JP5936864B2 - 太陽光発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光パネルとこの太陽光パネルを任意の傾斜角度で保持する架台とからなる太陽光発電装置に係り、特に、架台の構成を工夫することにより、上記傾斜角度の調整の容易化と、接地(アース)ルートの確保の容易化を図ることができるように工夫したものに関する。
太陽光発電装置の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に示すようなものがある。
特開2011−108703号公報 特開2010−67716号公報 特開2008−311281号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、特許文献1、特許文献2、特許文献3の何れに開示されている太陽光発電装置の場合にも、その架台の構成が複雑であり、例えば、傾斜角度の調整に関しても、面倒な作業を余儀なくされてしまうという問題があった。
又、接地ルートの確保も面倒であった。例えば、従来の場合には、必要な接地ルートを確保するために太陽光パネルからアース線を取り出して、それを架台に沿って配線する作業を行う必要があり、煩雑な作業を余儀なくされてしまうものである。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、傾斜角度の調整作業の容易化と接地ルートの確保の容易化を図ることができる架台を備えた太陽光発電装置を提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明による太陽光発電装置は、傾斜した状態で設置される太陽光パネルと、一対の柱材をV字状に配置してなり上記太陽光パネルの傾斜上部を移動・固定可能に支持する傾斜上部支持機構と、上記太陽光パネルの傾斜下部を移動・固定可能に支持する傾斜下部支持機構と、上記傾斜上部支持機構の一対の柱材の上端に相互に直交する二軸を中心に回転可能な状態で取り付けられた連結機構と、上記太陽光パネルの傾斜上部が設置され上記連結機構が移動可能に取り付けられる傾斜上部梁材と、を具備し、上記連結機構は、上記柱材に回転中心軸を介して連結され該回転中心軸を中心に回転可能な柱材側連結具と、上記柱材側連結具に上記柱材側連結具の回転中心軸と直交する別の回転中心軸を介して直接連結され該別の回転中心軸を中心に回転可能な梁材側連結具と、から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項2による太陽光発電装置は、請求項1記載の太陽光発電装置において、上記傾斜上部梁材には長手方向に沿って溝が形成されていて、上記梁材側連結具は上記溝内に配置されたナットにボルトを螺合することにより上記傾斜上部梁材に締結・固定されるものであり、上記ボルト・ナットの締結を緩めることにより上記柱材の端部は上記溝に沿って移動可能となり、それによって、V字の角度ひいては太陽光パネルの傾斜角度を任意に設定可能にしていることを特徴とするものである。
又、請求項3による太陽光発電装置は、請求項2記載の太陽光発電装置において、各部材は導電体の表面に絶縁処理が施されたものが使用されており、部材同士の回転部位には導電性カラーを配置し、回転部位がないところには導電性ねじ部材を設けることにより導電性を確保し、それらによって接地ルートを確保するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項4による太陽光発電装置は、請求項3記載の太陽光発電装置において、上記太陽光パネルは複数の太陽光パネル要素をパネル固定梁材に締結・固定することにより構成されていて、上記太陽光パネル要素とパネル固定梁材とを導通金具により挟むことにより接地ルートを確保するようにしたことを特徴とするものである。
以上述べたように本願発明による太陽光発電装置は、傾斜した状態で設置される太陽光パネルと、一対の柱材をV字状に配置してなり上記太陽光パネルの傾斜上部を移動・固定可能に支持する傾斜上部支持機構と、上記太陽光パネルの傾斜下部を移動・固定可能に支持する傾斜下部支持機構と、上記傾斜上部支持機構の一対の柱材の上端に相互に直交する二方向に回転可能な状態で取り付けられた連結機構と、上記太陽光パネルの傾斜上部が設置され上記連結機構が移動可能に取り付けられる傾斜上部梁材と、を具備した構成になっているので、傾斜上部支持機構と傾斜下部支持機構側を移動可能な状態としておき、連結機構を上記傾斜上部梁材に対して移動させることにより上記一対の柱材によるV字の角度ひいては太陽光パネルの傾斜角度の調整を行うことができるので、太陽光パネルの傾斜角度の調整作業の容易化を図ることができる。これは、連結機構の部位に相互に直交する二方向への回転機能が集約されているからである。
