JP5934565B2 - パターンの縮小方法、及び組成物 - Google Patents
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Description
ブロックコポリマーの相分離を利用するためには、ミクロ相分離により形成された自己組織化ナノ構造を特定の領域のみに形成し、かつ所望の方向へ配列させることが必須となる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって、相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーと、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシーといった方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献2には微細なホールパターンをさらに縮小できることが記載されているが、比較的大きなホールパターンにおいて、該パターンを縮小可能であるか否かは明らかとされていない。
すなわち、本発明の第一の態様は、パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成するブロックコポリマー層形成工程と、前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる相分離工程と、前記相分離工程後、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、PAブロックからなる相を残し、該相以外の相を選択的に除去する選択的除去工程と、を有するパターンの縮小方法であって、前記組成物が、(A)前記PAブロックと、前記PAブロックと非相溶であり、かつ前記PAブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくとも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、(B)前記PAブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、(C)前記PAブロックと相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、(D)有機溶剤と、を有し、前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とするパターンの縮小方法である。
また、本発明の第二の態様は、(A)PAブロックと、前記PAブロックと非相溶であり、かつ前記PAブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、(B)前記PAブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるホモポリマーと、(C)前記PAブロックと相溶可能であるホモポリマーと、(D)有機溶剤と、を有し、前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とする組成物である。
本発明のパターンの縮小方法は、ブロックコポリマーの相分離構造を利用して、基板上の薄膜に形成されたパターンを縮小する方法である。
具体的には、本発明のパターンの縮小方法は、パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成するブロックコポリマー層形成工程と、
前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる相分離工程と、前記相分離工程後、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、PAブロックからなる相を残し、該相以外の相を選択的に除去する選択的除去工程と、を有する。
以下、各工程とそこで用いられる材料について、より詳細に説明する。
ブロックコポリマー層形成工程は、パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程である。
基板としては、薄膜材料やブロックコポリマーを塗布する際に溶解あるいは混和するものでなければ特に限定されず、電子部品用の基板等として従来公知のものを用いることができる。
例えば、シリコンウェーハ、金、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属からなる金属基板;前記金属が酸化してなる酸化金属基板;ガラス基板、ポリマーフィルム(ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等)等が挙げられる。
また、基板の大きさや形状は、特に限定されるものではない。基板は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
また、基板の表面に、予め下地剤を塗布して下地剤からなる層(中性化膜)を形成しておくこと(中性化処理)も好ましい。中性化膜とは、基板表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのポリマーとも親和性を有するように改変する膜をいう。
たとえば、下地剤をスピンコート、スピンナーを用いる等の従来公知の方法により基板上に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、下地剤からなる層を形成できる。下地剤の詳細は後述する。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる有機溶剤を揮発させることができればよく、たとえばベークする方法等が挙げられる。
ベーク温度は、80〜300℃が好ましく、100〜270℃がより好ましく、120〜250℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30〜500秒間が好ましく、60〜240秒間がより好ましい。
下地剤からなる層を基板表面に設けることによって基板の表面が中性化され、その上層に設けるブロックコポリマーからなる層のうち、特定のブロックからなる相のみが基板表面に接することを抑制することができる。その結果、ブロックコポリマーを含む層の相分離によって、基板表面に対して自在に配向されたシリンダ構造、ドット構造、ジャイロイド構造等を形成することが可能となる。
