JP4991728B2 - 新規な瀝青乳剤系組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、両性界面活性剤により構成された舗装用組成物又は瀝青乳剤系瀝青質被覆材、並びに道路工学において新しい車道用の、現存の車道を補強する若しくは保全するための又はスポット補修用の材料を生成させるためのその使用に関する。
瀝青乳剤は、道路工学において、それらが単独にてたとえば結合層、含浸層及びスポット補修部(パッチング、接合、ひび割れ充填)を得るために又は骨材の存在下で表面化粧仕上げ若しくは常温被覆を行うために延展されるところの様々な用途のために定期的に用いられる。
本発明のより十分な理解のために、次の定義を与えることが役立つように思える。
− 瀝青により、道路用瀝青、あるいは1種若しくはそれ以上のポリマー及び/又は1種若しくはそれ以上の酸若しくは塩基及び/又は1種若しくはそれ以上の乳化剤及び/又は1種若しくはそれ以上の粘性化剤及び/又は1種若しくはそれ以上の融剤及び/又は1種若しくはそれ以上の可塑剤及び/又は組成物の性質を調整することを可能にする任意の他の添加剤を随意に含有する任意の瀝青系組成物が意味される。
− 瀝青乳剤により、1種若しくはそれ以上の添加剤及び/又は1種若しくはそれ以上の乳化剤及び/又は1種若しくはそれ以上の粘性化剤及び/又は1種若しくはそれ以上の融剤及び/又は1種若しくはそれ以上の可塑剤及び/又は乳剤の性質を調整することを可能にする任意の他の添加剤を随意に含有する瀝青の水性分散液が意味される。
− 瀝青質被覆材により、粒度配合された骨材と、1種又はそれ以上の添加剤(たとえば、有機又は無機繊維、クラムラバー(随意に、使用済みタイヤのリサイクリングから発生する)、様々な廃棄物(ケーブル、ポリオレフィン、等)、並びにあらゆる割合のそれらの混合物)を随意に含む瀝青との混合物が意味される。
− 骨材により、採石場又は砂利採取坑から発生する骨材、古い路面の粉砕から発生する骨材のようなリサイクリングの生成物、製造廃棄物、建築材料のリサイクリングから発生する材料(解体コンクリート、等)、スラグ、頁岩、任意の源のそしてたとえば家庭ごみ焼却クリンカー(HRIC)に由来する人工骨材並びにあらゆる割合のそれらの混合物を含めて、様々な源の骨材が意味される。
常温被覆材により、瀝青乳剤と骨材(乾いた又は乾いていない)を、随意に乳剤の水及び骨材中に自然に存在する水に加えて添加された水並びに瀝青質被覆材に一般的に用いられるものと同じであり得る添加剤、しかしまた特に乳剤の凝離を制御するよう意図されたより特定の添加剤(たとえば凝離剤(たとえば、酸又は塩基、無機添加剤(水硬セメント(ポルトランド、ポゾラン、ソーレルセメント、等)、石灰又は無機塩のような)から選ばれ得る)並びに遅延剤(やはり無機塩又は有機化合物(たとえば酸、塩基又は界面活性剤のような)、すなわち無機及び/又は有機の塩又はそれらの酸性リン酸エステル、ホスホン酸エステル及びホスフィン酸エステル及び/又はポリリン酸塩のような薬剤であり得る)のような)の存在下で混合することにより得られた任意の混合物が意味される。常温被覆材は、たとえば、瀝青乳剤と湿った又は乾いた骨材を様々な割合で混合することにより得られ得る。一般的に、この混合物は、用途に従って、最終的に質量により100部の乾いた骨材当たり0.1と30部の間の瀝青(すなわち、pphとして記録して0.1〜30部パーセント)そして好ましくは2と15pphの間を得ることを可能にする。
非網羅的には、「常温被覆材」の例は、「コールドキャスト被覆材」、「グレーブ(grave)乳剤」、「常温開粒度又は密粒度被覆材」、「常温瀝青質コンクリート」又はまた「常温リサイクリング材」である。常温被覆材は、その目的及び車道におけるその位置(摩耗層、基層、リプロフィーリング(reprofiling)、古い車道の補強、等)に従って、数年から30年の間で構成される期間、1日当たり10台の程度から5000台より多い重貨物車両の平均交通荷重に耐えるようもくろまれる。
− コールドキャスト被覆材(マイクロサーフェシング − MS)により、Direction des Routes du Ministere de l'EquipementのService d'Etudes Techniques des Routes and Autoroutes(SETRA)からの情報シート(注記 d'Information Chaussees Dependances,1997年6月のn°102,「Les enrobes coules a froid」)に記載されているような道路用材料(瀝青乳剤で被覆されたそして非常に薄い層にて生成後直ちに用いられる乾燥されていない骨材の混合物のような)又はまたInternational Slurry Surfacing Association(米国メリーランド州アナポリス)により2003年5月に出版されたガイドライン特にセクション7(「乳化アスファルトスラリーシールのための推奨実施ガイドライン」)又はセクション9(「マイクロサーフェシングのための推奨実施ガイドライン」)に記載されているような道路用材料が意味される。
