JP5934571B2 - 荷重検出器 - Google Patents

荷重検出器 Download PDF

Info

Publication number
JP5934571B2
JP5934571B2 JP2012106300A JP2012106300A JP5934571B2 JP 5934571 B2 JP5934571 B2 JP 5934571B2 JP 2012106300 A JP2012106300 A JP 2012106300A JP 2012106300 A JP2012106300 A JP 2012106300A JP 5934571 B2 JP5934571 B2 JP 5934571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
load
strain
pair
operating arm
load detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012106300A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013242148A (ja
Inventor
和男 廣瀬
和男 廣瀬
淳一 本村
淳一 本村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2012106300A priority Critical patent/JP5934571B2/ja
Publication of JP2013242148A publication Critical patent/JP2013242148A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5934571B2 publication Critical patent/JP5934571B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Force In General (AREA)

Description

本発明は、医療機関などのベッド、あるいは自動車などの輸送機器、その他各種の機械装置や設備、さらには建築構造物などにおいて、荷重分布や荷重の変動、そのほか振動などを検出、測定するための荷重検出器に関するものである。
例えば、医療機関や、介護施設、養護施設等で使用されるベッドについては、ベッド本体に加わる荷重の変化をロードセル(荷重検出器)によって検出し、ベッド本体の寝床面上における利用者(病人、被介護者、乳幼児等)の状態(入床、離床、在床位置、体動等)を検出することが提案されている(例えば、特許文献1〜3等を参照)。
この種の荷重検出のために用いる検出器(ロードセル)としては、荷重によって起歪体に歪を生じさせ、その歪の程度を、歪センサによって電気的あるいは光学的、さらには磁気的に検出するようにしたものが広く用いられている。このような歪センサの検出素子として最も広く用いられているのは、歪により電気抵抗が変化する歪ゲージ(ストレインゲージ)である。
ところで歪ゲージを用いたロードセルとしては種々のものが知られているが、その代表的なものとしては、例えば図22に示すように、ロバーバル機構を組み込んだ片持ち梁(カンチレバー)タイプのものが知られている(例えば特許文献4参照)。このタイプのロードセルは、アルミ合金やステンレス鋼などからなる角棒あるいは厚板を起歪体100とし、かつその起歪体100における長さ方向の中間部にロバーバル機構102を形成しておくとともに、そのロバーバル機構102を構成する長孔103の両端の拡大孔部103A、103Bに対応する起歪体外面位置に、歪センサ104を構成する1または2以上の歪ゲージ104A、104Bを貼着しておき、その起歪体100を、長さ方向が水平となりかつ歪ゲージ104A、104Bの貼着面が上面もしくは下面となるように、一方の端部106Aを固定部位108に固定し(すなわち片持ち支持し)、他端部106Bに外部から荷重Wを加えるように構成したものである。
この種の片持ち梁(カンチレバー)タイプのロードセルにおいては、片持ち支持された起歪体100の先端部に荷重Wが加えられれば、起歪体100は、先端部が下がる方向に弾性的に撓み変形し、起歪体100の上面及び下面、特にロバーバル機構102の近傍に引張歪もしくは圧縮歪が生じて、その歪が歪ゲージ104A、104Bによって検出される。そしてその歪の大きさが、加えられた荷重に対応するため、結果的に荷重Wの大きさを検出することが可能となる。そして例えばベッド用の荷重検出器としても、前記特許文献2、特許文献3では、このような片持ち梁(カンチレバー)タイプのロードセルを用いることが示されている。
一方、例えば図23に示すように、起歪体100を両持ち支持するようにした両持ち梁タイプのロードセルも知られている(例えば特許文献5参照)。この両持ち梁タイプのロードセルは、アルミ合金やステンレス鋼などからなる角棒あるいは厚板からなる起歪体100の長さ方向の両端部106A、106Bを、それぞれ固定部位108A、108Bに固定し(すなわち両持ち支持し)、起歪体100の長さ方向の中央部110に外部から荷重Wを加えるように構成している。なお起歪体100における中央部110の両側には、それぞれロバーバル機構102A、102Bを形成しておくのが通常であり、その場合、歪センサの歪ゲージ104A〜104Dは、起歪体100の上面もしくは下面における前記ロバーバル機構102A、102Bの各端部に対応する位置に貼着しておくのが通常である。
この種の両持ち梁タイプのロードセルにおいては、両持ち支持された起歪体100の中央部部に荷重Wが加えられれば、起歪体100は、中央部が下がる方向に湾曲状に弾性的に撓み変形し、起歪体100の中央部と両端部との間において、上面及び下面、特にロバーバル機構102の近傍に引張歪もしくは圧縮歪が生じ、その歪が歪ゲージ104A〜104Dによって検出され、結果的に荷重Wの大きさを検出することが可能となる。
なおその他、図23に示す両持ち梁タイプのロードセルに原理的に類似したものとして、水平な円盤などの平板状の起歪体の周囲を支持し、その平板状の起歪体の中央部に荷重Wを加えて、中央部と周縁部との間に生じる歪を検出するようにした、いわゆるダイヤフラムタイプのロードセルも知られており、ベッド用の荷重検出器としても、前記特許文献1では、このような平板状のロードセルを用いることが示されている。
特開2000−105884号公報 特開2008−304397号公報 特開2007−256074号公報 特開平10−221183号公報 特開平10−2812号公報
図22に示したカンチレバー(片持梁)タイプの歪センサを用いた従来のロードセルにおいては、起歪体の一端を固定部位に固定して、その起歪体の他端に、起歪体の長さ方向に対して直角をなす方向に荷重Wを加えるため、過大な荷重によって起歪体が折損したり、繰り返し荷重によって起歪体が疲労破壊しやすい問題がある。とりわけ、荷重検出精度を高めるために、加えられる荷重による歪の発生量を大きくするべく、固定部位に対する支持位置(支点)と、荷重Wが加わる位置(力点)との間の距離、すなわち起歪体の実質長さを大きくすれば、起歪体が一層折損、破壊しやすくなってしまう。一方、このような過大荷重や繰り返し荷重による折損や破壊を防止するために起歪体の剛性を高めれば、荷重が加わった時の歪の発生が小さくなり、そのため荷重検出精度が低下してしまう。さらに、荷重Wが加えられる方向線に対して、起歪体の実質長さ分だけ支点位置が側方に偏っているため、狭い個所に設置することが困難であるという問題もある。そしてまた、片持ち梁方式であるところから、支点部分は固定位置にしっかりと取り付けておく必要があり、そのため、既存の設備や機械装置などにロードセルを組み込むに当っては、ロードセル取り付けのために、既存の設備や機械装置などに改めて加工を施さなければならないという問題もある。
一方、図23に示したような従来の両持ち梁方式のロードセルにおいては、起歪体の両端が支持されるため、図22に示した片持ち梁方式のロードセルと比較すれば、過大な荷重による折損や疲労破壊の危険性は小さいが、その反面、片持ち梁方式よりも起歪体の変形が少なくなって、高精度での歪測定が困難となるおそれがある。また、荷重Wが加えられる方向線の両側に離れて支点が位置するため、片持ち梁方式よりも一層、狭い個所に設置することが困難となるという問題がある。
その他、ダイヤフラム方式の平板状ロードセルも、上記の両持ち梁方式と同様な問題がある。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、高精度で荷重を検出することができると同時に、耐久性も高く、しかも狭い個所にも容易に設置可能で、また既存の装置や設備にも簡単に組み込むことが可能な荷重検出器を提供することを課題とするものである。
