以下、本発明に係る電動式建設機械の実施の形態を、屋内作業等を行う電動式油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は電動式建設機械の代表例である電動式油圧ショベル1を示し、該電動式油圧ショベル1は、作業機2と、後述する支持部材16と、支持部材側給電ケーブル21と、作業機側受電装置22とにより大略構成されている。
作業機2は、電動式油圧ショベル1の車体となる作業機本体3と、掘削等の作業を行う後述のフロント装置(作業装置)15とにより構成されている。ここで、作業機本体3は、走行可能なクローラ式の下部走行体4と、該下部走行体4上に旋回輪5を介して旋回中心線O−Oを中心とした旋回を可能に搭載された上部旋回体6とにより大略構成されている。
下部走行体4には走行モータが設けられると共に、上部旋回体6には旋回モータ(いずれも図示せず)が設けられている。そして、下部走行体4は、走行モータによって、例えば後述するレール装置25のレール25Aの下側で該レール25Aの配設方向に沿うように前進、後進等の走行動作を行い、上部旋回体6は、旋回モータによって旋回動作を行う。
上部旋回体6は、その下部側を構成する旋回フレーム7と、該旋回フレーム7の前部左側に配置されたキャブ8と、旋回フレーム7の後部側に取付けられた後述のカウンタウエイト9と、キャブ8の右側ないし後側に位置して旋回フレーム7に搭載され、外装カバー10により覆われた電動モータ11、油圧ポンプ12、コントロールバルブ14とを含んで構成されている。これにより、作業機本体3は、後端側にカウンタウエイト9が設けられると共に駆動源となる電動モータ11を備えた構成となっている。
ここで、旋回フレーム7は、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板7A(図5参照)と、該底板7A上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延びる左縦板7B、右縦板7Cと、該各縦板7B,7Cの外側に間隔をもって配置され、前,後方向に延びる左サイドフレーム(図示せず)、右サイドフレーム7Dと、底板7A、各縦板7B,7Cから左,右方向に張出し、その先端部に左,右のサイドフレーム7Dを支持する複数本の張出しビーム(図示せず)とにより大略構成されている。
図1および図5に示すように、旋回フレーム7の左縦板7B、右縦板7Cは、前部側が上側に突出した山形状に形成され、その頂部側には、後述するフロント装置15のブーム15Aの基端部(フート部)をピン結合するためのブーム用ピン挿通孔7B1,7C1が設けられている。また、左縦板7B、右縦板7Cの前部側には、フロント装置15のブームシリンダ15Dのボトム側をピン結合するためのシリンダ用挿通孔7B2,7C2が設けられている。さらに、図5に示すように、左縦板7Bの頂部側には、ブーム用ピン挿通孔7B1よりも後側となる位置に、後述する支持部材16の左補強脚19の基端側が取付けられている。
9は旋回フレーム7の後端部に取付けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト9は、後述する電動モータ11よりも後側に配置され、後述のフロント装置15との重量バランスをとるものである。カウンタウエイト9の後面側は、図3に示すように円弧状をなして形成され、カウンタウエイト9の上面には、後述する支持部材16の支柱17の基端側が取付けられている。
10はキャブ8の後方および側方にわたって旋回フレーム7に設けられた外装カバーを示している。外装カバー10は、その上面の右端側で旋回中心線O−Oよりも後側となる位置に、脚支持ブロック10Aが設けられている。この脚支持ブロック10Aには、後述する支持部材16の右補強脚20の基端側が取付けられている。また、図5に示すように、外装カバー10の上面の後端側(例えば、電動モータではなくエンジンが搭載された車両ではエンジンの排気管が外部に突出する部位)には、後述する支持部材側給電ケーブル21を外装カバー10の内側(上部旋回体6内)に引き込むためのケーブル挿通孔10Bが設けられている。支持部材側給電ケーブル21は、ケーブル挿通孔10Bを通じて上部旋回体6内に引き込まれ、図示しない内部配線を介して電動モータ11に接続されている。
11は旋回フレーム7上に搭載された電動モータを示している。電動モータ11は、例えば三相誘導電動機からなり、後述する油圧ポンプ12の駆動源を構成している。電動モータ11は、後述する外部電源23から、外部側給電ケーブル24、外部側受電装置26、作業機側給電ケーブル27、作業機側受電装置22、支持部材側給電ケーブル21、内部配線(図示せず)を介して給電されることにより回転し、油圧ポンプ12を駆動するものである。
12は旋回フレーム7上に電動モータ11に隣接して搭載された油圧ポンプを示している。油圧ポンプ12は、例えば可変容量型油圧ポンプからなり、図示しない作動油タンクと共に油圧源を構成している。油圧ポンプ12は、電動モータ11に対してカップリング等の動力伝達装置13を介して接続され、該動力伝達装置13により電動モータ11の回転出力が伝達される。
