JPH0987028A - 炭化珪素−炭素焼結体及び炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法 - Google Patents

炭化珪素−炭素焼結体及び炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法

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JPH0987028A
JPH0987028A JP7270567A JP27056795A JPH0987028A JP H0987028 A JPH0987028 A JP H0987028A JP 7270567 A JP7270567 A JP 7270567A JP 27056795 A JP27056795 A JP 27056795A JP H0987028 A JPH0987028 A JP H0987028A
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silicon
slurry
liquid
silicon carbide
thin layer
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JP7270567A
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Yoshio Nakamura
好男 中村
Hideyasu Matsuo
秀逸 松尾
Yushi Horiuchi
雄史 堀内
Masatoshi Onishi
正俊 大西
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化珪素−炭素焼結体及び炭化珪素−シリコ
ン複合材料を任意形状で、容易に安価に製造する方法の
提供。 【構成】 (a)含珪素化合物及び光硬化性樹脂を含有
し、要すれば更に溶媒を含有する含珪素化合物及び光硬
化性樹脂含有液体またはスラリーを調製する工程、
(b)前記工程(a)で調製した含珪素化合物及び光硬
化性樹脂含有液体またはスラリーに光を照射して硬化成
形する工程、及び(c)前記工程(b)で成形した硬化
成形体を、不活性雰囲気下で加熱焼成して炭化珪素−炭
素焼結体を形成する工程を有する炭化珪素−炭素焼結体
の製造方法。前記炭化珪素−炭素焼結体の製造方法にお
いて、更に、(d)前記工程(c)で得られた焼成体に
シリコンを含浸させる工程を有する炭化珪素−シリコン
複合材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化珪素−炭素焼結
体及び炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法に関し、
更に詳しくは、含珪素化合物と共に結合剤及び炭素源と
して光重合性または光架橋反応性を有する光硬化性樹脂
を用い光照射により硬化して所定形状の成形体を形成
し、炭化珪素−シリコン複合材料の前駆体である炭化珪
素−炭素焼結体及び耐熱性、耐薬品性、耐酸化性等の特
性に優れる炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素は、高硬度で機械的強度が大き
く、耐酸化性、耐熱衝撃性にも優れ、各種工具や高熱処
理が繰り返される各種装置の部材に広く用いられてお
り、その複合材料も種々提案されている。炭化珪素−シ
リコン複合材料は、通常、炭化珪素及び炭素からなる焼
結体を形成し、その焼結体にシリコンを含浸等して製造
する。炭化珪素焼結体は、一般に、炭化珪素粉末を成形
し、成形体を焼成して製造される。この場合、焼結体の
特性は、炭化珪素成形体に依存し、成形体物性が大きく
影響する。従来、炭化珪素複合材料の製法においては炭
化珪素粉末の結合剤及び/または炭素源として炭素粉末
自体や炭化度の高いフェノール樹脂、フラン樹脂などが
用いられ、かつその成形に際しては特定の型を用いるC
IP(冷間等方加圧)成形法や石膏型のような吸水性の
型を用いる鋳込み成形法などが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、従
来の炭化珪素複合材の成形体の製造は、上記のように、
いずれも特定の成形型を用いて行われるため、成形し得
る形状に自ずと限界があり、特別な複雑形状の成形体の
製造は容易でない。また、成形できた場合でも均質性に
問題があったり、ひびや割れ等の欠陥が生じ易く成形歩
留が低い等の種々の問題もある。更に、一般に金型等の
成形型は高価であり、また長期的使用においては摩耗す
るため、定期的な成形型の交換が必要となっており、こ
れが製品のコストアップの一因ともなっている。本発明
は、上記従来の炭化珪素複合材料の製造における問題に
