JP5937839B2 - 透明石英焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、気泡の数が、1cm3あたり200〜1600個である、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、平均気泡径が、10〜100μmである、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、焼結体嵩密度が、2.20×103〜2.21×103・kg/m3である、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、曲げ強度が、100〜130MPaである、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、Al含有量が20〜100ppmである、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、Ca、Fe、Mg、Na、及びK含有量の合計が、50ppm未満である、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を20〜100ppmとした球状シリカ粉末を成形し、次いで焼成することにより得られる、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、球状シリカ粉末のCa、Fe、Mg、Na、及びK含有量の合計が、50ppm未満である、前記に記載の透明石英焼結体に関する。
本発明は、透明石英焼結体の製造方法であって、
(a):平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を20〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程、
(b):工程(a)で得られたスリップ及び樹脂を混合し、硬化剤を添加して、樹脂及び硬化剤を含むスリップを得る工程、
(c−i):工程(b)で得られた樹脂及び硬化剤を含むスリップを鋳型に挿入し、脱型して、成形体を得る工程、
(d):工程(c−i)で得られた成形体を脱脂して、脱脂体を得る工程、及び
(e−i):工程(d)で得られた脱脂体を焼成して、透明石英焼結体を得る工程を含む製造方法に関する。
本発明は、透明石英焼結体の製造方法であって、
(a):平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を20〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程、
(c−ii):工程(a)で得られたスリップを鋳型に挿入し、脱型して、成形体を得る工程、
(e−ii):工程(c−ii)で得られた成形体を焼成して、透明石英焼結体を得る工程を含む製造方法に関する。
本発明は、工程(c−i)で得られた成形体の成形体密度が、1.40×103〜1.49×103・kg/m3である、前記に記載の製造方法に関する。
本発明は、工程(c−ii)で得られた成形体の成形体密度が、1.70×103〜1.79×103・kg/m3である、前記に記載の製造方法に関する。
本発明は、前記に記載の透明石英焼結体または前記に記載の製造方法により得られた透明石英焼結体を用いた、紫外線硬化性樹脂の硬化用の金型に関する。
本発明の透明焼結体は、波長200〜400nmにおける透過率が70〜90%であり、75〜90%であるのが好ましい。本発明において、透過率は光路長、つまり焼結体の厚さが11mmでの値である。このような透過率であれば、紫外線硬化性樹脂硬化用の金型として用いた場合に、紫外線硬化性樹脂を均一硬化させることができる。
本発明の透明石英焼結体の第一の製造方法として、ゲルキャスティング法が挙げられる。具体的な工程を以下に示す。
(a):平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を20〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程、
(b):工程(a)で得られたスリップ及び樹脂を混合し、硬化剤を添加して、樹脂及び硬化剤を含むスリップを得る工程、
(c−i):工程(b)で得られた樹脂及び硬化剤を含むスリップを鋳型に挿入し、脱型して、成形体を得る工程、
(d):工程(c−i)で得られた成形体を脱脂して、脱脂体を得る工程、及び
(e−i):工程(d)で得られた脱脂後の成形体を焼成して、透明石英焼結体を得る工程を含む。
工程(a)は、平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を20〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程である。
工程(b)は、工程(a)で得られたスリップに樹脂を混合し、硬化剤を添加して、樹脂及び硬化剤を含むスリップを得る工程である。
工程(c−i)は、工程(b)で得られた樹脂及び硬化剤を含むスリップを鋳型に挿入して硬化させ、脱型して、成形体を得る工程である。
工程(d)は、工程(c−i)で得られた成形体を脱脂し、脱脂体を得る工程である。
成形体の乾燥の後、電気炉等の加熱炉を用いて、500〜700℃の温度で、1〜20時間の脱脂を行うことが好ましい。
工程(e−i)は、工程(d)で得られた脱脂体を焼成し、透明石英焼結体を得る工程である。
