JPH08174679A - 精密光造形法及びその光造形体 - Google Patents

精密光造形法及びその光造形体

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JPH08174679A
JPH08174679A JP6305546A JP30554694A JPH08174679A JP H08174679 A JPH08174679 A JP H08174679A JP 6305546 A JP6305546 A JP 6305546A JP 30554694 A JP30554694 A JP 30554694A JP H08174679 A JPH08174679 A JP H08174679A
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茂 萩原
Masahiko Hihara
政彦 日原
Yoshio Nakamura
好男 中村
Koichi Shiraishi
耕一 白石
Hideyasu Matsuo
秀逸 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光造形体の斜面状または曲面状等外面をより
滑らかに光造形する方法の提供。 【構成】 光硬化性樹脂に実質的に光透過性の固体微粒
子を所定量分散保持する光硬化性スラリーを光照射し硬
化させて、硬化薄層を形成積層して所定の立体形状に造
形することを特徴とする精密光造形法。上記精密光造形
法において光硬化性スラリーが、更に溶媒を添加含有し
もよい。また、固体微粒子が、シリカ及び/またはシリ
カを主成分として含有する微粒子であることが好まし
い。また、上記精密光造形法においては、滑らかに連続
する外表面を有して立体形状に光造形された光造形体を
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精密光造形法及びその光
造形体に関し、更に詳しくは、プラスチック製の立体モ
デル、ワ−キングモデル等の各種モデルや鋳型等に用い
られている光造形体、特に斜面形状や球面形状を有する
造形体においてそれら斜面や曲面がより滑らかに連続す
る精密光造形法及びその光造形体に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性または架橋性を有する樹脂、即
ち光硬化性樹脂に紫外線、可視光などを照射し特定形状
の薄層を硬化し、硬化した薄層を多数層積層し立体形状
を得る造形方法が行われている。従来、各種デザインモ
デル、ワーキングモデル、ロストワックス用の成形型等
として、いわゆる光重合により硬化して得られる樹脂を
用いて形成した光造形体が知られている。これらに用い
られる光重合性及び/または光架橋性を有する光硬化性
化合物である単量体は、紫外線や可視光線の照射により
重合反応して硬化して所定の形態を保持する樹脂を生成
するものであり、一般に、ラジカル重合型のポリエポキ
シアクリレート、ポリエ−テルアクリレート、ポリエス
テルアクリレート、ウレタンアクリレート等のアクリル
系樹脂や、カチオン重合型のエポキシ系樹脂を生成する
化合物である単量体やオリゴマーの樹脂成分が用いられ
ている。これら樹脂成分の粘性を調節し、光硬化して樹
脂層を積層体として各種モデル品、型等に形成して用い
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光造形
用樹脂としては上記のような各種の光硬化性樹脂単量体
が開発され用いられているが、これらの光造形用樹脂を
用いて、樹脂面より光を走査し照射して得られる1本の
硬化体は、図4にその硬化体の断面模式説明図を示した
ように、通常、光源に最も近いスラリー面1が最も幅広
く硬化し、スラリー面から深くなるにつれて硬化幅が徐
々に減少するか、または、ほぼ同じ幅で、照射方向に細
長い形状で硬化した硬化体20が形成される。また、石
英板等の光透過性板3を通して樹脂スラリーの下方から
光を走査し照射した場合も、図5にその硬化体の断面模
式説明図を示したように、同様の断面形状の硬化体20
が得られる。上記のような硬化形状を示す樹脂を用い、
