以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の実施の形態に係る画像処理装置は、スキャナ機能、ファクス機能、電子メール機能、コピー機能、及びプリンタ機能等の複数の機能を備えたデジタル複合機である。
図7を参照して、画像処理装置100は、原稿読取部110、画像形成部120、操作部130、給紙部140、手差し給紙トレイ142、及び排紙処理部150を備えている。操作部130は、タッチパネルディスプレイ132及び操作キー部134を備えている。タッチパネルディスプレイ132は、例えば、液晶パネル等で構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、タッチされた位置を検出するタッチパネルとを含む。画像処理装置100に対する操作は、主としてタッチパネルディスプレイ132を介して行なわれる。操作キー部134には、ハードキーとして少数の機能キー(例えば、画像処理装置100の電源をオン/オフするための電源ON/OFFキー)が配置される。
図8を参照して、画像処理装置100は、画像処理装置100全体を制御する制御部(以下、CPUという)102と、プログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)104と、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)106と、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)108とを備えている。ROM104には、画像処理装置100の動作を制御するのに必要なプログラム及びデータが記憶されている。
画像処理装置100はさらに、画像処理部122、画面生成部124、ファクス通信部112、ネットワークI/F114、及びバス116を備えている。CPU102、ROM104、RAM106、HDD108、ファクス通信部112、ネットワークI/F114、原稿読取部110、画像形成部120、画像処理部122、画面生成部124、操作部130は、バス116に接続されている。各部間のデータ(制御情報を含む)交換は、バス116を介して行なわれる。CPU102は、バス116を介してROM104からプログラムをRAM106上に読出して、RAM106の一部を作業領域としてプログラムを実行する。即ち、CPU102は、ROM104に格納されているプログラムにしたがって画像処理装置100を構成する各部の制御を行ない、画像処理装置100の各機能を実現する。
ファクス通信部112は、ファクスモデムを備え、外部の公衆電話回線180に接続される。ファクスモデムは、画像処理装置100が公衆電話回線180を介して外部装置とファクス通信するためのインターフェイスである。
ネットワークI/F114は、外部のネットワーク182に接続され、画像処理装置100がネットワーク182を介して外部装置と通信するためのインターフェイスとして、例えばNIC(Network Interface Card)を備えている。
画像処理装置100が備える画像通信モードとしては、ファクスモデムにより公衆電話回線を介して画像データを送受信するファクスモード、NICによりインターネットを介して画像データを送受信するインターネットファクスモード、画像データを電子メールに添付して送受信する電子メール通信モード(スキャンtoメール)、及びネットワークを介して画像データをPCの特定のフォルダに転送する画像送信モード(スキャンtoフォルダ)等がある。
原稿読取部110は、画像を読取るためのCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)と、原稿台、自動原稿送り装置(ADF)等にセットされた原稿を検知する原稿検知センサとを備え、原稿を読取って画像データを入力する。画像データは画像メモリ(図示せず)に一時的に記憶される。画像処理部122は、読取った画像データに対して、種々の画像処理を実行する。画像形成部120は、画像データを記録紙に印刷する。画像データは、必要に応じてHDD108に記憶される。
給紙部140は画像形成用の記録紙を保持する。手差し給紙トレイ142は、記録紙を手差し給紙するためのトレイである。
