JP5934565B2 - パターンの縮小方法、及び組成物 - Google Patents

パターンの縮小方法、及び組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5934565B2
JP5934565B2 JP2012096997A JP2012096997A JP5934565B2 JP 5934565 B2 JP5934565 B2 JP 5934565B2 JP 2012096997 A JP2012096997 A JP 2012096997A JP 2012096997 A JP2012096997 A JP 2012096997A JP 5934565 B2 JP5934565 B2 JP 5934565B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
block
component
block copolymer
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012096997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013225026A (ja
Inventor
尊博 先崎
尊博 先崎
宮城 賢
賢 宮城
健一郎 宮下
健一郎 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd filed Critical Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority to JP2012096997A priority Critical patent/JP5934565B2/ja
Publication of JP2013225026A publication Critical patent/JP2013225026A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5934565B2 publication Critical patent/JP5934565B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、ブロックコポリマーの相分離構造を利用して、基板上の薄膜に形成されたパターンを縮小する方法、及び当該方法に用いられるブロックコポリマーを含有する組成物に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)のさらなる微細化に伴い、より繊細な構造体を加工する技術が求められている。このような要望に対して、互いに非相溶性のブロック同士を結合させたブロックコポリマーの自己組織化により形成される相分離構造を利用して、より微細なパターンを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
ブロックコポリマーの相分離を利用するためには、ミクロ相分離により形成された自己組織化ナノ構造を特定の領域のみに形成し、かつ所望の方向へ配列させることが必須となる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって、相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーと、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシーといった方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、レジスト膜に形成されたコンタクトホールパターンは、ホール径が微細になるほど、ホール径や形状のばらつきが大きくなる傾向がある。そこで、コンタクトホールパターンが形成されたレジスト膜にブロックコポリマーを塗布した後、シリンダ構造の相分離構造を形成させ、当該シリンダ構造の中心を構成する相を選択的に除去することにより、最初のコンタクトホールパターンよりも、相対的により均一なホール直径のコンタクトホールを形成させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記のようなブロックコポリマーの相分離構造を利用した微細パターンの形成と平行して、レジスト組成物を用いたレジストパターン自体においても、近年では微細化が進んでいる。微細化の手段としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来はg線、i線に代表される紫外線やKrFエキシマレーザーが用いられていたが、近年ではArFエキシマレーザーや、さらに短波長の光源が注目されており、それら光源に適した材料等の検討が行われている。
特開2008−36491号公報 米国特許出願公開第2010/0297847号明細書
プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE),第7637巻,第76370G−1(2010年).
特許文献2には、真円状のコンタクトホールパターンを縮小することにより、ホール直径の均一性及び真円性を改善し得ることや、融合してしまったコンタクトホールを個々に分離し得ることは記載されている。しかしながら、真円状のホールパターン以外の形状において、ブロックコポリマーの相分離構造を利用して、元々のパターンを反映したより縮小されたパターンを形成する方法は、未だ得られていない。
また、上述の様にレジストパターンの微細化のためには、露光光源の短波長化が行われているが、露光光源を変更する場合、露光装置の設備コストや、新たな露光光源に対して最適化されたレジスト材料の開発等の膨大なコストが発生するという問題がある。そのため、従来の露光光源を用いて形成された比較的大きなレジストパターンを、何らかの方法で縮小し、最新の露光装置を用いたレジストパターンと同等以下のサイズのパターンとする方法への要求がある。
しかしながら、特許文献2には微細なホールパターンをさらに縮小できることが記載されているが、比較的大きなホールパターンにおいて、該パターンを縮小可能であるか否かは明らかとされていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ブロックコポリマーの相分離構造を利用して、基板上の薄膜に形成されたパターンを、該パターンのサイズに関わらず縮小する方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成するブロックコポリマー層形成工程と、前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる相分離工程と、前記相分離工程後、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、Pブロックからなる相を残し、該相以外の相を選択的に除去する選択的除去工程と、を有するパターンの縮小方法であって、前記組成物が、(A)前記Pブロックと、前記Pブロックと非相溶であり、かつ前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくとも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、(B)前記Pブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、(C)前記Pブロックと相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、(D)有機溶剤と、を有し、前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とするパターンの縮小方法である。
また、本発明の第二の態様は、(A)Pブロックと、前記Pブロックと非相溶であり、かつ前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、(B)前記Pブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるホモポリマーと、(C)前記Pブロックと相溶可能であるホモポリマーと、(D)有機溶剤と、を有し、前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とする組成物である。
本発明によれば、パターンのサイズや形状に関わらず、レジスト膜等の薄膜に形成されたパターンから、当該パターンの形状を反映したより縮小されたパターンを形成することができる。
実施例におけるシリコン基板の表面の走査型電子顕微鏡像である。
<パターンの縮小方法>
本発明のパターンの縮小方法は、ブロックコポリマーの相分離構造を利用して、基板上の薄膜に形成されたパターンを縮小する方法である。
具体的には、本発明のパターンの縮小方法は、パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成するブロックコポリマー層形成工程と、
前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる相分離工程と、前記相分離工程後、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、Pブロックからなる相を残し、該相以外の相を選択的に除去する選択的除去工程と、を有する。
