JP5939722B1 - 繊維入り鹸化反応型常温アスファルト混合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一定の作業性を有し、早期に硬化し、且つ柔軟性を有する道路舗装等の補修材としての全天候型常温アスファルト混合物の提供。【解決手段】亜麻仁油脂肪酸及び/又は亜麻仁油脂肪酸エステルでカットバックされた軟質アスファルト、骨材、セメント、繊維材料を混合した常温アスファルト混合物。施工中に該混合物へ水を供給することにより、前記亜麻仁油脂肪酸及び/又は亜麻仁油脂肪酸エステル、前記セメント及び前記水による鹸化反応により固化し、強度を発現すると共に前記軟質アスファルト及び前記繊維材料の柔軟性により混合物にたわみ性をもたせる繊維入り鹸化反応型常温アスファルト混合物。【選択図】図1

Description

本発明は、道路舗装に使用する繊維入り鹸化反応型常温アスファルト混合物に関するものである。
アスファルトコンクリート舗装は、長期間供用すると紫外線や降雨などによる水分および繰り返しの交通荷重により、損傷し、ひび割れやポットホール(穴)が発生する。特にポットホールは、そのまま放置しておくと交通車両の安全を損なうため、日常的に補修されている。また、交通量の多い路線においては、交通車両の安全を確保するため、迅速にポットホールを補修する必要があり、補修工事に必要な交通規制の時間をできるだけ短時間とすることが望まれている。
補修工事は、緊急性を要する場合も多く、降雨時でも実施する場合があり、水分がある状態でも使用可能な材料を使用する必要がある。
前記の補修工事に用いられる一般的な材料は、加熱アスファルト混合物および常温アスファルト混合物に大別される。また、補修用材料として望まれていることは、簡便な取扱い方法や補修作業完了後、直ちに交通解放可能なことである。
加熱アスファルト混合物は、古くから周知の最も一般的な道路舗装の材料であり、加熱装置内でアスファルト(「アスファルトセメント」とも言う。)と骨材を加熱、混合して得られる145〜175℃のアスファルト混合物を流動性のある高温状態で舗装施工し、冷えると道路として大きな強度が得られる材料である。
加熱アスファルト混合物を舗装の補修材料として使用する場合、流動性のある高温状態で舗装施工しなければならず、可使時間に制限がある、または雨天時には使用できないため、舗装上に点在する補修箇所で使用する場合、施工上困難や問題が発生することがあった。計画的で、大規模な補修工事には使用可能であるが、緊急性または迅速性を有する補修工事に使用することは困難である。また、加熱アスファルト混合物の製造工場の設備上、補修工事に必要な少量(100kg以下)を製造することが困難である。仮に製造工場の最小製造量(多くの場合500kg程度)を購入・使用した場合、その多くを廃棄することとなり、環境的にもコスト的にも問題があった。
その為、舗装の補修材として常温あるいはそれより若干高い温度(100℃以下)で舗装施工できるアスファルト混合物(単に「常温アスファルト混合物」とも言う。)の技術開発がなされてきた。
その一つが、アスファルト乳剤を使用する常温アスファルト混合物の場合であり、アスファルトと水を乳化剤により乳化して流動状態にして骨材と常温あるいはそれより若干高い温度(100℃以下)で混合して、得られたアスファルト乳剤混合物を舗装施工すると、アスファルト乳剤の分解に伴ってアスファルトが水と分離して道路としての強度が得られるものである。環境への関心もあり、道路の舗装工事においては、このアスファルト乳剤技術の使用や改良が増えてきている。例えば、アニオンアスファルト乳剤においてアスファルトと骨材間の接着性を向上させる改良方法が提供されている。(特許文献1:特開平10−140010号公報参照。)しかしながら、アスファルト乳剤を使用した常温アスファルト混合物(以下、アスファルト乳剤系常温混合物)は、密閉された容器などを用いても貯蔵することが困難である。アスファルト乳剤と骨材を別の容器に分けて貯蔵し、作業現場において、混合し施工する製品が開発されている(特許文献2および3参照)が、現場で混合作業をするため、補修の成否が作業員の熟練度に左右される側面がある。前記のアスファルト乳剤系常温混合物は、硬化するまで交通解放することができず、硬化まで30分から2時間必要であり、迅速性に劣る。また、雨天時ではアスファルト乳剤が骨材から剥離、流出してしまうため、使用することは困難である。
他の一つが、カットバックアスファルト(又は「カッターストック」とも言う。)混合物を使用する場合であり、鉱物油等の炭化水素溶剤といったカットバック材によりアスファルトを軟質化して粘度低下をさせることにより、予乾燥された骨材と常温あるいはそれより若干高い温度(100℃以下)で混合して、得られたアスファルト混合物を舗装施工すると、カットバック材の気化に伴って舗装としての強度が得られるものである。常温あるいはそれより若干高い温度(100℃以下)で使用が可能であるため、緊急性または迅速性を有する補修工事に使用することができる。
特に雨天時でも使用することができ、しかも水の存在下でも強度を得ることができる常温アスファルト混合物は、機能および特性から「全天候型常温アスファルト混合物」と呼称される場合もあり、既に開発、販売されている。これら常温アスファルト混合物は、アスファルト舗装の補修材料として、常温で使用することが可能であり、且つ作業性に優れることから年々、使用量が増加傾向にある。しかし、近年、全天候型常温アスファルト混合物の性能として、作業性だけでなく、耐久性が求められるようになってきた。例えば、非特許文献1のような規格がある。
前記の規格を満足する全天候型アスファルト混合物は、例えば非特許文献2に記載がある。前記全天候型アスファルト混合物は、改質アスファルトを用いるなどしているため、粘性が強く作業性が損なわれている。また、これらは、カットバックアスファルトを使用しているものが多く、所定の耐久性となるまで時間を要し、その間の道路としての強度が十分ではないという問題や大気汚染の問題がある為、種々の改良がなされてきた。例えば、カットバック材としてトール油脂肪酸を使用した常温施工型加熱アスファルト混合物が提供されている(特許文献3および4参照。)。
特許文献3では、化学的な反応(鹸化反応)を用い、早期に所定の耐久性を得ることができるが、固く脆いため、ひび割れが発生する懸念がある。
