JP4105154B2 - 泥汚れ用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、泥汚れの付着した衣料等の被洗物の洗浄に用いて好適な泥汚れ用洗浄剤組成物に関する。
通常の洗濯だけでは落ちにくい泥汚れを効果的に洗浄する手段として、通常の洗濯の前に泥汚れを除去されやすい状態とする前処理洗浄剤が知られている。
前処理洗浄剤組成物としては、(1)カチオン性界面活性剤や両性界面活性剤等の界面活性剤を主成分とするもの(特許文献1〜4)、(2)界面活性剤にセルラーゼ等の酵素を添加したもの(特許文献5、6)、(3)ホスホン酸基含有化合物やシュウ酸を主成分とする酸性組成物(特許文献7、8)等が開示されている。
特開昭54−39411号公報 特開2000−109889号公報 特開2000−109893号公報 特開2000−109890号公報 特開昭60−212496号公報 特開昭60−212497号公報 特開平03−26797号公報 特開2003−105390号公報
上記先行技術(1)、(2)のように、単に、通常の衣料洗浄に使用される界面活性剤や酵素を前処理洗浄剤として用いても、泥汚れに対する良好な洗浄力は得られない。
一方、ホスホン酸基含有化合物やシュウ酸を用いた上記先行技術(3)は、先行技術(1)、(2)に比して、泥汚れに対する洗浄力に優れる。しかしながら、本発明者が検討したところ、該技術は比較的無機物含量の多い赤土に対しては有効であるものの、比較的有機物含量の多い黒土等に対する洗浄力は不充分であることが明らかとなった。泥汚れは、赤土、黒土等が混合した無機/有機混合汚れであるから、黒土等が多く、有機物の含量が多い場合には、洗浄力が不充分となる。
その他、前処理洗浄剤としては、公知の還元系漂白剤を使用することが考えられるが、衣料、特に色物衣料の色褪せを招くことがあり、好ましくない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、被洗物に対して色褪せ等の影響を与える恐れがなく、泥汚れの組成に関係なく、良好な洗浄力を呈する泥汚れ用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討し、以下の泥汚れ用洗浄剤組成物を発明した。この組成物は前処理洗浄剤として好適なものであるが、単独で泥汚れ用洗浄剤として用いることもできる。
本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物は、トリポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、シュウ酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種のキレート剤(A)と、下記式(I)で表されるカチオン性界面活性剤(BX)、下記式(II)で表されるアミン(BY)、下記式(III)で表される両性高分子(BZ)、下記高分子(B1)及び高分子(B2)からなる群より選択される少なくとも1種の分散剤(B)とを含有すると共に、イオン交換水で希釈し、キレート剤(A)の濃度を1質量%に調整した液の25℃におけるpHが5未満であることを特徴とする。
Figure 0004105154
Figure 0004105154
(式(I)、(II)中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、長鎖ヒドロキシアルキル基、トリル基、フェニル基、ベンジル基のうちいずれかを示す。Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、長鎖ヒドロキシアルキル基、トリル基、フェニル基、ベンジル基のうちいずれかを示す。EOはエチレンオキサイド基を示す。m及びnはエチレンオキサイド基の平均付加モル数であり、各々独立に0以上の整数を示す。また、m+nは10以上である。Xは、陰イオンを示す。)
Figure 0004105154
(式(III)中、Aは、O又はCHCOOを示す。)
高分子(B1):アニオン性ビニル単量体(p)に由来する構成単位(p’)と、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)と、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)と、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)とを下記組成比で含有する高分子。
p’/q’=20/80〜80/20(モル%)
r’/(p’+q’+r’+s’)×100=0.1〜20(質量%)
s’/(p’+q’+r’+s’)×100=0.1〜50(質量%)
高分子(B2):N−ビニルピロリドン単量体(VP)に由来する構成単位(VP’)と、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)と、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)と、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)とを下記組成比で含有する高分子。
高分子(B2)中のVP’の含有量が20〜60(モル%)
q’/(VP’+q’+r’+s’)×100=0.5〜30(モル%)
r’/(VP’+q’+r’+s’)×100=10〜60(モル%)
s’/(VP’+q’+r’+s’)×100=0.5〜30(モル%)
本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物は、比較的無機物含量の多い赤土、比較的有機物含量の多い黒土、これらの中間的組成の黄土等、いかなる組成の土に対しても、良好な洗浄力を呈する。すなわち、本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物は、泥汚れの組成に関係なく、良好な洗浄力を呈するものである。
また、本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物は、漂白成分を用いないため、衣料等の被洗物に対して色褪せ等の影響を与える恐れもない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物は、特定のキレート剤(A)と特定の分散剤(B)とを含有してなる。
「キレート剤(A)」
キレート剤(A)は、主に泥汚れ中の無機物に対して直接作用する成分である。該成分は、無機物に作用することで、間接的に有機物の除去にも寄与する。
キレート剤(A)は泥汚れ中の無機物に含まれるアルカリ金属を補足し、洗浄剤又はその希釈液中に溶出させることで、被洗物から無機物を除去する、あるいは除去されやすい状態とすると推察される。また、無機物を除去する、あるいは除去されやすい状態とすることで、同時にそれと混合状態にある有機物の除去にも間接的に寄与すると推察される。
本発明では、キレート剤(A)として、トリポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、シュウ酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を用いる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やアルカノールアミン塩等が挙げられる。
本発明者はキレート剤の中でも、かかる化合物が特に泥汚れに対して有効であることを見出している。
本発明の組成物における成分(A)の配合量は、剤形、使用方法等に応じて設定すれば良く特に限定されないが、1〜60質量%が好ましく、1〜50質量%が特に好ましい。
成分(A)の配合量が1質量%未満では、泥汚れ中の無機物をキレ−トする能力が不充分となる恐れがあり、50質量%超では、安定に配合することが困難となる傾向にある。
「分散剤(B)」
本発明では、上記キレート剤(A)に合わせて、特定の分散剤(B)を配合する。
分散剤(B)は、主に泥汚れ中の有機物に対して直接作用する成分である。該成分は、有機物に作用することで、間接的に無機物の除去にも寄与する。
分散剤(B)は泥汚れ中の有機物に吸着し、洗浄時(前処理洗浄剤として用いる場合には、前処理洗浄時あるいは前処理洗浄後の本洗浄時)に、有機物を洗浄剤又はその希釈液中に分散させて除去するように働くと推察される。また、有機物を除去する、あるいは除去されやすい状態とすることで、同時にそれと混合状態にある無機物の除去にも間接的に寄与すると推察される。
本発明では、分散剤(B)として、以下に記載のカチオン性界面活性剤(BX)、アミン(BY)、両性高分子(BZ)、特定の高分子(B1)及び高分子(B2)からなる群より選択される少なくとも1種を用いる。本発明者はこれら分散剤が、特に泥汚れに対して有効であることを見出している。