油圧ポンプ12は、電動モータ11によって駆動されることにより、作動油タンクから吸込んだ作動油を、高圧な圧油としてコントロールバルブ14に向けて吐出するものである。コントロールバルブ14は、油圧ポンプ12から吐出した圧油の流量と方向をオペレータの操作に応じて制御するもので、油圧ポンプ12から吐出した圧油は、コントロールバルブ14を介して、電動式油圧ショベル1に搭載された走行モータ、旋回モータ、後述するブームシリンダ15D、アームシリンダ15E、バケットシリンダ15F等の各種の油圧アクチュエータに供給される。
15は上部旋回体6の前部側に俯仰動可能に設けられたフロント装置(作業装置)を示している。フロント装置15は、基端側が上部旋回体6の旋回フレーム7に取付けられブームシリンダ15Dにより上,下方向に俯仰動するブーム15Aと、該ブーム15Aの先端に取付けられアームシリンダ15Eにより上,下方向に俯仰動するアーム15Bと、該アーム15Bの先端に取付けられバケットシリンダ15Fにより作動するバケット15Cとを有している。ブームシリンダ15D、アームシリンダ15E、バケットシリンダ15Fは、走行モータや旋回モータ等の油圧モータと共に、油圧ポンプ12から吐出する圧油により駆動される油圧アクチュエータを構成している。
ところで、前述の特許文献1,2,3等に記載されているように、構造物側の外部電源から作業機側の電動モータに給電を行う構成の場合、上部旋回体の旋回を許容できるように、給電ケーブルの途中に集電装置を設け、該集電装置を介して給電を行う構成となっている。しかしながら、従来技術によれば、上部旋回体の旋回中心に対して集電装置が離間して配置されていることに伴って、上部旋回体が旋回したときに、集電装置が旋回中心との距離を半径として旋回する。
このような集電装置の旋回を許容するためには、例えば、上部旋回体の上方(構造物の天井側)から集電装置に向けて垂下する給電ケーブルを、集電装置の旋回半径に応じた長さ分、弛ませておくことが考えられる。しかし、この場合は、垂下する給電ケーブルに加わる自重が大きくなることに加えて、垂下する給電ケーブルが捩じれ易くなる。しかも、給電ケーブルがフロント装置と干渉し易くなる虞もあり、給電ケーブルの耐久性を確保しにくいという問題がある。
そこで、本実施の形態では、後述する支持部材16を用いて集電装置からなる作業機側受電装置22を、上部旋回体6の上方で、かつ、該上部旋回体6の旋回中心線O−O上またはその近傍に配置する構成としている。
即ち、16は上部旋回体6から上方に向け立設された支持部材を示している。支持部材16は、後述する作業機側受電装置22を、上部旋回体6の上方で、かつ、旋回中心線O−O上またはその近傍に支持するためのものである。この場合、支持部材16は、フロント装置15を後側に位置させた後退姿勢でも、作業機側受電装置22がフロント装置15と干渉しないように支持するものである。このために、支持部材16は、フロント装置15を最も後側に位置させた後退姿勢において、該フロント装置15を避けた状態で、上部旋回体6から旋回中心線O−O側に向けて上方に延びる支柱17と、該支柱17の上部に設けられ後述する作業機側受電装置22が載置される支持台18と、支柱17を横方向から支える左補強脚19,右補強脚20とにより大略構成されている。
ここで、支柱17は、上部旋回体6のカウンタウエイト9から旋回中心線O−O側に向けて斜め上方に延びるもので、カウンタウエイト9に取付けられる基部17Aと、該基部17Aの上端側から上方に延びる長尺な柱部17Bとにより大略構成されている。図5に示すように、基部17Aは、カウンタウエイト9の上面にボルトを介して固定される固定板17A1と、該固定板17A1に溶接等の固定手段を用いて固定された角柱状の一対の基礎柱17A2と、該各基礎柱17A2の上端側を架け渡すように設けられた角柱状の横基礎柱17A3とにより大略構成されている。また、固定板17A1には、後述する支持部材側給電ケーブル21の基端側を外装カバー10のケーブル挿通孔10Bに向けて案内しつつ支持するケーブル引き込み支持部材17A4が取付けられている。
一方、柱部17Bは、横基礎柱17A3から斜め上方(斜め前方)に延びる角柱状の長尺棒として形成され、その基端側は、横基礎柱17A3に溶接等の固定手段を用いて固定されている。この場合、柱部17Bと横基礎柱17A3との間には、略三角形状の板材からなる補強板17B1が設けられている。また、柱部17Bの長さ方向の複数箇所には、後述する支持部材側給電ケーブル21を柱部17Bに沿って案内しつつ支持するためのケーブル支持部材17B2が間隔を開けて設けられている。そして、柱部17Bの先端側には、支持台18が取付けられている。
支持台18は、略八角形状の板材により形成され、下面側が支柱17(柱部17B)の先端に溶接等の固定手段を用いて固定されている。この場合、図1および図6に示すように、支柱17の柱部17Bの先端側と支持台18の下面との間には、略三角形状の板材からなる補強板18Aが設けられている。支持台18には、後述する作業機側受電装置22のケーシング22Aが溶接、ボルト・ナット等の固定手段を用いて固定される。
