JP5931511B2 - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グリーンハニカム成形体の製造方法、ハニカム構造体の製造方法及び印字方法に関する。
従来、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれるカーボン粒子等の微細粒子を捕集するためのセラミックスフィルター(DPF:Diesel Particulate Filter)として、多孔質のセラミックスからなるハニカム構造体が用いられている。
このようなハニカム構造体の製造方法としては、セラミックス原料を成形し、焼成する方法が知られている。また、原料混合物として、更に、有機バインダ、造孔剤などの有機添加物を含むものを用い、この原料混合物のグリーンハニカム成形体を焼成してセラミックスハニカム構造体を製造する方法が知られている(特許文献1参照)。
また、特開文献2には、製造したセラミックスハニカム構造体の端面又は側面に、該ハニカム構造体の端面に関する情報を表示することが開示されている。そして、特開文献2には、この表示に基づいて、排ガス浄化装置へのハニカム構造体の設置後に正しく組み立てられたかどうかをチェックすることが開示されている。
特表2001−524451号公報 国際公開第04/106702号パンフレット
上記特許文献2に開示された方法は、焼成後のハニカム構造体に情報を表示するものであり、表示された情報は、排ガス浄化装置への組み立て時に活用されるものである。
上記特許文献1に記載されたような方法でハニカム構造体を製造し、得られた製品に欠陥があった場合、その欠陥が製造時のどの段階で生じたものであるかを把握するためには、各製造工程での製品毎の検査情報を製品とリンクさせて管理する必要がある。また、製品の品質向上及び欠陥の低減を図るために、製品毎の検査情報を上流の工程にフィードバックすることが望まれる。これらを実現するためには、焼成前のグリーンハニカム成形体の段階から、該グリーンハニカム成形体に関する情報を印字しておく必要がある。
しかしながら、例えば耐熱インクや耐熱ラベル等を用いてグリーンハニカム成形体に情報を印字した場合、その後の焼成で印字した情報が消えてしまい、焼成後に情報の読み取りが困難になるという問題がある。
また、DPF用のハニカム構造体は通常柱状体であって、その長手方向に延びる多数のセルがセル壁を隔てて並設されている。セルは、ハニカム構造体の対向する端面間を貫通する貫通孔が、ハニカム構造体の少なくとも一方の端面において封口部で塞がれてなるものである。そして、ハニカム構造体の一方の端面(第一端面)では、開いたセルの端部と封口部で塞がれたセルの端部とが、格子状に交互に配置されている。第一端面において端部が開いているセルは、第一端面と反対側の第二端面において封口部で塞がれている。また、第一端面において端部が封口部で塞がれているセルは、第二端面において開いている。よって、第二端面においても、開いたセルの端部と封口部で塞がれたセルの端部とが、格子状に交互に配置されている。
上記のように貫通孔が封口部で塞がれてなるセルを多数有するハニカム構造体を製造するためには、生の柱状体(グリーンハニカム成形体)を焼成する工程と、焼成した柱状体の貫通孔の一端を生の封口材で塞ぐ工程(以下、「封口工程」という。)が必要となる。さらに、封口工程後の柱状体を再び焼成することにより生の封口材を焼結させて封口部を形成する工程も必要となる。そして、従来、封口材としては、柱状体と同様の原料粉末を、同様の配合比で含有するものが用いられてきた。
しかし、従来の製造方法では、封口工程後に2回目の焼成工程を実施しても、封口部の焼結収縮の程度が大きかったり、封口部とセル壁の収縮率が大きく相違したりする結果、封口部とセル壁とが十分に焼結しない場合があった。この場合、封口部とセル壁との間に隙間が形成されたり、封口部がセル壁から脱落したりする。封口部とセル壁との間に隙間が形成された場合、ディーゼル車の走行に伴う振動やPMの燃焼による再生(熱衝撃)によって、隙間を起点としてハニカム構造体にクラック等の欠陥が発生してしまう。クラックや封口部の脱落等の欠陥は、ハニカム構造体による微細粒子の捕捉率を低下させる。
本発明は、上述したような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、焼成後も印字された情報の読み取りが可能であり、また、ハニカム構造体を形成した場合に封口部の脱落等の欠陥の発生を抑制することができるグリーンハニカム成形体の製造方法、ハニカム構造体の製造方法及び印字方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された構造を有するグリーンハニカム成形体であって、上記複数のセルのうち一部の上記セルが、上記グリーンハニカム成形体の第一端面及び第二端面のうち上記第一端面において封口材で塞がれ、上記第二端面において開き、他の上記セルが、上記第二端面において上記封口材で塞がれ、上記第一端面において開いた構造を有する上記グリーンハニカム成形体に対し、その側面に、該グリーンハニカム成形体に関する情報を深さを有する彫刻加工により印字する工程を有する、グリーンハニカム成形体の製造方法を提供する。