鑑み、高価な成形型を用いることなく、容易に立体的成
形体、特に複雑形状または特殊形状の炭化珪素複合材料
を歩留まりよく成形でき、且つ、得られる成形体が均質
である成形方法の提供を目的とする。これら目的のた
め、発明者らはセラミックスの成形方法を全体的に再検
討すると共に、セラミックスの成形材料を始め各種セラ
ミックス技術についても見直し、更に、異なる技術分野
での各種の成形技術について鋭意検討した。特に、成形
技術での進展の著しいプラスチック分野について再検討
した。例えば、特開昭56−144478号公報、特公
昭63−40650号公報、特開平2−252765号
公報及び特開平3−104626号公報等では、感光性
等の光学的反応性または熱反応性を有するプラスチック
組成物を用いて光造形により立体成形する技術を提案す
る。これらの提案技術は、いずれもプラスチック成形に
関するものであり、各種機械装置等の構造部材等に使用
可能な優れた強度等の機械的特性を有し、且つ、耐熱性
等の特性も有し金属材料に取って代わり得る成形体を提
供するものでない。また、特公昭63−40650号公
報にはプラスチックスの改質用材料としてセラミックス
粉末の混入が開示されているが、セラミックス粉末を主
成分とするものでなく、セラミックスの成形において光
学的手法を用いる方法は未だ検討されていないのが現状
である。特に、セラミックス製品は最終的には通常、約
800℃以上の高温にて焼結するため、添加する光学的
反応成分の影響等も全く未知であった。
【0004】発明者らは、それらを検討しつつ、特に複
雑な形状の炭化珪素複合材の成形体の光学的成形法の確
立するため、更に上記プラスチック成形技術を、炭化珪
素複合材料の製法へ適用するために種々の検討をした。
その結果、プラスチック分野で盛んに行われている光造
形技術のセラミックス成形への適用研究を進める過程
で、先に特願平6−164465号、同6−25437
6号及び同6−256190号等で光学的セラミック成
形法を提案し、更に、同6−315982号においては
炭化珪素複合材の熱硬化的成形方法を提案した。本発明
は、これら光学的セラミック成形体の製造開発の一環で
あり、光硬化性樹脂を結合材として用い、含シリコン化
合物を分散させた樹脂に光を照射することにより樹脂中
に分散させた含珪素化合物が硬化し、かつその硬化体を
不活性雰囲気下熱分解することにより炭化珪素粉末と炭
素とからなる焼結体を形成すると同時に、この焼結体に
溶融シリコンを含浸することにより容易に炭素がシリコ
ンと反応し炭化珪素となり、結果として過剰のシリコン
と炭化珪素とから構成される緻密な炭化珪素−シリコン
複合材料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a)
含珪素化合物及び光硬化性樹脂を含有し、要すれば更に
溶媒を含有する含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体
またはスラリーを調製する工程、(b)前記工程(a)
で調製した含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体また
はスラリーに光を照射して硬化成形する工程、及び
(c)前記工程(b)で成形した硬化成形体を、不活性
雰囲気下で加熱焼成して炭化珪素及び炭素とからなる焼
結体を形成する工程を有することを特徴とする炭化珪素
−炭素焼結体の製造方法が提供される。
【0006】また、本発明によれば、(a)含珪素化合
物及び光硬化性樹脂を含有し、要すれば更に溶媒を含有
する含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラ
リーを調製する工程、(b)前記工程(a)で調製した
含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリー
に光を照射して硬化成形する工程、(c)前記工程
(b)で成形した硬化成形体を、不活性雰囲気下で加熱
焼成して炭化珪素及び炭素とからなる焼成体とする工
程、及び(d)前記工程(c)で得られた焼成体にシリ
コンを含浸させることを特徴とする炭化珪素−シリコン
複合材料の製造方法が提供される。
【0007】上記本発明の炭化珪素−炭素焼結体及び炭
化珪素−シリコン複合材料の製造方法において、前記工
程(b)が、(1)前記含珪素化合物及び光硬化性樹脂
含有液体またはスラリーを薄層状に形状化して液体また
はスラリー薄層を形成し、光を照射し成形硬化して第1
硬化薄層とする工程、(2)前記工程(1)で成形硬化
した硬化薄層の上部または下部に、更に、前記含珪素化
合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリーを導入し
