JPH0812442A - セラミック複合材スラリー及びその成形方法 - Google Patents

セラミック複合材スラリー及びその成形方法

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JPH0812442A
JPH0812442A JP6164465A JP16446594A JPH0812442A JP H0812442 A JPH0812442 A JP H0812442A JP 6164465 A JP6164465 A JP 6164465A JP 16446594 A JP16446594 A JP 16446594A JP H0812442 A JPH0812442 A JP H0812442A
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JP
Japan
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slurry
ceramic
composite material
layer
powder
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Application number
JP6164465A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nakamura
好男 中村
Shigeko Sugiyama
滋子 杉山
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑形状でセラミックス及び樹脂からなる成
形体を、光重合または架橋反応により効率的に形成する
ためのセラミック複合材用スラリーの提供。 【構成】 シラン化合物で表面処理したセラミックス粉
末、光重合性及び/または光架橋性を有する結合剤、並
びに、セラミックス粉末に対し0〜100重量部の溶媒
とからなるセラミック複合材用スラリー。また、前記セ
ラミック複合材用スラリーを用いることにより、所定に
スラリー層を形成し、光照射してセラミック−樹脂硬化
層を積層形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミック複合材用スラ
リー及びその成形方法に関し、特に、型材、各種モデル
等複雑形状でセラミックス及び樹脂からなる成形体を、
光重合または架橋反応により形成するためのセラミック
複合材用スラリー及びその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐熱性、耐薬品性、耐酸化性等の優れた
特性を有するセラミックス成形体は、従来、金型を用い
る乾式成形、石膏型のような吸水性の型を用いるスリッ
プキャスト成形、反応性スラリーを特定の型に充填し、
重合、架橋、凝集等の反応により固化させ成形する方法
等が知られている。これらはいずれも特定の形状の型を
用いて成形している。上記のように、従来技術の成形方
法は、通常、所定の成形型を用いて行うため、成形し得
る形状が制限され複雑な立体形状等の特定の形状を有す
る成形体は成形が難しい上、成形できたとしても均質性
に問題があったり、ひび、割れ等の欠陥が生じ易いため
成形歩留りが低い等の問題点があった。また、一般に金
型等成形型は高価であり、また長期使用により摩耗する
ため定期的な型交換が必要となる等のため、セラミック
ス製品のコストアップの一因ともなっている。発明者ら
は、先に、上記従来法によるセラミックスの成形の問題
に鑑み、高価な成形型を用いることなく、立体的セラミ
ックス成形体、特に複雑形状または特殊形状の成形体が
容易に歩留りよく成形できるセラミックスの光学的成形
方法を提案した(特願平5−144318号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記提案のセラミック
スの光学的成形方法は、セラミックス粉末、光重合性及
び/または光架橋性を有する結合剤並びに有機溶媒とか
ら成るスラリーを調製し、そのスラリーを用い光照射
し、所定形状のセラミックス及び樹脂から成る成形体を
得る方法であり、簡便、且つ、容易に、複雑な成形体を
均質よく得ることができ有用性が高い。しかし、セラミ
ックスの配合比率の高い、例えば、セラミックスが20
重量%以上のセラミックス複合材の製造を目的に、セラ
ミックスの配合比率を高めた場合、調製したスラリーの
粘性が高くなり、薄層のスラリー層の作製が困難とな
り、ひいては、光照射によりスラリー薄層を硬化形成し
て順次積層してセラミックス複合体の立体造形を行うこ