上記製造方法において、彫刻加工により印字された情報は、グリーンハニカム成形体の表面に深さを持って刻印されたものである。そのため、印字された情報は焼成後でも消えずに維持され、読み取りが容易に可能となる。そのため、印字された情報に基づいて、製品毎の検査情報の管理や欠陥が発生した製造工程の把握が可能となる。また、グリーンハニカム成形体が封口材によるセルの封口が行なわれた後のものであることにより、これを焼成してハニカム構造体を形成した場合、焼成後に封口を行なって再度焼成を行なう従来の場合と比較して、封口部とセル壁とが十分に焼結して隙間が生じ難く、封口部の脱落等の欠陥の発生を抑制することができる。また、封口後に彫刻加工による情報の印字を行うため、封口部の欠陥や成形体内部のセル壁の欠陥等を検査してから、欠陥のない成形体に対してのみ彫刻加工による印字を行い、当該成形体を管理することが可能となる。これにより、印字の手間やコストを低減することが可能となる。
また、上記製造方法において、上記情報の印字は、レーザーマーカーにより行うことが好ましい。上記製造方法において、レーザーマーカーにより印字された情報は、グリーンハニカム成形体の表面を溶融及び蒸発させることで刻印されたものである。そのため、印字された情報は焼成後でも消えずに維持され、読み取りが容易に可能となる。そのため、印字された情報に基づいて、製品毎の検査情報の管理や欠陥が発生した製造工程の把握が可能となる。また、グリーンハニカム成形体が封口材によるセルの封口が行なわれた後のものであることにより、これを焼成してハニカム構造体を形成した場合、焼成後に封口を行なって再度焼成を行なう従来の場合と比較して、封口部とセル壁とが十分に焼結して隙間が生じ難く、封口部の脱落等の欠陥の発生を抑制することができる。また、封口後にレーザーマーカーによる情報の印字を行うため、封口部の欠陥や成形体内部のセル壁の欠陥等を検査してから、欠陥のない成形体に対してのみレーザーマーカーによる印字を行い、当該成形体を管理することが可能となる。これにより、印字の手間やコストを低減することが可能となる。
本発明はまた、上記本発明の製造方法で製造されたグリーンハニカム成形体を焼成する工程を有する、ハニカム構造体の製造方法を提供する。かかる製造方法によれば、印字された情報が消えずに維持されており、封口部の脱落等の欠陥の発生を抑制することができるハニカム構造体を得ることができる。
また、上記ハニカム構造体の製造方法は、上記情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより上記情報を撮像することで上記情報を読み取る工程を有することが好ましい。情報は、彫刻加工により刻印されたものであるため、深さを有している。そのため、刻印された情報に対し、その正面以外の方向から光を照射することで、刻印に陰影を生じさせることができ、刻印の輪郭をはっきりさせることができる。この状態でカメラにより情報を撮像することで、情報を容易に且つ精度良く読み取ることができる。また、読み取った情報に基づいて、製品毎の検査情報の管理や欠陥が発生した製造工程の把握が可能となる。なお、情報を読み取る工程は、情報が印字された後であれば、いつでも行うことができる。
本発明はさらに、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された構造を有するグリーンハニカム成形体であって、上記複数のセルのうち一部の上記セルが、上記グリーンハニカム成形体の第一端面及び第二端面のうち上記第一端面において封口材で塞がれ、上記第二端面において開き、他の上記セルが、上記第二端面において上記封口材で塞がれ、上記第一端面において開いた構造を有する上記グリーンハニカム成形体に対し、その側面に、該グリーンハニカム成形体に関する情報を深さを有する彫刻加工により印字する、印字方法を提供する。また、上記情報の印字は、レーザーマーカーにより行うことが好ましい。かかる印字方法によれば、封口材によるセルの封口が行なわれた後のグリーンハニカム成形体に対し、焼成後でも消えることのない情報の印字を容易に且つ確実に行なうことができる。
本発明によれば、焼成後も印字された情報の読み取りが可能であり、また、ハニカム構造体を形成した場合に封口部の脱落等の欠陥の発生を抑制することができるグリーンハニカム成形体の製造方法、ハニカム構造体の製造方法及び印字方法を提供することができる。
