JPH0825486A - シリカ分散樹脂光造形体 - Google Patents

シリカ分散樹脂光造形体

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JPH0825486A
JPH0825486A JP6180867A JP18086794A JPH0825486A JP H0825486 A JPH0825486 A JP H0825486A JP 6180867 A JP6180867 A JP 6180867A JP 18086794 A JP18086794 A JP 18086794A JP H0825486 A JPH0825486 A JP H0825486A
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JP
Japan
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silica
silica powder
resin
slurry
powder
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Application number
JP6180867A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nakamura
好男 中村
Hideyasu Matsuo
秀逸 松尾
Shigeko Sugiyama
滋子 杉山
Shigeru Hagiwara
茂 萩原
Masahiko Hihara
政彦 日原
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Coorstek KK
Yamanashi Prefecture
Original Assignee
Yamanashi Prefecture
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度、且つ、耐熱性が高く、高温での使用
も可能な光造形体を提供する。 【構成】 シリカ粉末が均一に分散されるシリカ−樹脂
硬化層が積層形成されてなることを特徴とするシリカ分
散樹脂光造形体。シリカ−樹脂硬化層は、好ましくは、
シリカ粉末を分散含有する光重合性及び/または光架橋
性の光硬化性樹脂成分からなるスラリーを光照射するこ
とにより形成される。また、シリカ粉末がシラン化合物
により表面処理されることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリカ分散樹脂光造形体
に関し、詳しくは各種成形型等として用いられている光
硬化性樹脂製の光造形体の強度を向上させると共に、汎
用性の高いものとなしたシリカ分散樹脂光造形体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、各種デザインモデル、ワーキング
モデル、ロストワックス用の成形型等として、いわゆる
光重合により硬化して得られる樹脂を用いて形成した光
造形体が知られている。これらに用いられる光重合性及
び/または光架橋性を有する光硬化性化合物である単量
体は、紫外線や可視光線の照射により重合反応して硬化
して所定の形態を保持する樹脂を生成するものであり、
一般に、ラジカル重合型のポリエポキシアクリレート、
ポリエ−テルアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ウレタンアクリレート等のアクリル系樹脂や、カチ
オン重合型のエポキシ系樹脂を生成する化合物である単
量体やオリゴマーの樹脂成分が用いられている。これら
樹脂成分の粘性を調節し、光硬化して樹脂層を積層体と
して各種モデル品、型等に形成して用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光造形
用樹脂としては上記のような各種の光硬化性樹脂単量体
が開発され用いられているが、これらの光造形用樹脂
は、通常用いられている汎用樹脂と異なり一般に引張り
強度や曲げ強さが低く、強度が要求される造形品には使
用し難い。また、耐熱性が低く軟化しやすいため、使用
できる温度が制限され、高温となる部分には使用できな
い等の問題があった。また、特公昭63−40650号
公報では感光性等光学的な反応性を有するプラスチック
組成物を用いて光造形により立体成形するもので、その
改質用として光硬化性樹脂に顔料、セラミックス粉、金