とが困難となるおそれが生じた。また、用いる結合剤の
種類によっては、スラリーが均一形成されず相分離を起
こすという問題も知見された。本発明は、上記知見に基
づき先に提案のセラミックスの光学的成形方法の適用性
をより広げることを目的に、特に、スラリー中のセラミ
ックス配合比率が高い場合も、均一、且つ、低粘性のス
ラリーを調製することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、シラン
化合物で表面処理したセラミックス粉末、光重合性及び
/または光架橋性を有する結合剤とからなることを特徴
とするセラミック複合材用スラリーが提供される。本発
明の上記セラミック複合材用スラリーが、更に、溶媒を
上記セラミックス粉末に対して100重量部以下添加し
てなることが好ましい。
【0005】更に、本発明によれば、上記のシラン化合
物で表面処理したセラミックス粉末、光重合性及び/ま
たは光架橋性を有する結合剤とからなり、また、要すれ
ば更に溶媒を上記セラミックス粉末に対し溶媒を100
重量部以下添加してなるセラミック複合材用スラリーを
用いて、所定形状のスラリー層を形成すると共に、該ス
ラリー層を光照射して硬化させてセラミック−樹脂硬化
層を形成し、該セラミック−樹脂硬化層の上に更にスラ
リー層を導入し硬化させて、セラミック−樹脂硬化層の
形成を順次行うことを特徴とするセラミック複合材の成
形方法が提供される。
【0006】
【作用】本発明は上記のような構成により、スラリーを
構成するセラミックス粉末が、その表面をシラン化合物
で処理されていることにより、セラミックス粉末粒子の
分散性が高められセラミックス粉末の配合比率の高い場
合でも、得られるスラリーの粘性が低下するため、光照
射によりセラミックスラリーを硬化させる薄層形成を円
滑に行うことができる。従って、光照射により硬化した
層上に、更にスラリー層を形成するスラリー硬化薄層の
積層が容易となり所望の立体成形が可能となる。更に、
セラミックス粉末粒子をシラン化合物で処理することに
より、その表面が疎水性となり、相対的に疎水性の高い
結合剤を用いてもセラミックスとの相溶性が改善され均
一なスラリーが得られ、結合剤の種類によらず相分離を
抑えることができる。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明に用いるセラミックス粉末は、スラリー調製に用いる
溶媒に対して安定であればよく特に制限されるものでな
い。一般に、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の酸化
物、炭化ジルコニウム等の炭化物、窒化アルミニウム、
窒化ケイ素等の窒化物等各種セラミックス粉末を用いる
ことができる。また、上記セラミックス粉末は、必要に
応じて、単一成分のみでなく混合物として用いることも
できる。好ましくは、表面が親水性の高いシリカ、アル
ミナ、ムライト等の酸化物系セラミックス粉末が特に有
効である。また、1回の照射で硬化させるセラミック層
の厚さは、スラリー中のセラミックス粉末の照射波長に
対する透光性が大きく反映され、光照射による成形を効
率よく行うためには、用いるセラミックス粉末が照射波
長に対して実質的に透光性であることが好ましい。例え
ば、紫外線を照射光源に用いる場合には、結晶セラミッ
クスのエネルギーギャップが3.8eV以上のセラミッ
クスが好ましい。本発明のセラミックス粉末の粒径は、
100μm以下、好ましくは50μm以下である。スラ
リーの分散安定性のためである。
【0008】本発明において、セラミックス粉末表面を
処理するシラン化合物としては、疎水性の高いアルキル
基、アリール基を有するアルコキシシラン化合物、クロ
ロシラン、シラザン等を用いることができる。アルコキ
シシランとしては、フェニルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン等を挙げることができる。クロロシ
ランとしては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニ
ルクロロシラン等を、また、シラザンとしてはヘキサメ
チルシラザンを挙げることができる。
【0009】セラミックス粉末表面の処理方法は、例え
ば、予め、上記セラミックス粉末とシラン化合物とを、
シラン化合物と反応しない溶媒中で混合して処理する方
法、スラリー調製時に直接シラン化合物を添加する方法
等の公知の通常のシラン化合物により表面処理して疎水
化する方法を適用することができる。表面処理における
セラミックス粉末に対するシラン化合物の使用量は、セ