マイクロサーフェシングは、本明細書において、この技術の変型のすべて、たとえば引用されたSETRA情報シートにやはり記載されているスラリーシール(SS)を指す。典型的にはそして非制限的には、スラリーシール材は、2と20mmの間で変動する最大骨材サイズ、並びに不連続性及び4と12pphの間の残留瀝青含有量を随意に有する鉱物骨格を有する。
− 常温リサイクリングにより、様々な刊行物(たとえば、Comite Techniqueにより2003年に公表された「Recyclage des Chaussees」と題する案内書,Paris La Defenseに本部が置かれたAssociation Internationale Permanente du Congres de la Route(AIPCR)の7/8「Chaussees Routieres」)に詳細に記載されている瀝青乳剤技法が意味される。SETRAからの情報シート(注記 d'Informations Chaussees Dependances,1988年4月のn°42「Retraitement des chaussees a l'emulsion de bitume」及び1988年4月のn°42「Retraitement des chaussees a l'emulsion de bitume」)もまた、この方法を定めている。この方法は、新しい瀝青乳剤被覆材用の骨材として粉砕残留物を用いるために、古い車道を粉砕することから成る。この方法は、その場で(現場リサイクリング)又は被覆材プラントにおいて、随意に任意の割合での新しい骨材の添加及び様々な添加剤の添加と共に行われ得る。使用可能な添加剤のなかで、特に、任意の常温被覆材に添加され得るもの、しかしまたいわゆる再生用バインダー(粉砕残留物を覆っている古い瀝青との混合物にて、新しい車道に用いられるバインダーに密接に関連した瀝青を再構成することを可能にする)のようなより特定の添加剤が挙げられ得る。
常温被覆材は、一般的に、それらを本質的に低交通量道路に制限するそれらの比較的乏しい機械的性質に因り、いわゆる「加熱」被覆材(瀝青が温度の増加により流動化され、次いで骨材と混合される)より劣ると考えられる。
常温被覆材は、それらの加熱対応品より優れた生態環境的利点が認められている。第一に、それらは骨材を乾燥する段階(加熱被覆材に欠くことのできない)を省くことを可能にし、しかして大気にとっての有害効果(加熱に関連した塵埃及び汚染)の回避に加えて、有意なエネルギー節約を成す。更に、それらは被覆及び延展中瀝青の加熱と関連した煙霧放出を回避することを可能にし、しかして作業者及び居住者の両方にとっての厄介物を低減する。
常温被覆材は、乳剤の凝離に因りすなわち瀝青が水性相中の小滴の形態(エマルジョン)で分散されている初期状態から瀝青が骨材を被覆する皮膜を成す最終状態への移行に因り、時間の経過で発現する機械的性質を有する。これは、除去されるべき水の存在のみならず、乳剤と骨材の間の複雑な相互作用にも因る。従って、交通に再開放する前に材料が固化するのに必要とされるところの時には非常に長い期間が、利用者に対して増加した不便を引き起こす。これらの問題は、交通に再開放する前の期間が極めて長くなり得る寒い天候における使用中、利用者に対する閉鎖時間の制限が要求される作業についてこれらの技法の使用を妨げるという点で、更に一層重大である。しかしながら、骨材との接触後直ちに凝離する乳剤を用いることは可能でない。実際に、乳剤凝離の動力学は、被覆材が用いられるのを可能にしなければならず、そしてそれ故被覆材がミキサーを去る時点とそれが車道上で用いられる時点との間における十分なワーカビリティーを被覆材に与えねばならない。ワーカビリティーの期間は、主として、生成/使用の選ばれた系の因子である。例として、後方に置かれた延展装置へ直接的に供給されるべき自立機械上に据え付けられたミキサーから直接的に生成物が出るマイクロサーフェシング機械について、それは典型的には30秒と2分の間にある。延展場所から離れて据え付けられた被覆材プラントにおいて生成される常温被覆材(輸送はローリにより行われる)については、それは数時間である。その場合には、ワーカビリティーの期間は、プラントと使用場所の間の輸送時間に相当する。それ故、常温被覆材は、2つの相反する要件を満たさねばならない。すなわち、使用を可能にするのに十分に遅らされるが、しかし次いで交通への迅速な開放を可能にするために非常に素早い凝離。これらの矛盾する要求は常温被覆材の処方を困難にし、そして凝離を制御する添加剤に頼ることが一般的に必要である。
