JP2013098120A - ライトガイド、光源装置及びライトガイドの製造方法 - Google Patents

ライトガイド、光源装置及びライトガイドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造容易性を確保しつつも、導光効率の低下を抑制できるライトガイド、光源装置及びライトガイドの製造方法を提供する。
【解決手段】光注入素子11の端面11mと、導光板12の上面12cとの間に、端面11mから出射した光を上面12cから導光板12に入射させる補助構造13を設けたので、光注入素子11に端面11mを設けた場合でも、補助構造13により導光効率を高めることが可能となる。これによりライトガイドの製造が容易になることにより、コストダウンを図ることも可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ライトガイド、光源装置及びライトガイドの製造方法に関し、特に、光源からの光を効率よく導光できるライトガイド、光源装置及びライトガイドの製造方法に関する。
例えば液晶ディスプレイは自発光式の表示装置でないため、その背後には一般的にバックライトが設けられている。バックライトは、光源から出射された光を液晶画面の背後から均一に照射する機能を有する。ところで、バックライトの一種として導光板を兼ねたものがあり、これは導光板の片面に拡散部材を設けて、全反射による導光を行いながら、片面から均一な光を照射するというものである。しかるに、液晶ディスプレイ等は、それが組み込まれる装置の小型化に伴って、より薄い形状が要求されるようになってきている。よって、導光板の板厚も薄くなってきているが、例えばLEDなどの面光源からの光を、薄い導光板に入射させるのは困難であるから、光源からの光を導光板に注入するために光学部品が設けられることがある。
このような光学部品としては、特許文献1に示すように、面光源の発光面のサイズよりも小さい厚みの導光部材に光を導くことができる構成が考えられている。このような構成をとることで効率良く導光板に光を導くことが出来る。
特開2010-44994号公報
しかるに、例えば特許文献1の構造において、導光板本体と導入部とを一体で形成することは、導光板の大型化即ち金型の高コストを招くため好ましくない。これに対し、例えば導光板本体を形成した後に、その片面に金型を被せて内部に樹脂を注入後に固化させることで導入部を形成することもできる。ところが、導入部の末端は先細形状になっているために、注入する樹脂の粘度が比較的高い場合、流動性が悪くなり、導入部の末端に対応する金型の奥まで進入できず、精度の良い成形を行えない恐れがある。又、かかる金型の製作時に、先細形状に応じてテーパ部を精度良く加工形成するのは困難という問題もある。かかる問題は、導光板本体と導入部とを別体で形成した後、両者を接着する製法でも、導入部において同様に生じる。そこで、導入部の末端を先細形状とせず、端面として切り落とした形状とするのが、成形上は都合が良いといえる。しかしながら、それにより端面から外部に出射する光が生じて、導光効率が低下するという新たな問題が生ずる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、製造容易性を確保しつつも、導光効率の低下を抑制できるライトガイド、光源装置及びライトガイドの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のライトガイドは、互いに対向する第一主面及び第二主面との間で導光を行う導光板と、前記導光板の第一主面の少なくとも一部に光透過可能に接触する光注入素子とを有するライトガイドであって、
前記光注入素子は、光源からの光を入射する光入射面と、前記光入射面に対向し且つ前記導光板の前記第一主面に交差する端面とを有し、前記光入射面から入射した前記光源からの光を導光し、前記第一主面を介して前記導光板に光を注入してなり、
更に、前記光注入素子の前記端面と、前記導光板の前記第一主面との間に設けられ、前記端面から出射した光を前記第一主面から前記導光板に注入する補助構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、前記光注入素子の前記端面と、前記導光板の前記第一主面との間に、前記端面から出射した光を前記第一主面から前記導光板に注入する補助構造を設けたので、前記光注入素子に端面を設けた場合でも、前記補助構造により導光効率を高めることが可能となる。これによりライトガイドの製造が容易になることにより、コストダウンを図ることも可能になる。尚、前記光入射面と前記端面との間において、前記光注入素子の厚みが一定であっても本発明の効果は期待できる。
