JP5936346B2 - バグフィルタ製造装置 - Google Patents
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Description
例えば、脱硝触媒は硫黄成分により性能が低下することが知られており、硫黄酸化物を含有する排ガスの処理に用いられるバグフィルタには、耐S性触媒層を形成するのが望ましいとされる。しかしながら耐S性触媒は、通常の脱硝触媒と比べて高価で脱硝性能も低いため、筒状ろ布の両面に耐S性触媒層を形成した場合は、両面に通常の脱硝触媒層が形成されているバグフィルタと比べて、脱硝性能が低く、またはコストが増加してしまう。すなわち、従来の浸漬コーティング法では、外表面に耐S性触媒、内表面に通常の脱硝触媒を形成するというように、実機運転条件に対して最適な触媒設計を行うことができなかった。
第1に、スラリー槽内のスラリー濃度が不均一の場合には、製造されるバグフィルタの触媒層の厚みにバラつきが生じてしまうとの問題がある。かかるバラつきを回避するためには、スラリー槽内に貯留されているスラリーを循環させて、スラリー濃度を均一にする必要がある。しかしながら、製造されるバグフィルタは約5〜6m程の長さがあり、それが浸漬されるスラリー槽も相当な大きさを有することから、スラリー槽内のスラリー濃度を均一に保つのは難しい。また、筒状ろ布の外側と内側では、循環するスラリーの流れが異なるものとなり、筒状ろ布の外表面と内表面との間でも、触媒層の厚みにバラつきが生じてしまうとの問題がある。また、かかる問題は、筒状ろ布の一端が封じてある場合により顕著であった。
第2に、スラリー槽には筒状ろ布が順番に浸漬されるため、スラリー槽内のスラリー濃度が変化するとの問題がある。スラリー濃度を一定に保つために、定期的にスラリー槽内のスラリーの濃度確認、濃度調整を行う必要がある。
第3に、浸漬後、筒状ろ布を引き上げた際に、筒状ろ布の外表面及び内表面に付着しているスラリー溶液が重力で下側に流れ落ちてしまい、筒状ろ布の軸方向において、触媒層の厚みにバラつきが生じてしまうとの問題がある。
長尺の筒状ろ布の外表面及び内表面に触媒層が形成されてなるバグフィルタ製造装置において、
前記長尺の筒状ろ布を引き伸ばして筒柱状に保持する保持手段と、
筒柱状に保持された筒状ろ布の外周側に配置され、前記筒状ろ布の外表面に触媒スラリーを噴霧する第1スプレーノズルと、該第1スプレーノズルを前記筒状ろ布の軸方向に移動させる第1の移動手段と、
筒柱状に保持された筒状ろ布の内周側に配置され、前記筒状ろ布の内表面に触媒スラリーを噴霧する第2スプレーノズルと、該第2スプレーノズルを前記筒状ろ布の軸方向に移動させる第2の移動手段と、
を備えたことを特徴とする。
このような回転手段を備えていれば、第1スプレーノズル及び第2スプレーノズルを筒状ろ布の周方向に沿って移動させることなく、筒状ろ布の外表面及び内表面の全周に触媒スラリーを噴霧することができる。
このような垂下手段を備えていれば、筒状ろ布の端部を筒状に保持した状態で筒状ろ布を垂直に吊り下げることで、筒状ろ布を筒柱状に保持することができる。
このような筒柱状のリテーナを筒状ろ布の内周側に挿入することで、筒状ろ布を筒柱状に保持することができる。よって、筒状ろ布を筒柱状に保持したまま横向きに配置し、その外表面及び内表面に触媒スラリーを噴霧することができる。
このように構成されていれば、筒状ろ布の外表面及び内表面に対して異なる種類の触媒層を形成することができる。
ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限り、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1に示したように、本発明のバグフィルタ製造装置1は、筒柱状に引き伸ばされた筒状ろ布61の外周側に配置された第1スプレーノズル30aと、第1スプレーノズル30aを筒状ろ布61の軸方向に移動させる移動レール32a(第1の移動手段)を備えている。また、筒柱状に引き伸ばされた筒状ろ布61の内周側に配置された第2スプレーノズル30bと、第2スプレーノズル30bを筒状ろ布61の軸方向に移動させる移動レール32b(第2の移動手段)を備えている。
すなわち、第2スプレーノズル30bは、スラリー配管15bを介して、触媒スラリーが貯留されているスラリータンク10b及びパージ水が貯留されているパージ水タンク14bと接続されている。スラリータンク10bに貯留されている触媒スラリーは、圧力制御弁24bによってその供給圧力が制御され、またその一部がポンプ22bによって加圧されながら、第2スプレーノズル30bへと供給される。また、第2スプレーノズル30bは、エアー配管17bを介してコンプレッサー12bと接続されており、コンプレッサー12bから供給される高圧の圧縮空気によって、第2スプレーノズル30bから触媒スラリーが噴霧されるようになっている。なお、図中の符号16b及び18bは三方弁、20bはフィルタ、26b及び28bは圧力計である。また、パージ水は、スラリー配管の洗浄用および必要に応じて触媒スラリーの濃度調整用の水として使用される。
図4は、本発明の別の実施形態のバグフィルタ製造装置を示した概要図、図5は、本発明の別の実施形態にかかるバグフィルタ60を示した図である。なお、この別の実施形態のバグフィルタ製造装置1は、上述した実施形態と基本的には同様な構成であり、同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
10a,10b スラリータンク
12a,12b コンプレッサー
14a,14b パージ水タンク
15a,15b スラリー配管
16a,16b 三方弁
17a,17b エアー配管
18a,18b 三方弁
20a フィルタ
22a,22b ポンプ
24a,24b 流量制御弁
30a 第1スプレーノズル
30b 第2スプレーノズル
32a 移動レール(第1の移動手段)
32b 移動レール(第2の移動手段)
50 環状リング
52 クレーン装置
54 垂下手段
60 バグフィルタ
61 筒状ろ布
62 耐S性触媒層
63 脱硝触媒層
65 リテーナ
Claims (2)
- 長尺の筒状ろ布の外表面及び内表面に触媒層が形成されてなるバグフィルタを製造するためのバグフィルタ製造装置において、
前記筒状ろ布の内周側に挿入される筒柱状のリテーナを含み、前記長尺の筒状ろ布を引き伸ばして筒柱状に保持する保持手段と、
筒柱状に保持された筒状ろ布の外周側に配置され、前記筒状ろ布の軸方向に沿って延伸する第1移動レールと、前記第1移動レール上を移動可能な第1スプレーノズルと、
筒柱状に保持された筒状ろ布の内周側に配置され、前記筒状ろ布の軸方向に沿って延伸する第2移動レールと、前記第2移動レール上を移動可能な第2スプレーノズルと、
前記筒状ろ布を筒柱状に保持された状態で軸方向を中心に回転させる回転手段と、
を備え、
前記筒状ろ布が筒柱状に保持された状態で横向きに配置されるように構成されていることを特徴とするバグフィルタ製造装置。 - 前記第1スプレーノズル及び前記第2スプレーノズルに対して夫々異なる種類の触媒スラリーが供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバグフィルタ製造装置。
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