JP6344873B1 - 高耐久常温アスファルト混合物 - Google Patents

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【課題】アスファルト混合物に反応性樹脂を混合し、当該反応性樹脂の架橋および/または重合反応によってアスファルト混合物の強度を早期に得るとともに、たわみ量の大きな舗装面においても十分に変形に耐えることのできる、高耐久常温アスファルト混合物を提供する。【解決手段】アスファルト2と、骨材1と、反応性樹脂材3と、少なくとも2価以上の金属イオンを含むアルカリ性添加材と、を少なくとも混合して成り、常温にて施工可能な常温アスファルト混合物10であって、加水されることにより、前記反応性樹脂材3と前記アルカリ性添加材とが架橋および/または重合反応して所定の弾性を有する結合材を形成することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、道路舗装などの舗装に使用する高耐久常温アスファルト混合物に関する。
従来、道路下の埋設管掘削工事に伴う道路舗装の仮復旧や、局所的に発生する既設道路舗装の破損箇所を補修するために、施工現場において常温状態で施工可能な従来型の常温アスファルト混合物が使用されている。しかし、当該従来型の常温アスファルト混合物は、袋詰めにされ、施工箇所において常温のまま敷き均し、転圧が可能であるというメリットがある一方、通常の加熱アスファルト混合物に比べると非常に耐久性に乏しく、長期的に使用することはできない。さらに、交通量が非常に多い施工箇所や、繰り返し振動を受ける舗装面、たわみ量の大きい床版上の舗装面などでは極々短期間でしか使用することができない。
上記従来型の常温アスファルト混合物として、特許文献1には、骨材とアスファルト乳剤を主成分とし、混合物中のアスファルト乳剤が分解することにより粘性度が高められて舗装材としての強度を得る、常温アスファルト混合物の発明が記載されている。しかし、このような従来型の常温アスファルト混合物は、比較的に強度が低く、また、施工後の養生時間が長くなることから、施工後の交通開放に時間を要するという問題があった。さらに、乳剤の分解速度が低いことから、乳剤が分解する前に降雨があった場合は、乳剤が流れ出してしまい、周囲を汚損してしまうという問題もあった。
同様に従来型の常温アスファルト混合物として、特許文献2には、アスファルト、灯油、1−ブロモプロパンおよび剥離防止剤を混合してなるカットバック剤によってカットバックアスファルトを製造し、骨材と混合する発明が記載されている。しかし、このような従来型の常温アスファルト混合物は、カットバックアスファルトの揮発能力に頼る部分が大きく、例えば、表4に示されるように、強度発現速度は他の従来型の常温アスファルト混合物と同程度でしかない。
また、上記したような問題から、常温アスファルト混合物の強度発現速度を促進して、施工後の交通開放を早期に行うことを目的とした、特許文献3に記載された従来の発明がある。当該特許文献3に記載された常温アスファルト混合物は、アスファルト、骨材、カットバック材としてのトール油脂肪酸(松材から生成)およびセメントから成り、施工中または施工直後に水を供給することによって、混合物中のトール油脂肪酸をセメントおよび水によって中和して固化させるように構成されたものであるが、前述したような繰り返し振動を受ける舗装面や、たわみ量の大きい床版上の舗装面などに対応した性状を特に有するものではない。
特開平11−012475号公報 特開2008−074919号公報 特許第5583978号公報
前述したように、従来型の常温アスファルト混合物は、早期に安定的に強度を得るとともに、あらゆる施工箇所へ適用することについて十分な性状が得られていない状況にある。
そこで、本発明では、アスファルト混合物の強度を早期に得るとともに、たわみ量の大きな舗装面においても十分に変形に耐えることのできる、高耐久常温アスファルト混合物を提供することを目的とする。
