JP2020066980A - 低温施工型道路補修材 - Google Patents

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仁 中野
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Abstract

【課題】常温環境下のみならず、寒冷地等の低温環境下においても高い施工性を有するとともに、施工してから十分な強度を発現するまでの時間を短縮化することができる低温施工型道路補修材を提供する。【解決手段】低温施工型道路補修材は、骨材と、アスファルトと、脱水ヒマシ油脂肪酸と、アルカリ性添加材とを含有する。また、脱水ヒマシ油脂肪酸の凝固点は0℃未満であることが好ましい。さらに、骨材に対する、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比は、100:5〜100:10の範囲内であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、常温環境下のみならず、寒冷地等の低温環境下においても、アスファルト道路を補修するのに好適な低温施工型道路補修材に関するものである。
従来、アスファルト道路を補修するための道路補修材として、常温(100℃以下)で施工する常温施工型のアスファルト混合物が提案されている。例えば、特許第5583978号公報には、アスファルトと、骨材と、カットバック材としてのトール油脂肪酸と、セメントとを混合してなり、トール油脂肪酸のカットバック材としての作用により、常温での施工が可能な常温施工型アスファルト混合物が開示されている(特許文献1)。
特許第5583978号公報
しかしながら、従来の常温施工型の道路補修材は、低温環境下における施工を想定していない。このため、冬期における寒冷地等では、アスファルトの粘度が高くなり道路補修材が団子状に固まってしまうという問題がある。そうすると、作業者は、スコップ等を用いて細かくほぐしたり、バーナー等で加熱して軟化させなければならず、施工性が著しく悪いという問題がある。
また、道路補修材は、舗装工事とは異なり、応急処置的にアスファルト道路を補修するものである。このため、特に交通量の多い道路等においては、補修した後、一刻も早く交通を開放することが要求される。したがって、施工してから十分な強度を発現するまでの時間が遅いほど、道路補修材としては敬遠される傾向にあるという問題もある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、常温環境下のみならず、寒冷地等の低温環境下においても高い施工性を有するとともに、施工してから十分な強度を発現するまでの時間を短縮化することができる低温施工型道路補修材を提供することを目的としている。
本発明に係る低温施工型道路補修材は、常温環境下のみならず、寒冷地等の低温環境下においても高い施工性を有するとともに、施工してから十分な強度を発現するまでの時間を短縮化するという課題を解決するために、骨材と、アスファルトと、脱水ヒマシ油脂肪酸と、アルカリ性添加材とを含有する。
また、本発明の一態様として、氷点下の低温環境下においても、低温施工型道路補修材を固まりにくくし、冬期の寒冷地における保存性や施工性を向上するという課題を解決するために、脱水ヒマシ油脂肪酸の凝固点が0℃未満であることが好ましい。
さらに、本発明の一態様として、施工時における鹸化反応を十分に進行させ、アスファルト道路として十分な強度を発現させるという課題を解決するために、前記骨材に対する、前記アスファルトおよび前記脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比が、100:5〜100:10の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の一態様として、低温環境下においても粘度を抑制し、高い施工性を担保するとともに、施工後のアスファルト道路に安定的で十分な強度を発現させるという課題を解決するために、前記アスファルトに対する、前記脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比が、100:80〜100:120の範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明の一態様として、低温施工型道路補修材に施工性、保存性および十分な初期強度のいずれの観点においても優れた性状を発揮させるという課題を解決するために、前記骨材、前記アスファルトおよび前記脱水ヒマシ油脂肪酸に対する、前記アルカリ性添加材の重量比が、1000:25〜1000:50の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の一態様として、骨材同士の噛み合わせを高めて空隙を低減し、骨材のみでも十分な強度を発現するという課題を解決するために、前記骨材は、粒径が0.075mm未満の充填材と、粒径が0.075mm以上2.5mm未満の細骨材と、粒径が2.5mm以上5.0mm未満の粗骨材とから構成されており、
