JP2011062993A - 成形型および樹脂成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形基材の裏面に樹脂部を良好に成形できる成形型を提供する。
【解決手段】成形基材Pの裏面に樹脂部1を成形し、複数の割型2,3を有し、それら複数の割型2,3によって成形基材Pを受ける受け面6が形成されると共に、受け面6に複数の割型2,3のうち少なくとも2つの割型2,3によって光硬化性樹脂を注入する凹部7が形成され、凹部7を形成する部位の少なくとも一部を透光性材料で構成し、他の部分を金属材料で構成してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形基材の裏面に樹脂部を成形する成形型に関する。
本発明の成形基材は、例えば携帯電話等の機器の筺体の開口部に取り付けられて、筺体の一部を構成する。特に、成形基材を透光性材料で構成すれば、成形基材を通して筺体の内部に装備された液晶画面等の表示部を視認することができる。また、成形基材をタッチスクリーンで構成すれば、手指やタッチペン等で表示部を押したり滑らせたりして機器を操作することもできる。
従来、成形基材を開口部に取り付けるために、成形基材の裏面に樹脂製の係合部を成形することがよく行われている。これにより、係合部を開口部に係合させるだけで成形基材を開口部に取り付けることができ、成形基材の組付作業が簡単になる。
成形基材の裏面に樹脂部を成形するには、種々の成形型が用いられる。例えば、成形基材を受ける受け面が形成されると共に当該受け面に凹凸面が形成された成形型とを備え、この成形型を石英ガラスで形成したものがあった(特許文献1)。
つまり、石英ガラス製の成形型の凹凸面に光硬化性樹脂を塗布又は充填し、その上に成形基材を載置する。その後、光を成形型を介して光硬化性樹脂に照射して硬化させる。これにより、成形基材の裏面に樹脂部を成形することができる。この方法によれば、一般の成形型のように、高圧の樹脂を射出する必要が無い。このため、成形型の内部に装着される成形基材が強度の低い材料であっても、成形基材の変形や損傷が無い状態で成形基材の裏面に樹脂部を成形できるとされていた。また、光硬化性樹脂を使用することで、樹脂部が複雑な形状を有するときでも、溶融樹脂が成形型における複雑な形状に対応する部分に到達する前に冷却固化してしまう等の射出成形不良を招くこと無く樹脂部を成形できるとされていた。
特開2007−253510号公報
しかし、石英ガラスは、硬度が高く、割れ易い。そのため、成形型に凹凸面を形成するのは難しく、成形型の加工コストが高くなるものであった。また、成形型の形状によっては、成形基材を成形型から離型するときに、成形型が破損することがあった。
本発明の目的は、加工コストの低減化を図りつつ成形型の破損を防止することができる成形型を提供する点にある。
本発明に係る成形型は、成形基材の裏面に樹脂部を成形するものであって、その第1特徴構成は、複数の割型を有し、それら複数の割型によって前記成形基材を受ける受け面が形成されると共に、当該受け面に前記複数の割型のうち少なくとも2つの割型によって光硬化性樹脂を注入する凹部が形成され、前記凹部を形成する部位の少なくとも一部を透光性材料で構成し、他の部分を金属材料で構成してある点にある。
本構成のように、凹部を形成する部位の少なくとも一部を透光性材料で構成し、他の部分を金属材料で構成してある。ここで、透光性材料は、一般に加工が困難であるものの光は通すという特性を有する。一方、金属材料は加工が容易であるものの光は通さないという特性を有する。このように特性の異なる2つの材料を使い分けて凹部を形成することにより、加工コストの低減化を図りつつ成形型の破損を防止することができる。
つまり、複雑な形状を有する樹脂部を成形するときには、凹部を形成する部位のうち金属材料の部分に複雑な形状に対応する部分の加工を施す。こうすると、金属材料の部分の加工が容易であるため、成形型の加工コストを低減化できる。
また、成形基材を成形型から離型するときにも、成形型の複雑な形状に対応する部分を金属材料で構成してあるため、成形型が破損することを防止できる。