請求項2に記載のライトガイドは、請求項1に記載の発明において、前記光注入素子は、前記光入射面から入射した光を、前記第一主面を介して前記導光板へと効率良く入射させるための光洩れ低減形状を、前記入射面と前記端面との間に備えることを特徴とする。
前記光注入素子が前記光洩れ低減形状を備えることで、より効率良く前記導光板に光を導くことが可能である。「光洩れ低減形状」とは、光が当たることによって光の指向性が変化し、全反射条件を満たす光が増えるものであると好ましい。
請求項3に記載のライトガイドは、請求項1又は2に記載の発明において、前記補助構造は、前記端面及び前記第一主面に直交する平面で切断した断面が、三角形に近似できる形状を成すことを特徴とする。
このような形状をとることで、前記補助構造内を全反射により導光する光量が増加する。前記光注入素子の端面付近では、前記第一主面側から大きい角度で入射する光が多いから、前記端面に接する辺と、前記第一主面に接する辺以外の辺の傾きが一定であればそれらの光を導光させるのに有利である。尚、前記端面が曲面である場合、前記端面の任意の点と光源の中心とを通り前記第一主面に直交する平面で切断した面を、前記断面とする。
請求項4に記載のライトガイドは、請求項1又は2に記載の発明において、前記補助構造は、前記端面及び前記第一主面に直交する平面で切断した断面において、前記端面に接する辺と、前記第一主面に接する辺以外の辺が凸形状を成すことを特徴とする。
例えば接着剤により前記補助構造を形成する場合、表面張力にて凸形状となり易いため、作製が容易で或る程度の効果が得られる。
請求項5に記載のライトガイドは、請求項1又は2に記載の発明において、前記補助構造は、前記端面及び前記第一主面に直交する平面で切断した断面において、前記端面に接する辺と、前記第一主面に接する辺以外の辺が凹形状を成すことを特徴とする。
前記補助構造における前記導光板の前記第一主面に接する長さが短くても、高い導光効果を得ることができるので、装置をコンパクト化する場合に有利である。
請求項6に記載のライトガイドは、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記補助構造は、前記光注入素子と前記導光板とを接着するためのUV硬化接着剤から成ることを特徴とする。
UV硬化剤を用いることで前記補助構造を任意の形状に留めやすくなり、光学的特性を安定させることが出来る。また、前記導光板と前記光注入素子の接着に用いるものと同じものを用いることで、接着と同時に前記補助構造を作成することも出来、余分な界面の発生、前記補助構造内部への気泡・異物の混入、製造工程の増加などを防ぐことが可能となる。UV硬化接着剤としては、エポキシ系、アクリレート系等、種々のものを用いることができる。
請求項7に記載のライトガイドは、請求項6に記載の発明において、前記光注入素子と前記導光板とを接着する前に、前記光注入素子との接着面よりも大きい範囲の前記第一主面に下地処理を施すことを特徴とする。
プライマー処理などの下地処理によってヌレ性の向上した領域が形成されると、その領域内にUV硬化接着剤が留まり易くなり、均一な補助構造を作成し易くなる。
請求項8に記載のライトガイドは、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記光注入素子及び前記導光板のうち少なくとも一方は、前記光源から遠ざかるに連れて厚みが薄くなることを特徴とする。
このような構成をとることで、前記光注入素子における光洩れの原因となる端面のサイズを小さくすることができる。更に、上述のような光洩れ低減形状を設けた場合など、前記光入射面から入射した光の多くを、前記光入射面通過後に直接、この光洩れ低減形状に到達させることができ、結果として指向性が変化する光が多くなり、前記導光板に導かれる光の量を多くすることが出来る。
請求項9に記載のライトガイドは、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記光注入素子及び前記導光板のうち少なくとも一方は、ガラスからなることを特徴とする。
