JP5916938B1 - アスファルト混合物およびその製造方法、ならびにそれを用いた舗装方法 - Google Patents

アスファルト混合物およびその製造方法、ならびにそれを用いた舗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工後、比較的短い時間で強度を発現可能であり、かつ、強度および耐久性が高く、たわみ性に優れた舗装体を与えることのできるアスファルト混合物を提供すること。【解決手段】骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなるアスファルト混合物であって、前記潤滑性固化材が、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有することを特徴とするアスファルト混合物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、道路舗装等に使用するアスファルト混合物およびその製造方法、ならびにそれを用いた舗装方法に関するものである。
通常、加熱アスファルト混合物は、舗装施工便覧等に示されるように、初期転圧温度は110〜140℃の範囲内で行われている。しかし、加熱アスファルト混合物は、舗設直後から大きな強度が得られるものの、その可使時間は混合物の温度が低下するまでの時間であり、そのため、少量の混合物を数回に分けて使用する場合や、長時間混合物を運搬する場合、さらには、薄層オーバーレイ工法など施工厚さが薄く敷きならし直後に大幅な温度低下がともなう場合などにおいては、その適用が困難となる。
そのため、中温化技術を使用した加熱アスファルト混合物や、常温施工型のアスファルト混合物が検討されている。中温化技術を使用した加熱アスファルト混合物、すなわち中温化アスファルト混合物は、一般的には加熱アスファルト混合物の可使温度範囲を下限側に30℃程度広げることができるとされている。また、常温施工型のアスファルト混合物は、常温(100℃以下)での施工が可能とされるアスファルト混合物である。
常温あるいは中温域で施工可能なアスファルト混合物として、たとえば、アスファルト混合物の粘度を、鉱物油等を使用して強制的に低下させる、いわゆるカットバックアスファルト混合物が提案されている。カットバックアスファルト混合物は、特許文献1に示すように鉱物油等のカットバック材でアスファルトを軟質化させ、カットバック材の揮発に伴って、アスファルト混合物の強度を発現させるものである。しかし、上記したようにアスファルト混合物を、鉱物油等を使用してカットバックし、施工時の粘度を強制的に低下させる方法では、例えば、道路の交通開放時点の混合物強度が極端に低下すると共に、養生時間が長くなるという欠点が存在した。
あるいは、アスファルト乳剤を用いた常温施工型のアスファルト混合物も提案されているが、該混合物は、骨材を加熱、乾燥させる必要がないが、強度が比較的小さく、また、アスファルト乳剤の分解速度を考慮しなければならず、使用できる範囲が限定されてしまう場合があった。また、アスファルト乳剤を用いた常温アスファルト混合物は、舗装施工後のアスファルト乳剤の分解前に雨が降ったりすると、乳剤が流れ出してしまうというおそれがあった。
これに対し、特許文献2では、常温で施工可能な常温施工型のアスファルト混合物として、カットバック材としてトール油脂肪酸を使用し、トール油脂肪酸(たとえば、非特許文献1参照)の作用により、アスファルト混合物の粘度を低下させることにより、常温での施工を可能とするものである。そして、この特許文献2の技術では、施工後においては、カットバック材としてのトール油脂肪酸が、セメントと反応することで硬化剤として作用し、これにより、十分な強度を発現するものである。
一方で、常温あるいは中温域で施工可能なアスファルト混合物においても、施工後の舗装体に対し、さらなる強度の向上や、耐久性の向上、たわみ性の向上など、各種特性の向上が求められており、そのため、これらの特性を向上可能な常温あるいは中温域で施工可能なアスファルト混合物が望まれていた。
特開平11−12475号公報 特許第5583978号公報
松の化学 上巻(ハリマ化成株式会社発行、1993年6月)、第474頁第10行〜第475頁第9行
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、施工後、比較的短い時間で強度を発現可能であり、かつ、強度および耐久性が高く、たわみ性に優れた舗装体を与えることのできるアスファルト混合物を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、アスファルト混合物を製造するにあたって、骨材およびアスファルトに、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有する潤滑性固化材およびアルカリ性添加材を添加・混合することで、アスファルトの粘度を低下させることにより、低温域から常温、さらには中温域(たとえば、−20〜120℃、好ましくは−10〜100℃)での施工を可能とし、しかも、施工時には、混合物へ硬化促進剤を供給することにより、添加した潤滑性固化材とアルカリ成分とが鹸化反応あるいは中和反応し、増粘することで、比較的短い時間で強度を発現可能なアスファルト混合物を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