て液体またはスラリー薄層を形成する工程、(3)前記
工程(2)で形成した液体またはスラリー薄層に光照射
し成形硬化せしめ、前記第1硬化薄層に第2硬化薄層を
積層する工程、及び(4)前記工程(2)及び(3)を
繰返し、順次、硬化薄層を積層して硬化積層体を形成す
る工程から構成される一連の工程を有して構成されるこ
とが好ましく、また、前記工程(1)において形成され
る液体またはスラリー薄層が、所定容器内に保持される
含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリー
の液面で形成されることが好ましい。
【0008】本発明は上記のように構成され、炭化珪素
複合材の製造に必須な珪素源として含珪素化合物を用
い、さらに結合剤及び炭素源として光硬化性樹脂を用
い、且つその成形に際して光照射による樹脂の硬化特性
を活用し、金型等の成形型を用いることなく成形する方
法であることから、従来の型を用いる成形法では成形不
可能であった複雑形状等の成形体の成形も可能となる。
また、含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはス
ラリー中の光硬化性樹脂は、成形体の結合剤として作用
すると同時に、硬化成形体を不活性雰囲気下で加熱焼成
することにより炭化され、炭化珪素−炭素焼結体を形成
すると共に、その焼結体をシリコンで所定条件下にて処
理することにより、炭化珪素粉末粒子間の炭素が炭化珪
素化され、最終的に炭化珪素と余剰のシリコンとから構
成される緻密な炭化珪素−シリコン複合材料とすること
ができる。更に、成形体が乾燥等において収縮する場
合、従来法とは異なり成形型による収縮障害がなく自由
に収縮できるため、クラックの発生等を抑えることがで
きる。また、成形体全体が均質となると同時に、予め設
計した所望の成形体を得ることができ、ニアネット成形
が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の含珪素化合物としては、シロキサンオリ
ゴマー、ポリマー等の液状シリコーンや球状シリコーン
を用いることができる。また、重合性の官能基である二
重結合やエポキシ基を有するシロキサンオリゴマーも用
いることができ、具体的には、例えば1,3−ビス(3
−グリシドキシプロピル)1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、α,ω−ビス(3−グリシドキシプロ
ピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−メ
タクロキシプロピル)1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン、α,ω−ビス(ビニル)ポリジメチルシロ
キサン等が用いられる。
【0010】本発明で用いる光硬化性を有する結合剤と
しては、光硬化性、即ち光重合性及び/または光架橋性
を有する結合剤で例えば、エポキシアクリレート、ポリ
エーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウ
レタンアクリレート系樹脂等のラジカル重合型光硬化性
樹脂、エポキシ樹脂等のカチオン重合系光硬化樹脂を挙
げることができる。光硬化性を阻害しない範囲で炭化珪
素、シリカなどの粉末や炭化度の高い樹脂を添加するこ
ともできる。光硬化性結合剤の添加量は、含珪素化合物
100重量部に対して50〜300重量部、好ましくは
80〜250重量部である。結合剤の添加量が50重量
部より少ないと、含珪素化合物が光重合性でない場合、
硬化後、成形体の形態維持力が弱く成形体が壊れ易く、
また、珪素化合物の炭化珪素への炭化が充分でない等の
問題が生じる。一方、結合剤が300重量部を超えて多
いと、炭化工程において収縮率が大きくなり、寸法設定
が難しいなどの問題が生じる。本発明においては、光硬
化性結合剤のみでも成形体の形態を維持するための強度
は十分であるが、必要であれば通常のセラミックスの成
形に用いられている結合剤を添加併用することもでき
る。
【0011】上記光重合性結合剤を機能させるための光
重合開始剤としては、通常の光重合に使用する開始剤、
例えば、ラジカル重合系ではアセトフェノン系、ベンゾ
インエーテル系、ベンジルケタール系、ケトン系、ま
た、カチオン系では芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩等の開始剤が挙げられる。開始剤の光重合性
樹脂に対する添加量は、結合剤100重量部に対して
0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部であ
る。
【0012】本発明において、上記含珪素化合物が球状
樹脂や分子量が高く粘度が高い場合には、溶媒を添加し
