むボタン)が配される。戻るボタンB14に対する操作がなされると、パネル制御部10は、画面を現在の画面からひとつ上の階層の画面を表示部11に表示させる(経路を戻らせる)。
このように、表示部11は、画面内にボタンを表示し、表示部11に表示されたボタンに対する操作を受け付けるためのタッチパネル部12の出力に基づき、表示中の画面から下位階層の画面と、上位階層の画面の何れか一方に、表示する画面を切り替える。
(透過遷移表示)
次に、図11〜図13を用いて、本実施形態の操作パネル1の透過遷移表示の概要を説明する。図11は、実施形態に係る操作パネル1での透過遷移表示の一例を示す図である。図12は、実施形態に係る操作パネル1での複数の階層にわたる透過遷移表示の一例を示す図である。図13は、実施形態に係る操作パネル1での透過遷移表示の設定画面の一例を示す図である。
本実施形態の操作パネル1では、タッチパネル部12が透過遷移表示を行う指示として予め定められた第1操作を受け付けたとき、パネル制御部10は、表示部11に透過遷移表示を行わせる。ここで、パネル制御部10は、透過遷移表示では、現在表示中の画面である遷移元画面を時間の経過とともに次第に消して行き、遷移元画面よりもひとつ下の階層に位置する遷移先画面を、時間の経過とともに表示される割合を増やして、表示する画面を遷移させていく表示を表示部11に行わせる。言い換えると、パネル制御部10は、上位階層の画面を次第に消して行き、下位階層の画面が次第に現れるように、表示部11に表示を行わせる。
具体的に、図11を用いて説明する。図11は、ユーザー管理画面52(図6参照)からゲスト認可設定画面53(図7参照)に向けて、透過遷移表示を行うときの透過遷移表示の一例を示している。
第1操作がなされ、透過遷移表示が開始されると、パネル制御部10は、予め定められた遷移時間をかけて、遷移元画面(上位階層の画面)の画素を、段階的に(次第に)遷移先画面(下位階層の)に置き換えていく。例えば、遷移元画面から遷移先画面への遷移(切替)を、16ステップ(16段階)で行う場合を説明する。尚、ステップ数は例示であり、複数回であればよく、15回以下でもよいし、17回以上でもよい。
16ステップを経て、遷移元画面から遷移先画面への切替を完了させるとき、パネル制御部10は、遷移元画面の画素を16ドット単位のブロック(例えば、4×4の画素ブロック)に分割する。そして、パネル制御部10は、第1操作がなされた時点を起点として、一定周期で、ブロック中の画素を1画素ずつ、遷移先画面の画素に置き換える。置き換えを16回繰り返すことで、遷移元画面が次第に消えて行き、遷移先画面が次第に現れるような透過的な(アニメーション的な)表示する画面の切替が行われる(図11の中段の図参照)。
尚、図11の中段の図に示すように、画面の遷移中であることをより明確に示すため、パネル制御部10は、遷移元画面から遷移先画面への遷移中、薄い色を付す表示や、網掛け表示を画面全体に対して施すように表示部11に表示させてもよい。そして、遷移元画面から遷移先画面への画面中の全ての画素の置き換えを完了すると、パネル制御部10は、薄い色を付す表示や、網掛け表示を画面全体に対して施す表示を停止させる。
尚、透過遷移表示は、上記のような遷移パターンに限らず、他の表現手法により画面の表示が遷移元画面から遷移先画面に次第に変化してもよい。例えば、表示部11の上下左右の何れかの一辺から対辺に向けて、遷移元画面の画素をライン単位で、次第に遷移先画面の画素に置き換えるようにしてもよい(一部透過的な表現)。あるいは、表示部11の何れかの辺から遷移先画面がスライドするように現れるようにしてもよい。
このように、一定間隔ごとに遷移元画面から遷移先画面の画素に置き換える画素の数や位置を工夫することで、様々な透過効果を表現することができる。このような透過遷移表示を行うためのプログラムは、透過遷移表示用プログラムD2として、メモリー18に記憶される(図3参照)。パネル制御部10は、透過遷移表示用プログラムD2に基づき、表示部11の表示を変化させる。
そして、パネル制御部10は、予め定められた遷移時間をかけて、ある遷移元画面から、ある遷移元画面の1つ下の階層にあたる遷移先画面への透過遷移を表示部11に行わせる。予め定められた遷移時間は、本実施形態の操作パネル1では1〜3秒程度の時間に設定されるが、適宜定めればよい。