属粉などを使用しても良いと提案されているが、具体的
には何等セラミックス粉末等の混入について開示されて
おらず、その工業的意義は見いだされていない。発明者
らは、上記の樹脂光造形体の現状を鑑み、高強度で、且
つ耐熱性の高い光造形体の提供を目的に検討した結果、
セラミック粉末のうち、特にシリカ粉末を用いることに
より、耐熱性及び強度の向上が著しいことを見出し、本
発明に到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、シリカ
粉末が均一に分散されるシリカ−樹脂硬化層が積層形成
されてなることを特徴とするシリカ分散樹脂光造形体が
提供される。また、本発明のシリカ分散樹脂光造形体
は、シリカ粉末を分散含有する光重合性及び/または光
架橋性の光硬化性樹脂成分からなるスラリーを光照射す
ることによりシリカ−樹脂硬化層が積層形成されること
が好ましい。また、本発明に用いられるシリカ粉末がシ
ラン化合物により表面処理されていることが好ましい。
【0005】
【作用】本発明は上記のように構成され、光造形体が樹
脂硬化層中に無機質のシリカ粉末が均一に分散された形
態のシリカ−樹脂複合材料により形成されるため、光硬
化樹脂単独で形成される光造形体に比し、曲げ強さ及び
硬度の改善が著しい。更に、分散されるシリカ粉末の熱
膨張係数が低く、得られるシリカ−樹脂層は熱膨張係数
が低下し、樹脂単独よりも耐熱性が向上し、加熱に対す
る寸法安定性が著しく改善され、使用温度域が広がり高
温での使用も制限されない。本発明の光造形体を得るた
めに、光硬化樹脂に混入させるセラミック粉末として、
特に、シリカ粉末を選択したこと、そのシリカ粉末の分
散した光硬化性樹脂複合スラリーを用いて光硬化させる
こと、更に、得られた光硬化造形体の特性についての検
討は、発明者らにより初めてなされたものである。発明
者らによれば、シリカ粉末の分散した光造形体は、熱膨
張係数の低いシリカ粉末が均一に分散されるため、光硬
化性樹脂単独から得られるものよりも熱膨張係数が低下
し、加熱に対する寸法安定性が改善されて耐熱性の向上
が著しいことが知見された。
【0006】また、本発明のシリカ分散樹脂光造形体
は、光重合性及び/または架橋性を有する樹脂成分とシ
リカ粉末からなるスラリーを調製し、適宜光照射等によ
りシリカ−樹脂硬化層を所望形状に形成し順次積層する
ことにより得ることができ、スラリーにおけるシリカの
分散状態を均一にすることにより、光重合及び/または
架橋して硬化した樹脂中にシリカ粉末が均一に分散され
たシリカ−樹脂硬化層となり、耐熱性、高強度な光造形
体を得ることができる。また、シリカ粉末をシラン化合
物で表面処理して用いることによりシリカ粒子の分散性
を高めることができ、且つ、スラリー粘度を低下するこ
とができ、所望の光造形体を光照射等により容易に得る
ことができる。発明者らは、その理由は明らかでない
が、光硬化性樹脂単独よりもシリカ分散樹脂複合材料の
方が光硬化性が向上すること、例えば、レーザー照射に
よる硬化において、照射幅を高めても充分に硬化し、優
れた特性の光硬化体が得られること、更に、光照射によ
る深さ方向の硬化性も、樹脂単独と同等、または、それ
以上であることを知見した。また、これらの特性は、シ
リカ粉末をシラン化合物で表面処理しても変化すること
なく、光硬化用原料スラリーの粘性が低下し取扱が容易
となり好ましいことも知見された。従って、本発明の光
造形体は、シリカ分散樹脂複合材料を用いることによ
り、樹脂単独よりむしろ光硬化造形速度が増加し、円
滑、且つ、速やかに成形することができ、極めて工業的
に有利に製造することができる。また、従来から用いら
れている光硬化樹脂は一般に高価であり、光造形モデル
や型の製造において広く用いられない欠点の一つとなっ
ていたのに対し、比較的安価なシリカ粉末を使用でき、
樹脂自体よりもシリカの密度が高いことを考慮してもな
おシリカ分散樹脂複合材料による光造形体の単位容積当
たりのコストが削減でき、経済的にも有利である。
【0007】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明のシリカ分散樹脂光造形体は、シリカ粉末並びに光
重合性及び/または架橋性の光硬化性樹脂成分とからな
るスラリーを調製し、調製したスラリーを光照射、硬化
することにより得ることができる。本発明のシリカ粉末
としては、ゾル−ゲル法、シリコン酸化法等によるシリ
カ微粒子や、けい石粉砕粉末、シリカガラス粉砕粉末等