ラミックス粉末の粒径または表面積に依存し、通常、セ
ラミックス粉末100重量部に対して0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部
未満であると疎水性への表面処理効果が十分得られず、
調製したスラリーの粘性低下が十分でなく、また均一性
も乏しい。一方、10重量部を超えるとスラリーの粘度
が逆に高くなる場合があり好ましくない。
【0010】本発明の光重合性及び/または光架橋性を
有する結合剤としては、エポキシアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレ
タンアクリレート系樹脂等のラジカル重合型光硬化性樹
脂、エポキシ樹脂等のカチオン重合系光硬化樹脂を挙げ
ることができ、それぞれのモノマー及び多官能性オリゴ
マーで構成することができる。光重合性及び/または光
架橋性を有する結合剤の添加量は、セラミックス100
重量部に対して2〜300重量部、好ましくは5〜20
0重量部である。結合剤の添加量が2重量部未満と少な
いと、硬化後、成形体を維持する力が弱く成形体が壊れ
易い。一方、結合剤が300重量部を超えて多いと、相
対的にセラミックスへの添加効果が減少し、またセラミ
ックスに焼成した場合、焼成時の収縮率の増大やセラミ
ックスの強度低下をもたらす。
【0011】上記の光重合性及び/または光架橋性の結
合剤を機能させるため、スラリーに添加する光重合開始
剤としては、通常の光重合に使用する開始剤、例えば、
ラジカル重合系ではアセトフェノン系、ベンゾインエー
テル系、ベンジルケタール系、ケトン系または解離基を
導入した水溶性開始剤等、また、カチオン系では芳香族
ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の開始剤が挙
げられる。また、光増感剤を添加して重合開始させるこ
ともできる。開始剤の光重合性樹脂に対する添加量は、
結合剤100重量部に対して0.5〜20重量部、好ま
しくは2〜15重量部である。
【0012】本発明のスラリーにおいては、使用する結
合剤の種類により分散剤の添加は必須ではないが、セラ
ミック粒子をスラリー中に長時間安定的に分散させるた
めには添加するのが好ましい。分散剤としては、使用す
る結合剤との相溶性の良いもので、通常公知の分散剤を
用いることができ、例えば、各種界面活性剤等を用いる
ことができる。
【0013】本発明において、セラミックスラリーを構
成する溶媒は必須ではないが、一般に光重合成及び/ま
たは光架橋性の結合剤は粘度が高いめ、溶媒の添加によ
りスラリーの粘性を適度な粘性に調節することが好まし
い。用いる溶媒は、スラリー中の他の構成成分及びセラ
ミックス粒子と反応することなく、使用する光硬化性及
び/または光架橋性結合剤、重合開始剤及び分散剤等の
添加物が可溶であるか、または、分散可能であり、且
つ、硬化のため照射する光波長の透過性の高いものであ
ればよく、特に制限されない。特に、揮発性が低く、且
つ粘性の低い溶媒が好ましい。例えば、n−ブタノー
ル、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、シュウ酸ジ
エチル、シュウ酸ジブチル、酢酸2−(2−エトキシエ
トキン)エチル等である。また、揮発性が低く、且つ低
粘性であれば重合性化合物、すなわち重合性希釈剤も用
いることができる。例えば、エトキシジエレグリコール
アクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリ
レート、メトキシジプロピレングリコールアクリレー
ト、重合度の低いポリエチレングリコールのジアクリレ
ート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノメタクリ
レート等を用いることができる。セラミックスラリーに
おける上記溶媒の添加量は、用いるセラミックス粉末粒
子及び光硬化性及び/または光架橋性結合剤の特性によ
り適宜選択することができる。通常、焼結助剤等の助剤
を含めたセラミックス粉末100重量部に対して0〜1
00重量部、好ましくは50重量部以下である。溶媒の
添加量が多いと、セラミックス−樹脂成形体の強度低
下、寸法安定性の低下、焼成した場合のセラミックスの
形状保持が困難となる。
【0014】上記の各構成成分を攪拌混合して調製した
本発明のセラミックスラリーを用い、所定形状に光照射
してセラミック−樹脂硬化層を順次積層して所定形状の
セラミック成形体を得ることができる。この場合、光照
射硬化成形は、各光照射操作毎に別途用意したスラリー