(カチオン性界面活性剤(BX))
カチオン性界面活性剤(BX)は、下記式(I)で表される化合物である。
Figure 0004105154
式(I)中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜20、好ましくは炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、長鎖ヒドロキシアルキル基、トリル基、フェニル基、ベンジル基のうちいずれかを示す。特に好ましくは、R、Rのうち一方が炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、他方がメチル基又はトリル基の組み合わせである。
EOはエチレンオキサイド基を示す。m及びnはエチレンオキサイド基の平均付加モル数であり、各々独立に0以上の整数を示す。また、m+nは10以上、好ましくは10〜50である。m+nが10未満では、有機物の分散効果が小さく、泥汚れに対する洗浄力が不充分となることがある。
は、陰イオンであり、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲン原子イオンや、一般式R (但し、Rは、炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基等)であり、特に好ましくはメチル基である。)で表されるイオン等が挙げられる
カチオン性界面活性剤(BX)としては、例えば、一方社油脂工業(株)製 商品名「ビスノールUP−10」(R:牛脂由来のアルキル基、R:トリル基、m+n=30、X:Cl)や、ライオン・アクゾ(株)製 商品名「ETHOQUAD C/25」(R:ヤシ由来のアルキル基、R:メチル基、m+n=15、X:Cl)等が市販されている。
(アミン(BY))
アミン(BY)は、下記式(II)で表される化合物である。
Figure 0004105154
式(II)中、Rは、炭素数8〜20、好ましくは炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、長鎖ヒドロキシアルキル基、トリル基、フェニル基、ベンジル基のうちいずれかであり、特に好ましくは、炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。
EOはエチレンオキサイド基を示す。m及びnはエチレンオキサイド基の平均付加モル数であり、各々独立に0以上の整数を示す。また、m+nは10以上、好ましくは10〜50である。m+nが10未満では、有機物の分散効果が小さく、泥汚れに対する洗浄力が不充分となることがある。
アミン(BY)としては、例えば、ライオン・アクゾ(株)製 商品名「ETHOMEEN C/25」(R:ヤシ由来のアルキル基、m+n=15)、ライオン・アクゾ(株)製 商品名「ETHOMEEN SA2Y−103」(R:硬化牛脂由来のアルキル基、m+n=50)、ライオン・アクゾ(株)製 商品名「ETHOMEEN SAJ−103」(R:硬化牛脂由来のアルキル基、m+n=10)等が市販されている。
(両性高分子(BZ))
両性高分子(BZ)は、下記式(III)で表される化合物である。
Figure 0004105154
式(III)中、Aは、O又はCHCOOであり、好ましくはOである。
両性高分子(BZ)としては、例えば、INTERNATIONAL SPECIALITY PRODUCTS INC.製 商品名「ChromaBond S−400」(A:O)等が市販されている。
(特定の高分子(B1)及び高分子(B2))
特定の高分子(B1)及び高分子(B2)は、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体に由来する構成単位を含有する高分子であれば、特に限定されるものではないが、以下に例示するものが好ましく用いられる。
(高分子(B1))
高分子(B1)は、アニオン性ビニル単量体(p)に由来する構成単位(p’)と、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)と、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)と、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)とを含有する化合物である。
なお、「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位のことである。
以下、各ビニル単量体について詳述する。
[アニオン性ビニル単量体(p)]
アニオン性ビニル単量体(p)とは、アニオン性の官能基を有するビニル単量体とその塩を包含する。このような単量体(p)としては、例えば、カルボキシル基を有するビニル単量体又はその塩、スルホン酸基を有するビニル単量体又はその塩等が挙げられる。
なお、以後、塩を形成していないアニオン性官能基を有するビニル単量体を酸型、塩を形成しているものを塩型と称する場合がある。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸の一方又は両方を示す。
塩型の場合、塩はアルカリ金属塩、アンモニウム誘導体などが挙げられる。アルカリ金属塩、アンモニウム誘導体の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等が挙げられる。
塩型を使用する場合は、塩型単独で用いても、酸型と混合して用いてもよい。また、酸型を含む1種又は2種以上のモノマーを重合して得られた重合体のカルボキシル基をアルカリ剤で中和して用いてもよい。
カルボキシル基を有するビニル単量体又はその塩の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸ナトリウム塩、アクリル酸カリウム塩、メタクリル酸ナトリウム塩、メタクリル酸カリウム塩、マレイン酸ナトリウム塩、マレイン酸カリウム塩、フマル酸ナトリウム塩、フマル酸カリウム塩、アクリル酸アンモニウム塩、メタクリル酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、アクリル酸モノエタノールアミン塩、メタクリル酸モノエタノールアミン塩、マレイン酸モノエタノールアミン塩、フマル酸モノエタノールアミン塩等が挙げられる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム塩、メタクリル酸ナトリウム塩、アクリル酸モノエタノールアミン塩、メタクリル酸モノエタノールアミン塩がより好ましい。
スルホン酸基を有するビニル単量体としては、ビニルスチレンスルホン酸もしくは下記の式(IV)、式(V)で示されるものなどが挙げられる。
これらの塩は、アルカリ金属塩、アンモニウム誘導体などが挙げられる。アルカリ金属塩、アンモニウム誘導体の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等が挙げられる。
塩型を使用する場合は、塩型単独で用いても、酸型と混合して用いてもよい。また、酸型を含む1種又は2種以上のモノマーを重合して得られた重合体のスルホン酸基をアルカリ剤で中和して用いてもよい。
Figure 0004105154
(式(IV)中、Rは、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。Wは、スルホン酸基(−SOH)又はスルホン酸塩基を示し、Mは、酸素原子又はNHを示す。Rは、炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、不飽和炭化水素鎖のいずれかを示す。なお、「スルホン酸塩基」とは、スルホン酸基のHが、塩を構成する対イオンで置換された基を示す。)
Figure 0004105154
(式(V)中、Rは、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。Wは、スルホン酸基(−SOH)又はスルホン酸塩基を示し、Rは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖又は脂環式のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖又は分岐鎖又は脂環式のアルケニル基のいずれかを示す。)
式(IV)で示されるスルホン酸基を有するビニル単量体の例としては、アクリルアミドメタンスルホン酸、メタクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、メタクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタンスルホン酸アクリレート、メタンスルホン酸メタクリレート、エタンスルホン酸アクリレート、エタンスルホン酸メタクリレート、プロパンスルホン酸アクリレート、プロパンスルホン酸メタクリレート等が挙げられる。