特に、本発明者等は、潤滑性固化材として、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有するものを用いることにより、常温あるいは中温域での施工を可能としながら、得られる舗装体を、強度および耐久性が高く、たわみ性に優れたものとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなるアスファルト混合物であって、前記潤滑性固化材が、オレイン酸を67〜85重量%の割合で含有することを特徴とするアスファルト混合物が提供される。
また、本発明によれば、上記アスファルト混合物に、硬化促進剤を添加し、前記潤滑性固化材と前記アルカリ性添加材とを鹸化反応または中和反応させることで、強度を向上させることを特徴とする舗装方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記アスファルト混合物を製造する方法であって、100〜170℃に加熱した骨材と、130〜170℃に加熱したアスファルトとを混合装置で混合する第1工程と、前記第1工程で得られた混合物に、前記潤滑性固化材を添加・混合する第2工程と、前記第2工程で得られた混合物に、前記アルカリ性添加材を添加・混合する第3工程とを備えることを特徴とするアスファルト混合物の製造方法が提供される。
本発明によれば、粘性の低い潤滑性固化材を添加することにで、低温域から常温、さらには中温域(たとえば、−20〜120℃、好ましくは−10〜100℃)での施工を可能とすることができ、しかも、施工時には硬化促進剤を供給することで、混合物中のアルカリ性添加材がイオン分解し、これにより、潤滑性固化材と鹸化反応または中和反応させることができ、早期に高い強度を発現することができる。
また、本発明によれば、潤滑性固化材として、オレイン酸を67〜85重量%の割合で含有するものを用いるため、常温あるいは中温域での施工を可能としながら、強度および耐久性が高く、たわみ性に優れた舗装体を得ることができる。
図1は、本発明に係るアスファルト混合物と従来のアスファルト混合物との施工温度範囲の概念を示す説明図である。
本発明のアスファルト混合物は、骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなるアスファルト混合物であり、潤滑性固化材が、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有することを特徴とするものである。本発明のアスファルト混合物は、施工時に、硬化促進剤を添加することにより、潤滑性固化材が、アルカリ性添加材に由来するアルカリ成分と鹸化反応または中和反応することで、強度が向上するものである。なお、本発明において、硬化促進剤としては、たとえば、水などを挙げることができる。
ここで、本発明において、鹸化反応または中和反応としては、脂肪酸アルカリ塩を生成させる反応であればよく、たとえば、脂肪酸エステルにアルカリ水を加えることにより、脂肪酸アルカリ塩(石鹸)とグリセリンを生成する鹸化法や、高級脂肪酸をアルカリ水で中和する中和法等が挙げられる。
また、鹸化反応においては、アルカリ性添加材を固形状態で添加した場合には、水などの溶媒が存在しない場合には、一般的には反応は開始しない。その一方で、水などの溶媒が存在する場合には、「潤滑性固化材中の脂肪酸および樹脂酸+アルカリ性添加材+水=石鹸(固体)」の反応(鹸化反応または中和反応)が起こり、石鹸が生成し、これにより、強度が発現するものである。
ここで、本発明のアスファルト混合物は、アスファルトと、骨材と、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを含有してなるものであるが、そのミクロ構造は、次の通りとなっていると考えられる。すなわち、粘性の低い潤滑性固化材と、アルカリ性添加とから構成される潤滑膜が、アスファルト被膜が形成された骨材の間に介在しており、これにより、潤滑性効果を発現すると考えられる。そして、これにより、鹸化反応または中和反応前における舗装体は、低粘度状態に保たれている。すなわち、本発明において、潤滑性固化材は、施工前においては、低温域から常温、さらには中温域(たとえば、−20〜120℃、好ましくは−10〜100℃)におけるアスファルト混合物の粘度を低下させるカットバック材として作用するものである。
そして、このような本発明に係るアスファルト混合物を、施工した後、硬化促進剤(たとえば、水)を散布し、ローラで転圧する。あるいは、ローラで転圧した後、硬化促進剤(たとえば、水)を散布する。これにより、アスファルト混合物中に含まれる潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とが、硬化促進剤(たとえば、水)により、鹸化反応または中和反応し、固化するため、強度を向上させることが可能となる。なお、本発明に係るアスファルト混合物を用いて、舗装を行なう際には、締固め方法としては、ローラ転圧による方法に限定されず、舗装の目的に応じて適宜選択すればよいが、舗装の目的によっては、たとえば、踏み固めによる方法などを採用してもよい。
