JP5935753B2 - 車両の後部車体構造 - Google Patents
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Description
従来、上述のジャッキブラケットとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
すなわち、ジャッキブラケットが、ジャッキの押上げ部を受ける底板部と、該底板部から上方へ折り曲げ形成された縦板部と、上記底板部よりも上方に設けられ、縦板部同士を接続しこれら縦板部とともに上下方向を軸方向とする筒部を形成している一対の側板部と、底板部がジャッキの押上げ部によって上方へ押圧された状態で底板部および側板部間に介在する突っ張り部と、を備え、上記底板部、縦板部、側板部および突っ張り部が、単一の板材から成形された本体を構成しているものである。
つまり、上記特許文献1に開示されたジャッキブラケットは、単一の板材から形成された一体物のジャッキブラケットである。
しかしながら、上述のように上下の2分割体とした場合に、分割部における強度が低下するという問題が発生することが判明した。
そこで、この発明は、ジャッキブラケットの分割部における強度を確保することができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
このため、車体形状を問わずジャッキブラケットを上側部材と下側部材との共通部品で構成することができ、部品共通化を達成することができる。
しかも、上述の第1接合部と第2接合部とを、車両上下方向および車両前後方向にオフセットした位置に設けたので、ジャッキブラケットの分割部(重ね合わせ部分近傍)における強度(特に、下側部材の上下方向および前後方向の強度)を確保することができる。
図面では車両の後部車体構造を示し、図1は当該後部車体構造を車両後方側から見た状態で示す斜視図、図2は図1の要部拡大斜視図、図3は図2のX−X線矢視断面図である。
図1,図3において、車両後部に形成された荷室1の底面を形成するフロアパネルとしてのリヤフロアパン2(但し、図3においてはリヤフロアパン2に段下げ形成されたスペアタイヤパンを示す)を設け、このリヤフロアパン2の下部左右両サイドには、図1に示すようにリヤサイドフレーム3,3を設けている。
このリヤサイドフレーム3はリヤフロアパン2の下部に沿って車両の前後方向に延びており、リヤフロアパン2とリヤサイドフレーム3との間には、車両の前後方向に延びるリヤサイド閉断面が形成されている。
上述のリヤサイドフレーム3の後端部にはセットプレート4が取付けられており、このセットプレート4の後面には車両後方へ突出する衝突エネルギ吸収部材としてのクラッシュカン(図示せず)が設けられる。
また、上述のサイドシルアウタ5内には、サイドシル閉断面を前後方向に仕切る複数の節部材6,7が車両前後方向に離間して取付けられている。
さらに、上述のサイドシルアウタ5の前後方向中間部と、図示しないルーフサイドレールの前後方向中間部との間を上下方向に連結するセンタピラーアウタ8を設けている。このセンタピラーアウタ8は、図示しないセンタピラーインナと接合固定されて車両の上下方向に延びるセンタピラーを構成するものであって、センタピラーアウタ8とセンタピラーインナとの間には、車両の上下方向に延びるセンタピラー閉断面が形成されている。
このリヤエンドパネル12は、図3に示すように、上下方向に延びる縦壁部12aと、この縦壁部12aの上端から後方かつ上方へ延出された延出部12bと、この延出部12bの後端から上方に立上がる上壁部12cと、この上壁部12cの上端に前低後高形状に屈曲形成されたフランジ部12dと、を一体形成したものである。
上述のリヤエンドパネル12の上部荷室側にはリヤエンドメンバ13を接合固定して、該リヤエンドメンバ13とリヤエンドパネル12との間には、車幅方向に延びるリヤエンド閉断面14を形成している。
そして、上述のリヤエンドパネル12のフランジ部12dと、リヤエンドメンバ13の上側フランジ部13aとの接合端部を、後部荷室開口15に設定している。
上述のジャッキブラケット18におけるアッパブラケット16の上部後面には、図2に示すように、ナンバプレート締結用のブラケット19が連結固定されている。このブラケット19は基部19aと、該基部19aの車幅方向両端部から斜め後方に延びる支持脚部19b,19bと、これら各支持脚部19b,19bの後端から車幅方向外方に延びるプレート取付け座部19c,19cと、を有し、平面視で略ハット形状に形成されている。
これら各ブラケット20,20は、リヤエンドパネル12に固定される縦面部20aと、この縦面部20aの下端から車両後方に延び、クリップを用いてリヤバンパフェースの下部を締結する水平部20bとを、側面視でL字状に一体形成したものである。
つまり、上述のジャッキブラケット18を、重ね合わせ接合されるアッパブラケット16とロアブラケット17との上下の2分割体で構成したものである。
図4〜図7に示すように、上述のアッパブラケット16は車両後側に突出する断面略ハット形状に形成されている。
さらに、図2,図3,図7に示すように、アッパブラケット16の後壁部16aの下端部車幅方向中央には、後述する第2接合部SW2形成時(図3,図9参照)に、図示しないスポット溶接ガンを配設するための切欠き部16fを形成している。
すなわち、このロアブラケット17の下部は図5の(B)に断面図で示すように、車両前側に位置する中央部17aの車幅方向両端から、内側壁部17bと外側壁部17cとを備えた凸部17dを車両後側に突出形成し、左右の外側壁部17cの前端から車幅方向外方に延びるフランジ部17e,17eを一体形成して、平面視における断面形状を略W字形状と成したものである。
