JP5583978B2 - 常温施工型加熱アスファルト混合物 - Google Patents

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本発明は、道路舗装等に使用する常温施工型加熱アスファルト混合物に関するものである。
通常加熱アスファルト混合物は、舗装施工便覧等に示されるように、初期転圧温度は110〜140℃の範囲内で行われている。
また、中温化技術を使用した加熱アスファルト混合物、すなわち中温化アスファルト混合物は、一般的には加熱アスファルト混合物の可使温度範囲を下限側に30℃拡げることができるとされている。
しかし、加熱アスファルト混合物は、舗設直後から大きな強度が得られるものの、その可使時間は混合物が温度低下するまでの時間であり、少量の混合物を数回に分けて使用する場合や、長時間混合物を運搬する場合、薄層オーバーレイ工法など施工厚さが薄く敷きならし直後には大幅な温度低下がともなう場合には適用が困難となる。
一方、中温化アスファルト混合物は、通常、加熱アスファルト混合物に比べて可使温度範囲を30℃程度拡げることができるが、前記の条件では十分な効果が得られるとは言い難い。
そこで、アスファルト混合物を常温(100℃以下)で施工する常温施工型のアスファルト混合物が種々提案されている。
例えば、アスファルト混合物の粘度を鉱物油等を使用して強制的に低下させる、いわゆるカットバックアスファルト混合物がある。カットバックアスファルト混合物は、特許文献1に示すように鉱物油等のカットバック材でアスファルトを軟質化させ、カットバック材の揮発に伴って、アスファルト混合物の強度を発現させるものである。
また、アスファルト乳剤を用いた常温アスファルト混合物は、骨材を加熱、乾燥する必要がないが、強度が比較的小さい上にアスファルト乳剤の分解速度を考慮しなければならず、使用できる範囲が限定されてしまう場合があった。
特開平11−12475号公報
しかし、上記したようにアスファルト混合物を鉱物油等を使用してカットバックし、施工時の粘度を強制的に低下させる方法では、例えば、道路の交通開放時点の混合物強度が極端に低下すると共に、養生時間が長くなると云う欠点が存在した。この問題を解決するには、カットバックアスファルトを施工後、急速に固化させる必要があるが、現在のところ常温で鉱物油を固化させることはできない。また、アスファルト乳剤を用いた常温アスファルト混合物は、舗装施工後のアスファルト乳剤の分解前に雨が降ったりすると、乳剤が流れ出し周囲を汚染する虞れも存在し環境面からも問題があった。
この発明は、上記に鑑み提案されたもので、加熱アスファルト混合物を製造するにあたって、通常使用する材料の他に、油脂または脂肪酸とアルカリ性添加材を添加・混合し、アスファルトの粘度を低下させることにより、混合物温度が常温に低下しても施工を可能とし、施工中もしくは施工直後に混合物へ硬化促進剤を供給することにより、添加した油脂または脂肪酸とアルカリ分が急速に鹸化反応し、増粘することで早期に交通開放を可能とする強度を発現することができるアスファルト混合物を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成する為に、本発明によれば、アスファルトと、骨材と、カットバック材としてのトール油脂肪酸と、セメントとを混合してなり、前記トール油脂肪酸のカットバック材としての作用により、常温での施工が可能な常温施工型アスファルト混合物であって、前記アスファルトと前記トール油脂肪酸との重量比が、10:90〜90:10の範囲内であり、前記トール油脂肪酸と前記セメントとの重量比が、100:10〜100:300の範囲内であり、施工中もしくは施工直後に該混合物へ水を供給することにより、前記トール油脂肪酸が、前記セメントおよび前記水により中和することで固化し、強度を発現することを特徴とする常温施工型加熱アスファルト混合物が提供される。
前記アスファルトと前記トール油脂肪酸との重量比は、10:90〜90:10の範囲内であり、この範囲内において、施工温度にあわせて設定することが好ましい。
前記トール油脂肪酸前記セメントとの重量比は、100:10〜100:300の範囲内であり、かかる比率により混合された混合物であれば、鹸化反応により強度が発現されるとともに、骨材へのバインダの十分な被覆が可能となる