操作部130は、ユーザによる画像処理装置100に対する指示等の入力を受付ける。タッチパネルディスプレイ132に表示される画像は、画面生成部124によって生成される。ユーザは、タッチパネルディスプレイ132に表示される画面によって、画像処理装置100の状態及びジョブの処理状況等の確認を行なう。タッチパネルディスプレイ132に表示されたキーを、表示パネルに重ねられたタッチパネル上で選択する(タッチパネル上の該当部分にタッチする)ことによって、画像処理装置100の機能設定及び動作指示等ができる。0〜9の数値を入力するための10個のキー(以下、数値キーという)も、タッチパネルディスプレイ132上に表示される。
CPU102は、操作部130(タッチパネルディスプレイ132及び操作キー部のキー)に対するユーザの操作を監視すると共に、タッチパネルディスプレイ132に画像処理装置100の状態に関する情報等のユーザに通知すべき情報を表示する。
以下、画像処理装置100が搭載している機能(コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びファクス機能)を実行する各モードについて簡単に説明する。
(コピーモード)
画像処理装置100を複写機として利用する場合には、原稿読取部110によって読取られた原稿の画像データ(以下、原稿データともいう)が、画像形成部120から複写物として出力される。
原稿読取部110に装備されたCCDにより、読取位置にセットされた原稿の画像を電子的に読取ることができる。読取られた画像データは、画像メモリ上に出力データ(印刷用データ)として完成された後、HDD108に記憶される。原稿が複数ある場合には、この読取り動作及び記憶動作が繰返される。その後、操作部130から指示された処理モードに基づいて、HDD108に記憶された画像データが適切なタイミングで順次読出されて画像メモリに送られる。そして、画像形成部120での画像形成のタイミングに合わせて、画像データは画像形成部120へと伝送される。
読取った画像データを複数枚印刷する場合にも、同様に出力データとしてページ単位でHDD108に記憶され、HDD108から画像メモリに送られ、出力枚数の分だけ繰返し、画像形成のタイミングに合わせて画像形成部120へ伝送される。
給紙部140では、記録紙がピックアップローラによって引き出され、複数の搬送用ローラによって、画像形成部120まで搬送される。画像形成部120では、帯電された感光体ドラムを入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラムの表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。感光体ドラム上の静電潜像部分にトナーを付着させた後、トナーによる画像を、転写ベルトを介して、搬送された記録紙に転写される。その後、記録紙は加熱及び加圧され(これにより記録紙に画像が定着する)、排紙トレイ152に排出される。
(ファクスモード)
画像処理装置100は、ファクス通信部112及び公衆電話回線180を介して外部のファクス装置とファクス送受信することができる。
画像処理装置100をファクス装置として使用する場合、画像処理装置100は、HDD108から画像データを読出して、ファクス通信用のデータ形式に変換して、ファクス通信部112及び公衆電話回線180を介して外部のファクス装置に送信することができる。また、ファクス装置からファクス受信したデータを、画像データとして画像メモリ上に形成し、上記と同様に、HDD108への記憶、画像形成部120による印刷を実行することができる。
ファクス送信を実行する場合、ユーザはタッチパネルディスプレイ132に表示された画面及び操作キー部134を操作して、ファクス送信の条件を設定した後、ファクス送信の実行を指示するキーを押す。ファクス送信の条件には、相手先のファクス番号、原稿のサイズ、送信画像の濃度、送信画像の画質等がある。同じ原稿を複数の送信先にまとめて送信する同報送信する場合には、送信先毎のファクス番号、送信先毎の送信条件を設定する。
(プリンタモード)
画像処理装置100をプリンタとして利用する場合には、通信部112を介して受信した画像データが画像メモリ等を介して画像形成部120から出力される。