そして、図12に示すように、パネル制御部10は、遷移元画面が全て透過し、遷移先画面が全て表示された状態で第1操作(長押しのときの位置をタッチし続ける操作)が続けられているとき、遷移が完了した遷移先画面を新たな遷移元画面とし、新たな遷移元画面よりもひとつ下の階層に位置する画面を新たな遷移先画面として透過遷移表示を表示部11に続けさせる(繰り返させる)。これにより、第1操作だけで、下位階層方向に向けての透過遷移表示が繰り返され、2画面以上、画面を切り替ることができる。従って、第1操作を続けるだけで、下位階層にどのような画面があるかを容易に確認することができる。
例えば、ユーザー管理画面52で第1操作が開始され、第1操作が続けられたとき、パネル制御部10は、ユーザー管理画面52→ゲスト認可設定画面53→ゲストプロパティ設定画面54→使用制限設定画面55→送信制限設定画面56の順に画面を切り替え、各画面の切替では表示部11に透過遷移表示を行わせる(図12参照)。
次に、第1操作について説明する。本実施形態のタッチパネル部12は、画面内に表示された何れかのボタンの表示位置を長押しする操作を第1操作として受け付ける。そして、パネル制御部10は、何れかのボタンに対する長押し操作を、透過遷移表示を行う指示入力と認識する。具体的には、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力に基づき、ボタンの表示位置がタッチされてから、予め定められた長押し時間(例えば、0.5〜数秒程度)継続して、同じボタンの表示領域内がタッチされ続けているとき、長押し(第1操作)がなされたと認識する。この認識をトリガーとして、パネル制御部10は、透過遷移表示を表示部11に開始させる。透過遷移表示の最初の遷移元画面は、第1操作がなされたボタンが配された画面である(図12の例では、最上段の画面)。
尚、長押しを続けていると、長押し位置からタッチ位置がずれてしまうことがある。また、手のけがなどや、先天的に、同じ位置を押し続けることが難しい使用者もいる。そこで、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力に基づいてタッチ位置がずれたと認識しても、タッチが続けられていれば、第1操作が続けられていると認識するようにしてもよい。言い換えると、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力に基づき、タッチされた指が離されることなく(タッチ位置が検知できなくなることなく)、タッチパネル部12の何れかの場所に対するタッチが続けられている間、第1操作がなされていると判断してもよい。
そして、パネル制御部10は、最初の透過遷移表示では、第1操作がなされた画面を遷移元画面とし、通常の操作で(通常のモードで)第1操作を行ったボタンを操作すると表示される画面を遷移先画面として、透過遷移表示を表示部11に行わせる。具体的に、図11、図12では、ユーザー管理画面52でゲスト認可ボタンB5(「ゲスト認可設定」の文字列に付随、対応し、「変更」の文字列を含むボタン)に対する長押し操作(第1操作)がなされたことにより、パネル制御部10は、1回目の透過遷移では、ユーザー管理画面52でゲスト認可ボタンB5を操作すると表示されるゲスト認可設定画面53に遷移表示する(切り替える)例を示している。
ここで、透過遷移表示を繰り返し、2画面以上遷移するとき、どのような経路を辿って下位階層に遷移していくかを定める必要がある。言い換えると、遷移元画面と遷移先画面を切り替えて透過遷移表示を続けるとき、何れのボタンが操作されたときに表示される画面を新たな遷移先画面とするかを定める必要がある。
ここで、以下のように、2画面以上にわたる透過遷移表示の繰り返しで辿る経路を定めることができる。例えば、パネル制御部10は、予め定められた画面遷移の経路を辿るように複数画面にわたる透過遷移表示を表示部11に行わせるようにしてもよい。この場合、メモリー18に、画面内に配されるボタン単位で、どのボタンに対し第1操作をおこなうと、どのような経路で画面を切り替えていくかを定義した経路データD3(図3参照)が記憶される。