又、請求項2による太陽光発電装置は、請求項1記載の太陽光発電装置において、上記連結機構は、上記柱材に対して回転可能に取り付けられた柱材側連結具と、上記柱材側連結具に対して上記回転方向とは直交する方向に回転可能に取り付けられた梁材側連結具とから構成されているので、簡単な構成の連結機構により上記効果を確実に得ることができる。
又、請求項3による太陽光発電装置は、請求項2記載の太陽光発電装置において、上記傾斜上部梁材には長手方向に沿って溝が形成されていて、上記梁材側連結具は上記溝内に配置されたナットにボルトを螺合することにより上記梁材に締結・固定されるものであり、上記ボルト・ナットの締結を緩めることにより上記柱材の端部は上記溝に沿って移動可能となり、それによって、V時の角度ひいては太陽光パネルの傾斜角度を任意に設定可能にしているので、単に柱材を溝に沿って移動させるだけで太陽光パネルの傾斜角度の調整を行うことができ、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項4による太陽光発電装置は、請求項3記載の太陽光発電装置において、各部材は導電体の表面に絶縁処理が施されたものが使用されており、部材同士の回転部位には導電性カラーを配置し、回転部位がないところには導電性ねじ部材を螺合することにより導電性を確保し、それらによって接地ルートを確保するようにしているので、極めて簡単な作業で所望の接地ルートの確保が可能になる。
又、請求項5による太陽光発電装置は、請求項4記載の太陽光発電装置において、上記太陽光パネルは複数の太陽光パネル要素をパネル固定梁材に締結・固定することにより構成されていて、上記太陽光パネル要素とパネル固定梁材とを導通金具により挟むことにより接地ルートを確保するようにしたので、これによっても、接地ルートの確保の容易化を図ることができる。
本発明の一実施の形態を示す図で、太陽光発電装置の全体の構成を示す背面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、太陽光発電装置の全体の構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、太陽光発電装置の全体の構成を示す正面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、太陽光発電装置の全体の構成を示す拡大側面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図4のV部を斜め方向からみた斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図6(a)は図5のVIa−VIa断面図、図6(b)は図6(a)のb部の拡大図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図7(a)は図4のVIIa部を一部断面にして示す側断面図、図7(b)は図7(a)のb部の拡大図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図1のVIII部を拡大して示す一部背面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図7(a)のIX−IX断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図10(a)は図2のXa−Xa断面図、図10(b)は図2のXb−Xb断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、柱材の端面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、傾斜上部梁材の端面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、傾斜下部梁材の端面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、太陽光パネルのパネル固定梁材の端面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、太陽光パネル要素とパネル固定梁材とを導通させるための導通金具の構成を示す図で、図15(a)は正面側からの斜視図、図15(b)は後方からの斜視図である。