支柱17を横方向から支える左補強脚19は、その基端側が左縦板7Bの頂部側でブーム用ピン挿通孔7B1よりも後側となる位置に基端側固定ブラケット19Aを介して取付けられている。左補強脚19の先端側は、支柱17の柱部17Bの中間部に先端側固定ブラケット19Bを介して固定されている。一方、右補強脚20は、その基端側が外装カバー10の上面に設けられた脚支持ブロック10Aに基端側固定ブラケット20Aを介して取付けられている。右補強脚20の先端側は、支柱17の柱部17Bの中間部で左補強脚19よりも高い位置に先端側固定ブラケット20Bを介して固定されている。
支持部材16は、支柱17と該支柱17を補強する左補強脚19と右補強脚20とにより上部旋回体6に強固に固定されている。これにより、支持台18に載置される作業機側受電装置22を、後述の最も高い箇所Aおよび接続位置Bよりも上方位置で、かつ、旋回中心線O−O上またはその近傍位置に安定して支持することができる。
21は支持部材16の支柱17に沿って配設された支持部材側給電ケーブルを示している。支持部材側給電ケーブル21は、例えば4芯ケーブル(3相+アースの4芯)として構成されている。支持部材側給電ケーブル21は、電動モータ11と後述する作業機側受電装置22との間を接続するもので、ケーブル支持部材17B2によって支柱17の柱部17Bに沿うように配設され、外装カバー10のケーブル挿通孔10Bを通じて上部旋回体6内に引き込まれている。上部旋回体6内に引き込まれた支持部材側給電ケーブル21は、上部旋回体6内で図示しない安全回路、モータ始動停止回路(例えばスターデルタ回路、インバータ回路)等を含む内部配線を介して電動モータ11に接続されている。
22は支持部材16の先端に設けられた作業機側受電装置で、該作業機側受電装置22は、後述する作業機側給電ケーブル27から集電するための集電装置からなるものである。ここで、作業機側受電装置22は、図6に示すように、支持部材16の支持台18に取付けられた筒状のケーシング22Aと、該ケーシング22Aに上,下方向に延びてケーシング22Aに対し回転可能に設けられた筒状の軸部材22Bと、円筒状のブラシ取付板22Cを用いてケーシング22Aに設けられ、上,下方向に間隔をもって配置された金属等の導電性材料からなる回転子としての複数の摺動ブラシ22Dと、絶縁筒22E等を用いて軸部材22Bに上,下方向に間隔をもって設けられ、各摺動ブラシ22Dに対応する位置に配置された略環状の金属板等からなる固定子としての複数のスリップリング22Fとを含んで構成されている。
ここで、軸部材22Bは、例えば軸受22G等を介してケーシング22Aに対する相対回転を可能に支持されている。軸部材22Bは、上部側がケーシング22Aから突出し、この突出端側には、作業機側給電ケーブル27の下端側(外部電源23側とは反対側となる作業機2側)が引き込まれている。ケーシング22Aには、支持部材側給電ケーブル21の上端側(電動モータ11側とは反対側となる外部電源23側)が引き込まれている。
各摺動ブラシ22Dには、ケーシング22A内に引き込まれた支持部材側給電ケーブル21が接続され、該支持部材側給電ケーブル21を介して電動モータ11と接続されている。一方、各スリップリング22Fには、軸部材22B内に引き込まれた作業機側給電ケーブル27が接続されている。そして、作業機側受電装置22は、各摺動ブラシ22Dとスリップリング22Fとがそれぞれ摺動することにより、軸部材22Bの軸線を中心として作業機側給電ケーブル27の下端側を支持部材側給電ケーブル21に対して相対回転可能に接続し、例えば上部旋回体6が下部走行体4上で旋回するときにも、ケーシング22Aの摺動ブラシ22Dが軸部材22Bのスリップリング22Fに対して相対回転することにより、作業機側給電ケーブル27から支持部材側給電ケーブル21に通電できる構成となっている。
ここで、作業機側受電装置22は、支持部材16によって、上部旋回体6の上方で、かつ、旋回中心線O−O上またはその近傍に配置されている。より具体的には、フロント装置15を最も後側に位置させた後退姿勢において、旋回中心線O−O上でフロント装置15を構成する部位の最も高い箇所をAとし、この箇所Aを含む仮想水平面をX−Xとした場合に、作業機側受電装置22は、前記箇所A、即ち、仮想水平面X−Xよりも上方位置で、旋回中心線O−O上またはその近傍に配置する構成としている。この場合、本実施の形態では、フロント装置15のブーム15Aを最も後側に位置させた後退姿勢において、最も高い箇所Aよりも高さ寸法H分上方位置となるブーム15Aとアーム15Bとの接続位置をBとし、該接続位置Bを含む仮想水平面をY−Yとした場合に、作業機側受電装置22は、最も高い箇所Aよりも高い接続位置B、即ち、仮想水平面Y−Yよりも上方に配置している。
なお、最も高い箇所Aは、例えば、図1に示すように、フロント装置15のブーム15Aを最も後側に位置させ、かつ、アーム15Bを最も折り曲げた状態と最も上方に延ばした状態(最も上方に延ばした状態は図8参照)との間の中間の状態としたときの、アームシリンダ15Eと旋回中心線O−Oとの最も高い位置での交点に対応するものである。また、作業機側受電装置22の上,下方向の高さの上限は、例えば、構造物の天井の下面、より具体的には、後述するレール装置25のレール25Aの下面Z−Zとしている。即ち、作業機側受電装置22は、例えば、構造物の天井の下面、より具体的には、レール装置25のレール25Aの下面Z−Zよりも下方に位置させる。
