発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1と図2に示すように、本発明の実施形態例に係る遊技機(パチンコ機)は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた機器本体2と、機器本体2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられた前面扉3等を備えており、前面扉3にはガラスやプラスチック等からなる透明板4が取り付けられている。
機枠1の左下隅部には大型のスピーカ5が配設されており、このスピーカ5は前面扉3の切り欠き内に位置して前方に露出している。機器本体2の上部内側には後述する遊技盤6が収納されており、この遊技盤6の盤面(前面)は透明板4を透して外部から目視可能となっている。また、機器本体2の右側枠部にはシリンダ錠7aを有する施錠装置7が設置されており、図示省略されているが、この施錠装置7は機器本体2の裏面に配置された後部施錠杆と機器本体2の前面に配置された前部施錠杆とを備えている。常態では、施錠装置7の後部施錠杆によって機枠1に対して機器本体2が施錠されると共に、前部施錠杆によって機器本体2に対して前面扉3が施錠されている。そして、シリンダ錠7aの鍵穴に図示せぬ鍵を差し込み、この鍵を一方向(例えば時計回り)へ回動すると、後部施錠杆が下動して機器本体2が開錠されるようになっている。また、シリンダ錠7aの鍵穴に差し込んだ鍵を他方向(反時計回り)へ回動すると、前部施錠杆が上動して前面扉3が開錠されるようになっている。
前面扉3には遊技盤6の盤面に対向する大きな開口3aが開設されており、この開口3aは透明板4によって塞がれている。前面扉3の前面上部には比較的小型のスピーカ8が左右に1個ずつ配設されており、これらスピーカ8と前述した大型のスピーカ5とによって遊技に関する様々な効果音を発するようになっている。さらに、前面扉3の前面下部には、遊技盤6の裏面に配設された賞球払出装置(後述する)から払い出された遊技球を収容する上段受皿9と、上段受皿9から排出された遊技球を収容する下段受皿10と、遊技者による押下操作が可能なプッシュ釦11等が設けられており、上段受皿9の右側方には操作ハンドル12が配設されている。
機枠1の左側枠部には上側軸受け体13と下側軸受け体14が固着されており、これら両軸受け体13,14に本体枠2の左側枠部の上下両端に設けた第1ピン(図示省略)を軸支することによって、本体枠2を機枠1に対して開閉自在に支持する第1ヒンジ機構が構成されている。一方、前面扉3の左側枠部の上下両端には第2ピン(図示省略)が設けられており、これら両第2ピンを本体枠2の左側枠部に突設した上下の支持板2aに軸支することによって、前面扉3を本体枠2に対して開閉自在に支持する第2ヒンジ機構が構成されている。また、本体枠2の上部内側は遊技盤6の収納スペースとなっており、この収納スペースの下方は前面扉3によって覆い隠される設置部2bとなっている。設置部2b内の下部中央には遊技球を遊技領域9に向けて発射する発射装置15が配設されており、前述した操作ハンドル12の回動操作量に応じて発射装置15の発射強度が調整されるようになっている。
図3に示すように、遊技盤6の裏面側には、遊技に関する主要な処理を行う主制御処理部16と、主制御処理部16からの指令を受けて前述したスピーカ5,8や後述する可変表示装置や役物装置ユニット等の各種装置を制御する副制御処理部17と、前述した賞球払出装置18と、主制御処理部16からの指令を受けて賞球払出装置18を制御する払出制御処理部19と、操作ハンドル12の回動操作量に応じて前記発射装置15の作動を制御する発射制御処理部20と、賞球数や大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する外部端子基板21等が設けられている。主制御処理部16は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等が実装された制御基板(メイン基板)とを備えており、このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
図4に示すように、遊技盤6の前面はガイドレール22等によって略円形状に区画された遊技領域23となっており、遊技者が操作ハンドル12を任意角度まで回動操作すると、前記発射装置15が上段受皿9に保留された遊技球を遊技領域23に向けて連続的に打ち出すようになっている。遊技領域23の上部中央付近にはセンター役物24が配置されており、このセンター役物24は、中央部に矩形状の開口部25aを有する装飾枠25と、装飾枠25の上壁部に配設された後述する可動役物ユニット26と、装飾枠25の裏面側に配置された可変表示装置27とを具備している。可変表示装置27は液晶パネル(LCD)からなり、その表示画面27aは装飾枠25の開口部25aから露出している。