例えば斜面状や曲面状の外面(以下、斜面等外面とす
る)を有するように造形する場合、光照射によりそれら
樹脂を薄層状に硬化形成して積層する際に、所望の斜面
形状等になるように硬化先端部を適宜変化させて順次積
層するのが通常である。このように硬化薄層を積層して
得られる光造形体は、図6に斜面部の断面模式説明図を
示したように、その斜面部断面21の斜面外面は、ミク
ロ的に観て段差状となる。このため、精密な造形体を目
的とする光造形においてはより滑らかな外面が得られる
ような造形方法の開発が要望されている。本発明は、上
記斜面等外面を有する形態の光造形体を得る場合、上記
のように段差状となり滑らかな外面が得られない従来の
光造形に鑑み、光造形体の斜面等外面をより滑らかに光
造形することを目的とする。発明者らは、上記目的のた
め、硬化体の斜面等外面の段差形状が軽減できる光造形
体を得るべく鋭意検討した結果、所定の固形微粒子を分
散させた光硬化性樹脂の硬化体外形が、光照射方向に膨
らむことを見出し、本発明に到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、光硬化
性樹脂に実質的に光透過性の固体微粒子を所定量分散保
持する光硬化性スラリーを光照射し硬化させて、硬化薄
層を形成積層して所定の立体形状に造形することを特徴
とする精密光造形法が提案される。また、上記精密光造
形法の光硬化性スラリーが、更に溶媒が添加含有される
ことが好ましく、また、固体微粒子が、シリカ及び/ま
たはシリカを主成分として含有する微粒子であることが
好ましい。更に、本発明は、上記精密光造形法によっ
て、滑らかに連続する外表面を有して立体形状に光造形
されてなる光造形体を提供する。
【0005】
【作用】本発明は、上記のように構成され、光硬化性樹
脂に光照射し、所定形状の薄層を硬化させ、順次その薄
層硬化体の形成積層する光造形に際し、実質的に光透過
性微粒子を光硬化性樹脂に分散したスラリ−を用いるこ
とにより、固体微粒子を分散させても照射光はスラリー
面から深く透過し、かつ一部の光を散乱させることがで
きるため、光照射により生じる硬化体の形状が照射面よ
りもスラリー内部で幅広く膨らむ形状の硬化体を与える
ことができる。このため、斜面形状または曲面形状を有
する立体形状に連続的に光硬化して薄層を形成し積層し
て光造形した場合に、斜面等外面の段差形状を減少さ
せ、比較的滑らかに連続する外面を有するように精密に
造形することができる。従って、得られる光造形体の斜
面状や曲面状の外面が滑らかなものとなる。
【0006】先ず、発明者らが本発明をなすに到った経
過を説明する。発明者らは、先に、特願平6−1808
67号にて光硬化性樹脂にシリカ粉末を分散せしめた樹
脂スラリーを用いて光造形することにより、高強度で、
且つ耐熱性の高い光造形体を提案した。また、発明者ら
は、上記シリカ粉末分散光硬化樹脂スラリーを用いる光
造形において、光エネルギーの利用率が高まり同一露光
量で光硬化体の体積が大きくなるとの知見も得た。そこ
で更に、セラミックス粉末を分散させた光造形用硬化性
樹脂の光硬化体の外形状を詳しく検討した。その結果、
それらセラミックス分散光造形用硬化性樹脂から得られ
る光硬化体は、樹脂単独のものに比して、硬化深さは浅
くなり、硬化幅が広くなる傾向があることを更に知見し
た。例えば、上記提案のシリカ粉末を60重量%分散含
有する光硬化性樹脂を用いて、上記図5に示したものと
同様に光走査し照射した場合、図7にその硬化体の断面
模式説明図を示したように、光透過性の石英板3の下か
ら光を照射して得られる硬化体20は、横に幅が広がり
硬化する。しかし、この硬化体の外形状でも、上記した
従来の光硬化性樹脂の光造形体と同様に、外形斜面の段
差形状という従来の課題は解決されないことが分かっ
た。
【0007】そのため、更に、光硬化性樹脂にシリカ微
粒子を分散させたスラリーを各種調製し、シリカ微粒子
の分散量とスラリーの光硬化挙動との関係を鋭意検討し
た。その検討過程において、シリカ微粒子の分散量に応
じて硬化体の形状が変化することが知見された。例え
ば、所定濃度のシリカ分散系においては、光照射面より
も照射方向の内部において硬化幅が広がり硬化するもの