以上のような課題を解決するため、本発明においては、基本的には、両持ち梁方式を前提としながらも、外部から加えられた荷重による両持ち梁の歪を直接検出するのではなく、両持ち梁の部分に発生した歪を、その両持ち梁の部分に連続する他の部分で構造的に増幅して、高精度で荷重を検出できるようにするとともに,コンパクト化を図り得るようにした。
具体的には、本発明の基本的な態様(第1の態様)による荷重検出器は、
所定方向に荷重が加えられる基体と、その基体に取り付けられた歪センサとを有してなり、
前記基体は、荷重受け領域及び一対の支点受け領域を有する荷重受け梁部と、その荷重受け梁部における異なる位置から突出する一対の作動腕部と、それら一対の作動腕部の先端側の部分同士を連結する連結部とを有し、かつこれらの荷重受け梁部、一対の作動腕部および連結部が、全体として連続して中空部分を取り囲むように構成されており、
前記荷重受け領域は、前記一対の支点受け領域の中間においてその一対の支点受け領域を結ぶ直線を横断する基準面に相当する位置に形成され、かつその荷重受け領域は、前記基準面に沿った方向に加えられる荷重を受けるように構成され、
さらに、前記一対の作動腕部の一方は、荷重受け梁部における前記基準面に対して前記一対の支点受け領域のうちの一方が位置する側から突出するように、また一対の作動腕部の他方は、荷重受け梁部における前記基準面に対して前記一対の支点受け領域のうちの他方の支点受け領域が位置する側から突出するように形成されており、
前記歪センサが、前記一対の作動腕部の少なくとも一方に取り付けられており、
前記一対の支点受け領域を支持した状態で、荷重受け領域に荷重を加えることによって、前記一対の作動腕部の少なくとも一方が弾性変形し、その弾性変形の歪を前記歪センサが検出するように構成したことを特徴とするものである。
ここで、「一対の支点受け領域の中間」とは、一対の支点受け領域の間であればよく、一対の支点受け領域の中央に限定されない。
また、「基準面」は、一対の支点受け領域の間において、一対の支点受け領域を結ぶ直線が貫通するような向きで配置する仮想的な面であり、一対の支点受け領域を結ぶ直線に対して直交する向きで配置する場合に限定されない。
また、「中空部分」は、荷重受け梁部、一対の作動腕部および連結部等によって形成される中空の部分である。
このような第1の態様の荷重検出器において、その支点受け領域を外部の任意の支持部材によって支持させれば、荷重受け梁部はいわゆる両持ち梁として機能する。そのため、荷重受け梁部の荷重受け領域に、基準面に沿って荷重が加えられれば、その部分を中心として荷重受け梁部に、基準面に沿って張り出す方向に湾曲状の微小撓み変形(弾性変形)が生じる。すなわちこの微小撓み変形は、荷重受け梁部における基準面に対して左右両側の部位(支点受け領域に近い部位)で、それぞれ基準面に直交する面に対してわずかに傾斜するように生じる。これに伴い、荷重受け梁部における基準面と支点受け領域との間の位置から突出する一対作動腕部には、その先端部間の距離を拡大させる方向に傾斜させる力が作用するが、一対の作動腕部の先端部側の部分の間は連結部によって拘束されているため、その力は、一対の作動腕部の長さ方向の中間部分の相互間の間隔を拡大させるように作用する。これによって、一対の作動腕部のうちの少なくとも一方は、その長さ方向の中間部が前記基準面から離隔する方向に張り出すように微小変形する。そのため、前記少なくとも一方の作動腕部における前記中空部分に向く側の面(基準面に向く面:内面)および前記中空部分に対して外側に向く側の面(基準面に対し外側に向く面:外面)に、歪(引張歪もしくは圧縮歪)が発生し、その歪が歪センサによって検出される。ここで、作動腕部の歪は、荷重受け梁部の歪によって生じるものであるから、結果的に荷重受け梁部の歪、ひいてはその荷重受け梁部に加わっている荷重が検出されたことになる。
そして上記第1の態様の荷重検出器において、作動腕部における荷重受け梁部から連結部までの長さを、荷重受け梁部の一対の支点受け領域の間の距離に対して適切に設定し、また作動腕部の剛性を適切に調整することによって、荷重が加わった際の荷重受け梁部の歪よりも、作動腕部の歪を大きくすることができる。すなわちその場合には、荷重受け梁部の歪が、作動腕部によって増幅されることになる。そしてその増幅された歪を歪センサが検出することによって、荷重受け梁部の歪を直接検出する場合と比較して、高精度で荷重を検出することができる。
ここで、上述のように作動腕部によって歪を増幅するために要する作動腕部の連結部までの長さは、作動腕部の材質や形状、断面積などに依存する作動腕部の剛性によって異なるから、一概には規定することはできないが、仮に作動腕部の剛性が荷重受け梁部と同等であると仮定すれば、作動腕部の前記長さが、荷重受け梁部の一対の支点受け領域の間の距離よりも大きければ、上記の歪増幅効果を発揮させることが可能と考えられる。但し、実際は、作動腕部を、その剛性が荷重受け梁部よりも低くなるように形状や断面積などを調整することによって、作動腕部の前記長さが、荷重受け梁部の一対の支点受け領域の間の距離よりも小さい場合でも、上記の歪増幅効果を発揮させることができる。さらに、作動腕部の前記長さを、荷重受け梁部の一対の支点受け領域の間の距離よりも大きくすると同時に、作動腕部の剛性が荷重受け梁部よりも低くなるように形状や断面積などを調整すれば、より一層上記の歪増幅効果を大きくして、より高精度に荷重を検出することが可能となる。
なお作動腕部には、外部からの荷重は直接的には加わらないため、その剛性を荷重受け梁部よりも格段に小さくしても、荷重印加に伴う破損や疲労破壊のおそれは少ない。したがって作動腕部の剛性を低くして歪増幅効果をより高めることが実際的に可能である。
一方、荷重受け梁部については、外部からの荷重を直接受ける部分ではあるが、本発明の荷重検出器では、荷重受け梁部に発生する歪を直接検出しないため、前述のように作動腕部による歪増幅効果が得られる場合は、外部からの荷重による荷重受け梁部の歪量はわずかであっても構わない。したがって、荷重受け梁部それ自体の剛性を高めて、過大な荷重による荷重受け梁部の折損や繰り返し荷重による疲労破壊のおそれを少なくすることができる。
また、上述のように外部からの荷重による荷重受け梁部の歪量はわずかであっても構わないことから、高精度で検出するために荷重受け梁部の一対の支点受け領域の間の距離を大きくする必要がない。すなわち、荷重受け梁部の長さを小さくして、荷重の加わる方向に直交する面内での寸法を小さくすることが可能となる。その結果、狭い個所にも本発明の荷重検出器を配置することが可能となる。
さらに、荷重受け梁部は、一対の支点受け領域によって両持ち梁として支持されるため、要はその支点受け領域が、外部の固定された支持部材から外れてしまわないように支持されていれば良い。したがって支点受け領域において外部の固定された支持部材に堅固に固定する必要がなく、そのため本発明の荷重検出器を設置するに当たっては、外部の支持部材に固定するための加工や溶接を施したり、ボルト・ナットなどの緊結部材を用いたりする必要がなく、既存の装置や設備、建築構造物などにおいて荷重を検出したい部分に容易に設置することが可能となる。
また本発明の第2の態様の荷重検出器は、前記第1の態様の荷重検出器において、前記前記荷重受け領域が、それぞれ荷重測定対象における測定すべき荷重が導かれる荷重印加部材に接する面によって構成されていることを特徴とするものである。
この第2の態様の荷重検出器において、荷重印加部材からの荷重が荷重受け梁部の荷重受け領域の面に加えられれば、既に述べたように荷重受け梁部が撓み変形し、それに伴って作動受け部に歪が生じ、その歪が歪センサによって検出される。
また本発明の第3の態様による荷重検出器は、前記第1又は第2のいずれかの態様の荷重検出器において、前記歪センサが、前記少なくとも一方の作動腕部における各面のうち、前記中空部分に対して外側に向く面と内側に向く面とのいずれか一方または双方の面に取り付けられていることを特徴とするものである。
外部からの荷重によって荷重受け梁部が撓み変形し、それに伴って、一対の作動腕部間の間隔が拡大する方向に少なくとも一方の作動腕部が変形する際の歪は、その作動腕部における各面のうち、前記中空部分に対して外側の面及び内側の面に、引張歪もしくは圧縮歪として顕著かつ安定して現れるから、第3の態様で規定するように、作動腕部の外側の面及び内側の面のいずれか一方または双方の面に歪センサを取り付けておくことによって、作動腕部の歪を確実に検出することができる。
