JP5934910B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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本発明は冷蔵庫の断熱箱体の構造に関するものである。
従来、冷蔵庫の断熱箱体の構造を簡素化するために、外箱と内箱とを接着剤あるいは粘着剤にて固着したものがある。(例えば、特許文献1参照)
図5は、前記公報に記載された従来の冷蔵庫の概略構成斜視図、図6は、図5のA−A線断面図を示すものである。
図5、図6に示すように、冷蔵庫1の断熱箱体2は、外箱3と内箱4との間に発泡断熱材5を充填発泡して構成される。外箱3は、外箱前面フランジ3aを内側に折返して折返し部3bを形成している。また、内箱4は内箱前面フランジ4aを備え、内箱フランジ4aの外面と、折返し部3bを除く外箱前面フランジ3aの内面とを接着剤あるいは粘着剤などの固着剤6にて固着している。
実開昭58−111893号公報
しかしながら、前記従来の構成では、折返し部3bを内箱前面フランジ4aと固着していないので、例えば発泡断熱材5を充填発泡する時や、冷蔵庫1を運転して冷蔵庫1の内部が冷却された時などに、外箱3と内箱4との間に隙間が発生し、外観意匠を損ねる可能性があるという課題を有していた。
また、内箱前面フランジ4aは断熱箱体2の大きさに合わせて形成され、その長手方向の長さは大型冷蔵庫においては1500mm以上になることもあるが、内箱4を成型する際の内箱前面フランジ4aの波打ちや反りを防止しないと、容易に外箱3と内箱4との間に隙間が発生してしまうため、内箱前面フランジ4aの長さは、固着強度が許す限り短い方が安定した成型と固着とを実現しやすい。
しかしながら、本従来の構成の場合では、内箱前面フランジ4aが固着剤6による固着部を超えて長く略平面状に形成されており、波打ちや反りを防止するための高度な成型技術を要するという課題も有していた。
高度な成型技術を実現するためには、複雑な金型構造や設備が必要であり、設備投資額が増大してしまう。
特に雄型の真空成型にて内箱4を成型する場合には、内箱4の奥面に比べて内箱前面フランジ4aの方が肉厚が薄くなる傾向になるため、波打ちや反り対策が必須となる。
前記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、前面開口部を有する断熱箱体は外箱と内箱との間に断熱材を発泡充填したもので、前記前面開口部は外箱前部と内箱前部とを有し、前記内箱前部は前記断熱箱体の開口面に略平行に延びた内箱平面部と、前記内箱平面部の貯蔵室側の端部に段差を設けた内箱段差部とを備え、前記内箱平面部と前記外箱前部とを固着したもので、前記内箱平面部の平面度を確保するために前記内箱平面部に、前記内箱平面部の長手方向に略平行に延伸され、前記内箱平面部より断熱材側に突起した内箱凹部を設け、前記内箱凹部の高さは前記内箱段差部の高さより小さく構成し、前記外箱前部は前記断熱箱体の開口面に略平行に延びた外箱平面部と、前記外箱平面部の前記内箱側の端部より前記断熱箱体の奥側方向に延びた外箱立上げ部とを備え、前記外箱立上げ部の端面は利用者から見えないように前記内箱段差部に配置され、前記内箱前部を前記外箱平面部の前記断熱材側に固着したものである。
これにより、内箱前部において内箱フランジ長さを最小限にて形成することができ、内箱成型時の内箱平面部の波打ちや反りを防止できる。
また、内箱段差部を設けることにより、内箱前部の断面2次モーメントが増大して内箱前部の剛性が高まるので、外箱と内箱との固着が容易になる。
本発明の冷蔵庫は、内箱成型のために複雑な金型構造や設備を用いなくても、安定して冷蔵庫の外観意匠を確保することができる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図 図1の冷蔵庫のB−B線要部断面図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の図2に相当するB−B線要部断面図 本発明の実施の形態3における冷蔵庫の図2に相当するB−B線要部断面図 従来の冷蔵庫の概略構成斜視図 図5のA−A線断面図
第1の発明は、前面開口部を有する断熱箱体は外箱と内箱との間に断熱材を発泡充填したもので、前記前面開口部は外箱前部と内箱前部とを有し、前記内箱前部は前記断熱箱体の開口面に略平行に延びた内箱平面部と、前記内箱平面部の貯蔵室側の端部に段差を設けた内箱段差部とを備え、前記内箱平面部と前記外箱前部とを固着したもので、前記内箱平面部の平面度を確保するために前記内箱平面部に、前記内箱平面部の長手方向に略平行に延伸され、前記内箱平面部より断熱材側に突起した内箱凹部を設け、前記内箱凹部の高さは前記内箱段差部の高さより小さく構成し、前記外箱前部は前記断熱箱体の開口面に略平行に延びた外箱平面部と、前記外箱平面部の前記内箱側の端部より前記断熱箱体の奥側方向に延びた外箱立上げ部とを備え、前記外箱立上げ部の端面は利用者から見えないように前記内箱段差部に配置され、前記内箱前部を前記外箱平面部の前記断熱材側に固着したものである。