があることを見出した。即ち、図1及び2にそれぞれそ
れら硬化体の断面模式説明図を示したように、スラリー
面1の上面から、または透過性板3の下面から照射光を
走査し照射して得られる1本の硬化体10は、光照射方
向で膨らんだ断面形状に硬化することを見出した。そこ
で上記のようなシリカ分散−光硬化性樹脂スラリーを用
いて薄層状に硬化させる操作を順次繰り返し、硬化薄層
を形成積層して外面が斜面形状の造形体を作製した。そ
の結果、図3に光造形体の斜面部の断面説明図を示した
ように、得られる光造形体の斜面部断面11の斜面部外
面において、段差が著しく低減され比較的滑らか外面形
状の光造形体が得られることが確認された。更にまた、
上記のシリカ微粒子の他、種々の固体微粒子を分散させ
光造形させ検討した結果、実質的に光透過性を有する固
体微粒子を分散させた光硬化性樹脂スラリーが、上記シ
リカ分散光硬化性樹脂スラリーと同様に作用し光照射方
向の内部で膨張し球滴状の断面形状の硬化体を形成する
ため、順次積層して形成した光造形体の斜面等外面が段
差が低減し滑らかとなることを見出したものである。
【0008】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明で用いる光硬化性樹脂は、光重合性及び/または架橋
性を有する光硬化性樹脂であり、例えばラジカル重合型
光硬化性樹脂ではエポキシアクリレ−ト、ポリエ−テル
アクリレ−ト、ポリエステルアクリレ−ト、ウレタンア
クリレ−ト等のアクリル系樹脂が挙げら、また、カチオ
ン重合系ではエポキシ樹脂等が挙げられ、それぞれのモ
ノマ−及び多官能性オリゴマ−で構成できる。光重合開
始剤は通常使用する開始剤が使用でき、例えばラジカル
重合開始系では、アセトフェノン系、ベンゾインエ−テ
ル系、ベンジルケタ−ル系、ケトン系及び解離基を導入
した水溶性の開始剤等が挙げられる。また、カチオン系
では芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が
挙げられる。これら開始剤の上記光重合性樹脂に対する
添加量は、樹脂100重量部に対して0.5〜20重量
部、好ましくは2〜15重量部である。
【0009】本発明において、光透過性の固体微粒子
は、硬化に用いる光源の波長に実質的に透過性であれば
よい。例えば、照射光として紫外線や可視光線を用いて
硬化する場合は、上記のシリカ粒子を好適に用いること
ができる。上記シリカ粒子を主成分とし、実質的に光透
過性を有する程度に他の微粒子を含有するものでもよ
い。また、シリカ粒子の他に紫外線透過性を有するフッ
化マグネシウム、フッ化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、サファイヤ、酸化アルミニウム等の粉末を同様に用
いることができる。上記の光透過性微粒子は、2種以上
を混合して用いてもよいし、いずれも光照射により光造
形に支障がない程度であれば他の微粒子を含有すること
を妨げるものでない。上記の実質的に光透過性を有する
固体微粒子は、嵩密度が低い固体微粒子が好ましい。光
硬化性樹脂に分散させスラリーとした場合の分散安定性
を得るためである。また、固体微粒子の粒径は100μ
m 以下が好ましく、より好ましくは分散安定性の面から
50μm 以下である。上記固体微粒子の添加量、即ち光
硬化性樹脂スラリー中の分散量は、その粒径、光透過性
等に依存し、それぞれ用いる固体微粒子の種類等に適宜
選択することができる。例えば、平均粒径1.0μmの
シリカ粉末の場合には、2〜30体積%であり、より好
ましくは5〜25体積%である。
【0010】本発明において、上記光透過性固体微粒子
の粒径が小さい場合は、上記の光硬化性樹脂に光透過性
固体微粒子を分散させて得られるスラリーの粘度が高く
なるため、適宜、溶媒を添加してスラリーを形成するこ
とができる。添加する溶媒としては、好ましくは重合性
希釈剤である。光照射により得られる硬化体の機械的特
性を低減させないためである。上記のような溶媒として
の好ましい重合性希釈剤は、例えば、アクリル系樹脂で
はエトキシジエレングリコ−ルアクリレ−ト、メトキシ
トリエチレングリコ−ルアクリレ−ト、メトキシジプロ