式(IV)で示されるスルホン酸基を有するビニル単量体の塩の例としては、アクリルアミドメタンスルホン酸ナトリウム塩、メタクリルアミドメタンスルホン酸ナトリウム塩、アクリルアミドエタンスルホン酸ナトリウム塩、メタクリルアミドエタンスルホン酸ナトリウム塩、アクリルアミドプロパンスルホン酸ナトリウム塩、メタクリルアミドプロパンスルホン酸ナトリウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、メタンスルホン酸アクリレートナトリウム塩、メタンスルホン酸メタクリレートナトリウム塩、エタンスルホン酸アクリレートナトリウム塩、エタンスルホン酸メタクリレートナトリウム塩、プロパンスルホン酸アクリレートナトリウム塩、プロパンスルホン酸メタクリレートナトリウム塩、アクリルアミドメタンスルホン酸カリウム塩、メタクリルアミドメタンスルホン酸カリウム塩、アクリルアミドエタンスルホン酸カリウム塩、メタクリルアミドエタンスルホン酸カリウム塩、アクリルアミドプロパンスルホン酸カリウム塩、メタクリルアミドプロパンスルホン酸カリウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸カリウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸カリウム塩、メタンスルホン酸アクリレートカリウム塩、メタンスルホン酸メタクリレートカリウム塩、エタンスルホン酸アクリレートカリウム塩、エタンスルホン酸メタクリレートカリウム塩、プロパンスルホン酸アクリレートカリウム塩、プロパンスルホン酸メタクリレートカリウム塩、アクリルアミドメタンスルホン酸トリエチルアミン塩、メタクリルアミドメタンスルホン酸トリエチルアミン塩、アクリルアミドエタンスルホン酸トリエチルアミン塩、メタクリルアミドエタンスルホン酸トリエチルアミン塩、アクリルアミドプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩、メタクリルアミドプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩、メタンスルホン酸アクリレート、メタンスルホン酸メタクリレートトリエチルアミン塩、エタンスルホン酸アクリレートトリエチルアミン塩、エタンスルホン酸メタクリレートトリエチルアミン塩、プロパンスルホン酸アクリレートトリエチルアミン塩、プロパンスルホン酸メタクリレートトリエチルアミン塩等が挙げられる。
これらの式(IV)で示されるスルホン酸基を有するビニル単量体及びその塩の中では、アクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドメタンスルホン酸ナトリウム塩、アクリルアミドメタンスルホン酸トリエチルアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩、メタクリルアミドメタンスルホン酸、メタクリルアミドメタンスルホン酸ナトリウム塩、メタクリルアミドメタンスルホン酸トリエチルアミン塩、2−メタクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩が好ましい。より好ましくは、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩である。
式(V)で示されるスルホン酸基を有するビニル単量体及びその塩の例としては、モノ−n−ブチル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−ブチル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノ−n−ブチル−モノビニルスルホコハク酸エステルカリウム塩、モノ−n−ブチル−モノビニルスルホコハク酸エステルトリエチルアミン塩、モノ−n−へキシル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−へキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノ−n−へキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルカリウム塩、モノ−n−へキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルトリエチルアミン塩、モノシクロへキシル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノシクロへキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノシクロへキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルトリエチルアミン塩、モノ−2−エチルへキシル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−2−エチルへキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノ−2−エチルへキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルカリウム塩、モノ−2−エチルへキシル−モノビニルスルホコハク酸エステルトリエチルアミン塩、モノ−n−オクチル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−オクチル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノ−n−オクチル−モノビニルスルホコハク酸エステルカリウム塩、モノ−n−オクチル−モノビニルスルホコハク酸エステルトリエチルアミン塩、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステルカリウム塩、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステルトリエチルアミン塩、モノ−n−ステアリル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−ステアリル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノ−n−ステアリル−モノビニルスルホコハク酸エステルカリウム塩、モノ−n−ステアリル−モノビニルスルホコハク酸エステルトリエチルアミン塩等が挙げられる。なかでも、モノ−n−オクチル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−オクチル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩が好ましく、より好ましくは、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステル、モノ−n−ラウリル−モノビニルスルホコハク酸エステルナトリウム塩である。
上記アニオン性ビニル単量体(p)は、1種又は2種以上を適宜組み合わせてもよい。
[第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)]
ビニル単量体(q)は、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するものである。
第3級アミノ基を有するビニル単量体として、好ましくは下記の式(VI)で示されるもの、及び、1−ビニル−4−ジメチルアミノベンゼン、1−ビニル−4−ジエチルアミノベンゼン等が挙げられる。
Figure 0004105154
(式(VI)中、Rは、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。Mは、酸素原子又はNHを示し、Rは、炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素鎖のいずれかを示し、水酸基を含有してもよく又は炭素数3〜6のシクロアルキル基、フェニル基のいずれかを含有してもよい。RとRは、炭素数1〜2のアルキル基を示し、RとRは、互いに同一のアルキル基であってもよく、異なっていてもよい。)