通信部112は、ネットワーク182に接続されたPC等の端末装置(図示せず)から画像データを受信する。受信された画像データは、出力画像データとしてページ単位に画像メモリに送られた後、HDD108に記憶される。その後、画像データは、再びHDD108から画像メモリに送られ、上記したコピーモードと同様に画像形成部120へと伝送され、画像形成が行なわれる。
(スキャナモード)
画像処理装置100を、例えばネットワークスキャナとして利用する場合には、原稿読取部110において読取られた原稿データを、通信部112からネットワーク182を介してコンピュータ等の端末装置へ送信する。この場合にも、原稿読取部110に装備されたCCDにより原稿を電子的に読取る。そして、読取られた原稿データは、画像メモリ上に出力データとして完成された後、HDD108に記憶される。その後、画像データは、再びHDD108から画像メモリに送られ、操作部130を介して指定された送信先との通信を確立した上で、通信部112から、指示された送信先へと送信される。
このように、画像処理装置100は複数の動作モードを備えており、タッチパネルディスプレイ132には、選択された動作モードに応じて異なる画面が表示される。各画面は複数の領域に分割されて、各領域に情報が表示される。異なる画面においてもユーザが要求する情報を容易に見つけることができるように、タッチパネルディスプレイ132に表示される画面は、以下に説明するように統一的に構成される。
図9を参照して、操作部130に表示される各種動作モードの基本画面は、システム領域200、機能設定/確認領域(以下、機能選択領域という)210、プレビュー領域240、アクションパネル領域260、及び、タスクトリガー領域280を含む5つの領域から構成される。これら5つの領域は、基本レイアウトにしたがって配置される。即ち、システム領域200は基本画面の最上部に配置される。プレビュー領域240は基本画面の中央部に配置される。機能選択領域210は、基本画面においてプレビュー領域240に対して左側に配置される。アクションパネル領域260は、基本画面においてプレビュー領域240に対して右側上部に配置される。タスクトリガー領域280は、基本画面においてプレビュー領域240に対して右側下部に配置される。上記した各種動作モードの基本画面を構成する5つの領域及び基本レイアウトは、全ての動作モードにおいて共通する。
このような基本レイアウトによって、ユーザが画像処理装置100を使用する場合、ユーザは、タッチパネルディスプレイ132に表示された画面の左上から右下へ操作することになる。したがって、タッチパネルディスプレイ132を備えない従来機と同様に、ユーザの視点の動線及び指先の動線が実現されるので、ユーザは容易に画像処理装置100の設定を行なうことができる。また、異なる動作モード(異なる基本画面)であっても、対応する領域に表示される情報は類似するので、動作モードが異なっていても、ユーザは混乱することなく、画像処理装置100に対する機能設定及び数値入力が可能である。
図10を参照して、画像処理装置100の操作部130に表示される基本画面の一例として、コピーモードの基本画面について説明する。コピーモードの基本画面300のシステム領域200には、コピーモードであることを示す文字「コピー」と、ジョブ状況が表示される。
コピーモードの基本画面300の機能選択領域210には、コピーモードに関する各種機能及びパラメータ等の条件の設定変更を行なうための設定キーが表示される。図10では、設定キー212〜224が表示されている。設定キー212は、原稿データをカラー及びモノクロの何れで表示するかを設定するためのキーである。設定キー214は、原稿サイズを変更するためのキーである。設定キー216は、原稿データの濃度を調整するためのキーである。設定キー218は、原稿データの倍率を設定するためのキーである。設定キー220は、印刷用紙のサイズ及び種類を設定するためのキーである。設定キー222は、印刷用紙に対する印刷面を設定するためのキーである。設定キー224は、印刷結果のソート又はグループ化に関する設定を行なうためのキーである。