を使用でき、特に制限されない。また、シリカを主成分
とする紫外線透過性の高い粒子も好適に使用でき、光透
過性を大幅に低減させない範囲で、シリカ粉末に加え
て、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、フ
ッ化カルシウム等の他のセラミックス粉末を添加して用
いてもよく、特に、添加する粒子が光透過性の高い場合
には造形速度を低減させないため好ましい。なお、本発
明におけるシリカ粉末は、上記のようにシリカのみから
なる粉末の外、シリカ以外の他のセラミックス粉末等を
添加含有するシリカ粉末のいずれをも包含するものであ
る。本発明で用いる上記シリカ粉末の純度や粒度等は特
に制限されないが、粒子径が大きすぎるとスラリー中で
の安定性が低下し沈降し易くなるため、均一なスラリー
が得られないおそれがあり、更に、シリカ粉末の粒径が
大きいと精密な寸法を要求される光造形体の造形が困難
となる。このため、通常、用いるシリカ粉末の粒子径は
100μm以下、好ましくは50μm以下である。
【0008】本発明のシリカ粉末を分散含有するスラリ
ーを構成する光重合性及び/または光架橋性の光硬化性
樹脂成分は、ラジカル重合型で、ポリエポキシアクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリ
レート、ウレタンアクリレート等アクリル系樹脂を生成
する成分や、カチオン重合型で、エポキシ樹脂等を生成
する成分であり、それぞれ樹脂原料成分のモノマー及び
多官能性オリゴマーで構成される。本発明のシリカ分散
スラリーにおいて、上記光硬化性樹脂成分に対するシリ
カ粉末の添加量は、樹脂成分100重量部に対して5〜
300重量部であり、好ましくは10〜200重量部で
ある。シリカ粉末の添加量が少ないと、得られる光り造
形体の特性の改善が顕著でない。一方、シリカ粉末の添
加量が多くなると光硬化して形成されるシリカ分散樹脂
光造形体の結合力が低下し強度が低下するため好ましく
ない。更に、シリカ粉末の添加量が極めて多いスラリー
では、スラリーの粘性が高くなるため、光造形が困難と
なるおそれがあり好ましくない。
【0009】上記のシリカ粉末及び光硬化性樹脂成分に
より構成されるスラリーは、光硬化させて造形する。こ
の場合、要すれば光重合等を促進するために光硬化開始
剤を用いることができる。使用する光硬化開始剤は、上
記硬化性樹脂成分の開始剤として一般によく用いられる
通常のものを使用することができる。例えば、ラジカル
重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエ
ーテル系、ベンジルケタール系、ケトン系等である。光
硬化開始剤と共に光増感剤を添加してもよい。開始剤の
光硬化性樹脂成分に対する添加量は、光硬化性樹脂成分
100重量部に対して0.5〜20重量部で、好ましく
は2〜15重量部である。更に、本発明のスラリーおい
て、要すれば分散剤を添加することができる。スラリー
中でシリカ粒子を長時間安定に分散を維持するために
は、添加するのが好ましい。添加する分散剤は、用いる
樹脂成分と相溶性が良いものであればよく、樹脂成分の
種類により適宜選択することができる。一般的には、通
常、よく知られる分散剤を用いることができ、例えば界
面活性剤等が用いられる。
【0010】本発明のスラリーにおいて、溶媒は必ずし
も必要ではない。しかし、一般に光造形に用いられる光
重合性及び/または架橋性を有する硬化性樹脂成分は粘
性が高く、シリカ粉末を添加することによりさらに粘度
が高くなるため、光造形が困難になる場合がある。この
ような場合においては、好ましくは、重合開始剤および
分散剤等の添加物が可溶または分散可能で、且つ、硬化
のため照射光の波長に対し高透過性である溶媒であっ
て、更に、揮発性が低く、且つ、粘性の低い溶媒を用い
るのがよい。特に、揮発性が低く、且つ低粘性の重合性
化合物、すなわち重合性希釈剤を用いた場合には、得ら
れる造形物の特性低下をもたらすことがなく好ましい。
これらの溶媒としては、例えば、エトキシジエチレング
リコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコー
ルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアク
リレート、重合度の低いポリエチレングリコールのジア
クリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノメ
タクリレート等を用いることができる。溶媒の添加量
は、用いる硬化性樹脂成分の粘度、シリカ粉末の添加量
及び粒子径等により適宜選択すればよいが、最小限に止
めることが好ましい。
【0011】本発明において、スラリーを構成するシリ
カ粉末として表面をシラン化合物で処理した表面処理シ
リカ粉末を用いることにより、スラリー粘度を低下する
ことができ好ましい。シラン化合物による表面処理シリ
カ粉末の使用に関しては先に提案したが(平成6年6月
22日付特許出願)、光重合性及び/または架橋性を有
する光硬化性樹脂成分と共にスラリーを形成して、その
粘度の低下を図ることができ、シリカ粉末の添加量を増
大させることができるばかりでなく、後記の実施例にて
示すように光硬化により形成される光造形体の特性も一
層改善され好ましい。シリカ粉末の表面を処理するシラ
ン化合物としては、アルコキシシラン化合物、クロロシ
ラン化合物等が使用できる。アルコキシシランとして
は、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン等が挙げられる。特に、γ−メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシランのように、シラノール基と結
合できる官能基と重合可能な官能基とを有する表面処理
剤を用いて表面処理したシリカ粒子は、光硬化樹脂層に
おいて樹脂との結合性が高まるため好ましい。シリカ粉
末の表面処理は、予め上記シラン化合物とシリカ粉末と
を、シラン化合物と反応しない溶媒中で混合して表面処
理してもよいし、スラリー調製時にシラン化合物を添加
することによりスラリー調製時に直接処理するようにし
てもよい。いずれの方法を採るかは、他の条件等により
選択することができる。シリカ粉末に対するシラン化合
物の使用量は、シリカ粉末の粒径もしくは表面積に依存
するが、通常、シリカ粉末100重量部に対して0.1
〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0012】本発明のシリカ分散樹脂光造形体は、スラ
リーを上記のシリカ粉末及び光硬化性樹脂成分、更に要
すれば他の添加物を攪拌混合して調製して用いて、所定
形状に光照射してシリカ−樹脂硬化層を順次積層して所
定形状の造形体を得ることができる。この場合、光照射
硬化造形は、各光照射操作毎に別途用意したスラリーを
供給して照射し硬化させてシリカ−樹脂硬化層を順次形
成積層することができる。また、スラリーを所定容器内
に所定量保持して、容器内のスラリー中で所定の板状体
をスラリー表面から順次降下させ、板状体上に所定の厚
さにスラリーを導入して光照射しシリカ−樹脂硬化層を
形成する操作を繰返して、シリカ−樹脂硬化層を積層し
て造形することもできる。スラリーを硬化させシリカ−
樹脂硬化層形成のため照射する光としては、使用する硬
化性樹脂成分の光特性に応じて可視光、紫外光等種々の
光を用いることができる。照射方法としては、高圧水銀
ランプ、低圧水銀ランプ等を光源として用い、所定形状
のマスクを通して照射する方法、紫外線レーザ光等を用
いて、所定の表面を照射する方法が適用できる。また、
照射光の強度や照射時間ないし走査速度は、シリカ粉末
の種類、粒径分布、光硬化性樹脂成分の種類、スラリー
のシリカ濃度、及び、1回の照射で硬化形成するシリカ
−樹脂硬化層の厚さ等により適宜選択することができ
る。通常、積層間隔0.1〜0.5mmで成形する場
合、単位面積当たりの露光量は5〜30mW・秒/mm
2 である。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるも
のでない。 実施例1 平均粒径0.5μmのシリカ粉末200gを分散させた
一級エタノール300mlに、シラン化合物としてγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5gを添加
し60℃にて6時間撹拌処理した。その後、エバポレー
タを用いて溶媒エタノールを除去して、乾燥し表面処理
シリカ粉末を得た。重合開始剤を含む市販の商品名:S
N−5X−1641(A)(サンノプコ社製)の脂肪族
及び芳香族多官能アクリレート類からなる光硬化性樹脂
成分350gに、分散剤としてポリオキシソルビタンモ
ノステアレート0.45g及びエトキシジエチレングリ
コールアクリレート(EGA)20gを添加し均一な溶
液を調製した。得られた溶液に上記の表面処理シリカ粉