さらに、複数の割型を組み合わせるだけで、受け面および凹部が形成され、凹部に光硬化性樹脂を注入して受け面に成形基材を配置したのち、凹部を形成する部位のうち透光性材料の部分に対して光を照射するだけで、成形基材の裏面に樹脂部を成形できるので、射出成形のように成形型を型締めおよび型開きしたり、溶融樹脂を射出する作業が不要になる等、製造作業が簡単になる。
本発明に係る成形型の第2特徴構成は、前記複数の割型のうち少なくとも1つが、前記受け面から突出するように構成してある点にある。
割型を突出させることで、成形基材を成形型から離型させるために押出ピン等を別に設けなくて済む等、構成の簡素化を図ることができる。さらに、成形基材の離型時には、成形基材を割型の受け面で押し出すから、成形基材の局部に応力が集中せず、成形基材を安全に離型することができる。
本発明に係る成形型の第3特徴構成は、前記凹部を形成する前記透光性材料に、前記成形基材を前記受け面に載置した際に前記凹部から溢出した前記光硬化性樹脂が流入する逃げ部を備える点にある。
透光性材料に、成形基材を受け面に載置した際に凹部から溢出した光硬化性樹脂が流入する逃げ部を設ける。これにより、溢出した光硬化性樹脂が受け面と成形基材との隙間を通って周囲に広がることを防止できる。さらに、透光性材料に逃げ部を設けてあるので、逃げ部に流入した光硬化性樹脂に光を確実に照射することができる。よって、樹脂部に未硬化領域が生じることを無くして健全な樹脂部を形成することができる。
本発明に係る成形型の第4特徴構成は、前記透光性材料を含む割型に、前記受け面から入射した光を前記凹部に導入する光導入部を備える点にある。
凹部を形成する型の透光性材料に対して光を照射するときに、成形基材の受け面とは反対側から光を照射すると、光が透光性材料を通過して受け面の凹部に到達するまでに光のかなりの部分が散乱および吸収されてしまい。光が凹部に十分に照射されないことがある。
そこで、本発明では、透光性材料を含む割型に、成形基材の受け面から入射した光を凹部に導入する光導入部を備えることができる。すなわち、成形基材の受け面とは反対側からではなく、受け面の側から光を照射することで、光が透光性材料を通過する距離を短くして、透光性材料による光の散乱および吸収を抑制することができる。また、成形基材を載置する受け面は上向きに設置されることが多い。このとき、受け面の上方から光を照射する構成であれば、例えば成形型の下側に光を照射するために成形型の下側部分が煩雑になることを防止して、装置構成の簡素化を図ることができる。
本発明に係る樹脂成形方法は、成形基材の裏面に樹脂部を成形するものであって、その第1特徴手段は、複数の割型によって前記成形基材を受ける受け面を形成すると共に、当該受け面に前記複数の割型のうち透光性材料を含む少なくとも1つの型と金属材料で構成した少なくとも1つの型とによって凹部を形成する工程と、前記凹部に未硬化の光硬化性樹脂を注入する工程と、前記光硬化性樹脂に前記成形基材を接触させつつ、前記受け面に前記成形基材を配置する工程と、光を前記透光性材料を介して前記光硬化性樹脂に照射し、前記光硬化性樹脂を硬化させる工程と、を有する点にある。
本手段によれば、凹部を形成する部位の少なくとも一部を透光性材料で構成し、他の部分を金属材料で構成してある。したがって、複雑な形状の樹脂部を形成するときには、金属材料の部分にこの複雑な形状に対応する部分の加工を施すことにより、成形型の加工コストを低減化したり、成形型が破損することを防止できる。また、光硬化性樹脂を硬化させた後に、凹部を形成する割型を互いに分離することにより、凹部から成形基材に形成された長尺状の樹脂部やアンダーカットを含む樹脂部を簡単に取り外すことができる。
さらに、複数の割型を組み合わせて、受け面および凹部を形成し、凹部に光硬化性樹脂を注入して受け面に成形基材を配置したのち、透光性材料に対して光を照射して、成形基材の裏面に樹脂部を成形するので、射出成形のように成形型を型締めおよび型開きしたり、溶融樹脂を射出する作業が不要になる等、製造作業が簡単になる。