装飾枠25の下壁部には左右方向へV字形状に延びるステージ28が設けられており、このステージ28の中央部には前方側へ傾斜する誘導溝28aが形成されている。また、装飾枠25の左側壁には中空構造のワープ通路29が形成されており、このワープ通路29の両端は遊技領域23とステージ28に向けてそれぞれ開口している。したがって、センター役物24の左側の遊技領域23を流下する遊技球がワープ通路29に入球すると、その遊技球はワープ通路29の内部を通ってステージ28に排出された後、ステージ28上を転動して誘導溝28aへと導かれる。
ステージ28の誘導溝28aの真下位置には上面を開口した単純構造の第1始動入賞口30が配設されており、ステージ28上を転動して誘導溝28aから落下した遊技球が高い確率で第1始動入賞口30に入賞するようになっている。第1始動入賞口30の真下には第2始動入賞口31が配設されており、この第2始動入賞口31は一対の可動片を有する電動チューリップ構造の始動入賞口となっている。そして、これら第1および第2始動入賞口30,31のいずれか一方に遊技球が入賞すると、それを契機として特別図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選結果に基づいて可変表示装置27の表示画面27a上で演出用図柄の変動表示および停止表示が行われる。また、装飾枠25の右下隅部にスルーチャッカー32が配設されており、センター役物24の右側に打ち出された遊技球がこのスルーチャッカー32を通過すると、それを契機として普通図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に第2始動入賞口31の両可動片を一時的に開放して遊技球の入賞を許可するようになっている。
さらに、ステージ28の右斜め下方位置にはアタッカ装置33が配設されており、このアタッカ装置33は内部の大入賞口を開閉可能な横長形状の開閉扉を有している。アタッカ装置33は、第1および第2始動入賞口30,31のいずれか一方に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、当たりとなって大当たり遊技状態(特別遊技モード)へ移行した場合に作動される装置である。具体的には、特別図柄の抽選結果が当たりの場合、アタッカ装置33の開閉扉が複数回繰り返して開放動作することにより、大入賞口を露呈させて遊技球の入賞を許可するようになっている。開閉扉は1回の開放動作(1ラウンド)について例えば30秒経過するまで、あるいは遊技球が大入賞口に例えば10個入るまで開放状態を維持し、かかる開放動作を例えば15回繰り返した後に大当たり遊技が終了する。
その他、遊技領域23には、遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口34や、遊技球の流下経路を担う風車35と複数本の遊技釘36等が配設されており、いずれの始動入賞口30,31や一般入賞口34にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域23の最下端部に設けられたアウト口37から遊技盤6の裏面側に排出されるようになっている。
可動役物ユニット26は前述した特別図柄に係る電子抽選の結果を一対の可動体の可動態様によって遊技者に示唆することができる装置であり、図5〜図8に示すように、本実施形態例に係る可動役物ユニット26は、可変表示装置27の上方位置で遊技盤6に固定されたベース部材38と、ベース部材38に往復動可能に支持された第1可動体39および第2可動体40と、これら第1および第2可動体39,40を駆動する駆動機構41等によって主に構成されている。
ベース部材38は合成樹脂製の前部ベース42と後部ベース43とで構成されており、これら前部ベース42と後部ベース43はネジ止めにより積層・一体化されている。前部ベース42の前面側には装飾板44が固定されており、この装飾板44の裏面側には複数のLEDを実装した回路基板45が取り付けられている。これらLEDには後述する中継基板46を介して電力が供給され、各LEDから発せられる光によって装飾板44の前面に施された意匠面が照光可能となっている。
後部ベース43には裏面側を開口した凹部43aが形成されており、この凹部43a内に中継基板46がネジ止め固定されている。中継基板46には複数のコネクタが実装されており、そのうちの1つはワイヤーハーネス用コネクタ47であり、残り3つはフラットケーブル用コネクタ48である。ワイヤーハーネス用コネクタ47には図示せぬワイヤーハーネスが接続されており、このワイヤーハーネスを介して前述した回路基板45上のLEDに電力が供給されるようになっている。