以下、各工程とそこで用いられる材料について、より詳細に説明する。
[ブロックコポリマー層形成工程]
ブロックコポリマー層形成工程は、パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程である。
(基板)
基板としては、薄膜材料やブロックコポリマーを塗布する際に溶解あるいは混和するものでなければ特に限定されず、電子部品用の基板等として従来公知のものを用いることができる。
例えば、シリコンウェーハ、金、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属からなる金属基板;前記金属が酸化してなる酸化金属基板;ガラス基板、ポリマーフィルム(ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等)等が挙げられる。
また、基板の大きさや形状は、特に限定されるものではない。基板は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
・下地剤からなる層(中性化膜)
また、基板の表面に、予め下地剤を塗布して下地剤からなる層(中性化膜)を形成しておくこと(中性化処理)も好ましい。中性化膜とは、基板表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのポリマーとも親和性を有するように改変する膜をいう。
下地剤を、基板上に塗布して下地剤からなる層を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により形成できる。
たとえば、下地剤をスピンコート、スピンナーを用いる等の従来公知の方法により基板上に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、下地剤からなる層を形成できる。下地剤の詳細は後述する。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる有機溶剤を揮発させることができればよく、たとえばベークする方法等が挙げられる。
ベーク温度は、80〜300℃が好ましく、100〜270℃がより好ましく、120〜250℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30〜500秒間が好ましく、60〜240秒間がより好ましい。
下地剤からなる層を基板表面に設けることによって基板の表面が中性化され、その上層に設けるブロックコポリマーからなる層のうち、特定のブロックからなる相のみが基板表面に接することを抑制することができる。その結果、ブロックコポリマーを含む層の相分離によって、基板表面に対して自在に配向されたシリンダ構造、ドット構造、ジャイロイド構造等を形成することが可能となる。
このような下地剤としては、例えば、ブロックコポリマーを構成する各ブロックの構成単位をいずれも含む樹脂組成物や、ブロックコポリマーを構成する各ブロックと親和性の高い構成単位をいずれも含む樹脂等が挙げられる。
例えば、PS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、下地剤として、PSとPMMAの両方を構成単位として含む物樹脂組成物や、芳香環等のPSと親和性が高い部位と、極性の高い官能基等のPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物又は組成物を用いることが好ましい。
PSとPMMAの両方を構成単位として含む物樹脂組成物としては、例えば、PSとPMMAのランダムコポリマー、PSとPMMAの交互ブロック(各モノマーが交互に共重合しているもの)等が挙げられる。
また、PSと親和性が高い部位とPMMAと親和性の高い部位の両方を含む組成物としては、例えば、モノマーとして、少なくとも、芳香環を有するモノマーと極性の高い置換基を有するモノマーとを重合させて得られる樹脂組成物が挙げられる。芳香環を有するモノマーとしては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、及びこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等を有するモノマーが挙げられる。また、極性の高い置換基を有するモノマーとしては、トリメトキシシリル基、トリクロロシリル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等を有するモノマーが挙げられる。
その他、PSと親和性が高い部位とPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物としては、フェネチルトリクロロシラン等のアリール基と極性の高い置換基の両方を含む化合物や、アルキルシラン化合物等のアルキル基と極性の高い置換基の両方を含む化合物等が挙げられる。
(パターンが形成された薄膜)
基板表面には、ブロックコポリマーを含む層を形成する前に、予めパターンが形成された薄膜が形成されている。当該薄膜は、感光性膜であってもよく、非感光性膜であってもよい。また、有機膜であってもよく、無機膜であってもよい。本発明においては、感光性又は非感光性の有機膜であることが好ましく、感光性又は非感光性のレジスト膜であることがより好ましい。
パターンが形成されたレジスト膜の形成方法は特に限定されるものではなく、レジスト膜に樹脂パターンを形成するために用いられる公知の手法の中から適宜選択することができる。フォトリソグラフィ法による場合には、例えば、必要に応じて洗浄処理又は中性化処理が施された基板表面に、レジスト組成物からなる膜を形成した後、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、パターンが形成されたレジスト膜を形成することができる。
パターンを形成するレジスト組成物は、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から適宜選択して用いることができる。当該レジスト組成物としては、ポジ型レジスト組成物、ネガ型レジスト組成物のいずれであってもよい。また、現像の際に用いる現像液は、アルカリ現像液であってもよく、有機溶剤を含有する有機系現像液であってもよい。
例えば、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するポジ型レジスト組成物を用いて、パターンを形成することができる。かかるポジ型レジスト組成物においては、放射線が照射(露光)されると、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、パターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部の、前記アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像を行うことにより露光部が除去されてパターンが形成される。なお、該ポジ型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、且つ、露光により酸を発生する基材成分を含有するものも用いることができる。
具体的には、例えば、基板表面上に、前記レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、所望のパターンのマスクを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。本発明においては、比較的大きなパターンの縮小を達成できることから、比較的大きなパターンを形成し得る露光波長、例えばKrFエキシマレーザーや、i線等の放射線を用いて露光を行うことが好ましい。
次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。
また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なパターンを形成することができる。
また、酸の作用により極性が増大し、有機溶剤を含有する現像液に対する溶解性が減少する基材成分、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有するネガ型現像用レジスト組成物を用いて、パターンを形成することもできる。かかるネガ型現像用レジスト組成物においては、放射線が照射(露光)されると、基材成分から酸が発生し、該酸の作用により基材成分の有機溶剤に対する溶解性が減少する。そのため、パターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部の、前記有機溶剤を含有する有機系現像液に対する溶解性が減少する一方で、未露光部の該有機系現像液に対する溶解性は変化しないため、該有機系現像液を用いたネガ型現像を行うことにより未露光部が除去されてパターンが形成される(以下、有機系現像液を用いるプロセスを「溶剤現像プロセス」ということがある)。