前記充填材の配合割合が、1〜10重量%、
前記細骨材の配合割合が、60〜90重量%、
前記粗骨材の配合割合が、1〜30重量%、
であることが好ましい。
本発明によれば、常温環境下のみならず、寒冷地等の低温環境下においても高い施工性を有するとともに、施工してから十分な強度を発現するまでの時間を短縮化することができる。
本発明に係る低温施工型道路補修材を説明する図である。 各種のヒマシ油誘導体について、粘性試験および硬化試験の結果を示す表である 本実施形態の低温施工型道路補修材において、骨材に対する、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比と、その性状との関係を示す表である。 本実施形態の低温施工型道路補修材において、アスファルトに対する、脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比と、その性状との関係を示す表である。 本実施形態の低温施工型道路補修材において、骨材、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸に対する、アルカリ性添加材の重量比と、その性状との関係を示す表である。 本実施例1の試験結果を示す表である。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、骨材と、アスファルトと、脱水ヒマシ油脂肪酸と、アルカリ性添加材とを含有する低温施工型道路補修材により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明に係る低温施工型道路補修材の一実施形態について説明する。本発明に係る低温施工型道路補修材は、図1に示すように、アスファルト道路に生じたポットホールやひび割れ等の欠損部分を補修するためのものであり、主として、骨材と、アスファルトと、脱水ヒマシ油脂肪酸と、アルカリ性添加材とを含有している。そして、施工時には、低温施工型道路補修材に水等の硬化促進剤を添加することにより、脱水ヒマシ油脂肪酸がアルカリ性添加材に由来するアルカリ成分と鹸化反応して固化し、アスファルト道路の強度を高めるようになっている。
骨材としては、石粉、左官砂、砕石等のように、通常の舗装用アスファルトに用いられる骨材を用いることができる。本実施形態において、骨材は、粒径が0.075mm未満の充填材(フィラー)と、粒径が0.075mm以上2.5mm未満の細骨材と、粒径が2.5mm以上5.0mm未満の粗骨材とから構成されており、その配合割合は以下のように設定されている。
充填材の配合割合:1〜10重量%
細骨材の配合割合:60〜90重量%
粗骨材の配合割合:1〜30重量%
上記配合割合であれば、骨材同士の噛み合わせが良く、空隙も少ないため骨材のみでも十分な強度が発現される。一方、上記配合割合と比較して、細骨材に対する粗骨材の配合割合を増やすほど空隙が増加する。そうすると、充填材やアスファルト、または脱水ヒマシ油脂肪酸の添加量を増やさなければならず、施工後の強度も低下傾向となる。ただし、骨材の配合割合は上記に限定されるものではなく、骨材の種類に応じて適宜設定しうる。
アスファルトとしては、天然アスファルトや改質アスファルト等のように、通常の舗装用アスファルトに用いられるアスファルトを用いることができる。本実施形態では、入手のし易さやコスト面を考慮して、ストレートアスファルトを使用しているが、これに限定されるものではない。また、本実施形態では、低温環境下における施工性や強度、および保存性等を考慮して、針入度が80〜100のストレートアスファルトを使用しているが、これに限定されるものではない。
脱水ヒマシ油脂肪酸は、アスファルトに流動性を持たせるカットバック材としての役割と、施工後の硬化速度を早める役割を果たすものである。脱水ヒマシ油脂肪酸の選定に際して、本願発明者は、まず、動植物性油脂の中から、ヒマシ油、パーム油、ゴマ油、大豆油、米油、菜種油、桐油、魚油のそれぞれについて、鹸化反応試験を実施したところ、常温環境下において硬化するものがなかった。