てスラリーの粘度を調節することが好ましい。このため
に用いる溶媒としては、結合剤、重合開始剤、分散剤及
び炭化珪素粒子と反応することなく、相溶性が高く、さ
らに揮発性が低く、且つ粘性の低い溶媒が好ましい。例
えば、n−ペンタノール、n−ヘキサノール等のアルコ
ール類、シュウ酸ジエチル,シュウ酸ジブチル,酢酸2
−(2−エトキシエトキシ)エチルなどのエステル類で
ある。また揮発性が低く、且つ低粘性であれば重合性化
合物、すなわち重合性希釈剤も用いることができる。例
えば、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メ
トキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシ
ジプロピレングリコールアクリレート、重合度の低いポ
リエチレングリコールのジアクリレート、3−アクリロ
イルオキシグリセリンモノメタクリレートなど、また、
オクチレンオキサイド、ドデセンオキサイド、ブチルグ
リシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アル
キレングリコールジグリシジルエーレル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテルなどを用いることがで
きる。本発明において上記溶媒の含珪素化合物に対する
添加量は、目標とする混合液またはスラリーの粘度と光
硬化性結合剤の粘度、更に用いる溶媒の粘度等により適
宜選択することができる。通常、含珪素化合物に対する
溶媒の添加量は、5〜100重量部であり、溶媒を用い
た場合には一般に成形体の強度が低下するのでできるだ
け少ない使用量が好ましい。
【0013】本発明は、上記の各構成成分を撹拌混合し
て調製した光硬化性液体またはスラリーを用いて、光照
射して所定形状に硬化させ含珪素化合物と樹脂とからな
る成形体とすることができ、また、光照射して含珪素化
合物と樹脂とからなる所定形状の硬化層を形成し、この
硬化層を積層して、所望の立体形状の含珪素成形体を得
ることができる。成形は、各光照射操作毎に液体層もし
くはスラリー層を形成して硬化して得た含珪素樹脂硬化
層を積層してもよいし、また、光硬化性液体もしくはス
ラリーを所定容器内に所定量保持して、適宜板状支持体
上に所定の厚さにスラリーを導入して所望形状に板状体
上のスラリーを光照射して硬化し、薄層の炭化珪素硬化
層を形成した後、板状体を降下してスラリーをその硬化
層上部及び/または下部に順次導入し、光照射の操作を
繰り返し行い炭化珪素硬化層を順次積層することもでき
る。上記したスラリーの成形方式は、目的とする成形体
の形状やスラリー特性等の各成形条件に応じて適宜選択
することができる。
【0014】本発明において、含珪素化合物を含む光硬
化性液体またはスラリーを硬化させて硬化層を形成する
ため照射する光としては、使用する結合剤の光特性に応
じて可視光、紫外光等種々の光を用いることができる。
照射方法としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ等
を光源として用い、所定形状のマスクを通して照射する
方法、紫外線レーザ光等を用いて、所定の液体またはス
ラリー表面をX−Y軸制御等を行いながらレーザ光走査
する等の方法が適用できる。また、照射光の強度や照射
時間もしくは走査速度、走査間隔は含珪素化合物及び光
硬化性樹脂の種類、含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有
液体またはスラリーの濃度、及び1回の照射で硬化形成
する硬化層の厚さ等により適宜選択することができる。
【0015】本発明において、上記のようにして得た含
珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリーの
硬化体は、メタノ−ル、エタノ−ル、アセトンなど低沸
点の溶媒にて洗浄し、洗浄溶媒を乾燥した後、次いで、
加熱焼成して有機化合物成分を炭化する工程に供して、
炭化珪素及び炭素を主成分とする炭化珪素−炭素焼結体
とすることができる。加熱焼成は、アルゴン、窒素など
の不活性ガス雰囲気下、約1500〜1800℃にて行
うことができる。本発明の液体またはスラリーの構成成
分の光硬化性樹脂の炭化は、約600〜900℃の焼成
温度範囲にて完了させることができ、1500〜180
0℃に昇温し、含珪素化合物の炭化珪素への変換を完結
させることができる。また、加熱焼成工程において、2
00〜600℃の範囲は光硬化樹脂の分解温度であり、
成形体の破損を防ぐため緩やかに昇温することが好まし
い。
【0016】上記のようにして加熱焼成により得られる
炭化珪素−炭素焼結体は、炭化珪素−シリコン複合材料
の前駆体として好適に用いることができる。本発明の炭