図1は、本発明のアスファルト混合物と従来の加熱アスファルト混合物(潤滑性固化材およびアルカリ性添加材を含有しない加熱アスファルト混合物)との可使温度範囲(施工温度範囲)とバインダ粘度との関係を示した概念図である。本発明のアスファルト混合物は従来の加熱アスファルト混合物に比べて可使温度範囲が広く、−20〜120℃の範囲においても施工が可能である。また、硬化促進剤(たとえば、水)を添加することで、従来の加熱アスファルト混合物と同程度のバインダ粘度まで早期に高めることが可能となる。
次に、本発明のアスファルト混合物を構成する各材料について説明する。本発明のアスファルト混合物は、骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを含有してなる。
骨材としては、特に制限はなく、砕石、砂、石粉など、通常の舗装用アスファルトに用いられるものを適宜用いることができ、密粒度や開粒度など、いずれの粒度範囲の骨材を制限なく用いることができる。一例を挙げると、目開きが2.36mmの篩目を通過する粒子の比率である、2.36mmフルイ通過質量百分率が15〜80%の範囲にあるものを用いることができる。
また、アスファルトとしては、特に制限はなく、ストレートアスファルトおよび改質アスファルトなどを制限なく用いることができる。
なお、本発明においては、骨材およびアスファルトとして、通常の骨材に代えて、再生骨材を用いてもよい。
また、本発明においては、潤滑性固化材として、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有するものを用いる。本発明においては、潤滑性固化材として、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有するものを用いることにより、施工前においては、常温あるいは中温域において、アスファルト混合物の粘度を低下させるカットバック材として作用することで、常温あるいは中温域での施工を可能としながら、これを用いて固化させることにより得られる舗装体を、強度および耐久性が高く、たわみ性に優れたものとすることができるものである。オレイン酸の含有量が少なすぎると、得られる舗装体の強度、耐久性およびたわみ性の向上効果が得られなくなり、一方、多すぎると、常温あるいは中温域での施工が困難となってしまう。オレイン酸の含有量は、好ましくは63〜82重量%であり、より好ましくは65〜80重量%、さらに好ましくは67〜78重量%である。
また、本発明で用いる潤滑性固化材は、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有するものであればよいが、得られる舗装体の強度、耐久性およびたわみ性の向上効果をより高めることができるという点より、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とを、「飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸」の重量比で1:99〜20:80の割合で含有するものが好ましく、2:98〜15:85の割合で含有するものがより好ましく、3:97〜12:88の割合で含有するものがさらに好ましい。
また、得られる舗装体の強度、耐久性およびたわみ性の向上効果がより大きいという点より、本発明で用いる潤滑性固化材は、オレイン酸に加えて、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、およびリノレン酸を含有するものが好ましく、これらを下記の含有割合で含有するものであることが好適である。
パルミチン酸:好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%、さらに好ましくは3〜6重量%、さらにより好ましくは3.5〜5.5重量%
ステアリン酸:好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.3〜4重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%、さらにより好ましくは0.7〜2.5重量%
オレイン酸:60〜85重量%、好ましくは63〜82重量%、より好ましくは67〜78重量%、さらに好ましくは67〜72重量%
リノール酸:好ましくは5〜30重量%、より好ましくは6〜27重量%、さらに好ましくは7〜25重量%、さらにより好ましくは20〜25重量%
リノレン酸:好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.3〜3.5重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%、さらにより好ましくは0.7〜1.5重量%
また、本発明で用いる潤滑性固化材は、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸に加えて、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、およびパルミトレイン酸からなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。これらの含有量は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、およびパルミトレイン酸の合計の含有量が、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%である。
