JPH06329460A - セラミックスの光学的成形方法 - Google Patents

セラミックスの光学的成形方法

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JPH06329460A
JPH06329460A JP5144318A JP14431893A JPH06329460A JP H06329460 A JPH06329460 A JP H06329460A JP 5144318 A JP5144318 A JP 5144318A JP 14431893 A JP14431893 A JP 14431893A JP H06329460 A JPH06329460 A JP H06329460A
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JP
Japan
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ceramic
slurry
layer
weight
hardened
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Application number
JP5144318A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nakamura
好男 中村
Shigeko Sugiyama
滋子 杉山
Masato Ichinokura
正人 一ノ倉
Hideyasu Matsuo
秀逸 松尾
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐薬品性、耐酸化性等の優れた特性
を示すセラミックスの各種形状、特に複雑な立体形状の
成形体を、成形型を用いることなく簡便且つ容易に成形
し、得られるセラミックス体が均質であるセラミック成
形方法の提供。 【構成】 (a)セラミックス粉末100重量部、光硬
化性を有する結合剤0.5〜50重量部及び溶媒10〜
200重量部とからなるスラリーを調製する工程、
(b)前記スラリーを用い所定厚さのセラミックスラリ
ー層を形成し、光照射して、該スラリー層を硬化させて
セラミック硬化層とする工程、及び(c)前記(b)工
程で得られたセラミック硬化層上に、前記(b)工程と
同様の操作を連続的に所定回数繰返して行う工程からな
り所定形状にセラミック硬化層を順次積層してセラミッ
クス立体形状体を成形することを特徴とするセラミック
スの光学的成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、耐薬品性、耐酸
化性等の優れた特性を示すセラミックスの成形方法に関
し、更に詳しくは、光重合または光架橋反応を行う光硬
化性のセラミックス粉末スラリーを用いて光照射し光硬
化を活用して所定形状のセラミックス体を得るセラミッ
クスの光学的成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの製造工程には、焼結体の
特性に重要な影響を与えるセラミックス粉末の成形工程
が含まれている。従来、セラミックス粉末を用いる立体
的なセラミックス形状体の成形方法としては、所定形状
の成形型を用いて行う方法が一般的である。例えば、金
型を用いる乾燥粉末の乾式加圧成形、石膏型のような吸
水性の型を用いる粉末を含むスラリーのスリップキャス
ト成形、ゲル成形方法等反応性スラリーを特定の型に充
填し、重合、架橋、凝集等の反応により固化成形する方
法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記したように、従来の立体的セラミックス体の成形方法
は、いずれも特定型を用いるため成形し得る形状に、自
ずと限界があった。即ち、複雑な特別な形状を有する成
形体等は成形が難しい上、成形したとしても均質性に問
題があったり、ひび、割れ等の欠陥が生じ易いため成形
歩留りが低い等の問題点があった。また、一般に金型等
成形型は高価であり、また長期使用により摩耗するため
定期的な型交換が必要となる等のため、セラミックス製
品のコストアップの一因ともなっている。発明者らは、
上記従来法によるセラミックスの成形の問題に鑑み、高
価な成形型を用いることなく、立体的セラミックス成形
体、特に複雑形状または特殊形状の成形体が容易に歩留
りよく成形でき、得られる成形体が均質である成形方法
の提供を目的として、成形方法の全体的な再検討とセラ
ミックス成形材料等各種セラミックス技術、更に、異な
る技術分野での各種成形技術について鋭意検討した。特
に、成形技術での進展の著しいプラスチック分野につい