第1実施形態における成形基材の裏面に係止爪を形成する各工程を示す図である。 第1実施形態における成形型に形成された凹部を示す縦断面図である。 別実施形態における成形型に形成された凹部を示す縦断面図である。 別実施形態における成形型に形成された凹部を示す縦断面図である。 第2実施形態における成形基材の裏面に係止爪を形成する各工程を示す図である。 別実施形態における光導入部によって受け面から入射した光を凹部に導入する状態を示す断面図である。 別実施形態における光導入部によって受け面から入射した光を凹部に導入する状態を示す断面図である。 別実施形態における光導入部によって受け面から入射した光を凹部に導入する状態を示す断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る成形型Aについて説明する。
図1に示すように、成形型Aは、矩形板状のタッチパネルP(成形基材の一例)の裏面に樹脂製の係合部としての係合爪1(樹脂部の一例)を形成するために用いられる。係合爪1は、タッチパネルPにおける一対の長辺部の両端側に設けてある。係合爪1は、先端側に外方側に突出する返し部1aを有する。係合爪1が形成されたタッチパネルPは、例えば携帯電話等の機器の筺体に形成された開口部(図示しない)に取り付けられて筺体の一部を構成する。
〔成形型の構成〕
図1,図2に示すように、前記成形型Aは、透光性材料としての石英ガラスで構成した1つの直方体状の第1割型2と、金属材料で構成した2つの直方体状の第2割型3と、を備えている。
(第1割型)
前記第1割型2は、各第2割型3の上面部3aから上方に突出可能に構成してある。第1割型2の上側で左右側の長辺部2aの両端側には、第1切欠部4が形成されている。第1切欠部4は、傾斜部4aと、その傾斜部4aを挟む一対の側壁部(図示しない)と、を備えている。
(第2割型)
前記各第2割型3は、第1割型2の左右側に位置して、第1割型2と組み合わされて成形型Aを構成する位置と、第1割型2から離間して分離される位置とに移動可能に構成してある。各第2割型3における第1割型2に接触する側の側面3bの上側には、第2切欠部5が形成されている。第2切欠部5は、傾斜部5aと、底面部5bと、段部5cと、それら傾斜部5a、底面部5b、段部5cを挟む一対の側壁部(図示しない)と、を備えている。
(受け面および凹部)
図1(a),図1(b)に示すように、第1割型2の上面部2cおよび第2割型3の上面部3aによって、タッチパネルPを受ける受け面6を構成する。また、第1割型2の第1切欠部4および第2割型3の第2切欠部5によって、受け面6に凹部7を構成する。したがって、凹部7を形成する部位は、第1割型2と第2割型3とで構成されている。
次に、本発明に係る樹脂成形方法について説明する。
〔凹部形成工程〕
第1割型2と各第2割型3とを組み合わせて成形型Aを構成する。成形型Aは、第1割型2および第2割型3によって、タッチパネルPの受け面6が形成され、未硬化の光硬化性樹脂としてのUV(紫外線)硬化型樹脂を注入する凹部7が形成される。このとき、タッチパネルPを成形型Aから離型させ易いように成形型Aに離型剤を塗っておくことが好ましい。
〔樹脂注入工程〕
ディスペンサ8によって凹部7に光硬化性樹脂を注入する(図1(a)を参照)。
ディスペンサ8によって注入される光硬化性樹脂の量には誤差を生じ得る。このため、凹部7に注入する光硬化性樹脂の量を凹部7とタッチパネルPとで囲まれる容積よりもやや多い量に設定する。このとき、光硬化性樹脂の粘度がやや高く、光硬化性樹脂が表面張力である程度盛り上がっていることが好ましい。
これにより、受け面6にタッチパネルPを載置したときに、凹部7への空気の混入が防止され、係合爪1の強度を十分に確保できる。
〔基材配置工程〕
光硬化性樹脂にタッチパネルPを接触させつつ、受け面6にタッチパネルPを配置する(図1(b)を参照)。上述の如く、凹部7に注入する光硬化性樹脂の量が凹部7とタッチパネルPとで囲まれる容積よりもやや多いため、余った光硬化性樹脂が凹部7から溢出してタッチパネルPと傾斜部4aとで挟まれた略三角状の逃げ部9に流入する。このように、凹部7から溢出した光硬化性樹脂が逃げ部9に流入するため、凹部7から溢出した光硬化性樹脂が受け面6とタッチパネルPとの隙間を通って周囲に広がることを阻止できる。
光硬化性樹脂を逃げ部9に流入させるためには、傾斜部5aの角度θ(図2を参照)は、45°程度であることが好ましい。また、傾斜部5aの上下方向の高さ(逃げ部9の入口の幅)d(図2を参照)は、1mm〜2mm程度であることが好ましく、1mm程度であることがより好ましい。