この発明は、上記の課題を鑑み、提案されたもので、特に骨材飛散抵抗性に注目し、一定の作業性を有し、早期に硬化し、且つ柔軟性を有する道路舗装などの補修材としての全天候型常温アスファルト混合物における課題を解決することであり、その原材料としての軟質アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを含む軟質アスファルト混合物(「カットバックアスファルト」とも言う。)とすることにより課題を解決することが出来たものである。勿論、道路舗装を舗設する際の材料の1つとしても使用可能な特性を備えた材料を提供することも目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、以下の特徴点および構成要件を有する全天候型常温アスファルト混合物が提供される。
即ち、本発明は上記課題を解決する手段として、雨天、寒暖のような気候条件の影響を考慮することなく施工ができるという特性を備えており、しかも常温で施工ができるという性質も備えた、いわゆる全天候型常温アスファルト混合物(以下、単に「常温アスファルト混合物」と表示する場合もある。)の概要および特徴は以下のとおりのものである。
(1)本発明の第1の特徴は、針入度80を超え300以下である軟質アスファルト100重量部に対して、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを30〜150重量部を含むことを特徴とする軟質アスファルト混合物、にある。
(2)本発明の第2の特徴は、軟質アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを含む軟質アスファルト混合物、骨材、セメント、及び繊維材料を含有する全天候型常温アスファルト混合物である。
(3)本発明の第3の特徴は、軟質アスファルト100重量部に対して、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルが1〜900重量部、繊維材料2〜30重量部および骨材200〜17000重量部との混合物からなり、さらに亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル100重量部に対してセメント10〜300重量部を含むことを特徴とする上記(2)に記載の全天候型常温アスファルト混合物にある。
(4)本発明の第4の特徴は、前記軟質アスファルトは、JIS K 2207:2006に記載されている針入度80を超え300以下のもの、または鉱物油、植物油及び異なる針入度のアスファルトからなる群から選ばれた1以上を混合し、前記針入度範囲内となるように調整したアスファルトであることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の全天候型常温アスファルト混合物にある。
(5)本発明の第5の特徴は、前記繊維材料は、セルロース、ビニロン、ガラスなどの天然のまたは合成の、繊維長0.1から10.0mm、繊維径1.0から100μmの繊維であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載の全天候型常温アスファルト混合物、にある。
(6)本発明の第6の特徴は、絶乾状態の骨材、前記セメント、前記繊維材料、加熱した前記軟質アスファルト、前記亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの順で混合して得られることを特徴とする上記(2)〜(5)のいずれかに記載の全天候型常温アスファルト混合物の製造方法、にある。
(7)本発明の第7の特徴は、前記軟質アスファルトと前記亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを含む軟質アスファルト混合物を貯蔵しておくことで、100℃以下の温度で製造および施工が可能であることを特徴とする上記(2)〜()のいずれかに記載の全天候型常温アスファルト混合物の製造方法、にある。
(8)本発明の第8の特徴は、軟質アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを含む軟質アスファルト混合物、骨材、セメント、および繊維材料を混合した全天候型常温アスファルト混合物が、施工中に該混合物へ水を供給することにより、前記亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル、前記セメントおよび前記水による鹸化反応により固化し、強度を発現させるようにした軟質アスファルト混合物の固化方法、にある。
この発明は、上記した発明の構成を採ることにより、以下に説明するような効果を奏する。
本発明では、軟質アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルとを混合したカットバックアスファルトを用いた常温アスファルト混合物を、施工時に硬化促進剤を供給することで、混合物中のアルカリ性添加材がイオン分解し、脂肪酸および/または脂肪酸エステルとの鹸化反応により早期に高い強度を発現することができる。また、本発明によれば、軟質アスファルト混合物と繊維材料を使用することで、混合物にたわみ性を付加することができる。
さらに、本発明では、カットバック材として亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを使用することにより、その他の脂肪酸および/または脂肪酸エステルを使用した場合に比べてより低粘度のカットバックアスファルトになるため、アスファルト混合物の作業性が飛躍的に向上する。さらに、本発明では、繊維材料を使用することで、アスファルト混合物にたわみ性を付加することができるため、舗装道路の流動、わだち、ひび割れ/クラック/欠損といった破損に基因する損失率が改善され、舗装道路の耐久性を著しく向上させるばかりでなく、骨材飛散抵抗性が極めて優れたものであるために、道路の施工上の有意性は勿論のこと、道路の安全性、保守管理および環境保全などにおいて卓越した作用効果を奏する。
図1(a)、図1(b)、図1(c)は、本発明に係る常温アスファルト混合物の概念について示した説明図である。 カットバック材としてトール油脂肪酸を使用した従来のカットバックアスファルトと、カットバック材として亜麻仁油脂肪酸を使用した本発明のカットバックアスファルトの温度−粘度の測定曲線である。 常温アスファルト混合物の養生時間を変化させ、マーシャル安定度を測定した結果である。 亜麻仁油脂肪酸に対するセメントの添加量を変化させ、マーシャル安定度を測定した結果である。 常温アスファルト混合物に添加する水の量を変化させ、マーシャル安定度を測定した結果である。 アスファルトの種類(針入度で示す)および亜麻仁油脂肪酸の添加量を変えて、アスファルト混合物の骨材飛散抵抗性の指標の一つである損失率を測定した結果である。 アスファルトに対する亜麻仁油脂肪酸の添加量を変化させ、カットバックアスファルトの粘度を測定した結果である。 アスファルト混合物に対して繊維材料の添加量を変えて、常温アスファルト混合物の骨材飛散抵抗性の指標の一つである損失率を測定した結果である。 常温アスファルト混合物に対して繊維材料の添加量を変えて、アスファルト混合物のひび割れ抵抗性(圧裂試験)を測定した結果である。