これは、ヨウ素価が130以上の乾性油に含まれる油脂でなければ、鹸化反応が進行しないためである。そこで、鹸化反応を生じさせる油脂または脂肪酸のうち、低温環境下でも固まり難い性状を持たせるべく、凝固点が低いものであって、なおかつ、施工後は短時間で固まり易い性状を持たせるべく、鹸化速度が早いものという観点で調査した。
その結果、ヒマシ油は、凝固点が低く、かつ、鹸化速度恒数が高いことに着目し、各種のヒマシ油誘導体について配合試験を実施した。具体的には、不乾性油であるヒマシ油を化学反応により乾性油にした脱水ヒマシ油(DCO:Dehydrated Castor Oil)、ヒマシ油を鹸化分解して得られるヒマシ油脂肪酸(CO−FA:Castor Oil - Fatty Acid)、脱水ヒマシ油を鹸化分解して得られる脂肪酸の蒸留精製品である脱水ヒマシ油脂肪酸(DCO−FA:Dehydrated Castor Oil Fatty Acid)の3種類について、粘性試験および硬化試験を実施した。その結果を図2に示す。
なお、粘性試験については、後述する製造方法によって各種のヒマシ油誘導体を用いた混合物を製造し、その低温環境下(室温程度)における粘性を官能試験によって判定した。また、硬化試験については、まず、所定の容器に各種のヒマシ油誘導体を用意し、セメント(アルカリ性添加材)を添加して撹拌した。その後、水(硬化促進剤)を入れてさらに撹拌し、鹸化反応が進行しうる状態とした。そして、容器中の液体が、時間経過(数十秒〜1分程度)とともに固体に変化する様子を観察し、以下の基準により評価した。
〇:完全に固体に変化したもの
△:固体にはなったが若干柔らかく、なおかつ時間が多少掛かったもの
×:いつまでも固体にはならず、液体のままだったもの
図2に示すように、水(硬化促進剤)を添加する前の粘性については、いずれのヒマシ油誘導体も低い状態を呈し、低温環境下においても高い施工性を有することが示された。一方、水(硬化促進剤)を添加した後の硬化性については、脱水ヒマシ油脂肪酸のみが良好な結果であったため、これを採用することとした。
また、本実施形態において、脱水ヒマシ油脂肪酸としては、冬期の寒冷地における施工性を考慮して、凝固点が低温域のものが好ましく、たとえば5℃以下のものが好ましく、0℃以下のものがより好ましい。本実施形態では0℃未満のものを使用している。これにより、氷点下の低温環境下においても、低温施工型道路補修材は固まりにくくなるため、北海道のような寒冷地においても、冬期の保存性や施工性が向上する。
アルカリ性添加材は、脱水ヒマシ油脂肪酸との鹸化反応の際にアルカリ成分として機能するものである。本実施形態において、アルカリ性添加材としては、入手のし易さや環境面を考慮して、ポルトランドセメントを使用しているが、これに限定されるものではない。例えば、ナトリウムイオンやカリウムイオン等の金属イオンを含む水溶液、もしくは水を添加することで上記イオンに分解する金属塩を含む粉末、もしくは炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等を使用することができる。
つぎに、本実施形態の低温施工型道路補修材における最適な配合割合について説明する。本実施形態において、骨材に対する、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比は、図3に示すように、100:5〜100:10の範囲内とすることが好ましい。この範囲内であれば、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸が骨材全体に行き渡るため、低温度環境下における良好な施工性を担保する。また、施工時には鹸化反応が十分に進行して初期硬化も良好であり、アスファルト道路が十分な強度を発現して高い耐久力を発揮する。
一方、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸の添加量が少な過ぎると、低温度環境下における施工性はそれほど問題ないものの、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸が骨材全体に行き渡らないため、初期硬化が不足しがちであり、アスファルト道路の耐久力も低下するおそれがある。また、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸の添加量が多過ぎると、低温施工型道路補修材のべたつきが多くなり、施工性が低下するおそれがある。