図4に示すように、この実施例では、ロアブラケット17の上部の断面略ハット形状の後面である後壁部17fと、アッパブラケット16の対応部位における後壁部16aとに上述の第1接合部SW1,SW1が、車幅方向に離間して合計2つ設けられている。
このように、第3接合部SW3が車幅方向にオフセットした位置に設けられているため、ジャッキブラケット18の分割部(重ね合わせ部分近傍)における車幅方向の強度も確保でき、より一層ジャッキブラケット18の分割部(重ね合わせ部分近傍)の強度を高めることができる。
さらに、図4および図5の(A)に示すように、車幅方向に間隔を隔てて設けられた2つの第1接合部SW1,SW1間において、アッパブラケット16とロアブラケット17とが離間する離間部21を形成している。
そして、上述の離間部21により、電着塗装時にアッパブラケット16とロアブラケット17との重ね合わせ部分にエアポケットが発生するのを防止し、電着液を流れやすくして、当該電着液の付き回り性向上を図るように構成している。
なお、車両のジャッキアップ時には、図3,図9に仮想線で示すジャッキ30の押上げ部31を、ジャッキブラケット18の下端であるロアブラケット17の剛性が高い断面略W字形状の下端部に当接して、車両をジャッキアップする。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
このため、車体形状を問わずジャッキブラケット18を上側部材(アッパブラケット16)と下側部材(ロアブラケット17)との共通部品で構成することができ、部品共通化を達成することができる。
しかも、上述の第1接合部SW1と第2接合部SW2とを、車両上下方向および車両前後方向にオフセットした位置に設けたので、ジャッキブラケット18の分割部(重ね合わせ部分近傍)における強度(特に、下側部材としてのロアブラケット17の上下方向および前後方向の強度)を確保することができる。
また、上記上側部材(アッパブラケット16)は、車両後側に突出する断面略ハット形状であり、上記下側部材(ロアブラケット17)は、その上部が上記上側部材(アッパブラケット16)の形状に沿った断面略ハット形状であり、その下部は車幅方向の中央部17aが車両前側に突出し、該中央部17aの両側が車両後側に突出する断面略W字形状であり、上記下側部材(ロアブラケット17)の上部の断面略ハット形状の後面に上記第1接合部SW1が設けられ、上記下側部材(ロアブラケット17)の下部の断面略W字形状の中央部17aに上記第2接合部SW2が設けられたものである(図4,図5参照)。
さらに、上記第1接合部SW1が車幅方向の複数箇所に設けられ、上記複数の第1接合部SW1,SW1間において、上記上側部材(アッパブラケット16)と下側部材(ロアブラケット17)とが離間する離間部21を形成したものである(図4,図5参照)。
加えて、上記実施例で開示したように、リヤエンドパネル12の後面にナンバプレート締結用のブラケット19を設ける場合、上記リヤエンドパネル12の後面に断面略ハット形状のアッパブラケット16(上側部材)を介して当該ブラケット19を取付けることで、このブラケット19はその上下方向の曲げに対しても強くなる。つまり、上述のアッパブラケット16をナンバプレート締結用のブラケット19の剛性補強用としても有効利用することができる。
この発明の上側部材は、実施例のアッパブラケット16に対応し、
以下同様に、
下側部材は、ロアブラケット17に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
12…リヤエンドパネル
16…アッパブラケット(上側部材)
17…ロアブラケット(下側部材)
17a…中央部
18…ジャッキブラケット
21…離間部
SW1…第1接合部
SW2…第2接合部
Claims (2)
- 車両後部に形成された荷室と、該荷室の後部壁面を構成するリヤエンドパネルとを備え、
上記リヤエンドパネルの後側面に車両上下方向に延びるジャッキブラケットが配設された車両の後部車体構造であって、
上記ジャッキブラケットは、その上側を構成し、上記リヤエンドパネルと接合される上側部材と、
上記ジャッキブラケットの下側を構成し、上記上側部材と車両前後方向に重ね合わせ接合されると共に
上記リヤエンドパネルと接合される下側部材とを有し、
上記上側部材と上記下側部材とを接合する第1接合部と、上記下側部材と上記リヤエンドパネルとを接合する第2接合部とが、車両上下方向および車両前後方向にオフセットした位置に設けられ、
上記上側部材は、車両後側に突出する断面略ハット形状であり、
上記下側部材は、その上部が上記上側部材の形状に沿った断面略ハット形状であり、
その下部は、車幅方向の中央部が車両前側に突出し、該中央部の両側が車両後側に突出する断面略W字形状であり、
上記下側部材の上部の断面略ハット形状の後面に上記第1接合部が設けられ、
上記下側部材の下部の断面略W字形状の中央部に上記第2接合部が設けられた
車両の後部車体構造。 - 上記第1接合部が車幅方向の複数箇所に設けられ、
上記複数の第1接合部間において、上記上側部材と下側部材とが離間する離間部を形成した
請求項1に記載の車両の後部車体構造。
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2013
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