式(VI)で示される単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノブチルアクリルアミド、ジメチルアミノブチルメタクリルアミド、ジエチルアミノエチルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリルアミド等が挙げられる。なかでも、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミドが好ましく、より好ましくはジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリルアミドである。
また、第4級アンモニウム基を有するビニル単量体として、好ましくは下記の式(VII)、式(VIII)で示されるもの、及び、1−ビニル−4−トリメチルアミノベンゼン、1−ビニル−4−トリエチルアミノベンゼン等が挙げられる。
Figure 0004105154
(式(VII)中、Rは、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。Mは、酸素原子又はNHを示し、Rは、炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素鎖のいずれかを示し、水酸基を含有してもよく又は炭素数3〜6のシクロアルキル基、フェニル基のいずれかを含有してもよい。R、R、R10は、炭素数1〜2のアルキル基を示し、R、R、R10は、互いに同一のアルキル基であってもよく、異なっていてもよい。Vは、カウンターアニオンを示す。)
Figure 0004105154
(式(VIII)中、RとR11は、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、RとR11は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。RとRは、炭素数1〜2のアルキル基を示し、RとRは、互いに同一のアルキル基であってもよく、異なっていてもよい。R12及びR13は、炭素数1〜3の直鎖のアルキレン基を示し、R12とR13は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。Vは、カウンターアニオンを示す。)
第4級アンモニウム基を有するビニル単量体のカウンターアニオン(V)としては、ハロゲンイオン、硫酸イオン、有機酸イオンなどが挙げられ、なかでも、塩素イオン、臭素イオン、フッ素イオン、硫酸イオン、クエン酸イオンが好ましい。
次に、式(VII)で示される第4級アンモニウム基を有するビニル単量体(q)(以下、第4級アンモニウムカチオンと称することがある。)の具体例について、カウンターアニオンとして塩素イオン(塩化物)を用いた場合を例示するが、第4級アンモニウムカチオンは塩化物に限定されるものではない。
第4級アンモニウムカチオンの具体例として、塩化1−ビニル−4−トリメチルアミノベンゼン、塩化1−ビニル−4−トリエチルアミノベンゼン、塩化トリメチルアミノエチルアクリレート、塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート、塩化トリメチルアミノプロピルアクリレート、塩化トリメチルアミノプロピルメタクリレート、塩化トリメチルアミノブチルアクリレート、塩化トリメチルアミノブチルメタクリレート、塩化トリエチルアミノエチルアクリレート、塩化トリエチルアミノエチルメタクリレート、塩化トリメチルアミノエチルアクリルアミド、塩化トリメチルアミノエチルメタクリルアミド、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド、塩化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミド、塩化トリメチルアミノブチルアクリルアミド、塩化トリメチルアミノブチルメタクリルアミド、塩化トリエチルアミノエチルアクリルアミド、塩化トリエチルアミノエチルメタクリルアミド等が挙げられる。なかでも、塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート、塩化トリメチルアミノエチルアクリレート、塩化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミド、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド、塩化1−ビニル−4−トリメチルアミノベンゼン、塩化1−ビニル−4−トリエチルアミノベンゼンが好ましく、より好ましくは、塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート、塩化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミド、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド、塩化1−ビニル−4−トリメチルアミノベンゼンである。
式(VIII)は、第4級アンモニウム基を有するビニル単量体が2官能性単量体の場合である。
式(VIII)においても、ビニル単量体(q)のカウンターアニオンは、ハロゲンイオン、硫酸イオン、有機酸イオンなどが挙げられ、なかでも、塩素イオン、臭素イオン、フッ素イオン、硫酸イオン、クエン酸イオンが好ましい。
以下、式(VIII)で示されるものの具体例として、カウンターアニオンが塩素物イオンであるものを例示するが、カウンターアニオンは、これに限定されるものではない。
すなわち、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメエチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、なかでも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムブロマイドが好ましく、より好ましくは、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドである。
上記第4級アンモニウム基又は3級アミノ基を有するビニル単量体(q)は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
[疎水性ビニル単量体(r)]
疎水性ビニル単量体(r)は、疎水性を示す単量体であれば特に限定されるものではないが、下記の式(IX)又は式(X)(シリコンマクロマー)で示されるものなどが好ましく用いられる。
Figure 0004105154
(式(IX)において、Rは、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。Mは、酸素原子又はNHを示し、R14は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基のいずれかを示す。)
式(IX)で示される単量体の具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、プロピルアクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルアクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、t−ブチルメタクリルアミド、ヘキシルアクリルアミド、ヘキシルメタクリルアミド、オクチルアクリルアミド、オクチルメタクリルアミド、ラウリルアクリルアミド、ラウリルメタクリルアミド等が挙げられる。なかでも、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートが好ましく、より好ましくは、ブチルアクリルート、ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリルート、t−ブチルメタクリレート等である。
Figure 0004105154
(式(X)において、Rは、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。R15は、エーテル基を含有してもよい炭素数1〜6、好ましくは1〜4の2価脂肪族基を示す。R16は、炭素数1〜30、好ましくは1〜18の脂肪族基又は炭素数1〜22の含フッ素アルキル基を示す。hは、0、1又は2のいずれかであり、jは、0〜500、好ましくは0〜300の整数を示す。)
上記シリコンマクロマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した質量平均分子量(以下、「Mw」ということがある。)は、重合溶媒との相溶性から100〜4万の範囲、好ましくは200〜2万の範囲にあることが好ましい。
上記疎水性単量体(r)は、1種又は2種以上を適宜に組み合わせて用いてもよい。
[親水性ビニル単量体(s)]
親水性ビニル単量体(s)は、好ましくは式(XI)で示される単量体である。