図1(a)は、本発明の製造方法により製造されるグリーンハニカム成形体の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のグリーンハニカム成形体の端面の正面図である。 グリーンハニカム成形体に情報を印字する工程を示す模式図である。 図3(a)は、焼成後のハニカム構造体の斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のハニカム構造体の端面の正面図である。 図4は、読み取り工程を行う際の装置の配置を示す概略図である。 図5(a)は、照明装置の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のI−I断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(グリーンハニカム成形体の製造方法)
本実施形態のグリーンハニカム成形体の製造方法は、封口材によるセルの封口が行なわれた後のグリーンハニカム成形体の側面に、該グリーンハニカム成形体に関する情報を、レーザーマーカー等の彫刻加工により印字する工程を含む。
本実施形態において情報を印字するグリーンハニカム成形体は、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された構造を有する柱状のグリーンハニカム成形体である。このグリーンハニカム成形体は、図1(a)及び図1(b)に示すように、セル10aがセル壁10cを隔ててハニカム状に多数形成された構造を有する柱体である。セル10aは、グリーンハニカム成形体100の対向する端面間を貫通する貫通孔が、グリーンハニカム成形体100の少なくとも一方の端面において封口材10bで塞がれてなるものである。グリーンハニカム成形体100の一方の端面(第一端面)では、開いたセル10aの端部と封口材10bで塞がれたセル10aの端部とが、格子状に交互に配置されている。第一端面において端部が開いているセル10aは、第一端面と反対側の第二端面において封口材10bで塞がれている。また、第一端面において端部が封口材10bで塞がれているセル10aは、第二端面において開いている。よって、第二端面においても、開いたセル10aの端部と封口材10bで塞がれたセル10aの端部とが、格子状に交互に配置されている。なお、グリーンハニカム成形体100の外周部の外壁10d近傍のセル10aは、断面形状が歪になり、十分な開口面積が取れない場合がある。このような開口面積が不十分なセル10aは、第一端面及び第二端面の両方の面において封口材10bで塞がれていることが望ましい。
グリーンハニカム成形体100の外形形状は特に限定されないが、例えば、円柱、楕円柱、角柱(例えば、正三角柱、正方形柱、正六角柱、正八角柱等の正多角柱や、正多角柱以外の、3角柱、4角柱、6角柱、8角柱等)等である。また、各セル10aの断面形状も特に限定されず、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、六角形、八角形等の多角形等が挙げられる。セル10aには、径の異なるもの、断面形状の異なるものが混在してもよい。また、グリーンハニカム成形体100の軸方向の端面から見たセル10aの配置も、図1(b)では正方形配置であるが、これに限定されず、セル10aの中心軸が正三角形の頂点に配置される正三角形配置等にすることができる。
セル10aの径は特に限定されず、例えば、断面が正方形の場合、一辺0.5〜2.5mmとすることができる。セル10a同士を隔てるセル壁10cの厚みは、例えば、0.05〜0.5mmとすることができる。また、グリーンハニカム成形体100の外周部に形成された外壁10dの厚みは、例えば、0.3〜1.6mmとすることができる。
また、グリーンハニカム成形体100のセル10aが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、30〜500mmとすることができる。また、グリーンハニカム成形体100の外径も特に限定されないが、例えば、30〜500mmとすることできる。
グリーンハニカム成形体100は、後で焼成することによりセラミックスとなるグリーン体(未焼成体)であり、多孔性のチタン酸アルミニウム系セラミックスとなるグリーン体であることが好ましい。具体的には、グリーンハニカム成形体100は、焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを形成するセラミックス原料を含むことが好ましい。なお、チタン酸アルミニウム系セラミックスは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。チタン酸アルミニウム系セラミックスを形成するセラミックス原料を含むグリーンハニカム成形体100は、レーザー光を吸収し易くレーザーマーカーによる印字に適しており、幅広い波長のレーザーで情報の印字を容易に且つ確実に行なうことができる。なお、グリーンハニカム成形体100は、焼成により炭化ケイ素系セラミックスやコージェライト系セラミックス等のチタン酸アルミニウム系セラミックス以外のセラミックスとなるグリーン体であってもよい。