例えば、PS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、下地剤として、PSとPMMAの両方を構成単位として含む物樹脂組成物や、芳香環等のPSと親和性が高い部位と、極性の高い官能基等のPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物又は組成物を用いることが好ましい。
PSとPMMAの両方を構成単位として含む物樹脂組成物としては、例えば、PSとPMMAのランダムコポリマー、PSとPMMAの交互ブロック(各モノマーが交互に共重合しているもの)等が挙げられる。
その他、PSと親和性が高い部位とPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物としては、フェネチルトリクロロシラン等のアリール基と極性の高い置換基の両方を含む化合物や、アルキルシラン化合物等のアルキル基と極性の高い置換基の両方を含む化合物等が挙げられる。
基板表面には、ブロックコポリマーを含む層を形成する前に、予めパターンが形成された薄膜が形成されている。当該薄膜は、感光性膜であってもよく、非感光性膜であってもよい。また、有機膜であってもよく、無機膜であってもよい。本発明においては、感光性又は非感光性の有機膜であることが好ましく、感光性又は非感光性のレジスト膜であることがより好ましい。
次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。
また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なパターンを形成することができる。
なかでも、本発明において薄膜に形成されているパターンの形状は、円形又は楕円形のホールパターンであることが好ましく、本発明では大きなホールパターンにおいてパターンサイズの縮小が行えるため、該ホールパターンの直径又は短径が100nm〜400nmの比較的大きなパターンであることがより好ましい。
ブロックコポリマーを含む層は、組成物を用いて、前記パターンの凹部の底面を被覆するように形成される。
ブロックコポリマーを含む層を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により形成できる。
たとえば、組成物をスピンコート、スピンナーを用いる等の従来公知の方法により前記薄膜を備えた基板上に、前記薄膜のパターンの上から塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、ブロックコポリマーを含む層を形成できる。組成物の詳細は後述する。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる有機溶剤を揮発させることができればよく、たとえばベークする方法等が挙げられる。
ベーク温度は、80〜300℃が好ましく、80〜200℃がより好ましく、100〜180℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30〜500秒間が好ましく、60〜240秒間がより好ましい。
ブロックコポリマーを含む層の形成に用いられる組成物は、(A)PAブロックと、前記PAブロックと非相溶であり、かつ前記PAブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、
(B)前記PAブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
(C)前記PAブロックと相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
(D)有機溶剤と、を有する。
これに対して本発明では、(B)成分及び(C)成分のポリマーを添加することによって、分子量の大きいブロックコポリマーを用いることなく、比較的大きな相分離構造を形成することができ、比較的大きな縮小パターンを得ることができる。
ブロックコポリマーは、複数種類のブロックが結合した高分子である。ブロックコポリマーを構成するブロックの種類は、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。本発明において用いられるブロックコポリマーは、相分離構造が形成可能であり、かつこれを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせである。
(A)成分のブロックコポリマーを構成するPBブロックとしては、PAブロックよりも大西パラメータが大きいものが好ましく、PAブロックよりも大西パラメータが0.4以上大きいことがより好ましく、1以上大きいことがさらに好ましい。
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・スチレン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;
・アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー等が挙げられる。
(α置換)スチレン又はその誘導体のα位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸(以下「(α置換)アクリル酸」ということがある。)またはそのエステルのα位の炭素原子に結合する置換基としては、上記(α置換)スチレン又はその誘導体のα位の炭素原子に結合する置換基と同様である。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
有機基として具体的には、置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
具体的には、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−PMMA)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルメタクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルメタクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン−(ポリ−t−ブチルアクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル酸ブロックコポリマー等が挙げられ、特に、PS−PMMAブロックコポリマーを用いることが好ましい。