本発明の全天候型常温アスファルト混合物とは、常温で施工可能あり、しかも、その施工は全天候型の機能および特性を備えたものであり、その全天候型常温アスファルト混合物を構成する主要部分は、軟質アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルとを混合した軟質アスファルト混合物(慣用的には「組成物」とも呼称できる。)からなり、いわゆるカットバックアスファルトとしての機能および性能を備えたものであり、これがバインダ(以下、その機能から「バインダ」とも表示することもある。)として機能や役割を果たす。
これは、軟質アスファルト100重量部に対して、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを1〜900重量部添加した軟質アスファルト混合物から本質的に構成され、これは通常カットバックアスファルトの性能又は特性を備えている。
このカットバックアスファルトは、軟質アスファルト100重量部に対して、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを1〜900重量部を含有するカットバックアスファルトとしての性能または特性を備えた軟質アスファルト混合物からなる。亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの含有量は、粘度、特性などの事情を考慮して、好ましくは30〜600重量部、最も好ましくは25〜150重量部を含有することがよい。
ここでは、「重量部」表示とは、例えば、トン(t)、キログラム(kg)、グラム(g)などの慣用の単位重量の規定に基づいて特定することを指す。
亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを25、10、5重量部と順次添加量を少なくすれば、アスファルトの粘度が上昇し、半固体となる傾向を示すため、常温での施工を前提とした常温アスファルト混合物のバインダとしては不向きとなる。
一方、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを700、800重量部と順次多くすれば、粘度が低下し、常温での取り扱いは容易となるが、アスファルトの含有量が少なくなるため、常温アスファルト混合物のバインダとして使用した場合、たわみ性や飛散抵抗性などが低下する傾向を示す。
結局、本発明で特定する成分からなる仕様のものが、そのバインダに適しており、骨材、繊維材料、セメントなどの材料を併用することにより、早期硬化性、飛散抵抗性などの特殊な機能、および特性を発現することに有意であることを知見したものである。
すなわち、本発明は、軟質アスファルトと骨材と脂肪酸および/または脂肪酸エステルとアルカリ添加剤と繊維材料とを混合してなる繊維入り鹸化反応型常温アスファルト混合物から本質的に構成されるものである。このアスファルト混合物の施工時に反応促進剤、例えば水を供給し、脂肪酸および/または脂肪酸エステルとアルカリ添加剤とを鹸化反応させることにより、固化させるという原理に基づくものである。
本発明の概要を図に基づいて説明をすれば、図1は、本発明に係る常温アスファルト混合物を施工した組織の状態の概念を示したものであり、その原理および構造は、図1のように説明することが出来る。本発明の常温アスファルト混合物は、それを構成する材料の特性および形態に基づいて解析すれば、図1(a)「転圧前」に示すようにアスファルト1中に脂肪酸および/または脂肪酸エステル2が分散した状態の組成からなるカットバックアスファルト(以下、この組成を単に「カットバックアスファルト」と呼称することもある。)が、骨材5に被覆した状態となっている。また、前記カットバックアスファルト中にアルカリ添加剤3および繊維材料4が分散している状態の構造になると推定される。
このような常温アスファルト混合物を施工した際に、図1(b)「転圧後」に示すように、水6を散布し、プレートまたはタンパ7で転圧Rするとアスファルト1中に分散した脂肪酸および/または脂肪酸エステル2とアルカリ添加剤3とが鹸化反応により固化する。この時、鹸化反応により生成した脂肪酸塩は、界面活性剤としての機能および効果もあるため、アスファルト1中に分散した脂肪酸および/または脂肪酸エステル2とアルカリ添加剤3および水6とが接触・反応する補助機能の役割を果たすことになる。そのため、疎水性であるアスファルト中に脂肪酸および/または脂肪酸エステルが分散した状態であっても、アルカリ添加剤および水が反応することができる。
図1(b)に示すように、混合物中の繊維材料4は、硬化したカットバックアスファルト8と共に隣接する骨材同士を繋ぎ合わせた構造になっている。そのため、図1(c1)に示すように、固化後に、荷重Pが加わった場合であっても、繊維材料が混在していない場合には、簡単に破損(図1(c1)参照。)するが、繊維材料が混在する場合には、たわみ性などが加わり容易に破損することなく(図1(c2)参照。)、特に混合物のたわみ性が向上すると共に交通荷重がかかった場合、骨材飛散の発生が抑制される。
カットバックアスファルト中には、セメントのようなアルカリ添加材3および繊維材料4が均一に混合されており、この状態のものが、骨材に被覆しているため、鹸化反応による固化後においては、隣接する骨材同士が固化したカットバックアスファルトおよび繊維材料により強固に繋ぎ合わさる。そのため、骨材同士の接着強度が上昇し、骨材の離反や飛散を抑制し、有意に機能する。また、繊維材料は、常温アスファルト混合物施工後に車両による重量負荷から生じる変形、タイヤによる摩耗などに対しても有意に作用する。
繊維材料は、合成樹脂、コンクリート、石膏など各種無機材料の強化のために慣用的に使用される材料ではあるが、本発明のように、特にアスファルト混合物に混在する骨材間の乖離、飛散などを防ぎ、施工後の硬化アスファルト混合物の強化を達成する作用を果たすということは、本発明者の知見に基づくものである。
次に、本願発明の常温アスファルト混合物を構成する材料について説明する。使用する材料は、アスファルト、通常のアスファルト混合物に使用されている骨材の他に、脂肪酸および/または脂肪酸エステル、アルカリ添加剤および繊維材料を必須の構成材料とするものである。