ユーザによって設定キー212〜224の何れかがタッチされた場合、タッチパネルディスプレイ132に、タッチされたキーに対応する設定画面(例えば、濃度設定画面、画質設定画面、及び原稿設定画面等)が表示される。機能選択領域210において、設定キー212〜224の下方には、設定キー212〜224の表示スタイルを変更するためのキー226及び228と、他の機能キー230と、が表示される。キー226は、予め「お気に入り」登録された機能に関する設定キーのみを表示させるためのキーである。キー228は、設定変更された機能に関する設定キーのみを表示させるためのキーである。他の機能キー230は、機能選択領域210に表示されている機能とは異なる他の特別機能の表示を要求するためのキーである。
機能選択領域210において、表示対象の全ての設定キーを表示しきれない場合には、各種設定キーは上下方向にスクロール可能に表示される。但し、キー226〜230の表示位置は固定されたままである。ユーザは、タッチ操作(スクロール操作)又はジェスチャー操作(上下方向のフリック操作)によって、各種設定キーの表示部分を上下方向に切替えることができる。
コピーモードの基本画面300のプレビュー領域240には、コピー部数を設定するための数値入力領域242が表示される。数値入力領域242は、キー領域244及び部数表示領域246から構成される。キー領域244は、0〜9の数値キー(テンキー)及びクリアキー(Cキー)250を含む。テンキーが表示された領域をテンキー領域248という。部数表示領域246は、ユーザによって入力されたコピー部数を表示するための領域である。
コピーモードの基本画面300のアクションパネル領域260には、コピーモードにおけるおすすめ機能を実行するための実行キーが表示される。図10では、実行キー262〜270が表示されている。実行キー262は、コピーと同時にスキャンした画像データをファクス送信するためのキーである。実行キー264は、所定のコピー機能が登録されたプログラムを呼出すためのキーである。実行キー266は、スキャンした画像データを自動的に一時記憶するためのキーである。実行キー268は、情報を付加してスキャンした画像データをフィルダに保存するためのキーである。実行キー270は、電力消費を低減するエコプログラムを呼出すためのキーである。
コピーモードの基本画面300のタスクトリガー領域280には、プレビューキー282、クリアオールキー(CAキー)284、カラースタートキー286、及び、白黒スタートキー288が表示される。プレビューキー282は、スキャンイン処理の実行を開始するためのキーである。プレビューキー282がタッチされた場合、原稿をスキャンし、スキャンデータに基づくプレビュー画像をプレビュー領域240に表示する。CAキー284は、設定変更された機能及びパラメータ等を全てキャンセルし、設定をデフォルト状態へ戻すためのキーである。カラースタートキー286は、カラー印刷を開始するためのキーである。白黒スタートキー288は、白黒印刷を開始するためのキーである。
図11を参照して、画像処理装置100において実行されるプログラムの制御構造について説明する。画像処理装置100の電源がオンされた場合、CPU102は、このプログラムをROM104から読出して実行する。操作キー部134の電源ON/OFFキーが押された場合、画像処理装置100への電力供給が開始される(電源オン)。
画像処理装置100の電源がオンされた場合、所定のウォームアップ動作の後、ステップ400においてCPU102は、画面生成部124を制御して、ホーム画面を生成し、操作部130のタッチパネルディスプレイ132に表示させる。その状態で、CPU102は、タッチパネルディスプレイ132に対するユーザの操作を待受ける。ホーム画面には、画像処理装置100の各動作モードを選択するためのモード選択キーが表示される。
ステップ402において、CPU102は、ホーム画面上のモード選択キーがタッチされたか否かを判定する。何れかのモード選択キーがタッチされたか否かは、タッチパネルからCPU102に送信されるタッチ位置の座標データによって判定される。CPU102は、受信した座標データから、表示されている画面上の位置を特定し、特定された位置が、モード選択キーが表示された範囲内にあるか否かを判定する。特定された位置が、モード選択キーが表示された範囲内にあると判定された場合、CPU102はモード選択キーがタッチされたと判定し、制御はステップ406に移行する。このとき、CPU102は、タッチされたモード選択キーに対応する動作モードを決定し、動作モードを特定する情報をRAM106に記憶する。タッチされていないと判定された場合、制御はステップ404に移行する。