一方、3つのフラットケーブル用コネクタ48はいずれも回転ロックタイプと呼ばれるコネクタであり、図7と図8では図示省略されているが、これらコネクタ48にそれぞれ帯状のフラットケーブル49が接続されている。図10に示すように、回転ロックタイプのコネクタ48は、複数の接続端子48aを有するハウジング48bと、ハウジング48bに回転可能に支持されたロックレバー48cとで構成されており、ハウジング48bから露出する接続端子48aが中継基板46上の図示せぬランドに半田付けされるようになっている。フラットケーブル49を対応するコネクタ48に接続する場合は、開放状態のロックレバー48cとハウジング48bとの間にフラットケーブル49を挿入した後、ロックレバー48cを閉鎖方向へ回転してハウジング48bに係止すれば良く、この状態でフラットケーブル49の導体がハウジング48b上に露出する接続端子48aのコンタクト部に圧接される。
後部ベース43には合成樹脂製の基板カバー50がネジ止め固定されており、この基板カバー50によって凹部43aの開口端が塞がれている。基板カバー50には中継基板46上の各コネクタ48に向かって個別に突出する3本のピン状規制突起50aが一体形成されており、これら規制突起50aによって各コネクタ48のロックレバー48cが開放方向へ回転しないように規制されている。その際、図9に示すように、規制突起50aとコネクタ48のロックレバー48cとの間に0.5mm程度のギャップGを確保することにより、規制突起50aによってロックレバー48cの回転を防止しつつ、ロックレバー48cが規制突起50aに強く当たって損傷しないように配慮されている。なお、規制突起50aはロックレバー48cの上面であればどの部位に対向していても良いが、本実施形態例の場合は、規制突起50aをロックレバー48cの幅方向端部に対向させている。また、各コネクタ48に接続された3枚のフラットケーブル49は後部ベース43の外部に導出されており、そのうち最も大型のコネクタ48に接続されたフラットケーブル49は、遊技盤6の裏面側に配設された副制御処理部17に接続されている。残り2つのコネクタ48に接続されたフラットケーブル49は、後部ベース43の外部でU字状に引き回された後、第1可動体39と第2可動体40内に収納された後述する回路基板にそれぞれ接続されている。
駆動機構41はモータ51とピニオン52と第1乃至第3のラック53,54,55等によって主に構成されており、図16〜図18に示すように、これら各構成部材はベース部材38(前部ベース42と後部ベース43)に搭載されている。モータ51は前部ベース42の内壁面に取り付けられており、このモータ51の回転が複数のギアからなる減速歯車列56を介して最終段のピニオン52に伝達されるようになっている。ピニオン52には第1乃至第3のラック53,54,55が噛合しており、そのうち第1のラック53と第2のラック54はピニオン52を介して同一平面上で互いに平行に配置され、第3のラック55は別の平面上でピニオン52に噛合している。図示省略されているが、前部ベース42は前後方向に所定間隔を存して対向する2つの支持板を有しており、第1および第2のラック53,54は一方の支持板に設けられたガイド溝に沿って往復動可能にガイドされ、第3のラック55は他方の支持板に設けられたガイド溝に沿って往復動可能にガイドされている。ただし、第1および第2のラック53,54の移動方向に対して第3のラック55の移動方向は交差しており、後述するように、第1および第2のラック53,54は第2可動体40と同一方向に移動し、第3のラック55は第1可動体39と同一方向に移動するようになっている。
第1可動体39と第2可動体40は装飾板44の前方に配置されており、これら両可動体39,40は装飾板44の中央付近を初期位置として互いに逆方向へ移動可能となっている。すなわち、第1可動体39は前部ベース42に形成された第1のガイド孔42aに往復動可能にガイドされており、第1のガイド孔42aは図16の直線Q1方向へ延びているため、第1可動体39はこの直線Q1に沿って装飾板44の上部領域を斜め方向へ往復動可能となっている。一方、第2可動体40は前部ベース42に形成された第2のガイド孔42bに往復動可能にガイドされており、第2のガイド孔42bは図16の直線Q2方向へ延びているため、第2可動体40はこの直線Q2に沿って装飾板44の下部領域を斜め方向へ往復動可能となっている。また、第1可動体39と前部ベース42との間に第1コイルばね57の両端部が掛止めされており、第1可動体39はこの第1コイルばね57の引張力により常に初期位置に向けて付勢されている。同様に、第2可動体40と前部ベース42との間に第2コイルばね58の両端部が掛止めされており、第2可動体40はこの第2コイルばね58の引張力により常に初期位置に向けて付勢されている。なお、第1可動体39の移動方向である直線Q1は第3のラック55の移動方向と平行に設定され、第2可動体40の移動方向である直線Q2は第1および第2のラック53,54の移動方向と平行に設定されている。