瀝青乳剤は一般的に50と72重量%の間の瀝青を含み、そして随意に1種又はそれ以上の添加剤及び水性相タイプの補足物(随意に1種又はそれ以上の乳化剤及び/又は添加剤を含有し得る)を含有し得る。
カチオン性乳剤、すなわち正電荷を有する1個又はそれ以上のイオン基を含む乳化剤でもって得られた乳剤は知られている。それらの乳化剤は、一般的に、働くのに通常そして非限定的に1.5から3に達し得るpH値における酸性化環境を伴う。
アニオン性乳剤もまた用いられ、そして負電荷を有する1個又はそれ以上のイオン基を含む乳化剤でもって得られる。これは、一般的に、働くのに通常10から12に達し得るpH値におけるアルカリ性環境を伴う。
非イオン性又は両性のような他のタイプの乳化剤をベースとした乳剤もまた存在する。非イオン性乳化剤はイオン基を有さず、そして両性のものは条件に依存してカチオン基及びアニオン基の両方を有する。これらの乳化剤は常温被覆材に用いられず、そしてそれらの使用は或る非常に特定的な用途(本発明の用途の範囲及びその組成物の範囲の両方から顕著に相違する)に制限される。
かくして、米国特許第4,209,337号明細書は、瀝青改質セメントコンクリートを構成するために、セメントスラリーとの混合物にて用いられるベタイン系乳剤(0.3と2の間の乳剤/セメントの質量比)を記載する。瀝青乳剤のこのタイプの使用は、本発明により想定された組成物及び用途の範囲外になる(セメントは随意的添加剤にすぎず且つ乳剤/セメント比率は2より大きい常温被覆材に関するので)。
米国特許第5,928,418号明細書は、瀝青乳剤を含む舗装用組成物であって、該瀝青乳剤それ自体はポリフェノール化合物で並びにアニオン性ポリマー分散剤及びヒドロカルボン酸又はそれらの水溶性塩から選ばれた化合物でサッカライド、多価アルコール又は糖アルコールから選ばれた化合物に結合された界面活性剤を含む組成物を記載する。
米国特許第5,558,702号明細書、米国特許第5,667,576号明細書、米国特許第5,667,577号明細書及び国際公開第96/30,446号パンフレットは、使用可能な貯蔵できるスラリーを生成させるために高い安定性を有しそして該スラリーが次いで防水工事(たとえば車庫又は駐車場ランプについての)のために用いられ得るところの乳剤/フィラー(繊維、粘土、石灰、砂又はこれらの成分の混合物のようなフィラーを含む)の混合物を記載する。これらの調製物は常温被覆材と混同され得ず、何故ならそれらは典型的割合を有さず、それらは生成後に数ヶ月間貯蔵されそして数時間の程度の期間で固化し、また重交通に耐えるよう求められていないからである。本発明は、凝集力のより迅速な増加を可能にし、しかして交通に再開放する前の時間を有意に低減することを可能にする一方、十分なワーカビリティーを保持する乳剤処方を提案することにより、先行技術に記載された常温被覆材処方物の問題を解決することを目的とする。
実際に、驚くべきことに、常温被覆材の処方物中への或る両性乳化剤をベースとした瀝青乳剤の組込みが、該被覆材のレオロジー的性質、特にその初期ワーカビリティー(容易な使用を確保する)及びその後の迅速な固化(交通への素早い開放を保証する)の優秀な制御を得ることを可能にする、ということを本出願人は発見した。
かくして、本発明の主題は、舗装用組成物であって、
i)0.5から30重量%好ましくは2から15重量%の瀝青乳剤、しかも該瀝青乳剤それ自体は
a.0.1から3重量%好ましくは0.5から1.5重量%の、式(I)又は(II)
Figure 0004991728
〔ここで、
− R1は、6から24個の炭素原子を有する線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
− R2は、2から6個の炭素原子を有ししかもこれらの炭素原子の少なくとも一つは適切ならヒドロキシ基により置換されている線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基であり、
− R3及びR4は、同一又は異なりそして1から4個の炭素原子を含む線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