また、本実施形態において、アスファルトに対する、脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比は、図4に示すように、100:80〜100:120の範囲内とすることが好ましい。この範囲内であれば、低温施工型道路補修材の粘度が十分に抑制されるため、低温環境下においても団子状に固まってしまうことがなく、高い施工性が担保される。また、脱水ヒマシ油脂肪酸に対するアスファルトの添加量が十分に担保されるため、施工後のアスファルト道路は、安定的に十分な強度を発現する。
一方、アスファルトに対する脱水ヒマシ油脂肪酸の添加量を少なくするほど、低温環境下における粘度が増大するため、施工性が低下する傾向にある。逆に、アスファルトに対して脱水ヒマシ油脂肪酸の添加量を多くするほど、粘度が低下して施工性は向上するものの、アスファルトの強度を弱めてしまう傾向にある。
なお、図4における施工性は、以下の基準により評価した。
〇:スコップ等で低温施工型道路補修材を敷き均しやすい
△:敷き均しはできるが〇に劣る
×:スコップの力のみでは硬くて敷き均し難い
また、図4における強度は、マーシャル安定度試験による試験結果を首都高速道路株式会社により定められた品質を保証する規格値と比較し、以下の基準により評価した。
〇:規格値を大幅に超えている
△:規格値付近である
×:規格値を超えていない
さらに、本実施形態において、骨材、アスファルトおよび脱水ヒマシ油脂肪酸に対する、アルカリ性添加材の重量比は、1000:25〜1000:50の範囲内とすることが好ましい。この範囲内であれば、図5に示すように、施工性、5ヶ月以上の保存性、および十分な初期強度のいずれの観点においても優れた性状を発揮することとなる。
一方、アルカリ性添加材の添加量を少なくするほど、鹸化反応に必要なアルカリ成分が不足し、施工後の初期強度が十分に発現しないおそれがある。また、アルカリ性添加材の添加量を多くするほど、施工性や保存性が低下する傾向にある。
なお、図5における施工性は、以下の基準により評価した。
〇:スコップ等で低温施工型道路補修材を敷き均しやすい
△:敷き均しはできるが〇に劣る
×:スコップの力のみでは硬くて敷き均し難い
また、図5における保存性は、以下の基準により評価した。
〇:5ヶ月間の保存に成功した
△:5ヶ月間で鹸化反応が若干進行し、性能面に不安がある
×:5ヶ月間で鹸化反応が大幅に進行し、保存ができない
さらに、図5における初期強度は、以下の基準により評価した。
〇:約1時間経過後に鹸化反応による硬化が確認できた
△:約1時間経過後に鹸化反応は確認できるが〇より劣る
つぎに、本発明に係る低温施工型道路補修材の製造方法について説明する。本実施形態の低温施工型道路補修材は、上述した配合割合に調製された、骨材と、アスファルトと、脱水ヒマシ油脂肪酸と、アルカリ性添加材とを用いて、以下の手順によって製造することができる。
(1)アスファルトを釜に投入し、100℃になるまで加熱する。
(2)骨材をロータリーキルンに投入し、100℃になるまで加熱する。
(3)加熱した骨材をミキサーに投入し、その直後に加熱したアスファルトも投入する。
(4)骨材にアスファルトが絡まるまで、ミキサーによって所定時間混合する。
(5)脱水ヒマシ油脂肪酸をミキサーに投入し、所定時間混合する。
(6)アルカリ性添加材をミキサーに投入し、所定時間混合する。
(7)必要に応じて袋詰めする。
つぎに、本発明に係る低温施工型道路補修材の施工方法について説明する。本実施形態の低温施工型道路補修材は、図1に示すように、アスファルト道路に生じた欠損部分に余盛りして均した後、水等の硬化促進剤を均一に散布し、タンパー等で転圧し締め固める。これにより、低温施工型道路補修材に含まれる脱水ヒマシ油脂肪酸とアルカリ性添加材とが、硬化促進剤によって鹸化反応し固化することで、アスファルト道路の強度を高めるようになっている。なお、締め固め方法は、タンパー等による転圧に限定されるものではなく、足で踏み固めてもよいが、完全硬化後の強度が低下するおそれがある。
以上のような本発明に係る低温施工型道路補修材によれば、以下のような効果を奏する。
1.常温環境下のみならず、寒冷地等の低温環境下においても高い施工性を有するとともに、施工してから十分な強度を発現するまでの時間を短縮化することができる。
2.氷点下の低温環境下においても、低温施工型道路補修材を固まりにくくし、冬期の寒冷地における保存性や施工性を向上することができる。
3.施工時における鹸化反応を十分に進行させ、アスファルト道路として十分な強度を発現させることができる。
4.低温環境下においても粘度を抑制し、高い施工性を担保するとともに、施工後のアスファルト道路に安定的で十分な強度を発現させることができる。
5.低温施工型道路補修材に施工性、保存性および十分な初期強度のいずれの観点においても優れた性状を発揮させることができる。