さらに本発明の第4の態様の荷重検出器は、前記第3の態様の荷重検出器において、前記一対の作動腕部のうちの一方の作動腕部は他方の作動腕部よりも剛性が小さくなるように作られており、かつ前記一方の作動腕部に前記歪センサが取り付けていることを特徴とするものである。
この第4の態様においては、荷重が加えられて荷重受け梁部が撓み変形し、それに伴って作動腕部が変形する際には、剛性が小さい側の前記一方の作動腕部が、他方の作動腕部よりも大きく変形し、前記一方の作動腕部の歪量が他方の作動腕部の歪量よりも大きくなる。また場合によっては、実質的に前記一方の作動腕部のみが変形して、他方の作動腕部は変形が非常に小さく、大きな歪みは前記一方の作動腕部のみに生じる。いずれの場合も、荷重受け梁部の撓み変形に伴う作動腕部の変形が、一方の作動腕部に集中することになり、その結果、前記一方の作動腕部の歪量が、両作動腕部に均等に歪が生じる場合よりも大きくなる。そのため、その前記一方の作動腕部の側で歪を検出することによって、より高精度で荷重を検出することが可能となる。
また本発明の第5の態様による荷重検出器は、前記第4の態様の荷重検出器において、前記一対の作動腕部のうちの一方の作動腕部における、前記中空部分に向く内側及び/又は外側の面に凹部が形成されて、前記一方の作動腕部が弾性変形したときに、その作動腕部における前記凹部に対応する部位の歪が増幅されるように構成されており、かつその個所に前記歪センサが取り付けていることを特徴とするものである。
この第5の態様においては、前記一方の作動腕部における凹部の位置では、その作動腕部の内外方向の幅が局部的に小さくなっているため、その部位では局部的に他の部位よりも剛性が小さく、そのため同じ荷重でもその部位の変形が大きくなり(歪が増幅され)、その部位の歪を検出することによって、より高精度で荷重を検出することが可能となる。
さらに本発明の第6の態様の荷重検出器は、前記第4の態様の荷重検出器において、前記一対の作動腕部のうちの一方の作動腕部における、前記中空部分に向く内側及び/又は外側の面に、2以上の凹部が、その作動腕部の長さ方向に間隔を置いて形成されて、その作動腕部が弾性変形したときに、その作動腕部における前記2以上の各凹部に対応する各部位の歪が増幅されるように構成されており、
しかも前記歪センサが、1以上の歪検出素子によって構成されており、かつその1以上の歪検出素子のうちのいずれか少なくとも一つは、前記2以上の凹部のうちの少なくとも一つの凹部に対応する部位に取り付けられていることを特徴とするものである。
この第6の態様の荷重検出器においては、作動腕部の突出長さ方向に間隔を置いて、中空部分に向く内側及び/又は外側の面に2以上の凹部が形成されているため、隣り合って二つの凹部を形成した部分については、メガネ型のロバーバル機構の片側半分と同様な形状となっている。そのため、荷重受け梁部7に荷重が加えられて前記作動腕部が変形する際には、メガネ型のロバーバル機構を設けた場合と同様に、各凹部のそれぞれの外側に対応する位置において歪を集中的に生じさせることができる。
また本発明の第7の態様による荷重検出器は、前記第6の態様の荷重検出器において、前記歪センサが、2以上の歪検出素子によって構成されており、かつその2以上の歪検出素子のうちのいずれか少なくとも一つの歪検出素子は、隣り合う2以上の凹部のうちの一方の凹部に対応する部位に、また他の少なくとも一つの歪検出素子は、隣り合う2以上の凹部のうちの他方の凹部に対応する部位に取り付けられていることを特徴とするものである。
このような第7の態様の荷重検出器においては、前記第6の態様に関して述べたと同様に、一方の作動腕部の長さ方向に隣り合って二つの凹部を形成した部分が、メガネ型のロバーバル機構の片側半分と同様な形状となっているため、荷重受け梁部に荷重が加えられて前記作動腕部が変形する際には、各凹部のそれぞれの外側に対応する位置において歪を集中的に生じさせることができる。そしてこの際に、隣り合う二つの凹部のうちの一方の凹部を形成した部分と、他方の凹部を形成した部分とで、引張歪/圧縮歪に関して逆方向の歪を発生させることができる。従って、作動腕部の同一面側において引張歪が発生する部位と圧縮歪が発生する部位とが近接している。そのため2以上の歪検出素子(例えば歪ゲージ)により構成される歪センサを用いた場合、引張歪が作用する歪検出素子と圧縮歪が作用する歪検出素子とを近接して配置することができ、したがって各歪検出素子間の配線や外部機器へのリード線の取り回しが容易となる。
さらに本発明の第8の態様の荷重検出器は、前記第1〜第7のいずれかの態様の荷重検出器において、前記一方の作動腕部にロバーバル機構が形成されており、前記一方の作動腕部が弾性変形したときに、前記ロバーバル機構によってその作動腕部の歪が増幅されるように構成され、かつ前記一方の作動腕部に歪センサが取り付けられていることを特徴とするものである。
このような第8の態様の荷重検出器においては、第7の態様について述べたと同様に、荷重受け梁部に荷重が加えられて前記作動腕部が変形する際には、ロバーバル機構を設けた部位に対応する位置において歪を集中的に生じさせることができる。
また本発明の第9の態様による荷重検出器は、前記第1〜第8のいずれかの態様の荷重検出器において、前記一対の支点受け領域が、それぞれ荷重測定対象における固定部位に接して支持される面によって構成されていることを特徴とするとするものである。
さらに本発明の第10の態様による荷重検出器は、前記第1〜第8のいずれかの態様の荷重検出器において、前記一対の支点受け領域が、それぞれ荷重測定対象における固定部位に嵌め込まれる形状に構成されていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第11の態様による荷重検出器は、前記第1〜第8のいずれかの態様の荷重検出器において、前記一対の支点受け領域が、それぞれ荷重測定対象における固定部位に基体を支持させるための取り付け孔によって構成されていることを特徴とするものである。
これらの第9〜第11の態様では、一対の支点受け領域を支持するための好ましい構成について規定しているが、いずれの態様であっても、荷重受け梁部を両持ち支持させて、前述のように荷重検出を行なうことができる。なおここで、一対の支点受け領域は、既に述べたように荷重測定対象における固定部位に堅固に固定する必要がないから、例えば第9の態様の荷重検出器を使用するに当たっては、その支点受け領域の面が固定部位上に接するように載置するだけで良い。また第10の態様の荷重検出器を使用するに当たって、その支点受け領域を固定部位に嵌め込む際には、緊密に嵌め合わせる必要はない。さらに、第11の態様の荷重検出器を使用するに当たっては、取り付け孔に固定部位側のピン(軸)を挿通させるだけでよく、特に螺子止めなどを行なう必要はない。
但し、場合によっては、支点受け領域を、螺子止めあるいは溶接などによって固定部位にしっかりと固定することが許容されることはもちろんである。
本発明の荷重検出器は、高精度で荷重を検出することができると同時に、過大な荷重が加わっても折損しにくく、また繰り返し荷重による疲労破壊も生じにくくて耐久性も高く、しかも、高精度を得ながらも、荷重方向に対して直交する面内での寸法を小さくしてコンパクト化を図ることができるため、狭い個所にも容易に設置可能となり、さらに荷重測定対象となる装置や設備に対して堅固に固定する必要がないため、既存の装置や設備にも容易に組み込むことができる。
本発明の原理的な構成による一実施形態の荷重検出器の正面図である。 図1におけるII−II線での縦断面図である。 図1に示す荷重検出器の歪センサに使用するホイートストンブリッジ回路を示す回路図である。 図1に示す荷重検出器に荷重が加えられた状態を示す正面図である。 本発明の原理的な構成による別の実施形態の荷重検出器の正面図である。 本発明の原理的な構成によるさらに別の実施形態の荷重検出器の正面図である。 本発明の原理的な構成によるさらに別の実施形態の荷重検出器の正面図である。 図7に示す荷重検出器に荷重が加えられた状態を示す正面図である。 本発明をより具体化した実施形態の荷重検出器を示す正面図である。 図9に示す荷重検出器の左側面図である。 図9に示す荷重検出器の右側面図である。 図9におけるXII−XIIでの縦断面図である。 図9に示す荷重検出器についての斜め下方からの斜視図である。 図9に示す荷重検出器に荷重が加えられた状態を示す正面図である。 本発明の荷重検出器の支持態様の一例を示す正面図である。 本発明の荷重検出器の支持態様の他の例を示す正面図である 本発明の荷重検出器の使用態様の一例を示す正面図である。 本発明の荷重検出器の使用態様の他の例を示す正面図である。 本発明の荷重検出器の使用態様のさらに別の例を示す正面図である。 本発明をより具体化した別の実施形態の荷重検出器を示す正面図である。 図20に示す荷重検出器に荷重が加えられた状態を示す正面図である。 従来の荷重検出器の一例を示す略解図である。 従来の荷重検出器の別の例を示す略解図である。