− R5は、同一又は異なりそして1から6個の炭素原子を含みしかもこれらの炭素原子の少なくとも一つは適切ならヒドロキシ基により置換されている線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基であり、
− Y-は、SO3 -又はCOO-基であり、
− Zは、同一又は異なりそしてSO3 -若しくはCOO-又はOH基である〕
の生成物から選ばれた両性界面活性剤、
b.30から95重量%好ましくは45から80重量%の瀝青、及び
c.該乳剤を組成するのに十分な量(100%になるのに十分な量)の水
で構成されており、
ii)70から99.5重量%好ましくは85から98重量%の骨材、
iii)0から20重量%好ましくは1と15%の間の全水
で構成された組成物である。
本発明によれば、全水により、乳剤中に既に存在する水、骨材中に既に存在する水及び随意に添加された水(「追加水」又は「添加水」と呼ばれる)を含めて総水含有量が意味される。
位置R1からR5を占める1から24個の炭素原子を有する線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基に関して、たとえば、合成源:メチル、ヒドロキシメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシプロピル、プロピレン、イソプロピレン、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカノイル、ドデカノイル、イソトリデシルの基、天然源:カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、エルカ酸の基、又はこれらの異なる基の混合物が挙げられ得る。
本発明の好ましい具体的態様によれば、R1は、ヤシ油由来の脂肪族基の混合物を表す。
本発明によれば好ましくは、R2は、3個の飽和炭素を有する線状基を表す。
本発明によれば好ましくは、R3及び/又はR4及び/又はR5は、メチル又はエチル基を表す。
本発明によれば非常に好ましくは、両性界面活性剤は、ココアミドプロピルベタイン(CAS:70851−07−9)、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン(CAS:70851−08−0)又はナトリウムココアンホアセテート(CAS:68650−39−5)から選ばれ得る。
本発明の好ましい具体的態様によれば、瀝青乳剤の両性界面活性剤は、R1基が植物(ココヤシ、パーム、オリーブ)源又は動物源の脂肪族基である両性界面活性剤の混合物であり得る。
本発明の別の特定の具体的態様において、本組成物は、更に、添加剤を含み得る。この場合において、当業者は、上記に記述された瀝青乳剤、骨材及び水の割合を守りながら、種々の成分の量をいかに調整するかを知っているであろう。
本発明の更なる好ましい具体的態様によれば、本組成物は、更に、遅延剤(有利には界面活性剤、特に式(I)及び/又は(II)に相当する界面活性剤であり得る)を含み得る。
本組成物は、乳剤の処方物において酸及び/又はアルカリの使用を省くことを可能にし、しかしてそれらの使用に関連した工場内の安全問題並びに酸又はアルカリ乳剤の使用と関連した燃焼又は腐食の危険を回避する。
本組成物は、更に、人間及び環境に対する低毒性を有するという利点を有する。
本組成物はまた、乳剤を不安定にすることなしに、ポリマー改質被覆材を得るために、乳剤に任意のタイプのラテックスすなわちアニオン性又はカチオン性ラテックスを添加することを可能にする。
本発明によれば、乳剤に用いられる瀝青は、任意の道路用瀝青であり得る。
本発明によれば、瀝青乳剤は、更に、粘性化剤、固化調整剤あるいは塩たとえばカルシウム、カリウム、ナトリウムの塩化物又は任意の他のカルシウム、カリウム、ナトリウム若しくはマグネシウム塩を含めて、その性質を制御することを可能にする任意のタイプの添加剤を含有し得る。該乳剤はまた、単独にて又は組合わせにて選ばれるポリマー、酸、アルカリ、無機若しくは有機フィラー又は界面活性剤により瀝青が改質されている瀝青乳剤であり得る。この場合において、当業者は、上記に記述された界面活性剤及び瀝青の割合を守りながら、種々の成分の量をいかに調整するかを知っているであろう。
ポリマーにより、たとえば、表示的にはそして非限定的には、スチレンとブタジエンのコポリマー(あらゆる割合にて)若しくは同じ化学ファミリー(イソプレン、天然ゴム、等)のコポリマー(随意に、その場で架橋される)、ビニルアセテートとエチレンのコポリマー(あらゆる割合にて)若しくは同じファミリー(ブチル、メチルアセテート、等とポリオレフィン)のコポリマー、使用済みタイヤから発生するクラムラバー、又はまた瀝青の改質のために一般に用いられる任意の他のポリマー、並びにこれらのポリマーの任意の混合物が意味される。