また、パネル制御部10は、表示されていく画面中に配されたボタンのうち、予め定められた位置のボタンが操作されたものとして複数画面にわたる透過遷移表示を表示部11に行わせるようにしてもよい。この場合、メモリー18に、画面内に配されるボタンのうち、どの位置のボタンを操作したと扱うかを定義した経路データD3(図3参照)が記憶される。尚、図12は、表示されていく画面中に配されたボタンのうち、最も右下位置(右側かつ下側)に位置するボタンが操作されたものとして、遷移の経路を定める例を示している。
また、パネル制御部10は、階層的に最も深い階層の画面に到ることができる経路を辿るように複数画面にわたる透過遷移表示を行うようにしてもよい。言い換えると、透過遷移表示をくりかえすことで、切り替えられる画面数が最も多くなるように、経路を定めるようにしてもよい。この場合、ボタンごとに、階層的に最も深い階層の画面に到ることができる経路を定めたデータが経路データD3としてメモリー18に記憶される(図3参照)。
そして、パネル制御部10は、経路データD3に基づき、第1操作が継続している間、下位階層の画面に向けての透過遷移表示を繰り返させ、複数画面にわたって、自動的な画面切り替えを表示部11に行わせる。
上記の何れかの手法により、画面遷移の経路を定めるようにすればよい。しかし、図13に示すように、使用者が階層構造上、遷移元画面と遷移先画面を切り替えつつ、透過遷移表示を繰り返すときに辿る経路を予め設定できるようにしてもよい。
図13は、画面遷移の経路を設定できる透過遷移設定画面57の一例を示す。透過遷移設定画面57は、操作パネル1に対して所定の操作を行うことにより表示させることができる。そして、透過遷移設定画面57には、第1ボタンB15(「定められた経路」の文字列を含むボタン)、第2ボタンB16(「ボタン位置を基準」の文字列を含むボタン)、第3ボタンB17(「最下位階層」の文字列を含むボタン)が設けられる。また、第2ボタンB16に対し、4つのチェックボックスC1、C2、C3、C4が付される。
第1ボタンB15は、予め定められた画面遷移の経路を辿るように、2以上の画面にわたって透過遷移表示を繰り返させるときに操作される。第3ボタンB17は、階層的に最も深く、下位の画面に到ることができる経路を辿るように、2以上の画面にわたって透過遷移表示を繰り返させるときに操作される。
また、第2ボタンB16は、遷移後の画面中に配されたボタンのうち、予め定められた位置のボタンが操作されたものとして、2以上の画面にわたって透過遷移表示を繰り返させるときに操作される。尚、チェックボックスC1〜C4によりボタンの位置を選択することができる。
また、図12に示すように、パネル制御部10は、透過遷移表示では、画面に表示されるボタンのうち、遷移先画面はどのボタンが操作されたときに表示される画面かを示すカーソルC5を表示部11に表示させてもよい。言い換えると、パネル制御部10は、画面の透過遷移において、操作されたものとして扱うボタンをカーソルC5によって表示部11に強調表示させてもよい。尚、図12の例では、楕円図形をカーソルC5として示しているが、矢印、○印、記号、文字など他の画像をカーソルC5として表示するようにしてもよい。
(上位階層への遷移)
次に、図14を用いて、実施形態に係る操作パネル1に第1操作を続けている途中での上位階層への遷移を説明する。図14は、実施形態に係る操作パネル1に第1操作を続けている状態での途中での上位階層への遷移を説明するための図である。
第1操作を続けている状態では、下位階層に向けて、画面の透過遷移表示が繰り返される、しかし、透過遷移表示の繰り返しにより表示されなくなった画面(経路中の画面であって、現在の階層よりも上位階層の画面)を再度確認したい場合がある。そこで、本実施形態のパネル制御部10は、第1操作が続けられている途中(透過遷移表示を継続している間)、予め定められた第2操作がタッチパネル部12になされると、上位階層の画面を表示部11に表示させる。
ここで、第2操作は、適宜定めることができる。本実施形態の操作パネル1では、透過遷移表示開始時の遷移元画面内に表示されるボタンの位置を押し続ける操作が第1操作と扱われる。そこで、第2操作は、タッチパネル部12を2点タッチする操作とすることができる。あるいは、上位階層への移動(上方向への移動)の意味合いとかけて、第1操作のため長押ししている指とは異なる指でタッチパネル部12をタッチし、その異なる指を上方向に動かす操作を第2操作と扱ってもよい。このように、第2操作は、第1操作が続けられている状態で付加的になされる操作(第1操作が続けられていることを前提とする操作)としてもよい。