本発明の透明石英焼結体の第二の製造方法として、スリップキャスティング法が挙げられる。スリップキャスティング法は、多孔質の鋳型の片側面に着肉させて溶媒分を排出する「排泥鋳込み」や、流し込んだスリップの全てを着肉させる「固形鋳込み」等の方法を用いることができる。具体的な工程を以下に示す。
(a):平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を20〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程、
(c−ii):工程(a)で得られたスリップを鋳型に挿入し、脱型して、成形体を得る工程、及び
(e−ii):工程(c−ii)で得られた成形体を焼成して、透明石英焼結体を得る工程を含む。
工程(a)は、平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を20〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程である。スリップの調製条件は適宜選択することができ、ゲルキャスティング法の工程(a)と同様に行うことができる。
工程(c−ii)は、工程(a)で得られたスリップを鋳型に挿入し、脱型して、成形体を得る工程である。
工程(e−ii)は、工程(c−ii)で得られた成形体を焼成し、透明石英焼結体を得る工程である。
[実施例1]
純度99.9%以上、平均粒子径0.10μm、Al含有量45ppmの球状シリカ粉末100重量部に対し、蒸留水を40重量部となるように添加し、分散剤としてスルホン酸ナトリウム塩を球状シリカ粉末100重量部に対し0.5重量部加え、ボールミルにて15時間湿式混合して、スリップを作製した(工程(a))。これに樹脂としてエポキシ樹脂を球状シリカ粉末100重量部に対し4重量部添加し、約15分混合した。これに樹脂の硬化剤としてポリアミドアミンを球状シリカ粉末100重量部に対し0.5重量部添加した(工程(b))。次に、15分間、減圧脱泡操作を行った後、所定の形状の鋳型へスリップを注型し、自己硬化させた。スリップが硬化した段階で、硬化体を鋳型から脱型し、室温で24時間、80℃で24時間乾燥後、成形体密度1.46×103・kg/m3の成形体を得た(工程(c−i))。
レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(商品名:HIRA、日機装製)を使用して累積50%粒子径(D50)を測定し、平均粒子径とした。
<各元素の含有量測定法>
Al、Ca、Fe及びMgの含有量は、ICP発光分析装置(商品名:SPS−1700、セイコーインスツルメンツ株式会社製)を使用して、試料を酸に溶解した後に測定した。Na及びKの含有量は、原子吸光分析装置(商品名:AA−880、日本ジャーレルアッシュ株式会社製)を使用して、試料を酸に溶解した後に測定した。
<成形体の密度測定>
工程(c−i)において得られた成形体の外形及び重量を測定し、重量を外形から算出した体積で除し、成形体の密度を算出した。
<焼結体の密度測定>
焼結体の密度は、アルキメデス法により測定した。
<透過率測定>
透過率は、分光光度計(商品名:UV−2552、(株)島津製作所製)を使用し、透明石英焼結体の波長200〜400nmにおける透過率を測定した。
<曲げ強度測定>
曲げ強度は、精密万能試験機(商品名:オートグラフAG−100KN、(株)島津製作所製)を使用し、JIS R 1601準拠の三点曲げ強度測定により測定した。
<気泡の数及び平均気泡径の測定>
気泡の数は、光学反射顕微鏡(商品名:BX60M、オリンパス株式会社製)を使用し、透明石英焼結体(55mm×55mm×11mm厚)の2mm×2mmの観察面に観察された気泡の数を計測し、単位体積あたりの気泡の数を算出した。平均気泡径は、観察された気泡の直径の総和を気泡の数で除して算出した。
<金型評価 剥離性評価>
評価用金型として、φ2mm×0.6mm深さの孔を有する55mm×55mm×11mm厚の透明石英焼結体の金型を作製した。これに紫外線硬化性樹脂を塗布し、基体に押圧したのち、金型側から紫外線を照射し、樹脂を硬化させた。金型を外した際、樹脂が金型に付着せず、剥離性が良好であったものを○、樹脂が金型に付着したものを×として評価した。
<金型評価 耐久性評価>
評価用金型に50MPaの圧力をかけ、金型にヒビ、欠けが発生しなかったものを○、発生したものを×として評価した。
平均粒子径0.25μm、Al含有量49ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径0.50μm、Al含有量43ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径1.00μm、Al含有量85ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径1.00μm、Al含有量35ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
純度99.9%以上、平均粒子径0.10μm、Al含有量51ppmの球状シリカ粉末100重量部に対し、蒸留水を40重量部となるように添加し、分散剤としてスルホン酸ナトリウム塩を球状シリカ粉末100重量部に対し0.5重量部加え、ボールミルにて15時間湿式混合して、スリップを作製した(工程(a))。これを約15分間、減圧脱泡操作を行った後、所定の形状の石膏型へスリップを注型し、着肉させた。着肉した段階で、成形体を石膏型から脱型し、室温で24時間、80℃で24時間乾燥し、成形体密度1.76×103・kg/m3の成形体を得た(工程(c−ii))。