本願発明の常温アスファルト混合物に使用する脂肪酸および/または脂肪酸エステルは、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルである。
本発明の常温アスファルト混合物を構成する、アスファルトについて説明すると、このアスファルトの特性の指標として、JIS規格(JIS K 2006、JIS K 2207等)でも詳細に規定されているが、典型的な指標として「針入度」(25℃、標準針の貫入量を1/10mmの単位で表示。)に基づいて特定することができる。
アスファルトの針入度の特性は、混合物の強度およびたわみ性に影響する要因であり、JIS・K・2207:2006に記載されている針入度80を超え300以下の範囲のものが望ましい。強度と軟質性を考慮し、ストレートアスファルト150/200(以下、アスファルト150/200)を使用することが好ましい。
その他、上記の針入度の範囲外のアスファルトであっても、鉱物油または植物性油などを混合し、針入度を所定の値に調整したアスファルトを用いても良い。
本発明の常温アスファルト混合物を構成するアスファルトとしては、通常分類される石油アスファルトおよび天然アスファルトの範疇に属するいずれのものも使用できる。特に規模的には、石油より製造されるストレートアスファルトを使用することが推奨されるが、それ以外にも酸化変性ブローンアスファルトなども使用できる。
本発明の軟質アスファルトとは、ストレートアスファルトなどの例では、アスファルト単独で、またはアスファルトに鉱物油、植物油、溶剤などを混合することにより調整したアスファルトであり、針入度80を超え300以下になるように調整したものが推奨される。ブローンアスファルトの場合も同様に単独で使用できるが、鉱物油、植物油、溶剤等を混合することにより、好ましくは、針入度80を超え300以下になるように調整したものが推奨される。
針入度50、40、30という80以下では、目地材料、塗布材料などとしての特性を備えるが、常温アスファルト混合物の材料とした場合は、硬く取り扱いが非常に困難であるため、特に繊維、骨材の混合にも支障となる。一方、260、280、320というように、特に300以上になると、柔らかな傾向を示すが、強靭性、強度などにおいて低下する傾向を示す。通常は、アスファルトを、針入度60〜80、80〜100、120〜150、というように区分して取り扱われている。そのため、強度と軟質性を考慮して、アスファルト150/200という仕様のものを選定して使用することが推奨される。
アスファルトは、針入度が60〜80の場合に軟化点も44.0〜52.0℃、針入度が80〜100の場合に軟化点も42.0〜50.0℃、針入度が150〜200の場合に軟化点も30.0〜45.0℃というように、針入度が高くなると、軟化点が漸次下がる傾向を示す。この点も考慮して、材料設計をする。
更に、このアスファルトは、舗装材料として、施工特性、所定の強度を発現するような性質を備えていることが必要であるばかりでなく、それを達成するために、勿論、道路舗装用のアスファルトとして適用する場合の、砂、砂利、スラグ、砕石、岩石粉といった骨材との混合特性、接着性などを備えていることが重要である。同様に、本発明の場合に、アスファルトは、繊維材料の分散性、混合特性、接着性、親和性などの特性も重要である。これらの事情を考慮すれば、針入度80を超え300以下のアスファルトを使用することが最も適している。
いずれにせよ、本発明のアスファルト混合物とは、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル(以下、総称して単に「亜麻仁油脂肪酸」と略称することもある。)でカットバックされた軟質アスファルト、骨材、セメント、繊維材料からなる常温アスファルト混合物を基本とする材料である。
カットバック材として、アスファルトに引火性の高い石油、軽質油などの鉱物油および炭化水素系溶剤を混合するような公知の危険を伴う従来の常温アスファルト混合物の製造方法および施工方法を回避し、またトール油等を使用する弊害を克服した、新たな性能向上の視点から、全天候型常温アスファルト混合物の開発を達成したものである。
本発明では、アスファルト混合物として、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルでカットバックされた軟質アスファルトを用いることにより、性能を低下させること無く、従来のカットバックアスファルトの問題を解決できることを知見したものである。
この亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルとは,下記の表1などで詳細に説明する通り、リノレン酸などの組成割合から見ても、例えばトール油などとは異なる成分および割合の仕様で構成されている。
カットバック材の亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの添加量は、軟質アスファルト100重量部に対して1〜900重量部、好ましくは25〜150重量部の範囲で添加することが出来る。
特に、図6に見る通り、アスファルト150/200を使用した例において解析してみると、骨材飛散抵抗性の指標の一つである「損失率」が最も低下(改善)した。また、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの添加量(重量部)を43、67、100重量部とした場合におけるその挙動を解析したところ、67重量部で損失率%の値が最も低い値(良い値)を示す結果となることを知見したものである。
また、特に注目すべき点は、日本改質アスファルト協会規格(JMAAS―01)において規定されているポリマー改質アスファルトII型(以下、改質II型という。)100重量部に対して、亜麻仁油脂肪酸を67重量部添加した場合の損失率%は、同様のアスファルト150/200の場合と比較して、損失率が上昇(悪化)した。通常は、骨材把握力に優れる改質II型を使用した方が損失率は、低下する。しかし、亜麻仁油脂肪酸などでカットバックされた改質II型は、本来の性能が発揮できずに損失率が上昇した。
このように、亜麻仁油脂肪酸でカットバックされたアスファルト150/200がセメントとの鹸化反応により固化した場合、同様の状態の改質II型よりも骨材飛散抵抗性(損失率%)が低下(改善)することは、全く予期しない挙動である。
この損失率が低いということは、作業環境ばかりでなく、舗装の補修材料としての安定性に優れるため、非常に有意な作用効果が達成できたものである。
アスファルト舗装後のカットバックの影響などを考慮すれば、最小限の適量という観点から、本発明のカットバック材の添加量は、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルと密接に関係した、技術的に臨界性のある値である。