さらに、アルカリ現像液に可溶性の基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、架橋剤とを含有するネガ型レジスト組成物を用いて、パターンを形成することもできる。かかるネガ型レジスト組成物においては、露光により酸発生剤成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、パターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、当該レジスト膜における露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することにより未露光部が除去されてパターンが形成できる(以下、アルカリ現像液を用いるプロセスを「アルカリ現像プロセス」ということがある)。
その他、エッチング処理を利用して、パターンを形成することもできる。例えば、必要に応じて洗浄処理又は中性化処理が施された基板表面にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成した後、当該レジスト膜上に、パターンが形成されている耐ドライエッチング耐性を備えるマスクを設置し、その後ドライエッチング処理を行うことにより、パターンが形成されたレジスト膜を形成することができる。ドライエッチング処理としては、酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、オゾン処理、及びUV照射処理等が挙げられる。
その他、ウェットエッチング処理により、パターンを形成することもできる。具体的には、まず、基板表面に、非感光性レジスト膜を形成し、当該非感光性レジスト膜上にさらに感光性レジスト膜を積層させた後、当該感光性レジスト膜にパターンを形成する。その後、当該感光性レジスト膜よりも当該非感光性レジスト膜のほうが溶解性の高い有機溶剤によって、当該非感光性レジスト膜のうち、当該パターンによってマスクされていない領域を溶解除去することにより、当該非感光性レジスト膜に当該パターンが形成される。非感光性レジスト膜としては、SiOを主成分とする膜等のシリカ系被膜を好適に用いることができる。SiOを主成分とする膜は、例えば、ケイ素化合物を有機溶剤に溶解した溶液を塗布し、加熱処理するSOG(spin−on−glass)法、化学気相成長法等により形成することができる。また、感光性レジスト組成物としては、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から適宜選択して用いることができる。
パターンを形成するレジスト組成物は、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有するものを適宜選択して用いることができる。本発明においては、相分離により、Pブロックからなる相を元々のパターンの凹部の外周に沿って形成させるため、パターンを形成するレジスト組成物としては、Pブロックと親和性を有するものを用いることが好ましい。
また、パターンが形成された基板上にブロックコポリマーの有機溶剤溶液が流し込まれた後、相分離を起こすために、熱処理がなされる。このため、パターンを形成するレジスト組成物としては、耐溶剤性と耐熱性に優れたレジスト膜を形成し得るものであることが好ましい。
なお、薄膜に形成されているパターンの形状は、特に限定されるものではなく、基板に平行な断面形状が円形であるホールパターン、前記断面形状が楕円形であるホールパターン、前記断面形状が多角形であるホールパターン、ラインアンドスペースパターンのいずれであってもよく、これらのパターンを適宜組み合わせたパターンであってもよい。前記断面形状が多角形であるホールパターンとは、例えば、格子状のような、断面形状が四角形のホールパターンが挙げられる。
なかでも、本発明において薄膜に形成されているパターンの形状は、円形又は楕円形のホールパターンであることが好ましく、本発明では大きなホールパターンにおいてパターンサイズの縮小が行えるため、該ホールパターンの直径又は短径が100nm〜400nmの比較的大きなパターンであることがより好ましい。
(ブロックコポリマーを含む層の形成)
ブロックコポリマーを含む層は、組成物を用いて、前記パターンの凹部の底面を被覆するように形成される。
ブロックコポリマーを含む層を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により形成できる。
たとえば、組成物をスピンコート、スピンナーを用いる等の従来公知の方法により前記薄膜を備えた基板上に、前記薄膜のパターンの上から塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、ブロックコポリマーを含む層を形成できる。組成物の詳細は後述する。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる有機溶剤を揮発させることができればよく、たとえばベークする方法等が挙げられる。
ベーク温度は、80〜300℃が好ましく、80〜200℃がより好ましく、100〜180℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30〜500秒間が好ましく、60〜240秒間がより好ましい。
ブロックコポリマーを含む層の厚さの下限値は、相分離が起こるために十分な厚みであればよく、形成される相分離構造の構造周期サイズを考慮して適宜決定することができる。また、本発明においては、ブロックコポリマーを含む層の厚さは、前記薄膜に形成されたパターンの凹部の基板表面(若しくは中性化膜表面)からパターンの凸部までの高さ以下であることが好ましい。
(組成物)
ブロックコポリマーを含む層の形成に用いられる組成物は、(A)Pブロックと、前記Pブロックと非相溶であり、かつ前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、
(B)前記Pブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
(C)前記Pブロックと相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
(D)有機溶剤と、を有する。
ブロックコポリマーからなる層を相分離させた後にエッチング処理を行うことにより、エッチング速度が最も遅い相(Pブロックからなる相)のみを残し、その他の相(Pブロックからなる相以外の相)を選択的に除去することができる。薄膜に形成されたパターンの凹部を被覆するようにブロックコポリマーからなる層を形成して相分離させた後、特定の相を選択的に除去することにより、元々のパターンの凹部に、残った相からなるパターンを形成することができる。本発明においては、パターンの凹部内において、エッチング処理により選択的に除去される相を構成するブロックと相溶可能なポリマーの存在下で相分離構造を形成させることにより、エッチング処理により選択的に除去される相の体積を膨張させる結果、元々のパターンの凹部の外周に沿ってエッチング処理後に残る相を形成させることができる。
通常、ブロックコポリマーの相分離構造を利用したパターンの大きさは、ブロックコポリマーの相分離の周期構造によって決定される。そのため、ブロックコポリマーの各ブロックの分子量を大きくすることにより、得られるパターンを大きなものとすることができる。しかしながら、分子量の大きいブロックコポリマーは、工業的に安定生産することが困難であり、多量に使用できないという問題がある。
これに対して本発明では、(B)成分及び(C)成分のポリマーを添加することによって、分子量の大きいブロックコポリマーを用いることなく、比較的大きな相分離構造を形成することができ、比較的大きな縮小パターンを得ることができる。
また、(B)成分及び(C)成分のポリマーを添加しない場合には、相分離構造形成により、薄膜に元々形成されたパターン(縮小化前のパターン)の形状を反映しない複数のパターンが形成されてしまう場合がある。これに対して、(B)成分及び(C)成分のポリマーを添加することによって、元々形成されたパターンの形状が反映された縮小パターンが、元々形成されたパターン1つに対して1つだけ形成される。例えば、薄膜に元々形成されたパターンが楕円形状のホールパターンであった場合、(B)成分及び(C)成分のポリマーを添加しない場合には、元々の楕円形状のホールパターン1つ当たり複数の真円状のホールパターンが形成されてしまうが、(B)成分及び(C)成分のポリマーを添加することにより、元々の楕円形状が反映された縮小ホールパターンが、元々のホールパターン1つあたり1つ形成される。
{(A)成分:ブロックコポリマー}
ブロックコポリマーは、複数種類のブロックが結合した高分子である。ブロックコポリマーを構成するブロックの種類は、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。本発明において用いられるブロックコポリマーは、相分離構造が形成可能であり、かつこれを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせである。
(A)成分のブロックコポリマーは、Pブロックと、前記Pブロックと非相溶であり、かつ前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーである。Pブロックは、ブロックコポリマーの各ブロックのうち、最もエッチング速度が遅いため、(A)成分のブロックコポリマーから形成された相分離構造に対してエッチング処理を施すことにより、他のブロックからなる相を除去し、Pブロックからなる相のみを選択的に残存させることができる。