なお、本発明において、リノール酸としては、二重結合が共役した異性体である共役リノール酸をも含むものとし、また、リノレン酸としては、α−リノレン酸およびγ−リノレン酸の両方を含むものとする。
また、本発明で用いる潤滑性固化材は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸に加えて、他の成分を含有していてもよく、このような他の成分としては、たとえば、樹脂酸が挙げられる。樹脂酸としては、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンが挙げられ、その具体例としては、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸のうちいずれか1種以上を含有するロジンが好ましく挙げられる。なお、本発明で用いる潤滑性固化材中における樹脂酸の含有割合は、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
本発明のアスファルト混合物中における、潤滑性固化材の含有量は、アスファルトと潤滑性固化材の合計量100重量%に対して、好ましくは1〜60重量%であり、好ましくは3〜50重量%である。また、中温域での施工(たとえば、40〜120℃)に用いるという観点からは、潤滑性固化材の含有量は、アスファルトと潤滑性固化材の合計量100重量%に対して、15〜30重量%であることがより好ましく、低温域から常温での施工(たとえば、−20〜40℃)に用いるという観点からは、35〜50重量%であることがより好ましい。潤滑性固化材の添加量を上記範囲とすることにより、他の特性を悪化させることなく、得られる舗装体の強度、耐久性およびたわみ性を適切に高めることが可能となる。また、潤滑性固化材の添加量が増加するに伴い可使温度範囲も広がるため、潤滑性固化材の添加量は、施工条件にあわせて決定することができる。
また、本発明で用いる潤滑性固化材の酸価は、特に限定されないが、好ましくは170〜220mgKOH/gであり、より好ましくは180〜215mgKOH/g、さらに好ましくは190〜210mgKOH/gである。
さらに、本発明で用いる潤滑性固化材のヨウ素価は、好ましくは70〜130であり、より好ましくは80〜125、さらに好ましくは85〜120である。
アルカリ性添加材としては、硬化促進剤(たとえば、水)の作用により、アルカリ成分となる化合物であればよく特に限定されず、リノール酸を含む脂肪酸を中和するために、硬化促進剤の作用により、低い水素イオン濃度(すなわち、pHが大きい)を呈するものが望ましく、石鹸作製において、通常用いられる水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いることも可能であるが、環境的な観点より、一般的な土木材料として使用されるセメントの中でも、硬化促進剤の作用によって低い水素イオン濃度を呈する普通セメント(普通ポルトランドセメント)が好ましく用いられる。普通ポルトランドセメントとしては、たとえば、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO)、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO)、カルシウムアルミネート(3CaO・Al)、カルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al・Fe)、硫酸カルシウム(CaSO・2HO)などを主成分とするものを用いることができる。なお、アルカリ性添加材としては、これ以外にも、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等の金属イオンを含む水溶液もしくは、水を添加することで上記のイオンに分解する金属塩を含む粉末、若しくは炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)などが使用できる。本発明のアスファルト混合物中における、アルカリ性添加材の含有比率は、「潤滑性固化材:アルカリ性添加材」の重量比で、100:10〜100:300の範囲内であることが好ましく、100:15〜100:40の範囲内であることがより好ましい。
また、本発明のアスファルト混合物には、本発明の作用効果を損なわない限りにおいて、上記以外に、アスファルト舗装の分野において、通常用いられるその他の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、特に限定されないが、たとえば、フィラー、植物繊維、顔料、凍結防止剤などが挙げられる。
《第1の態様》
また、本発明のアスファルト混合物は、たとえば、以下に説明する方法により製造を行い、得られた混合物を、水分透過防止層および熱融着層を備える袋内に密封することで、長期保存(たとえば、6ヶ月程度)が可能なものとすることができる。