また、本発明の常温施工型加熱アスファルト混合物は、前記トール油脂肪酸と前記セメントとを含有する潤滑膜が、前記アスファルトからなる被膜が周囲に形成されてなる前記骨材の間に介在した構造を有するものであることが好ましい。
本発明の常温施工型加熱アスファルト混合物は、加熱した前記骨材、加熱した前記アスファルト、前記トール油脂肪酸、および前記セメントの順に混合することにより得られたものであることが好ましい。
また、本発明によれば、上記いずれかに記載の常温施工型加熱アスファルト混合物を製造する方法であって、加熱した前記骨材、加熱した前記アスファルト、前記トール油脂肪酸、および前記セメントを、この順に配合することを特徴とする常温施工型加熱アスファルト混合物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記いずれかに記載の常温施工型加熱アスファルト混合物を用いた舗装方法であって、施工中もしくは施工直後に前記常温施工型加熱アスファルト混合物へ水を供給することにより、前記トール油脂肪酸が、前記セメントおよび前記水により中和することで固化し、強度を発現させることを特徴とする舗装方法が提供される。
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
本願発明では、粘性の低い油脂または脂肪酸により常温でも施工可能としたアスファルト混合物を、施工時には硬化促進剤を供給することで、混合物中のアルカリ性添加材がイオン分解し、油脂または脂肪酸との鹸化反応により早期に高い強度を発現することができる。また、本願発明によれば、常温での施工性を確保するとともに、硬化促進剤と反応促進剤を別の保管しておき、施工時に混合することで長期に亘り保管することが可能となる。
図1(a)(b)は、本発明に係るアスファルト混合物の概念について示した説明図である。 図2は、同アスファルト混合物と従来の加熱アスファルト混合物との施工温度範囲の概念を示す説明図である。 図3は、同アスファルト混合物におけるセメントの添加量変化によるマーシャル安定度の変化を示す説明図である。 図4(a)(b)は、同アスファルト混合物の他の実施例における保存状態及び施工時の概念図である。 図5(a)(b)は、同アスファルト混合物の他の実施例における総アルカリ性添加材量とマーシャル安定度の変化を示す説明図である。
本発明のアスファルト混合物は、アスファルトと、骨材と、油脂または脂肪酸と、アルカリ性添加材とを混合してなる常温施工型アスファルト混合物であり、施工時に硬化促進剤例えば、水を供給し、油脂または脂肪酸とアルカリ性添加材とを鹸化反応させ固化する。
鹸化反応には、高級脂肪酸エステルにアルカリ水を加えることにより、脂肪酸アルカリ塩(石鹸)とグリセリンを生成する鹸化法と、高級脂肪酸をアルカリ水で中和する中和法等があるが、ここでいう鹸化とは脂肪酸アルカリ塩をつくる行為を指し示すものである。
鹸化反応は、アルカリ分を固形で添加した場合には、水などの溶媒が存在しないと反応は開始しない。また、油脂または脂肪酸+アルカリ性添加材+水=石鹸(固体)を生成する。具体的には、水酸化ナトリウム(アルカリ)を使用した鹸化法および中和法による鹸化反応の例をそれぞれ表1、表2に示す。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係るアスファルト混合物の概念について示した説明図である。本発明のアスファルト混合物は、図1(a)に示すように粘性の低い油脂または脂肪酸13とアルカリ性添加材14から構成される潤滑膜10となって骨材11の間に介在して、低粘度状態に保たれている。図1(a)は、これを模式的に示すもので、骨材11の周囲にアスファルト被膜12が形成され、その周囲に油脂または脂肪酸13とアルカリ性添加材14から構成される潤滑膜10が介在する。
このようなアスファルト混合物9を施工した後、図1(b)に示すように水を散布し、ローラ15で転圧する。すると、混合物中に含まれるアルカリ成分が鹸化反応により固化するため、早期に高い強度を発現することが可能となる。
図2は、本願発明のアスファルト混合物と通常の加熱アスファルト混合物との可使温度範囲とバインダ粘度の関係を模式的に示したものである。本願発明のアスファルト混合物は通常の加熱アスファルト混合物に比べて可使温度範囲が広く100℃以下でも施工が可能である。また、水分添加することで、通常の加熱アスファルト混合物と同程度のバインダ粘度まで早期に高めることが可能となる。