ステップ404において、CPU102は、操作キー部134の電源ON/OFFキーが押されたか否かを判定する。押されたと判定された場合、CPU102は、本プログラムを終了する。押されていないと判定された場合、制御はステップ402に戻る。
ステップ406において、CPU102は、RAM106を参照して、動作モードを特定する情報に対応する動作モード(ステップ402でタッチされたモード選択キーに対応する動作モード)の基本画面を、タッチパネルディスプレイ132に表示する。例えば、ステップ402においてコピーが選択された場合、図10に示す画面が表示される。画面が表示された状態で、CPU102は、タッチパネルディスプレイ132に対するユーザの操作を待受ける。
ステップ408において、CPU102は、タッチパネルディスプレイ132に表示された画面上のキーがタッチされたか否かを判定する。画面上の何れかのキーがタッチされたと判定された場合、制御はステップ412に移行する。そうでなければ、制御はステップ410に移行する。
ステップ410において、CPU102は、操作キー部134の電源ON/OFFキーが押されたか否かを判定する。押されたと判定された場合、CPU102は、本プログラムを終了する。押されていないと判定された場合、制御はステップ408に戻る。
ステップ412において、CPU102は、ステップ408でタッチされたキーに応じた処理を実行する。その後、制御はステップ408に戻る。ステップ408〜412が繰返されることによって、画像処理装置100の各動作モードに関する条件を設定する処理が実行され、設定された条件にしたがって最終の処理が実行される。例えば、コピーモードにおいては、図10のコピー基本画面上のキーをユーザがタッチした場合、タッチされたキーに応じて、上記した設定処理が実行される。即ち、機能選択領域210及び数値入力領域242のキーがタッチされてコピー条件が設定された後、タスクトリガー領域280のキーがタッチされるとコピー処理が実行される。
以上によって、画像処理装置100は、操作部130に対するユーザの操作を受けて、指定された動作モードでの処理を実行することができる。
以下、数値入力領域242に対するユーザの操作に関してより詳細に説明する。ユーザが原稿をコピーする場合、コピーモードの基本画面300において、ユーザは必要に応じて機能選択領域210の設定キー212〜224をタッチして、コピー条件の設定を行なう。コピー部数は、数値入力領域242のテンキーを用いて入力される。図10に示した数値入力領域242においては、Cキー250がテンキー領域248の外に配置されているので、ユーザがテンキーをタッチして部数を入力するときに、間違ってCキー250にタッチしてしまう可能性は非常に低い。図12を参照して、この点について具体的に説明する。
図12に示す数値入力領域242において、数値キーは全て同じ形状及び大きさ(横方向の長さw、縦方向の長さh)であり、格子状に配置されている。即ち、9個の数値キー(「1」〜「9」のキー)は、左右方向に所定の間隔(左右間隔)p1で等間隔に配置され、且つ、上下方向に所定の間隔(上下間隔)p2で等間隔に配置されている。上下間隔p2は、左右間隔p1よりも狭い(p2<p1)。テンキーの残りの1個の数値キー(「0」のキー)は左端の列の最下段に、上下間隔p2で「7」のキーから離隔されて配置されている。