Figure 0004105154
(式(XI)において、Rは、水素又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。Mは、酸素原子又はNHを示す。R17は、(CHCHO)Dを示し、ここで、nは1〜30の整数を示し、Dは、水素又はメチル基を示す。)
式(XI)で示される単量体の具体例としては、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(オキシエチレン繰り返し単位数:1〜30)、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(オキシエチレン繰り返し単位数:1〜30)等が挙げられ、なかでも、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(オキシエチレン繰り返し単位数:4、9、23)が好ましい。
高分子(B1)におけるアニオン性ビニル単量体(p)に由来する構成単位(p’)、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)の組成比は、高分子の水溶媒への溶解性の点、泥への吸着性の点、泥の分散性の点、汚れの再付着防止の点から、以下のような組成比であることが好ましい。
アニオン性ビニル単量体(p)に由来する構成単位(p’)と第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)との比率について、p’/q’が20/80〜80/20(モル%)であることが好ましく、より好ましくは30/70〜70/30(モル%)であり、さらに好ましくは40/60〜60/40(モル%)である。p’/q’が20/80(モル%)未満であると泥への分散性が低下し、p’/q’が80/20(モル%)を超えると泥への吸着性が低下する。
構成単位p’、q’、r’、s’の合計100質量%に占めるr’の割合(質量%)について、r’/(p’+q’+r’+s’)×100は0.1〜20(質量%)であることが好ましく、より好ましくは0.2〜15(質量%)であり、さらに好ましくは0.3〜10(質量%)である。r’の割合が0.1(質量%)未満であると水への溶解性が制御しにくくなり、r’の割合が20(質量%)を超えると疎水性が高くなり、水への溶解性が悪くなる。
構成単位p’、q’、r’、s’の合計100質量%に占めるs’の割合(質量%)について、s’/(p’+q’+r’+s’)×100は0.1〜50(質量%)であることが好ましく、より好ましくは0.2〜40(質量%)であり、さらに好ましくは0.3〜30(質量%)である。s’の割合が0.1(質量%)未満であると水への溶解性が制御しにくくなり、s’の割合が50(質量%)を超えると親水性が高くなりすぎて、泥への吸着性が低下する。
高分子(B1)は、構成単位p’、q’、r’、s’を含有するランダム型高分子であってもよく、ブロック型高分子であってもよい。
高分子(B1)は、p、q、r、sを含むモノマーを常法により重合して得ることができる。高分子(B1)の原料としては、共重合可能なp、q、r、s以外のものも用いることができ、p、q、r、sのみを用いることがより好ましい。
高分子(B1)のMwは、1000〜1000000であり、好ましくは、10000〜500000である。
(高分子(B2))
高分子(B2)は、N−ビニルピロリドン単量体(VP)に由来する構成単位(VP’)、と、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)と、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)と、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)とを含有する化合物である。
ここで、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)と、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)と、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)については、高分子(B1)と同様のものを用いることができる。
高分子(B2)におけるN−ビニルピロリドン単量体(VP)に由来する構成単位(VP’)、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)の組成比は、高分子の水溶媒への溶解性の点、泥への吸着性の点、泥の分散性の点、汚れの再付着防止の点から、以下のような組成比であることが好ましい。
高分子(B2)中のVP’の割合(モル%)について、20〜60(モル%)であることが好ましく、より好ましくは25〜55(モル%)、さらに好ましくは30〜50(モル%)である。VP’の割合が20(モル%)未満であると泥への吸着性が低下し、VP’の割合が60(モル%)を超えると泥への分散性が低下する。
構成単位VP’、q’、r’、s’の合計100モル%に占めるq’の割合(モル%)について、q’/(VP’+q’+r’+s’)×100は0.5〜30(モル%)であることが好ましく、より好ましくは1〜25(モル%)であり、さらに好ましくは2〜20(モル%)である。q’の割合が0.5(モル%)未満であると泥への吸着性が低下し、q’の割合が30(モル%)を超えると泥への分散性が低下する。
構成単位VP’、q’、r’、s’の合計100モル%に占めるr’の割合(モル%)について、r’/(VP’+q’+r’+s’)×100は10〜60(モル%)であることが好ましく、より好ましくは15〜55(モル%)であり、さらに好ましくは20〜50(モル%)である。r’の割合が10(モル%)未満であると水への溶解性が制御しにくくなり、r’の割合が60(モル%)を超えると疎水性が高くなり、水への溶解性が悪くなる。
構成単位VP’、q’、r’、s’の合計100モル%に占めるs’の割合(モル%)について、s’/(VP’+q’+r’+s’)×100は0.5〜30(モル%)であることが好ましく、より好ましくは1〜25(モル%)であり、さらに好ましくは2〜20(モル%)である。s’の割合が0.5(モル%)未満であると水への溶解性が制御しにくくなり、s’の割合が30(モル%)を超えると親水性が高くなりすぎて、泥への吸着性が低下する。
高分子(B2)は、構成単位VP’、q’、r’、s’を含有するランダム型高分子であってもよく、ブロック型高分子であってもよい。
高分子(B2)は、VP、q、r、sを含むモノマーを常法により重合して得ることができる。高分子(B2)の原料としては、共重合可能なVP、q、r、s以外のものも用いることができ、VP、q、r、sのみを用いることがより好ましい。
高分子(B2)のMwは、1000〜1000000であり、好ましくは、10000〜500000である。
高分子(B1)、高分子(B2)の重合方法としては、溶液重合、バルク重合、沈澱重合法等の公知の重合法が用いられる。重合温度は、用いる溶媒により異なるが、一般には30℃〜110℃が好ましく、より好ましくは50℃〜100℃である。重合時間は、1時間〜24時間が好ましく、より好ましくは2時間〜10時間である。
高分子(B1)、高分子(B2)の重合開始剤としては、従来公知の各種のものを使用することができ、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、例えば、過酸化ベンゾエル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’―ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドオクロライド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等が挙げられ、なかでも過硫酸ナトリウム、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)が好ましい。
本発明の組成物における成分(B)の配合量は、剤形、使用方法等に応じて設定すれば良く特に限定されないが、0.5〜60質量%が好ましく、0.5〜40質量%が特に好ましい。
成分Bの配合量が0.5質量%未満では、有機物の分散効果が不充分となる恐れがあり、60質量%超では、安定に配合することが困難となる傾向にある。
本発明の組成物は、固状、液状、ペースト状等、いかなる剤形を呈するものであっても良い。
但し、イオン交換水で希釈し、キレート剤(A)の濃度を1質量%に調整した液の25℃におけるpHを5未満、好ましくは1以上5未満、特に好ましくは1以上4以下とする。このように調整することで、泥汚れに対して良好な洗浄力が安定的に得られる。