グリーンハニカム成形体100は、好ましくは、セラミックス原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。以下の実施形態では、セラミックス原料が焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを形成するものである場合について説明する。
セラミックス原料である無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末、及び/又は、チタン酸アルミニウム粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。有機バインダの量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。また、有機バインダの下限量は、0.1質量部であることが好ましく、より好ましくは3質量部である。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。造孔剤の添加量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、0〜40質量部であることが好ましく、より好ましくは0〜25質量部である。
潤滑剤および可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、10質量部〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは20質量部〜80質量部である。また、成形体全体の質量に対する溶媒の質量は特に限定されないが、成形後未乾燥品であれば、通常10〜30質量%程度である。また、マイクロウェーブ等による乾燥後であれば、通常0.1〜5質量%程度である。
このようなグリーンハニカム成形体100は例えば以下のようにして製造することができる。まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物とを用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物をグリーンハニカム成形体の断面形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切り、必要に応じて乾燥することにより、封口材10bによる封口がされていない貫通孔を多数有する未封口のグリーンハニカム成形体を得ることができる。
次に、得られた未封口のグリーンハニカム成形体に対し、貫通孔を封口する工程を行なう。封口は、上述したように、第一端面及び第二端面のそれぞれにおいて、封口材10bで塞がれたセル10aと開いたセル10aとが格子状に交互に配置されるように行なう。封口方法は特に限定されず、例えば、複数のマスク部と開口部とが千鳥状に配置されているマスクを用いて、所定の貫通孔に封口材10bを充填する方法等、公知の方法を採用することができる。
封口材10bの材料は、焼成後、所望の場所で排ガス等の流体の通過を抑制できるものであれば特に限定されない。封口材10bとしては、通常、グリーンハニカム成形体のセル壁10cや外壁10dを構成する材料と同様の材料を用いることができるが、異なる材料を用いることもできる。また、封口材10bは、チタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末を含むことが好ましい。セラミックス粉末には、ハニカム構造体の製造過程で得られるセラミックスの屑やハニカム構造体の破損品等を粉砕して得たセラミックスの粉末を再利用しても良い。封口材10bは、上述したような焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを形成するセラミックス原料を含んでもよく、含まなくてもよい。焼結に伴う封口材10bの収縮率を低減するためには、封口材10bが上記セラミックス粉末を含有し、上記セラミックス原料を含有しないことが好ましい。セラミックス粉末の平均粒径は、特に限定されないが、5〜50μm程度であればよい。また、封口材10bは、上記のもののほか、有機バインダや造孔剤、溶媒等を含有してもよい。流体の通過を抑制する観点からは、封口材10bは造孔剤を含まない又は含んでいても少量であることが好ましい。
以上のようにして、未封口のグリーンハニカム成形体に対して貫通孔を封口する工程を行なうことにより、封口材10bにより一方の端面が封口されたセル10aを多数有するグリーンハニカム成形体100を得ることができる。
本実施形態においては、このようなグリーンハニカム成形体100の側面に、該グリーンハニカム成形体100に関する情報30をレーザーマーカーにより印字する。図2は、グリーンハニカム成形体100に情報30を印字する工程を示す模式図である。図2に示すように、レーザーマーカー装置40により、グリーンハニカム成形体100の側面に所望の情報30が刻印される。レーザーマーカー装置40に使用するレーザーの種類は、特に限定されないが、例えば、COレーザー、YAGレーザー、YVOレーザー、FAYbレーザー等が挙げられる。グリーンハニカム成形体100が焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスとなるものである場合、レーザー光を吸収し易くレーザーマーカーによる印字に適しているため、幅広い波長のレーザーで情報の印字を行なうことが可能となる。