図4に示すように、可動役物ユニット26はセンター役物24の上部位置に配設されており、第1可動体39は初期位置から装飾枠25の上端部に向かって上昇し、第2可動体40は初期位置から可変表示装置27の表示画面27aの中央部に向かって落下するようになっている。この場合、第2可動体40は表示画面27aの前方の広い空間を移動スペースとして利用できるものの、第1可動体39は周辺部材の存在によって移動スペースに制約を受けることになり、第1可動体39の上下方向(鉛直方向)の移動量を十分に大きく設定することは難しくなる。そこで、本実施形態例では、第2可動体40の移動方向である直線Q2に対して第1可動体39の移動方向である直線Q1の傾斜角度が緩やかになるように設定し、第1および第2の可動体39,40が同じ距離だけ移動したときに、第2可動体40に比べて第1可動体39の方が上下方向の変位量が少なくなるようにしてある。
図16〜図18に戻り、第1可動体39の背面側には第1受け部39aが立設されており、この第1受け部39aは第3のラック55の上端部55bと接離可能に対向している。第1受け部39aは直線Q1に対して直交方向へ延出しており、前述したように第3のラック55の移動方向が直線Q1と平行に設定されているため、第1受け部39aに対して第3のラック55は直交するように配置されている。したがって、ピニオン52の回転に伴って第3のラック55が直線Q1方向へ移動すると、第3のラック55の上端部55bから第1受け部39aに対して直交方向の押圧力が作用し、その押圧力によって第1可動体39を初期位置から移動させることができる。その際、第3のラック55の下端部55aは第2可動体40の後部側方を非接触な状態で移動するため、第3のラック55は第2可動体40の移動に関与しない。
また、第2可動体40の背面側には第2受け部40aが立設されており、この第2受け部40aは第1および第2のラック53,54の下端部53a,54aと接離可能に対向している。第2受け部40aは直線Q2に対して直交方向へ延出しており、前述したように第1および第2のラック53,54の移動方向が直線Q2と平行に設定されているため、第2受け部40aに対して第1および第2のラック53,54は直交するように配置されている。したがって、ピニオン52の回転に伴って第1および第2のラック53,54が互いに逆向きに移動すると、いずれか一方のラック53,54の下端部53a,54aから第2受け部40aに対して直交方向の押圧力が作用し、その押圧力によって第2可動体40を初期位置から移動させることができる。その際、第1および第2のラック53,54の上端部53b,54bは第1可動体39の後部上方を非接触な状態で移動するため、第1および第2のラック53,54は第1可動体39の移動に関与しない。
図11〜図15に示すように、第1可動体39は、背面側を開口した有底形状の装飾ケース59と、装飾ケース59の内部に収納された導光板60と、導光板60上に重ねられた回路基板61と、回路基板61を覆うように装飾ケース59にネジ止め固定された裏カバー62とによって構成されている。回路基板61は装飾ケース59の内底面に設けられたボス(図示せず)にネジ止め固定されており、導光板60は装飾ケース59の前面と回路基板61との間に挟持されている。この回路基板61の前面側には複数のLED63が実装され、回路基板61の裏面側には回転ロックタイプのコネクタ64が実装されている。図10に示すように、このコネクタ64は、複数の接続端子64aを有するハウジング64bと、ハウジング64bに回転可能に支持されたロックレバー64cとで構成されており、ハウジング64bから露出する接続端子64aが回路基板61上の図示せぬランドに半田付けされるようになっている。コネクタ64には後部ベース43から導出する前述のフラットケーブル49が接続されており、この場合も、ロックレバー64cを閉鎖方向へ回転してハウジング64bに係止すると、フラットケーブル49の導体がハウジング64b上に露出する接続端子64aのコンタクト部に圧接される。これにより、後部ベース43内の中継基板46からフラットケーブル49を介して回路基板61上のLED63に電力が供給され、LED63から発せられる光が導光板60を透過して装飾ケース59の前方へ照射される。