更に、本発明の亜麻仁油脂肪酸と公知のトール油脂肪酸によりカットバックされたアスファルトの挙動を解析した結果を図2に示す。カットバック材として、アスファルト150/200、100重量部に本発明の亜麻仁油脂肪酸67重量部を添加した標準仕様のものと、公知のカットバック材である、例えば、トール油脂肪酸67重量部を添加した標準仕様のものとを、「温度−粘度」の関係を解析してみれば、図2の上側の曲線(L2)がトール油脂肪酸使用カットバックアスファルトの挙動を示す曲線であり、下側の曲線(L1)が亜麻仁油脂肪酸を添加したも場合の傾向を示す曲線である。本発明の亜麻仁油脂肪酸の粘度(−10℃)が36200mm/sであるのに対して、トール油脂肪酸の場合には、43700mm/sであり、亜麻仁油脂肪酸の方が低いことがわかる。
要するに、カットバックアスファルトとして、骨材、繊維、などの混合が常温のみならず低温時であっても容易実施できるばかりでなく、混合物(組成物)が均一な構造になっている。しかも取り扱いおよび施工においても低粘度は非常に有利な性質である。
本発明で使用する亜麻仁油脂肪酸は、特許文献1及び2に記載されているトール油脂肪酸やそのエステル、およびその他の油脂又は脂肪酸、具体的には、大豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸、米糠油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、およびこれらのエステルとはその脂肪酸組成が大きく相違している。
以下にその脂肪酸組成(含有%)を、下記の非特許文献3および非特許文献4を援用して、表1に示す。
上記脂肪酸組成(含有%)から明らかなように、本発明で使用する亜麻仁油脂肪酸および/または脂肪酸エステルは、主としてリノレン酸(炭素数18、二重結合数3)を30〜58%と最も多く含有している為、ヨウ素価が180〜195と最も高い。これに対して、亜麻仁油脂肪酸以外の植物由来脂肪酸類又はそのエステルにあっては、リノレン酸を殆んど含有しない為、ヨウ素価も140以下が殆んどである。
次に、本発明のアスファルト混合物を形成する、骨材、セメント、繊維材料などについて順次説明をする。セメントおよび繊維材料は、カットバック材を使用した場合に発生することが懸念される材料の問題点を解決する機能を果たす。
骨材とは、慣用的に使用される砂、砂利、スラグ、石粉、JIS規格(JIS K 5001、JIS K 2008)に準じた単粒度砕石、粒度調整砕石、クラッシャランおよびコンクリートの粉砕粒のような再利用のものを含めて、通常の骨材として利用されている各種骨材を、単独または混合して使用できる。カットバックアスファルトに骨材を添加混合する段階では、鹸化反応の関係で、水を多く含まない、乾燥した状態の骨材として取り扱うことが好ましい。骨材の添加量は、例えば、舗装の場合に、その舗装に要求される特性に応じて任意に現場の裁量により決めることが出来る量であるが、通常は、アスファルト100重量部に対して骨材200〜17000重量部、好ましくは、2500〜4000重量部程度である。骨材の材質および形状は任意であり、粒径は最大直径が0.01〜50mmと任意のものが採用できるが、参考までに、本願の混合物の標準的な粒度範囲を下記の表2に示す。
表2の [骨材の標準仕様の例]に見るとおり、骨材は、その材料の材質、種類および入手経路等により、その状態に若干の違いがあるが、上記の骨材粒度を有するものが望ましい。
常温アスファルト混合物の汎用性の観点からすれば、骨材の最大粒径は3〜20mmが望ましく、補修材として使用する場合、3〜5mm、舗装材として使用する場合、5〜20mmが好ましい。また、常温アスファルト混合物の作業性の観点からすれば、ふるい目0.075mmを通過する骨材の質量百分率は0〜10%が望ましい。勿論、常温アスファルト混合物の施工後に早期に交通解放をした場合に、常温アスファルト混合物が完全に硬化する前であっても容易に飛散・流動しないような骨材粒度とすることも重要である。
本発明のアスファルト混合物を形成する、繊維材料は、混合物への分散性が良いものが望ましい。また繊維材料は、強度およびたわみ性に影響する材料であるため、カットバック材の添加に起因するアスファルトの軟化点、強度および可撓性の低下を補足する重要な役割を果たす。さらに、混合物中の繊維材料は、硬化したカットバックアスファルトと共に隣接する骨材同士を繋ぎ合わせている。そのため、混合物のたわみ性が向上すると共に交通荷重がかかった場合、骨材飛散の発生が抑制されるという作用を奏する。
繊維材料としては、セルロースのような天然繊維、ビニロンのような合成樹脂繊維などの有機質繊維、ガラス、炭素繊維、鉱物繊維のような無機質繊維などの各種の繊維材料が挙げられる。その繊維材料の形体は、繊維長0.1〜10mm、繊維径1.0〜100μm程度のもの、好ましくは繊維長0.5〜5.0mm、繊維径5.0から80μmの範囲のものが望ましい。
繊維長が、0.08mmという、いわゆる0.1mm以下になれば、繊維としての機能が発現せず、補強効果が期待できない。また12mm、18mmというような10mm以上になれば、アスファルトへの混合、分散性などにおいて偏在、集塊、切断のような支障が発生して、繊維強化の発現が期待できないので、繊維長0.1〜10mmの範囲がベスト仕様である。繊維径は、1.0μmでは、常温アスファルト混合物を補強するためには、細すぎるので所定の強度が発現できない。また、90、100μmとなればアスファルト混合物との混合、分散性などに支障が生じる。いずれにしても、本発明の常温アスファルト混合物へ使用する繊維材料としては、繊維長0.5〜5.0mm、繊維径5.0〜80μmのものが好ましい。
本発明のアスファルト混合物の標準仕様のものを示すと、コストおよびアスファルトとの混合性を考慮し、アスファルト100重量部に亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル67重量部および一般的に使用されている平均繊維長1.0mm、繊維径50μmのセルロース繊維6.2重量部添加した場合のものがあげられ、その挙動を解析する。
図1(b)および図1(c)(特に、図1(c2)参照。)に示すように、混合物中の繊維材料は、硬化したカットバックアスファルトと共に隣接する骨材同士を繋ぎ合わせている。そのため、混合物のたわみ性が向上すると共に交通荷重がかかった場合、骨材飛散の発生が抑制されることがわかる。