(A)成分のブロックコポリマーを構成するブロックのうち、Pブロック以外のブロック(以下、「Pブロック」ということがある。)は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。Pブロックが2種類以上である場合、それぞれのPブロック同士は、互いに非相溶であってもよく、相溶であってもよい。
ブロックは、Pブロックと非相溶であり、かつPブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きいものであれば、特に限定されるものではなく、Pブロックの種類、予定されているエッチング処理の種類等を考慮して適宜決定することができる。(A)成分のブロックコポリマーを構成するPブロックとしては、Pブロックに対するエッチング選択比が1.1以上であるものが好ましく、2.0以上であるものがより好ましい。
一般的にポリマーのエッチング耐性の指標とされるものとして、大西パラメータ(J.Electrochem Soc,143,130(1983),H.Gokan,S.Esho and Y.Ohnishi)が挙げられる。大西パラメータは、炭素密度を表すのに一般に用いられるパラメータであり、具体的には「[C,H,Oの全原子数]/([C原子数]−[O原子数])」で求められる。ポリマーの単位容積当たりの炭素密度が大きくなる(大西パラメータが小さくなる)ほど、エッチング耐性が向上する。
(A)成分のブロックコポリマーを構成するPブロックとしては、Pブロックよりも大西パラメータが大きいものが好ましく、Pブロックよりも大西パラメータが0.4以上大きいことがより好ましく、1以上大きいことがさらに好ましい。
(A)成分として具体的には、例えば、
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー等が挙げられる。
「スチレン又はその誘導体」としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいスチレン(以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたスチレンを「α置換スチレン」といい、該位置が置換されていないスチレンと、α置換スチレンとを総称して「(α置換)スチレン」ということがある。)が挙げられる。
(α置換)スチレン又はその誘導体のα位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
スチレン又はその誘導体として具体的には、例えば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ニトロスチレン、3−ニトロスチレン、4−クロロスチレン、4−フルオロスチレン、4−アセトキシスチレン等が挙げられる。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸(以下「(α置換)アクリル酸」ということがある。)またはそのエステルのα位の炭素原子に結合する置換基としては、上記(α置換)スチレン又はその誘導体のα位の炭素原子に結合する置換基と同様である。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
有機基として具体的には、置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アントラセン、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、(メタ)アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シロキサンの誘導体としては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
なかでも(A)成分としては、スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマーを用いることが好ましい。
具体的には、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−PMMA)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルメタクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルメタクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルアクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル酸ブロックコポリマー等が挙げられ、特に、PS−PMMAブロックコポリマーを用いることが好ましい。
PS−PMMAブロックコポリマーを含む層を相分離した後、当該層に対してエッチング処理(分解処理及び現像液処理)を行うことにより、PMMAからなる相が選択的に除去される。つまりこの場合においては、PSがPブロックであり、PMMAがPブロックである。
(A)成分を構成する各ブロックの質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、相分離を起こすことが可能な大きさであれば特に限定されるものではないが、5000〜600000が好ましく、10000〜600000がより好ましく、20000〜600000がさらに好ましい。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.2がさらに好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A)成分を構成する各ブロックの成分比や質量平均分子量を適宜調整することにより、得られる相分離構造の各相の形状を調整することができる。
本発明のパターンの縮小方法においては、元のパターンは、Pブロックからなる相の分だけ縮小される。このため、(A)成分のブロックコポリマーを構成するPブロックの質量平均分子量を大きくすることにより、後記のパターンの縮小方法において、縮小率(元のパターンと縮小後のパターンの大きさの比:[縮小後のパターンの大きさ]/[元のパターンの大きさ])を小さくすることができる。
{(B)成分:ポリマー}
(B)成分のポリマーは、前記(A)成分のブロックコポリマーを構成するブロックのうち、前記Pブロック以外のブロック(Pブロック)の少なくとも1種と相溶可能である。すなわち、(B)成分のポリマーは、前記Pブロックと非相溶である。
(A)成分のブロックコポリマーが2種類以上のPブロックから構成されている場合、(B)成分のポリマーは、Pブロックの少なくとも1種と相溶可能であればよいが、全てのPブロックと相溶可能であることが好ましい。
(B)成分のポリマーが、Pブロックと非相溶であり、かつPブロックと相溶可能であることにより、(B)成分のポリマーの存在下で(A)成分のブロックコポリマーを相分離させると、(B)成分のポリマーはPブロックからなる相を構成する。つまり、(B)成分のポリマーを添加しない場合と比べて、本発明の組成物を相分離させた場合には、(B)成分のポリマーの体積分だけPブロックからなる相が膨張する。
(B)成分のポリマーは、本発明の効果を損なわない限り、ランダムコポリマーであってもよく、ホモポリマーであってもよい。また、本発明の組成物に含有させる(B)成分のポリマーは、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。(B)成分のポリマーとして2種類以上のポリマーを含有させる場合、それらのポリマーは互いに非相溶であってもよいが、互いに相溶可能であることが好ましい。
一般的に、表面自由エネルギーの差が大きいポリマー同士ほうが、小さいポリマー同士よりも相溶性が低い傾向がある。このため、(B)成分のポリマーは、その表面自由エネルギーと、Pブロックの表面自由エネルギーとの差が比較的大きいほうが好ましく、例えば、当該差が0.5mJ/m以上であることが好ましく、1.5mJ/m以上であることがより好ましい。同様に、(B)成分のポリマーは、その表面自由エネルギーと、Pブロックの表面自由エネルギーとの差が比較的小さいほうが好ましく、例えば、当該差が5.0mJ/m以下であることが好ましく、0.0mJ/mであることがより好ましい。
(B)成分のポリマーは、前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きいことが好ましく、Pブロックに対するエッチング選択比が1.1以上であることがより好ましい。エッチング選択比が1よりも大きいことにより、本発明の組成物からなる相分離構造をエッチングした場合に、(B)成分のポリマーはPブロックと同様に、Pブロックからなる相よりも速く除去される。(B)成分のポリマーとしては、Pブロックに対するエッチング選択比が1.5以上であるものがさらに好ましく、2.0以上であるものが特に好ましい。
また、(B)成分のポリマーとしては、Pブロックよりも大西パラメータが大きいものが好ましく、Pブロックよりも大西パラメータが0.4以上大きいことがより好ましく、1以上大きいことがさらに好ましい。