ピレングリコ−ルアクリレ−ト、重合度の低いポリエチ
レングリコ−ルのジアクリレ−ト、3−アクリロイルオ
キシグリセリンモノメタクリレ−ト等であり、また、エ
ポキシ系樹脂ではオクチレンオキサイド、ドデセンオキ
サイド、ブチルグリシジルエ−テル、フェニルグリシジ
ルエ−テル、アルキレングリコ−ルジグリシジルエ−レ
ル、ポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル等で
ある。
【0011】本発明の硬化性スラリーは、上記した光硬
化性樹脂に所定の光透過性固体微粒子を適宜分散させ、
要すれば所定の溶媒を添加混合して得ることができる。
また、固体微粒子の光硬化性樹脂への分散性が悪く、ス
ラリーの粘度が極度に高い場合には、例えば、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン等のシラ
ノール基と結合可能な官能基及び重合可能な官能基を有
するシランカップリング剤で固体微粒子を予め表面処理
して用いたり、または、シランカップリング剤をスラリ
ーに直接添加、混合したりして粘度を低減することもで
きる。更に、本発明の光硬化性スラリーにおいて分散剤
は必須ではないが、長時間固体微粒子を安定に分散させ
るために、用いる光硬化性樹脂の種類によっては添加す
る必要がある。分散剤の種類は、光硬化性樹脂、また添
加される溶媒や分散剤等との相溶性が良ければよく、通
常用いられている分散剤、例えば、界面活性剤等を用い
ることができる。また、要すれば光硬化のために通常よ
く用いられる重合開始剤を添加含有させることができ
る。上記硬化性スラリーを硬化する照射光としては、使
用する光硬化性樹脂の光硬化特性に応じて可視光、紫外
光等の種々の光線を適宜選択して用いることができる。
通常、紫外線レーザ光を用いスラリー表面を上方または
下方から照射して所定形状に硬化薄層を形成することが
できる。また、照射強度、時間、走査速度等光照射条件
は、分散保持する光透過性固体微粒子の種類、粒径、光
硬化性樹脂の種類、スラリー濃度及び粘度等により適宜
選択することができる。また、1回の照射で形成させる
硬化薄層の厚さは、上記照射条件を選択することにより
適宜調整することできる。積層により得られる光造形体
の外面をより滑らかにするためには、できるだけ薄く形
成することが好ましい。
【0012】
【実施例】本発明について実施例に基づき、更に詳細に
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1 光重合開始剤を含む市販の脂肪族及び芳香族多官能アク
リレ−ト類からなる光硬化性樹脂(サンノプコ社製、商
品名SN−5X−1641)1, 000gに、平均粒径
1.0μmのシリカ粉末250g(分散量10.2体積
%)添加し、ナイロン製ボール及び光遮蔽したポリエチ
レン製ポットを用い室温下24時間撹拌混合した。得ら
れたシリカ粒子分散スラリーを容器に移し減圧下脱泡し
た。上記のように調製したスラリ−を内容積約5mlの
石英容器に移し、下方よりヘリウム−カドミウム−レー
ザー(ビーム径0.1mm、樹脂表面のレーザー強度
3.0mW)を走査速度3.0mm/分で照射し硬化さ
せた。得られた硬化体の断面形状を観察した結果、図2
に示した形状と同様に卵型または球滴形に近い形状であ
った。次いで、上記で調製したスラリーを光造形装置の
容器に移し、液面から上記レーザーを用い、3.0mm
/分の速度で走査して照射し、下面が50×50(m
m)の正方形で中央の高さが25mmの屋根形状の中実
造形体を得た。その断面形状を観察した結果、図3に示
したものと同様な形状の段差が小さく、比較的滑らかな
斜面を有していた。
【0013】実施例2 実施例1で用いた光硬化性樹脂と同一の光硬化性樹脂
1, 000gに、平均粒径1.0μmのγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランで処理したシリカ粉末
250g(分散量10.2体積%)及び界面活性剤ポリ
オキシエチレンソルビタンモノステアレート5.0gを
添加し、実施例1と同様にして室温下24時間撹拌混合
した。得られた粒子分散スラリーを容器に移し減圧下脱