ガラスを用いることにより、耐久性と耐熱・放熱性を向上させることが可能となる。また、導光させる光として可視光よりも短波長の光(紫外光等)を用いることも可能である。
請求項10に記載のライトガイドは、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記光注入素子及び前記導光板のうち少なくとも一方は、樹脂からなることを特徴とする。
樹脂を用いることにより、設計形状をより良く再現して作製し易くなり、前記光注入素子や前記導光板の光学特性が安定し、且つ安価に作製することが出来る。
請求項11に記載のライトガイドは、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、前記光注入素子と前記導光板と前記補助構造が、ある波長域において同じ屈折率を有する物質から成ることを特徴とする。
このような屈折率条件を満たすことで、前記導光板、前記光注入素子、前記補助構造の間に存在する界面において生じるフレネル反射による光量の損失を防ぎ、結果として前記導光板への光注入効率を高めることが可能である。「同じ屈折率」とは、屈折率が±10%以内である場合をいい、好ましくは屈折率が±5%以内の場合である。
請求項12に記載のライトガイドは、請求項1〜11のいずれかに記載のライトガイドと、前記光注入素子の光入射面に対向して配置される光源とを備えることを特徴とする。
請求項13に記載のライトガイドの製造方法は、請求項1〜12のいずれかに記載のライトガイドの製造方法であって、前記導光板と前記光注入素子との間に接着剤を塗布した後、前記導光板と前記光注入素子とを密着した際に、前記導光板と前記光注入素子との間よりはみ出た接着剤により前記補助構造を形成することを特徴とする。これにより、低コストで容易にライトガイドを製造できる。
請求項14に記載のライトガイドの製造方法は、請求項1〜12のいずれかに記載のライトガイドの製造方法であって、前記導光板と前記光注入素子との間に接着剤を塗布した後、前記光注入素の端面に密着するように、前記補助構造を設けることを特徴とする。前記補助構造は、組み付け前から固体であっても良いし、組み付け前は液体で、組み付け後に固体となってもよい。
光源としては、LEDや有機EL等の面状発光素子が好ましく、特に光学素子側の面がフラットであることが望ましく、更には表面実装型が望ましい。光源を実装する基板は高反射タイプであると良い。発光色は問わないが、レンズなど付随していないものが好ましい。
本発明によれば、製造容易性を確保しつつも、導光効率の低下を抑制できるライトガイド、光源装置及びライトガイドの製造方法を提供することができる。
本実施の形態にかかるライトガイドを含む光源装置の断面図である。 ライトガイドを上方から見た図であるが、斜面において、山の稜線は実線で示し、谷の稜線は点線で示す。 ライトガイドの斜視図である。 光洩れを低減し全反射を推進する形状を説明するための図である。 光注入素子の端面形状を示す図である。 ライトガイドの製造工程を説明するための図である。 補助構造13を、光注入素子11の端面11m及び導光板12の上面12cとそれぞれ直交する平面で切断した断面図である。 横軸にB/A(Aは端面11mに接する第1面13aの高さ、Bは上面12cに接する第2面13bの幅)をとり、縦軸に導光光量をとって示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかるライトガイドを含む光源装置の断面図であり、図2は、ライトガイドを上方から見た図である。図3は、ライトガイドの斜視図である。
図1において、光源装置は、ライトガイド10と、LED光源20と、カバー30とを有する。ライトガイド10は、光注入素子11と、導光板12と、補助構造13とからなる。ガラス又は樹脂製の導光板12は、透明な薄いシート状であって、下面(第二主面)12b側の表面に、光注入素子11に対向する領域の外の領域にドット状の拡散反射材12aを印刷してなる。