以下、図1乃至図15を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1は本実施の形態による太陽光発電装置の背面図、図2は同上の平面図、図3は同上の正面図である。本実施の形態による太陽光発電装置は、架台1と、この架台1上に傾斜した状態で設置された太陽光パネル3とから構成されている。以下、順次説明する。
まず、上記架台1は、複数個(本実施の形態の場合には4個)の傾斜上部支持機構5と、複数個(本実施の形態の場合には5個)の傾斜下部支持機構7とから構成されている。上記傾斜上部支持機構5と傾斜下部支持機構7は、図1に示すように、架台1の長手方向(図1中左右方向)に沿って交互に設置されている。又、図4に示すように、上記傾斜上部支持機構5は、太陽光パネル3の傾斜上部側(図4中右側)に設置されており、一方、傾斜下部支持機構7は太陽光パネル3の傾斜下部側(図4中左側)に設置されている。
上記傾斜上部支持機構5は次のような構成になっている。図1、図4、図8に示すように、まず、基礎11があり、この基礎11上にはブラケット13が設置・固定されている。このブラケット13は、図4に示すように、略U字形状をなしていて、底板15と、この底板15の左右両端の手前位置からそれぞれ立設された一対の側板17、17とから構成されている。上記ブラケット13は、図8に示すように、アンカーボルト19とナット21とによって上記基礎11に設置・固定されている。このようなアンカーボルト19とナット21による固定は、図4に示すように、一対の側板17、17それぞれの外側において行われる。
図1及び図8に示すように、上記ブラケット13には、一対の柱材23、23が下方から上方に向かってV字状に拡がった状態で回転・固定可能に締結・固定されている。上記柱材23は、図5、図11に示すように、中空状であって、その横断面形状は略四角形をなしている。又、四角形の対向する一対の面にはT字溝25、25がそれぞれ延長・形成されている。
尚、上記柱材23、23とブラケット13との締結・固定の構成については追って詳細に説明する。
上記柱材23、23の上端には、図5に示すように、連結機構27を介して傾斜上部梁材29が移動・固定可能な状態で締結・固定されている。上記連結機構27は、柱材側連結具30と梁材側連結具31とから構成されている。上記柱材側連結具30は、略U字形状をなしていて、ボス部33と、一対の側板35、35とから構成されている。上記一対の側板35、35は、上記柱材23を外側から挟み込むような状態で設置されていて、締結具37によって柱材23に対して回転・固定可能に締結・固定されている。
上記締結具37による締結・固定の構成を図6を参照して詳細に説明する。まず、導電性カラー39があり、この導電性カラー39は、上記側板35、35、柱材23を貫通した状態で配置されている。上記導電性カラー39内にはボルト41がワッシャ43を介して貫通・配置されていて、このボルト41の先端部には、ナット45がワッシャ47を介して螺合されている。上記ボルト41とナット45の螺合を緩めることにより、柱材側連結具30と柱材23は回転可能な状態となる。又、ボルト41とナット45を螺合させることにより、柱材側連結具30と柱材23は強固に締結・固定されることになる。
上記柱材側連結具30には上記梁材側連結具31が回転・固定可能な状態で締結・固定されている。上記柱材側連結具30は柱材23に対して、X方向に回転・固定可能な状態に締結・固定されているのに対して、上記梁材側連結具31は上記柱材側連結具30に対して、X方向に直交するY方向に回転・固定可能な状態で締結・固定されている。
尚、梁材側連結具31と柱材側連結具30の締結・固定は、既に説明した締結具37と同じ構成をなす締結具37によって行われるものであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
又、既に説明したブラケット13の側板17、17と柱材23、23の締結・固定に関しても、上記締結具37と同じ構成の締結具37を使用して締結・固定する構成になっており、よって、図8において、その部分に関しても、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