〔樹脂部硬化工程〕
照射手段10によって成形型Aの第1割型2の下方から光を斜め上方に向けて照射する。光は石英ガラスで構成した第1割型2を通過して凹部7に注入された光硬化性樹脂に照射し、光硬化性樹脂を硬化させる(図1(b)を参照)。
このとき、第1割型2に逃げ部9を設けてあるので、逃げ部9に流入した光硬化性樹脂にも光を確実に照射することができる。その後、この光硬化性樹脂が硬化して係合爪1の基端部に末広がり状の支持部1bを形成する。これにより、係合爪1の基端側の断面積が大きくなり、係合爪1をタッチパネルPに強固に支持できる。
尚、本発明の照射手段10としては、紫外線を照射する蛍光灯やLED灯等が挙げられる。また、本発明の光は、拡散光線であるが、平行光線であってもよく、特に限定はされない。
〔基材取出工程〕
各第2割型3を第1割型2から離間して分離される位置に移動させると共に、第1割型2を各第2割型3の上面部3aから上方に突出させる。こうすると、係合爪1が形成されたタッチパネルPが第1割型2の受け面のみで支持されて成形型Aから離型される(図1(c)を参照)。よって、裏面に係合爪1が形成されたタッチパネルPを押し上げる際にタッチパネルPの接触箇所に大きな力が掛かることを防止できる。こうして、裏面に係合爪1が形成されたタッチパネルPを取り出す(図1(d)を参照)。
〔第2実施形態〕
本発明に係る第2実施形態を図5に示す。第2実施形態では、第1実施形態の構成と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明を省略する。
第1実施形態では、タッチパネルPの裏面に形成される係合爪1は、先端側に外方側に突出する返し部1aを有するが、第2実施形態では、この係合爪1が、先端側に内方側に突出する返し部1aを有する。このため、成形型Aも、第1実施形態の成形型Aとは異なったものになっている。以下、第2実施形態の成形型Aについて説明する。
〔成形型の構成〕
前記成形型Aは、金属材料で構成した1つの第1割型21と、金属材料で構成した2つの第2割型22と、石英ガラスで構成した2つの直方体状の第3割型23と、を備えている。
(第1割型および第2割型)
前記第1割型21は、側面視台形状であり、第1割型21の左右側に各第2割型22が位置する。各第2割型22は、第1割型21の上面部21aから斜め上方に突出可能に構成してある。各第2割型22における第3割型23に接触する側の側面22aの上側には、第3切欠部24が形成されている。第3切欠部24は、傾斜部24aと、底面部24bと、段部24cと、それら傾斜部24a、底面部24b、段部24cを挟む一対の側壁部(図示しない)と、を備えている。
(第3割型)
前記各第3割型23の上側で第2割型22の側の長辺部23aには、第4切欠部25が形成されている。第4切欠部25は、傾斜部25aと、その傾斜部25aを挟む一対の側壁部(図示しない)と、を備えている。
(受け面および凹部)
図5(a),図5(b)に示すように、第1割型21の上面部21a、第2割型22の上面部22b、第3割型23の上面部23aによって、タッチパネルPを受ける受け面6を構成する。また、第2割型22の第3切欠部24および第3割型23の第4切欠部25によって、受け面6から下方に凹む凹部7を構成する。したがって、凹部7を形成する部位の一部は、第3割型23で構成し、凹部7を形成する部位の他の部分は、第2割型22で構成してある。
次に、本発明に係る樹脂成形方法について説明する。
〔凹部形成工程〕
各第2割型22の上面部22bと第1割型21の上面部21aとが面一となるように各第2割型22を引退させる。このとき、第1割型21、第2割型22、第3割型23、によって、タッチパネルPを受ける受け面6が形成される。また、第2割型22および第3割型23によって、未硬化の光硬化性樹脂を注入する凹部7が形成される。
〔樹脂注入工程〕
ディスペンサ8によって凹部7に適量よりやや多めの光硬化性樹脂を注入する(図5(a)を参照)。
〔基材配置工程〕