図3において、光注入素子11の厚み方向を上下方向(Y方向)とし、光注入素子11の幅方向を左右方向(X方向)とし、X、Y方向に直交する方向をZ方向とする。光注入素子11は、例えば金型により成形された略三角柱状の形状であり、入射面(光入射面)11aと、出射面11bと、斜面11cと、側面11d、11eと、入射面11aに対向して並行する端面11mとを有している。端面11mは、図2の方向から見てストレート形状でも良いし円弧状でも良い。斜面11cは、入射面11aから離れるに連れて、出射面11bに接近するようになっている。また斜面11cは、互いに交差する一対の細長い傾斜面(これを光洩れ低減形状、筋状の凹凸部又はプリズムという)11g、11hを放射状に複数対設けており、一対の傾斜面11g、11hの交差部(これを山の稜線又はプリズムの頂点という)11iが入射面11a側から(好ましくはLED光源20の発光中心から)放射状に延在するようにしている。また、隣接し合う対の傾斜面11h、11g同士の交差部を谷稜線11jと規定する。
入射面11aはLED光源20の出射面20a(図1参照)に接触又は近接配置されている。一つの山のピッチは、入射面11a側で小さく、また入射面11aから離れるにつれて大きくなるように形成されている。尚、斜面11cの形状としては、特開2008−16432号公報又は特開2008−15467号公報の光洩れ低減形状を用いることができる。
本実施の形態において、端面11mは、ひさしなどを設けることなく、出射面11bと斜面11cとに直接交差していると好ましい。
光注入素子11の出射面11bは、後述するようにして、接着剤BDを介して導光板12の上面(第一主面)12cに接着されている。遮光素材からなるカバー30は、LED光源20を保持すると共に、LED光源20の外側を覆っている。
ガラス又は樹脂製の補助構造13は、図3に示すような三角柱構造(端面11m、上面12cと直交する平面で切断された断面が三角形状)を有し、光注入素子11の端面11mに接する第1面13aと、導光板12の上面12cに接する第2面13bと、第1面13a及び第2面13bに交差する第3面13cとを有する。第3面13cは、平面でも上凸の曲面でも下凸の曲面でも良いし、局部的に形状を変化させても良い。第1面12cの高さh(図3)は、端面11mの最も厚い部分の厚さt(図5)と等しいか、それ以上であると好ましい。
光源装置の動作を説明する。図1に一点鎖線で光路の例を示すが、LED光源20から出射した光は、導光板12の端面から入射するものもあるが、その多くは光注入素子11の入射面11aから入射した後、一部が斜面11cで全反射する。その後、出射面11bから出射した光は、上面12cを介して導光板12に入射し、その下面12bで全反射した後、再び出射面11bから入射して、斜面11c(一部は補助構造13の第3面13cで)全反射し、出射面11bから出射して導光板12に入射し、導光板12の上下面で全反射しながら進行する。一方、入射面11aから入射した別の光は、端面11mから出射し補助構造13の第1面13aから入射して、第3面13cで全反射する。その後第2面13bから出射し、出射面11bを介して導光板12内に入射し、その後は導光板12の上下面で全反射しながら進行する。導光板12内を導光する光が下面12bの拡散反射材12aで反射した時に、一部の光の反射方向が変わり上面12cから出射することで面発光を行うようになっている。つまり、LED光源20から出射した光の多くは、光注入素子11の斜面11c又は補助構造13の第3面13cと、導光板12の下面12bとで全反射を繰り返しながら、薄い導光板12の厚み内に注入され、導光板12全体に伝播されることとなる。
ここで、光注入素子11の斜面11cで全反射が生じる理由について説明する。図4は、光洩れを低減し全反射を推進する形状を説明するための図である。図4において、不図示のLED光源の中心を通り、出射面11bに直交する面としてYZ平面(仮想平面とする)を定める。ここで、点線で示す斜面11C’が導光板12の下面12bに対して入射面側から離れるに従って接近するように(つまりZ方向にのみ)傾斜しているものとする。かかる場合、YZ平面の手前側の縁から出射され、YZ平面に沿って進む光は、入射角が小さい間は全反射条件が成り立つため、点線矢印で示すように点Aにおいて斜面11C’により反射され、続いて点B’において出射面11bにより反射され、反射後においてもYZ平面から離れることはない。しかるに、斜面11C’が光の進行方向において出射面11bに接近するように傾斜していると、点Aにおける入射角θ1よりも、点Bにおける入射角θ2’の方が大きくなる。従って、反射を繰り返すうちに、いずれかの入射角が閾値を超えると全反射条件が崩れ、光は斜面11C’又は下面12bを通過して外部に洩れ出す恐れがある。