末150gを添加し、ポリエチレン製のポット及びナイ
ロン製のボールからなるポットミルを用いて室温下、2
4時間撹拌し、スラリーを調製した。得られたスラリー
の粘度をB型粘度計を用いて測定した結果、25℃にて
284cpであった。上記のようにして得たスラリーを
用い、ヘリウム−カドミウム系レーザー光源(レーザパ
ワー:6mW)を備えた光造形装置にて、10×10
(mm)で、長さ50mmの角柱を造形した。光造形条
件は走査速度3mm/分、積層間隔0.2mmで単位面
積当たりの露光量は13.3mW・秒/mm2 であっ
た。得られた光造形体はサンドペーパー(理研コランダ
ム(株)製、商品名:CC−1000)を用いて表面を
研磨した後、3点曲げ強さ、ショア硬度及び押し棒式測
定法により室温から250℃までの温度範囲の線熱膨張
係数を測定した。その結果を造形条件とともに表1に示
した。なお、表中、樹脂成分欄の種類のAはSN−5X
−1641、BはビスフェノールA−エポキシ樹脂のア
クリレートを主成分とする樹脂成分を、量は重合開始剤
を含む重量を示す(以下同様)。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2 実施例1に用いた重合開始剤を含む市販の光硬化性樹脂
成分SN−5X−1641(A)358gに分散剤とし
てポリオキシソルビタンモノステアレート0.6g及び
EGA27gを添加し均一な溶液を調製し、この溶液に
実施例1と同様に表面処理したシリカ粉末315gを添
加し、実施例1同様にして24時間撹拌しスラリーを調
製した。得られたスラリーの粘度をB型粘度計を用いて
測定した結果、25℃にて380cpであった。実施例
1と同様の装置にて、表1に示した露光量で同様の角柱
を成形し、実施例1と同様に曲げ強さ、硬度及び線膨張
係数を測定した。その結果を表1に示した。
【0016】実施例3 実施例1に用いた重合開始剤を含む市販の光硬化性樹脂
SN−5X−1641(A)360gに分散剤としてポ
リオキシソルビタンモノステアレート1.2gおよびE
GA30gを添加し均一な溶液を調製し、この溶液に実
施例1と同様に表面処理したシリカ粉末695gを添加
し、実施例1同様にして24時間撹拌しスラリーを調製
した。得られたスラリーの粘度をB型粘度計を用いて測
定した結果、25℃にて622cpであった。実施例1
と同様な装置を用い、表1に示した露光量で同様の角柱
を成形し、実施例1と同様にして曲げ強さ、硬度及び線
膨張係数を測定した。その結果を表1に示した。
【0017】実施例4 実施例1に用いた重合開始剤を含む市販の光硬化性樹脂
SN−5X−1641(A)400gに平均粒径0.5
μmの表面処理しないシリカ粉末100gを加え、実施
例1と同様にポットミルを用いて24時間撹拌しスラリ
ーを調製した。得られたスラリーの粘度をB型粘度計を
用いて測定した結果、25℃にて370cpであった。
実施例1と同様な装置を用い、表1に示した露光量で同
様の角柱を成形し、実施例1と同様にして曲げ強さ、硬
度及び線膨張係数を測定した。その結果を表1に示し
た。
【0018】実施例5 実施例1に用いた重合開始剤を含む市販の光硬化性樹脂
SN−5X−1641(A)400gに平均粒径0.5
μmのシリカ粉末を実施例1と同様にして処理したシリ
カ粉末100gを加え、実施例1と同様にポットミルを
用いて24時間撹拌しスラリーを調製した。得られたス
ラリーの粘度を実施例1と同様にして測定した結果、1
95cpであった。本実施例ではシリカ粉末の表面処理
の効果を測定するため、実施例4と同様に樹脂400重
量部に対してシリカ粉末の添加量は100重量部に抑え
た。実施例1と同様な装置を用い、表1に示した露光造
形条件にて、実施例1と同様の角柱を成形し、実施例1
と同様にして、曲げ強さ及び硬度を測定した。その結果
を表1に示した。シリカ粉末の添加割合が等しい本実施
例と実施例4との比較から明らかなように、シリカ粉末
の表面処理を行うことにより、スラリーの粘性が低下
し、光造形操作が容易になるばかりでなく曲げ強さ及び
硬度が改善されることが明らかとなった。
【0019】実施例6 ビスフェノールA−エポキシ樹脂のアクリレートを主成
分とする樹脂(B)335g、重合開始剤としてヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン15g、分散剤とし
てポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート0.