化珪素−シリコン複合材料は、前記したように本発明の
含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリー
を光照射により硬化成形して得た含珪素成形体を、上記
の不活性雰囲気下の加熱焼成により炭化されて得られた
炭化珪素−炭素焼結体を、更に、アルゴン等不活性雰囲
気下または真空下で溶融シリコンにて処理して製造する
ことができる。即ち、炭化珪素−炭素焼結体にシリコン
を含浸させることにより、炭素成分が含浸シリコンと反
応し炭化珪素に変換され、最終的に炭化珪素と余剰のシ
リコンとからなる炭化珪素−シリコン複合成材料を得る
ことができる。本発明のシリコン含浸処理は、炭化珪素
−炭素焼結体にシリコンを含浸できればよく、例えば、
溶融シリコンに炭化珪素−炭素焼結体を浸漬させたり、
または、接触させること等適宜選択して行うことができ
る。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
但し、本発明は、下記の実施例に制限されるものでな
い。図1は、本発明における含珪素化合物及び光硬化性
樹脂含有液体またはスラリーを紫外線レーザー照射して
薄層含珪素硬化層を積層して含珪素成形体を成形するた
めの一装置の概念的説明図である。図1において、スラ
リー容器3に所定の含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有
液体またはスラリー4(以下、単にスラリー4とする)
を供給して保持し、紫外線レーザーを適宜のビーム径に
てスラリー4の表面にX−Y制御等の方法により所定形
状に照射する。スラリー4内には予め支持台2を所定位
置に設置し、支持台2上に紫外線によりスラリーを硬化
させて第1硬化層5を形成させる。スラリー4の表面か
らの支持台2の上面までの深さは、前記したようにスラ
リー4の硬化性と照射強度、時間または走査速度により
予め設定する。次いで、Z軸精密位置制御装置(図示せ
ず)を用い支持台2を降下させて、支持台2上に形成さ
れた硬化層5をスラリー4中を所定距離降下させ、第1
硬化層5の上に周囲のスラリー4を導入する。図2は、
2回目の光照射により第2硬化層が第1硬化層上に形成
される状態を示した説明図である。即ち、図2において
第2硬化層6が第1硬化層5上に形成される以外は図1
と同様である。上記のような操作を繰り返して行い、含
珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリー層
を光硬化して、硬化層を形成積層し立体形状の含有珪素
成形体を得ることができる。
【0018】実施例1 (光硬化性樹脂を含む溶液の調製)光重合開始剤を含む
市販の脂肪族及び芳香族多官能アクリレート類から成る
光硬化性結合剤(サンノプコ社製、商品名SN−5X−
1641)234gに分散剤としてポリオキシエチレン
ソルビタンモノステアレート6gを添加して混合した。
【0019】(含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有スラ
リーの調製)平均粒径2μmの球状ポリシロキサン(東
芝シリコーン製)160gを、上記のように調製した分
散剤を含む光硬化性結合剤に添加し、ナイロン製ボール
及び光遮蔽したポリエチレン製ポットを用い室温下24
時間撹拌混合した。得られた含珪素化合物光硬化性スラ
リーを容器に移し、減圧下脱泡した。
【0020】(含珪素硬化性スラリーの紫外線レーザー
照射硬化積層成形)図1に示したものと同様な装置のス
ラリー容器3に、上記で得た脱泡後の含珪素化合物及び
光硬化性樹脂含有スラリーを150g加え、支持台2を
スラリー表面下200μmの位置にセットし、ヘリウム
・カドミウム系紫外線レーザー(最大出力10mW、波
長325μm、液面ビーム径0.1mm)をX−Y制御
により幅8mm、長さ40mmの面に走査速度6mm/
秒、走査間隔0.3mmで照射した。照射後、Z軸精密
位置制御装置により支持台2を下げて、支持台2上に形
成された含珪素硬化層5を200μm下げ、同時に含珪
素硬化層上にスラリーを導入し、再び紫外線レーザーを
同様に照射し、含珪素硬化層5上に含珪素硬化層6を形
成積層した。その後、更に、支持台2を同様に200μ
m下げ、含珪素硬化層6を200μm下げ、紫外線レー
ザーを同様に照射した。上記の操作を連続的に繰り返
し、含珪素化合物硬化性スラリーより板状の含珪素成形
体を取出し、得られた成形体をエタノールで洗浄し未硬
化のスラリーを除去した後、空気雰囲気下で乾燥し、厚
さ約8mm、縦横40mmの板状の含珪素成形体を得
た。得られた含珪素成形体の嵩密度を測定した結果、
1.18g/cm3 であった。
【0021】(焼成)上記のようにして得た含珪素成形
体を、アルゴン雰囲気下、600℃まで20時間を要し