次に、本願発明のアスファルト混合物に使用する材料について説明する。使用する材料は、通常のアスファルト混合物に使用する骨材、アスファルトの他に、脂肪酸(油脂)とアルカリ性添加材である。
先ず、脂肪酸(油脂)は、トール油脂肪酸を使用している。この他に油脂または脂肪酸であれば使用することができる。
次に、アルカリについては、脂肪酸を中和する役割を担うため、水素イオン濃度(pH)が高いものが望ましいが、環境面を考慮し、通常の石鹸作りに用いる水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等よりも、一般的な土木材料として使用される中でも高い水素イオン濃度値を示す普通セメントを使用した。この他にアルカリ性添加材として、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等の金属イオンを含む水溶液もしくは、水を添加することで上記のイオンに分解する金属塩を含む粉末、若しくは炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)などが使用できる。
上記に示す材料を使用し、鹸化反応を加熱アスファルト混合物に応用することで、加熱アスファルト混合物の施工性の改善、および混合物強度の早期発現が可能となる。
以下に、トール油脂肪酸およびセメントを使用した、上記の効果について実証実験を行った結果を示す。なお、表3に示す合成粒度により検討を行った。
表4は、トール油脂肪酸による施工性の改善効果を評価するために、トール油脂肪酸添加量と締固め温度を変化させて混合物の締固め特性を検証した結果である。つまり、本願発明のアスファルト混合物におけるトール油脂肪酸の添加量および突固め温度を変化させた時の混合物締固め度の変化を示すものである。
なお、基準密度には、通常の加熱アスファルト混合物の密度を用いている。トール油脂肪酸添加量が10%の場合、突固め温度140℃の締固め度が100.3%、突固め温度120℃の締固め度が99.7%、突固め温度100℃の締固め度が98.6%であった。また、トール油脂肪酸添加量が20%の場合、突固め温度100℃の締固め度が100.0%、突固め温度80℃の締固め度が99.2%であった。また、トール油脂肪酸添加量が30%の場合、突固め温度60℃の締固め度が100.2%、突固め温度40℃の締固め度が98.6%であった。また、トール油脂肪酸添加量が40%の場合、突固め温度40℃の締固め度が101.0%、突固め温度20℃の締固め度が97.3%であった。また、トール油脂肪酸添加量が50%の場合、突固め温度0℃の締固め度が100.4%であった。また、トール油脂肪酸添加量が50%以上の場合、具体的には50%、60%、70%、80%、90%の場合には通常アスファルト混合物の施工温度範囲内であれば、締固め度は100%以上となることは言うまでもない。このように、トール油脂肪酸を添加することで、加熱アスファルト混合物の施工性は改善され、100℃以下の突固め温度でも、一般的な舗装の締固め度の規格値である96%以上を満足する密度が得られることが分かる。なお、トール油脂肪酸添加量は、バインダ量に対して内割とする。
上記の結果より、本願発明の混合物を常温で施工可能とするためには、アスファルトとトール油脂肪酸との重量比が、10:90〜90:10の範囲内であることが好ましく、当然ながら、トール油脂肪酸の添加量が増加するに伴い可使温度範囲も広がるため、施工条件にあわせて決定することが好ましい。また、再生加熱アスファルト混合物に対しても同様に施工性を改善することが可能である。
次に、鹸化反応による混合物強度の発現について検証するため、アルカリ性添加材(セメント)の添加量を変化させ、養生初期段階(3時間養生)の混合物強度を評価した結果を図3に示す。なお、セメント添加量は、トール油脂肪酸に対して外割する。また、鹸化反応に必要な水は混合物の突固め直前に添加し突固めを行った。図3より、アルカリ性添加材(セメント)を10%、20%、30%と添加することで鹸化反応して混合物強度が向上していることがわかる。ただし、セメント添加量の増加に伴い、製造時の混合性は低下することが予想されるため、混合性について評価した結果を表5に示す。表5から明らかなようにセメント添加量が300%を超えると混合不良となる場合がある。これらのことから、本願発明の混合物におけるセメントは、トール油脂肪酸に対して10%〜300%の範囲で添加することが好ましいと言える。
(実施例)
以下に、実施例をあげて本願発明を具体的に説明する。