図14では、上から2番目の画面(ゲスト認可設定画面53)と3番目の画面(ゲストプロパティ設定画面54)では、両手を使って第2操作を行う例を示している(このうち、一方の手の指で第1操作を続ける)。また、図14では、下から2番目の画面(使用制限設定画面55)と最下位の階層の画面(送信制限設定画面56)では、同じ手の2本の指を使って第2操作を行う例を示している(このうち、一方は第1操作のためタッチパネル部12をタッチし続けている指)。
タッチパネル部12の出力に基づき、第1操作に加えて、第2操作(2点タッチ)がなされたことを認識すると(第2操作を受け付けると、パネル制御部10は、下位階層への遷移中であれば透過遷移表示を表示部11に停止させる。そして、パネル制御部10は、遷移元画面に対応し、遷移元画面よりも1つ上位の画面を新たな遷移元画面として表示部11に表示させる。
上位階層の表示を開始する場合、パネル制御部10は、第2操作がなされた時点から、今までなされた下位階層の画面への透過遷移表示を逆戻し(巻き戻し)のような表示を表示部11に行わせる。言い換えると、パネル制御部10は、第2操作がなされると、上位階層方向への透過遷移表示を行わせるようにしてもよい。
この場合、パネル制御部10は、下位階層への透過とは逆方向(巻き戻し)の表示を表示部11に行わせる。具体的に、第2操作が続けられている間、パネル制御部10は、下位階層方向への透過遷移表示での遷移元画面を上位階層方向への遷移における逆遷移先画面とし、下位階層方向への透過遷移表示での遷移先画面面を、上位階層方向への遷移における逆遷移元画面する。そして、パネル制御部10は、逆遷移元画面の画素を時間の経過とともに次第に消して行き、逆遷移先画面を、時間の経過とともに表示される割合を増やして、表示する画面を逆遷移先画面に戻すように遷移させていく表示を表示部11に行わせる。
更に、パネル制御部10は、画面への遷移(切り替え)が完了した時点で、第2操作が続けられていれば、上位階層方向への透過遷移表示を表示部11に繰り返させる。具体的に、パネル制御部10は、遷移が完了した逆遷移先画面を新たな逆遷移元画面とし、新たな遷移元画面よりもひとつ上の階層に位置する画面を新たな逆遷移元画面として透過遷移表示を表示部11に続けさせる(繰り返させる)。
そして、パネル制御部10は、上位階層への透過遷移表示でも、時間の経過とともに、逆遷移元画面の画素を次第に消してゆく。一方で、パネル制御部10は、時間の経過とともに、逆遷移先画面の画素が表示される割合を増やす。このように、複数画面分(複数階層分)、上位階層の画面に戻ることができるようにしてもよい。
あるいは、上位階層に戻るときには、アニメーション的な表示(透過遷移表示)を行わないようにしてもよい。例えば、第2操作がなされたとき、パネル制御部10は、現在表示している画面(例えば、下位階層にむけての遷移していたときの遷移元画面)よりも1階層上位の画面を表示部11に表示させる。遷移先画面への遷移がちょうど完了した時点に第2操作がなされたのであれば、パネル制御部10は、遷移がちょうど完了した画面よりも1つ、又は、2つ上位の階層の画面を表示部11に表示させればよい。
(透過遷移表示の終了)
次に、透過遷移表示の終了について説明する。
使用者は各階層の画面を確認できれば、透過遷移表示を続けさせる(繰り返させる)必要はない。そこで、タッチパネル部12が予め定められた第3操作を受け付けたとき、パネル制御部10は、表示部11に下位階層又は上位階層に向けての透過遷移表示を終了させる。
ここで、第3操作は、適宜定めることができる。本実施形態の操作パネル1では、タッチパネル部12から全ての指を離す操作が第3操作として扱われる。タッチパネル部12の出力に基づき、パネル制御部10は、何れの位置もタッチされていないと認識すると、第3操作がなされたと認識する。言い換えると、パネル制御部10は、第1操作、第2操作の何れもがなされていない状態になったと認識すると、第3操作がなされた(全くタッチしなくなった)と判断する。尚、第3操作は、上記の例に限られず、タッチ位置を特定方向に動かす操作や、3点タッチ操作など、適宜定めることができる。
第3操作がなされると、パネル制御部10は、透過遷移表示を表示部11に終了させる。言い換えると、操作パネル1(表示部11、タッチパネル部12)は、通常のモードに戻り、何れかのボタンを操作しなければ、画面を切り替えない状態に戻る。