て再検討した。例えば、特開昭56−144478号公
報、特公昭63−40650号公報及び特開平3−10
4626号公報等で提案されている技術は、いずれも感
光性等光学的な反応性を有するプラスチック組成物を用
いて光造形により立体成形するものである。
【0004】しかし、これらはいずれもプラスチックの
成形に関するものであり、各種機械装置等の構造部材等
に使用可能な優れた機械的特性を有する実用的な成形体
を得ることはできない。また、特公昭63−40650
号公報には改質用材料としてセラミックス粉末の混入が
開示されているのみであり、セラミックス粉末を主成分
として光学的手法を用いるセラミックスの成形方法につ
いては未だ検討もされていない。特に、セラミックス製
品は最終的には通常、約800℃以上の高温にて焼結す
るため、添加する光学的反応成分の影響等も未知であ
る。そのため、発明者らは、更に上記プラスチック成形
技術を、セラミックス成形へ応用するために種々の検討
をした結果、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a)
セラミックス粉末100重量部、光硬化性を有する結合
剤0.5〜50重量部及び溶媒10〜200重量部とか
らなるスラリーを調製する工程、(b)前記スラリーを
用い所定厚さのセラミックスラリー層を形成し、光照射
して、該スラリー層を硬化させてセラミック硬化層とす
る工程、及び(c)前記(b)工程で得られたセラミッ
ク硬化層上に、前記(b)工程と同様の操作を連続的に
所定回数繰返して行う工程からなり所定形状にセラミッ
ク硬化層を順次積層してセラミックス立体形状体を成形
することを特徴とするセラミックスの光学的成形方法が
提供される。
【0006】また、(1)セラミックス粉末100重量
部、光硬化性を有する結合剤0.5〜50重量部及び溶
媒10〜200重量部とからなるセラミックスラリーを
容器内に保持する工程、(2)セラミックスラリー中
に、支持台をセラミックスラリー表面から所定の深さの
位置に設定する工程、(3)該容器内のセラミックスラ
リー表面に所定形状に光照射を行い、該スラリー表面の
一部を所定の深さまで硬化させる工程、(4)工程
(3)で形成されたセラミック硬化層を、該支持台を降
下させることによりセラミックスラリー表面から所定の
深さまで降下させて該硬化層表面上にセラミックスラリ
ーを導入する工程、(5)前記工程(3)及び(4)を
繰り返して所定形状にセラミック硬化層を順次積層して
セラミックス立体形状体を成形することを特徴とするセ
ラミックスの光学的成形方法が提供される。
【0007】
【作用】本発明は上記のように構成され、金型等の成形
型を用いることなく、光反応性の結合剤を所定量添加し
た所定粒径のセラミックス粉末スラリーを用いるため、
セラミックスラリー層を所望形状に光照射することによ
り、スラリー層が硬化してセラミック硬化層を形成する
ことができる。また、光硬化により得られたセラミック
硬化層上に、再びセラミックスラリー層の形成、光照
射、硬化、セラミック硬化層の形成を繰返し順次セラミ
ック硬化層を積層することができ、成形型を用いること
なく所望の立体形状のセラミック成形体を得ることがで
きる。従って、従来の型を用いる成形法では成形不可能
であった複雑形状等の成形体の成形も可能となる。ま
た、成形体が乾燥等において収縮する場合、従来法と異
なり型による収縮障害がなく自由に収縮できるため、ク
ラックの発生等を抑えることができる。また、成形体全
体が均質となると同時に、予め設計した所望の成形体を
得ることができ、ニアネット成形が可能である。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いるセラミックス粉は、スラリー調製に使用す
る溶媒に対して安定であればよく、特に制限されるもの
でない。例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ等の酸
化物、炭化ジルコニウム等の炭化物、窒化アルミニウ
ム、窒化ケイ素等の窒化物、またはこれらの混合物等の
各種セラミックスを用いることができる。また、セラミ
ックスラリー層を1回の光照射で硬化させることができ
るセラミックスラリー層の厚さは、スラリー中のセラミ
ックス粉末の照射波長に対する透光性により影響を受け
る。そのため、用いられるセラミックスは、照射波長に
対して実質的に透光性であるセラミックスが好ましい。
例えば、紫外線を照射光源に用いる場合には、結晶セラ
ミックスのエネルギーギャップが3.8eV以上のセラ
ミックスが好ましい。通常、アルミナ、ジルコニア、シ