標準的な合成粒度は表3に示すとおりであり、バインダおよび添加材の配合割合を表6に示す。本願発明の混合物は、トール油脂肪酸添加量を変化させることで施工可能温度の設定が可能となる。今回は混合物の施工可能温度を60℃以上に設定し、トール油脂肪酸添加量を30%とした場合の実施例について示す。
(製造)
本願発明のアスファルト混合物の室内での製造方法について説明する。
1)混合機械
使用する混合機械としては、トール油脂肪酸及びセメント混合時の分散性を考慮して、2軸パグミル型ミキサ(1バッチ:30〜60kg)を使用した。
2)混合手順
混合物の混合手順は、骨材、アスファルト、トール油脂肪酸、セメントの順とする。骨材の加熱温度は、120℃、アスファルトは165℃、その他の部材は常温である。
3)供試体作製手順
混合物製造後の試験体製作手順は、先ず、60℃の一定温度となるまで乾燥機(袋中)で養生する。次に、混合物をモールド(型枠)内へ投入した後、水分添加する。次に、締固め(両面50回)を行い、恒温室で養生する。恒温室は、室温20℃、湿度60%とする。
上述の製造方法により作製した混合物を7日間養生させたものを供試体として各種性状試験を実施した。
表7に、混合物の性状試験結果を示す。先ず、マーシャル安定度については、本願発明の混合物は、11.4kN、通常の加熱混合物では、13.0kNである。残留安定度については、本願発明の混合物は、84.7%、通常の加熱混合物では、81.3%である。動的安定度(DS)については、本願発明の混合物は、6000+回/mm、通常の加熱混合物では、520回/mmである。ねじり試験については、骨材飛散率が本願発明の混合物は、0.7%、通常の加熱混合物では、18.7%である。
また、曲げ試験については、曲げ強度が本願発明の混合物は、5.3(MPa)、通常の加熱混合物では、7.6(MPa)である。
曲げひずみについては、本願発明の混合物は、2.3×10-3、通常の加熱混合物では、2.3×10-3である。
表7の試験結果から明らかなように、本願発明の混合物の7日養生におけるマーシャル安定度、残留安定度、曲げ強度、曲げひずみは、通常の加熱アスファルト混合物と同程度の値を示した。また、耐流動性の一指標である動的安定度、ならびに骨材飛散抵抗性の一指標である骨材飛散率では、加熱アスファルト混合物に対して著しく優れた値を示した。
図4(a)(b)は、同アスファルト混合物の他の実施例における保存状態及び施工時の概念図である。図4(a)に示すように、本実施例の常温施工型加熱アスファルト混合物は、アスファルトと油脂または脂肪酸とアルカリ性添加材と製造時に混合しておくとともに、硬化促進剤例えば、水とアルカリ性添加材とを施工時に添加するものである。
図4(b)は、本願発明の他の実施例における常温施工型加熱アスファルト混合物の敷き均しから転圧に到る工程を模式的に示すものである。ここで、骨材11の周囲にアスファルト被膜12が形成され、その周囲に油脂または脂肪酸13とアルカリ性添加材14から構成された潤滑膜10が介在する。このような構成のアスファルト混合物9を施工した後、反応促進剤であるアルカリ性添加材の水溶液を散布し、ローラ15等で転圧する。すると、混合物中に含まれるアルカリ成分が鹸化反応により潤滑膜10固化して、早期に高い強度を発現する。
このように本実施例によれば、混合物性状が向上し、袋詰めにした混合物を長期に渡り保存することができる。具体的には、3ヶ月程度の保存が可能である。また、これまでの袋詰め常温合材に比べ初期強度が向上しており、強度発現が早い。更に、環境負荷が軽減され、アスファルトの約3割を植物由来の材料に置き換えることができる。また、特殊潤滑油の揮発性が低いために、通常合材と同程度の温度で製造することができる。
表8は、本発明に係る常温施工型加熱アスファルト混合物の最低突固め温度とトール油脂肪酸添加量の関係を示すものである。トール油脂肪酸添加量が30%の時、最低突固め温度は60℃で100%、40℃で98.9%であった。また、トール油脂肪酸添加量が35%の時、最低突固め温度は、40℃で100.2%、20℃で97.1%であった。また、トール油脂肪酸添加量が40%の時、最低突固め温度は、40℃で100.7%、20℃で97.9%、0℃で95.5%であった。また、トール油脂肪酸添加量が45%の時、最低突固め温度は、20℃で101.3%、0℃で98.5%であった。また、トール油脂肪酸添加量が50%の時、最低突固め温度は、0℃で100.3%であった。第1の実施例と同様に、トール油脂肪酸添加量が35%以上の場合には通常アスファルト混合物の施工温度範囲内であれば、締固め度は100%以上となる。