上記梁材側連結具31は、一対の鍔部51、51と、一対の側板53、53とから構成されている。上記一対の鍔部51、51は、柱材側連結具30のボス部33を挟み込むように配置され、既に説明した締結具37によって、回転・固定可能に締結・固定されるものである。そして、上記一対の側板53、53の間には、既に説明した傾斜上部梁材29が挟み込まれた状態で左右方向に延長されて設置されている。
上記傾斜上部梁材29は、図5、図12に示すように、中空形状をなしていて、その横断面形状は略長方形をなしている。又、上記傾斜上部梁材29の上端には鍔部63、63が左右両側に張り出されている。又、上記傾斜上部梁材29の対向する一対の側面には2個のT字溝65、65がそれぞれ延長・形成されている。又、上記鍔部63、63に対向する側の面にもT字溝65が形成されている。一方、図5に示すように、上記一対の側板53、53側には図示しない貫通孔が形成されている。そして、上記T字溝65、65側に、図6(a)に示すように、T字ナット66を配置しておき、上記貫通孔の外側から、ボルト67をワッシャ69を介して差し込んで上記T字ナット66に螺合することにより、上記側板53、53の間に傾斜上部梁材29が締結・固定されるものである。上記T字ナット66とボルト67とワッシャ69による締結・固定は、図5に示すように、片面側に4箇所あるとともに反対側にも4箇所ある。
次に、傾斜下部支持機構7の構成について説明する。図4に示すように、まず、基礎71があり、この基礎71上には、ブラケット73、73が設置・固定されている。上記ブラケット73はL字形状をなしていて、上記基礎71に対して、アンカーボルト75と図示しないナットによって、締結・固定されている。
上記ブラケット73、73の間には、図7にも示すように、傾斜下部梁材81が設置・固定されている。上記傾斜下部梁材81は、図7、図13に示すような構成をなしていて、中空形状をなしているとともに、その横断面形状は略長方形をなしている。又、左右両側板と天板と底板にはT字溝83がそれぞれ延長・形成されている。そして、図4に示すように、上記左右両側板のT字溝83内に図示しないT型ナットを配置しておき、そこに上記ブラケット73、73の外側からボルト84を図示しないワッシャを介して差し込んで螺合させることにより、上記梁材81をブラケット73、73の間に設置・固定するものである。
又、図4、図7に示すように、上記傾斜下部梁材81の上面には別のブラケット91が取り付けられている。このブラケット91は、図9にも示すように、略T字形状をなしていて、底板93と、この底板93から立設された一対の側板95、95とから構成されている。上記ブラケット91の傾斜下部梁材81に対する固定であるが、図7(a)に示すように、傾斜下部梁材81側のT字溝83内にT型ナット97を配置し、そこにボルト99をワッシャ101を介して差し込んで螺合することにより、ブラケット91が傾斜下部側梁材81に設置・固定されるものである。又、上記側板95、95には、既に説明した締結具37と同様の締結具37が設置されていて、この締結具37を使用して太陽光パネル3側の構造物が取り付けられることになる。
次に、太陽光パネル3の構成について説明する。上記太陽光パネル3は、複数本(この実施の形態の場合には17本)のパネル固定梁材103を備えていて、これら複数本のパネル固定梁材103上に複数の太陽光パネル要素105が設置されているものである。上記パネル固定梁材103は、図9、図14に示すように、その端面形状が略長方形をなしていて、長手方向に対向する一辺にはそれぞれT字溝104、104が形成されている。又、長手方向の一端側には鍔部106、106が形成されている。
上記パネル固定梁材103の傾斜上部側は、図6(a)に示すように、傾斜上部支持機構5側の傾斜上部梁材29の鍔部63、63に対して、ボルト110をワッシャ112を介してT字溝104内に内装された図示しないナットに螺合することにより固定されている。一方、パネル固定梁材103の傾斜下部側は、図9に示すように、傾斜下部支持機構7のブラケット91に対して、締結具37を介して回転・固定可能に締結・固定されている。