以下、本発明の実施形態の荷重検出器について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す例は例示に過ぎず、本発明はこれらの例には限定されない。
図1および図2は、本発明の原理的な構成による一実施形態の荷重検出器を示す図であり、また図3はその荷重検出器の歪センサに用いられるホイートストンブリッジ回路を示し、さらに図4は上記の原理的構成の荷重検出器の使用時の状況(荷重が加えられている状況)を、図1に対応して示す図である。
図1、図2において、荷重検出器1は、検出すべき荷重が加えられる基体3と、その基体3に取り付けられた歪センサ5とによって構成されている。
基体3の材質は、加えられる荷重によって弾性歪が生じ、しかもその荷重に耐え得る程度の強度を有する材料であれば特に限定されるものではなく、通常はアルミニウム合金あるいはステンレス鋼などの金属材料が用いられる。
基体3は、図示の例では、ある厚みTを有する厚板からなり、その厚み方向に対して直交する断面で見て、中央部分にほぼ長四角状の中空部分(窓部)17が形成されるように、全体として縦長の略長矩形状をなす形状とされている。但し基体3は、完全な長矩形ではなく、長矩形の短辺に相当する二辺(後述する荷重受け梁部7及び連結部9)のうち、上側の短辺(荷重受け梁部7)は、その両端部分が、長矩形の長辺に相当する二辺(後述する一対の作動腕部11A、11B)よりも左右に突出するように形成されている。なお、中空部分(窓部)17の位置は中央部分には限定されず、本発明の効果を発揮できる位置であれば、何ら制限はない。また、その形状は長四角状を含む矩形状には限定されず、本発明の効果を発揮できる形状であれば、何ら制限はなく、例えば、楕円や長円等の曲線を含む形状等でもよい。また、図に示した中空部分(窓部)17は、荷重受け梁部と、作動腕部と、連結部とによって囲まれた部分である。
基体3を構成する長矩形の二つの短辺のうちの上辺は、荷重受け梁部7とされており、その長さ方向の中央部の上面には、凹状に窪む部分(13)が形成されており、その窪み部分は、検出すべき荷重を受ける荷重受け領域13とされている。また、荷重受け梁部7の長さ方向の両端部分(左右に突出する両端部分)の下面には、水平な段差面(15A、15B)が形成され、その段差面が、その領域を支点として基体3を支持するための支点受け領域15A、15Bとされている。なお、荷重受け領域13は、特に窪みなどの形状を与えない平面的な領域であってもよい。
支点受け領域(段差面)15A、15Bは外部の固定された支持部材19A、19Bの上面に載置され、荷重受け領域13には例えば、垂直棒状の荷重印加部材21によって外部からの荷重が加えられる。
一方、基体3を構成する長矩形の長辺に相当する平行な2辺は、作動腕部11A、11Bとされている。この作動腕部11A、11Bは、本実施形態では、荷重受け梁部7の長さ方向の中央位置(荷重受け領域13の中心)Oを基準として左右対称の位置から下方(すなわち荷重受け梁部7の長さ方向に対して直角の方向)に突出するように平行に形成され、その作動腕部11A、11Bの下端側の部分(図1、図2の例では最下端部)は、前記長矩形の下側の短辺(下辺)に相当する連結部9によって連結されている。
このようにして、基体3は、荷重受け梁部7と、一対の作動腕部11A、11Bと、連結部9とが、全体としてほぼ長四角状の中空部分(窓部)17を連続的に取り囲む構成となっている。
そして前記作動腕部11A、11Bのいずれか一方または双方(図示の例では左側の作動腕部11Aのみ)における長さ方向の中央部近くの部位の外面側(中空部分17に対して外側を向く面)には、歪センサ5が貼着されている。この歪センサ5は、歪検出素子として、例えば歪によって電気抵抗が変化する4個の歪ゲージR1、R2、R3、R4を用い、その4個の歪ゲージ(歪検出素子)R1、R2、R3、R4を、例えば図3に示すようなホイートストンブリッジ回路23に組んだ構成とすれば良い。なおこれらの歪ゲージR1〜R4のうち、R1およびR3は、作動腕部11Aの長さ方向のほぼ中央部もしくはそれより若干下方の位置に貼着され、残りのR2およびR4は、連結部9に近い位置に貼着されている。
このような図1〜図3に示す原理的な構成の実施形態においては、荷重受け梁部7の長さ方向の中央位置Oを通り、荷重受け梁部7の長さ方向に対して直交する面を基準面Pとすれば、荷重受け領域13(窪み部分)は、基準面Pを通り、一対の作動腕部11A、11Bの一方の作動腕部11Aは、荷重受け梁部7における基準面Pに対して前記一対の支点受け領域(段差面)15A、15Bのうちの一方の支点受け領域15Aが位置する側から基準面Pと平行に突出するように、また他方の作動腕部11Bは、荷重受け梁部7における基準面Pに対して他方の支点受け領域15Bが位置する側から基準面Pと平行に突出するように形成されていることになる。
上述のような図1、図2に示す原理的な構成の実施形態の荷重検出器1において、外部から荷重Wが加えられたときの状況を、図4に示す。なおここで、基体3は、その荷重受け梁部7の長さ方向の両端部の下面側の支点受け領域(段差面)15A、15Bが、外部の固定された支持部材19A、19Bの上面に載置されて、荷重受け梁部7の長さ方向が水平となるように、いわゆる両持ち梁の状態で支持されている。また外部からの荷重Wは、例えば垂直棒状の荷重印加部材21によって、荷重受け梁部7の長さ方向の中央部上面の荷重受け領域13(窪み部分)に、鉛直に(したがって前記基準面Pに沿って)加えられるものとする。
荷重印加部材21から荷重受け梁部7の中央付近の荷重受け領域13に鉛直方向に荷重Wが加えられれば、荷重受け梁部7は、その中央部分が下方に張り出す方向に微小撓み変形(弾性変形)が生じる。この微小撓み変形によって、荷重受け梁部7における基準面Pに対して左側の領域では、中央部寄りの部分が下がる方向にわずかに傾斜し、基準面Pに対して右側の領域では、同じく中央部寄りの部分が下がる方向にわずかに傾斜する。このような荷重受け梁部7の撓み変形に伴って、その荷重受け梁部7における基準面Pに対して左右の位置から下方に突出する一対の作動腕部11A、11Bは、その先端部(下端部)間の距離を拡大させようとする力が作用するが、左右の作動腕部11A、11Bの先端部(下端部)の間の距離は連結部9によって拘束されているため、作動腕部11A、11Bは、その長さ方向の中央部分が左右に張り出す方向に微小変形する。そのため、作動腕部11A、11Bにおける長さ方向の中央部付近の外面側(基準面Pに対して外側を向く面)に引張歪が発生し、その引張歪が歪センサ5の歪ゲージR1、R3に作用する。一方、作動腕部11A、11Bにおける連結部9に近い部分の外側には、圧縮歪が生じ、その圧縮歪が歪センサ5の歪ゲージR2、R4に作用する。したがって、例えば図3に示すように歪ゲージR1〜R4によってホイートストンブリッジ回路23を組んでおけば、上記の作動腕部11Aの引張歪、圧縮歪による電位差が荷重信号として出力される。ここで、作動腕部11Aの歪は、荷重受け梁部7の歪によって生じるものであるから、結果的に荷重受け梁部7の歪、ひいてはその荷重受け梁部7に加わっている荷重が検出されたことになる。
上記弾性変形は、例えば、荷重受け梁部が両持ち梁として微小変形し、その荷重受け梁部の微小変形に伴って、前記一対の作動腕部の少なくとも一方が湾曲変形するという態様で生じるものである。
ここで、図1に示しているように、作動腕部11A、11Bの長さ(荷重受け梁部7に続く個所から連結部9に続く個所までの寸法)Lを、荷重受け梁部7における一対の支点受け領域15A、15B間の距離Lよりも充分に大きく設定するか、あるいは作動腕部11A、11Bについて、その断面積を荷重受け梁部7よりも小さくしたりあるいは形状に工夫を加えるなどの手法によって剛性が荷重受け梁部7よりも小さくなるように調整しておくか、さらにはこれらの寸法の調整と剛性の調整とを組み合わせておけば、作動腕部11A、11Bに生じる歪を、荷重受け梁部7それ自体に生じる歪よりも容易に大きくすることができる。そしてその場合には、荷重受け梁部7の歪を、作動腕部11Aによって増幅し、その増幅された歪を歪センサ5が検出することになる。したがって、ホイートストンブリッジ回路23の出力電圧も大きくなり、荷重受け梁部7に加わる荷重を高精度で検出することが可能となる。