そして、第3操作がなされると、パネル制御部10は、第1操作が初めてなされた画面(透過遷移表示を開始した画面)を表示するようにしてもよい。これにより、複数階層分、遷移していても、いきなりもとの階層の画面を表示させることができる。
また、第3操作がなされたとき、パネル制御部10は、現在の遷移元画面(上位階層側の画面)、又は、現在の遷移先画面(下位階層側の画面)のみを表示部11に表示させて、透過遷移表示を終了するようにしてもよい。このようにすれば、すでに複数階層分、画面が切り替えられていても、第1操作が初めてなされた画面から異なる階層の画面に飛ぶことができる。尚、遷移元画面と遷移先画面のうち、第3操作がなされたときに表示している割合が大きい方の画面を表示させればよい。
ここで、図12に示すように、透過遷移設定画面57で第3操作がなされたとき(透過遷移表示を終了したとき)に表示させる画面を設定できるようにしてもよい。この設定のため、透過遷移設定画面57に、第4ボタンB18(「最初の画面に戻る」の文字列を含むボタン)と第5ボタンB19(「遷移した画面に留まる」の文字列を含むボタン)が配される。
第4ボタンB18は、第3操作がなされたとき、透過遷移表示を開始した画面を表示させるときに操作される。第5ボタンB19は、第3操作がなされたとき、現在の遷移元画面、又は、現在の遷移先画面を表示部11に表示させるときに操作される。
(透過遷移表示の流れ)
次に、図15を用いて、実施形態に係る操作パネル1での透過遷移表示の流れを説明する。図15は、実施形態に係る操作パネル1での透過遷移表示の流れの一例を示すフローチャートである。
図15のスタートは、タッチパネル部12の出力に基づき、画面内の何れかの表示位置に対し、第1操作(長押し操作)がなされたとパネル制御部10が認識した時点である。言い換えると、下位階層に向けての透過遷移表示を開始する条件が満たされたときである。
まず、パネル制御部10は、遷移元画面から遷移先画面への透過的な遷移(切り替え)表示を開始させる(ステップ♯1)。
続いて、パネル制御部10は、第3操作(例えば、全ての指をタッチパネル部12から離す操作)がなされたか否かを確認する(ステップ♯2)。この確認は、タッチパネル部12をタッチし続ける第1操作が無くなったかを確認する処理ともいえる。
もし、第3操作がなされたとき(ステップ♯2のYes)、パネル制御部10は、表示部11に透過遷移表示を終了させ、通常の入力状態に戻す(ステップ♯3)。そして、パネル制御部10は、予めなされた透過遷移設定画面57の設定に基づいた所定の画面(透過遷移表示を開始した画面、現在の遷移元画面、又は、現在の遷移先画面)を表示させる(ステップ♯4)。そして、本フローは終了する。
一方、第3操作がなされていないとき(ステップ♯2のNo)、タッチパネル部12の出力に基づき、パネル制御部10は、第2操作がなされたか否かを確認する(ステップ♯5)。
もし、第2操作がなされたとき(ステップ♯5のYes)、パネル制御部10は、下位階層に向けての透過遷移表示を一時停止させる(ステップ♯6)。そして、パネル制御部10は、上位階層に向けて、逆方向の透過遷移表示を表示部11に行わせる(ステップ♯7)。
そして、パネル制御部10は、タッチパネル部12の出力に基づき、第2操作が継続されているか否かを確認する(ステップ♯8)。もし継続されていれば(ステップ♯8のYes)、パネル制御部10は、逆方向の透過遷移表示を表示部11に引き続き行わせる(ステップ♯7に戻る)。ステップ♯8のYesとステップ♯7のループでの上位階層方向への透過遷移表示において、逆遷移先画面への遷移が完了したとき、パネル制御部10は、完了した逆遷移先画面を新たな逆遷移元画面とし、新たな逆遷移元画面に対応し、新たな逆遷移元画面よりも1つ上位の階層の画面を新たな逆遷移先画面として、上位階層に向けての透過遷移表示を表示部11に行わせる。例えば、上位階層への逆方向への透過遷移表示では、第1操作を開始した画面(下位階層に向けての透過遷移表示を開始した画面)まで遡ることができるようにしてもよいし、それ以上の上位階層への画面への遷移を可能としてもよい。