裏カバー62は透明な合成樹脂で成形されており、その一隅部は凸状に突出する膨出部62aとなっている。膨出部62aには矩形状の開口62bが設けられており、この開口62bの一側縁には回路基板61に向かって突出する舌片状の規制突起62cが一体成形されている。図15に示すように、裏カバー62を装飾ケース59にネジ止め固定した状態において、規制突起62cの先端はコネクタ64のロックレバー64cと0.5mm程度のギャップを介して対向しており、ロックレバー64cの開放方向への回転が規制突起62cによって阻止されている。その際、コネクタ64に接続されたフラットケーブル49は規制突起62cに沿って略直角方向に屈曲された後、開口62bを通って裏カバー62の外部に導出されて後部ベース43内の中継基板46まで引き回されている。
詳細な構成については図示省略されているが、第2可動体40も第1可動体39と同様に構成されている。図8を参照して簡単に説明すると、第2可動体40の外殻をなす有底形状の装飾ケース内には回路基板65が収納されており、この装飾ケースの開口部は裏カバー66によって塞がれている。回路基板65の裏面側には回転ロックタイプのコネクタ67が実装されており、このコネクタ67には後部ベース43から導出する別のフラットケーブル49が接続されている。裏カバー66には舌片状の規制突起66aが設けられており、この規制突起66aの先端をコネクタ67のロックレバーに対向させることにより、ロックレバーが開放方向へ回転しないように規制されている。
このように構成された遊技機(パチンコ機)において、通常、可動役物ユニット26の第1可動体39と第2可動体40はそれぞれ初期位置で停止しており、装飾板44の大部分は第1および第2の可動体39,40によって覆い隠されている。この場合、図16に示すように、第1および第2のラック53,54の下端部53a,54aは第2可動体40の第2受け部40aに当接し、第3のラック55の上端部55bは第1可動体39の第1受け部39aに当接しており、ピニオン52は第1乃至第3のラック53,54,55の各中央部分と噛合している。
この状態でモータ51を駆動してピニオン52が図16の反時計回りに回転すると、図17に示すように、第1のラック53が斜め下方へ移動して第2受け部40aを押圧すると共に、第2のラック54が斜め上方へ移動して第2受け部40aから離反し、同時に、第3のラック55が斜め下方へ移動して第1受け部39aから離反する。その結果、第1可動体39は初期位置に停止したまま移動しないが、第2可動体40が直線Q2に沿って初期位置から斜め下方へ移動開始し、それに伴って第2コイルばね58が伸延されていく。そして、ピニオン52が第1乃至第3のラック53,54,55の末端部分と噛合する位置まで回転すると、第2可動体40が装飾板44の下辺近傍の最下位置まで移動し、第1可動体39の下辺と第2可動体40の上辺との間に装飾板44の一部が露出する。
このように第2可動体40が最下位置まで移動した後、モータ51を逆向きに駆動してピニオン52が図17の時計回りに回転すると、第1のラック53は第2受け部40aから離反するように斜め上方へ移動すると共に、第2のラック54は斜め下方へ移動して第2受け部40aに近付いていき、同時に、第3のラック55は斜め上方へ移動して第1受け部39aに近付いていく。その際、第2可動体40は第2コイルばね58の引張力を受けて初期位置へ付勢されているため、第2可動体40は第2受け部40aを第1のラック53の下端部53aに当接させたまま、第1のラック53の動きに追従して斜め上方へ移動する。そして、図16に示すように、ピニオン52が第1乃至第3のラック53,54,55の反対側の末端部分と噛合する位置まで回転すると、第2可動体40が初期位置まで移動して第1可動体39に近接し、再び装飾板44の大部分が第1および第2の可動体39,40によって覆い隠される。
一方、第1および第2の可動体39,40が初期位置にあるときに、モータ51を上記と反対方向に駆動してピニオン52が図16の時計回りに回転すると、図18に示すように、第1のラック53が斜め上方へ移動して第2受け部40aから離反すると共に、第2のラック54が斜め下方へ移動して第2受け部40aを押圧し、同時に、第3のラック55が斜め上方へ移動して第1受け部39aを押圧する。その結果、第2可動体40が第1のラック53の代わりに第2のラック54からの押圧力を受けて斜め下方へ移動開始すると共に、第1可動体39が第3のラック55からの押圧力を受けて直線Q1に沿って斜め上方へ移動開始し、それに伴って第1コイルばね57が伸延されていく。そして、ピニオン52が第1乃至第3のラック53,54,55の末端部分と噛合する位置まで回転すると、第2可動体40が装飾板44の下辺近傍の最下位置まで移動すると共に、第1可動体39が装飾板44の上辺近傍の最上位置まで移動し、第1可動体39の下辺と第2可動体40の上辺との間に装飾板44が大きく露出する。