光硬化性樹脂にタッチパネルPを接触させつつ、受け面6にタッチパネルPを配置する。上述の如く、凹部7に注入する光硬化性樹脂の量が凹部7とタッチパネルPとで囲まれる容積よりもやや多いため、余った光硬化性樹脂が凹部7から溢出してタッチパネルPと傾斜部25aとで挟まれた断面形状が略三角状の逃げ部9に流入する。
〔樹脂部硬化工程〕
照射手段10によって光を斜め上方に向けて照射する。光は石英ガラスで構成した第1割型2を通過して光硬化性樹脂に照射し、光硬化性樹脂を硬化させる(図5(b)を参照)。
〔基材取出工程〕
各第2割型22を第1割型21の上面部21aの側から斜め上方に突出して、タッチパネルPを成形型Aから離型させる(図5(c)を参照)。このとき、各第2割型22は、係合爪1から離間しつつ突出するため、第2割型22が係合爪1の返し部1aに干渉して破損することはない。このようにして、裏面に係合爪1が形成されたタッチパネルPを取り出す(図5(d)を参照)。
〔別実施形態〕
(1)上記各実施形態では、切欠部が傾斜部4a,25aを備える構成を例示した。しかし、このような構成に代えて、図3に示すように、切欠部がR状部31を備える構成としたり、図4に示すように、切欠部が段部32を備える構成としてもよい。R状部31や段部32の上下方向の高さ(逃げ部9の入口の幅)dは、1mm〜2mm程度であることが好ましく、1mm程度であることがより好ましい。
(2)上記第2実施形態では、石英ガラスで構成した直方体状の第3割型23を例示した。しかし、石英ガラスを含む直方体状の第3割型23であってもよい。例えば、図6に示すように、第3割型23は、金属材料で構成した本体部41と石英ガラスで構成した透光部42とを備えている。本体部41の上側で第2割型22の側には、第5切欠部43が形成されている。第5切欠部43は、傾斜部43aと、その傾斜部43aを挟む一対の側壁部(図示しない)と、を備えている。透光部42は、本体部41の第5切欠部43に取り付け可能にしてある。透光部42の上側で第2割型22の側の長辺部42aには、第6切欠部44が形成されている。第6切欠部44は、傾斜部44aと、その傾斜部44aを挟む一対の側壁部(図示しない)と、を備えている。
光硬化性樹脂を硬化させるには、照射手段10によって光を成形型Aの上方から透光部42に向けて照射する。光は石英ガラスで構成した透光部42を通って傾斜部43aに当たり、そこで反射されて横方向に向きを変えて光硬化性樹脂に照射し、光硬化性樹脂を硬化させる。したがって、透光部42および本体部41の傾斜部43aが、受け面6から入射した光を凹部7に導入する光導入部45を構成する。尚、傾斜部44は、光をできるだけ多く反射させるために鏡面仕上げにしたり、金属を蒸着しておいてもよい。
さらに、この変形例として、図7に示すように、第5切欠部43が傾斜部44を備える構成に代えて、第5切欠部43が凹面部46を備える構成としたり、図8に示すように、第5切欠部43が凸面部47を備える構成としてもよい。第5切欠部43が凹面部46を備える場合には、光を収束して凹部7に導入できる。また、第5切欠部43が凸面部47を備える場合には、光を拡散して凹部7に導入することができる。さらに、必要に応じて傾斜部43a、凹面部46、凸面部47を使い分けて光の照射範囲を調節することより、光を光硬化性樹脂に適切に照射することができる。
上記別実施形態では、光導入部45が透光部42および本体部41の傾斜部43aを備える構成を例示したが、透光部42の形状を光を屈折させる形状にして、透光部42のみで光導入部45を構成してもよい。
上記各実施形態では、樹脂部が係合部である構成を例示した。しかし、樹脂部が筒状、錐体状、截頭錐体状の嵌合部であってもよい。このとき、筺体の開口部にそれら嵌合部に嵌合される被嵌合部を形成して、嵌合部を開口部の被嵌合部に嵌合させることにより、タッチパネルPを開口部に取り付けることができる。
上記各実施形態では、タッチパネルPにおける一対の長辺部の両端側に係合爪1を設けてある。しかし、これに限られるものではない。例えば、タッチパネルPにおける一対の短辺部の両端側に係合爪1を設けてもよく、タッチパネルPにおける一対の長辺部および短辺部の両端側に係合爪1を設けてもよく、タッチパネルPの周縁部に間隔を隔てて係合爪1を設けてもよい。要するに、係合爪1の数や配置は、必要に応じて適宜変更可能である。