一方、第2操作がやめられたとき(ステップ♯8のNo)、パネル制御部10は、下位階層に向けての透過遷移表示を再開させる(ステップ♯9)。このとき、パネル制御部10は、逆遷移先画面であった画面を遷移元画面とし、逆遷移元画面であった画面を遷移先画面として、遷移方向を切り替えて、下位階層への透過遷移表示を再開する。そして、フローはステップ♯2に戻る。
一方、第3操作がなされておらず(ステップ♯2のNo)、ステップ♯4において、第2操作もなされていないとき(ステップ♯5のNo)、第1操作(透過遷移表示を開始した画面に配された何れかのボタンの位置をタッチし続ける操作)が継続している状態であるので、パネル制御部10は、下位階層に向けての透過遷移表示を表示部11に引き続き行わせる(ステップ♯10)。下位階層方向の透過遷移表示において、遷移先画面への遷移が完了したとき、パネル制御部10は、完了した遷移先画面を新たな遷移元画面とし、新たな遷移元画面に対応し、1つ上位の階層の画面を遷移先画面として、下位階層に向けての透過遷移表示を表示部11に行わせる。そして、フローは、ステップ♯2に戻る。
次に、上記の実施形態の変形例を説明する。
(変形例1)
上記の実施形態では、遷移元画面から遷移先画面への遷移が完了した時点(遷移元画面の透過率が100%となった時点)で、第1操作が続いていれば、直ちに、遷移が完了した遷移先画面を新たな遷移元画面とし、新たな遷移元画面よりも1つ下位の階層の画面を遷移先画面として、透過遷移表示を開始する例を説明した。
しかし、遷移元画面から遷移先画面への遷移が完了した時点から、新たな遷移元画面から遷移先画面への透過遷移表示を開始するまでに、待ち時間を設けるようにしてもよい。待ち時間は、遷移が完了した画面の内容を確認できる程度であればよく、1〜10秒程度とすることができる。そして、画面への遷移完了から待ち時間が経過すると、パネル制御部10は、表示部11に透過遷移表示を再開させる。
待ち時間を設ける場合、待ち時間中に第2操作がなされると、パネル制御部10は、現在表示中の画面を逆遷移元画面とし、現在表示中の画面に対応し、現在表示中の画面よりも1つ上位の階層の画面を逆遷移先画面として、上位階層に向けて透過遷移表示を行うようにしてもよい。あるいは、第2操作がなされたとき、アニメーション的な表示(透過遷移表示)を行なわず、パネル制御部10は、表示部11が表示する画面を、現在表示している画面(待機中の画面)よりも1階層上位の画面に切り替えさせてもよい。
また、待ち時間を設ける場合、待ち時間中に第3操作がなされたとき、パネル制御部10は、表示部11に、第1操作が初めてなされた画面(透過遷移表示を開始した画面)に画面を切り替えさせてよい。また、パネル制御部10は、現在の画面(待ち時間中に表示されている画面)のみを表示部11に表示させるようにしてもよい。尚、待ち時間を設ける場合でも、第3操作がなされると、透過遷移表示を終了する点は上記の実施形態と同様である。
これにより、待ち時間を設けることで、使用者は遷移した画面を十分に確認することができる。また、透過遷移表示による画面の切り替えがどのような経路でなされているかがわかりやすくなる。
(変形例2)
上記の実施形態では、第2操作に基づき、上位階層方向への逆遷移元画面から逆遷移先画面への遷移が完了した時点(逆遷移元画面の透過率が100%となった時点)で、第2操作が続いていれば、続いて、遷移が完了した逆遷移先画面を新たな逆遷移元画面とし、新たな逆遷移元画面に対応し、新たな逆遷移元画面よりも1つ上の階層の画面を逆遷移先画面として、上位階層方向への透過遷移表示を開始する例を説明した。
しかし、第2操作が続けられているために、逆遷移元画面から逆遷移先画面への遷移が完了した時点から、新たな逆遷移元画面から逆遷移先画面への透過遷移表示を開始するまでに、待ち時間を設けるようにしてもよい。待ち時間は、逆方向(上位階層方向)への遷移が完了した画面の内容を確認できる程度であればよく、1〜10秒程度とすることができる。そして、第2操作が続けられていれば、画面への遷移完了から待ち時間が経過した後に、パネル制御部10は、表示部11に上位階層方向への透過遷移表示を再開させるようにしてもよい。
また、上位階層方向への透過遷移表示の場合にも、待ち時間を設ける場合、待ち時間中に第3操作がなされることが考えられる。待ち時間中に第3操作がなされると、パネル制御部10は、表示部11に、第1操作が初めてなされた画面(透過遷移表示を開始した画面)に画面を切り替えさせてよい。また、パネル制御部10は、現在の画面(待ち時間中に表示されている画面)のみを表示部11に表示させるようにしてもよい。尚、待ち時間を設ける場合でも、第3操作がなされると、透過遷移表示を終了する点は上記の実施形態と同様である。