上記pHが5以上では、キレート剤(A)によるアルカリ金属捕捉機能が低下し、泥汚れに対する洗浄力が不充分となる場合がある。pHが低い程、キレート剤(A)の機能が向上するが、上記pHが1未満では、被洗物への色褪せ等の影響が大きくなると共に、ステンレス製等の容器に充填すると、容器の腐食を招くため、用いる容器の材質も制限され、実使用に向かない。
上記pHに調整するには、必要に応じてpH調整剤を配合すれば良い。pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸等の酸性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカリ性化合物等が挙げられる。
本発明の組成物は上記成分(A)及び(B)を必須成分とし、必要に応じてpH調整剤を含むものであるが、本発明の効果を逸脱しない範囲内において、必要に応じて他の成分
を配合することは差し支えない。
例えば、本発明の組成物の被洗物への浸透性を向上させるために、各種界面活性剤(アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、上記で挙げた以外のカチオン性界面活性剤)を1種又は2種以上配合することができる。
アニオン性界面活性剤としては特に限定されないが、・炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩・炭素数10〜20の疎水基を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩・炭素数10〜20の疎水基を有するα−オレフィンスルホン酸塩・炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸エステル塩・炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド等の1種のアルキレンオキサイドを平均0.5〜8モル、又はEOとPOとを合わせて平均0.5〜8モル、0.1/9.9〜9.9/0.1のモル比で付加したアルキル硫酸塩・炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均2〜20モルのエチレンオキサイドを付加したエーテルカルボン酸塩・炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有するスルホコハク酸エステル型アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
上記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカノールアミン塩等が具体的に挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては特に限定されないが、・炭素数10〜18のアルキル基を有し、EO平均付加モル数2〜30のポリエチレンオキサイドアルキル又はアルケニルエーテル、ポリエチレンオキサイドポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリエチレンオキサイドアルキルフェニルエーテル、ポリエチレンオキサイドアルキルアルキルアミン・炭素数10〜20のアルキル基を有し、EO平均付加モル数1〜30のメトキシポリエチレンオキサイドアルカノエート・炭素数10〜20の高級脂肪酸アルカノールアミド・炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルポリグルコシド・炭素数10〜14のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル・アルキルアミンオキシド、アルキルアミドアミンオキシド、アルキルヒドロキシアミンオキシド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては特に限定されないが、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、アルキルスルホベタイン、ヒドロキシアルキルスルホベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン等が挙げられる。
上記で挙げた以外のカチオン性界面活性剤としては特に限定されないが、各種アルキルアミン塩酸塩や、各種4級アンモニウム塩等が挙げられる。
また、アルカリ金属の交換速度が高まることから、上記成分(A)と1種又は2種以上の他のキレート剤とを併用しても良い。
他のキレート剤としては特に限定されないが、・エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボン酸類又はそのアルカリ金属塩等の塩類・無機リン化合物・2−ホスホノ−1,2,4−トリカルボン酸等のホスホン酸類、又はそのアルカリ金属塩等の塩類・フィチン酸等の有機リン酸化合物等が挙げられる。
その他、必要に応じて、水、エタノールやカルビトール等の溶媒や増粘剤、固形化剤(これらは剤形等に応じて配合される)、安定性向上のための各種添加剤、色素、香料、酵素等が挙げられる。
「使用方法」
以下、本発明の洗浄剤組成物の使用方法について説明する。
本発明の組成物は、本洗浄前に、泥汚れを除去又は除去されやすい状態にする前処理洗浄に好適に用いられる。
前処理洗浄は、本発明の組成物を泥汚れの付着した衣料等の被洗物に接触させることで実施できる。
接触方法は特に限定されないが、組成物原剤又はその水希釈液中に、被洗物を浸漬する、組成物原剤又はその水希釈液を被洗物に塗布する等が挙げられる。浸漬を採用し、水希釈液を用いる場合、あらかじめ希釈液を調製してから、これに被洗物を投入しても良いし、被洗物に組成物原剤を付着させてこれを水中に浸漬させても良いし、被洗物を水中に投入してから組成物原剤を投入しても良い。
泥汚れが広範囲に渡って付着している場合は、前者の浸漬が好適であり、泥汚れが部分的に付着している場合は、後者の塗布が好適である。
処理に用いる組成物原剤又はその水希釈液の濃度は特に限定されないが、浸漬では成分(A)と成分(B)の合計濃度を0.01〜10質量%、特に0.1〜10質量%とすることが好ましく、塗布では成分(A)と成分(B)の合計濃度を0.01〜60質量%、特に1〜50質量%とすることが好ましい。泥汚れのレベルにもよるが、合計濃度が上記下限未満では、前処理洗浄効果が充分に発現しない恐れがあり、上記上限を超えても洗浄効果はそれ程大きくは向上せず不経済である。
処理時間は特に限定されず、被洗物に組成物を接触させた後直ちに本洗浄を実施しても構わないが、処理時間が長い程、前処理洗浄効果は高まる。塗布の場合、処理時間は5分以上、特に1時間以上が好ましい。
処理温度は特に限定されないが、高い方が前処理洗浄効果は高まる。例えば、温湯を用いて希釈液を調製するなどして、前処理洗浄を行うことが好ましい。
以上のように前処理洗浄を行った後、必要に応じて水洗及び/又は脱水した後、本洗浄を実施する。本洗浄では、公知の洗浄剤(洗浄力の点からは好ましくは洗浄液が弱アルカリ性又はアルカリ性となる洗浄剤)を用いて洗浄する。被洗物が衣料等の場合、本洗浄を別途実施することで、泥汚れ以外の通常の汚れについても良好に除去することができ、好適である。
本発明の組成物は上述したように前処理洗浄剤として好適に利用できるが、単独で泥汚れ用洗浄剤として用いることもできる。この場合、前処理洗浄剤として利用する場合と同様に、本発明の組成物を用いて被洗物を洗浄処理した後、水洗、さらに必要に応じて脱水するだけで、処理は完了する。但し、別途本洗浄を実施することで、より高い洗浄力が得られることは言うまでもない。
本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物によれば、特定のキレート剤(A)と、特定の分散剤(B)とを配合する構成を採用したので、成分(A)が主に泥汚れ中の無機物に対して直接作用し、成分(B)が主に泥汚れ中の有機物に対して直接作用することで、無機/有機混合汚れである泥汚れを効果的に除去する、又は除去されやすい状態とすることができる。
すなわち、本発明の組成物は、比較的無機物含量の多い赤土、比較的有機物含量の多い黒土、これらの中間的組成の黄土等、いかなる組成の土に対しても有効に作用する。泥汚れには、通常、種々の土が含まれているから、泥汚れの組成に関係なく良好な洗浄力を呈する本発明の組成物は、比較的有機物含量の多い黒土等に対する洗浄力が不充分であった従来技術に比して、泥汚れに対する洗浄力が格段に優れる。
また、本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物は、漂白成分を用いないため、衣料等の被洗物に対して色褪せ等の影響を与える恐れもない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1〜22、比較例1〜6)