Cキー250は、数値キーと同じ形状及び大きさである。Cキー250は、テンキー領域248に隣接して、テンキー領域248の外に配置されている。Cキー250の上側及び左側には、キーが隣接していない。即ち、Cキー250の上側及び左側において、数値キーの大きさ以上の範囲(領域252、254で示す)でキーが配置されていない。また、Cキー250は「9」のキーに最も近接し、「9」のキーの右斜め下に配置されている。このように、Cキー250がテンキーに対して配置されているので、ユーザがテンキーを操作しているときに間違ってCキー250を押してしまう可能性は非常に低くなる。即ち、Cキー250の上側領域252及び左側領域254にキーが配置されていないので、ユーザがテンキーの操作中にCキー250の上側領域252又は左側領域254をタッチする可能性は非常に低く、そのため間違ってCキー250を押してしまう可能性も非常に低い。また、Cキー250は「9」キーの右斜め下に位置するので、ユーザが「9」のキーを押そうとしてCキー250を押してしまう可能性も非常に低くなる。したがって、ユーザは、安心して、速やかにコピー部数を入力することができる。また、Cキー250はテンキーに近接して配置されているので、数値の入力を間違った場合には、入力値を容易にクリアすることができる。
コピー部数の入力を含めてコピー条件の設定が完了した後、ユーザは、図10の画面300の右下領域に配置されたタスクトリガー領域280にあるカラースタートキー286又は白黒スタートキー288にタッチする。これによって、上記したように、画像処理装置100は原稿のコピー処理を開始する。
図10に示したように、テンキー領域248、Cキー250及びタスクトリガー領域280が、左上から右下に斜めに配置されているので、ユーザは右手を使って、左上から右下方向に向かった自然な操作でコピー操作を行なうことができる。
以上、テンキー操作時に間違ってCキーにタッチしてしまう可能性を低減するための、Cキー及びテンキーの配置例を説明したが、キー配置はこれに限定されない。Cキーが数値キーと同じ形状及び大きさである場合には、図13又は図14に示したような配置であってもよい。
図13及び図14において、Cキーはテンキー領域248の右側に配置されている。図13では、Cキーは、最も近接する数値キー(「9」のキー)に対して、左右方向に関してテンキーの左右間隔p1よりも大きい間隔(d1>p1)で右側に、上下方向に関して同じ位置に配置されている。したがって、ユーザが「9」のキーにタッチするときに間違ってCキーにタッチしてしまう可能性が低減される。Cキーの上下にはキーが配置されていないので、このことによっても、Cキーに間違ってタッチしてしまう可能性が低減される。
図14では、Cキーは、最も近接する2つの数値キー(「6」のキー及び「9」のキー)に対して、テンキーの左右間隔と同じ間隔p1で右側に配置されているが、上下方向に関してずれた位置(キーの中心が、隣接する2つの数値キーの何れとも上下にずれた位置)に配置されている。このように、Cキーはテンキーと左右間隔p1で配置されているが、Cキーが最も近接する数値キー(「6」のキー及び「9」のキー)の各々と、上下方向に重なる長さは、数値キーの上下方向の長さh未満である。例えば、「6」のキーとCキーとが縦方向に重なる長さd2はd2<hである。「9」のキーとCキーとが縦方向に重なる長さについても同様である。したがって、ユーザが「6」のキー又は「9」のキーにタッチするときに、間違ってCキーにタッチしてしまう可能性が低減される。この場合、Cキーは2つ数値キー(「6」のキー及び「9」のキー)に隣接するので、d2=h/2であることが好ましい。また、Cキーの上下にはキーが配置されていないので、このことによっても、間違ってCキーにタッチしてしまう可能性が低減される。
また、Cキーが、数値キーよりも大きい場合、図15又は図16のように配置してもよい。Cキーの横方向の長さは数値キーの横方向の長さwと同じであるが、Cキーの縦方向の長さは数値キーの縦方向の長さhよりも長い。図15において、Cキーはテンキーに対して、図12に類似して配置されている。Cキーは、テンキー領域248に隣接し、テンキー領域248の外に配置されている。Cキーの上側及び左側には、キーが隣接していない。即ち、Cキーの上側及び左側において、数値キーの大きさ以上の範囲でキーが配置されていない。また、Cキーは、「9」のキーに最も近接し、「9」のキーの右斜め下に配置されている。このように、Cキーがテンキーに対して配置されているので、ユーザがテンキーを操作しているときに間違ってCキーにタッチしてしまう可能性は非常に低くなる。即ち、Cキーの上側領域及び左側領域にキーが配置されていないので、ユーザがテンキーの操作中にCキーの上側領域又は左側領域をタッチする可能性は非常に低く、そのため間違ってCキーにタッチしてしまう可能性も非常に低い。また、Cキーは「9」キーの右斜め下に位置するので、ユーザが「9」のキーにタッチしようとしてCキーにタッチしてしまう可能性も非常に低くなる。