これにより、第2操作により上位階層への透過遷移表示がなされている状態のとき、待ち時間を設けることで、使用者は、どのような画面が表示されていたかを十分に確認することができる。また、上位階層への透過遷移表示のときにも、待ち時間が設けられるので、使用者は、透過遷移表示による画面の切り替えがどのような経路でなされたか理解しやすい。
(変形例3)
また、上記の実施形態では、透過遷移表示の繰り返しによって切り替えられる画面の経路が自動的に切り替えられる例を説明した。しかし、透過遷移表示中のタッチパネル部12に対する操作によって、使用者が経路を選択できるようにしてもよい。
例えば、パネル制御部10は、第1操作に基づきタッチしたままの位置を、遷移中、または、遷移完了時に表示された画面内のボタンの表示位置にずらす操作を、経路を選択する操作と認識してもよい。この場合、パネル制御部10は、遷移が完了した画面を新たな遷移元画面とし、位置ずらしによる新たなタッチ位置に表示されたボタンを操作すると表示される画面を遷移先画面として、透過遷移表示を表示部11に行わせてもよい。
あるいは、パネル制御部10は、第1操作に基づくタッチ位置をずらさないようにしつつ、遷移中、または、遷移完了時に表示された画面内のボタンの表示位置に対し、更にタッチする操作を、経路を選択する操作と認識してもよい。この場合、2点タッチがなされるので、第2操作と経路を選択する操作を判別する必要がある。例えば、パネル制御部10は、第1操作を継続しつつ、ボタンの領域外(空白や文字やメッセージ表示部11分のような領域外)に対し更にタッチする操作を第2操作と認識し、ボタンの領域内に対し更にタッチする操作を、経路を選択する操作と認識するようにしてもよい。
これにより、下位階層に向けて透過遷移表示が繰り返されるとき、階層を辿る経路を使用者の意思のもと定めることができる。
(変形例4)
また、透過遷移表示の繰り返しによって最下位の階層に到達した状態で、設定値を設定できるようにしてもよい。
例えば、パネル制御部10は、第1操作に基づくタッチ位置をずらさないようにしつつ、透過遷移表示の繰り返しにより到達した最下位の階層の画面であって、設定値を設定するためのボタンの表示位置に対し、更にタッチする操作を、設定値を設定する操作と認識し、設定値の設定を受け付けてもよい。この場合、2点タッチがなされるので、第2操作と経路を選択する操作を判別する必要がある。例えば、パネル制御部10は、第1操作を継続しつつ、設定値を設定するためのボタンの領域外(空白や文字やメッセージ表示部11分のような領域外)に対し更にタッチする操作を第2操作と認識し、設定値を設定するためのボタンの領域内に対し更にタッチする操作を、設定値を設定する操作と認識するようにしてもよい。これにより、透過遷移表示を行う表示モードでも、設定値を設定することができる。
このようにして、実施形態に係る表示入力装置(操作パネル1)は、画面内にボタンを表示し、通常のモードでは、操作されたボタンに応じて、表示中の画面から下位階層の画面と、上位階層の画面の何れか一方に、表示する画面を切り替える表示部11と、表示部11の画面に対する操作を受け付け、表示部11に表示されたボタンに対する操作を受け付けるためのタッチパネル部12と、を含み、タッチパネル部12が予め定められた第1操作(例えば、同じ位置をタッチし続ける長押し操作)を受け付けたとき、表示部11は、現在表示中の画面である遷移元画面を時間の経過とともに次第に消して行き、時間の経過とともに、遷移元画面よりもひとつ下の階層に位置する遷移先画面の表示割合を増やして(100%まで増やして)、表示する画面を遷移させていく透過遷移表示を行い、第1操作が続けられていると、遷移元画面の全透過により遷移が完了した遷移先画面を新たな遷移元画面とし、新たな遷移元画面よりもひとつ下の階層に位置する画面を新たな遷移先画面として透過遷移表示を続ける(繰り返す)こととした。
これにより、第1操作(例えば、同じ位置をタッチし続ける長押し操作)を続けるだけで、次々に下位の画面への遷移を行わせることができる。また、第1操作を行うだけで、複数階層にわたり、どのような画面があるかを容易に確認することもできる。また、どの階層にどのような画面が配されているかを確認することもできる。また、透過遷移表示により遷移先画面(下位の階層)の画面が次第に表示されるような態様で自動的、連続的な画面の遷移がなされるので、通常の画面の切替と透過遷移表示を差別化することができる。