一方、作業機側受電装置22を旋回中心線O−O上またはその近傍に配置するとは、旋回中心線O−O上ないし実質的に旋回中心線O−O上と同視できる位置に作業機側受電装置22を配置することを意味する。逆に言えば、作業機側受電装置22は、その軸部材22Bの回転中心軸線と旋回中心線O−Oとが一致するように配置することに限るものではない。上部旋回体6の旋回に伴う作業機側受電装置22(軸部材22B)の旋回中心線O−Oを中心とした旋回半径を十分に小さくできるのであれば、即ち、後述する作業機側給電ケーブル27を弛みを小さくして配設することができるのであれば(捩れを十分に抑制できるのであれば)、作業機側受電装置22を、旋回中心線O−O上から離れた位置となる旋回中心線O−Oの近傍に配置することができる。
例えば、作業機側受電装置22は、その軸部材22Bの回転中心軸線と旋回中心線O−Oとが一致するように配置することが最も好ましい。また、旋回中心線O−Oが作業機側受電装置22のケーシング22A内に位置する(収まる)ように作業機側受電装置22を配置することも好ましい。さらに、作業機側受電装置22のケーシング22A内に旋回中心線O−Oが収まらない(作業機側受電装置22のケーシング22Aから旋回中心線O−Oが外れる)場合でも、作業機側給電ケーブル27の弛みを小さくすることができ、その捩れを抑制できるのであれば、旋回中心線O−Oの近傍として配置することができる。
いずれにしても、作業機側受電装置22を旋回中心線O−O上またはその近傍に配置することで、上部旋回体6が旋回するときの作業機側受電装置22の旋回半径を小さくすることができる。これにより、上部旋回体6の旋回に拘わらず(上部旋回体6が旋回していないときは勿論、旋回しているときも)、作業機側受電装置22を、旋回中心線O−O上またはその近傍に位置させることができる。この結果、上部旋回体6の上方(構造物の天井側)から作業機側受電装置22に垂下する作業機側給電ケーブル27の弛みを小さくすることができ、該作業機側給電ケーブル27の捩じれを抑制することができる。
次に、上部旋回体6の周囲の構造物について説明する。
即ち、作業機2は、例えば屋内の作業現場で、土木工事、解体工事、廃棄物処理、金属リサイクル処理等の作業(屋内作業)を行う。このため、作業機2(上部旋回体6)の周囲は、例えば作業現場となる建物等の構造物(図示せず)となり、該構造物の天井梁等には、例えば400Vの三相交流電力を供給する商用電源等の外部電源23に接続される外部側給電ケーブル24が配設される。この場合、天井梁等の構造物には、ケーブル支持具としてのレール装置25を設け、外部側給電ケーブル24は、構造物に対しレール装置25を介して移動可能に支持される。なお、外部側給電ケーブル24は、例えば4芯ケーブル(3相+アースの4芯)として構成することができる。
レール装置25は、構造物の天井側に設けられた例えば断面がI字状のレール25Aと、該レール25Aに沿った移動可能に該レール25Aに取付けられた複数の吊り具25Bとにより大略構成されている。また、レール装置25の各吊り具25Bのうち、最も作業機2側の吊り具25Bには、ブラケット25Cを介して後述の外部側受電装置26が設けられている。
ここで、レール25Aは、構造物の天井梁等に固定的に設けられるもの、または、天井に対して移動可能に設けられるもの等、屋内で行う作業や作業機2の移動範囲等に応じて必要なものを選択することができる。例えば、固定的なレール25Aを用いる場合は、作業機2を移動させたい方向に合せてレール25Aを構造物の天井側に配設する。この場合、作業機2は、レール25Aに沿うように移動させることができる。一方、天井に対して移動可能なレール25Aを用いる場合は、作業機2は、レール25Aに沿う方向の移動に加えて、レール25Aが移動できる方向にも移動させることができる。
いずれも場合も、図1に示すように、レール装置25の各吊り具25Bには、外部電源23と外部側受電装置26との間を接続する外部側給電ケーブル24を、弛みをもって配設する。これにより、外部側受電装置26を、外部側給電ケーブル24が伸び切らない範囲内で、レール25Aに沿った移動(横行)を可能にレール装置25に支持することができる。
26はレール装置25に設けられた外部側受電装置で、該外部側受電装置26は、外部側給電ケーブル24と後述の作業機側給電ケーブル27との間を接続する接続装置からなるものである。ここで、外部側受電装置26は、図7に示すように、レール装置25のブラケット25Cに溶接、ボルト・ナット等の固定手段を用いて固定されると共に作業機側給電ケーブル27の上端が引き込まれたケーシング26Aと、該ケーシング26Aに設けられ作業機側給電ケーブル27が接続された複数個(例えば4個)の端子26B1を有する雌継手26Bと、外部側給電ケーブル24が接続されると共に雌継手26Bの端子26B1と着脱可能に接続される複数個(例えば4個)の端子26C1を有する雄継手26Cと、雄継手26Cの外周側に回転可能に取付けられ雌継手26Bの外周側に螺着されるナット26Dとにより大略構成されている。外部側受電装置26は、外部側給電ケーブル24側の雄継手26Cを作業機側給電ケーブル27側の雌継手26Bに接続し、ナット26Dを螺合することにより、外部側給電ケーブル24と作業機側給電ケーブル27とを不離に接続することができる。