以下、本例のアスファルト混合物の製造方法について、説明する。
まず、骨材を混合装置内に仕込み、骨材のドライミキシングを行なう。ドライミキシングは、骨材を100〜170℃、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃に加熱した状態で行なう。ドライミキシングの温度および時間は、特に限定されないが、ドライミキシングの温度は、通常、100〜140℃、好ましくは110〜130℃であり、ドライミキシングの時間は、通常、1秒〜1分程度である。本例においては、骨材を上記温度に加熱した状態で用いることにより、骨材に含まれる水分量を制御することができ、これにより、得られるアスファルト混合物の保存安定性を向上させることができる。
次いで、混合装置に、アスファルトを添加し、骨材とアスファルトとの混合を行なう。本例においては、アスファルトを130〜170℃、好ましくは140〜160℃に加熱した状態として、混合装置内に添加し、次いで、骨材とアスファルトとの混合を行なう。なお、この際における混合温度および混合時間は、骨材表面にアスファルト層が均一に形成されるような条件とすればよく特に限定されないが、混合温度は、通常、100〜140℃、好ましくは110〜130℃であり、混合時間は、通常、1秒〜5分程度である。
次いで、混合装置に、潤滑性固化材を添加し、上記にて得られた混合物と、潤滑性固化材との混合を行なう。なお、潤滑性固化材は、常温のまま用いてもよいが、寒冷期などには、15〜25℃程度に加温して用いることが好ましい。また、この際における混合温度および混合時間は、特に限定されないが、混合温度は、通常、100〜140℃、好ましくは110〜130℃であり、混合時間は、通常、1秒〜5分程度である。
次いで、混合装置に、アルカリ性添加材を添加し、上記にて得られた混合物と、アルカリ性添加材との混合を行なう。この際における混合温度および混合時間は、特に限定されないが、混合温度は、通常、100〜140℃、好ましくは110〜130℃であり、混合時間は、通常、1秒〜5分程度である。
なお、本例においては、まず、骨材とアスファルトとを混合し、次いで、潤滑性固化材、アルカリ性添加材の順に添加・混合することにより、得られるアスファルト混合物を、骨材の表面にアスファルト被膜が形成され、このアスファルト被膜の表面に潤滑性固化材からなる層が形成され、さらに、この潤滑性固化材からなる層の表面を、固体状のアルカリ性添加材が覆うような構成とすることができる。そして、これにより、アルカリ性添加材と、硬化促進剤との反応効率を上げることができ、アルカリ性添加材の添加量を比較的少なくした場合でも、硬化促進剤を添加した際における強度向上効果を充分に発現可能なものとすることができる。また、アルカリ性添加材の添加量を比較的少なくすることにより、得られるアスファルト混合物を保存安定性に優れたものとすることができる。
次いで、上記にて得られた混合物を、温度100〜130℃に保った状態で、混合装置から取り出すことにより、本例のアスファルト混合物を製造することができる。
そして、本例においては、このようにして得られたアスファルト混合物を、水分透過防止層および熱融着層を備える袋内に充填し、次いで、熱融着層をヒートシーラーなどにより加熱圧着することで、熱融着層を熱融着することで、アスファルト混合物を、袋内に密封する。本例では、アスファルト混合物を密封するための袋として、水分透過防止層を有するものを用いることにより、袋内に進入する水分量を低減することができ(たとえば、袋内における水分量を0.1〜1%以下程度とすることができ)、これにより、アスファルト混合物を保存安定性に優れたものとすることができる。また、このように、アスファルト混合物を、水分透過防止層および熱融着層を備える袋内に密封することで、アスファルト混合物に含まれるアルカリ性添加材が水と反応し、これによりアルカリ性添加材が失活してしまうことを防止することができるため、アルカリ性添加材の配合量を比較的少ないものとすることができる。具体的には、アルカリ性添加材の配合量を、「潤滑性固化材:アルカリ性添加材」の重量比で、好ましくは、100:15〜100:40の範囲とすることができる。
本例で用いる水分透過防止層および熱融着層を備える袋において、水分透過防止層を構成する材料としては、ナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられる。また、熱融着層を構成する材料としては、ポリオレフィンなどが挙げられる。本例においては、水分透過防止層および熱融着層を備える袋としては、熱融着層/水分透過防止層/熱融着層の3層構造を有するものが好ましく、なかでも、ポリオレフィン層/ナイロン層/ポリオレフィン層の3層構造を有するものが特に好ましい。また、本例で用いる水分透過防止層および熱融着層を備える袋を構成する基材(水分透過防止層および熱融着層以外の部分)としては特に限定されないが、たとえば、紙やアルミニウム箔などが挙げられる。