酸として、たとえば、リン酸並びにその誘導体、塩及びエステル、塩酸、並びに任意の酸又は酸の組合わせが挙げられ得る。
アルカリとして、たとえばポリアミン、イミダゾリン、ピロリジン、ソーダ、石灰又はまたカリのような、有機及び無機アルカリが挙げられ得る。
無機又は有機フィラーにより、たとえば、セメント、石灰、シリカ又はカーボンブラック、有機若しくは無機繊維が意味される。
瀝青を改質する界面活性剤として、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性乳化剤が挙げられ得る。
該乳剤は、任意の適当な方法に従って、特にコロイドミル、スタチックミキサーにおいて又は転相により生成され得る。
本発明の主題はまた、常温被覆材特に道路への施用のためのものの製造のための、骨材との混合物にての本組成物の使用である。かくして、本発明の主題は、コールドキャスト被覆材(MS)、常温瀝青質コンクリート(CBC)、「グレーブ乳剤」、「常温開粒度又は密粒度被覆材」の製造又はまた常温リサイクリング材の製造における本組成物の使用である。
本発明の別の好ましい使用によれば、現場における常温リサイクリング材は、古い車道から発生する且つ0.5と3%の間の瀝青乳剤を含有する100%粉砕残留物をベースとする。
他の常温被覆材は、有利には、本発明の適用により得られ得る。非制限的に、手でもって又はミキサー(随意に、可動システム上に据え付けられた)を用いてのどちらかにて、使用(それ自体手でもって又は特殊機械により行われる)の直前に生成され得るスポット補修用被覆材が挙げられ得る。
本発明の主題はまた、本発明による組成物から成るコールドキャスト被覆材であって、該コールドキャスト被覆材が非限定的例としてコールドキャスト被覆材(MS)、常温瀝青質コンクリート(BBF)、「グレーブ乳剤」、「常温開粒度又は密粒度被覆材」又はまた「常温リサイクリング材」であることが可能であるコールドキャスト被覆材である。
本発明の他の特徴は、以下の例(本発明を限定することなく例示としてのみ与えられる)を読解すると明らかになるであろう。
実施例1: 新しい車道のために又は古い車道の表面性質を更生させるために施用可能な、摩耗層用コールドキャスト被覆材処方物の製造
比較のために、スペイン国規格ECL−2dに従う標準乳剤(以後「乳剤1」と称される)を、スペイン国において標準化された0/6の粒度(Lechada Bituminosa Tipo 3,LB−3)を有するMSに相当するコールドキャスト被覆材を利用するために用いる。選ばれた骨材はハロ(スペイン国リオハ)のサン・フェリセス(San Felices)採石場を出所とし、そしてその粒度曲線はLB−3標準等級のそれと比較すると次のとおりである。
Figure 0004991728
この乳剤はProbisaという会社によりそのブルゴス工場において工業的に製造され、そして62%の等級70/100のナイナス(Nynas)瀝青、0.35%のカチオン性界面活性剤(Kaoからの脂肪ポリアミンアスフィーア(Asfier)208)、及び3の程度の該乳剤のpHを得るのに十分な量の酸で構成されている。
乳剤の凝離時間を制御するために、脂肪ポリアミン塩酸塩の水溶液(13.5%にて添加される)(以後遅延剤と称される)も用いることが必要である。乳剤1及び対応するマイクロサーフェシング材(MS1)の処方は、次のとおりである。
乳剤1(質量による組成)
瀝青ナイナス(Nynas)70/100 62.00
アスフィーア(Asfier)208 0.35
塩酸 0.30
水 100.00になるのに十分な量
MS1(質量による組成)
ハロ(スペイン国リオハ)のサン・フェリセス(San Felices)採石場からの
砂0/6 100.00
砂0/6の水含有量 2.60
添加水 7.00
遅延剤 0.75
乳剤1 12.50
(すなわち、残留瀝青7.7)
この処方を、瀝青乳剤が乳剤2(今度はココアミドプロピルベタイン(CAS:70851−07−9)である本発明による両性乳化剤を有する)により置き換えられていたこと以外は同一である処方と比較した。
乳剤2(質量による組成)
ナイナス(Nynas)瀝青70/100 60.0
ココアミドプロピルベタイン
(CAS:70851−07−9) 0.8
水 100.00になるのに十分な量
MS2(質量による組成)