なお上述の説明では、歪センサ5を4個の歪ゲージR1、R2、R3、R4によって構成し、そのすべてを一方の作動腕部11Aの外側の面に貼着するものとしたが、場合によっては、その一部または全部を、作動腕部1Aの内側の面(中空部分17に向く面)に貼着しても良い。さらに、4個の歪ゲージR1、R2、R3、R4の一部を、一方の作動腕部11Aに、残りを他方の作動腕部11Bに貼着しても良い。
そしてまた、図3に示すホイートストンブリッジ回路23の4個の抵抗体のうち、1〜3個のみを歪ゲージとして作動腕部11A、11Bのいずれか一方または双方に貼着し、残りの抵抗体をダミー抵抗(固定抵抗)としてもよいことはもちろんである。
さらに、図1〜図4に示す例では、左右一対の作動腕部11A、11Bが、基準面Pと平行に突出するように形成されているものとして説明したが、作動腕部11A、11Bは、荷重受け梁部7から、基準面Pに対して傾斜する方向に突出するように形成されていてもよく、その場合の一例を図5に示す。
図5の例では、作動腕部11A、11Bは、その長さ方向の先端側が相互に近接するように、基準面Pに対して角度θだけ傾斜しており、その近接した先端部分同士が連結部9によって連結されている。
このような構成であっても、図1〜図4に示した例と同様に、荷重受け梁部7の荷重受け領域13に加わる荷重Wによって荷重受け梁部7が撓み変形し、それに伴って、作動腕部11A、11Bが左右に張り出すように変形して、作動腕部11A、11Bの外面、内面に歪が発生するから、その歪を歪センサ5が検出することによって、加えられた荷重Wを測定することができる。
なおまた、図5では、作動腕部11A、11Bの長さ方向の先端側が相互に近接する方向に傾斜しているものとしたが、逆に作動腕部11A、11Bの長さ方向の先端側が相互に離隔するように基準面Pに対して傾斜していても良いことはもちろんである。さらに、作動腕部11A、11Bのうちの一方のみを基準面Pに対して傾斜させ、他方を基準面Pと平行となるように構成しても良い。
さらに、図1、図2に示した例では、作動腕部11A、11Bの最下端部同士を連結部9によって連結した構成としているが、連結部9によって連結する部位は、要は作動腕部11A、11Bにおける歪センサ5の取り付け位置よりも先端側の個所であれば良い。したがって例えば図6に示しているように、作動腕部11A、11Bの下端を連結部9よりも下方に延長させた構成としても良い。荷重測定対象の装置や設備などにおける荷重検出器の設置個所の形状や構造などによっては、このような形状とすることが有利となることもある。なおこの場合、図6中の鎖線で示しているように、連結部9よりもさらに下方(作動腕部11A、11Bの最下端部)において、別の連結部9´により作動腕部11A、11Bを連結した構成としても良い。
ここで、以上に示した各例では、左右一対の作動腕部11A、11Bが同等の剛性を有するものとして、荷重印加時に一対の作動腕部11A、11Bが同等に変形するように示している。
しかしながら、一対の作動腕部11A、11Bのうちの一方の作動腕部11Aのみで歪を検出する場合、各作動腕部11A、11Bの剛性を異ならしめ、実質的に一方の側の作動腕部11Aのみが変形して歪を生じるように構成することが望ましい。その場合の原理的な構成の実施形態を、図7、図8に示す。
図7、図8において、一対の作動腕部11A、11Bのうち、右側(歪センサ5を設けない側)の作動腕部11Bは、例えば断面積を大きくするなどの手法により剛性を相対的に大きくして、荷重印加時に変形が生じにくいものとし、一方、左側(歪センサ5を設ける側)の作動腕部11Aは、例えば断面積を作動腕部11Bの断面積より小さくするなどの手法により剛性を相対的に小さくして、荷重印加時に変形が生じやすいものとしている。
このような構成とすれば、図8に示しているように、荷重受け梁部7の荷重受け領域13に荷重が加わった時の荷重受け梁部7の撓み変形に伴い、一対の作動腕部11A、11Bのうちの、剛性が高い右側の作動腕部11Bは、変形しないかまたはその変形量がわずかとなり、これに対して剛性が低い左側の作動腕部11Aは、相対的に大きく変形(長さ方向の中央部が張り出すように変形)して、既に述べたと同様に、その作動腕部11Aに取り付けた歪センサ5(歪ゲージR1、R2、R3、R4)によって作動腕部11Aの歪、ひいては荷重が検出される。
このような構成では、上述のように主として一方の作動腕部11Aのみが変形するため、図1〜図4に示した原理的構成の場合よりも、歪センサ5を設けた側の作動腕部11Aの歪量が大きくなり、その結果、荷重をより高精度で検出することが可能となる。
なお、本実施形態の場合、荷重受け梁部7に鉛直方向に荷重Wを加えれば、一対の作動腕部11A、11Bのうち、剛性が小さい側(左側)の作動腕部11Aが図8に示したように湾曲状に撓み変形するばかりでなく、剛性が大きい側(右側)の作動腕部11Bが、支点受け領域15Bを基準として、鉛直方向からわずかに反時計方向へ傾き(下端側が右方に移動するように傾き)、連結部9の位置もわずかに右方に移動するが、その傾き角度、移動量はごくわずかに過ぎず、そこで図8ではその傾きおよび移動は無視して、特に図面上に表していない。
以上、本発明の荷重検出器の原理的な構成について説明したが、このような原理的構成を踏まえ、より具体化した本発明の一実施形態の荷重検出器を、図9〜図13に示す。なお、図9〜図13において、図1〜図4に示した原理的構成と同じ部位については、これらの図と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9〜図13に示す実施形態の荷重検出器1は、基本的には、図1、図2に示した例や図7、図8に示した例と同様に、荷重Wが加えられる基体3と歪センサ5(歪ゲージR1、R2、R3、R4)とによって構成されている。そして基体3は、荷重受け領域13及び一対の支点受け領域15A、15Bを有する荷重受け梁部7と、その荷重受け梁部7における左右の位置から突出する一対の作動腕部11A、11Bと、これらの作動腕部11A、11Bの先端側の部分同士を連結する連結部9とからなり、これら各部が全体として連続して中空部分17を取り囲む構成とされている。そして本実施形態の場合、左右の作動腕部11A、11Bは、図7、図8に示した例に準じて、その剛性がアンバランスとなるように構成している。
なお外部から荷重を加えるための荷重印加部材21は、水平な軸線を有する軸部材で構成され、また、支持部材(図1〜図4の各例における符号19A、19B)は、本実施形態では、垂直な軸線を有する中空な筒部材19とされており、その筒部材(支持部材)19における軸線を中心として対称な位置の端縁部が支持部19C、19Dとされている。なおこの中空な筒部材19は円筒であっても角筒であっても良い。そしてこの筒部材19の内側に、基体1の作動腕部11A、11Bが上方から挿入されるように構成されている。
図9〜図13に示す実施形態の荷重検出器1において、基体3における荷重受け梁部7の荷重受け領域13には、垂直断面が円弧状に湾曲する軸受け部25が形成されており、この軸受け部25が前述の水平軸部材(荷重印加部材)21を受ける構成とされている。そしてその軸受け部25の左右両側から、上方に向けて突出する突辺部27A,27Bが連続一体に形成されて、その突辺部27A、27Bの間に前記水平軸部材(荷重印加部材)21が挿入されるように構成されている。
さらに、既に述べたと同様に、荷重受け梁部7の中央位置Oを通りかつ荷重受け梁部7の長さ方向に対して直交する面を基準面Pとすれば、基体3の左側の部分(歪センサ5が位置する側の部分)のうち、上部は、前記基準面Pに対して直交する垂直面に沿って側方から切り込まれて、切り込み部29(図10、図12参照)が形成され、その切込み部29により二股状に分岐された形状とされている。なお、基準面は荷重受け梁部の中央位置には限定されない。具体的には、荷重受け梁部7における軸受け部25(荷重受け領域13)を含む左側の部分から、左右の作動腕部11A、11Bのうち左側の作動腕部11Aの長さ方向の中間までに渡って切り込み部29が形成されて、荷重受け梁部7における軸受け部25(荷重受け領域13)から一方の支点受け領域15Aの側の部分と、それに連続する一方の作動腕部11Aの中間位置までの部位とが、二股状に分岐されている。
また作動腕部11Aには、図9、図13に示しているように、その上部から中間部分にかけての部分の外側面に傾斜面31が形成されて、上部から中間部にかけての部分においてその幅(厚み方向に対し直交する方向の幅)が狭くなるように作られ、さらに作動腕部11Aの内面側には、その作動腕部11Aの外面側に向かって窪む複数の凹部33A、33B、33Cが、作動腕部11Aの長さ方向(上下方向)に間隔を置いて形成されている。すなわち、作動腕部11Aにおける下端部(連結部9に続く部分)近くに第1の凹部33Aが形成され、その第1の凹部33Aよりも若干上方の位置に第2の凹部33Bが形成され、さらにそれよりも上方の位置(作動腕部11Aの長さ方向の中央よりも上方の位置)に第3の凹部33Cが形成されている。