リカ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、またはこれらの
混合物等が用いられる。本発明のセラミックス粉末の粒
径は、100μm以下、好ましくは50μm以下であ
る。セラミックスラリーの分散安定性のためである。
【0009】本発明で用いる光硬化性、即ち光重合性及
び/または光架橋性を有する結合剤としては、例えば、
エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポ
リエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系樹脂
等のラジカル重合型光硬化性樹脂、エポキシ樹脂等のカ
チオン重合系光硬化樹脂を挙げることができ、それぞれ
のモノマー及び多官能性オリゴマーで構成することがで
きる。また、例えば、直接的に光反応し架橋するスチリ
ルピリジニウム塩やスチルキノリニウム塩等を導入した
オリゴマー、比較的低分子量のポリマーを挙げることが
できる。光硬化性結合剤の添加量は、セラミックス10
0重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは3〜
30重量部である。結合剤の添加量が0.5重量部より
少ないと、硬化後、成形体の形態維持力が弱く成形体が
壊れ易い。一方、結合剤が50重量部を超えて多いと、
成形後の脱脂工程での時間が長くなり好ましくない。ま
た、セラミックスラリーを容器内に保持して、支持台上
のスラリー表面を光硬化させてセラミッス硬化層を順次
積層して成形する場合に、セラミックスラリーの粘性が
高くなり、セラミック硬化層上へのスラリー導入が困難
になる。本発明においては、光硬化性結合剤のみでも成
形体の形態を維持するための強度は十分であるが、必要
であれば通常のセラミックスの成形に用いられている結
合剤を添加併用することもできる。
【0010】上記光重合性結合剤を機能させるための光
重合開始剤としては、通常の光重合に使用する開始剤、
例えば、ラジカル重合系ではアセトフェノン系、ベンゾ
インエーテル系、ベンジルケタール系、ケトン系または
解離基を導入した水溶性開始剤等、また、カチオン系で
は芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の開
始剤が挙げられる。また、光増感剤を添加して重合開始
させることもできる。開始剤の光重合性樹脂に対する添
加量は、結合剤100重量部に対して0.5〜20重量
部、好ましくは2〜15重量部である。
【0011】本発明のセラミックスラリーを構成する溶
媒は、スラリーの他の構成成分及びセラミックス粒子と
反応することなく、使用する光硬化性の結合剤、重合開
始剤及び分散剤等の添加物が可溶であるか、または、分
散可能であり、且つ、硬化のため照射する光波長の透過
性の高いものであればよく特に制限がない。好ましく
は、特に、揮発性が低く、且つ粘性の低い溶媒がよい。
例えば、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキ
サノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン
等の炭化水素類、または水を用いることができる。本発
明において、分散剤はセラミックスラリーで使用する結
合剤の種類により添加の要否を選択することができる。
通常、スラリー中にセラミック粒子を長時間安定的に分
散させるため添加する。分散剤の種類は、使用する結合
剤との相溶性の良いもので、通常の分散剤を用いること
ができる。例えば、界面活性剤等を用いることができ
る。セラミックスラリーにおける上記溶媒の含有量は、
用いるセラミックス粒子及び光硬化性結合剤の特性によ
り適宜選択することができる。通常、焼結助剤等の助剤
を含有したセラミックス粉末100重量部に対して10
〜200重量部、好ましくは10〜100重量部の範囲
である。溶媒の含有量が、セラミックス粉末100重量
部に対して10重量部より少ないと流動性が低下し成形
が困難であり、一方、溶媒が200重量部より多いと流
動性は良いが、硬化積層成形後の成形体の強度が低く、
また、成形体密度が低く乾燥過程での収縮が大きい等不
都合が生じ、好ましくない。
【0012】上記の各構成成分を攪拌混合して調製した
光硬化性セラミックスラリーを用いて、所定形状に光照
射してセラミック硬化層を形成し、この硬化層を積層し
て、所望の立体形状のセラミック成形体を得ることがで
きる。成形は、各光照射操作毎にスラリー層を形成して
硬化して得たセラミック硬化層を積層してもよいし、ま
た、セラミックスラリーを所定容器内に所定量保持し
て、適宜板状体上に所定の厚さにスラリーを導入して所