外部側受電装置26は、作業機側受電装置22の上方で、該作業機側受電装置22と同様に旋回中心線O−O上およびその近傍に配置されている。作業機2がレール装置25のレール25Aに沿って移動すると、レール25Aの吊り具25Bにブラケット25Cを介して支持された外部側受電装置26は、例えば作業機側給電ケーブル27によって引かれ(引っ張られ)、作業機側受電装置22と共に移動する。これにより、外部側受電装置26は、作業機側受電装置22と共に旋回中心線O−O上およびその近傍に配置された状態が維持される。なお、外部側受電装置26は、該外部側受電装置26を支持する吊り具25Bを手動ないし自動で作業機2と共に移動させることで、移動のときに、作業機側給電ケーブル27に引っ張り力が加わらないようにすることができる。
27は作業機側受電装置22と外部側受電装置26との間を接続する作業機側給電ケーブルを示している。作業機側給電ケーブル27は、例えば4芯ケーブル(3相+アースの4芯)として構成されたもので、作業機側受電装置22と外部側受電装置26との間を旋回中心線O−Oに沿って配設されている。即ち、作業機側給電ケーブル27は、外部側受電装置26から作業機側受電装置22に向けて真下に垂下している。この場合、作業機側給電ケーブル27は、下端側(一端側)が作業機側受電装置22のスリップリング22Fに接続され、上端側(他端側)が外部側受電装置26の雌継手26Bの端子26B1に接続されている。
ここで、作業機側給電ケーブル27は、外部側受電装置26と作業機側受電装置22との間に一定の長さで配設されている。即ち、作業機側給電ケーブル27は、外部側受電装置26と作業機側受電装置22との最短間隔、即ち、外部側受電装置26と作業機側受電装置22を上,下方向に一致(一直線上に配置)させた状態での両者間の距離とほぼ同じ長さとなっている。これにより、作業機側受電装置22と外部側受電装置26と作業機側給電ケーブル27との三者が、旋回中心線O−O上およびその近傍に配置されるようにしている。
即ち、例えば作業機2がレール装置25のレール25Aに沿って移動すると、レール25Aの吊り具25Bにブラケット25Cを介して支持された外部側受電装置26は、作業機側給電ケーブル27によって引かれ、作業機側受電装置22と共に移動する。これにより、作業機側受電装置22と外部側受電装置26と作業機側給電ケーブル27との三者は、旋回中心線O−O上およびその近傍に配置された状態を常に維持することができる。なお、外部側受電装置26は、レール装置25の吊り具25Bを手動または自動で移動させることにより、作業機2と共に移動させることもできる。
本実施の形態による電動式油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
オペレータがキャブ8に搭乗し、キースイッチをONすると、外部電源23から、外部側給電ケーブル24、外部側受電装置26、作業機側給電ケーブル27、作業機側受電装置22、支持部材側給電ケーブル21、内部配線を介して電動モータ11に通電される。これにより、外部電源23からの電力によって電動モータ11が回転し、油圧ポンプ12が駆動される。
この状態で、オペレータが走行レバー・ペダルを操作することにより、下部走行体4を走行させて、作業機2を移動させることができる。この場合、作業機2は、レール装置25のレール25Aに沿って移動させることができる。このとき、構造物側の外部側受電装置26は、例えば、作業機側給電ケーブル27に引かれ、または、レール装置25の吊り具25Bを手動または自動で移動させることにより、作業機2側の作業機側受電装置22と共に移動する。これにより、作業機側受電装置22と外部側受電装置26と作業機側給電ケーブル27との三者は、旋回中心線O−O上およびその近傍に配置された状態が維持される。
一方、オペレータが操作レバーを操作することにより、上部旋回体6を旋回させつつフロント装置15によって土砂等の掘削作業を行うことができる。この場合、本実地の形態によれば、作業機側受電装置22を、旋回中心線O−O上またはその近傍に配置したので、上部旋回体6が旋回するときの作業機側受電装置22の旋回半径を小さく(0ないし0に近い値に)することができる。
これにより、上部旋回体6の旋回に拘わらず(上部旋回体6が旋回していないときは勿論、旋回しているときも)、作業機側受電装置22を、旋回中心線O−O上またはその近傍に位置させることができる。この結果、上部旋回体6の上方(構造物の天井側)の外部側受電装置26から作業機側受電装置22に垂下する作業機側給電ケーブル27の弛みを小さく(0ないし0に近い値に)することができ、上部旋回体6の旋回に連れられて作業機側給電ケーブル27が捩じれることを抑制できる。これに加えて、作業機側給電ケーブル27に加わる自重の低減、フロント装置15との干渉の抑制も図ることができ、作業機側給電ケーブル27の耐久性を向上することができる。
しかも、作業機側受電装置22は、フロント装置15を最も後側に位置させた後退姿勢において、最も高い箇所A(仮想水平面X−X)よりも上方位置、より具体的には、フロント装置15のブーム15Aとアーム15Bとの接続位置B(仮想水平面Y−Y)よりも上方となる高い位置に配置される。このため、上部旋回体6の上方(構造物の天井側)で外部側受電装置26から垂下する作業機側給電ケーブル27を、上述のように弛みを小さくできることに加えて、その長さを短くすることもできる。これにより、この面からも、作業機側給電ケーブル27に加わる自重を小さくすることができることに加えて、捩じれの抑制、フロント装置15との干渉の抑制を図ることができ、作業機側給電ケーブル27の耐久性を向上することができる。この結果、例えば、作業機側給電ケーブル27の修理、交換等の保守に要するコストを低減することができる。