そして、このようにして得られるアスファルト混合物は、たとえば、水分透過防止層および熱融着層を備える袋内から取り出し、施工した後、硬化促進剤(たとえば、水)を添加し、締固めることにより(あるいは、締固めた後に、硬化促進剤を添加することにより)、アスファルト混合物中に含まれる潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とが、硬化促進剤により、鹸化反応または中和反応し、固化することにより、強度を発現することができる。特に、本例のアスファルト混合物は、従来の袋詰め常温合材に比べ初期強度が向上しており、強度発現が早いものである。
《第2の態様》
あるいは、本発明においては、上記方法により得られる混合物において、潤滑性固化材とアルカリ成分とを鹸化反応または中和反応させる際に、硬化促進剤(たとえば、水)に加えて、アルカリ性添加材を添加するような構成としてもよい。
この場合において、硬化促進剤とともに添加するアルカリ性添加材としては、たとえば、上述したアルカリ性添加材を用いることも可能であるが、ピロリン酸カリウムを用いることが特に好ましい。
本例においては、潤滑性固化材とアルカリ成分とを鹸化反応または中和反応させる際に、硬化促進剤に加えて、アルカリ性添加材を添加するような構成とすることにより、アスファルト混合物に含有させるアルカリ性添加材の比率を低く抑えることができ、これにより、アスファルト混合物の保存安定性を向上させることができる。たとえば、この場合における、アスファルト混合物中のアルカリ性添加材の比率は、「潤滑性固化材:アルカリ性添加材」の重量比で、好ましくは、100:1〜100:10の範囲とすることができる。あるいは、この場合においては、アルカリ性添加材を全く加えなくてもよい。そして、この場合においては、アスファルト混合物中のアルカリ性添加材の比率を低く抑えることにより、アスファルト混合物を密封するための袋として、水分透過防止層を有しないものや、密封度の高くないものを用いることも可能である。また、本例のアスファルト混合物は、従来の袋詰め常温合材に比べ初期強度が向上しており、強度発現が早いものである。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
<実施例1〜6>
骨材、ストレートアスファルト、潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)、および普通ポルトランドセメントを、2軸パグミル型ミキサ(1バッチ:30〜60kg)に、この順にて配合し、混合を行うことで、アスファルト混合物を得た。なお、この際において、骨材の加熱温度は110〜130℃、アスファルトの加熱温度は150〜165℃、その他の部材は常温とした。また、実施例1〜6で用いた潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)は、以下の性状を有するものである。
・成分比率:パルミチン酸4重量%、ステアリン酸1重量%、パルミトレイン酸1重量%、オレイン酸68重量%、リノール酸23重量%、リノレン酸1重量%
・酸価:194〜204
・ヨウ素価:95〜115
また、実施例1〜6においては、ストレートアスファルトと潤滑性固化材との合計100重量%に対する、潤滑性固化材の配合量が下記の通りであるアスファルト混合物を2種類調製した。
・潤滑性固化材の配合量:5重量%(実施例1)
・潤滑性固化材の配合量:10重量%(実施例2)
・潤滑性固化材の配合量:15重量%(実施例3)
・潤滑性固化材の配合量:20重量%(実施例4)
・潤滑性固化材の配合量:25重量%(実施例5)
・潤滑性固化材の配合量:30重量%(実施例6)
具体的には、骨材として表1に示す合成粒度を有する骨材を使用し、骨材、ストレートアスファルト、潤滑性固化材、および普通ポルトランドセメントの配合量を表2に示す量とした「通常配合」と、骨材として表3に示す合成粒度を有する骨材を使用し、骨材、ストレートアスファルト、潤滑性固化材、および普通ポルトランドセメントの配合量を表4に示す量とした「透水用配合」との2種類の混合物を得た(後述の実施例7、比較例1〜7においても同様。)。
Figure 0005916938
Figure 0005916938
Figure 0005916938
Figure 0005916938
<実施例7>
潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)の代わりに、潤滑性固化材(商品名「PM810」、ミヨシ油脂株式会社製)を使用した以外は、実施例4と同様にして、アスファルト混合物を得た。なわち、実施例7では、潤滑性固化材の配合量を、ストレートアスファルトと潤滑性固化材との合計100重量%に対して、20重量%とした。
なお、実施例7で用いた潤滑性固化材(商品名「PM810」、ミヨシ油脂株式会社製)は、以下の性状を有するものである。
・成分比率:ミリスチン酸2重量%、パルミチン酸5重量%、ステアリン酸1重量%、ミリストレイン酸2重量%、パルミトレイン酸8重量%、オレイン酸71重量%、リノール酸8重量%、リノレン酸1重量%
・酸価:198〜208
・ヨウ素価:86〜94
<比較例1〜6>
潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)の代わりに、潤滑性固化材(トール油脂肪酸、商品名「ハートールFA−1」、ハリマ化成グループ社製)を使用した以外は、実施例1〜6と同様の配合比にて、比較例1〜6に係るアスファルト混合物を得た。なお、比較例1〜6で用いたトール油脂肪酸(商品名「ハートールFA−1」、ハリマ化成グループ社製)は、以下の性状を有するものである。