これにより、内箱前部において内箱フランジ長さを最小限にて形成することができ、内箱成型時の内箱平面部の波打ちや反りを防止できるので、内箱成型のために複雑な金型構造や設備を用いなくても、安定して冷蔵庫の外観意匠を確保することができる。
また、内箱段差部を設けることにより、内箱前部の断面2次モーメントが増大して内箱前部の剛性が高まるので、外箱と内箱とを容易に固着できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図、図2は、図1のB−B線要部断面図を示すものである。
図1、図2において、冷蔵庫本体20の断熱箱体21は、例えばABSシートを雄型の真空成型にて形成された内箱22と鋼板などの金属磁性体にて形成された外箱23との間に断熱材24を発泡充填した断熱壁から形成されるものであり、前面開口部21aを有し、仕切壁25により、上部から冷蔵室26、冷凍室27、と複数の貯蔵室を形成している。
冷蔵室26の保存設定温度は冷蔵温度帯に設定され、冷凍室27の保存設定温度は冷凍温度帯に設定されている。
また、各貯蔵室には全閉時に前面開口部21aを閉塞し、断熱箱体21と連結され、それぞれ断熱壁を有する冷蔵室ドア26a、冷凍室ドア27aを備える。
また、断熱箱体21は冷蔵庫本体20を運転時に冷却する冷凍サイクル(図示せず)を備えている。
前面開口部21aは内箱前部22aと外箱前部23aとを備える。
外箱前部23aは断熱箱体21の外表側面と一体に折り曲げ形成され、冷蔵庫本体20の前面開口部21aの開口面と略平行に延びた外箱平面部23bを有し、外箱平面部23bの端面は各貯蔵室空間に配置されている。
内箱前部22aは、外箱前部23aよりも断熱材24側に配置される。
内箱前部22aは内箱22の上下面および両側面と一体成型にて形成され、外箱平面部23bと略平行に延びた内箱平面部22bと、内箱平面部22bと内箱22の上下面および両側面とを連結する内箱段差部22cとを有する。すなわち、内箱段差部22cは、内箱平面部22bの貯蔵室側の端部に、断熱材24側に凹んだ段差を設けたものである。
内箱段差部22cは内箱平面部22bの貯蔵室側の端部から冷蔵庫本体20の奥方向に向かって略階段状に形成される。
また、内箱平面部22bは、接着剤あるいは両面テープなどの粘着剤を用いた固着部材28にて外箱平面部23bの断熱材24側にて前面開口部21aの全周を固着している。
この時、外箱平面部23bの端面は内箱平面部22bの貯蔵室側端部とほぼ同一、もしくは、内箱平面部22bの貯蔵室側端部よりやや外側に位置し、固着部材28で固着されていない外箱平面部23bが内箱段差部22cに露出しないように配置されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、内箱前部22aと外箱前部23aとを固着部材28にて前面開口部21aの全周を固着しているので、断熱材24を発泡充填しても断熱材24が漏洩することは無い。
固着の際、内箱平面部22bと外箱平面部23bとを安定して固着させるためには、それぞれの平面度の確保が必要となる。
外箱23は鋼板を利用しているので、外箱平面部23bの平面度を確保することは比較的容易である。
一方、雄型の真空成型で形成した内箱22は、成型の特質上、内箱平面部22bが一番薄くなる傾向にあり、内箱平面部22bにおいて成型時に波打ちや反りが発生しやすくなる。
しかしながら、本実施の形態では、内箱段差部22cを設けることで、内箱平面部22bの長さを最小限としており、波打ちや反りが発生しにくくなっている。
また、内箱段差部22cを設けることで、内箱前部22aの断面2次モーメントが増大し、内箱前部22aの剛性が高まるので、更に波打ちや反りを防止したり、固着部材28による固着を容易にしている。
また、外箱平面部23bの端面が内箱段差部22cに露出しないように配置されているので、利用者が外箱平面部23bの端面に触れにくくなっている。
以上のように、本実施の形態では、内箱22の成型のために複雑な金型構造や設備を用いなくても、内箱平面部22bの平面度を確保することができ、冷蔵庫本体20の外観意匠を安定して保つことができる。
また、固着部材28による内箱平面部22bと外箱平面部23bとの固着が容易になり、更に外観意匠の安定性を高めることができる。