平均粒子径0.25μm、Al含有量53ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例5と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径0.50μm、Al含有量43ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例5と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径2.00μm、Al含有量153ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径2.00μm、Al含有量86ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径2.00μm、Al含有量10ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径0.08μm、Al含有量151ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径0.08μm、Al含有量88ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径0.08μm、Al含有量14ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径1.00μm、Al含有量150ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径1.00μm、Al含有量13ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径2.00μm、Al含有量153ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例6と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径2.00μm、Al含有量10ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例6と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径0.08μm、Al含有量151ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例6と同様にして透明石英焼結体を得た。
平均粒子径0.08μm、Al含有量12ppmの球状シリカ粉末を使用した以外は、実施例6と同様にして透明石英焼結体を得た。
Claims (11)
- 透明石英焼結体において、原料球状シリカ粉末が平均粒子径0.1〜1.0μmであり、Al含有量が30〜100ppmであって、波長200〜400nm全域における、透明石英焼結体の11mm厚換算の透過率が、70〜90%である、透明石英焼結体。
- 気泡の数が、1cm3あたり200〜1600個である、請求項1記載の透明石英焼結体。
- 平均気泡径が、10〜100μmである、請求項1又は2に記載の透明石英焼結体。
- 焼結体嵩密度が、2.20×103〜2.21×103・kg/m3である、請求項1〜3のいずれか1項記載の透明石英焼結体。
- 曲げ強度が、100〜130MPaである、請求項1〜4のいずれか1項記載の透明石英焼結体。
- Ca、Fe、Mg、Na、及びK含有量の合計が、50ppm未満である、請求項1〜5のいずれか1項記載の透明石英焼結体。
- 透明石英焼結体の製造方法であって、
(a):平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を30〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程、
(b):工程(a)で得られたスリップ及び樹脂を混合し、硬化剤を添加して、樹脂及び硬化剤を含むスリップを得る工程、
(c−i):工程(b)で得られた樹脂及び硬化剤を含むスリップを鋳型に挿入し、脱型して、成形体を得る工程、
(d):工程(c−i)で得られた成形体を脱脂して、脱脂体を得る工程、及び
(e−i):工程(d)で得られた脱脂体を焼成して、透明石英焼結体を得る工程
を含む製造方法。 - 透明石英焼結体の製造方法であって、
(a):平均粒子径が0.1〜1.0μmであり、Al含有量を30〜100ppmとした球状シリカ粉末、溶媒、及び分散剤を混合することにより、スリップを得る工程、
(c−ii):工程(a)で得られたスリップを鋳型に挿入し、脱型して、成形体を得る工程、及び
(e−ii):工程(c−ii)で得られた成形体を焼成して、透明石英焼結体を得る工程
を含む製造方法。 - 工程(c−i)で得られた成形体の成形体密度が、1.40×103〜1.49×103・kg/m3である、請求項7記載の製造方法。
- 工程(c−ii)で得られた成形体の成形体密度が、1.70×103〜1.79×103・kg/m3である、請求項8記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の透明石英焼結体を用いた、紫外線硬化性樹脂の硬化用の金型。
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