本実地の形態によれば、支持部材16の支柱17を、後退姿勢のフロント装置15を避けた状態で上部旋回体6から旋回中心線O−O側に向けて上方に延びる構成としている。これにより、支持部材16とフロント装置15との干渉を抑制しつつ、該支持部材16により作業機側受電装置22を最も高い箇所Aおよび接続位置Bよりも上方位置に配置することができる。この場合、支持部材16の支柱17を、上部旋回体6のカウンタウエイト9から旋回中心線O−O側に向けて斜め上方に延びる構成としている。これにより、カウンタウエイト9に支柱17を強固に固定することができ、作業機側受電装置22を最も高い箇所Aおよび接続位置Bよりも上方の高い位置に安定して支持することができる。
本実地の形態によれば、構造物側のレール装置25に設けられた外部側受電装置26と作業機2側の作業機側受電装置22との間に作業機側給電ケーブル27を一定の長さで配設する構成としている。これにより、作業機側受電装置22と外部側受電装置26との間で作業機側給電ケーブル27を、旋回中心線O−Oに沿うように垂下させることができる。これにより、この面からも、作業機側給電ケーブル27を捩じれにくくすることができる。
次に、図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、作業機側受電装置を作業機側給電ケーブルが接続される接続装置からなるものとし、外部側受電装置を外部側給電ケーブルから作業機側給電ケーブルに集電するための集電装置からなるものとしたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は支持部材16の先端に設けられた作業機側受電装置で、該作業機側受電装置31は、作業機側給電ケーブル33が接続される接続装置からなるものである。即ち、作業機側受電装置31は、作業機側給電ケーブル33と支持部材側給電ケーブル21との間を接続するものである。
そして、作業機側受電装置31は、図9に示すように、支持部材16の支持台18に溶接、ボルト・ナット等の固定手段を用いて固定されると共に支持部材側給電ケーブル21の上端が引き込まれたケーシング31Aと、該ケーシング31Aに設けられ支持部材側給電ケーブル21が接続された複数個(例えば4個)の端子31B1を有する雌継手31Bと、作業機側給電ケーブル33が接続されると共に雌継手31Bの端子31B1と着脱可能に接続される複数個(例えば4個)の端子31C1を有する雄継手31Cと、雄継手31Cの外周側に回転可能に取付けられ雌継手31Bの外周側に螺着されるナット31Dとにより大略構成されている。作業機側受電装置31は、作業機側給電ケーブル33側の雄継手31Cを支持部材側給電ケーブル21側の雌継手31Bに接続し、ナット31Dを螺合することにより、作業機側給電ケーブル33と支持部材側給電ケーブル21とを不離に接続することができる。
ここで、作業機側受電装置31は、上述した第1の実施の形態の作業機側受電装置22と同様に、支持部材16によって、上部旋回体6の上方で、かつ、旋回中心線O−O上またはその近傍に配置されている。より具体的には、作業機側受電装置31は、最も高い箇所A(仮想水平面X−X)および接続位置B(仮想水平面Y−Y)よりも上方で、かつ、旋回中心線O−O上またはその近傍に配置されている。
32はレール装置25に設けられた外部側受電装置で、該外部側受電装置32は、外部側給電ケーブル24から作業機側給電ケーブル33に集電するための集電装置からなるものである。ここで、外部側受電装置32は、図10に示すように、レール装置25のブラケット25Cに溶接、ボルト・ナット等の固定手段を用いて固定された筒状のケーシング32Aと、該ケーシング32Aに上,下方向に延びて回転可能に設けられた筒状の回転軸32Bと、円筒状のブラシ取付板32Cを用いてケーシング32Aに固定的に設けられ、上,下方向に間隔をもって配置された固定子としての複数の摺動ブラシ32Dと、絶縁筒32E等を用いて回転軸32Bに上,下方向に間隔をもって廻止め状態で設けられ、各摺動ブラシ32Dに対応する位置に配置された回転子としての複数のスリップリング32Fとを含んで構成されている。
ここで、回転軸32Bは、例えば軸受32G等を介してケーシング32Aに回転可能に支持されている。回転軸32Bは、下部側がケーシング32Aから突出し、この突出端側には、作業機側給電ケーブル33の上端側(電動モータ11側とは反対側となる外部電源23側)が引き込まれている。ケーシング32Aには、外部側給電ケーブル24の一端側(外部電源23側とは反対側となる作業機2側)が引き込まれている。