レーザーマーカーによる印字は、高エネルギー密度のレーザー光を照射し、その熱エネルギーによりグリーンハニカム成形体100の表面を溶融及び蒸発させることで達成されるので、印字された情報はその後の焼成により消失することがない。また、レーザーマーカーによれば、グリーンハニカム成形体100に対して直接印字することができる。
情報30の印字位置は、グリーンハニカム成形体100の側面であれば特に限定されず、柱体のいずれか一方の端面に近い位置であってもよいし、両端面から中間の位置であってもよい。また、ハニカム構造体をDPFとして使用した場合に、排ガスの入口側の方が出口側よりも生じる熱衝撃が小さいことから、情報30の印字位置は、DPFとして使用する際の排ガスの入口側の端面に近い位置であることが好ましい。また、例えば、グリーンハニカム成形体100の外形形状が多角柱である場合、情報30の印字位置は多角柱のいずれの側面でもよく、各側面が接する角部に近い位置でも遠い位置でもよい。また、情報30は、グリーンハニカム成形体100の外壁10dの厚さ未満の深さで刻印される。
情報30は、例えば、数字、文字、記号、図形、模様、バーコード、2次元コード、それらの組み合わせ等により印字する。上記2次元コードとしては、例えば、PDF417等のスタック型の2次元コード、DataMatrix、MaxiCode、QRコード(登録商標)等のマトリックス型の2次元コード等が挙げられる。印字する情報30の数は特に限定されず、グリーンハニカム成形体100の側面の一箇所に情報30を印字してもよく、複数箇所に情報30を印字してもよい。
印字する情報30の向きは特に限定されないが、レーザーマーカーによる印字がし易く、且つ、印字された情報30の読み取りがし易いことから、図1(a)に示すように、情報30の長手方向とグリーンハニカム成形体100の長手方向とが一致するように印字することが好ましい。
印字する情報30としては、グリーンハニカム成形体100に関する種々の情報が挙げられ、具体的には、例えば、発注者、納入者、発注日、発注番号、商品名、大きさ、セル密度、製造年月日、原料、価格、製造条件や製造ライン、製造装置、ロット番号、製造番号等の製造履歴、寸法精度に関する情報、質量に関する情報、圧損、使用期限等の品質保持に必要となる情報等が挙げられる。これらの情報は、単独又は組み合わせて印字されてもよい。また、印字する情報30としては、製造番号のような各製品を識別できる情報のみを印字しておき、その識別情報から、その製品について蓄積された各種検査情報等を確認できるようにしておくことも好ましい。
以上、本発明のグリーンハニカム成形体の製造方法の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、本発明では、封口後のグリーンハニカム成形体に対するレーザーマーカーによる情報の印字とは別に、例えば封口前のグリーンハニカム成形体に対しても、必要に応じて、任意の印字方法により情報の印字を行なってもよい。このときの印字方法としては、レーザーマーカーにより印字する方法、インクジェット法により印字する方法等が挙げられる。また、このとき印字された情報は、焼成によって消失するものであってもよい。
(ハニカム構造体の製造方法)
本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、上述した方法で製造された情報印字後のグリーンハニカム成形体100を焼成する工程を有する。
焼成は、グリーンハニカム成形体100を仮焼き(脱脂)した後、焼成することにより行なわれる。図3(a)及び(b)は、焼成後のハニカム構造体200を示す模式図である。ハニカム構造体200は、流体が通過できる多孔質のセラミックスからなるセル壁20cにより区画された複数のセル20aを有する。封口材10bは、焼成を経てセル壁20cや外壁20dと一体化し、流体の通過を抑制する封口部20bを形成する。ハニカム構造体200では、焼成前のグリーンハニカム成形体100の形状がほぼ維持され、レーザーマーカーにより印字された情報30も消失せずに維持される。
ハニカム構造体200において、多数のセル20aには、第一端面又は第二端面の一方の面において封口部20bが形成されている。これにより、第一端面側から流体を供給した場合、流体は、第一端面側に封口部20bが形成されていないセル20a内に流入し、多孔質のセル壁20cを通過して第二端面側に封口部20bが形成されていないセル10a内に移動し、第二端面側から流出することとなる。
仮焼き(脱脂)は、グリーンハニカム成形体100中の有機バインダや、必要に応じて配合される有機添加物を、焼失、分解等により除去するための工程である。典型的な仮焼き工程は、焼成工程の初期段階、すなわちグリーンハニカム成形体100が焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば、300〜900℃の温度範囲)に相当する。仮焼(脱脂)工程おいては、昇温速度を極力おさえることが好ましい。