そして、歪センサ5を構成する4個の歪ゲージR1、R2、R3、R4のうち、歪ゲージR1、R3は、第2の凹部33Bに対応する位置の外面に貼着され、歪ゲージR2、R4は、第1の凹部33Aに対応する位置の外面に貼着されている。
そしてこれらの歪ゲージR1、R2、R3、R4は、既に述べたと同様に、図3に示したホイートストンブリッジ回路23に組まれている。
図9〜図13に示す実施形態の荷重検出器に荷重が加わった際の状況を図14に示す。
図14において、作動腕部11A、11Bを中空な筒部材(支持部材)19の上端部に挿入して、荷重受け梁部7の両端部下面(段差面)の支点受け領域15A、15Bを、筒部材(支持部材)19の端縁(支持部19C、19D)に支持させ、軸受け部25に挿入されている水平軸部材(荷重印加部材)21から荷重Wが荷重受け領域13に加えられれば、荷重受け梁部7には、その中央部が下方にわずかに降下するような微小撓み変形が生じる。ここで、一対の作動腕部11A、11Bのうち、右側の作動腕部11Bは、切り込み部29が形成されておらず(図10、図13参照)しかも凹部33A、33B、33Cも形成されていないため、左側の作動腕部11Aと比較して格段にその剛性が大きく、そのため、図7、図8に示した例と同様に、右側の作動腕部11Bは実質的に変形せず、もっぱら左側の作動腕部11Aのみが撓み変形する。すなわち、左方の作動腕部11Aのみが、左方(外方)に張り出すように変形する。しかも、この作動腕部11Aの内側に形成されている凹部33A、33Bによって、作動腕部11Aの撓み変形が局部的に助長されて、その助長された歪が歪センサ5によって効果的に検出される。
すなわち、図14に示しているように、作動腕部11Aの連結部9側の端部の第1の凹部33Aによって、その部分の作動腕部11Aの厚みが局部的に小さくなって剛性が小さくなっており、しかもその第1の凹部33Aの下側は連結部9によって拘束されているため、作動腕部11Aは、連結部9のごく近くの位置から外側に湾曲状に撓み変形する。そのため、第1の凹部33Aに対応する部位付近の外面に圧縮歪が集中的に生じ、その圧縮歪によって歪センサ5の歪ゲージR2(R4)に大きな抵抗変化が生じる。
さらに、第1の凹部33Aに近接してその上方に形成した第2の凹部33B付近でも、その部位の作動腕部11Aの厚みが局部的に小さくなって剛性が小さくなっており、その部位付近では、第1の凹部33A付近の弾性変形方向とは逆の方向に弾性変形し、その部位付近の外面に引張歪が集中的に発生する。そしてこの引張歪によって、歪センサ5の歪ゲージR1(R3)に大きな抵抗変化が生じる。
ここで、図14に示すロードセルは、メガネ型のロバーバル機構の半分を有するタイプのロバーバル機構を備えたものである。隣り合って第1の凹部33Aと第2の凹部33Bを形成した部分付近は、メガネ型のロバーバル機構における片側の形状と同様である。すなわち、従来技術の片持ち梁タイプとして示した図22の荷重検出器における、メガネ型のロバーバル機構102を形成した起歪体100と、本実施形態における作動腕部11Aとを対比すれば明らかなように、第1の凹部33Aが、図22のロバーバル機構102を構成する長孔103の一端の拡大孔部103Aに対応し、第2の凹部33Bが、長孔103の他端の拡大孔部103Bに対応する。そして作動腕部11Aが変形する際には、第1の凹部33Aを形成した部位付近と第2の凹部33Bを形成した部位付近に、メガネ型のロバーバル機構を形成した場合と同様な歪集中効果が得られ、しかも第1の凹部33A付近と第2の凹部33B付近とでは、逆方向の歪(変形)が生じるのである。
このように、凹部33A、33Bを形成しておくことによって、歪ゲージR2(R4)の部位の圧縮歪、歪ゲージR1(R3)の部位の引張歪が、これらの凹部33A、33Bを形成していない場合と比較して格段に大きくなり、その結果前述のホイートストンブリッジ回路23から大きな出力を得ることができる。したがって、高精度で荷重を検出することが可能となり、わずかな荷重変動であってもそれを確実に把握することが可能となる。
しかもこのような構成では、圧縮歪を検出する歪ゲージR2(R4)と、引張歪を検出する歪ゲージR1(R3)とが近接して貼着されるため、これらの歪ゲージ間の配線や外部との間の入出力のためのリード線の取り回しも容易となる。
なお本実施形態において、第3の凹部33Cは、設計上の都合で形成したものであって、歪の増幅には直接関係しないから、作動腕部11Aには必ずしも形成しなくても良い。
また本実施形態においては、図9、図14に示しているように、作動腕部11A、11Bを、外部の固定された中空な筒部材(支持部材)19に挿入した際に、その筒部材19の内面19Eと作動腕部材11A、11Bの外面との間に空隙Gが生じるように、支点受け領域(段差面)15A、15Bの下側に第2の段差面15C、15Dを形成している。すなわち、作動腕部11A,11Bにおける筒部材(支持部材)19に挿入される部分について、それらの外面間の距離(図9、図14における作動腕部11Aの左側面と作動腕部11Bの右側面との間の最大距離)が、中空な筒部材(支持部材)19の内径よりも小さくなるように設定することによって、上記空隙Gが生じるように調整している。
このように、空隙Gが生じるように形状、寸法を調整しておくことによって、荷重が加わった時の作動腕部11Aの変形をその空隙G内で許容して、確実に歪を検出することが可能となる。
またここで、本実施形態においても、荷重受け梁部7に鉛直方向に荷重Wを加えれば、一対の作動腕部11A、11Bのうち、剛性が小さい側(左側)の作動腕部11Aが図14に示したように撓み変形するばかりでなく、剛性が大きい側(右側)の作動腕部11Bが、支点受け領域15Bを基準として鉛直方向からわずかに反時計方向へ傾き(下端側が右方に移動するように傾き)、同時に連結部9の位置がわずかに右方に移動するが、その傾き角度、移動量はごくわずかに過ぎず、そこで図14ではその傾きおよび移動は無視して、特に図面上に表していない。但し、前述のように右側の作動腕部11Bの側にも前記空隙Gが生じるように形状、寸法を調整しておくことにより、上記の傾き、移動を許容することができる。
なおまた、本実施形態の場合も、ホイートストンブリッジ回路23を構成する4個の抵抗体R1、R2、R3、R4のすべてを歪ゲージとする必要はなく、少なくとも一つを歪ゲージとして、作動腕部11Aにおける第1の凹部33A、第2の凹部33Bの少なくとも一方に対応する位置に貼着し、残りはダミー抵抗を用いても良いことはもちろんである。
さらに、図9〜図13に示す実施形態では、作動腕部11Aの外面に歪ゲージR1〜R4を貼着しているが、作動腕部11Aの内面側にも歪は発生し、特に第1の凹部33A、第2の凹部33Bの奥側の面(底面)には大きな歪が発生するから、場合によっては、歪ゲージR1〜R4のうちの一部または全部を、作動腕部11Aの内面側、特に凹部33A、33Bの一方または双方の底面に貼着しても、荷重を検出することができる。例えば歪ゲージR1、R3を第1の凹部33Aの底面に貼着し、歪ゲージR2、R4を第2の凹部33Bの底面に貼着しても良い。
図15には、基体3の荷重受け梁部7における支点受け領域15A、15Bを支持するための構成を変更した実施形態を示す。
本実施形態の場合、外部から荷重を加えるための荷重印加部材21は、図9〜図13に示した実施形態と同様に、水平な軸線を有する軸部材で構成され、また、支持部材(図1〜図4の各例における符号19A、19B)も、図9〜図13に示した実施形態と同様に、垂直な軸線を有する中空な筒部材19とされており、その筒部材(支持部材)19における軸線を中心として対称な位置の端部が支持部19C、19Dとされている。
そして荷重受け梁部7の両端近くの下面に凹溝41A、41Bが形成されており、これらの凹溝41A、41Bが、筒部材(支持部材)19の上端(支持部19C、19D)に嵌められるように構成されている。したがってこの場合、凹溝41A、41Bの内奥面が、支点受け領域15A、15Bに相当する。なおこの場合、凹溝41A、41Bは筒部材(支持部材)19の上端に緊密にはめ込まれる必要はなく、若干の遊びをもってはめ込まれても良い。その他の構成は、図9〜図13に示した実施形態と同様である。
また図16は、基体3の荷重受け梁部7における支点受け領域15A、15Bを支持するための構成を変更したさらに別の実施形態を示す。