ハロ(スペイン国リオハ)のサン・フェリセス(San Felices)採石場からの
砂0/6 100.00
砂0/6の水含有量 4.40
添加水 6.00
遅延剤 0.75
乳剤2 12.80
(すなわち、残留瀝青7.7)
更に、MS2の処方を凝離剤ポルトランドセメントの添加により改変し、そして次の処方もまた比較した。
MS3(質量による組成)
ハロ(スペイン国リオハ)のサン・フェリセス(San Felices)採石場からの
砂0/6 100.
砂0/6の水含有量 4.4
添加水 7.0
凝離剤(セメント) 0.5
遅延剤 1.8
乳剤2 12.8
(すなわち、残留瀝青7.7)
スペイン国において適用され得る次の処方物試験により、ECFを査定した。すなわち、手でもって測定される流動性時間、諸成分を混合した後10、30及び60分して行われるEN12274−4によるベネディクト試験により測定される凝集力、並びに試験片の硬化(60℃にて20時間)後の試験EN12274−5による耐摩耗性。
このタイプの処方物についての典型的規格は、
・30と45秒の間の流動性時間(手でもって査定される場合には正確な使用を可能にし、そして処方(遅延剤及び凝離剤の含有量)を制御することを可能にする)、
・>2Nmの60分における凝集力(凝集力の迅速な増加を確保して、短い時間内で交通に再開放するのを可能にする)、
・650g/m2より小さい摩耗減量値(MSの良好な力学抵抗を確保する)
である。
上記の三つのMS処方について得られた結果を次の表にて繰り返す。
Figure 0004991728
本発明による乳剤をベースとしたMS2及びMS3は、摩耗及び初期流動性時間について対照処方(MS1)と同等でありそしてベネディクト試験により測定された凝集力についてより良好である(2Nmの閾値は30min後に超えられ、すなわち対照処方と比較して交通への再開放について30分程度の利得)結果を得ることを可能にする、ということが全く明らかである。
実施例2: 新しい車道のために又は古い車道の表面性質を更生させるために使用可能な、摩耗層用の別のコールドキャスト被覆材処方物の製造
前の例のMS1の処方を、瀝青乳剤が乳剤3(ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン(CAS:70851−08−0)である本発明による別の両性乳化剤を有する)により置き換えられていたこと以外は同一である別のマイクロサーフェシング用処方と比較した。
乳剤3(質量による組成)
ナイナス(Nynas)瀝青70/100 59.5
ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン
(CAS:70851−08−0) 0.4
水 100.になるのに十分な量
MS4(質量による組成)
ハロ(スペイン国リオハ)のサン・フェリセス(San Felices)採石場からの
砂0/6 100.0
砂0/6の水含有量 4.4
添加水 6.0
遅延剤 0.8
乳剤3 12.9
(すなわち、残留瀝青7.7)
更に、このMS処方を低ポルトランドセメント含有量(凝離剤として標準的様式にて働く)の添加により改変し、そして次の処方もまた比較した。
MS5(質量による組成)
ハロ(スペイン国リオハ)のサン・フェリセス(San Felices)採石場からの
砂0/6 100.0
砂0/6の水含有量 4.4
添加水 7.0
凝離剤(セメント) 0.5
遅延剤 1.3
乳剤3 12.9
(すなわち、瀝青残留物7.7)
実施例1においてのように、スペイン国において適用され得る次の処方物試験により、ECFを査定した。すなわち、手でもって測定される流動性時間、諸成分を混合した後10、30及び60分して行われるEN12274−4によるベネディクト試験により測定される凝集力、並びに試験片の硬化(60℃にて20時間)後の試験EN12274−5による耐摩耗性。MS用の上記の三つの処方について得られた結果を次の表にて繰り返す。
Figure 0004991728
両性乳剤をベースとしたMS4及び5は、摩耗及び初期流動性時間について対照処方(MS1)と同等でありそしてベネディクト試験により測定された凝集力についてより良好である(2Nmの閾値は30分後に超えられ(MS5)又はそれどころか処方MS4については10分後に超えられ、すなわち対照処方と比較して交通への再開放について30から50分程度の利得)結果を得ることを可能にする、ということが全く明らかである。
実施例3: 新しい車道のために又は古い車道の表面性質を更生させるために使用可能な、摩耗層用の別のコールドキャスト被覆材処方物の製造