(B)成分のポリマーとしては、Pブロックを構成するモノマーとは異種類のモノマーからなるポリマーを用いてもよいが、Pブロックを構成するモノマーと同種のモノマーからなるポリマーを用いてもよい。(B)成分のポリマーとしてPブロックと同種のポリマーを用いることにより、(A)成分のブロックコポリマー中のPブロックと(B)成分のポリマーとの相溶性が良好であり、相分離構造の形成に与える影響を最小限に抑えることができる。
(A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマー等のスチレン又はその誘導体を構成単位とするブロックと(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするブロックとを結合させたブロックコポリマーである場合((A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマー等である場合)、(B)成分のポリマーとしては、エッチング選択比の点から、大西パラメータが2.4以上のポリマーが好ましく、3.0以上のポリマーであることがより好ましい。
(A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマー等である場合、(B)成分のポリマーとしては、極性が比較的高いポリマーであることが好ましく、表面自由エネルギーが46.0mJ/m以下であるポリマーが好ましく、44.5mJ/m以下であるポリマーがより好ましい。
このような(B)成分のポリマーとしては、例えば、(α置換)アクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位を有するポリマー(アクリル系ポリマー)が挙げられる。(α置換)アクリル酸エステルとしては前記同様である。
アクリル系ポリマーとして具体的には、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアダマンチルアクリレート、ポリアダマンチルメタクリレート等が挙げられる。(A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマーである場合、(B)成分のポリマーとしては、ポリメチルメタクリレートであることが特に好ましい。
(B)成分のポリマーの質量平均分子量は、(A)成分のブロックコポリマーの相分離を阻害しない大きさであれば特に限定されるものではないが、(A)成分のブロックコポリマーを構成するPブロックの質量平均分子量の0.5〜15倍であることが好ましく、1.0〜10倍であることがより好ましく、2.0〜10倍であることがさらに好ましい。
また、(B)成分のポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜4.0がより好ましく、1.0〜3.0がさらに好ましい。
本発明のパターンの縮小方法においては、Pブロック及び(B)成分のポリマーからなる相が、縮小後のパターンの凹部となる。このため、(A)成分のブロックコポリマーと(B)成分のポリマーの総和に占める(B)成分のポリマーの体積分率を適宜調整することにより、縮小後のパターンの凹部の面積を、所望の面積に調整することができる。例えば、元のパターンの凹部の面積が大きい場合には、(A)成分のブロックコポリマーと(B)成分のポリマーの総和に占める(B)成分のポリマーの体積分率を大きくすることにより、元のパターンの形状を反映した縮小されたパターンを形成することができる。
なお、本発明において(B)成分のポリマーの量が少なすぎた場合には、所望の縮小されたパターンが得られ難い場合がある。逆に多すぎた場合には、(A)成分のブロックコポリマーの相分離が阻害されるおそれがある。そのため、本発明における(B)成分のポリマーの含有量は、元のパターンの形状や大きさ、所望の縮小率等を考慮して適宜決定されるが、(A)成分のブロックコポリマー100質量部に対し、10〜500質量部であることが好ましく、10〜300質量部であることがより好ましく、10〜200質量部であることがさらに好ましい。
また、(B)成分と後述する(C)成分との合計の含有量は、(A)成分のブロックコポリマー100質量部に対し、50〜500質量部であることが好ましく、50〜400質量部であることがより好ましく、50〜300質量部であることがさらに好ましい。
{(C)成分;ポリマー}
(C)成分のポリマーは、前記(A)成分のブロックコポリマーを構成するブロックのうち、前記Pブロックと相溶可能なポリマーである。すなわち、(C)成分のポリマーは、前記Pブロックと非相溶である。
(C)成分のポリマーが、Pブロックと非相溶であり、かつPブロックと相溶可能であることにより、(C)成分のポリマーの存在下で(A)成分のブロックコポリマーを相分離させると、(C)成分のポリマーはPブロックからなる相を構成する。つまり、(C)成分のポリマーを添加しない場合と比べて、本発明の組成物を相分離させた場合には、(C)成分のポリマーの体積分だけPブロックからなる相が膨張する。その結果、相分離の周期構造が大きなものとなり、相分離構造に対してエッチング処理を施し、他のブロックからなる相を除去することにより、Pブロックからなる大きなパターンが得られると考えられる。
(C)成分のポリマーは、本発明の効果を損なわない限り、ランダムコポリマーであってもよく、ホモポリマーであってもよい。また、本発明の組成物に含有させる(C)成分のポリマーは、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。(C)成分のポリマーとして2種類以上のポリマーを含有させる場合、それらのポリマーは互いに非相溶であってもよいが、互いに相溶可能であることが好ましい。
一般的に、表面自由エネルギーの差が大きいポリマー同士ほうが、小さいポリマー同士よりも相溶性が低い傾向がある。このため、(C)成分のポリマーは、その表面自由エネルギーと、Pブロックの表面自由エネルギーとの差が比較的大きいほうが好ましく、例えば、当該差が0.5mJ/m以上であることが好ましく、1.5mJ/m以上であることがより好ましい。同様に、(C)成分のポリマーは、その表面自由エネルギーと、Pブロックの表面自由エネルギーとの差が比較的小さいほうが好ましく、例えば、当該差が5.0mJ/m以下であることが好ましく、0.0mJ/mであることがより好ましい。
また、(C)成分のポリマーとしては、Pブロックよりも大西パラメータが小さいものが好ましく、Pブロックよりも大西パラメータが0.4以上小さいことがより好ましく、1以上小さいことがさらに好ましい。
(C)成分のポリマーとしては、Pブロックを構成するモノマーとは異種類のモノマーからなるポリマーを用いてもよいが、Pブロックを構成するモノマーと同種のモノマーからなるポリマーを用いてもよい。(C)成分のポリマーとしてPブロックと同種のポリマーを用いることにより、(A)成分のブロックコポリマー中のPブロックと(C)成分のポリマーとの相溶性が良好であり、相分離構造の形成に与える影響を最小限に抑えることができる。
(A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマー等のスチレン又はその誘導体を構成単位とするブロックと(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするブロックとを結合させたブロックコポリマーである場合((A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマー等である場合)、(C)成分のポリマーとしては、エッチング選択比の点から、大西パラメータが2.0以下のポリマーが好ましく、1.4以下のポリマーであることがより好ましい。
(A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマー等である場合、(C)成分のポリマーとしては、極性が比較的低いポリマーであることが好ましく、表面自由エネルギーが44.0mJ/m以上であるポリマーが好ましく、45.0mJ/m以上であるポリマーがより好ましい。
このような(C)成分のポリマーとしては、例えば、(α置換)スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位を有するポリマー(スチレン系ポリマー)が挙げられる。(α置換)スチレン又はその誘導体としては前記同様である。
スチレン系ポリマーとして具体的には、ポリスチレン、ポリ(2−メチルスチレン)、ポリ(3−メチルスチレン)、ポリ(4−メチルスチレン、ポリ(4−t−ブチルスチレン)、ポリ(4−n−オクチルスチレン)、ポリ(2,4,6−トリメチルスチレン)、ポリ(4−メトキシスチレン)、ポリ(4−t−ブトキシスチレン)、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、ポリ(4−ニトロスチレン)、ポリ(3−ニトロスチレン)、ポリ(4−クロロスチレン)、ポリ(4−フルオロスチレン)、ポリ(4−アセトキシビニルスチレン)、ポリ(ビニルシクロへキサン)、ポリ(4−ビニルベンジルクロリド)、ポリ(1−ビニルナフタレン)、ポリ(4−ビニルビフェニル)、ポリ(1−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(9−ビニルアントラセン)、ポリ(ビニルピリジン)等が挙げられる。(A)成分のブロックコポリマーがPS−PMMAブロックコポリマーである場合、(C)成分のポリマーとしては、ポリスチレンであることが特に好ましい。