更に、利用者が外箱平面部23bの端面に触れられる可能性も低減することができるので、冷蔵庫本体20の安全性を確保することができる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における冷蔵庫の図1のB−B線要部断面図を示すものである。なお、実施の形態1と同一の構成に関しては同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図3において、冷蔵庫本体100の断熱箱体101は、例えばABSシートを雄型の真空成型にて形成された内箱102と鋼板などの金属磁性体にて形成された外箱103との間に断熱材104を発泡充填した断熱壁から形成されるものであり、前面開口部101aを有している。
前面開口部101aは内箱前部102aと外箱前部103aとを備える。
外箱前部103aは断熱箱体101の外表側面と一体に折り曲げ形成され、冷蔵庫本体100の前面開口部101aの開口面と略平行に延びた外箱平面部103bを有し、外箱平面部23bの端面は各貯蔵室空間に配置されている。
内箱前部102aは、外箱前部103aよりも断熱材104側に配置される。
内箱前部102aは内箱102の上下面および両側面と一体成型にて形成され、外箱平面部103bと略平行に延びた内箱平面部102bと、内箱平面部102bと内箱102の上下面および両側面とを連結する内箱段差部102cとを有する。
内箱段差部102cは内箱平面部102bの貯蔵室側の端部から一旦冷蔵庫本体100の前方向に突出し、外箱平面部103bの端面と同一、もしくは少し突出し、冷蔵庫本体100の開口面方向の貯蔵室側に略平面状に伸びた後、内箱102の上下面および両側面と連結される。
また、内箱平面部102bは、接着剤あるいは両面テープなどの粘着剤を用いた固着部材105にて外箱平面部103bの断熱材104側にて前面開口部101aの全周を固着している。
この時、外箱平面部103bの端面は内箱段差部102cに近接しており、端面が利用者から見えないように配置されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、内箱前部102aと外箱前部103aとを固着部材105にて前面開口部101aの全周を固着しているので、断熱材104を発泡充填しても断熱材104が漏洩することは無い。
また、本実施の形態では、内箱段差部102cを設けることで、内箱平面部102bの長さを最小限としており、波打ちや反りが発生しにくくなっている。
また、内箱段差部102cを設けることで、内箱前部102aの断面2次モーメントが増大し、内箱前部102aの剛性が高まるので、更に波打ちや反りを防止したり、固着部材105による固着を容易にしている。
また、外箱平面部103bの端面が内箱段差部102cに露出しないように配置されているので、利用者が外箱平面部103bの端面を見たり、端面に触れることはない。
以上のように、本実施の形態では、内箱102の成型のために複雑な金型構造や設備を用いなくても、内箱平面部102bの平面度を確保することができ、冷蔵庫本体100の外観意匠を安定して保つことができる。
また、固着部材105による内箱平面部102bと外箱平面部103bとの固着が容易になり、更に外観意匠の安定性が増す。
また、利用者が外箱平面部103bの端面で怪我することを防止できるので、冷蔵庫本体100の安全性を確保することができる。
更に、外箱平面部103bの端面が利用者から見えないので、外箱103の材料に鋼板を使用しても、外箱平面部103bの錆による冷蔵庫本体100の外観意匠の低下を防止できる。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3における冷蔵庫の図1のB−B線要部断面図を示すものである。なお、実施の形態1または2と同一の構成に関しては同一の番号を付し、説明を省略する。
図4において、冷蔵庫本体200の断熱箱体201は、例えばABSシートを雄型の真空成型にて形成された内箱202と鋼板などの金属磁性体にて形成された外箱203との間に断熱材204を発泡充填した断熱壁から形成されるものであり、前面開口部201aを有している。
前面開口部201aは内箱前部202aと外箱前部203aとを備える。
外箱前部203aは断熱箱体201の外表側面と一体に折り曲げ形成され、冷蔵庫本体200の開口面と略平行に延びた外箱平面部203bと、外箱平面部203bの貯蔵室側端部より立ち上げられ冷蔵庫本体200の奥側かつ断熱材204側方向にカーリング加工をされた外箱立上げ部203cとを有し、外箱立上げ部203cの端面は各貯蔵室空間に配置されている。
内箱前部202aは、外箱前部203aよりも断熱材204側に配置される。