(1)アスファルトと、骨材と、反応性樹脂材と、アルカリ性添加材と、を少なくとも混合して成り、常温にて施工可能な常温アスファルト混合物であって、前記反応性樹脂材は、側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマーであり、前記アルカリ性添加材は、少なくとも2価以上の金属イオンを含み、加水されることにより、前記反応性樹脂材と前記アルカリ性添加材とが架橋および/または重合反応してアイオノマーとなることで強度とたわみ性が付与されることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、アスファルトと、骨材と、反応性樹脂材(側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマー)と、アルカリ性添加材(少なくとも2価以上の金属イオンを含む)とが、少なくとも混合された本発明の常温アスファルト混合物に対し、施工時に水を加えることにより、アルカリ性添加材に含まれる2価以上の金属イオンによって、当該反応性樹脂材が側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマーである場合は架橋され、アイオノマーとなることで強度とたわみ性を有する常温アスファルト混合物となる。このような作用により、車両の通行に耐えうる強度を早期に確保するとともに、高い曲げひずみを得ることができるため、一般の道路舗装面はもちろんのこと、繰り返し振動を受ける舗装面や、たわみ量の大きい鋼床版上の舗装面などにも好適に使用することが可能となる。
(2)アスファルトと、骨材と、反応性樹脂材と、アルカリ性添加材と、を少なくとも混合(ただし、スピンドルオイルおよび/または界面活性剤が混合されるものを除く)して成り、常温にて施工可能な常温アスファルト混合物であって、前記反応性樹脂材は、側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマー、および/または、カルボキシル基またはスルホ基を2つ以上有する有機酸であり、前記アルカリ性添加材は、少なくとも2価以上の金属イオンを含み、加水されることにより、前記反応性樹脂材と前記アルカリ性添加材とが架橋および/または重合反応してアイオノマーとなることで強度とたわみ性が付与されることを特徴とする。
上記(2)の構成によれば、アスファルトと、骨材と、反応性樹脂材(側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマー、および/または、カルボキシル基またはスルホ基を2つ以上有する有機酸)と、アルカリ性添加材(少なくとも2価以上の金属イオンを含む)とが、少なくとも混合(ただし、スピンドルオイルおよび/または界面活性剤が混合されるものを除く)された本発明の常温アスファルト混合物に対し、施工時に水を加えることにより、アルカリ性添加材に含まれる2価以上の金属イオンによって、当該反応性樹脂材が側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマーである場合は架橋され、当該反応性樹脂材がカルボキシル基またはスルホ基を2つ以上有する有機酸である場合は重合反応されて、アイオノマーとなることで強度とたわみ性を有する常温アスファルト混合物となる。このような作用により、車両の通行に耐えうる強度を早期に確保するとともに、高い曲げひずみを得ることができるため、一般の道路舗装面はもちろんのこと、繰り返し振動を受ける舗装面や、たわみ量の大きい鋼床版上の舗装面などにも好適に使用することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の常温アスファルト混合物であって、前記有機酸ポリマーはカルボキシル変性ポリイソプレンである。
上記(3)の構成によれば、有機酸ポリマーとしてカルボキシル変性ポリイソプレンを使用し、当該カルボキシル変性ポリイソプレンが架橋されることにより、本発明の常温アスファルト混合物に対して、特に高い強度と曲げひずみを与えることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の常温アスファルト混合物であって、前記アルカリ性添加材はセメントである。
上記(4)の構成によれば、2価以上の金属イオンを含むアルカリ性添加材として、汎用セメントを利用することにより、本発明の常温アスファルト混合物の製造手間および製造コストを抑えることが可能となる。
本発明における、高耐久常温アスファルト混合物の製造フロー図である。 本発明における、高耐久常温アスファルト混合物の配合例を示す図である。 本発明における、反応性樹脂材の架橋反応の反応メカニズムを説明する反応式の一例を示す図である。 本発明における反応性樹脂材がカルボキシル基をもつ有機酸ポリマーである場合の架橋物の模式図(a)と、反応性樹脂材がカルボキシル基をもつ2価以上の有機酸である場合の重合物の模式図(b)とを示す図である。 本発明における、高耐久常温アスファルト混合物の室内試験の結果を示すグラフである。 本発明における、高耐久常温アスファルト混合物を施工場所で敷き均した状態の模式断面図(a)と、敷き均した後に転圧され、硬化した状態の模式断面図(b)を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