を供給して照射して硬化させセラミック−樹脂硬化層を
順次形成して積層することができる。また、セラミック
スラリーを所定容器内に所定量保持して、容器内のスラ
リー中で所定の板状体をスラリー表面から順次降下さ
せ、板状体上に所定の厚さにスラリーを導入して光照射
しセラミック−樹脂硬化層を形成する操作を繰返して、
セラミック−樹脂硬化層を積層することもできる。
【0015】スラリーを硬化させセラミック硬化層形成
のため照射する光としては、使用する結合剤の光特性に
応じて可視光、紫外光等種々の光を用いることができ
る。照射方法としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ラン
プ等を光源として用い、所定形状のマスクを通して照射
する方法、紫外線レーザ光等を用いて、所定の表面を照
射する方法が適用できる。また、照射光の強度や照射時
間は、セラミックス粉末の種類、粒径分布、光硬化性結
合剤の種類、セラミックスラリーの濃度、及び1回の照
射で硬化形成するセラミック−樹脂硬化層の厚さ等によ
り適宜選択することができる。通常、200〜1000
μmの厚さのセラミック−樹脂硬化層を1回の照射で成
形するには、前記したセラミックス粉末量と溶媒量とに
よる濃度のスラリー層を厚さ200〜1000μmの範
囲で形成して、光源として紫外線ランプを用いて、30
秒間照射して硬化形成することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるも
のでない。 実施例1 一級エタノール300mlに平均粒径0.5μmのシリ
カ粉末200gを分散させ、更にシラン化合物としてγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5gを添
加し、ポリエチレン製のポット及びナイロン製のボール
からなるポットミルを用いて室温下、10時間撹拌し
た。得られたスラリーからエバポレターを用いて溶媒エ
タノールを除去し、シラン化合物で表面処理した乾燥シ
リカ粉末を得た(表面処理の間接法とする)。結合剤と
して市販の重合開始剤を含む光硬化性樹脂(商品名:S
N−5X−1641、サンノプコ社製)45g、分散剤
としてポリオキシソルビタンモノステアレート1.5g
をn−ブタノール50mlに添加して均一な溶液を調製
し、調製した溶液に、上記のようにして得られた表面処
理したシリカ粉末150gを撹拌しながら徐々に添加し
均一なスラリーを得た。得られたスラリーの粘性をB型
粘度計を用い、25℃にて測定した。結果を表1に示し
た。なお、上記シラン化合物のγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランは、表1中S−1と略して記載
する。
【0017】実施例2 シリカ粉末の表面処理を、シリカ粉末200gに対して
シラン化合物γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを10gとした以外は実施例1と同様にして表面
処理したシリカ粉末を得た。得られた表面処理シリカ粉
末を用い、実施例1と同様な配合比でスラリーを調製し
粘度を測定し、結果を表1に示した。
【0018】実施例3 シリカ粉末の表面処理を、シリカ粉末200gに対して
シラン化合物γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを1gとした以外は実施例1と同様にして表面処
理したシリカ粉末を得た。得られた表面処理シリカ粉末
を用い、実施例1と同様な配合比でスラリーを調製し粘
度を測定し、結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】実施例4 n−ブタノール50mlに、平均粒径0.5μmのシリ
カ粉末150g、実施例1で用いたシラン化合物γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン3g、実施例
1で用いた硬化性樹脂45g、及び、分散剤としてポリ
オキシソルビタンモノステアレート1.5gを添加し、
実施例1と同様なポットミルを用いて10時間撹拌し、
セラミックス粉末のシリカ粉末にシラン化合物表面処理
をすると同時に、均一なスラリーを調製した(表面処理
の直接法とする)。得られたスラリーの粘性を測定し、
結果を表1に示した。
【0021】実施例5 実施例4において、シリカ粉末の代わりにアルミナ粉末
を用いた以外は全く同様にして均一なスラリーを調製し
た。スラリーの粘性を測定し、結果を表1に示した。
【0022】実施例6 平均粒径0.5μmのシリカ200gに、トルエン30