図16において、Cキーの横方向の長さは、数値キーの横方向の長さwと同じであるが、Cキーの縦方向の長さは数値キーの縦方向の長さhよりも長い。Cキーは、最も近接する1つの数値キー(「9」のキー)に対して、テンキーの左右間隔p1と同じ間隔で右側に配置されている。Cキーが隣接する数値キー(「9」のキー)と、上下方向に重なる長さd3は、図14と同様に、数値キーの上下方向の長さh未満である(d3<h)。したがって、ユーザが「9」のキーにタッチするときに、間違ってCキーにタッチしてしまう可能性は低減される。
また、Cキーが、数値キーよりも大きい場合、図17又は図18のように配置してもよい。図17においては、Cキーの縦方向の長さは、数値キーの縦方向の長さhと同じであるが、Cキーの横方向の長さは数値キーの長さwよりも長い。Cキーは、テンキー領域248に隣接して、一部がテンキー領域248の外に出るように配置されている。Cキーの左側には、キーが隣接していない。即ち、Cキーの上側及び左側において、数値キーの大きさ以上の範囲でキーが配置されていない。Cキーは、「9」のキーに最も近接し、「9」のキーの右斜め下に配置されている。Cキーと「9」のキーとの間隔は、テンキーの上下方向の間隔p2と同じであるが、Cキーが隣接する数値キー(「9」のキー)と、左右方向に重なる長さd4は、数値キーの左右方向の長さw未満である(d4<w)。このように、Cキーがテンキーに対して配置されているので、ユーザが「9」のキーにタッチするときに、間違ってCキーにタッチしてしまう可能性は低減される。
図18において、Cキーの縦方向の長さは、数値キーの縦方向の長さhと同じであるが、Cキーの横方向の長さは数値キーの長さwよりも長い。図18においては、Cキーは、3つの数値キー(「0」、「8」及び「9」のキー)に近接するが、それらの何れとも、テンキーの左右間隔p1及び上下間隔p2以上離れて配置されている。したがって、Cキーは、その一部がテンキー領域248の外に出るように配置されている。Cキーと「0」のキーとの間隔d5は水平間隔p1よりも大きい(d5>p1)。Cキーと「8」及び「9」のキーとの間隔d6は上下間隔p2よりも大きい(d6>p2)。したがって、ユーザが「0」、「8」又は「9」のキーにタッチするときに、間違ってCキーにタッチしてしまう可能性は低減される。
なお、Cキーは、図19及び図20に示したように、完全にテンキー領域248の外に配置されてもよい。図19では、Cキーは、数値入力領域242の右下隅に位置している。図20では、Cキーは、数値入力領域242の最下部であって、左右方向の中央に位置している。
また、Cキーが、数値キーと異なる形状の場合、図21のように配置してもよい。図21において、CキーはL字を左方向に90度回転させた形状をしている。このCキーは、例えば、図12に示したCキーにおいて、上辺部(長さw)を上に突出させ、左辺部(長さh)を左に突出させた形状である。このCキーは、一部(左側の突出部)が、テンキー領域248内に位置し、それ以外の部分はテンキー領域248の外に位置する。Cキーの上側の突出部の上側、及び、左側の突出部の左側には、キーが隣接していない。即ち、Cキーの上側及び左側において、数値キーの大きさ以上の範囲でキーが配置されていない。Cキーは「9」のキーに最も近接し、「9」のキーの右斜め下に配置されている。Cキーが隣接する数値キー(「9」のキー)と、上下方向に重なる長さd7は、数値キーの上下方向の長さh未満(d7<h)である。また、Cキーが隣接する数値キー(「9」のキー)と、左右方向に重なる長さd8は、数値キーの左右方向の長さw未満(d8<w)である。したがって、ユーザが「9」のキーにタッチするときに、間違ってCキーにタッチしてしまう可能性は低減される。
また、テンキーの配置は、図12〜図21に示した配置に限定されない。図22に示したような配置であってもよい。図22の(A)及び(B)の何れの配置であっても、テンキー領域248に対して、図12〜図17、及び図19〜図21に示したようにCキーを配置すれば、テンキーの操作時に間違ってCキーがタッチされることを低減することができる。