本発明のアスファルト混合物を構成する、アルカリ添加剤にとしては、硬化促進剤(例えば、水)の作用によりアルカリ成分となる化合物であればよく、特に限定されず、硬化促進剤の作用のより低い水素イオン濃度(すなわちpHが大きい)を呈することが望ましく、環境的なことを考慮し、一般的な土木材料である、普通ポルトランドセメントを使用することが好ましい。また、水の存在下で、アルカリ性を呈する添加剤は、石灰、消石灰、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ性を示す添加剤である。
しかし、特に道路舗装などの資材として、セメントが簡単に入手でき、その取り扱いなどは現場の熟練者には熟知のことであり、作業性、安全面、環境面からも最も推奨される。
セメントの添加量は、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル100重量部に10〜300重量部である。
このセメントは、アスファルトに直接作用するものではなく、カットバック材である亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルとの鹸化反応の際にアルカリ成分として機能するものであり、カットバック材の添加量に密接に関係する。また、亜麻仁油脂肪酸とセメントの混合割合によって、常温アスファルト混合物の強度が変化する。
セメントの添加量に対する常温アスファルト混合物の強度変化を、マーシャル安定度測定試験を用いて解析および評価した結果を図4に示す。この実証試験では、アスファルト100重量部に対して亜麻仁油脂肪酸67重量部添加したカットバックアスファルトを用いた。セメントの添加量は、亜麻仁油脂肪酸100重量部に対して、0、30、50、75、100、200重量部添加した。供試体の作製にはアスファルト100重量部に対して150重量部の水を添加した。試験条件は、20℃3時間養生後に20℃でマーシャル安定度を測定した。
図4に見るとおり、30重量部以上で十分な強度が得られ、75重量部では19.1kNと最も高い値となり、100重量部以上となると値が低下する傾向が見られた。これは、一定のアスファルト量に対して、セメントなどの粉体の割合が多くなると、アスファルト混合物中の骨材などの材料へのアスファルト被膜の厚さが低下し、結果、混合物の強度も低下することが原因である。
また、セメントを200重量部以上とすると、常温アスファルト混合物の作業性に支障が生じ始め、400重量部以上となると材料の均一な混合も不可能となる。そのため、セメントは、亜麻仁油脂肪酸100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは30〜200重量部である。
また、アルカリ添加剤は、その種類によっては、カットバックアスファルトへ施工の段階で予め混合物に添加しておくことが標準的な使用方法であるが、施工後に水にアルカリ添加剤を混合した状態の水を舗装部分に散布することも可能である。
以上のように、本発明の常温アスファルト混合物とは、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルでカットバックされた軟質アスファルト、骨材、セメント、繊維材料からなる混合物を必須の成分としており、これに反応促進剤として水を供給することで、鹸化反応が進行し固化する。
水の添加量に対する常温アスファルト混合物の強度変化を解析した結果を図5として示す。この実証試験では、アスファルト100重量部に対して亜麻仁油脂肪酸67重量部、セメント6.2重量部とした。水の添加量は、アスファルト100重量部に対して、25、50、100、200、250重量部とすることにより、その挙動を解析した。評価方法は、前期セメント添加量の実証試験と同様とした。
図5より、50重量部で約11kNと十分な強度が得られ、150重量部以上でより強度が増し、200重量部以上で強度上昇が横ばいとなった。
本発明の常温アスファルト混合物が早期強度発現するためには、水の添加量は、50から250重量部が望ましい。また、実際の施工現場での既設舗装との接着性を考慮すると、50〜200重量部が好ましい。
勿論、以下の表3に示すように水の添加量が少ない場合でも、時間経過と共に鹸化反応および/またはセメントの水和反応が進行し、強度が増加する。
なお、本発明のアスファルト混合物は、必要により、常温アスファルト混合部物の特に作業性を損なわない範囲で、さらにアスファルト100重量部に対して、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、廃プラスチック、再生プラスチック、ゴムなどの天然あるいは合成の各種樹脂やゴムを1.0〜20重量部と任意に配合することにより、舗装道路のわだちの形成の防止、骨材の飛散防止、耐久性、磨耗防止、振動崩壊などを防止することが出来る。
以下に軟質アスファルトおよび亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル、セメント、繊維材料を使用した、上記の効果について実証実験を行った結果を示す。実証実験は、表2に示す合成粒度により実施した。
7号砕石49kgと砕砂14kgと石粉22.4kgからなる骨材と針入度150/200のアスファルト4.8kgと、市販の亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル3.2kgを調合したカットバックアスファルト8.0kgと市販の普通ポルトランドセメント2.3kg、市販の平均繊維長1.0mm、繊維径50μmのセルロース繊維0.3kgからなる混合物からなる仕様のものを使用して実験をする。
表2に示すふるい目(mm)を通して、「通過質量百分率(%)」を測定した合成粒度のものを使用して実験を行った。このような骨材粒度のものが標準仕様のものとして推奨され、これを表4に示す。
まず初めに、本発明の常温アスファルト混合物の早期硬化性を実証するために、上記標準仕様のアスファルト混合物の例において、各養生時間におけるマーシャル安定度を測定することにより、指標とすることができるので、その解析結果を図3として示す。養生時間は、0.5(30分)、1、3、6、24時間とした。供試体の作製にはアスファルト100重量部に対して150重量部の水を添加した。
図3より、養生開始直後から急激に硬化が進行し、1時間後には約12kNと十分な強度が発現し、6時間後には、ほぼ硬化が完了し、その後、緩やかに硬化が進行し、24時間後には約21kNとなった。これは、養生開始初期は、亜麻仁油脂肪酸とセメントの鹸化反応が急速に進行し、6時間後以降は、余剰のセメントの水和反応が進行することが原因である。
また、前記の通り、水の添加量が少ない場合においても、硬化速度は緩やかとなるが、鹸化反応により生じた水により経時的に硬化が進行する。