次に、上記太陽光パネル要素105の取付構造について説明する。すなわち、図10(a)に示すように、隣接・配置される太陽光パネル要素105、105の端部が上記パネル固定梁材103の鍔部106、106上に設置される。上記パネル固定梁材103のT字溝104内にはナット108が内装され、そのナット108にボルト116を金具118及びワッシャ114を介して螺合する。隣接・配置される太陽光パネル要素105、105の端部はこのような構造により締結・固定される。そして、太陽光パネル要素105、105のそれぞれの反対側も同様の構成により締結・固定されるものである。
又、端に配置されている太陽光パネル要素105は、図10(b)に示すような取付構造により取り付けけられている。この場合には、金具118′の形状が、図10(a)に示す金具118と異なっていて、L字形状をなしている。その他の構成は図10(a)に示す構造と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
次に、本実施の形態における接地ルートに関して説明する。本実施の形態による架台3を構成する各構成部品は、基本的に、アルミニウム製であってその表面に絶縁処理(この実施の形態の場合にはアルマイト処理が施されている。)が施されている。
但し、切断面や貫通孔の内面等はアルマイト処理された皮膜が除去されているので、導電性を備えた状態になっている。
本実施の形態の場合には、まず、締結具37が使用されている部位においては、相互の部材の貫通孔に導電性カラー39が挿入・配置されることにより、その相互の部材間での導電性が確保され、それによって、接地ルートの一部が確保されるようになっている。
これに対して、上記締結具37が使用されていない部位、例えば、図7に示すような傾斜下部支持機構7の傾斜下部梁材81とブラケット91との間に関しては、タッピングビス111が差し込まれることにより両者間の導電性を確保し、それによって、接地ルートの一部が確保されるようになっている。すなわち、タッピングビス111は予めブラケット91の底壁93に螺合されていてその先端部が突出・配置されている。よって、ブラケット91を傾斜下部側梁材81に締結・固定することにより、上記タッピングビス111の先端部が傾斜下部側梁材81に食い込んで、その先端が傾斜下部梁材81側の表面のアルマイト処理部の下部に至り、それによって、両者間の導電性が確保されるものである。
又、太陽光パネル5と架台1側との導通であるが、図10に示すように、太陽光パネル要素105とパネル固定梁材103の鍔部106を跨ぐように、導通金具131を装着することにより実現される。上記導通金具131は、図15に示すように、クリップ部133と支持部135とから構成されている。上記クリップ部133には鋭利部137、139が設けられている。これら鋭利部137、139は、太陽光パネル要素105と鍔部106に食い込むことにより、夫々の表面のアルマイト処理部を突き抜けて、導体部に至る。それによって、太陽光パネル要素105とパネル固定梁材103の鍔部106との間を導通させるものである。
このように、本実施の形態の場合には、導電性カラー39を備えた締結具37を使用し、且つ、そのような締結具37が使用されていない場合に関しては、タッピングビス111を使用することにより、又、導通金具131を使用することにより、必要な接地(アース)ルートを確保するように構成されている。
尚、図1中符号121は太陽光パネル3を制御するための制御盤である。
以上の構成を基に、太陽光パネル3を任意の傾斜角度で設置する場合について、その手順を説明する。例えば、架台1の各部位の締結具37のボルト41とナット45の螺合を緩めるとともに、梁材側連結具31を傾斜上部梁材29に固定しているボルト67も緩め、各部位の回転、移動ひいては太陽光パネル3の傾斜角度の調整が可能な状態とする。
後は、太陽光パネル3の各部位の傾斜角度を客観的に確認できる手段を介して太陽光パネル3の各部位の傾斜角度を確認しながら、図5に示すように、連結機構27の梁材側連結具31を傾斜上部梁材29の溝65に沿って左右方向に移動させていく。それによって、締結が解除されている各部位が自由に回転しながら、太陽光パネル3の傾斜角度が調整されていくことになる。例えば、各部位の高さを計測しそれらを一致させることにより任意の傾斜角度に設定していくような方法が考えられる。
そして、太陽光パネル3の傾斜角度の調整が完了したら、各部位の締結具37のボルト41とナット45を螺合させ、強固に締結・固定すれば良い。又、ボルト67をナット66に螺合することにより、連結機構27の梁材側連結具31を傾斜上部梁材29に強固に固定すればよい。