(弾性型の高耐久常温アスファルト混合物の材料構成)
本発明の高耐久常温アスファルト混合物は、少なくとも、アスファルトと、骨材と、反応性樹脂材と、少なくとも2価以上の金属イオンを含むアルカリ性添加材とが混合されて構成されている。以下、各構成要素について詳述する。
(アスファルト)
本実施例の高耐久常温アスファルト混合物中のアスファルトは、ストレートアスファルトを使用することができる。アスファルトの種類の選定にあたっては、骨材のはく離性等を考慮して適宜適切なアスファルトを使用することができる。なお、施工箇所に応じて、脱色アスファルト等を使用することも可能である。
(骨材)
本実施例の高耐久常温アスファルト混合物中の骨材は、通常のアスファルト混合物と同様の粗骨材および細骨材を使用することができる。骨材の粒度分布は、施工される箇所や施工性に応じて調整することが可能であり、既設舗装の部分的な補修や舗装の仮復旧などにおいては、その施工性を考慮すると7号砕石(最大粒径5mm)を最大粒径とするのが好ましい。
なお、既設舗装の舗装種類に応じて6号砕石(最大粒径13mm)や5号砕石(最大粒径20mm)を最大粒径として粒度調整することも可能であり、例えば、開粒度アスファルト混合物、密粒度アスファルト混合物、細粒度アスファルト混合物などの既設舗装の粒度分布に近似する粒度分布とすることにより、当該既設舗装と同様の機能や美観性をもつ常温アスファルト混合物を製造することが可能となる。
(反応性樹脂材)
本発明で用いる反応性樹脂材は、側鎖にカルボキシル基やスルホ基をもつ有機酸ポリマー、または、カルボキシル基やスルホ基等をもつ2価以上の有機酸(例えば、ジカルボン酸やジスルホン酸、トリカルボン酸など)とすることができる。なお、上記有機酸ポリマーおよび上記有機酸は、それぞれ複数種類併せて使用することも可能であり、さらに、上記有機酸ポリマーと上記有機酸とを併せて使用することも可能である。
また、上記反応性樹脂材が常温において液体状のものであれば、可塑剤を混合することなく単独で混合物中に混合して使用することが可能であるが、施工性(作業性)を改善するために、当該液体状の反応性樹脂材にさらに可塑剤(水を除く)を加えて混合物中に混合することも可能である。なお、常温において固体状の反応性樹脂材を使用するのであれば、当該固体状の反応性樹脂材を可塑剤(水を除く)で溶解して混合物中に混合するとよい。
なお、常温で液体状の反応性樹脂材としては、ダイマー酸、分子量1,000〜100,000のカルボキシル変性ポリイソプレンやマレイン酸変性ポリイソプレン、カルボキシル変性ポリブタジエンなどがある。また、常温で固体状の上記有機酸ポリマーとしては、マレイン酸変性SEBS、マレイン酸変性エチレンメタクリル酸共重合体などがある。
本実施例の高耐久常温アスファルト混合物に混合される反応性樹脂材は、カルボキシル変性ポリイソプレンを使用しており、さらに本実施例では当該カルボキシル変性ポリイソプレンを可塑剤であるA重油で溶解して使用することにより、混合物の施工性を考慮した粘度の低い液状の材料として調整されている。なお、本実施例では上記のとおり可塑剤としてA重油を使用しているが、可塑剤はこれに限られるものではなく、反応性樹脂材を溶解せしめる可塑剤であれば他の鉱物油や鉱物由来以外の油脂を可塑剤として使用してもよい。
(アルカリ性添加材)
本実施例の高耐久常温アスファルト混合物に混合されるアルカリ性添加材は、少なくとも2価以上の金属イオンを含む材料として、汎用性の高い普通セメントを使用している。普通セメントには主要成分として酸化カルシウム(CaO)が含まれており、後述する架橋反応において、反応性樹脂材の粘性を高める上で、重要な役割を果たす。
なお、少なくとも2価以上の金属イオンを含むアルカリ性材料であれば、普通セメントに限定されることなく、アルカリ性添加材として使用することが可能である。例えば、2価以上の金属イオンを含む塩基性塩として水酸化カルシウム(消石灰)、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどを使用することができる。また、塩基性塩と2価以上の金属塩とをアルカリ性添加材として混合することも可能であり、例えば、水酸化ナトリウムと明礬、水酸化ナトリウムと塩化カルシウム、水酸化ナトリウムと塩化マグマグネシウム、などを使用することができる。