45g及びエトキシジエチレングリコール20gを加え
均一な溶液を調製した。この溶液に実施例1と同様に表
面処理したシリカ粉末150gを添加し、実施例1同様
にして24時間撹拌しスラリーを調製した。得られたス
ラリーの粘度をB型粘度計を用いて測定した結果、25
℃にて652cpであった。実施例1と同様な装置を用
い、表1に示した露光造形条件にて、実施例1と同様の
角柱を成形し、実施例1と同様にして、曲げ強さ、硬度
及び線膨張係数を測定した。その結果を表1に示した。
【0020】比較例1 実施例1に同様の光造形装置を用い、実施例1において
用いた市販の光硬化性樹脂SN−5X−1641(A)
から実施例1と同様の露光造形条件にて、同様の角柱を
造形した。実施例1と同様にして、得られた造形体の曲
げ強さ及び硬度を測定し、表2に示した。表1に示した
実施例1〜5と本比較例とを比較すると、光造形樹脂成
分にシリカ粉末を分散添加して得たスラリーを用い、同
一の走査速度、走査間隔及び積層間隔、すなわち単位面
積当たりの露光量が同じ条件で造形したシリカ分散樹脂
光造形体は、樹脂単独の造形体よりも、曲げ強さおよび
硬度が著しく改善されることが明らかである。また、シ
リカ粉末を表面処理せずに用いた実施例4においてはス
ラリーの粘度の制限からシリカ粉末の添加量を増やすこ
とができないが、この実施例4との比較においても、同
じ露光造形条件で成形した樹脂単独の造形体よりも、表
面未処理シリカを分散させたスラリーを用いて造形した
シリカ分散樹脂光造形体の方が曲げ強さ及び硬度が改善
されることが明らかである。
【0021】比較例2 実施例1と同様な光造形装置を用い、実施例1で用いた
市販の光硬化性樹脂SN−5X−1641(A)単独の
スラリーを、走査間隔を3分の1にした造形条件、すな
わち単位面積当たりの露光量を3倍に高めた40mW・
秒/mm2 の露光造形条件にて、同様の角柱を造形し
た。得られた角柱について、実施例1と同様に造形体の
曲げ強さ、硬度及び線膨張系数を測定した。その結果を
表2に示した。表1に示した実施例1〜5と本比較例の
曲げ強さ及び硬度を比較すると、光造形樹脂成分単独ス
ラリーから、造形速度をシリカ粉末を分散含有する光硬
化性樹脂スラリーの造形速度の約1/3の速度で光造形
した場合は、シリカ分散樹脂光造形体の特性に匹敵する
曲げ強さ及び硬度を有する造形体が得られることが分か
る。一方、表1に示した実施例1〜3の造形体の線膨張
係数と、本比較例で得た造形体の線膨張係数とを比較す
ると、明かにシリカ粉末が分散する光造形体の熱膨張係
数が小さくなり、加熱雰囲気での使用において寸法安定
性が改善されることが期待されることが分かる。
【0022】
【表2】
【0023】比較例3 ビスフェノールA−エポキシ樹脂のアクリレートを主成
分とする樹脂(B)480g、重合開始剤としてヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン22g及びエトキシ
ジエチレングリコールアクリレート20gを加え均一な
溶液を調製した。得られたスラリーから実施例1と同様
な装置を用い、表2に示した露光造形条件にて同様の角
柱を造形し、実施例1と同様にして曲げ強さ及び硬度を
測定した。その結果を表2に示した。実施例6と本比較
例との比較から、明らかにシリカ粉末を分散含有させて
得た光造形体の曲げ強さ及び硬度が改善されることが分
かる。
【0024】
【発明の効果】本発明はシリカ粉末を光重合性及び/ま
たは架橋性を有する光硬化性樹脂成分に分散含有させて
光照射硬化体、即ち、光造形して得られる造形体であっ
て、光硬化性樹脂成分単独により造形体に比し著しく物
理特性が改善される。即ち、(1)光造形によって得ら
れる造形体の曲げ強さ及び硬度が向上する。(2)熱膨
張係数の低いシリカ粉末を添加ので、得られる光造形体
の熱膨張係数が低下し、寸法安定性が改善される。
(3)シラン化合物で表面処理したシリカ粉末を分散含
有させることにより、シリカ粉末及び光硬化性樹脂成分
とからなるスラリーの粘性を低下させることができ、光
造形を容易にすると共に、シリカ粉末の添加比率を高め
ることができる。更に、(4)光造形において、光造形
速度が増加し、結果的に光造形コストが低減できる。
(5)シリカ粉末は、密度が樹脂の約2倍あるが、光硬
化性樹脂よりも安価であり、光造形体自体のコストが低
減でき工業的に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 滋子 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミックス 株式会社開発研究所内 (72)発明者 萩原 茂 山梨県甲府市大津町2094番地 山梨県工業 技術センター内 (72)発明者 日原 政彦 山梨県甲府市大津町2094番地 山梨県工業 技術センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ粉末が均一に分散されるシリカ−
    樹脂硬化層が積層形成されてなることを特徴とするシリ
    カ分散樹脂光造形体。
  2. 【請求項2】 前記シリカ−樹脂硬化層がシリカ粉末を
    分散含有する光重合性及び/または光架橋性の光硬化性
    樹脂成分からなるスラリーを光照射することにより形成
    される請求項1記載のシリカ分散樹脂光造形体。
  3. 【請求項3】 前記シリカ粉末がシラン化合物により表
    面処理されてなる請求項1または2記載のシリカ分散樹
    脂光造形体。
JP6180867A 1994-07-08 1994-07-08 シリカ分散樹脂光造形体 Pending JPH0825486A (ja)

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