て昇温炭化し、さらに10時間を要して1700℃に昇
温し、2時間保持して焼成し炭化珪素−炭素焼結体を得
た。
【0022】(含浸)得られた焼結体をカーボン紐を用
いて、真空条件下、1500℃に加熱し溶融したシリコ
ン中に浸漬し1時間保持した。シリコンが溶融した状態
で含浸体を引上げ、その後、炉を冷却した。カーボン紐
の切断及び表面のシリコンを除去し、厚さ約7mm、幅
33mm、長さ35mmの板状の炭化珪素−シリコン複
合材料を得た。密度は2.55g/cm3 であった。
【0023】実施例2 (含珪素化合物及び光硬化性結合剤を含む溶液の調製)
オニウム塩型の重合開始剤を含む市販のエポキシ系から
成る光硬化性結合剤1060gに希釈剤としてネオペン
チルグリコールグリシジルエーテル40g及び含珪素化
合物として1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン200gを
添加して均一に混合した。
【0024】(光硬化積層成形、焼成、含浸)以後、実
施例1と同様にして、厚さ8mm、縦横40mmの成形
体を得た後、焼成及びシリコン含浸を行ない嵩密度2.
6g/cm3 の炭化珪素−シリコン複合材料を得た。
【0025】
【発明の効果】本発明は、炭化珪素−炭素焼結体及び炭
化珪素−シリコン複合材料の製造において、分散媒体、
結合剤、及び炭素源として光硬化性樹脂さらに要すれば
溶媒とを用い、かつ珪素源として含珪素化合物を用い
て、含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラ
リーを調製し、その液体またはスラリーの特定表面に光
照射して液体またはスラリーを硬化させ含珪素硬化層を
形成して成形するものであり、また、特定形状の断面を
有するように光照射により含珪素薄層硬化層を形成し、
それらの含珪素薄層硬化層を積層連続体を形成させて、
所定の立体形状に含珪素硬化体を成形するもので、その
後、焼成して炭化珪素−炭素焼結体とし、更に炭化珪素
−炭素焼結体にシリコンを含浸させて炭化珪素−シリコ
ン材料とすることができる。従って、本発明において
は、特定の成形体毎に成形型を作製する必要もなく、型
作製に要する時間、費用を軽減でき、従来法により得ら
れる炭化珪素−シリコン複合材料に匹敵する特性を有
し、かつ複雑形状の炭化珪素−シリコン材料も製造で
き、本発明は工業上極めて有用である。また、本発明の
効果は、下記のようにまとめることができる。 (1)金型または石膏型のような吸水、吸溶媒用の型を
用いる必要がないため、成形時において型の制約がなく
自由に、容易に複雑な形状の成形ができる。 (2)金型、石膏等の型が不要なため、型作製時間が必
要でなく短時間で所定形状の成形が可能であり、型作製
費用を軽減できる。その上、大型の金型、石膏型等の取
扱い等の過度な作業を要しない。 (3)予め設計通りの成形が可能であり、ニアネット成
形ができる。 (4)成形後の後加工の必要がないため、含珪素化合物
等の原材料の低減が図れる。 (5)結合剤及び炭素源として、フェノール樹脂または
炭素粉末を用いる従来法による炭化珪素−シリコン複合
材の特性と同等な特性を有する炭化珪素−シリコン複合
材料を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有ス
ラリーの光照射による薄層含珪素硬化層の成形積層用の
一装置の概念的説明図である。
【図2】図1において、2回目の光照射により第2硬化
層が第1硬化層上に形成される状態を示した説明図であ
る。
【符号の説明】
1 紫外線レーザー 2 支持台 3 液体またはスラリー容器 4 液体またはスラリー 5 第1硬化層 6 第2硬化層
フロントページの続き (72)発明者 大西 正俊 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)含珪素化合物及び光硬化性樹脂を
    含有し、要すれば更に溶媒を含有する含珪素化合物及び
    光硬化性樹脂含有液体またはスラリーを調製する工程、
    (b)前記工程(a)で調製した含珪素化合物及び光硬
    化性樹脂含有液体またはスラリーに光を照射して硬化成
    形する工程、及び(c)前記工程(b)で成形した硬化
    成形体を、不活性雰囲気下で加熱焼成して炭化珪素及び
    炭素とからなる焼結体を形成する工程を有することを特
    徴とする炭化珪素−炭素焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(b)が、次の一連の工程を有
    して構成される請求項1記載の炭化珪素−炭素焼結体の
    製造方法。 (1)前記含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体また