望形状に板状体上のスラリーを光照射して硬化してセラ
ミック硬化層を形成し、板状体を降下して順次スラリー
をその上に導入させ、照射する操作を繰り返してセラミ
ック硬化層を積層することもできる。光硬化性セラミッ
クスラリーの光照射、硬化、セラミック硬化層の積層形
成してなるセラミック成形は、それぞれの成形条件に応
じて適宜選択することができる。
【0013】スラリーを硬化させセラミック硬化層形成
するのため照射する光としては、使用する結合剤の光特
性に応じて可視光、紫外光等種々の光を用いることがで
きる。照射方法としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ラ
ンプ等を光源として用い、所定形状のマスクを通して照
射する方法、紫外線レーザ光等を用いて、所定の表面を
照射する方法が適用できる。また、照射光の強度や照射
時間は、セラミックス粉末の種類、粒径分布、光硬化性
結合剤の種類、セラミックスラリーの濃度、及び1回の
照射で硬化形成するセラミック硬化層の厚さ等により適
宜選択することができる。通常、200〜1000μm
の厚さのセラミック硬化層を1回の照射で成形するに
は、前記したセラミックス粉末量と溶媒量とによる濃度
のスラリー層を厚さ200〜1000μmの範囲で形成
して、光源として紫外線ランプを用いて、30秒間照射
して硬化形成することができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき、更に詳細に
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。図1は、本発明のセラミックスラリーの硬
化積層セラミック成形のための一例の装置の概念的説明
図である。図1において、スラリー容器6に所定のセラ
ミックスラリー4を供給して保持し、所定形状のマスク
2を通して、水銀ランプ等の光源1からの照射光をセラ
ミックスラリー4の表面に照射する。セラミックスラリ
ー4内には予め支持台3を所定位置に設置し、支持台3
上に光照射によりセラミックスラリーを硬化させてセラ
ミック硬化層5を形成させる。セラミックスラリー4の
表面からの支持台3の上面までの深さは、前記したよう
に形成するセラミック硬化層厚さ、セラミックスラリー
4の光硬化性と照射時間により予め設定する。次いで、
任意方向精密移動手段(図示せず)を用い支持台3を降
下させて、支持台3上に形成されたセラミック硬化層5
をセラミックスラリー4中を所定距離降下させ、セラミ
ック硬化層5の上に周囲のセラミックスラリー4を導入
する。また、必要があれば、マスク2の形状を変え光照
射することもできる。図2は、2回目の光照射により第
2のセラミック硬化層が第1のセラミック硬化層上に形
成される状態を示した説明図である。即ち、図2におい
て第2のセラミック硬化層7が第1のセラミック硬化層
5上に形成される以外は図1と同様である。上記のよう
な操作を繰り返して行い、セラミックスラリー層を光硬
化して、セラミック硬化層を形成積層し立体形状のセラ
ミックス成形体を得ることができる。また、上記の例に
おいて、マスク形状を変化させてセラミック硬化層を積
層することにより、異なる断面を有する複雑立体形状の
セラミックス成形体を得ることができる。
【0015】実施例1 (光硬化性結合剤を含む溶液の調製)光重合開始剤とし
てヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4g、紫外
線硬化樹脂としてビスフェノールA−エポキシ樹脂のア
クリレートを主成分とする樹脂36g及び分散剤として
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート2gの
混合物をn−ブタノールに加え全重量を100gとし
た。 (セラミックスラリーの調製)平均粒径1.0μmのシ
リカ(SiO2 )粉末200gを、上記のように調製し
た光硬化性結合剤を含む溶液に添加し、ナイロン製ボー
ル及び光遮蔽したポリエチレン製ポットを用い室温下2
4時間攪拌混合した。得られたセラミックスラリーを容
器に移し、減圧下脱泡した。
【0016】(セラミックスラリーの光硬化積層成形)
図1に示したものと同様な装置のスラリー容器6に、上
記で得た脱泡後のセラミックスラリーを150g加え、
支持台3をセラミックスラリー表面下5000μmの位
置にセットし、100Wの高圧水銀ランプ1をスラリー
面より150mmの位置に設定し、厚さ1mmの石英板
に設けた直径15mm円形を穿設して作製した円形透過
面を有するマスク2を通して、紫外線照射を行った。照
射は30秒間行い、照射光をカットした後、移動手段で
支持台3を下げて、支持台3上に形成されたセラミック