グリーンハニカム成形体100の焼成温度は、通常、1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。また、焼成温度は、通常、1650℃以下、好ましくは1550℃以下である。この温度範囲でグリーンハニカム成形体100を加熱することにより、グリーンハニカム成形体100中の無機化合物粉末やセラミックス粉末が確実に焼結する。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間〜500℃/時間である。
焼成は通常、大気中で行なわれるが、用いる原料粉末、すなわちアルミニウム源粉末、チタニウム源粉末、並びに、必要に応じて添加されるマグネシウム源粉末及びケイ素源粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。
焼成は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。焼成は回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。また、静置式で行なってもよいし、流動式で行なってもよい。
焼成に要する時間は、グリーンハニカム成形体100がチタン酸アルミニウム系結晶に遷移するのに十分な時間であればよく、グリーンハニカム成形体100の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
なお、グリーンハニカム成形体100の仮焼きと焼成を個別に行ってもよく、連続して行ってもよい。仮焼き工程では、有機バインダその他の有機添加物の熱分解温度以上であり無機化合物粉末の焼結温度よりも低い温度でグリーンハニカム成形体100を加熱すればよい。焼成工程では、仮焼き工程後のグリーンハニカム成形体100を無機化合物粉末の焼結温度以上の温度で加熱すればよい。
また、本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、印字された情報30に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより情報30を撮像することで情報30を読み取る読み取り工程を有する。かかる読み取り工程は、グリーンハニカム成形体100に情報30が印字された後であればいつでも行うことができ、必要な時に必要な情報を何度でも取得することができる。読み取り工程は、焼成前のグリーンハニカム成形体100、及び、焼成後のハニカム構造体200のいずれに対しても行うことができる。
以下、焼成後のハニカム構造体200に対して読み取り工程を行う場合を説明する。図4は、上記読み取り工程を行う際の装置の配置を示す概略図である。図4に示すように、情報30の読み取りは、照明装置50により情報30に対してその正面以外の方向から光を照射しながら、カメラ60により情報30を撮像することで行うことができる。
図5(a)は、照明装置50の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のI−I断面図である。図5(a)及び(b)に示すように、照明装置50は、中央部が開口した四角形の枠52と、枠52に沿って設けられた光源54とを備えるものである。光源54としては特に限定されないが、LEDを用いることが好ましい。
図4及び図5に示した照明装置50は、情報30の正面の領域が開口しており、その開口の上下左右に位置する光源54から、情報30に対して斜めに光を照射するものである。光の照射は、情報30の正面以外の少なくとも一方向から行えばよいが、刻印の陰影をよりはっきり生じさせ、読み取り性を向上させる観点から、情報30の正面の上下左右方向から光を照射することが好ましい。ここで、上下左右方向は、情報30の向きを基準とした方向を意味し、情報30が文字や数字等で構成されている場合、その文字や数字等の向きを基準とした方向を意味する。
照明装置50とハニカム構造体200との距離Dは特に限定されないが、ハニカム構造体200が照明装置50と接触して破損することを防止する観点から、5mm以上とすることが好ましく、刻印の陰影をはっきり生じさせる観点から、15mm以下とすることが好ましい。
図4及び図5に示した照明装置50のように、情報30に対して正面以外の方向から光を照射できる照明装置としては、角型LED照明等を用いることができる。
カメラ60としては特に限定されないが、CCDカメラを用いることが好ましい。カメラ60は、情報30の全体を撮像できるものが好ましい。
図4及び図5に示した構造を有する照明装置50を用いることで、情報30の正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラ60により情報30を正面から撮像することができる。これにより、情報30を精度良く読み取ることができる。