実施例1〜22、比較例1〜5において、表1〜3に示す組成の泥汚れ用洗浄剤組成物を調製した。配合量の単位は質量%であり、総量が100質量%となるように、水量を調整した。また、イオン交換水で希釈し、キレート剤(A)の濃度を1質量%に調整した液の25℃におけるpHが同表に示すものとなるように、pH調整剤(水酸化ナトリウム、ジエタノールアミン、又は硫酸)にて調製した。pHメーターとしてはTOA製の商品名HM−30Vを用いた。
比較例6では、泥汚れ用洗浄剤組成物の調製は行わず、本洗浄のみを実施した。
用いた各成分を以下に示す。
<キレート剤(A)>(a1):トリポリリン酸ナトリウム(日産化学(株)製 商品名「トリポリリン酸ソーダ」)(a2):シュウ酸(三菱ガス化学(株)製)(a3):1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(ALBRITE&WILSON製 商品名「BRIQUEST ADPA−A」)(a4):ピロリン酸ナトリウム(日本化学(株)製 商品名「ピロリン酸ソーダ」)(a5):メタリン酸ナトリウム(関東化学(株)製 「メタリン酸ナトリウム」)
<分散剤(B)>(bx):一方社油脂工業(株)製 商品名「ビスノールUP−10」(上記式(I)で表される化合物、但し、R:牛脂由来のアルキル基、R:トリル基、m+n=30、X:Cl)(by):ライオン・アクゾ(株)製 商品名「ETHOMEEN SA2Y−103」(上記式(II)で表される化合物、但し、R:硬化牛脂由来のアルキル基、m+n=50)(bz):INTERNATIONAL SPECIALITY PRODUCTS INC.製 商品名「ChromaBond S−400」(上記式(III)で表される化合物、但し、A:O
高分子化合物(b1−1)、(b1−2)、(b2−1)、(b2−2)については、以下に示すそれぞれの合成方法にて得た。
高分子化合物(b1−1):
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラコに、イオン交換水120gを仕込み、窒素を吹き込みながら80℃で30分間撹拌した。
ここに、予め200ml用ビーカーに、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)23.8g、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド(AAPTAC)19.01g、塩化1−ビニル−4−トリメチルアミノベンゼン(p−TMAMVB)4.86g、t−ブチルメタクリレート(t−BMA)0.3g、メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数23)メタクリレート(M230G)12.0g、水酸化ナトリウム4.6g、過硫酸ナトリウム0.58g、イオン交換水120gを仕込み、この溶液を激しく攪拌しながら2時間かけてセパラブルフラスコに滴下した。
滴下中、セパラブルフラスコ内を撹拌しながら、温度を80℃に保った。滴下後、85℃に昇温し、4時間反応を行った。その後、生成物を反応器から取り出し、ヘキサンで再沈澱させることにより、高分子化合物(b1−1)の固体を57g得た。
得られた高分子の質量平均分子量は18万であった。なお、高分子の質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法を用いて測定した。すなわち、東ソー(株)社製 TSKgel α5000、α3000とα2500の3本のカラムを使用し、0.3mol/Lトリエチルアミンをリン酸にてpHを2.9に調整した溶液を溶出液とし、流速0.05mL/min.、カラム温度40℃に設定して運転した。標準サンプルとしてShodex社製 プルランを用いて検量を行った。
得られた高分子化合物(b1−1)の組成は、次の通りであった。
〔単量体〕
(pに相当):2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)
(qに相当):塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド(AAPTAC)、塩化1−ビニル−4−トリメチルアミノベンゼン(p−TMAMVB)
(rに相当):t−ブチルメタクリレート(t−BMA)
(sに相当):メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数23)メタクリレート(M230G)
〔組成比〕
p’/q’=50/50(モル%)であった。
構成単位p’、q’、r’、s’の合計100質量%に占めるr’の割合は0.5(質量%)、s’の割合は20(質量%)であった。
高分子化合物(b1−2):
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラコに、イオン交換水120gを仕込み、窒素を吹き込みながら80℃で30分撹拌した。
ここに、予め200ml用ビーカーに、メタクリル酸13.2g、塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート(DMC)31.8g、t−ブチルメタクリレート(t−BMA)3.0g、メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数23)メタクリレート(M230G)12.0g、水酸化ナトリウム5.21g、過硫酸ナトリウム0.81g、イオン交換水120gを仕込み、この溶液を激しく攪拌しながら2時間かけてセパラブルフラスコに滴下した。
滴下中、セパラブルフラスコ内を撹拌しながら、温度を80℃に保った。滴下後、85℃に昇温し、4時間反応を行った。その後、生成物を反応器から取り出し、ヘキサンで再沈澱させることにより、高分子化合物(b1−2)の固体を58g得た。
得られた高分子の質量平均分子量は、前記GPC法により、15万であった。
得られた高分子化合物(b1−2)の組成は、次の通りであった。
〔単量体〕
(pに相当):メタクリル酸
(qに相当):塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート(DMC)
(rに相当):t−ブチルメタクリレート(t−BMA)
(sに相当):メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数23)メタクリレート(M230G)
〔組成比〕
p’/q’=50/50(モル%)であった。
構成単位p’、q’、r’、s’の合計100質量%に占めるr’の割合は5(質量%)、s’の割合は20(質量%)であった。
高分子化合物(b2−1):
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラコに、エタノール88gを仕込み、窒素を吹き込みながら80℃で30分撹拌した。
ここに、予め200ml用ビーカーにビニルピロリドン(VP)15.0g、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEMA)7g、メチルメタクリレート(MMA)7g、t−ブチルメタクリレート(t−BMA)8.5g、メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数9)メタクリレート(M90G)12.5g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.93g、エタノール58gを仕込み、この溶液を激しく攪拌しながら2時間かけてセパラブルフラスコに滴下した。 滴下中、セパラブルフラスコ内を撹拌しながら、温度を80℃に保った。滴下後、4時間反応を行い、高分子化合物(b2−1)として48g得た。
得られた高分子の質量平均分子量は、前記GPC法により、9万であった。
得られた高分子化合物(b2−1)の組成は、次の通りであった。
〔単量体〕
(VPに相当):ビニルピロリドン(VP)
(qに相当):ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEMA)
(rに相当):メチルメタクリレート(MMA)、t−ブチルメタクリレート(t−BMA)
(sに相当):メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数9)メタクリレート(M90G)
〔組成比〕
高分子(b2−1)中のVP’の含有量は30(モル%)であった。
構成単位VP’、q’、r’、s’の合計100質量%に占めるq’の割合は15.5
(モル%)、r’ の割合は45.2(モル%)、s’の割合は9.3(モル%)であった。
高分子化合物(b2−2):