本実施形態の場合、外部から荷重を加えるための荷重印加部材21は、図9〜図13に示した実施形態と同様に、水平な軸線を有する軸部材で構成されている。そして荷重受け梁部7の両端近くには、その荷重受け梁部7を貫通する取り付け孔43A、43Bが形成されている。このような荷重検出器の基体3を支持する場合、前記取り付け孔43A、43Bに、ピン状の部材45A、45Bを挿通させて、そのピン状部材45A、45Bを外部の任意の支持部材19に固定または係止させれば良い。このような構成においては、取り付け孔43A、43Bが支点受け領域15A、15Bに相当する。
さらに図9〜図13に示す実施形態では、荷重印加部材21として水平軸部材を適用するため、荷重受け梁部7の荷重受け領域13に軸受け部25を形成し、かつその両側に突辺部27A、27Bを形成しているが、荷重印加部材21の形状によっては、荷重受け領域13は、図1〜図3に示した原理的構成と同様に、単なる窪み13Aを形成しただけでもよく、その場合の例を図17に示す。さらに、荷重印加部材21の形状によっては、荷重受け領域13は、特に窪みなどの形状を与えない平面的な領域であっても良い。
なお、荷重受け梁部7における荷重受け領域13と支点受け領域15A、15Bとの関係(力点と支点の関係)は、あくまで相対的なものであり、実際に本発明の荷重検出器を使用するに当たっては、これらの関係を逆転して使用することも可能である。すなわち、図18に示しているように、基体3の上下を逆転して配置し、荷重受け梁部7の荷重受け領域13で基体を支持し、支点受け領域15A、15Bにおいて、上方からの荷重Wを受けるように使用することも可能である。
さらに、前述の説明では、基体3を基準面Pが垂直方向に沿うように(したがって作動腕部11A、11Bの長さ方向が垂直となるように)配置して、鉛直方向に加えられる荷重Wを受け、それを検出することとしているが、場合によっては前記基準面Pが鉛直方向(荷重Wの方向)に対して90度未満の所定角度αだけ傾斜するように設置して使用することもできる。その場合の使用例を図19に示す。
この場合、上方からの荷重Wは、基準面Pに対して角度αだけ傾斜する方向に加えられることになるが、その荷重Wによる鉛直方向の力Fの分力として、基準面Pに沿う方向の力Fpが存在するため、既に述べたと同様に荷重受け梁部7を撓み変形させ、それに伴う作動腕部11Aの変形による歪を検出することにより、荷重Wを検出することができる。
図20には、本発明の荷重検出器の別の具体的な実施形態を示す。なお図20に示す荷重検出器は、一対の作動腕部11A、11Bのうち、一方(歪センサ取り付け側)の作動腕部11A以外の部分の構成は、図9〜図13に示した実施形態の荷重検出器と同様であり、そこで作動腕部11A以外の構成については、説明を省略する。
図20において、作動腕部11Aにおける連結部9に近い位置には、表裏貫通する長孔35が、作動腕部11Aの長さ方向に沿って形成されている。その長孔35の両端は、その径が拡大された拡大孔部37A、37Bとされ、これによって長孔35を取り囲む部分が、いわゆるメガネ型のロバーバル機構39となっている。そして作動腕部11Aの外面におけるロバーバル機構39に対応する位置に、歪センサ5として歪ゲージR1、R2、R3、R4(図20ではR1、R2のみを示す)が貼着されている。より具体的には、歪ゲージR1(R3)は、作動腕部11Aの外面における一方の拡大孔部37Aに対応する位置に、また歪ゲージR2(R4)は、作動腕部11Aの外面における他方の拡大孔部37Bに対応する位置に貼着されている。
図20に示される荷重検出器の使用時の状況、特に荷重が加えられた際の状況を図21に示す。
この場合も、図9〜図13の実施形態について図14に示したと同様に、作動腕部11A、11Bを中空な筒部材(支持部材)19の上端部に挿入して、荷重受け梁部7の支点受け領域15A、15Bを、筒部材(支持部材)19の端縁(支持部19C、19D)に支持させる。その状態で、軸受け部25に挿入されている水平軸部材(荷重印加部材)21から荷重Wが荷重受け領域13に加えられれば、荷重受け梁部7には、その中央部が下方にわずかに降下するように微小撓み変形が生じる。ここで、一対の作動腕部11A、11Bのうち、右側の作動腕部11Bは、切り込み部が形成されていないため、左側の作動腕部11Aと比較してその剛性が高く、そのため右側の作動腕部11Bは実質的に変形せず、もっぱら左側の作動腕部11Aのみが撓み変形する。すなわち、左方の作動腕部11Aが、左方(外方)に張り出すように変形する。しかも、この作動腕部11Aに形成されているロバーバル機構39(長孔35)の両端の拡大孔部37A、37Bによって、それに対応する部位の変形が助長されて、その助長された歪が歪センサ5の各歪ゲージR1〜R4によって効果的に検出される。
なお、以上の各実施形態において、基体3は、厚板圧延材、鍛造材あるいは鋳造材などから機械加工によってその全体形状を削りだした一体物、あるいは押し出し加工による一体物など、全体が一体に連続した材料で構成することが望ましいが、場合によっては、一部を分割して、溶接や螺子止めなどによって組み立てた結合構造体であっても良い。例えば連結部9は、撓み変形に関係しない部分であるから、その連結部9だけ別体に作って、その両端を作動腕部11A、11Bの下端側の部分に結合した構造としてもよい。
また、以上の各実施形態では、上記荷重検出器1では、歪の大きさを検出する歪センサ5を構成する歪検出素子として、歪により電気抵抗が変化する歪ゲージR1、R2、R3、R4を用いた構成としているが、このような歪ゲージに限らず、歪検出素子としては、例えば、導電性エラストマーセンサ素子や、光学式歪センサ素子、電歪デバイスセンサ素子、圧電デバイスセンサ素子、磁歪デバイスセンサ素子などを用いることができる。
本発明の荷重検出器は、医療機関、介護施設、養護施設などのベッドにおいて、その複数の個所に設置しておき、各部位での荷重を検出することによって、ベッド上における利用者の状態(入床、離床、在床位置、体動等)を連続的に調べたり、また椅子などの家具、自動車などの輸送機器、その他各種の機械装置や設備などについて、その試作時や使用時に設置して、試作時や使用時における荷重分布や荷重変動を調べたりするために好適に使用することができる。さらには周期的な荷重変動を検出できることから、各種の機械装置や設備、建築構造物などの振動を検出するために使用することも可能である。また、荷重受け梁部を堅固に固定する必要がないため、既存のベッドや、既存の各種の機械装置や設備に容易に組み込むことができる。
1 荷重検出器
3 基体
5 歪センサ
7 荷重受け梁部
9 連結部
11A、11B 作動腕部
13 荷重受け領域
15A、15B 支点受け領域
17 中空部分
19、19A、19B 支持部材
21 荷重印加部材
33A、33B、33C 凹部
39 ロバーバル機構
R1、R2、R3、R4 歪ゲージ(歪検出素子)
P 基準面
W 荷重

Claims (9)

  1. 所定方向に荷重が加えられる基体と、その基体に取り付けられた歪センサとを有してなり、
    前記基体は、荷重受け領域及び一対の支点受け領域を有する荷重受け梁部と、その荷重受け梁部における異なる位置から突出する一対の作動腕部と、それら一対の作動腕部の先端側の部分同士を連結する連結部とを有し、かつこれらの荷重受け梁部、一対の作動腕部および連結部が、全体として連続して中空部分を取り囲むように構成されており、
    前記荷重受け領域は、前記一対の支点受け領域の中間においてその一対の支点受け領域を結ぶ直線を横断する基準面に相当する位置に形成され、かつその荷重受け領域は、前記基準面に沿った方向に加えられる荷重を受けるように構成され
    さらに、前記一対の作動腕部の一方は、荷重受け梁部における前記基準面に対して前記一対の支点受け領域のうちの一方が位置する側から突出するように、また一対の作動腕部の他方は、荷重受け梁部における前記基準面に対して前記一対の支点受け領域のうちの他方の支点受け領域が位置する側から突出するように形成されており、
    前記歪センサが、前記一対の作動腕部の少なくとも一方に取り付けられており、
    前記一対の支点受け領域を支持した状態で、荷重受け領域に荷重を加えることによって、前記一対の作動腕部の少なくとも一方が弾性変形し、その弾性変形の歪を前記歪センサが検出するように構成され、
    前記歪センサが、前記少なくとも一方の作動腕部における各面のうち、前記中空部分に対して外側に向く面と内側及び/又は外側に向く面とのいずれか一方または双方の面に取り付けられ、
    前記一対の作動腕部のうちの一方の作動腕部は他方の作動腕部よりも剛性が小さくなるように作られており、かつ前記一方の作動腕部に前記歪センサが取り付けていることを特徴とする荷重検出器。
  2. 請求項1に記載の荷重検出器において;