(C)成分のポリマーの質量平均分子量は、(A)成分のブロックコポリマーの相分離を阻害しない大きさであれば特に限定されるものではないが、(A)成分のブロックコポリマーを構成するPブロックの質量平均分子量の0.5〜15倍であることが好ましく、1.0〜10倍であることがより好ましく、2.0〜10倍であることがさらに好ましい。
また、(C)成分のポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜4.0がより好ましく、1.0〜3.0がさらに好ましい。
本発明のパターンの縮小方法においては、Pブロック及び(C)成分のポリマーからなる相が、縮小後のパターンの凸部となる。このため、(A)成分のブロックコポリマーと(C)成分のポリマーの総和に占める(C)成分のポリマーの体積分率を適宜調整することにより、縮小後のパターンの凸部の面積を、所望の面積に調整することができる。例えば、元のパターンの凹部の面積が大きい場合には、(A)成分のブロックコポリマーと(C)成分のポリマーの総和に占める(C)成分のポリマーの体積分率を大きくすることにより、元のパターンの形状を反映した縮小されたパターンを形成することができる。
すなわち、凹部の面積が大きい場合には(B)成分及び(C)成分の体積分率を大きくすることで、元のパターンの形状を反映した縮小されたパターンを形成することができる。また(B)成分の体積分率と(C)成分の体積分率を適宜調整することでも縮小率(元のパターンと縮小後のパターンの大きさの比:[縮小後のパターンの大きさ]/[元のパターンの大きさ])を調整することができる。すなわち(B)成分の体積分率を(C)成分の体積分率に対して比較的大きくすることでPブロックからなる相の膨張率が大きくなり、比較的縮小率を小さくすることができる。また、(C)成分の体積分率を(B)成分の体積分率に対して比較的大きくすることで、Pブロックからなる相の膨張率が大きくなり、比較的縮小率を大きくすることができる。
本発明のパターンの縮小方法においては、(B)成分のポリマーと(C)成分のポリマーは互いに相溶可能であっても非相溶であってもよいが、互いに非相溶であることが好ましい。互いに非相溶であることで相分離構造の形成に与える影響を最小限に抑えることができると考えられる。
なお、本発明の組成物に含有させる(C)成分のポリマーの量が少なすぎた場合には、後記のパターンの縮小方法に用いた場合、所望の縮小されたパターンが得られ難い場合がある。逆に多すぎた場合には、(A)成分のブロックコポリマーの相分離が阻害されるおそれがある。本発明の組成物としては、(C)成分のポリマーの含有量は、元のパターンの形状や大きさ、所望の縮小率等を考慮して適宜決定されるが、(A)成分のブロックコポリマー100質量部に対し、10〜500質量部であることが好ましく、10〜300質量部であることがより好ましく、10〜200質量部であることがさらに好ましい。
{(D)成分;有機溶剤}
(D)成分の有機溶剤としては、当該組成物に含有されている(A)〜(C)成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、例えば、(A)成分のブロックコポリマーを構成する各ブロック及び(B)〜(C)成分のポリマーのいずれとも相溶性の高いものを用いることができる。有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
(D)成分としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
例えば、ブロックコポリマーとしてPS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、トルエン等の芳香族系有機溶剤、PGMEA等を用いることが好ましい。
(D)成分の使用量は、特に限定されず、当該組成物を基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には(A)〜(C)成分の固形分濃度が0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲内となる様に用いられる。
[相分離工程]
相分離工程は、前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程である。
ブロックコポリマーを含む層が形成された基板をアニール処理することにより、当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる。この結果、パターンがホールパターンの場合、Pブロックと(C)成分とからなる相が元々のパターンの凹部の外周に沿って形成され、Pブロックと(B)成分とからなる相が、Pブロックと(C)成分とからなる相の内部に形成される。
アニール処理としては、熱アニール処理や溶媒アニール処理等の、ブロックコポリマーを相分離させるために用いられるいずれの処理であってもよい。熱アニール処理は、具体的には、ブロックコポリマーを含む層が形成された基板を熱処理する。熱処理の温度は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ熱分解温度未満で行うことが好ましい。また、熱処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。また、溶媒アニール処理は、ブロックコポリマーを含む層が形成された基板を、高分子ブロックコポリマー組成物の良溶媒蒸気に暴露した状態でアニール処理する方法である。溶媒アニール処理においては、良溶媒蒸気に暴露した状態の基板をさらに熱処理してもよい。具体的には、例えば、ブロックコポリマーを含む層が形成された基板を、デシケーター内に高分子ブロックコポリマー組成物の良溶媒とともに入れて放置する。また、高分子ブロックコポリマー組成物の良溶媒に窒素ガスをバブリングさせて得られた良溶媒蒸気含有窒素ガスを導入した状態で、ブロックコポリマーを含む層が形成された基板を熱処理してもよい。
[選択的除去工程]
選択的除去工程は、相分離構造を形成させた後の基板上のブロックコポリマーを含む層のうち、Pブロックからなる相を残し、該相以外の相であって、露出している相を選択的に除去する工程である。ここでPブロックからなる相は、(C)成分を含んでいてもよい。
これにより、Pブロックからなる相のみが、薄膜に形成されていた元々のパターンの凹部の露出面に残る。すなわち、基板上には、Pブロックのみから形成されており、薄膜に元々形成されていたパターンの形状を反映した、より縮小されたパターンが形成される。
選択的除去処理は、Pブロック及び(C)成分に対しては影響せず、Pブロック及び(B)成分のポリマーを分解除去し得る処理であれば、特に限定されるものではなく、ドライエッチング法であってもよく、溶液エッチング法であってもよい。ドライエッチングは、ナノ相分離構造に反応性のガスを吹き付け、当該ドライガスに対するポリマーの分解速度の違いによって選択的に除去する方法である。具体的には、酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、オゾン処理等が挙げられる。
一方、溶液エッチング法は、必要に応じてナノ相分離構造中の特定のポリマー領域のポリマーを選択的に分解させた後、当該ナノ相分離構造を、主に有機溶媒を主成分とする現像液に浸漬させ、特定の相部分を優先的に溶解除去する方法である。溶液エッチング法の場合には、現像液に浸漬させる前に、相分離構造を形成させた後の基板上のブロックコポリマーを含む層のうち、Pブロック及び(B)成分のポリマーからなる相の少なくとも一部を分解(低分子量化)する。予めPブロック又は(B)成分のポリマーの一部を分解することにより、現像液に対する溶解性を高められる結果、Pブロック及び(B)成分のポリマーからなる相がPブロック及び(C)成分からなる相よりも選択的に除去しやすくなる。
分解処理は、Pブロック及び(C)成分よりもPブロック及び(B)成分のポリマーを優先的に分解可能な処理であれば特に限定されるものではなく、ポリマーの分解に用いられる手法の中から、PブロックとPブロックと(B)成分・(C)成分のポリマーの種類に応じて、適宜選択して行うことができる。当該分解処理としては、例えば、UV(紫外線)照射処理、熱分解処理、及び化学反応処理等が挙げられる。
<組成物>
本発明の組成物は、(A)Pブロックと、前記Pブロックと非相溶であり、かつ前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、(B)前記Pブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるホモポリマーと、(C)前記Pブロックと相溶可能であるホモポリマーと、(D)有機溶剤と、を有する。
本発明の組成物は、本発明のパターンの縮小方法において上述した組成物と同様であって、相分離を利用した縮小パターンの形成に好適に用いることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下の実施例において、実施例8〜9は参考例8〜9とする。