・「脂肪酸:樹脂酸」=98.5:1.5(重量比)
・不けん化物含有量:2.0重量%
・脂肪酸の成分比率:パルミチン酸1〜3重量%、ステアリン酸1〜3重量%、オレイン酸40〜50重量%、リノール酸35〜45重量%
・樹脂酸の種類:ロジン
・酸価:194mgKOH/g
また、比較例1〜6においては、ストレートアスファルトと潤滑性固化材との合計100重量%に対する、潤滑性固化材の配合量を以下の通りとした。
・潤滑性固化材の配合量:5重量%(比較例1)
・潤滑性固化材の配合量:10重量%(比較例2)
・潤滑性固化材の配合量:15重量%(比較例3)
・潤滑性固化材の配合量:20重量%(比較例4)
・潤滑性固化材の配合量:25重量%(比較例5)
・潤滑性固化材の配合量:30重量%(比較例6)
<比較例7>
潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)および普通ポルトランドセメントを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、アスファルト混合物を得た。なお、比較例7では、「通常配合」においては、骨材100重量部、ストレートアスファルト5.82重量部とし、「透水用配合」においては、骨材100重量部、ストレートアスファルト4.55重量部とした。
<実施例1〜7、比較例1〜7のアスファルト混合物の評価>
そして、このようにして得られた実施例1〜7、比較例1〜7のアスファルト混合物を、締固め温度まで加熱した℃としたモールド(型枠)内へ投入した後、水分を添加し、締固め(両面50回)を行い、温度20℃、湿度60%の条件で7日間養生を行うことで、供試体を得た。なお、供試体としては、「通常配合」を用いた供試体と、「透水用配合」を用いた供試体との2種類の供試体を得た。そして、得られた供試体を用いて、以下のホイールトラッキング試験、ねじり試験、および曲げ試験を行った。
(ホイールトラッキング試験)
「通常配合」を用いた供試体を用いて、「舗装試験法便覧」((社)日本道路協会、昭和63年11月発行)の「3−7−1」、「3−7−3」に準じて、試験温度60℃にて、ホイールトラッキング試験を行うことで、動的安定度(回/mm)を求めた。動的安定度(回/mm)の値は、高いほど、強度が高く、わだち掘れの発生を軽減できるための望ましい。結果を表5に示す。なお、表5においては、各実施例・比較例の結果を、配合した潤滑性固化材の種類、および潤滑性固化材の配合量と関連付けて示した(表6、表7においても同様。)。
Figure 0005916938
(ねじり試験)
「透水用配合」を用いた供試体を用いて、「舗装性能評価法別冊 ねじり骨材飛散値を求めるためのねじり骨材飛散試験機による測定方法」に準じで、試験温度50℃、試験時間2時間の条件で、ねじり試験を行うことで、供試体からの骨材飛散率(%)を求めた。なお、2時間の試験時間より前に、供試体が崩壊した場合には、その崩壊時間を求めた。ねじり試験においては、骨材飛散率が低いほど、あるいは、供試体が崩壊するまでの時間が長いほど、トルクに対する耐久性が高いため望ましい。結果を表6に示す。
Figure 0005916938
(曲げ試験)
「通常配合」を用いた供試体を用いて、「舗装調査・試験法便覧 B005」に準じで、試験温度−10℃にて、曲げ試験を行うことで、破断時のひずみ(×10−3mm/mm)を求めた。曲げ試験においては、破断時のひずみが大きいほど、たわみ性に優れ、ひび割れの発生を軽減できるための望ましい。結果を表7に示す。
Figure 0005916938
<実施例1〜7、比較例1〜7の評価>
表5〜表7に示すように、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有する潤滑性固化材(「PM400−C」、「PM810」)を用いた場合には、オレイン酸の含有量が40〜50重量%である潤滑性固化材(トール油脂肪酸)を使用した場合と比べて、同量の添加量でも、動的安定度(ホイールトラッキング試験)、トルクに対する耐久性(ねじり試験)、および破断時のひずみ(曲げ試験)に優れる供試体を得ることができ、強度、耐久性、たわみ性の向上効果が高いことが確認できる。
なお、「PM810」については、配合量が20重量%であるものの試験結果のみを示したが、配合量を変化させた場合における結果も、「PM400−C」を使用した場合と同様の傾向であった。
<実施例8>
ストレートアスファルトと潤滑性固化材との合計100重量%に対する、潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)の配合量を45重量%に変更した以外は実施例1と同様にして、アスファルト混合物を得た。なお、実施例8では、表1に示す合成粒度を有する骨材100重量部、ストレートアスファルト3.22重量部、潤滑性固化材2.64重量部、普通ポルトランドセメント0.66重量部を使用した。また、実施例8においては、「通常配合」のみ調製し、「透水用配合」については作製しなかった(後述の実施例9、比較例8においても同様。)。
<実施例9>
潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)の代わりに、潤滑性固化材(商品名「PM810」、ミヨシ油脂株式会社製)を使用した以外は、実施例8と同様にして、アスファルト混合物を得た。
<比較例8>
潤滑性固化材(商品名「PM400−C」、ミヨシ油脂株式会社製)の代わりに、潤滑性固化材(トール油脂肪酸、商品名「ハートールFA−1」、ハリマ化成グループ社製)を使用した以外は、実施例8と同様にして、アスファルト混合物を得た。
<実施例8,9、比較例8のアスファルト混合物の評価>
そして、このようにして得られた実施例8,9、比較例8のアスファルト混合物を、締固め温度に加熱したモールド(型枠)内へ投入した後、水分を添加し、締固め(両面50回)を行い、養生を行うことで、供試体を得た。なお、供試体としては、温度20℃、湿度60%の条件で1時間養生を行うことにより得られた供試体Aと、温度20℃、湿度60%の条件で7日間養生を行うことにより得られた供試体Bとの2種類の供試体を得た。そして、得られた供試体A,Bを用いて、以下のマーシャル安定度の測定を行った。
(マーシャル安定度)
得られた供試体A,Bを用いて、マーシャル安定度の測定を行った。マーシャル安定度の測定は、供試体A(養生時間1時間)については20℃で行い、供試体B(養生時間7日)については60℃で行った。結果を表8に示す。マーシャル安定度(kN)の値が高いほど、早期に安定かつ高強度な供試体が得られると判断することができるため望ましい。
Figure 0005916938
<実施例8,9、比較例8の評価>
表8に示すように、オレイン酸を60〜85重量%の割合で含有する潤滑性固化材(「PM400−C」、「PM810」)を用いた場合には、オレイン酸の含有量が40〜50重量%である潤滑性固化材(トール油脂肪酸)を使用した場合と比べて、同量の添加量でも、マーシャル安定度の値が高く、早期に強度を発現可能なものであることが確認できる。

Claims (9)

  1. 骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなるアスファルト混合物であって、
    前記潤滑性固化材が、オレイン酸を67〜85重量%の割合で含有することを特徴とするアスファルト混合物。
  2. 前記潤滑性固化材が、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とを、「飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸」の重量比で1:99〜20:80の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載のアスファルト混合物。
  3. 前記潤滑性固化材が、パルミチン酸を1〜15重量%、ステアリン酸を0.1〜5重量%、オレイン酸を67〜85重量%、リノール酸を5〜30重量%、リノレン酸を0.1〜5重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアスファルト混合物。
  4. 前記アスファルトと前記潤滑性固化材の合計量100重量%に対する、潤滑性固化材の含有量が1〜60重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアスファルト混合物。
  5. 前記潤滑性固化材と前記アルカリ性添加材とが、「潤滑性固化材:アルカリ性添加材」の重量比で、100:10〜100:300の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアスファルト混合物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアスファルト混合物に、硬化促進剤を添加し、前記潤滑性固化材と前記アルカリ性添加材とを鹸化反応あるいは中和反応させることで、強度を向上させることを特徴とする舗装方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のアスファルト混合物に、アルカリ性添加および硬化促進剤を添加し、前記潤滑性固化材と前記アルカリ性添加材とを鹸化反応あるいは中和反応させることで、強度を向上させることを特徴とする舗装方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のアスファルト混合物を製造する方法であって、
    100〜170℃に加熱した骨材と、130〜170℃に加熱したアスファルトとを混合装置で混合する第1工程と、
    前記第1工程で得られた混合物に、前記潤滑性固化材を添加・混合する第2工程と、
    前記第2工程で得られた混合物に、前記アルカリ性添加材を添加・混合する第3工程とを備えることを特徴とするアスファルト混合物の製造方法。
  9. 前記第3工程で得られた混合物を、水分透過防止層および熱融着層を備える袋内に充填し、次いで、前記熱融着層を熱融着することで、前記混合物を前記袋内に密封する第4工程をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のアスファルト混合物の製造方法。
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