前の例の処方MS5を、ブレバ(Bureba)採石場(ブルゴス地区)からの砂0/6である別の骨材でもって繰り返した。この処方もまた、スペイン国規格LB−3により包含されるマイクロサーフェシングに相当する。
前の例の乳剤3を用いた。
MS6(質量による組成)
ブレバ(Bureba)採石場(スペイン国ブルゴス)からの砂0/6 100.00
砂0/6の水含有量 3.30
添加水 7.00
凝離剤(セメント) 0.50
遅延剤 1.55
乳剤3 12.90
(すなわち、残留瀝青7.7)
実施例1及び2においてのように、スペイン国において適用され得る次の処方物試験により、MSを査定した。すなわち、手でもって測定される流動性時間、諸成分を混合した後10、30及び60分して行われるEN12274−4によるベネディクト試験により測定される凝集力、並びに60℃にて20時間の試験片の硬化後の試験EN12274−5による耐摩耗性。得られた結果を上記の例のMS1及び5の結果と比較して次の表にて繰り返す。
Figure 0004991728
本発明による両性乳剤及びラ・ブレバ(La Bureba)骨材をベースとしたMS6は、摩耗及び初期流動性時間について対照処方(MS1)と及びサン・フェリセス(San Felices)骨材でもっての処方と同等でありそしてベネディクト試験により測定された凝集力についてより良好である(2Nmの閾値は10min後に超えられ、すなわち対照処方と比較して交通への再開放について50分程度の利得)結果を得ることを可能にする、ということが全く明らかである。
実施例4: 基層として使用可能な常温再生被覆材の製造
Kaoにより供給される市販乳化剤アスフィーア(Asfier)218及びポルトガル国シネスのペトロガル(Petrogal)精錬所を出所とする瀝青でもって、対照乳剤3を製造した。
この乳剤を本発明に従って製造された乳剤4及び5と比較した(乳剤4はココアンホアセテート(CAS:68650−39−5)である本発明による別の乳化剤でもって、そして乳剤5は実施例1に示された乳化剤ココアミドプロピルベタインでもって製造される)。
かくして、下記の処方物を製造した。
乳剤4(質量による組成)
ペトロガル(Petrogal)瀝青70/100 59.5
アスフィーア(Asfier)218 0.6
塩酸 0.4
水 100.になるのに十分な量
乳剤5(質量による組成)
ペトロガル(Petrogal)瀝青70/100 60.0
ココアンホアセテート(CAS:68650−39−5) 0.6
水 100.になるのに十分な量
乳剤6(質量による組成)
ペトロガル(Petrogal)瀝青70/100 59.5
ココアミドプロピルベタイン
(CAS:70851−07−9) 0.6
水 100.になるのに十分な量
ウエルバ地区(スペイン国アンダルシア)におけるA−494である古い車道の上部10cmを粉砕することにより得られたところの仏国標準規格XP P98−135の意味内の骨材と共に、これらの乳剤を用いた。骨材は、3.6pphの古い瀝青を含む。この粗製粉砕骨材の粒度分布は、次のとおりであった。
Figure 0004991728
実験室ミキサーを用いて、骨材を4.5pphの総水含有量及び0.5pphのレベルにおける凝離剤(セメント)と共に3.3pphの乳剤(乾燥した粉砕材料に関して)と混合して、次の再生被覆材処方物を得る。
被覆材1
骨材 100質量部
乳剤4 3.3
凝離剤(セメント) 0.5
添加水 2.0
被覆材2
骨材 100質量部
乳剤4 3.3
凝離剤(セメント) 0.5
添加水 2.0
被覆材3
骨材 100質量部
乳剤5 2.5
凝離剤(セメント) 0.5
添加水 2.0
標準規格ASTM D1075に従って行われそして周囲温度における圧縮抵抗(R)及び周囲温度におけるしかし60℃において水中に24時間浸漬後の圧縮抵抗(r)により数量化された機械的試験が、下記の表に与えられている。更に、それらは保留強度(r/R比率)に関して表されている。
凝集力の増加を数量化する(これについては標準化手順がない)ために、1日後の且つ周囲温度における圧縮抵抗も測定した。
Figure 0004991728
本発明に従って製造された被覆材は対照処方でもって得られた結果に非常に近い結果を与え、しかしてこの用途のためにかかる乳剤の使用を可能にする、ということをこれらの結果は示している。
例示として、常温リサイクリングについてのアンダルシア標準規格は、クラスT3交通(1日当たり100と200台の間の重貨物車両)下で、乳剤でもっての現場リサイクリングについての性質として次の最小値すなわちR>2.5、r>2.0及びr/R>60%を要求し、しかしてこれらは調査された処方の各々により難なく得られる。