泡した。得られたスラリーを用い実施例1と同様にし
て、光照射して硬化し、硬化体の断面形状を観察した結
果、図2に示した形状と同様な形状であった。次いで、
上記調製スラリーを光造形装置の容器に移し、実施例1
と同様に照射し、下面が直径50mmで中心の高さが2
5mmの円錐状の中実造形体を得た。その断面形状を観
察した結果、図3に示したものと同様な形状の段差が小
さく、比較的滑らかな斜面を有していた。
【0014】実施例3 実施例1で用いた光硬化性樹脂と同一の光硬化性樹脂9
00gに平均粒径1.0μmシリカ粉末100g(分散
量4.8体積%)及び界面活性剤ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート5.0gを添加し、実施例1
と同様にして室温下24時間撹拌混合した。得られた粒
子分散スラリーを容器に移し減圧下脱泡した。得られた
スラリーを用い実施例1と同様にして、光照射して硬化
し、硬化体の断面形状を観察した結果、図2に示した形
状と同様な形状であった。次いで、上記調製スラリーを
光造形装置の容器に移し、実施例1と同様に照射し、下
面が直径50mmで中心の高さが25mmの円錐状の中
実造形体を得た。その断面形状を観察した結果、図3に
示したものと同様に段差が小さく、比較的滑らかな斜面
を有していた。
【0015】実施例4 実施例1で用いた光硬化性樹脂と同一の光硬化性樹脂6
00gに、市販の粉末を乳鉢で粉砕したフッ化カルシウ
ム212g(分散量10体積%)及びγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)
4.2gを添加し、実施例1と同様にして室温下24時
間撹拌混合した。得られた粒子分散スラリーを容器に移
し減圧下脱泡した。得られたスラリーを用い実施例1と
同様にして、光照射して硬化し、硬化体の断面形状を観
察した結果、図2に示した形状と同様な形状であった。
次いで、上記調製スラリーを光造形装置の容器に移し、
実施例1と同様に照射し、下面が直径50mmで中心の
高さが25mmの円錐状の中実造形体を得た。その断面
形状を観察した結果、図3に示したものと同様に段差が
小さく、比較的滑らかな斜面を有していた。次いで、上
記調製スラリーを光造形装置の容器に移し、実施例1と
同様に照射し、同様の屋根形状の中実造形体を得た。そ
の断面形状を観察した結果、図3に示したものと同様な
形状の段差が小さく、比較的滑らかな斜面を有してい
た。
【0016】比較例1 実施例1で用いた同一の光硬化性樹脂を内容積約5ml
の石英容器に移し、実施例1と同様に樹脂の下方よりレ
−ザ−を走査し照射して、得られた硬化体の断面形状を
観察した。硬化体の断面は図5に示した形状と同様であ
った。次いで、上記の光硬化性樹脂を光造形装置の容器
に移し、実施例1と同様にして照射して、同様の屋根形
状の中実造形体を得た。その断面形状を観察した結果、
図6に示した形状と同様に、段差の著しい斜面を有して
いた。
【0017】比較例2 実施例1で用いたものと同一の光硬化性樹脂80gに、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東芝
シリコーン製)で前処理した平均粒径1.0μmのシリ
カ粉末120g(分散量40.5体積%)を添加し、実
施例1と同様にしてスラリーを調製し減圧下脱泡した。
調製したスラリ−を内容積約5mlの石英容器に移し、
実施例1と同様に下方よりレーザ−を走査して照射し硬
化させた。硬化体の断面を観察した結果、図7に示した
形状と同様であった。本比較例と実施例1及び2とから
明らかなように、同一光透過性を粒子であっても、その
添加量が適切でないと図2に示したような照射方向に球
滴状に膨らんだような硬化体にはならず、本発明の目的
である図3に示すような段差が著しく低減され、滑らか
な斜面の造形はできないことが分かる。
【0018】比較例3 実施例1で用いたものと同一の光硬化性樹脂75gに平
均粒径1.2μmの実質的に紫外線領域にて不透過性の
炭化珪素粉末25g(分散量9.4体積%)を添加し、
実施例1と同様にしてスラリーを調製し減圧下脱泡し
た。上記のように調製したスラリ−を内容積約5mlの