以上のように、水を添加し、締め固めた直後より急激に硬化が進行するため、施工現場おける初期の安定性に非常に優れる。
次に亜麻仁油脂肪酸でカットバックされたアスファルト150/200を使用した場合に同様の改質II型よりも骨材飛散抵抗性が抑制されることは、予期せぬ挙動であることを実証した。
アスファルトの種類および亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの添加量を変化させ、混合物の骨材飛散抵抗性を評価した結果を図6に示す。図6より、改質II型を使用した場合より、アスファルト150/200を使用した場合の方が、骨材飛散抵抗性の指標の一つである損失率が最も低下(改善)した。
この損失率の低下は、アスファルト150/200の試験温度における軟らかさが原因であり、試験時に生じる衝撃を吸収または分散したため、骨材の飛散が抑制された。通常は、骨材把握力に優れる改質II型を使用した方が、損失率が低下する。しかし、亜麻仁油脂肪酸またはトール油脂肪酸などでカットバックされた改質II型は、本来の性能が発揮できずに損失率が上昇した。
また、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの添加量を43、67、100重量部とした場合、67重量部で損失率の値が最も低い値(良い値)となった。そのため、本願開発の常温アスファルト混合物におけるアスファルトの種類は、アスファルト150/200、麻仁油脂肪酸の添加量は67重量部が最も望ましいと言える。
亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを100重量部添加した場合は、アスファルトが亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル中に分散している状態であるため、混合物の強度が低下し、損失率が上昇し、67重量部の場合は、アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルとの混合割合が最もバランスがとれた状態となったため、最も損失率が低下した。
前記の状態は、図4に示すようにアスファルト150/200に亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを43、67、100重量部添加したバインダの粘度より明らかである。亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルが43重量部以下の場合は、アスファルトの性状が強く粘度が高い。100重量部以上では、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの性状が強く粘度が著しく低下する。
また、改質II型100重量部に亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを67重量部添加したカットバックアスファルトは、25℃おいて試験機器の測定限界を超えるほど粘性が高い。そのため、常温アスファルト混合物としての作業性に劣る。
繊維材料を使用した場合においては、骨材飛散が抑制されることおよびたわみ性がより向上することを実証した。つまり、アスファルト100重量部に対して繊維材料(セルロース繊維、平均長さ1.0mm、直径50μm)の添加量を0重量部、6.2重量部、10.4重量部と変化させ骨材飛散抵抗性を測定および評価した結果を図8に示す。
また、繊維材料を添加することで、混合物の比表面積が増加することが想定されたため、バインダ量も変化させ、試験を実施した。
本発明の常温アスファルト混合物に繊維材料を添加した材料挙動を解析した結果を図8として示す。図8の解析結果を考察すると、繊維材料を添加することおよびより軟質なアスファルトを使用することで骨材飛散抵抗性の指標の一つである「損失率」が改善されることが明らかとなった。繊維材料の添加量を増加すると、損失率が低下する傾向にあるが、同時に必要なバインダ量(アスファルト+亜麻仁油脂肪酸の総和を指す。)も増加する。バインダ量とその他の物性のバランスを考慮して、本発明の開発の常温アスファルト混合物における繊維添加量は、好ましくは6.2重量部であり、バインダ量は8.0質量%が望ましいと言える。
次に、本願の混合物のひび割れ抵抗性を圧裂試験により評価した結果を図9に示す。前記の骨材飛散抵抗性の評価にて、繊維材料の添加量は、軟質アスファルト100重量部に対して6.2重量部が好ましいとの結果が得られたため、ひび割れ抵抗性の評価の際には、繊維材料の添加量を0および6.2重量部とした。
図9に示す解析結果を考察すれば、繊維材料を添加することおよびより軟質なアスファルトを使用することでひび割れ抵抗性の指標の一つである「圧裂強度比(0℃/60℃)」が改善されることが明らかとなった。
圧裂試験をアスファルト混合物の力学的評価に用いた場合、以下のことがいわれている。アスファルト混合物の感温性を示すと考えられている0℃と60℃の圧裂強度比と路面性状には相関性があり、圧裂強度比が大きい、即ち、感温性大のものはわだち掘れが大きく、圧裂強度比が小さい、即ち、感温性小のものはひび割れが発生しやすい。60℃における圧裂強度とわだち掘れ量には負の相関があり、圧裂強度が高いほど、対流動性に優れる。より軟質なアスファルト150/200を用いた場合、圧裂強度比が上昇し、わだち掘れ抵抗性が改善される。特に、繊維材料を添加すると、圧裂強度比が大きく上昇したことから、繊維材料が本発明品のわだち掘れ抵抗性の改善に大きく貢献していることが判明した。
以下に、本発明の典型的な実施例を挙げて説明をするが、本発明の技術範囲は、この実施例により限定されるものではない。
標準的な合成粒度は表2に示す通りであり、配合割合を表5に示す。
本願発明の常温アスファルト混合物の簡易的な製造方法を説明する。
1)混合機械
使用する混合機械としては、カットバックアスファルトの製造では、小〜中型撹拌機を、混合物の製造では、モルタルミキサー(50〜100 kg)を使用した。
2)バインダの製造
130℃に加熱したアスファルト150/200(6.0kg)に対して、常温の亜麻仁油(4.0kg)を添加し、130℃で1時間撹拌したしたものを、バインダと呼称する。
3)混合物の製造
混合物の混合手順は、骨材(89.4kg)、セメント(2.3kg)、セルロース繊維(0.3kg)、バインダ(8.0kg)の順で、該当する量を混合する。骨材は、火炎でまたは熱で乾燥した絶乾状態のものを実施例として使用する。
比較例混合物の製造
一般的な道路舗装に使用されているストレートアスファルト60/80(4.2kg)に対して亜麻仁油脂肪酸(2.8kg)を添加したバインダ(7.0kg)と骨材(90.9kg)とセメント(2.1kg)を混合した材料(以下、比較用混合物)を作成して、比較例混合物とする。