表9は、標準的な合成粒度を示すものである。本表において、通過質量百分率は、粒径が19.0mmの時、100%、粒径が13.2mmの時、98.2%、粒径が4.75mmの時、58.3%、粒径が2.36mmの時、42.0%、粒径が600μmの時、24.5%、粒径が300μmの時、16.1%、粒径が150μmの時、9.0%、粒径が75μmの時、5.8%、であり全バインダ量では5.6%である。
表10は、バインダ及びアルカリ性添加材(セメント)の配合割合を示すものであり、トール油脂肪酸添加量が30〜50%の範囲では、施工温度が60℃〜0℃であれば100%の締固め度となる。また、アルカリ性添加材の割合が20%以上であれば、1ヶ月以上の貯蔵が可能であることを示している。
表11は、アルカリ性添加材の添加量と貯蔵可能期間の関係を示したものである。アルカリ性添加材が20%を超えると1ヶ月以上の貯蔵が困難となるため、アルカリ性添加材の添加量は、20%以下とする。また、貯蔵期間を3ヶ月とするためには、製造時に添加するアルカリ性添加材を7.5%以下とする。
また、図5(a)は、ピロリン酸添加量を検討した結果を示すものである。最適なピロリン酸添加量を決定する為のものである。混合物の種類としては、鹸化密粒バージン(As5.6%、内トール油45%)、セメント先添加量が7.5%(暫定)、ピロリン酸水溶液添加量が50CC、作成温度は、20℃であった。以上の実験の結果から、ピロリン酸添加量は、30%(対水比)に決定した。
また、図5(b)は、トール油脂肪酸添加量が45%、突固め完了から試験までの養生時間は3時間、試験温度20℃の場合における総アルカリ性添加材量(%)とマーシャル安定度(kN)を示す図である。この図において、総アルカリ性添加材量が50%を境として、マーシャル安定度の変化勾配が緩やかとなる。
以上のように、本実施例によれば、長期保存が可能となるとともに、初期強度の発現を早くすることができる。また、袋詰めにした場合、混合物の耐久性が向上する。
9 アスファルト混合物
10 潤滑膜
11 骨材
12 アスファルト被膜
13 油脂または脂肪酸
14 アルカリ性添加材
15 ローラ

Claims (5)

  1. アスファルトと、骨材と、カットバック材としてのトール油脂肪酸と、セメントとを混合してなり、前記トール油脂肪酸のカットバック材としての作用により、常温での施工が可能な常温施工型アスファルト混合物であって、
    前記アスファルトと前記トール油脂肪酸との重量比が、10:90〜90:10の範囲内であり、
    前記トール油脂肪酸と前記セメントとの重量比が、100:10〜100:300の範囲内であり、
    施工中もしくは施工直後に該混合物へ水を供給することにより、前記トール油脂肪酸が、前記セメントおよび前記水により中和することで固化し、強度を発現することを特徴とする常温施工型加熱アスファルト混合物。
  2. 前記トール油脂肪酸と前記セメントとを含有する潤滑膜が、前記アスファルトからなる被膜が周囲に形成されてなる前記骨材の間に介在した構造を有することを特徴とする請求項1に記載の常温施工型加熱アスファルト混合物。
  3. 加熱した前記骨材、加熱した前記アスファルト、前記トール油脂肪酸、および前記セメントの順に混合することにより得られたものである請求項1または2に記載の常温施工型加熱アスファルト混合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の常温施工型加熱アスファルト混合物を製造する方法であって、加熱した前記骨材、加熱した前記アスファルト、前記トール油脂肪酸、および前記セメントを、この順に配合することを特徴とする常温施工型加熱アスファルト混合物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の常温施工型加熱アスファルト混合物を用いた舗装方法であって、
    施工中もしくは施工直後に前記常温施工型加熱アスファルト混合物へ水を供給することにより、前記トール油脂肪酸が、前記セメントおよび前記水により中和することで固化し、強度を発現させることを特徴とする舗装方法。
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