6.骨材同士の噛み合わせを高めて空隙を低減し、骨材のみでも十分な強度を発現することができる。
つぎに、本発明に係る低温施工型道路補修材の具体的な実施例について説明する。
本実施例1では、本発明に係る低温施工型道路補修材を用いて作製した供試体につき、初期安定性を示す指標を測定可能なマーシャル安定度試験、本願発明者による独自の安定度試験および常温ホイールトラッキング試験、供用時の耐久性を示す指標を測定可能なカンタブロ試験、−20℃での低温カンタブロ試験および一軸圧縮試験、降雨時の耐水性を示す指標を測定可能な簡易ポットホール走行試験のそれぞれを実施した。また、比較例として、市販の常温施工型アスファルト混合物を用意し、同様の試験条件下でマーシャル安定度試験、独自の安定度試験、カンタブロ試験および低温カンタブロ試験を行った。その結果を図6に示す。
なお、独自の安定度試験は、常温環境下で施工した道路補修材の1時間後における強度を想定したものであり、図6に示すとおり、常温(20℃)で60分養生した供試体の強度を測定した。また、他の各試験は一般社団法人日本道路建設業協会の試験法便覧(簡易舗装要綱)に基づく方法により実施した。さらに、図6に示す規格値としては、首都高速道路株式会社により定められた品質を保証する規格値を使用した。
図6に示すように、本実施例1の低温施工型道路補修材は、規格値がない試験を除く全ての試験結果において、規格値を上回っており、道路補修材として優れた性状を有することが示された。特に、初期の安定性を示すマーシャル安定度試験および常温ホイールトラッキング試験の結果は、規格値を大幅に上回っており、十分な初期強度を発現することが示された。
また、独自の安定度試験の結果、本実施例1の低温施工型道路補修材は、市販品と比較して約2.6倍の強度を有しており、施工後は短時間で十分な強度を発現することが示された。これは、補修した後、一刻も早く交通を開放することが要求される道路補修材として、極めて好適な性質を備えているといえる。
さらに、供用時の耐久性を示すカンタブロ試験(5℃)は、比較例と比較して、ほぼ変わらない結果を示す一方で、低温カンタブロ試験(−20℃)の結果は、比較例と比較して4%以上も損失量が低減されており、低温環境下においても高い強度を発現することが示された。
以上の本実施例1によれば、本発明に係る低温施工型道路補修材は、道路補修材として優れた性状を有することが示された。また、施工後は短時間で十分な強度を発現すること、および低温環境下においても高い強度を発現することが示された。
なお、本発明に係る低温施工型道路補修材は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、本発明に係る低温施工型道路補修材には、本発明の作用効果を損なわない限りにおいて、骨材、アスファルト、脱水ヒマシ油脂肪酸、アルカリ性添加材以外の添加剤を添加してもよい。

Claims (6)

  1. 骨材と、アスファルトと、脱水ヒマシ油脂肪酸と、アルカリ性添加材とを含有する低温施工型道路補修材。
  2. 前記脱水ヒマシ油脂肪酸の凝固点が0℃未満である、請求項1に記載の低温施工型道路補修材。
  3. 前記骨材に対する、前記アスファルトおよび前記脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比が、100:5〜100:10の範囲内である、請求項1または請求項2に記載の低温施工型道路補修材。
  4. 前記アスファルトに対する、前記脱水ヒマシ油脂肪酸の重量比が、100:80〜100:120の範囲内である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の低温施工型道路補修材。
  5. 前記骨材、前記アスファルトおよび前記脱水ヒマシ油脂肪酸に対する、前記アルカリ性添加材の重量比が、1000:25〜1000:50の範囲内である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の低温施工型道路補修材。
  6. 前記骨材は、粒径が0.075mm未満の充填材と、粒径が0.075mm以上2.5mm未満の細骨材と、粒径が2.5mm以上5.0mm未満の粗骨材とから構成されており、
    前記充填材の配合割合が、1〜10重量%、
    前記細骨材の配合割合が、60〜90重量%、
    前記粗骨材の配合割合が、1〜30重量%、
    である、請求項1から請求項5のいずれかに記載の低温施工型道路補修材。
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