[製造例1]
パターンを形成させるレジスト膜を形成するためのレジスト組成物溶液を製造した。
具体的には、下記式(a)−1で表されるポリマー(Mw:10000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.8)を100質量部、下記式(b)−1で表される光酸発生剤(和光純薬社製)を6質量部、トリ−n−アミルアミンを1.0質量部、サリチル酸を1.5質量部、及びPGMEAを900質量部混合し、溶解してレジスト組成物溶液を調製した。なお、式(a)−1中、( )の右下の数値は各構成単位の割合(モル%)を示す。
[製造例2]
パターンを形成させるレジスト膜を形成するためのレジスト組成物溶液を製造した。
具体的には、ポリヒドロキシスチレン(Mw:2400、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.23)を100質量部、前記式(b)−2で表される光酸発生剤を3.6質量部、前記式(c)−1で表される架橋剤15質量部、トリ−n−デシルアミンを0.4質量部、サリチル酸を0.1質量部、2,3,3’,4,4’5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンを4質量部、及びPGMEAを900質量部混合し、溶解してレジスト組成物溶液を調製した。
[実施例1〜8、比較例1〜3、参考例1]
<溶剤現像プロセスによるパターン形成>
まず、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、日産化学社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、製造例1により製造されたレジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、85℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚400nmのパターン形成用レジスト膜を形成した。
次いで、当該パターン形成用レジスト膜に対して、KrF露光装置S203(ニコン社製;NA(開口数)=0.68、Dipole−X(0.75) with POLANO)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、125℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに酢酸ブチルで16秒間の条件で現像し、振り切り乾燥を行った。次いで100℃、1分間、その後200℃、5分間の条件でポストベーク処理を行った。その結果、直径150nmの円形状のホールパターンが形成された。
[実施例9]
<アルカリ現像プロセスによるパターン形成>
まず、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、日産化学社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚65nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、製造例2により製造されたレジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、100℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚400nmのパターン形成用レジスト膜を形成した。
次いで、当該パターン形成用レジスト膜に対して、KrF露光装置S203(ニコン社製;NA(開口数)=0.68、Dipole−X(0.75) with POLANO)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を照射した。そして、110℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液「NMD−3」(商品名、東京応化工業社製)で30秒間のアルカリ現像処理を行い、その後30秒間、純水リンスし、振り切り乾燥を行った。次いで130℃、5分間、その後200℃、5分間の条件でポストベーク処理を行った。その結果、直径150nmの円形状のホールパターンが形成された。
表1に示す各成分を混合、溶解して得られた組成物を、前記基板に、前記パターン形成用レジスト膜の上面からの厚みが20nmとなるようにスピンコート(回転数:1500rpm、60秒間)し、110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、PS−PMMAブロックコポリマーを含む層を形成させた。その後、当該基板を、窒素気流下、240℃で60秒間加熱させて相分離構造を形成させた。
その後、TCA−3822(商品名、東京応化工業社製)を用いて、該基板に対して酸素プラズマ処理(200sccm、40Pa、200W、40℃、20秒間)を施し、PMMAからなる相を選択的に除去した。
また、実施例4〜9、比較例1〜3及び参考例1では、直径200nmの円形状のホールパターンを用いた相分離構造の形成も行った。
表1中、(A)成分〜(D)成分はそれぞれ以下の化合物である。また、表中の[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1:PS−PMMAブロックコポリマー1(PSのMw(質量平均分子量):60000、PMMAのMw:27000、PS/PMMA=70/30、PDI:1.02)。
(A)−2:PS−PMMAブロックコポリマー1(PSのMw(質量平均分子量):328000、PMMAのMw:173000、PDI:1.09)。
(B)−1:PMMAポリマー(Mw:34500、PDI:2.23)。
(C)−1:PSホモポリマー(Mw:17000、PDI:1.16)。
(D)−1:PGMEA。
相分離により得られた基板の表面を、走査型電子顕微鏡SU8000(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて観察した。実施例1〜7については直径150nmの円形状のホールパターンが、実施例8〜9については直径200nmの円形状のホールパターンが形成された結果を図1に示す。
相分離により、元々形成されていた円形ホール1個あたり1個の縮小された円形ホールが形成されたものを○、相分離により、元々形成されていた円形ホール1個あたり2個以上のホールが形成された、又は、相分離によりホールが形成されなかったものを×として評価を行った。結果を表1に併記する。
上記の結果、実施例1〜9では、元々形成されていた円形ホールパターンの直径が150nmの場合に、パターン形成用レジスト膜に元々形成されていた円形ホール1個あたり1個の縮小された円形ホールが形成された。また、追加で評価を行った実施例4〜9の直径200nmの場合にも、円形ホール1個あたり1個の縮小された円形ホールが形成された。
一方で、(C)成分のPSホモポリマーを有しない比較例1では、元々形成されていた円形ホールパターンの直径に関わらず、パターン形成用レジスト膜に元々形成されていた円形ホール1個あたり2個の不均一な形状のホールが形成された。また、(A)成分のブロックコポリマーを有しない比較例2及び3では、元々形成されていた円形ホールパターンの直径に関わらず、相分離によりパターンが得られなかった。
なお、分子量の大きなブロックコポリマーを用いた参考例1では、元々のホール直径が200nmの場合には相分離によりホールパターンが形成されるものの、ホール直径が150nmの場合には相分離が起こらなかった。分子量の大きなブロックコポリマーを用いる場合には、元々のホールパターンのサイズに応じたブロックコポリマー分子量の調整が必要であると考えられる。
この結果から、PS−PMMAブロックコポリマーにアクリル系ポリマー及びスチレン系ポリマーを添加することにより、比較的大きな円形状パターンにおいても、円形状パターンを縮小し、より小さな円形状のパターンを形成し得ることがわかった。

Claims (5)

  1. パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成するブロックコポリマー層形成工程と、
    前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる相分離工程と、
    前記相分離工程後、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、Pブロックからなる相を残し、該相以外の相を選択的に除去する選択的除去工程と、を有するパターンの縮小方法であって、
    前記組成物が、
    (A)前記Pブロックと、前記Pブロックと非相溶であり、かつ前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくとも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、
    (B)前記Pブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
    (C)前記Pブロックと相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