このように第1および第2の可動体39,40がそれぞれ最下位置と最上位置まで移動した後、モータ51を逆向きに駆動してピニオン52が図18の反時計回りに回転すると、第1のラック53は斜め下方へ移動して第2受け部40aに近付いていくと共に、第2のラック54は第2受け部40aから離反するように斜め上方へ移動し、同時に、第3のラック55は第1受け部39aから離反するように斜め下方へ移動する。その際、第1可動体39は第1コイルばね57の引張力を受けて初期位置へ付勢されているため、第1可動体39は第1受け部39aを第3のラック55の上端部55bに当接させたまま、第3のラック55の動きに追従して斜め下方へ移動する。また、第2可動体40は第2コイルばね58の引張力を受けて初期位置へ付勢されているため、第2可動体40は第2受け部40aを第2のラック54の下端部54aに当接させたまま、第2のラック54の動きに追従して斜め上方へ移動する。そして、図16に示すように、ピニオン52が第1乃至第3のラック53,54,55の反対側の末端部分と噛合する位置まで回転すると、第1および第2の可動体39,40がいずれも初期位置まで移動して近接状態となるため、再び装飾板44の大部分が第1および第2の可動体39,40によって覆い隠される。
なお、このように第1可動体39が初期位置と最上位置との間を移動すると、それに伴って第1可動体39内の回路基板61と後部ベース43内の中継基板46との相対位置は変化するが、かかる相対位置変化は回路基板61と中継基板46との間に引き回されたフラットケーブル49のU字状反転部が変位することで吸収される。同様に、第2可動体40が初期位置と最下位置との間を移動すると、それに伴って第2可動体40内の回路基板65と後部ベース43内の中継基板46との相対位置は変化するが、かかる相対位置変化は回路基板65と中継基板46との間に引き回されたフラットケーブル49のU字状反転部が変位することで吸収される。したがって、第1可動体39や第2可動体40の移動位置に拘わらず、中継基板46からフラットケーブル49を介して回路基板61,65に電力を供給することができ、第1および第2可動体39,40の動きとLEDの光との相乗効果によって興趣性の高い可動演出を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態例に係る遊技機(パチンコ機)は、遊技の演出画像を表示する可変表示装置27の周囲に可動役物ユニット26が配置されており、この可動役物ユニット26の構成部材である第1可動体39が、背面側を開口した有底形状のケースである装飾ケース59と、装飾ケース59内に収納された回路基板61と、回路基板61を覆うように装飾ケース59に取り付けられ裏カバー62とを備え、回路基板61上に実装された回転ロックタイプのコネクタ64にフラットケーブル49が接続されるようになっている。そして、裏カバー62を装飾ケース59に取り付けたとき、裏カバー62に設けた規制突起62cをコネクタ64のロックレバー64cに対向させることにより、ロックレバー64cの自由な回転を阻止するようになっており、他の構成部材である第2可動体40も同様に構成されているので、わざわざフラットケーブル49をコネクタ64,67の近傍に固定して位置規制しなくても、フラットケーブル49が衝撃力や引張力を受けてコネクタ64,67から脱落しまうことを確実に防止できる。また、フラットケーブル49の他端側が接続される中継基板46においても、有底形状のケースである後部ベース43に基板カバー50を取り付けたとき、基板カバー50に設けた規制突起50aをコネクタ48のロックレバー48cに対向させることにより、ロックレバー48cの自由な回転を阻止するようになっているので、わざわざフラットケーブル49をコネクタ48の近傍に固定して位置規制しなくても、フラットケーブル49が衝撃力や引張力を受けてコネクタ48から脱落しまうことを確実に防止できる。
また、本実施形態例では、裏カバー62にフラットケーブル49を外部に導出させる開口62bが穿設されており、この開口62bの一側縁から規制突起62cを舌片状に突出形成し、裏カバー62を装飾ケース59にネジ止め固定した状態において、フラットケーブル49が規制突起62cに沿って略直角方向に屈曲された後、開口62bから導出されて後部ベース43内の中継基板46まで引き回されるようになっているので、規制突起62cがロックレバー64cの回転防止という機能の他にフラットケーブル49の導出ガイドという機能を併せ持つことになり、フラットケーブル49の接続作業を簡単且つ確実に行うことができる。
なお、上記実施形態例では、可変表示装置27の周囲に配置された可動役物ユニット26に本発明を適用した場合について説明したが、ケース内の回路基板上にフラットケーブル接続用コネクタとして回転ロックタイプのコネクタが実装されているものであれば、遊技盤6の裏面側に配設された基板ケース等にも本発明を適用することは可能である。
また、第1可動体39や第2可動体40を動作させる駆動機構41は上記実施形態例に限定されるものではなく、第1および第2可動体39,40に要求される動きに応じて種々の構成を採用することができる。