また、透過遷移表示を続けるとき、表示部11は、予め定められた画面遷移の経路を辿るように複数画面にわたる透過遷移表示を行うか、表示されていく画面中に配されたボタンのうち、予め定められた位置のボタンが操作されたものとして複数画面にわたる透過遷移表示を行うか、又は、階層的に最も深く、最も下位の画面に到ることができる経路を辿るように複数画面にわたる透過遷移表示を行うこととした。
この構成によれば、2画面以上、透過遷移表示を続けるとき、表示部11は、予め定められた画面遷移の経路を辿るように複数画面にわたる透過遷移表示を行う。この場合、使用者は何ら操作することなく、自動的に下位階層の画面を次々に表示させ、画面の内容を確認することができる。また、表示部11は、画面中に配されたボタンのうち、予め定められた位置のボタンが操作されたものとして複数画面にわたる透過遷移表示を行う。この場合、使用者は何ら操作することなく、一定の法則性のもと、自動的に下位階層の画面を次々に表示させ、画面の内容を確認することができる。また、表示部11は、階層的に最も深く、最も下位の画面に到ることができる経路を辿るように複数画面にわたる透過遷移表示を行う。これにより、最も深い(最下位の)階層まで、使用者は何ら操作することなく、自動的に下位階層の画面を次々に確認することができる。
また、タッチパネル部12は、画面内に表示された何れかのボタンを長押しする操作を第1操作として受け付け、表示部11は、第1操作がなされた画面を最初の遷移元画面とし、通常の操作でボタンを操作すると表示される画面を最初の遷移先画面として、透過遷移表示を行うこととした。これにより、下位の階層の画面を確認したいボタンに対して第1操作(例えば、同じ位置をタッチし続ける長押し操作)を行うことで、遷移する画面の範囲を限定し、遷移する階層上の経路を初期段階で絞り込むことができる。
また、タッチパネル部12が透過遷移表示中、上位階層に戻る指示として予め定められた第2操作(例えば、同じ位置をタッチし続ける操作を行いつつ、更にタッチパネル部12をタッチする操作)を受け付けた後に、表示部11は、下位階層に遷移する透過遷移表示を停止し、遷移元画面に対応し、遷移元画面よりも1つ上位の画面を新たな遷移元画面として表示することとした。これにより、透過遷移表示により下位階層に向けての画面の連続的な遷移を行っている間、下位階層方向だけでなく上位階層方向にも画面を遷移させることもできる。
また、タッチパネル部12は、タッチパネル部12の領域内の2点をタッチする操作を第2操作として受け付けることとした。これにより、簡易な操作で上位階層の画面に遷移することができる。
また、タッチパネル部12が予め定められた第3操作(例えば、タッチパネル部12へのタッチをやめる操作)を受け付けたとき、表示部11は、透過遷移表示を終了して通常のモードに戻り、第1操作(例えば、同じ位置をタッチし続ける長押し操作)が開始された画面を表示するようにしてもよい。これにより、透過遷移表示により画面が遷移しても、一気に透過遷移表示による遷移開始時の最初の画面に戻ることができる。
また、タッチパネル部12が予め定められた第3操作(例えば、タッチパネル部12へのタッチをやめる操作)を受け付けたとき、表示部11は、透過遷移表示を終了して通常のモードに戻り、現在の遷移元画面、又は、現在の遷移先画面のみを表示するようにしてもよい。これにより、表示中の遷移先画面で透過遷移表示を終了させることができる。言い換えると、透過遷移表示の開始画面から、透過遷移表示を終了させた画面にジャンプすることができる。
また、画像形成装置(複合機100)は、実施形態に係る表示入力装置(操作パネル1)をふくむ。そのため、画像形成装置は、第1操作(例えば、同じ位置をタッチし続ける長押し操作)を続けるだけで、簡易に下位の画面への遷移が次々に行うことができ、各階層にどのような画面があるか容易に確認できる表示入力装置を含む。従って、各階層の画面を確認しやすく、入力の容易な画像形成装置(複合機100)を提供することができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。