0mlにヘキサメチルシラザン4gを溶解した溶液を添
加し、室温、窒素雰囲気下、マグネチックスタラーを用
いて8時間撹拌し、その後、エバポレターを用いてトル
エンを除去し乾燥して、表面処理したシリカ粉末を得
た。上記のようにして得られた表面処理シリカ粉末を用
いた以外は、実施例1と同様にして均一なスラリーを得
た。得られたスラリーの粘性を測定し、その結果を表1
に示した。なお、上記シラン化合物のヘキサメチルシラ
ザンは、表1中S−2と略して記載する。
【0023】実施例7 実施例1で用いたものと同じ結合剤100gに、実施例
1と同様にして得た表面処理済のシリカ粉末50gを添
加し、マグネチックスターラーを用いて暗所にて5時間
攪拌した。得られたスラリーの粘度を実施例1と同様に
測定した結果、スラリー粘度は250cpであった。
【0024】実施例8 実施例1で用いたものと同じ結合剤100gに、溶媒と
してエトキシジエチレングリコールアクリレート(EG
A)10ml、及び、実施例1と同様にして得た表面処
理済のシリカ粉末50gを添加し、マグネチックスター
ラーを用いて暗所にて5時間攪拌した。得られたスラリ
ーの粘度を実施例1と同様に測定した結果、スラリー粘
度は150cpであった。実施例7との比較から明らか
なように、セラミックス粉末を表面処理すると、溶媒未
添加でも粘度は低くなるが、溶媒を添加すると更に粘度
が低下することが分かる。
【0025】比較例1 シラン化合物の表面処理の効果を明らかにするため、未
処理のシリカ粉末を用いて光硬化性樹脂及び分散剤を含
む有機溶媒中へ分散して調製したスラリーの粘度を測定
した。実施例1で用いたシリカ粉末を表面処理すること
なく、そのまま用いた以外は、実施例1と同様にして均
一なスラリーを調製した。得られたスラリーは、粘性が
高く粘度の測定ができなかった。本比較例と実施例1〜
4及び6との比較から明らかなように、シラン化合物で
表面処理したシリカ粉末を用いて調製したスラリーは、
粘度が著しく低下することが分かる。
【0026】比較例2 実施例5で用いたアルミナ粉末を表面処理することな
く、そのまま用いた以外は、実施例5と同様にして均一
なスラリーを調製した。得られたスラリーの粘性を実施
例1と同様に測定し、結果を表1に示した。本比較例と
実施例5との比較から明らかなように、シラン化合物に
てアルミナ粉末を表面処理することにより、得られるス
ラリーの粘度を著しく低下させることができることが分
かる。
【0027】比較例3 実施例1で用いたものと同じ結合剤100gに、実施例
1で用いたシリカ粉末50gを表面処理することなく添
加し、マグネチックスターラーを用いて暗所にて5時間
攪拌した。得られたスラリーの粘度を実施例1と同様に
測定した結果、スラリー粘度は1440cpであった。
実施例7との比較から明らかなように、セラミックス粉
末を表面処理しないで用いた場合は、添加量を少なくし
てもスラリーの粘性が高いことが分かる。
【0028】実施例9 シラン化合物で表面処理したセラミックス粉末の分散性
を測定した。n−ブタノール50mlに、実施例1で用
いた結合剤の光硬化性樹脂45gと、分散剤としてポリ
オキシソルビタンモノステアレート0.75gを添加し
均一な溶液を調製した。得られた溶液から20ml採取
し沈降試験管に加え、更に、実施例1と同様にして表面
処理したシリカ粉末5gを添加し、超音波をかけて分散
させ均一なスラリーとし、その後、静置して沈降試験を
行った。その結果、48時間後でも殆ど沈降した粉末が
認められなかった。
【0029】比較例4 実施例1で用いたシリカ粉末を表面処理することなくそ
のまま用い、実施例9と同様にして沈降試験を行った。
その結果、得られた均一なスラリーは、48時間後、全
量の約55%にあたる24mmの高さまで粒子の沈積が
認められた。本比較例と実施例9とから明らかなよう
に、シリカ粉末をシラン化合物で表面処理することによ
り、得られるスラリーの安定性を著しく高められること
が分かる。
【0030】実施例10 実施例9と同様にシラン化合物で処理したセラミックス
粉末の分散性を測定した。n−ブタノール50mlに、
結合剤としてビスフェノールA−エポキシ樹脂のアクリ
レートを主成分とする光硬化性樹脂45g及び分散剤と
してポリオキシソルビタンモノステアレート1.5gを
添加、溶解し均一な溶液を調製した。上記のようにして
得られた溶液を用いた以外は実施例9と同様にして均一
なスラリーを調製して沈降試験を行った。48時間後
で、殆ど沈降した粉末は認められなかった。
【0031】比較例5 実施例1で用いたシリカ粉末を表面処理することなくそ
のまま用い、実施例10と同様にして沈降試験を行っ