そこで、光洩れを低減し全反射を推進する形状として、光の進行方向のみならず、右側面側にも狭くなるように(つまりZ方向及びX方向に)傾斜した斜面11Cを設けた構成を考える(実線参照)。図4の例では、斜面11C’、11Cの交差位置において、YZ平面が交差しているものとする。かかる構成によれば、YZ平面の手前側の縁から出射され、YZ平面に沿って進む光は、実線矢印で示すように点Aにおいて斜面11Cにより反射され、続いて点B’とは異なる点Bにおいて下面12bにより反射されるが、点BはYZ平面内に存在していない。これを言い換えると、点Aにおいて斜面11Cにより反射された光は、YZ平面に直交するX方向成分を持ち、YZ平面から離れる方向に進み、点B’より離れた点Bに入射することとなる。従って、斜面11C’を用いた場合も、斜面11Cを用いた場合も、点Aにおける入射角θ1が同一であるとした場合、点Bにおける入射角θ2は、点B’における入射角θ2’よりも小さくなり、これによって、斜面11Cを用いた場合には斜面11C’を用いた場合より反射を繰り返しても全反射条件を満たす可能性が高まることとなる。
但しこの効果は、YZ平面に沿って、或いはYZ平面内に平行な平面に沿って、斜面11Cに入射する光線、つまりY方向及びZ方向の成分のみをもつ入射光線に限られるものではない。Y方向、Z方向に加えX方向の成分をもつ入射光線についても同様の効果が得られる。すなわち、入射光線のY方向成分の一部又は全てが斜面11CによってX方向又はZ方向に変換される結果、光線が全反射条件を満たす可能性が高まる。
このように、光洩れを低減し全反射を推進する形状は、光注入素子11の斜面11c及び導光板12に下面12bのいずれか一方を、側面11d又は11e側で上下方向(高さ方向)の幅が狭くなる方向に一様に傾斜させることだけでも、その機能を発揮できるが、光注入素子11の高さが増大してしまう。そこで、本実施の形態では、図3に示すように斜面11cの一部を変形させて、交差する一対の細長い傾斜面(これを筋状の凹凸又はプリズムという)11g、11hを複数対設けており、一対の傾斜面11g、11hの交差部(これをプリズムの頂点という)11iが放射状に延在するようにしているので、光注入素子11の厚みを薄くすることができるのである。
次に、ライトガイドの製造方法について説明する。図6は、ライトガイドの製造工程を説明するための図である。まず、光注入素子11と、導光板12を別個に製造する。このとき、導光板12の上面12cには、光注入素子11が載置される領域A及びその近傍B(補助構造13を形成する領域)に、下地処理としてプライマー処理を施す。これにより接着剤のヌレ性を制限できるので、不要なところで接着剤が固化することを抑制したり、接着剤により補助構造13を形成する場合には、その形状を制御したりできる。尚、領域A及びその近傍B以外の上面12cに、撥水処理を行っても良い。
プライマー処理は、処理をする対象に合わせた材料を用いて行い、ハケ、塗装、印刷(マット印刷、スクリーン印刷)などの手法によって作製可能である。又、接着する部材の面が曲面でも、プライマー処理を適用できることは明らかである。
その後、図6(a)に示すように、領域Aの中央に対してノズルNZからUV硬化樹脂BDを供給し、その上から光注入素子11を載置する。このとき光注入素子11の中央から外側に向かってUV硬化樹脂BDが押し出されるように広がるので、間に気泡等が残存することが抑制される。
その後、導光板12の下方よりUV光を照射する。導光板12を通過したUV光により、接着剤としてのUV硬化樹脂BDが硬化するので、光注入素子11が導光板12に接着されることとなる。ここで、光注入素子11により押し出されたUV硬化樹脂BDの一部は、端面11m側に回り込み、端面11mと上面12cとの間にまたがるようになる。この部分のUV硬化樹脂BDにもUV光が照射されるので、固化した後に補助構造13になるのである。
尚、本実施の形態で用いることが出来る素材の屈折率について、以下に列挙するが、これ以外にも種々の組み合わせを用いることができる。尚、屈折率の測定基準となる波長は、587.6nm(d線)である。
(1)
導光板:屈折率1.49 (素材はPMMA)
光注入素子:屈折率1.49 (素材はPMMA)
補助構造(接着剤):屈折率1.49 (素材は屈折率調製品高Tgタイプ、NTTアドバンステクノロジ社製)