    (D)有機溶剤と、
    を有し、
    前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とするパターンの縮小方法。
  2. 前記薄膜に形成されたパターンが、前記基板に平行な断面形状が円形であるホールパターン、前記断面形状が楕円形であるホールパターン、前記断面形状が多角形であるホールパターン、ラインアンドスペースパターン、及びこれらの組み合わせからなるパターンである、請求項1に記載のパターンの縮小方法。
  3. 前記薄膜に形成されたパターンが、円形又は楕円形のホールパターンであって、
    該ホールパターンの直径又は短径が100〜400nmである請求項1又は2に記載のパターンの縮小方法。
  4. 前記薄膜がレジスト膜である請求項1〜のいずれか一項に記載のパターンの縮小方法。
  5. (A)Pブロックと、前記Pブロックと非相溶であり、かつ前記Pブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、
    (B)前記Pブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるホモポリマーと、
    (C)前記Pブロックと相溶可能であるホモポリマーと、
    (D)有機溶剤と、
    を有し、
    前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とする組成物。
JP2012096997A 2012-04-20 2012-04-20 パターンの縮小方法、及び組成物 Active JP5934565B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096997A JP5934565B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 パターンの縮小方法、及び組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096997A JP5934565B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 パターンの縮小方法、及び組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013225026A JP2013225026A (ja) 2013-10-31
JP5934565B2 true JP5934565B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=49595118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012096997A Active JP5934565B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 パターンの縮小方法、及び組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5934565B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5808301B2 (ja) * 2012-09-20 2015-11-10 東京エレクトロン株式会社 パターン形成方法
FR3014876B1 (fr) * 2013-12-13 2017-03-31 Arkema France Procede de realisation d'un film de copolymere a blocs sur un substrat
JP6235974B2 (ja) * 2014-09-24 2017-11-22 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム
JP6722433B2 (ja) * 2015-09-30 2020-07-15 東京応化工業株式会社 レジストパターン形成方法及びパターン厚肉化用ポリマー組成物
JP6503206B2 (ja) 2015-03-19 2019-04-17 東京応化工業株式会社 レジストパターン修復方法
JP6684583B2 (ja) * 2015-12-10 2020-04-22 東京応化工業株式会社 レジストパターン形成方法
JP2017129774A (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 凸版印刷株式会社 緑色感光性着色組成物、それを用いたカラーフィルタ及びカラー表示装置
JP6741471B2 (ja) * 2016-05-17 2020-08-19 東京応化工業株式会社 レジストパターン形成方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0794515B2 (ja) * 1988-02-29 1995-10-11 旭化成工業株式会社 複合重合体及び複合重合体組成物
JP2769958B2 (ja) * 1993-03-02 1998-06-25 日本製紙株式会社 水性ポリオレフィン樹脂組成物
AU2002234708A1 (en) * 2002-01-31 2003-09-04 Atofina Antistatic styrenic polymer composition
KR101291223B1 (ko) * 2007-08-09 2013-07-31 한국과학기술원 블록 공중합체를 이용한 미세 패턴 형성 방법
US8426313B2 (en) * 2008-03-21 2013-04-23 Micron Technology, Inc. Thermal anneal of block copolymer films with top interface constrained to wet both blocks with equal preference
US8425982B2 (en) * 2008-03-21 2013-04-23 Micron Technology, Inc. Methods of improving long range order in self-assembly of block copolymer films with ionic liquids
US8821978B2 (en) * 2009-12-18 2014-09-02 International Business Machines Corporation Methods of directed self-assembly and layered structures formed therefrom
US8828493B2 (en) * 2009-12-18 2014-09-09 International Business Machines Corporation Methods of directed self-assembly and layered structures formed therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013225026A (ja) 2013-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102098530B1 (ko) 블록 코폴리머 함유 조성물 및 패턴의 축소 방법
JP5979660B2 (ja) コンタクトホールパターンの形成方法
JP5934565B2 (ja) パターンの縮小方法、及び組成物
JP6027912B2 (ja) 相分離構造を含む構造体の製造方法、及びパターン形成方法、並びにトップコート材料
JP5846568B2 (ja) 相分離構造を有する層を表面に備える基板の製造方法
JP6090777B2 (ja) ナノ構造体を表面に備える基板の製造方法
TWI655217B (zh) 底劑、含相分離結構的結構體的製造方法
JP6393546B2 (ja) 相分離構造を含む構造体の製造方法、パターン形成方法及び微細パターン形成方法
JP6249714B2 (ja) 相分離構造を含む構造体の製造方法
JP6020991B2 (ja) 微細パターン形成方法、現像液
JP7008403B2 (ja) 相分離構造形成用樹脂組成物、及び、相分離構造を含む構造体の製造方法
JP2016065215A (ja) 相分離構造形成用樹脂組成物
JP7055101B2 (ja) 相分離構造を含む構造体の製造方法
JP6027758B2 (ja) 組成物及びパターン形成方法
JP2015070054A (ja) 相分離構造を含む構造体の製造方法及びブロックコポリマー組成物
TWI621648B (zh) 包含相分離構造的構造體之製造方法、相分離構造體及嵌段共聚物組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160509

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5934565

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150