た。その結果、得られた均一なスラリーは、48時間
後、全量の約18%にあたる8mmの高さまで粒子の沈
積が認められた。本比較例と実施例8との比較から明ら
かなように、シラン化合物により表面処理したシリカ粉
末を用いることにより、得られるスラリーの安定性を向
上させることが分かる。
【0032】実施例11 先ず、n−ブタノールの代わりにエトキシジエチレング
リコールアクリレートを用いた以外は、実施例1と同様
にしてスラリーを得た。次いで、図1に示した装置にお
いて、スラリー容器6に、上記で得られたスラリー15
0g加え、支持台3をスラリー表面下5000μmの位
置にセットし、100Wの高圧水銀ランプ1をスラリー
面より150mmの位置に設定し、厚さ1mmの石英板
に設けた直径15mm円形を穿設して作製した円形透過
面を有するマスク2を通して、紫外線照射を行った。照
射は30秒間行い、照射光をカットした後、移動手段で
支持台3を下げて、支持台3上に形成されたセラミック
−樹脂硬化層5を500μm下げ、同時に硬化層上にス
ラリーを導入し、同様に再び30秒紫外線を照射し、セ
ラミック−樹脂硬化層5上にセラミック−樹脂硬化層7
を形成積層して光をカットした。その後、更に、支持台
3を同様に500μm下げ、セラミック−樹脂硬化層7
を500μm下げ、紫外線を再照射した。上記の操作を
連続的に40回繰り返した。その結果、スラリーより円
柱状の成形体が取出された。得られた成形体をエタノー
ルで洗浄し未硬化のスラリーを除去した後、2日間空気
雰囲気下で乾燥した。その後、減圧下、30℃にて5時
間乾燥し、外径約16mm、長さ19mmの円柱棒状の
成形体を得た。得られた成形体の嵩密度を測定した結
果、1.6g/cm3 であった。上記のようにして得た
シリカ成形体を、空気雰囲気下、昇温速度300〜40
0℃/時で加熱昇温し1400℃で9時間保持して焼結
した。得られた焼結体の嵩密度は2.1g/cm3 であ
った。本発明のシラン化合物で表面処理したシリカ粉末
を用い、光重合性樹脂と共に調製したスラリーを所定方
法で光照射することにより、効率的にセラミック及び樹
脂からなる成形体を得ることができ、更に、焼成により
シリカ焼結体とすることができることが明らかである。
【0033】
【発明の効果】本発明はシラン化合物により表面処理し
たセラミックス粉末を用いることにより、光重合性及び
/または光架橋性を有する結合剤と共に、要すれば溶媒
を添加して調製した(1)セラミック複合材スラリーに
おいて、セラミックス粉末粒子の分散性が向上し、セラ
ミックス粒子の沈降が抑制され、且つ、スラリーの粘性
を低下させることができる。その結果、(2)セラミッ
クスラリーの薄層を光照射して積層成形する場合におい
て、セラミックス粉末の配合比率が高いスラリーでもス
ラリー層を薄く形成でき、光照射硬化を円滑に行うこと
ができ、(3)相対的にセラミックス含有量の高いセラ
ミックス−樹脂系複合材の成形体を製造できる。更に、
(4)得られるセラミックス複合材成形体を焼成するこ
とにより、相対的に高密度のセラミックス焼成体を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック複合材スラリーを用いてセ
ラミック複合材成形体を成形するために実施例において
用いた装置の概念的説明図
【符号の説明】
1 光源 2 照射用マスク 3 支持台 4 スラリー 5 セラミック−樹脂硬化層(第1) 6 スラリー容器 7 セラミック−樹脂硬化層(第2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シラン化合物で表面処理したセラミック
    ス粉末と光重合性及び/または光架橋性を有する結合剤
    とからなることを特徴とするセラミック複合材用スラリ
    ー。
  2. 【請求項2】 更に、溶媒を、前記セラミックス粉末に
    対して100重量部以下添加してなる請求項1記載のセ
    ラミック複合材用スラリー。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2記載のセラミック
    複合材用スラリーを用いて、所定形状のスラリー層を形
    成すると共に、該スラリー層を光照射して硬化させてセ
    ラミック−樹脂硬化層を形成し、該セラミック−樹脂硬
    化層の上に更にスラリー層を導入し硬化させて、セラミ
    ック−樹脂硬化層の形成を順次行うことを特徴とするセ
    ラミック複合材の成形方法。
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