硬化層5を1000μm下げ、同時に硬化層上にスラリ
ーを導入し、同様に再び30秒紫外線を照射し、セラミ
ック硬化層5上にセラミック硬化層7を形成積層して光
をカットした。その後、更に、支持台3を同様に100
0μm下げ、セラミック硬化層7を1000μm下げ、
紫外線を再照射した。上記の操作を連続的に40回繰り
返した。その結果、セラミックスラリーより円柱状の成
形体が取出された。得られた成形体をエタノールで洗浄
し未硬化のスラリーを除去した後、2日間空気雰囲気下
で乾燥した。その後、減圧下、30℃にて5時間乾燥
し、外径約16mm、長さ19mmの円柱棒状のシリカ
成形体を得た。得られたシリカ成形体の嵩密度を測定し
た結果、1.20g/cm3 であった。 (焼結)上記のようにして得たシリカ成形体を、空気雰
囲気下、昇温速度300〜400℃/時で加熱昇温し1
400℃で9時間保持して焼結した。得られた焼結体の
嵩密度は2.2g/cm3 であった。
【0017】実施例2 内径10mm、外径20mmの環状透過面を有するマス
クを用いた以外は、実施例1と同様にして、照射時間3
0秒、1回の降下ピッチ500μmで40回紫外線照射
及び支持台降下を繰り返した。その結果、管状の成形体
が得られた。実施例1と同様に洗浄した後、空気雰囲気
下2日間乾燥後、更に実施例1と同様に減圧乾燥し、内
径9mm、外径21mm、高さ18mmのシリカ成形体
を得た。嵩密度は、測定した結果、1.2g/cm3
あった。得られた管状成形体を実施例1と同様にして焼
結した。焼結体の嵩密度は2.1g/cm3 であった。
【0018】実施例3 水溶性重合開始剤として4−ベンゾイルベンジル−塩化
トリメチルアンモニウム4.0g及び水溶性光重合性モ
ノマーとしてポリエチレングリコールアクリレート40
gに純水を加え合計100gの溶液を調製した。次にこ
の溶液に分散剤としてポリカルボン酸塩型界面活性剤
2.4g及び実施例1で用いたものと同様のシリカ粉末
200gを加え、実施例1と同様にナイロン製ボール及
びポリエチレン製ポットを用い24時間攪拌混合しセラ
ミックスラリーを得た。得られたスラリーを脱泡した。
スラリーのpH値は7.5であった。実施例2と同様の
装置及び光照射マスクを用いて、照射時間30秒で、1
回の照射毎の支持台降下ピッチを750μmにして、連
続的に40回、照射と支持台降下を繰り返した。その結
果、円管状の成形体を得て、純水で未硬化スラリーを洗
浄除去した。その後、空気雰囲気下で2日間乾燥後、更
に実施例2と同様に減圧乾燥し、内径約8mm、外径約
23mm、長さ29mmの管状シリカ成形体を得た。そ
の嵩密度を測定した結果、1.24g/cm3 であっ
た。得られた成形体を実施例1と同様にして焼結した。
焼結体の嵩密度は1.92g/cm3 であった。
【0019】実施例4 正方形環状で外形辺長さ20mm、内形辺長さ10mm
のマスクを用いた以外は、実施例3と同様にして四角形
の管状成形体を得て、実施例3と同様に洗浄、乾燥を行
い、管の内寸法9×9(mm)、外寸法23×23(m
m)、長さ23mmのシリカ角管成形体を得た。その嵩
密度を測定した結果1.2g/cm3 であった。得られ
た成形体を実施例1と同様にして焼結した。焼結体の嵩
密度は2.05g/cm3 であった。
【0020】実施例5 シリカ粉末の代わりに平均粒径1.5μmのα−アルミ
ナ(Al23 )200g及び分散剤としてポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル4gを用いた以外は、
実施例1と同様にスラリーを調製し、減圧脱泡後、照射
時間40秒、支持台降下ピッチ250μmの条件で50
回照射を繰り返して、円柱体を成形した。得られた円柱
状成形体を、実施例1と同様に洗浄、乾燥し、外径約1
6mm、長さ11mmのアルミナ円柱状成形体を得た。
その嵩密度を測定した結果、2.20g/cm3 であっ
た。得られた成形体を空気雰囲気下、毎時100℃の昇
温速度で加熱昇温し、1500℃にて1時間保持して焼
結した。得られた焼結体よりテストーピースを切り出し
焼結体の密度を測定した結果、3.2g/cm3 であっ
た。
【0021】実施例6 水溶性重合開始剤として4−ベンゾイルベンジル−塩化
トリメチルアンモニウム4.0g及び水溶性光重合性モ
ノマーとしてポリエチレングリコールアクリレート40
gに純水を加え合計100gの溶液を調製した。次にこ
の溶液に分散剤としてポリカルボン酸塩型界面活性剤4
g及び実施例5で用いたものと同様のアルミナ粉末40
0gを加え、実施例1と同様にナイロン製ボール及びポ
リエチレン製ポットを用い24時間攪拌混合しセラミッ
クスラリーを得た。得られたスラリーを脱泡した。スラ