また、図12〜図21に示した数値キー及びCキーの外周の形状は、曲線部分よりも直線部分が多い形状であるが、これに限定されない。例えば、曲線部分を含まない形状であってもよく、より曲線部分が多い形状であってもよい。
また、テンキー領域内の10個の数値キーの配置は任意である。例えば、コンピュータ用のキーボードに装備されるテンキーのような配置であってもよい。即ち、図12において、「1」〜「3」のキーと「7」〜「9」のキーとが交換された配置であってもよい。
また、図10に示したコピーモードの基本画面300は、右手で操作する場合に適した画面であるが、左手で操作する場合には、図9の各領域及び図10の画面上のキー配置を左右対称にして配置してもよい。即ち、機能選択領域210を、プレビュー領域240に対して右側に配置し、アクションパネル領域260を、プレビュー領域240に対して左側上部に配置し、タスクトリガー領域を、プレビュー領域240に対して左側下部に配置してもよい。その場合には、図10〜図21において、Cキーは、テンキー領域248の左側に配置するのが好ましい。一例として、図12及び図21に対応するキー配置を図23の(A)及び(B)に示す。
上記したように、CキーとCキーに最も近接する数値キー(1つとは限らない)とが、上下方向及び左右方向に関して全く重ならないか、又は、重なる場合には、重なる長さが数値キーの大きさ(重なる方向の数値キーの長さ)よりも小さい、若しくは、CキーとCキーに最も近接する数値キーとの間隔がテンキーの間隔よりも広ければ、数値キーにタッチするときに、間違ってCキーにタッチしてしまう可能性を低減することができる。
また、上記の配置に加えて、Cキーの色をテンキーと異なる色にしてもよい。例えば、テンキーを、明度を有するが色を有しない無彩色(グレー)にし、Cキーを赤色、青色、黄色等の有彩色にしてもよい。これによって、ユーザがCキーを視認し易くなり、ユーザが心理的にCキー避ける(Cキーを押さないように注意する)ことが期待できるので、ユーザがテンキーの操作時に間違ってCキーにタッチしてしまうことを、より確実に抑制することができる。
上記では、コピーモードの場合を説明したが、これに限定されない。数値入力領域が表示される画面であれば、テンキー領域に対して、上記と同様にCキーを配置することによって、テンキー操作時に間違ってCキーにタッチされることを抑制することができる。例えば、ファクスモードの基本画面においては、送信先のファクス番号を入力するために、数値入力領域が表示される。また、画像処理装置は、ファクス送信及び電子メール送信(スキャンtoメール)等の送信先、又は、画像送信モード(スキャンtoフォルダ)の保存先を予め登録しておき、呼出して利用する機能を備えている場合ある。登録情報は、所定の桁数(例えば4ケタ)の数値が割当てられて記憶されるので、登録情報を呼出すためには数値を入力する必要がある。したがって、登録情報を呼出すための番号を入力する場合に、画面に数値入力領域が表示される。また、ユーザ毎にパスワードが設定されていれば、パスワードを入力する場合に、画面に数値入力領域が表示される。このように、画像処理装置において、操作画面に数値入力領域が表示されることは多く、画像処理装置によっては、数十のシーンで操作部に数値入力領域が表示される。
また、図10に示したコピーモードの基本画面300では、数値入力領域が表示されているが、このような画面に限定されない。基本画面が最初に表示されるときには数値入力領域を含んでいなくてもよい。その場合には、例えば、数値入力領域を表示させるためのキーを機能設定領域に配置しておけば、ユーザがそのキーにタッチした場合に、数値入力領域を表示して数値入力を受付けることができる。
また、画像処理装置に限らず、タッチパネルディスプレイを備え、ソフトキーとしてテンキー及びCキーを表示し、ユーザの操作を受付ける装置であれば、上記と同様にテンキー領域に対してCキーを配置することによって、ユーザが誤ってCキーにタッチしてしまうことを抑制することができる。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更して実施することができる。