各摺動ブラシ32Dには、ケーシング32A内に引き込まれた外部側給電ケーブル24が接続され、該外部側給電ケーブル24を介して外部電源23と接続されている。一方、各スリップリング32Fには、回転軸32B内に引き込まれた作業機側給電ケーブル33が接続されている。そして、外部側受電装置32は、各摺動ブラシ32Dとスリップリング32Fとがそれぞれ摺動することにより、回転軸32Bの軸線を中心として作業機側給電ケーブル33の上端側を外部側給電ケーブル24に対して回転可能に接続し、例えば上部旋回体6が下部走行体4上で旋回するときにも、外部側給電ケーブル24から作業機側給電ケーブル33に通電できる構成となっている。
外部側受電装置32は、作業機側受電装置31の上方で、該作業機側受電装置31と同様に旋回中心線O−O上およびその近傍に配置されている。上部旋回体6が旋回すると、作業機側受電装置31に接続された作業機側給電ケーブル33が作業機側受電装置31と共に回転し、回転軸32Bのスリップリング32Fがケーシング32Aの摺動ブラシ32Dに対して回転する。また、作業機2がレール装置25のレール25Aに沿って移動すると、外部側受電装置32は作業機側給電ケーブル33によって引かれ、作業機側受電装置31と共に移動する。これにより、外部側受電装置32は、作業機側受電装置31と共に旋回中心線O−O上およびその近傍に配置された状態が維持される。なお、外部側受電装置32は、該外部側受電装置32を支持する吊り具25Bを手動ないし自動で作業機2と共に移動させることで、移動のときに、作業機側給電ケーブル33に引っ張り力が加わらないようにすることができる。
33は作業機側受電装置31と外部側受電装置32との間を接続する作業機側給電ケーブルを示している。作業機側給電ケーブル33は、上述した第1の実施の形態の作業機側給電ケーブル27と同様に、作業機側受電装置31と外部側受電装置32との間を旋回中心線O−Oに沿って配設されている。即ち、作業機側給電ケーブル33は、外部側受電装置32から作業機側受電装置31に向けて真下に垂下している。この場合、作業機側給電ケーブル33は、下端側が作業機側受電装置31の雄継手31Cの端子31C1に接続され、上端側が外部側受電装置32のスリップリング32Fに接続されている。
ここで、作業機側給電ケーブル33は、上述した第1の実施の形態の作業機側給電ケーブル27と同様に、外部側受電装置32と作業機側受電装置31との間に一定の長さで配設されている。即ち、作業機側給電ケーブル33は、外部側受電装置32と作業機側受電装置31との最短間隔、即ち、外部側受電装置32と作業機側受電装置31を上,下方向に一致(一直線上に配置)させた状態での両者間の距離とほぼ同じ長さとなっている。これにより、作業機側受電装置31と外部側受電装置32と作業機側給電ケーブル33との三者が、旋回中心線O−O上およびその近傍に配置されるようにしている。
即ち、例えば作業機2がレール装置25のレール25Aに沿って移動すると、レール25Aの吊り具25Bにブラケット25Cを介して支持された外部側受電装置32は、作業機側給電ケーブル33によって引かれ、作業機側受電装置31と共に移動する。これにより、作業機側受電装置31と外部側受電装置32と作業機側給電ケーブル33との三者は、旋回中心線O−O上およびその近傍に配置された状態を常に維持することができる。なお、外部側受電装置32は、レール装置25の吊り具25Bを手動または自動で移動させることにより、作業機2と共に移動させることもできる。
本実施の形態は、上述の如き作業機側受電装置31と外部側受電装置32との間を作業機側給電ケーブル33で接続したもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。特に、本実施の形態の場合は、作業機側受電装置31を接続装置からなるものとし、外部側受電装置32を集電装置からなるものとしている。
この場合、旋回中心線O−O上またはその近傍に配置された接続装置からなる作業機側受電装置31の上方に、集電装置からなる外部側受電装置32を配置することができる。そして、この外部側受電装置32を、構造物の天井側で旋回中心線O−O上またはその近傍に配置することにより、外部側受電装置32から作業機側受電装置31に向けて垂下する作業機側給電ケーブル33の弛みを小さくすることができる。これにより、上部旋回体6が旋回したときに、作業機側受電装置31と外部側受電装置32との間で弛みの少ない作業機側給電ケーブル33全体を回転させることができ、作業機側給電ケーブル33が捩じれることを抑制できる。
しかも、レール装置25に設けられた外部側受電装置32と作業機2側の作業機側受電装置31との間に作業機側給電ケーブル33を一定の長さで配設する構成としている。これにより、作業機側受電装置31と外部側受電装置32との間で作業機側給電ケーブル33を、旋回中心線O−Oに沿うように垂下させることができる。これにより、上部旋回体6が旋回したときに、作業機側受電装置31と外部側受電装置32との間で作業機側給電ケーブル33全体を、旋回中心線O−Oを中心として回転させることができる。これらにより、作業機側給電ケーブル33を捩じれにくくすることができる。
次に、図11および図12は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、ケーブル支持具にリール装置を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