内箱前部202aは内箱202の上下面および両側面と一体成型にて形成され、外箱平面部203bと略平行に延びた内箱平面部202bと、内箱平面部202bと内箱202の上下面および両側面とを連結する内箱段差部202cと、内箱平面部202bの長手方向に略平行に延伸され、内箱平面部202bより断熱材204側に突起した内箱凹部202dとを有する。
内箱段差部202cは内箱平面部202bの貯蔵室側の端部から冷蔵庫本体200の奥方向に向かって略階段状に形成される。
また、内箱平面部202bは、接着剤あるいは両面テープなどの粘着剤を用いた固着部材205にて外箱平面部203bの断熱材204側にて前面開口部201aの全周を固着している。
この時、外箱立上げ部203cは内箱段差部202cに収容されており、外箱立上げ部203cの端面が利用者から見えないように配置されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、内箱前部202aと外箱前部203aとを固着部材205にて前面開口部201aの全周を固着しているので、断熱材204を発泡充填しても断熱材204が漏洩することは無い。
また、本実施の形態では、内箱段差部202cを設けることで、内箱平面部202bの長さを最小限としており、波打ちや反りが発生しにくくなっている。
また、内箱段差部202cを設けることで、内箱前部202aの断面2次モーメントが
増大し、内箱前部202aの剛性が高まるので、更に波打ちや反りを防止したり、固着部材205による固着を容易にしている。
更に内箱凹部202dを設けることで、内箱平面部202bの断面2次モーメントが増大し、より波打ちや反りが発生しにくくなると共に、固着部材205による固着を容易にしている。
また、外箱立上げ部203cを備えることで外箱前部203aの断面2次モーメントが増大し、外箱前部203aの剛性が高まるので、固着部材205による固着は、更に容易となる。
また、外箱平面部203bの端面が内箱段差部202cに収容されて、利用者が外箱平面部23bの端面を見たり、端面に触れることはなく、しかも見栄え良くコンパクトに内箱前部202aと外箱前部203aとを配置している。
以上のように、本実施の形態では、内箱202成型のために複雑な金型構造や設備を用いなくても、内箱平面部202bの平面度を確保することができ、冷蔵庫本体200の外観意匠を安定して保つことができる。
また、固着部材205による内箱平面部202bと外箱平面部203bとの固着が容易になり、更に外観意匠の安定性が増す。
また、利用者が外箱立上げ部203cの端面で怪我することを防止できるので、冷蔵庫本体200の安全性を確保することができる。
更に、外箱立上げ部203cの端面が利用者から見えないので、外箱203の材料に鋼板を使用しても、外箱立上げ部203cの錆による冷蔵庫本体200の外観意匠の低下を防止できる。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、内箱成型のために複雑な金型構造や設備を用いなくても、断熱箱体の外観意匠を確保することができるので、内箱と外箱を備えたあらゆる断熱箱体に適用できる。
20,100,200 冷蔵庫本体
21,101,201 断熱箱体
21a,101a,201a 前面開口部
22,102,202 内箱
22a,102a,202a 内箱前部
22b,102b,202b 内箱平面部
22c,102c,202c 内箱段差部
202d 内箱凹部
23,103,203 外箱
23a,103a,203a 外箱前部
23b,103b,203b 外箱平面部
203c 外箱立上げ部
24,104,204 断熱材
26 冷蔵室
27 冷凍室
28,105,205 固着部材

Claims (1)

  1. 前面開口部を有する断熱箱体は外箱と内箱との間に断熱材を発泡充填したもので、前記前面開口部は外箱前部と内箱前部とを有し、前記内箱前部は前記断熱箱体の開口面に略平行に延びた内箱平面部と、前記内箱平面部の貯蔵室側の端部に段差を設けた内箱段差部とを備え、前記内箱平面部と前記外箱前部とを固着したもので、前記内箱平面部の平面度を確保するために前記内箱平面部に、前記内箱平面部の長手方向に略平行に延伸され、前記内箱平面部より断熱材側に突起した内箱凹部を設け、前記内箱凹部の高さは前記内箱段差部の高さより小さく構成し、前記外箱前部は前記断熱箱体の開口面に略平行に延びた外箱平面部と、前記外箱平面部の前記内箱側の端部より前記断熱箱体の奥側方向に延びた外箱立上げ部とを備え、前記外箱立上げ部の端面は利用者から見えないように前記内箱段差部に配置され、前記内箱前部を前記外箱平面部の前記断熱材側に固着したことを特徴とする冷蔵庫。
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