上記では、本実施例の高耐久常温アスファルト混合物に混合されるアスファルト、骨材、反応性樹脂材およびアルカリ性添加材について説明したが、当該混合物の強度を向上する必要がある場合には、1価の有機酸を混合することが有効である。1価の有機酸としては、リノール酸やリノレン酸、アラキドン酸、アルキルベンゼンスルホン酸などがあるが、当該1価の有機酸を混合すると上記アルカリ性添加材と中和反応して硬化するため、混合物に剛性を与えることが可能となる。
したがって、上記のような構成により、上記1価の有機酸と上記アルカリ性添加材との中和反応によって混合物に剛性が与えられるとともに、さらに、前述したように、反応性樹脂材とアルカリ性添加材とが中和反応して架橋および重合することにより、混合物に強度とたわみ性が与えられるという相乗効果を得ることができる。
(製造方法)
本実施例の高耐久常温アスファルト混合物の製造フローが図1に示されているが、まず、骨材を加熱し(S100)、その後、アスファルトを投入して骨材の表面がアスファルトで被覆されるように練り混ぜを行う(S110)。さらに、可塑剤であるA重油と反応性樹脂材であるカルボキシル変性ポリイソプレンの混合溶液を投入して引き続き練り混ぜを行う(S120)。最後に、普通セメントを投入して練り混ぜを行う(S130)。練り混ぜが完了した混合物は常温下で冷却され(S140)、湿気遮断性を有する風袋に詰められて製品化される(S150)。なお、上記加熱する際の加熱温度は、使用するアスファルトの種類に応じ、アスファルト等に劣化が生じない適切な温度で加熱することが望ましい。
図2には、本実施例の高耐久常温アスファルト混合物の配合例が質量百分率で示されている。本配合例では、骨材として7号砕石、砕砂、細目砂および石粉が配合されている。また、アスファルトは針入度60〜80のストレートアスファルトを使用している。さらに、反応性樹脂材はカルボキシル変性ポリイソプレンを使用し、可塑剤としてA重油を使用している。また、アルカリ性添加剤として普通ポルトランドセメントを使用し、上記混合物質量の外割りで3.0%の普通ポルトランドセメントを添加している。なお、図2の配合例は一例を示したものであり、各使用材料の混合割合や材料の種類は、必要とする混合物の性能や性状などによって変更することが可能である。また、前述したように、カルボキシル基やスルホ基等をもつ2価以上の有機酸をさらに配合するようにしても良いし、2種類以上の反応性樹脂材を配合するようにしても良い。なお、反応性樹脂材がカルボキシル基をもつ2価以上の有機酸である場合、重合反応によって図4の(b)の模式図に示されるような重合物を形成する。
(硬化反応のメカニズム)
図3には、本実施例の高耐久常温アスファルト混合物に混合されている反応性樹脂材(実施例では、カルボキシル変性ポリイソプレン)とアルカリ性添加材との加水後の反応式の一例が示されている。つまり、加水することにより、アルカリ性雰囲気下で反応性樹脂の側鎖にあるカルボキシル基の一部で脱プロトン化が起こり、脱プロトン化されたカルボキシル基がアルカリ性添加材(本実施例ではセメント)中の金属陽イオン(実施例では主にカルシムイオン)と反応し分子鎖間が架橋される。これにより、加水後の混合物は徐々に粘性度を増加させて硬化(所謂アイオノマーが形成される。)することとなる。例えば、図4の(a)には、カルボキシル基をもつ有機酸ポリマーによる架橋物の模式図が示されている。このような作用により、反応性樹脂材が混合物中の骨材と結合するとともに骨材間で硬化することによって、所定の強度および所定の弾性を有するアスファルト混合物を得ることができる。
(室内試験結果)
本発明の高耐久常温アスファルト混合物における強度発現態様について、室内試験の結果について以下に説明する。室内試験では、反応性樹脂材による強度発現態様を確認するため、各材齢においてマーシャル安定度試験を実施した。なお、マーシャル安定度試験用供試体の作製から養生期間を経てマーシャル安定度試験を行うまで、室温20℃の環境下で行っている。