(2)
導光板:屈折率1.59 (素材はPC)
光注入素子:屈折率1.59 (素材はPC)
補助構造(接着剤):屈折率1.58 (素材は製品名AT3279、NTTアドバンステクノロジ社製)
(3)
導光板:屈折率1.52 (素材はガラス)
光注入素子:屈折率1.52 (素材ガラス)
補助構造(接着剤):屈折率1.52 (素材は製品名3505,-HM、EMI社製)
(4)
導光板:屈折率1.49 (素材はPMMA)
光注入素子:屈折率1.49 (素材はガラス)
補助構造(接着剤):屈折率1.49 (素材は屈折率調製品高Tgタイプ、NTTアドバンステクノロジ社製)
別な製造方法によれば、光注入素子11を導光板12に接着した後に、形成したい補助構造13の第3面13cが、重力加速度方向を法線方向とするような角度で、光注入素子11と導光板12を固定した後、端面11mと上面12cとの間にUV硬化樹脂BDを供給し、UV光を照射することで固化することによって、補助構造13を作製することもできる。或いは、図3に示す補助構造13を金型から別個に成形した後に、端面11mと上面12cとの間に接着しても良い。
つまり、補助構造13はその構造が光を導光可能な素材から形成されていればよく、その作製手法にはよらない。例えば上記以外の方法では、端面11m、上面12cに直交する平面内において、光注入素子11の端面11m上端と、導光板12の上面12cにおける補助構造13を設けたい領域の端を結ぶような直線を成す金型を用いて、この金型内にUV硬化剤を流し込み、UV光を照射することで作製することが可能である。また、接着剤を塗布した面を適切な圧力をかけて接着することにより、接着剤をあふれさせるだけで補助構造13を作成できることは明らかである。またこのような場合、光注入素子11と導光板12の接着面に該当する領域Aでは、下地処理は施されていなくても良く、本発明はその領域における下地処理の有無には影響されない。さらに、光注入素子11と導光板12を接着後に、段差部分にUV硬化剤を塗布することによって、補助構造13を作製することも可能である。補助構造13内部には気泡や不純物などの光を散乱させるような粒子が入っていないことが望ましい。
本実施の形態によれば、端面11mと上面12cとの間に補助構造13を設けることで、端面11mから出射される光を、導光板12内に注入することができ、これにより導光効率を増大させることができる。
ここで、本発明者が行った検討結果について説明する。本発明者は、補助構造13の断面構造を変えた場合における、導光光量の変化について検討した。より具体的には、図7に示すように、補助構造13における、光注入素子11の端面11m及び導光板12の上面12cとそれぞれ直交する平面で切断された断面で、第3面13cが(a)凸形状、(b)ストレート形状、(c)凹形状の場合について、それぞれ導光光量の変化を求めた。
図8は、本発明者が行った計算結果であり、横軸にB/A(Aは端面11mに接する第1面13aの高さ、Bは上面12cに接する第2面13bの幅)をとり、縦軸に導光光量の増分をとって示すグラフであって、ランバート光源から100[lm]の光を放出させた際に、導光板内を伝搬する光量が増加した分をプロットしたものである。破線(a)は、図7(a)に示す断面に相当し、実線(b)は、図7(b)に示す断面に相当し、点線(c)は、図7(c)に示す断面に相当する。
図8より、B/Aが比較的長ければ(つまり上面12cの長さに余裕がある場合)、図7(b)に示す第3面が平面であると、最も導光光量が高まるので好ましいといえる。一方、B/Aが比較的短ければ、図7(c)に示す第3面が凹形状であるとき、最も導光光量が高まるので、上面12cの長さをとれない小型の導光板に好適なものといえる。更に、図7(a)に示す第3面が凸形状である場合、上と比べると導光光量は低下するが、補助構造13を接着剤で形成する場合には、その表面張力を用いて容易に形成できるので、コスト低減を図れる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、光注入素子の厚みを光源から遠ざかる代わりに薄くする代わりに、導光板の厚みを光源から遠ざかる代わりに薄くしてもよい。
10 ライトガイド
11 光注入素子
11a 入射面
11b 出射面
11c 斜面
11d、11e 側面
11g 傾斜面
11h 傾斜面