    はスラリーを薄層状に形状化して液体またはスラリー薄
    層を形成し、光を照射し成形硬化して第1硬化薄層とす
    る工程、(2)前記工程(1)で成形硬化した硬化薄層
    の上部または下部に、更に、前記含珪素化合物及び光硬
    化性樹脂含有液体またはスラリーを導入して液体または
    スラリー薄層を形成する工程、(3)前記工程(2)で
    形成した液体またはスラリー薄層に光照射し成形硬化せ
    しめ、前記第1硬化薄層に第2硬化薄層を積層する工
    程、及び(4)前記工程(2)及び(3)を繰返し、順
    次、硬化薄層を積層して硬化積層体を形成する工程。
  3. 【請求項3】 前記工程(1)において形成される液体
    またはスラリー薄層が、所定容器内に保持される含珪素
    化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリーの液面
    で形成される請求項2記載の炭化珪素−炭素焼結体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 (a)含珪素化合物及び光硬化性樹脂を
    含有し、要すれば更に溶媒を含有する含珪素化合物及び
    光硬化性樹脂含有液体またはスラリーを調製する工程、
    (b)前記工程(a)で調製した含珪素化合物及び光硬
    化性樹脂含有液体またはスラリーに光を照射して硬化成
    形する工程、(c)前記工程(b)で成形した硬化成形
    体を、不活性雰囲気下で加熱焼成して炭化珪素及び炭素
    とからなる焼成体とする工程、及び(d)前記工程
    (c)で得られた焼成体にシリコンを含浸させることを
    特徴とする炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(b)が、次の一連の工程を有
    して構成される請求項4記載の炭化珪素−シリコン複合
    材料の製造方法。 (1)前記含珪素化合物及び光硬化性樹脂含有液体また
    はスラリーを薄層状に形状化して液体またはスラリー薄
    層を形成し、光を照射し成形硬化して第1硬化薄層とす
    る工程、(2)前記工程(1)で成形硬化した硬化薄層
    の上部または下部に、更に、前記含珪素化合物及び光硬
    化性樹脂含有液体またはスラリーを導入して液体または
    スラリー薄層を形成する工程、(3)前記工程(2)で
    形成した液体またはスラリー薄層に光照射し成形硬化せ
    しめ、前記第1硬化薄層に第2硬化薄層を積層する工
    程、及び(4)前記工程(2)及び(3)を繰返し、順
    次、硬化薄層を積層して硬化積層体を形成する工程。
  6. 【請求項6】 前記工程(1)において形成される液体
    またはスラリー薄層が、所定容器内に保持される含珪素
    化合物及び光硬化性樹脂含有液体またはスラリーの液面
    で形成される請求項5記載の炭化珪素−シリコン複合材
    料の製造方法。
JP7270567A 1995-09-25 1995-09-25 炭化珪素−炭素焼結体及び炭化珪素−シリコン複合材料の製造方法 Pending JPH0987028A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013047182A (ja) * 2012-10-24 2013-03-07 National Institute For Materials Science 炭化ケイ素の製造方法
US8617505B2 (en) 2007-12-27 2013-12-31 National Institute For Materials Science Method of producing silicon carbide

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8617505B2 (en) 2007-12-27 2013-12-31 National Institute For Materials Science Method of producing silicon carbide
US9011811B2 (en) 2007-12-27 2015-04-21 National Institute For Materials Science Method of producing silicon carbide
JP2013047182A (ja) * 2012-10-24 2013-03-07 National Institute For Materials Science 炭化ケイ素の製造方法

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