上記各実施形態では、成形基材PがタッチパネルPである構成を例示した。しかし、これに限られるものではない。例えば、成形基材Pが樹脂板、基材の片面又は両面に図柄層が形成されたIMD成形品等であってもよい。樹脂板や基材は、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル(PMMA)樹脂等により形成される。図柄層は、樹脂をバインダーとして顔料や染料等の着色剤を含有した着色インキにより形成される。
上記各実施形態では、透光性材料が石英ガラスである構成を例示した。しかし、これに限られるものではない。例えば、透光性材料が紫外線透過ガラス、紫外線透過プラスチック、CaF2単結晶等であってもよい。さらに、透光性材料はフッ素コーティングや、テフロンコーティング等の表面処理がなされていてもよい。このように構成されることにより、基材取出工程において透光性材料(割型)と光硬化性樹脂(樹脂部)との離型性を向上させることができる。さらに、光硬化性樹脂(樹脂部)の透光性材料(割型)との接触箇所に大きな力が掛かることも防止できる。
上記各実施形態では、光硬化性樹脂がUV(紫外線)硬化型樹脂である構成を例示した。しかし、これに限られるものではない。例えば、光硬化性樹脂がVL(可視光)硬化型樹脂であってもよい。使用可能な光硬化性樹脂としては、アクリル系モノマー(単官能,2官能,多官能等)やアクリル系オリゴマー(エポキシアクリレート,ウレタンアクリレート,ポリエステルアクリレート等)などのラジカル硬化型樹脂、あるいは、エキポシ樹脂やオキセタン樹脂などのカチオン硬化型樹脂が挙げられる。これら光硬化性樹脂は、硬化した光硬化性樹脂の強度や硬化した光硬化性樹脂と成形基材との密着性等を考慮して適宜選択可能である。
本発明は、成形基材の裏面に樹脂部を成形する各種成形型に適応可能である。
1 樹脂部
2 割型(第1割型)
3 割型(第2割型)
6 受け面
7 凹部
9 逃げ部
21 割型(第1割型)
22 割型(第2割型)
23 割型(第3割型)
45 光導入部
P 成形基材

Claims (5)

  1. 成形基材の裏面に樹脂部を成形する成形型であって、
    複数の割型を有し、それら複数の割型によって前記成形基材を受ける受け面が形成されると共に、当該受け面に前記複数の割型のうち少なくとも2つの割型によって光硬化性樹脂を注入する凹部が形成され、
    前記凹部を形成する部位の少なくとも一部を透光性材料で構成し、他の部分を金属材料で構成してある成形型。
  2. 前記複数の割型のうち少なくとも1つが、前記受け面から突出するように構成してある請求項1に記載の成形型。
  3. 前記凹部を形成する前記透光性材料に、前記成形基材を前記受け面に載置した際に前記凹部から溢出した前記光硬化性樹脂が流入する逃げ部を備える請求項1又は2に記載の成形型。
  4. 前記透光性材料を含む割型に、前記受け面から入射した光を前記凹部に導入する光導入部を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形型。
  5. 成形基材の裏面に樹脂部を成形する樹脂成形方法であって、
    複数の割型によって前記成形基材を受ける受け面を形成すると共に、当該受け面に前記複数の割型のうち透光性材料を含む少なくとも1つの型と金属材料で構成した少なくとも1つの型とによって凹部を形成する工程と、
    前記凹部に未硬化の光硬化性樹脂を注入する工程と、
    前記光硬化性樹脂に前記成形基材を接触させつつ、前記受け面に前記成形基材を配置する工程と、
    光を前記透光性材料を介して前記光硬化性樹脂に照射し、前記光硬化性樹脂を硬化させる工程と、を有する樹脂成形方法。
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JP2013163623A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Tateho Chemical Industries Co Ltd 透明石英焼結体及びその製造方法

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