冷却還流管、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラコに、エタノール88gを仕込み、窒素を吹き込みながら80℃で30分撹拌した。
ここに、予め200ml用ビーカーにビニルピロリドン(VP)15.5g、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEMA)6.5g、メチルメタクリレート(MMA)14g、メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数9)メタクリレート(M90G)14g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.95g、エタノール58gを仕込み、この溶液を激しく攪拌しながら2時間かけてセパラブルフラスコに滴下した。滴下中、セパラブルフラスコ内を撹拌しながら、温度を80℃に保った。 滴下後、4時間反応を行い、高分子化合物(b2−2)として48g得た。
得られた高分子の質量平均分子量は、前記GPC法により、8万であった。
得られた高分子化合物(b2−2)の組成は、次の通りであった。
〔単量体〕
(VPに相当):ビニルピロリドン(VP)
(qに相当):ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEMA)
(rに相当):メチルメタクリレート(MMA)
(sに相当):メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン繰り返し単位数9)メタクリレート(M90G)
〔組成比〕
高分子(b2−1)中のVP’の含有量は29.5(モル%)であった。
構成単位VP’、q’、r’、s’の合計100質量%に占めるq’の割合は13.8
(モル%)、r’ の割合は46.7(モル%)、s’の割合は10(モル%)であった。
<モデル泥汚れ布の調製>
園芸用黒土(kyotochiya製)15gを秤量し、水道水500g中に投入し、ホモジナイザー(KINEMATICA(スイス)社製、商品名ポリトロン Type PT 10/35)にて、80rpmで、約5分間分散させた。得られた泥分散液中に、10cm×25cmに裁断した綿メリヤスニット布((株)谷頭商店製 染色試材、綿ニット未シル晒)15枚を浸漬させ、布を手で良く揉み、布全体に均一に泥分散液を含ませた。布を取り出し、ローラーで軽く絞った。1時間自然乾燥させた後、105℃の恒温槽にてさらに1時間乾燥させた。
最後に布表面をウレタンスポンジで擦り、余分な泥粒子を落としたものをモデル泥汚れ布として、評価に供した。
<前処理洗浄>
各例において、上記で調製した各モデル泥汚れ布を5枚(各4×4cm)に分断し、これを評価布として、以下のいずれかの前処理洗浄を実施した(但し、比較例6は除く)。
(浸漬1):25℃恒温室内において、泥汚れ用洗浄剤組成物4gを水道水96gに溶解させた液約100mL中に、評価布5枚を12時間浸漬させた。
(浸漬2):25℃恒温室内において、泥汚れ用洗浄剤組成物2gを水道水96gに溶解させた液約100mL中に、評価布5枚を12時間浸漬させた。
(塗布):評価布5枚に対し、各々泥汚れ用洗浄剤組成物を1.4gずつ塗布し、25℃恒温室内に1時間静置した。
前処理洗浄後、各評価布を二槽式洗濯機(三菱電気製 商品名CW−C30A1−H1)にて10秒間脱水した。
<本洗浄>
本洗浄は、二槽式洗濯機(三菱電気製 商品名CW−C30A1−H1)にて実施した。各例において、25℃水道水(硬度3°DH)30Lを洗濯槽内に投入し、次いで衣料用洗浄剤(ライオン(株)製 商品名トップ)15gを投入し、30秒間攪拌した。その後、評価布5枚、及び丸首半袖Tシャツ7枚(富士紡績(株)製、BVD.、LLサイズ)を投入し、標準水流で10分間洗浄した後、1分間脱水した。さらに、ためすすぎ3分間、脱水1分間を2セット繰り返した後、自然乾燥させた。
<洗浄力の評価>
評価布の反射率を、未汚染布、汚染布(前処理洗浄前)、洗浄布(本洗浄後)について、各々日本電色(株)製の色差計(SE2000)にて測定し、洗浄率(%)を下記式に基づいて算出した。なお、反射率としては、Z値を採用した。
洗浄率(%)=(洗浄布の反射率−汚染布の反射率)/(未汚染布の反射率−汚染布の反射率)×100
評価布5枚の洗浄率の平均値を求め、下記基準にて評価した。
◎:洗浄率が65%以上
○:洗浄率が50%以上〜65%未満
△:洗浄率が30%以上〜50%未満
×:洗浄率が30%未満
(結果)
結果を表1〜3に合わせて示す。
キレート剤(A)と分散剤(B)とを配合し、キレート剤(A)の濃度を1質量%に調整した液の25℃におけるpHを1以上5未満とした実施例1〜22ではいずれも、前処理洗浄方法によらず、優れた洗浄力が得られた。
これに対して、成分(A)を配合しなかった比較例1、成分(B)を配合しなかった比較例2、4、両成分を配合したが、キレート剤(A)の濃度を1質量%に調整した液の25℃におけるpHを5以上とした比較例3、5、泥汚れ用洗浄剤組成物を用いなかった比較例6では、実施例に比して、洗浄力が劣る結果となった。
なお、実施例では、黒土に対してのみ評価を行っているが、黒土は赤土よりも洗浄除去が難しいため、黒土に対して良好な洗浄力を呈するということは、必然的に赤土に対しても良好な洗浄力を呈することを意味する。
Figure 0004105154
Figure 0004105154
Figure 0004105154
本発明の泥汚れ用洗浄剤組成物は、泥汚れの付着した衣料等の被洗物を洗浄する際の前処理洗浄等に好適に使用できる。

Claims (1)

  1. トリポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、シュウ酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種のキレート剤(A)と、下記式(I)で表されるカチオン性界面活性剤(BX)、下記式(II)で表されるアミン(BY)、下記式(III)で表される両性高分子(BZ)、下記高分子(B1)及び高分子(B2)からなる群より選択される少なくとも1種の分散剤(B)とを含有すると共に、イオン交換水で希釈し、キレート剤(A)の濃度を1質量%に調整した液の25℃におけるpHが5未満であることを特徴とする泥汚れ用洗浄剤組成物。
    Figure 0004105154
    Figure 0004105154
    (式(I)、(II)中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、長鎖ヒドロキシアルキル基、トリル基、フェニル基、ベンジル基のうちいずれかを示す。Rは、炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、長鎖ヒドロキシアルキル基、トリル基、フェニル基、ベンジル基のうちいずれかを示す。EOはエチレンオキサイド基を示す。m及びnはエチレンオキサイド基の平均付加モル数であり、各々独立に0以上の整数を示す。また、m+nは10以上である。Xは、陰イオンを示す。)
    Figure 0004105154
    (式(III)中、Aは、O又はCHCOOを示す。)
    高分子(B1):アニオン性ビニル単量体(p)に由来する構成単位(p’)と、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)と、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)と、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)とを下記組成比で含有する高分子。
    p’/q’=20/80〜80/20(モル%)
    r’/(p’+q’+r’+s’)×100=0.1〜20(質量%)
    s’/(p’+q’+r’+s’)×100=0.1〜50(質量%)
    高分子(B2):N−ビニルピロリドン単量体(VP)に由来する構成単位(VP’)と、第4級アンモニウム基又は第3級アミノ基を有するビニル単量体(q)に由来する構成単位(q’)と、疎水性ビニル単量体(r)に由来する構成単位(r’)と、親水性ビニル単量体(s)に由来する構成単位(s’)とを下記組成比で含有する高分子。
    高分子(B2)中のVP’の含有量が20〜60(モル%)
    q’/(VP’+q’+r’+s’)×100=0.5〜30(モル%)
    r’/(VP’+q’+r’+s’)×100=10〜60(モル%)
    s’/(VP’+q’+r’+s’)×100=0.5〜30(モル%)
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