石英容器に移し、実施例1と同様にしてレーザ−を走査
し照射して硬化させた。硬化体の断面を観察した結果、
図8に示しような形状であった。本比較例と実施例1〜
4とから明らかなように、照射光に対して実質的に不透
過性の固体粒子を分散させた光硬化性スラリーを用いた
場合は、図2に示したような硬化形状にはならず、硬化
幅が硬化深さより大きくなるため、本発明の目的である
図3に示すような段差の低減した外面形状の造形が不可
能であることが分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明は光硬化性樹脂に実質的に光透過
性の固体微粒子を分散させて得られるスラリーが、光照
射により照射面よりもスラリー内部の方が硬化幅が広く
なるという硬化特性を有することを利用し、照射光を走
査して照射して薄層に硬化させて、順次、硬化薄層を形
成し積層して所定の立体形状の硬化体として造形体を製
造する精密光造形法であり、(1)造形体の斜面状や曲
面状外面において積層により段差を低減することがで
き、(2)滑らかな斜面状や曲面状外面を有する造形体
を得ることができ、(3)結果として、従来の光硬化性
樹脂単独を用いた光造形体よりも、精密な光造形体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光硬化性スラリーの上面から光照射し
て得られる硬化体の断面模式説明図。
【図2】本発明の光硬化性スラリーの下面から光照射し
て得られる硬化体の断面模式説明図。
【図3】本発明の光硬化性スラリーを用いて斜面状外面
を有するように硬化薄層を形成し積層して得られた光造
形体の斜面部の断面模式説明図。
【図4】光硬化性樹脂のみのスラリーの上面から光照射
して得られる硬化体の断面模式説明図。
【図5】光硬化性樹脂のみのスラリーの下面から光照射
して得られる硬化体の断面模式説明図。
【図6】光硬化性樹脂のみのスラリーを用いて斜面状外
面を有するように硬化薄層を形成し積層して得られた光
造形体の斜面部の断面模式説明図。
【図7】光透過性のシリカ粉末を60重量%で光硬化性
樹脂に分散させた光硬化性スラリーに石英板を通して下
方から光照射して得られる硬化体の断面模式説明図。
【図8】紫外線不透過性の炭化珪素粉末を光硬化性樹脂
に分散させた光硬化性スラリーに石英板を通して下方か
ら光照射して得られる硬化体の断面模式説明図。
【符号の説明】
1 スラリー面 3 光透過性板 10、20 光硬化体 11、21 光造形体斜面部断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 好男 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミックス 株式会社開発研究所内 (72)発明者 白石 耕一 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミックス 株式会社開発研究所内 (72)発明者 松尾 秀逸 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミックス 株式会社開発研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化性樹脂に実質的に光透過性の固体
    微粒子を所定量分散保持する光硬化性スラリーを光照射
    し硬化させて、硬化薄層を形成積層して所定の立体形状
    に造形することを特徴とする精密光造形法。
  2. 【請求項2】 前記光硬化性スラリーが、更に溶媒が添
    加含有してなる請求項1記載の精密光造形法。
  3. 【請求項3】 前記固体微粒子が、シリカ及び/または
    シリカを主成分として含有する微粒子である請求項1ま
    たは2記載の精密光造形法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1、2または3記載の精密光
    造形法により、滑らかに連続する外表面を有して立体形
    状に光造形されてなる光造形体。
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