更に、本発明による被覆材は、対照処方よりも大きい1日後の圧縮抵抗を有し、しかしてより迅速な凝集力増加を示す。

Claims (12)

  1. 舗装用組成物であって、
    i)舗装用組成物の全重量に基づいて0.5から30重量%の瀝青乳剤、しかも該瀝青乳剤は
    a.瀝青乳剤の全重量に基づいて0.1から3重量%の、式(I)又は(II)
    Figure 0004991728
    〔ここで、
    − R1は、6から24個の炭素原子を有する線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
    − R2は、2から6個の炭素原子を有する線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基であり、
    − R3及びR4は、同一又は異なりそして1から4個の炭素原子を含む線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基を表し、
    − R5は、同一又は異なりそして1から6個の炭素原子を有する線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基であり、
    − Y-は、SO3 -又はCOO-基であり、
    − Zは、同一又は異なりそしてSO3 -若しくはCOO-又はOH基である〕
    の生成物から選ばれた両性界面活性剤、
    b.瀝青乳剤の全重量に基づいて30から95重量%の瀝青、及び
    c.瀝青乳剤の全重量が100重量%になる瀝青乳剤中の残余の水で構成されており、
    ii)舗装用組成物の全重量に基づいて70から99.5重量%の骨材、および
    iii)舗装用組成物が100重量%になる舗装用組成物中の残余の(但し、水の下限量は舗装用組成物の全重量に基づいて0.01重量%とする。)
    で構成された組成物。
  2. − R2は、2から6個の炭素原子を有ししかもこれらの炭素原子の少なくとも一つはヒドロキシ基により置換されている線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基である、請求項1に記載の組成物。
  3. − R5は、同一又は異なりそして1から6個の炭素原子を含みしかもこれらの炭素原子の少なくとも一つはヒドロキシ基により置換されている線状又は分枝状の飽和又は不飽和脂肪族基である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. iii)水が、舗装用組成物の全重量に基づいて1から15重量%の間のである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 瀝青乳剤が舗装用組成物の全重量に基づいて2と15重量%の間の量であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 骨材が舗装用組成物の全重量に基づいて85から98重量%の間の量であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 両性界面活性剤が瀝青乳剤中に瀝青乳剤の全重量に基づいて0.5から1.5重量%の間の量であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 瀝青が瀝青乳剤中に瀝青乳剤の全重量に基づいて45と80重量%の間の量であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 式(I)及び(II)において、R1がヤシ油由来の脂肪族基の混合物を表すことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 2が3個の飽和炭素を有する線状基を表すことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 3及び/又はR4及び/又はR5がメチル又はエチル基を表すことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 両性界面活性剤がココアミドプロピルベタイン若しくはココアミドプロピルヒドロキシスルタイン又はココアンホアセテートナトリウム塩であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
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