11j 谷稜線
11m 端面
12 導光板
12a 拡散反射材
12b 下面
12c 上面
13 補助構造
13a 第1面
13b 第2面
13c 第3面
20 光源
20a 出射面
30 カバー
40 反射板
BD 接着剤

Claims (14)

  1. 互いに対向する第一主面及び第二主面との間で導光を行う導光板と、前記導光板の第一主面の少なくとも一部に光透過可能に接触する光注入素子とを有するライトガイドであって、
    前記光注入素子は、光源からの光を入射する光入射面と、前記光入射面に対向し且つ前記導光板の前記第一主面に交差する端面とを有し、前記光入射面から入射した前記光源からの光を導光し、前記第一主面を介して前記導光板に光を注入してなり、
    更に、前記光注入素子の前記端面と、前記導光板の前記第一主面との間に設けられ、前記端面から出射した光を前記第一主面から前記導光板に注入する補助構造を有することを特徴とするライトガイド。
  2. 前記光注入素子は、前記光入射面から入射した光を、前記第一主面を介して前記導光板へと効率良く入射させるための光洩れ低減形状を、前記入射面と前記端面との間に備えることを特徴とする請求項1に記載のライトガイド。
  3. 前記補助構造は、前記端面及び前記第一主面に直交する平面で切断した断面が、三角形に近似できる形状を成すことを特徴とする請求項1又は2に記載のライトガイド。
  4. 前記補助構造は、前記端面及び前記第一主面に直交する平面で切断した断面において、前記端面に接する辺と、前記第一主面に接する辺以外の辺が凸形状を成すことを特徴とする請求項1又は2に記載のライトガイド。
  5. 前記補助構造は、前記端面及び前記第一主面に直交する平面で切断した断面において、前記端面に接する辺と、前記第一主面に接する辺以外の辺が凹形状を成すことを特徴とする請求項1又は2に記載のライトガイド。
  6. 前記補助構造は、前記光注入素子と前記導光板とを接着するためのUV硬化接着剤から成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のライトガイド。
  7. 前記光注入素子と前記導光板とを接着する前に、前記光注入素子との接着面よりも大きい範囲の前記第一主面に下地処理を施すことを特徴とする請求項6に記載のライトガイド。
  8. 前記光注入素子及び前記導光板のうち少なくとも一方は、前記光源から遠ざかるに連れて厚みが薄くなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のライトガイド。
  9. 前記光注入素子及び前記導光板のうち少なくとも一方は、ガラスからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のライトガイド。
  10. 前記光注入素子及び前記導光板のうち少なくとも一方は、樹脂からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のライトガイド。
  11. 前記光注入素子と前記導光板と前記補助構造が、ある波長域において同じ屈折率を有する物質から成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のライトガイド。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のライトガイドと、前記光注入素子の光入射面に対向して配置される光源とを備えることを特徴とする光源装置。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のライトガイドの製造方法であって、前記導光板と前記光注入素子との間に接着剤を塗布した後、前記導光板と前記光注入素子とを密着した際に、前記導光板と前記光注入素子との間よりはみ出た接着剤により前記補助構造を形成することを特徴とするライトガイドの製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載のライトガイドの製造方法であって、前記導光板と前記光注入素子との間に接着剤を塗布した後、前記光注入素の端面に密着するように、前記補助構造を設けることを特徴とするライトガイドの製造方法。
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