41はレール装置25に設けられた外部側受電装置を兼ねたリール装置で、該リール装置41は、外部側給電ケーブル24と作業機側給電ケーブル27との間を接続する接続装置としての機能をもつと共に、レール装置25と作業機側受電装置22との間で作業機側給電ケーブル27を巻取り,引出し可能に巻装するものである。ここで、リール装置41は、図12に示すように、レール装置25のブラケット25Cに溶接、ボルト・ナット等の固定手段を用いて固定された支持ブラケット41Aと、該支持ブラケット41Aに片持ち支持され外部側給電ケーブル24の一端側(外部電源23側とは反対側となる作業機2側)が引き込まれた軸部材41Bと、該軸部材41Bに軸受41Cを介して回転可能に支持され軸方向に離間した一対のフランジ部41D1の間の筒部41D2に作業機側給電ケーブル27を巻回したドラム41Dと、軸部材41Bとドラム41Dとの間に設けられドラム41Dを作業機側給電ケーブル27の巻取り方向に常時付勢する戻しばね41Eと、ドラム41Dの側面に固定されドラム41Dに巻回された作業機側給電ケーブル27の一端側(電動モータ11側とは反対側となる外部電源23側)が引き込まれたケーシング41Fと、円筒状のブラシ取付板41G等を用いてケーシング41F内に固定され金属等の導電性材料からなる回転子としての複数の摺動ブラシ41Hと、絶縁筒41J等を用いて軸部材41Bに上,下方向に間隔をもって設けられ各摺動ブラシ41Hと個別に摺接した状態で軸部材41Bと一体に回転する略環状の金属板等からなる固定子としての複数のスリップリング41Kとにより大略構成されている。
各摺動ブラシ41Hには、ケーシング41F内に引き込まれた作業機側給電ケーブル27が接続され、各スリップリング41Kには、軸部材41B内に引き込まれた外部側給電ケーブル24が接続されている。そして、リール装置41は、ドラム41Dに対して作業機側給電ケーブル27が巻取りまたは引出しされたときに、該ドラム41Dが軸部材41Bに対して回転し、各摺動ブラシ41Hとスリップリング41Kとが摺動する。これにより、リール装置41は、作業機側給電ケーブル27と外部電源23側の外部側給電ケーブル24とを接続しつつ、作業機側給電ケーブル27の巻取り,引出しを行うことができる。
本実施の形態は、上述の如きリール装置41をケーブル支持具としてのレール装置25に設けたもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。特に、本実施の形態の場合は、リール装置41により、作業機側受電装置22とリール装置41との間で作業機側給電ケーブル27の長さを可変にすることができる。これにより、リール装置41に巻装された作業機側給電ケーブル27の長さに応じた範囲で、リール装置41に対する作業機側受電装置22の移動(作業機2の移動)を許容することができる。即ち、リール装置41を設けたことで、作業機2を、レール装置25のレール25Aに沿う方向に加えて、例えばレール25Aと直交する方向等、レール25Aから離れる方向にも、リール装置41に巻装された作業機側給電ケーブル27の長さに応じた範囲で移動させることができる。
なお、上述した各実施の形態では、支持部材16の支柱17をカウンタウエイト9から旋回中心線O−O側に向けて斜め上方に延びる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、図13に示す第1の変形例のように、支持部材51の支柱52を、カウンタウエイト9から垂直に延びると共に、上端側をクランク状に折り曲げることにより旋回中心線O−Oに向けて延びる構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、支持部材16の支柱17の基端側をカウンタウエイト9の上面から上方に延びる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、図14に示す第2の変形例のように、支持部材61の支柱62を、カウンタウエイト9以外の部位、例えば、旋回フレーム7の左,右の縦板7B,7Cから上方に延びる構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、ケーブル支持具としてのレール装置25により外部側給電ケーブル24および外部側受電装置26,32(またはリール装置41)をレール25Aに沿う方向の移動を可能に支持する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、外部側給電ケーブルおよび外部側受電装置(またはリール装置)を天井梁に固定されたフック、ブラケット等のケーブル支持具を介して構造物の天井側に固定的に支持する構成としてもよい。
上述した各実施の形態では、フロント装置15の作業具としてバケット15Cを取付けた構成(油圧ショベル)を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、フロント装置の作業具として圧砕機等を取付けた構成(解体機、スクラップ処理機)としてもよい。
上述した各実施の形態では、電動式建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベル、ホイールローダ等の他の建設機械にも広く適用することができる。さらに、フォークリフト、リフトトラック等の産業機械やトラクタ等の農業機械を含めて各種の車両に適用することができる。