リーのpH値は7.5であった。実施例1と同様の装置
及び光照射マスクを用いて、照射時間40秒で、1回の
照射毎の支持台降下ピッチを250μmにして、連続的
に50回、照射と支持台降下を繰り返した。その結果、
円柱状の成形体を得て、純水で未硬化スラリーを洗浄除
去した。その後、空気雰囲気下で2日間乾燥後、更に実
施例1と同様に減圧乾燥し、外径約17mm、長さ11
mmの円柱状アルミナ成形体を得た。その嵩密度を測定
した結果、2.15g/cm3 であった。得られた成形
体を実施例5と同様にして焼結した。焼結体の嵩密度は
3.14g/cm3 であった。
【0022】
【発明の効果】本発明は、セラミックス粉末、光硬化性
を有する結合剤および溶媒とから成るセラミックスラリ
ーの特定表面に光照射を行い、スラリーを硬化させセラ
ミック硬化層を形成する操作を連続的に行い、光照射に
より硬化した特定形状の断面を有する硬化層を積層し連
続体を形成させ所定の立体形状にセラミックス粒子を成
形する方法である。従って、研磨、研削等の後加工が不
要となり、作業上簡便化される。更に、当然ながら型を
必要としないため、特定の成形体毎に型を作製する必要
もないため、型作製に要する時間、費用を軽減でき、工
業上極めて有用である。本発明の効果は、下記のように
まとめることができる。 (1)石膏型のような吸水、吸溶媒用の型を用いる必要
がないため、成形時において型の制約がなく自由に、容
易に複雑な形状の成形が可能である。 (2)予め設計通りの成形が可能であり、ニアネット成
形ができる。 (3)成形後の後加工の必要がないため、原料セラミッ
ク粉末等が低減できる。 (4)金型、石膏等の型を必要としないため、型作製時
間が不要となり、短時間での所定形状の成形が可能であ
り、型作製費用を軽減できる。その上、大型の金型、石
膏型等の取扱いにおける過度な作業を要しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックスラリーの硬化積層セラミ
ック成形のための一例の装置の概念的説明図である。
【図2】第2のセラミック硬化層が第1のセラミック硬
化層上に形成される状態を示した説明図である。
【符号の説明】
1 光源 2 照射用マスク 3 支持台 4 スラリー 5 セラミック硬化層(第1) 6 スラリー容器 7 セラミック硬化層(第2)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 秀逸 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミックス 株式会社開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)セラミックス粉末100重量部、
    光硬化性を有する結合剤0.5〜50重量部及び溶媒1
    0〜200重量部とからなるスラリーを調製する工程、
    (b)前記スラリーを用い所定厚さのセラミックスラリ
    ー層を形成し、光照射して、該スラリー層を硬化させて
    セラミック硬化層とする工程、及び(c)前記(b)工
    程で得られたセラミック硬化層上に、前記(b)工程と
    同様の操作を連続的に所定回数繰返して行う工程からな
    り所定形状にセラミック硬化層を順次積層してセラミッ
    クス立体形状体を成形することを特徴とするセラミック
    スの光学的成形方法。
  2. 【請求項2】 前記セラミック粉末が、光照射波長に対
    して実質的に透光性である請求項1記載のセラミックス
    の光学的成形方法。
  3. 【請求項3】 (1)セラミックス粉末100重量部、
    光硬化性を有する結合剤0.5〜50重量部及び溶媒1
    0〜200重量部とからなるセラミックスラリーを容器
    内に保持する工程、(2)セラミックスラリー中に、支
    持台をセラミックスラリー表面から所定の深さの位置に
    設定する工程、(3)該容器内のセラミックスラリー表
    面に所定形状に光照射を行い、該スラリー表面の一部を
    所定の深さまで硬化させる工程、(4)工程(3)で形
    成されたセラミック硬化層を、該支持台を降下させるこ
    とによりセラミックスラリー表面から所定の深さまで降
    下させて該硬化層表面上にセラミックスラリーを導入す
    る工程、(5)前記工程(3)及び(4)を繰り返して
    所定形状にセラミック硬化層を順次積層してセラミック
    ス立体形状体を成形することを特徴とするセラミックス
    の光学的成形方法。
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