PS−PMMAブロックコポリマーを含む層を相分離した後、当該層に対してエッチング処理(分解処理及び現像液処理)を行うことにより、PMMAからなる相が選択的に除去される。つまりこの場合においては、PSがPAブロックであり、PMMAがPBブロックである。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.2がさらに好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明のパターンの縮小方法においては、元のパターンは、PAブロックからなる相の分だけ縮小される。このため、(A)成分のブロックコポリマーを構成するPAブロックの質量平均分子量を大きくすることにより、後記のパターンの縮小方法において、縮小率(元のパターンと縮小後のパターンの大きさの比:[縮小後のパターンの大きさ]/[元のパターンの大きさ])を小さくすることができる。
(B)成分のポリマーは、前記(A)成分のブロックコポリマーを構成するブロックのうち、前記PAブロック以外のブロック(PBブロック)の少なくとも1種と相溶可能である。すなわち、(B)成分のポリマーは、前記PAブロックと非相溶である。
(A)成分のブロックコポリマーが2種類以上のPBブロックから構成されている場合、(B)成分のポリマーは、PBブロックの少なくとも1種と相溶可能であればよいが、全てのPBブロックと相溶可能であることが好ましい。
また、(B)成分のポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜4.0がより好ましく、1.0〜3.0がさらに好ましい。
また、(B)成分と後述する(C)成分との合計の含有量は、(A)成分のブロックコポリマー100質量部に対し、50〜500質量部であることが好ましく、50〜400質量部であることがより好ましく、50〜300質量部であることがさらに好ましい。
(C)成分のポリマーは、前記(A)成分のブロックコポリマーを構成するブロックのうち、前記PAブロックと相溶可能なポリマーである。すなわち、(C)成分のポリマーは、前記PBブロックと非相溶である。
(C)成分のポリマーが、PBブロックと非相溶であり、かつPAブロックと相溶可能であることにより、(C)成分のポリマーの存在下で(A)成分のブロックコポリマーを相分離させると、(C)成分のポリマーはPAブロックからなる相を構成する。つまり、(C)成分のポリマーを添加しない場合と比べて、本発明の組成物を相分離させた場合には、(C)成分のポリマーの体積分だけPAブロックからなる相が膨張する。その結果、相分離の周期構造が大きなものとなり、相分離構造に対してエッチング処理を施し、他のブロックからなる相を除去することにより、PAブロックからなる大きなパターンが得られると考えられる。
また、(C)成分のポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜4.0がより好ましく、1.0〜3.0がさらに好ましい。
(D)成分の有機溶剤としては、当該組成物に含有されている(A)〜(C)成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、例えば、(A)成分のブロックコポリマーを構成する各ブロック及び(B)〜(C)成分のポリマーのいずれとも相溶性の高いものを用いることができる。有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
例えば、ブロックコポリマーとしてPS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、トルエン等の芳香族系有機溶剤、PGMEA等を用いることが好ましい。
(D)成分の使用量は、特に限定されず、当該組成物を基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には(A)〜(C)成分の固形分濃度が0.3〜20質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲内となる様に用いられる。
相分離工程は、前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程である。
ブロックコポリマーを含む層が形成された基板をアニール処理することにより、当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる。この結果、パターンがホールパターンの場合、PAブロックと(C)成分とからなる相が元々のパターンの凹部の外周に沿って形成され、PBブロックと(B)成分とからなる相が、PAブロックと(C)成分とからなる相の内部に形成される。
選択的除去工程は、相分離構造を形成させた後の基板上のブロックコポリマーを含む層のうち、PAブロックからなる相を残し、該相以外の相であって、露出している相を選択的に除去する工程である。ここでPAブロックからなる相は、(C)成分を含んでいてもよい。
これにより、PAブロックからなる相のみが、薄膜に形成されていた元々のパターンの凹部の露出面に残る。すなわち、基板上には、PAブロックのみから形成されており、薄膜に元々形成されていたパターンの形状を反映した、より縮小されたパターンが形成される。
本発明の組成物は、(A)PAブロックと、前記PAブロックと非相溶であり、かつ前記PAブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、(B)前記PAブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるホモポリマーと、(C)前記PAブロックと相溶可能であるホモポリマーと、(D)有機溶剤と、を有する。
本発明の組成物は、本発明のパターンの縮小方法において上述した組成物と同様であって、相分離を利用した縮小パターンの形成に好適に用いることができる。
パターンを形成させるレジスト膜を形成するためのレジスト組成物溶液を製造した。
具体的には、下記式(a)−1で表されるポリマー(Mw:10000、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.8)を100質量部、下記式(b)−1で表される光酸発生剤(和光純薬社製)を6質量部、トリ−n−アミルアミンを1.0質量部、サリチル酸を1.5質量部、及びPGMEAを900質量部混合し、溶解してレジスト組成物溶液を調製した。なお、式(a)−1中、( )の右下の数値は各構成単位の割合(モル%)を示す。
パターンを形成させるレジスト膜を形成するためのレジスト組成物溶液を製造した。