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、連結機構27の部位にX方向への回転とY方向への回転機能が集約されているので、太陽光パネル3の傾斜角度の調整作業が大幅に容易化されることになる。すなわち、回転機構が集約されていることにより、仮に、各回転機構部位に作業員を配置して作業を行う場合には、配置する作業員の数が少なくて済むからである。又、同一作業員が異なる回転機能部位を担当する場合に、一人の作業員が集約された複数の回転機構部位を担当することができるからである。
又、傾斜上部梁材29には溝65が設けられていて、この溝65を使用して柱材23側に連結された連結機構27の梁材側連結具31ひいては柱材23を移動させることができるので、別途ガイド部材を必要としない等、構成の簡略化を図ることができる。
又、締結具37の導電性カラー39の使用、タッピングビス111、導通金具131の使用により、所望の接地(アース)ルートを容易に確保することができ、従来のような煩雑な配線作業を不要にすることができるものである。
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
例えば、傾斜上部支持機構、傾斜下部支持機構の数、位置等についてはこれを特に限定するものではない。
連結機構の構成については図示したものに限定されるものではなく、要は相互に直交する二方向への回転を許容するような連結を集約した状態で実現できるようなものであればよい。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
本発明は、太陽光パネルとこの太陽光パネルを任意の傾斜角度で保持す架台とからなる太陽光発電装置に係り、特に、架台の構成を工夫することにより、上記傾斜角度の調整の容易化と、接地ルートの確保の容易化を図ったものに関し、例えば、建屋の屋上等に太陽光パネルを設置する場合に好適である。
1 架台
3 太陽光パネル
5 傾斜上部支持機構
7 傾斜下部支持機構
23 柱材
27 連結機構
29 傾斜上部梁材
30 柱材側連結具
31 梁材側連結具
37 締結具
39 導電性カラー
41 ボルト
45 ナット
81 傾斜下部梁材
103 パネル固定梁材
111 タッピングビス
131 導通金具

Claims (4)

  1. 傾斜した状態で設置される太陽光パネルと、
    一対の柱材をV字状に配置してなり上記太陽光パネルの傾斜上部を移動・固定可能に支持する傾斜上部支持機構と、
    上記太陽光パネルの傾斜下部を移動・固定可能に支持する傾斜下部支持機構と、
    上記傾斜上部支持機構の一対の柱材の上端に相互に直交する二軸を中心に回転可能な状態で取り付けられた連結機構と、
    上記太陽光パネルの傾斜上部が設置され上記連結機構が移動可能に取り付けられる傾斜上部梁材と、
    を具備し、
    上記連結機構は、上記柱材に回転中心軸を介して連結され該回転中心軸を中心に回転可能な柱材側連結具と、上記柱材側連結具に上記柱材側連結具の回転中心軸と直交する別の回転中心軸を介して直接連結され該別の回転中心軸を中心に回転可能な梁材側連結具と、から構成されていることを特徴とする太陽光発電装置。
  2. 請求項1記載の太陽光発電装置において、
    上記傾斜上部梁材には長手方向に沿って溝が形成されていて、上記梁材側連結具は上記溝内に配置されたナットにボルトを螺合することにより上記傾斜上部梁材に締結・固定されるものであり、上記ボルト・ナットの締結を緩めることにより上記柱材の端部は上記溝に沿って移動可能となり、それによって、V字の角度ひいては太陽光パネルの傾斜角度を任意に設定可能にしていることを特徴とする太陽光発電装置。
  3. 請求項2記載の太陽光発電装置において、
    各部材は導電体の表面に絶縁処理が施されたものが使用されており、部材同士の回転部位には導電性カラーを配置し、回転部位がないところには導電性ねじ部材を設けることにより導電性を確保し、それらによって接地ルートを確保するようにしたことを特徴とする太陽光発電装置。
  4. 請求項3記載の太陽光発電装置において、
    上記太陽光パネルは複数の太陽光パネル要素をパネル固定梁材に締結・固定することにより構成されていて、上記太陽光パネル要素とパネル固定梁材とを導通金具により挟むことにより接地ルートを確保するようにしたことを特徴とする太陽光発電装置。
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