    前記荷重受け領域が、それぞれ荷重測定対象における測定すべき荷重が導かれる荷重印加部材に接する面によって構成されていることを特徴とする荷重検出器。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の荷重検出器において;
    前記一対の作動腕部のうちの一方の作動腕部における、前記中空部分に向く内側及び/又は外側の面に凹部が形成されて、前記一方の作動腕部が弾性変形したときに、その作動腕部における前記凹部に対応する部位の歪が増幅されるように構成されており、かつその個所に前記歪センサが取り付けていることを特徴とする荷重検出器。
  4. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の荷重検出器において;
    前記一対の作動腕部のうちの一方の作動腕部における、前記中空部分に向く内側及び/又は外側の面に、2以上の凹部が、その作動腕部の長さ方向に間隔を置いて形成されて、その作動腕部が弾性変形したときに、その作動腕部における前記2以上の各凹部に対応する部位の歪が増幅されるように構成されており、
    しかも前記歪センサが、1以上の歪検出素子によって構成されており、かつその1以上の歪検出素子のうちのいずれか少なくとも一つは、前記2以上の凹部のうちの少なくとも一つの凹部に対応する部位に取り付けられていることを特徴とする荷重検出器。
  5. 請求項に記載の荷重検出器において;
    前記歪センサが、2以上の歪検出素子によって構成されており、かつその2以上の歪検出素子のうちのいずれか少なくとも一つの歪検出素子は、隣り合う2以上の凹部のうちの一方の凹部に対応する部位に、また他の少なくとも一つの歪検出素子は、隣り合う2以上の凹部のうちの他方の凹部に対応する部位に取り付けられていることを特徴とする荷重検出器。
  6. 請求項1〜請求項のいずれかの請求項に記載の荷重検出器において;
    前記一対の作動腕部のうちの一方の作動腕部にロバーバル機構が形成されており、前記一方の作動腕部が弾性変形したときに、前記ロバーバル機構によってその作動腕部の歪が増幅されるように構成され、かつ前記一方の作動腕部に歪センサが取り付けられていることを特徴とする荷重検出器。
  7. 請求項1〜請求項のいずれかの請求項に記載の荷重検出器において;
    前記一対の支点受け領域が、それぞれ荷重測定対象における固定部位に接して支持される面によって構成されていることを特徴とする荷重検出器。
  8. 請求項1〜請求項のいずれかの請求項に記載の荷重検出器において;
    前記一対の支点受け領域が、それぞれ荷重測定対象における固定部位に嵌め込まれる形状に構成されていることを特徴とする荷重検出器。
  9. 請求項1〜請求項のいずれかの請求項に記載の荷重検出器において;
    前記一対の支点受け領域が、それぞれ荷重測定対象における固定部位に基体を支持させるための取り付け孔によって構成されていることを特徴とする荷重検出器。
JP2012106300A 2012-04-27 2012-05-07 荷重検出器 Active JP5934571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106300A JP5934571B2 (ja) 2012-04-27 2012-05-07 荷重検出器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012104216 2012-04-27
JP2012104216 2012-04-27
JP2012106300A JP5934571B2 (ja) 2012-04-27 2012-05-07 荷重検出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013242148A JP2013242148A (ja) 2013-12-05
JP5934571B2 true JP5934571B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=49843178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012106300A Active JP5934571B2 (ja) 2012-04-27 2012-05-07 荷重検出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5934571B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL298617B1 (en) * 2015-07-17 2024-07-01 Deka Products Lp Method and device for a robotic surgery system
KR102273245B1 (ko) 2020-02-17 2021-07-06 대양전기공업 주식회사 압력 센서 구조체 및 그 제조방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52171972U (ja) * 1976-06-21 1977-12-27
JPH08285705A (ja) * 1995-04-19 1996-11-01 Nok Corp 荷重センサ
JP3632089B2 (ja) * 2002-08-09 2005-03-23 国立大学法人金沢大学 センサ、摩擦力計測方法、圧力計測方法、及び摩擦力・圧力同時計測方法
JP2005300465A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Nitta Ind Corp 多軸センサ
JP2009244151A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Toyota Motor Corp 圧力・摩擦力センサ、および圧力・摩擦力検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013242148A (ja) 2013-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4585900B2 (ja) 六軸力センサ
JP6265556B2 (ja) 荷重検出機能付きベッド及びベッド用荷重検出器
US8181541B2 (en) Low profile transducer with high moment capacity
US9891124B2 (en) Pressure sensor, and mass flow meter, and mass flow controller using same
JP6060093B2 (ja) 荷重検出機能付きベッド及びベッド用荷重検出器
KR101959150B1 (ko) 압력 센서 및 차압 센서 및 그것들을 사용한 질량 유량 제어 장치
US20070095156A1 (en) Flexure system for strain-based instruments
JP5306577B2 (ja) 自動車ホイール用の軸受及び荷重測定方法
JP5934571B2 (ja) 荷重検出器
US10704976B2 (en) Pressure sensor
JP4249735B2 (ja) 力センサ
JP6663314B2 (ja) 圧力センサ
WO2019171810A1 (ja) トルクセンサ
JP5965716B2 (ja) 荷重検出機能付きベッド及び荷重検出器
JP2007064786A (ja) 力センサ
JP2011075494A (ja) 荷重センサ
JP6521876B2 (ja) 圧力センサ
JP2009244151A (ja) 圧力・摩擦力センサ、および圧力・摩擦力検出方法
KR102286967B1 (ko) 스트레인 게이지, 다이아프램 구조체 및 그를 포함하는 센서
CN117387731A (zh) 载荷检测器和载荷检测系统
JP6579965B2 (ja) 圧力センサ
JP2020197425A (ja) 荷重センサ
JP7091545B2 (ja) トルクセンサ
GB2542475A (en) Methods and apparatus for measuring deformation
JP2005049274A (ja) シート上荷重検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5934571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350