4)供試体作製手順
混合物製造後の供試体作製手順は、常温(20℃)の混合物をモールド(型枠)へ充填した後に水を添加し、締固めを行い、恒温室で養生する。
上述の製造方法により作成した混合物に対して、表6に示す各種性状試験を実施した。
以上の通り、本発明の全天候型常温アスファルト混合物は、亜麻仁油とセメントおよび水との鹸化反応により早期に固化するため、養生時間が試験用供試体作製後20℃で24時間という常温アスファルト混合物の試験条件として短い養生時間であっても、優れた骨材飛散抵抗性(損失率%)であると評価できる。道路舗装の補修材として使用した場合、早期に硬化し且つ骨材飛散抵抗性に優れるため、通常のカットバックアスファルトを使用した全天候型常温アスファルト混合物よりも非常に優れた性能を有するといえる。
比較例混合物と比較すれば、「損失率(%)」、「曲げ試験」、「圧裂強度比」の結果においては、本発明の混合物が優れている。すなわち、アスファルト150/200およびセルロース繊維を使用したことで、骨材飛散抵抗性およびひび割れ抵抗性が改善されたといえる。
本発明の混合物と比較用混合物の「マーシャル安定度」および「動的安定度(DS)」を比較すると本発明の混合物の方が低い値であるが、前記の「損失率(%)」、「曲げ試験」、「圧裂強度比」の結果も考慮すると、比較用混合物は、骨材飛散抵抗性およびひび割れ抵抗性に劣るため、実際の現場で補修材として使用した場合に、本来の性能を発揮する前に再び破損してしまう。
また、一般的な道路舗装に使用されている密粒度アスファルト混合物(13)の動的安定度は、300〜500回/mmと本発明の混合物と同程度であるため、道路舗装の補修材としての性能に問題はない。
本発明の常温アスファルト混合物は、比較的低い温度で、安全に、混合、加工および施工ができるので、工事関係者には作業性が非常に安全、能率、工期短縮などにおいて有意な効果を奏する。例えば、道路舗装、広場、施設などの舗装、防水工事、補修工事などの施工が容易に達成できるために、アスファルトを取り扱う産業の発達に大いに寄与する。
特に、常温アスファルト混合物は、特に雨天のような施工環境が悪い状態においても天候を考慮することなく作業ができるばかりでなく、大規模な道路の施工、補修作業に適しており、交通量の多い道路の短時間補修には勿論のこと、街中の、水道、ガス、セットバックなどの、常時通行人が多く、注意を要する作業現場でも、アスファルトの取り扱いが安全で、即座に、短期間で施工することが出来るので、常温アスファルトを利用する、特に土木、建設を含めた産業分野の発展および新たな利用分野の可能性を期待することが出来る。
1 アスファルト
2 亜麻仁油脂肪酸
3 アルカリ剤(セメント)
4 繊維材料
5 骨材
6 水
7 プレート又はタンパ
8 硬化したカットバックアスファルト
P 荷重
R プレート、タンパなどによる転圧
L 温度粘度曲線
特開平10−140010号公報 特開平11−012475号 特開2008-196145号 特許第5583978号 国際公開第2011/086722号
「緊急補修に用いる常温混合物の規格値」,首都高速道路株式会社 NETIS(新技術共有システム) 登録No.KT−090060−V ニチレキ株式会社 大川内啓至郎著「環境調和型印刷インキ用樹脂への取り組み」第2頁「表1」参照。 インターネット検索「油脂毎の脂肪酸組成表 主な植物油脂の脂肪酸組成(%)」より抜粋。

Claims (8)

  1. 針入度80を超え300以下である軟質アスファルト100重量部に対して、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを30〜150重量部を含むことを特徴とする軟質アスファルト混合物
  2. 軟質アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを含む軟質アスファルト混合物、骨材、セメント、及び繊維材料を含有することを特徴とする全天候型常温アスファルト混合物。
  3. 軟質アスファルト100重量部に対して、亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルが1〜900重量部、繊維材料2〜30重量部および骨材200〜17000重量部との混合物からなり、さらに亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル100重量部に対してセメント10〜300重量部を含むことを特徴とする請求項2に記載の全天候型常温アスファルト混合物。
  4. 軟質アスファルトは、JIS K 2207:2006に記載されている針入度80を超え300以下、または鉱物油、植物油を混合し、前記針入度範囲内となるように調整したアスファルトであることを特徴とする請求項2又は3に記載の全天候型常温アスファルト混合物。
  5. 前記繊維材料は、天然の又は合成の、繊維長0.1〜10 mm、繊維径1.0〜100μmの繊維であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の全天候型常温アスファルト混合物。
  6. 絶乾状態の骨材、前記セメント、前記繊維材料、加熱した前記軟質アスファルト、前記亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルの順で混合して得られることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の全天候型常温アスファルト混合物の製造方法
  7. 前記軟質アスファルトと前記亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを含む軟質アスファルト混合物を貯蔵しておくことで、100℃以下の温度で製造および施工が可能であることを特徴とする請求項2〜のいずれかに記載の全天候型常温アスファルト混合物の製造方法
  8. 質アスファルトと亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステルを含む軟質アスファルト混合物、骨材、セメント、および繊維材料を混合した全天候型常温アスファルト混合物が、施工中に該混合物へ水を供給することにより、前記亜麻仁油脂肪酸および/または亜麻仁油脂肪酸エステル、前記セメントおよび前記水による鹸化反応により固化し、強度を発現させるようにした軟質アスファルト混合物の固化方法。
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