具体的には、ポリヒドロキシスチレン(Mw:2400、分散度(Poly dispersity index:PDI):1.23)を100質量部、前記式(b)−2で表される光酸発生剤を3.6質量部、前記式(c)−1で表される架橋剤15質量部、トリ−n−デシルアミンを0.4質量部、サリチル酸を0.1質量部、2,3,3’,4,4’5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンを4質量部、及びPGMEAを900質量部混合し、溶解してレジスト組成物溶液を調製した。
<溶剤現像プロセスによるパターン形成>
まず、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、日産化学社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、製造例1により製造されたレジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、85℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚400nmのパターン形成用レジスト膜を形成した。
<アルカリ現像プロセスによるパターン形成>
まず、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、日産化学社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚65nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、製造例2により製造されたレジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、100℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚400nmのパターン形成用レジスト膜を形成した。
その後、TCA−3822(商品名、東京応化工業社製)を用いて、該基板に対して酸素プラズマ処理(200sccm、40Pa、200W、40℃、20秒間)を施し、PMMAからなる相を選択的に除去した。
(A)−1:PS−PMMAブロックコポリマー1(PSのMw(質量平均分子量):60000、PMMAのMw:27000、PS/PMMA=70/30、PDI:1.02)。
(A)−2:PS−PMMAブロックコポリマー1(PSのMw(質量平均分子量):328000、PMMAのMw:173000、PDI:1.09)。
(B)−1:PMMAポリマー(Mw:34500、PDI:2.23)。
(C)−1:PSホモポリマー(Mw:17000、PDI:1.16)。
(D)−1:PGMEA。
相分離により、元々形成されていた円形ホール1個あたり1個の縮小された円形ホールが形成されたものを○、相分離により、元々形成されていた円形ホール1個あたり2個以上のホールが形成された、又は、相分離によりホールが形成されなかったものを×として評価を行った。結果を表1に併記する。
一方で、(C)成分のPSホモポリマーを有しない比較例1では、元々形成されていた円形ホールパターンの直径に関わらず、パターン形成用レジスト膜に元々形成されていた円形ホール1個あたり2個の不均一な形状のホールが形成された。また、(A)成分のブロックコポリマーを有しない比較例2及び3では、元々形成されていた円形ホールパターンの直径に関わらず、相分離によりパターンが得られなかった。
なお、分子量の大きなブロックコポリマーを用いた参考例1では、元々のホール直径が200nmの場合には相分離によりホールパターンが形成されるものの、ホール直径が150nmの場合には相分離が起こらなかった。分子量の大きなブロックコポリマーを用いる場合には、元々のホールパターンのサイズに応じたブロックコポリマー分子量の調整が必要であると考えられる。
Claims (5)
- パターンが形成された薄膜を表面に有する基板に対して、前記パターンの凹部の底面を被覆するように、組成物を用いて、ブロックコポリマーを含む層を形成するブロックコポリマー層形成工程と、
前記ブロックコポリマー層形成工程後、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる相分離工程と、
前記相分離工程後、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、PAブロックからなる相を残し、該相以外の相を選択的に除去する選択的除去工程と、を有するパターンの縮小方法であって、
前記組成物が、
(A)前記PAブロックと、前記PAブロックと非相溶であり、かつ前記PAブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくとも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、
(B)前記PAブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
(C)前記PAブロックと相溶可能であるランダムコポリマー又はホモポリマーと、
(D)有機溶剤と、
を有し、
前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とするパターンの縮小方法。 - 前記薄膜に形成されたパターンが、前記基板に平行な断面形状が円形であるホールパターン、前記断面形状が楕円形であるホールパターン、前記断面形状が多角形であるホールパターン、ラインアンドスペースパターン、及びこれらの組み合わせからなるパターンである、請求項1に記載のパターンの縮小方法。
- 前記薄膜に形成されたパターンが、円形又は楕円形のホールパターンであって、
該ホールパターンの直径又は短径が100〜400nmである請求項1又は2に記載のパターンの縮小方法。 - 前記薄膜がレジスト膜である請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターンの縮小方法。
- (A)PAブロックと、前記PAブロックと非相溶であり、かつ前記PAブロックに対するエッチング選択比が1よりも大きい、少なくも1種のブロックとが結合したブロックコポリマーと、
(B)前記PAブロック以外のブロックの少なくとも1種と相溶可能であるホモポリマーと、
(C)前記PAブロックと相溶可能であるホモポリマーと、
(D)有機溶剤と、
を有し、
前記成分(A)のブロックコポリマー100質量部に対し、前記成分(B)のホモポリマーと成分(C)のホモポリマーとを合計で75〜200質量部含有することを特徴とする組成物。
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