カメラ60により撮像した画像は、読み取り精度向上のため、画像処理を行ってもよい。画像処理としては、例えば、シェーディング補正、強調処理(ゲイン、ノイズ除去)等を行うことができる。また、複数の画像処理を組み合わせて行ってもよい。刻印の場合、撮像した画像は明暗の画像となるが、光の照射により刻印に陰影を生じさせているため、暗側を強調処理することが読み取り精度向上のためには好ましい。したがって、撮像した画像についてシェーディング補正を行った後、暗側をゲイン5〜15倍、明側をゲイン2〜5倍に強調処理し、強調に伴ってノイズとなるハニカム構造体200の表面の凹凸を消すために、4〜7階調のノイズ除去を行うことが好ましい。
上記画像処理を適宜行った後、撮像した画像からは、OCR(Optical Character Reader)を用いてパターンマッチング法により情報30を読み取ることができる。
以上、本発明のハニカム構造体の製造方法の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
ハニカム構造体の用途はDPFに限定されない。ハニカム構造体は、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられる排ガスフィルター又は触媒担体、ビールなどの飲食物の濾過に用いる濾過フィルター、石油精製時に生じるガス成分(例えば一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素等)を選択的に透過させるための選択透過フィルターなどのセラミックスフィルターなどに好適に適用することができる。なかでも、セラミックスフィルターなどとして用いる場合、チタン酸アルミニウム系セラミックスは、高い細孔容積および開気孔率を有することから、良好なフィルター性能を長期にわたって維持することができる。
以上説明したように、本発明によれば、封口後のグリーンハニカム成形体に対し、焼成後でも消えることのない情報の印字を容易に且つ確実に行なうことができる。その結果、印字された情報に基づいて、各製造工程での製品毎の検査情報を製品とリンクさせて管理することができる。また、製品毎の情報は、各製造工程を行なう度に累積的に蓄積することもできる。さらに、製品毎の検査情報を上流の工程にフィードバックすることができ、製品の品質向上及び欠陥の低減を図ることが可能となる。このようにして、ハニカム構造体のトレーサビリティシステムを構築することができる。また、本発明により製造したハニカム構造体は、封口部の脱落等の欠陥の発生を抑制することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<原料混合物の調製>
チタン酸アルミニウムマグネシウムの原料粉末(Al,TiO,MgO)、SiO、チタン酸アルミニウムマグネシウムとアルミナとアルミノシリケートガラスとの複合相をもつセラミックス粉末(仕込み時の組成式:41.4Al−49.9TiO−5.4MgO−3.3SiO、式中の数値はモル比を表す。)、有機バインダ、潤滑剤、造孔剤、可塑剤、分散剤及び水(溶媒)を含む原料混合物を調製した。原料混合物中の主な成分の含有量は下記の値に調整した。
[原料混合物の成分]
Al:37.3質量部。
TiO:37.0質量部。
MgO:1.9質量部。
SiO:3.0質量部。
セラミックス粉末:8.8質量部。
造孔剤:馬鈴薯から得た平均粒径25μmの澱粉12.0質量部。
有機バインダ1:メチルセルロース(三星精密化学社製:MC−40H)5.5質量部。
有機バインダ2:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(三星精密化学社製:PMB−40H)2.4質量部。
上記の原料混合物を混練して押出成形することにより、互いに略平行な複数の貫通孔が形成され、貫通孔を隔てるセル壁を有する未封口グリーンハニカム成形体を作製した。未封口グリーンハニカム成形体に形成された貫通孔の内径(正方形の一辺の長さ)は1.2mmであった。未封口グリーンハニカム成形体の端面に開いている貫通孔の数(セル密度)は、0.43/mmであった。貫通孔が延びる方向における未封口グリーンハニカム成形体の長さは171mmであった。また、未封口グリーンハニカム成形体の端面の外径は162mmであった。
<封口材の調製>
セラミックス粉末、造孔剤、有機バインダ、潤滑剤及び溶媒を混合して、封口材を調製した。セラミックス粉末としては、ハニカム構造体の製造過程で得られた屑や不良品を粉砕することにより調整した粉末を再利用した。このセラミックス粉末は、チタン酸アルミニウムマグネシウムとアルミナとアルミノシリケートガラスとの複合相をもつ粉末(仕込み時の組成式:41.4Al−49.9TiO−5.4MgO−3.3SiO、式中の数値はモル比を表す。)であった。セラミックス粉末の平均粒径は22μmに調整した。造孔剤としては、馬鈴薯から得た平均粒径44μmの澱粉を用いた。有機バインダとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(三星精密化学社製:PMB−15UFF)を用いた。潤滑剤としてはグリセリンを用いた。溶媒としては水を用いた。封口材中のセラミックス粉末、造孔剤、有機バインダ、潤滑剤及び溶媒の配合比は、下記の値に調整した。調製直後の封口材の粘度は85.2Pa・sであった。