図5には、各材齢におけるマーシャル安定度の推移を示すグラフが示されている。なお、本室内試験では、本発明の高耐久常温アスファルト混合物に配合されるカルボキシル変性ポリイソプレンと、カルボキシル基を持たない未変性品のポリイソプレンとを使用し、強度発現態様の比較を行った。すなわち、グラフ中のひし形のプロットは、本発明の実施例に対応するものの結果データであり、図2に示された配合例における反応性樹脂材を全てカルボキシル変性ポリイソプレンとした場合の試験結果である。
また、グラフ中の四角形のプロットは、図2に示された配合例における反応性樹脂材の内、50%をカルボキシル変性ポリイソプレンとし、残り50%を未変性品のポリイソプレンとした場合の試験結果である。さらに、グラフ中の三角形のプロットは、図2に示された配合例における反応性樹脂材を全て未変性品のポリイソプレンとした場合の試験結果である。
図5に示されたマーシャル安定度試験の結果から、側鎖にカルボキシル基を有する反応性樹脂(カルボキシル変性ポリイソプレン)を用いることで、供試体作製直後より硬化反応が始まって強度発現することが判る。すなわち、初期強度が非常に高く、硬化反応初期の強度発現速度が非常に速いことが判る。さらに、材齢の経過とともに、徐々に強度が上昇しており、非常に耐久性能の高い常温アスファルト混合物であることが判る。つまり、早期に交通開放する必要があるような施工場所において、本発明の高耐久常温アスファルト混合物を使用することが極めて有効であることを裏付ける結果となっている。
(施工方法)
以下に本発明の高耐久常温アスファルト混合物10の施工方法の一例について説明する。図6(a)の模式断面図に示されるように、まず、本発明の高耐久常温アスファルト混合物10が施工場所において敷き均される。各骨材1はアスファルト2によって被覆されており、当該各骨材間には反応性樹脂材3と空隙4とが介在し、当該反応性樹脂材3の反応前では各骨材1が自由に動くことができる。したがって、容易に混合物10の敷き均しを行うことができる。
続いて反応性樹脂材3を反応させるために敷き均された混合物10に散水を行う。加水するタイミングとしては、敷き均しを行いながら散水してもよいが、敷き均し時の施工性を考慮すると、敷き均し完了後に散水するほうが好ましい。
混合物10に散水が行われた後、転圧機械にて所定の密度が得られるように転圧を行い、混合物10が反応によって硬化したことを確認したら、施工を終了して当該施工箇所の交通開放が行われる。図6(b)の模式断面図には、混合物10が転圧され、反応性樹脂3が硬化した状態が示されている。転圧によって骨材間の空隙4が減少し、所定の密度が得られる。そして、反応性樹脂材3が硬化して各骨材1と結合することにより、混合物10は一体化して舗装体を構成する。
1 骨材
2 アスファルト
3 反応性樹脂
4 空隙
10 混合物

Claims (4)

  1. アスファルトと、骨材と、反応性樹脂材と、アルカリ性添加材と、を少なくとも混合して成り、常温にて施工可能な常温アスファルト混合物であって、
    前記反応性樹脂材は、側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマーであり、
    前記アルカリ性添加材は、少なくとも2価以上の金属イオンを含み、
    加水されることにより、前記反応性樹脂材と前記アルカリ性添加材とが架橋および/または重合反応してアイオノマーとなることで強度とたわみ性が付与される
    ことを特徴とする常温アスファルト混合物。
  2. アスファルトと、骨材と、反応性樹脂材と、アルカリ性添加材と、を少なくとも混合(ただし、スピンドルオイルおよび/または界面活性剤が混合されるものを除く)して成り、常温にて施工可能な常温アスファルト混合物であって、
    前記反応性樹脂材は、側鎖にカルボキシル基および/またはスルホ基を2つ以上有する有機酸ポリマー、および/または、カルボキシル基またはスルホ基を2つ以上有する有機酸であり、
    前記アルカリ性添加材は、少なくとも2価以上の金属イオンを含み、
    加水されることにより、前記反応性樹脂材と前記アルカリ性添加材とが架橋および/または重合反応してアイオノマーとなることで強度とたわみ性が付与される
    ことを特徴とする常温アスファルト混合物。
  3. 前記有機酸ポリマーはカルボキシル変性ポリイソプレンである
    請求項1または2に記載の常温アスファルト混合物。
  4. 前記アルカリ性添加材はセメントである
    請求項1〜3のうちいずれかに記載の常温アスファルト混合物。

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