[封口材の成分]
セラミックス粉末:97.0質量部。
造孔剤:3.0質量部。
有機バインダ:0.5質量部。
潤滑剤:5.0質量部。
溶媒:42.0質量部。
<封口工程>
封口材を用いて未封口グリーンハニカム成形体の第一端面の封口工程を実施した後、第二端面に対する封口工程を実施した。これにより、複数のセルのうち一部のセルがグリーンハニカム成形体の第一端面において封口材で塞がれ、第二端面において開き、他のセルは、第二端面において封口材で塞がれ、第一端面において開いており、封口材で塞がれたセルの端部と開いたセルの端部とが各端面において格子状に交互に配置されているグリーンハニカム成形体を得た(図1(a)及び(b)参照)。
<情報印字工程>
上記封口後のグリーンハニカム成形体を乾燥させた後、その側面に、0から9までの10個の数字からなる情報を、レーザーマーカー装置(レーザーの種類:COレーザー)を用いて印字した。情報全体のサイズは10mm×100mmとし、その長手方向、すなわち数字の並び方向と、グリーンハニカム成形体の長手方向とを一致させた。また、情報の印字は、焼成後の印字深さが150μmとなるように行なった。なお、グリーンハニカム成形体における情報が印字された部分の外壁の厚みは、焼成後の厚みで約500μmであった。
<焼成工程>
情報を印字した後のグリーンハニカム成形体を、1530℃で5時間焼成することにより、チタン酸アルミニウムマグネシウムの焼結体からなるハニカム構造体を得た(図3(a)及び(b)参照)。
(比較例1)
情報印字工程において、封口後のグリーンハニカム成形体の側面に、0から9までの10個の数字からなる情報を、耐熱インクを用いて、インクジェット方式により印字した。情報全体のサイズは20mm×100mmとし、その長手方向、すなわち数字の並び方向と、グリーンハニカム成形体の長手方向とを一致させた。それ以外の工程は全て実施例1と同様にして、ハニカム構造体を得た。
(情報の読み取り性)
実施例及び比較例で得られたハニカム構造体について、印字された情報が消失しているかどうかを目視にて確認した。その結果、実施例1で得られたハニカム構造体は、情報が消えずに維持されており、目視で情報を読み取ることが可能であったが、比較例1で得られたハニカム構造体は、情報が完全に消失しており、目視で情報を読み取ることができなかった。
さらに、ハニカム構造体の側面に印字された情報を撮像するカメラと、ハニカム構造体の側面の法線方向からハニカム構造体の長手方向の軸周りに45°回転した方向から印字された情報に対して光を照射する光源とを組み合わせた画像センサーを用いて、印字された情報の読み取り試験を行なった。その結果、実施例1で得られたハニカム構造体は、情報の読み取りが可能であったが、比較例1で得られたハニカム構造体は、情報の読み取りが不可能であった。
(欠陥の有無)
実施例及び比較例で得られたハニカム構造体について、封口部とセル壁との境界部分をSEMにより観察した。その結果、実施例1及び比較例1で得られたハニカム構造体は、いずれも封口部とセル壁とが剥離することなく十分に焼結しており、封口部の脱落等の欠陥の発生が無いことが確認された。また、いずれのハニカム構造体でも、封口部の組織構造は、セル壁の組織構造と一見識別が困難なほどよく似ており、両者の明瞭な境界を確認することができなかった。これは、セル壁の組成と封口部の組成とが略同一であるため、焼成により両者の多孔質のチタン酸アルミニウムマグネシウム相の組織が一体化していることを示している。この組織の一体化は、グリーンハニカム成形体の段階で封口材による貫通孔の封口を行ない、焼成工程において封口材とセル壁とを同時に焼結させたことにより生じたものと考えられる。この組織の一体化は、ハニカム構造体の化学的安定性及び耐久性に寄与する。
10a,20a…セル、10b…封口材、20b…封口部、10c,20c…セル壁、10d,20d…外壁、30…情報、40…レーザーマーカー装置、100…グリーンハニカム成形体、200…ハニカム構造体。

Claims (2)

  1. 複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された構造を有するグリーンハニカム成形体であって、前記複数のセルのうち一部の前記セルが、前記グリーンハニカム成形体の第一端面及び第二端面のうち前記第一端面において封口材で塞がれ、前記第二端面において開き、他の前記セルが、前記第二端面において前記封口材で塞がれ、前記第一端面において開いた構造を有する前記グリーンハニカム成形体に対し、その側面に、該グリーンハニカム成形体に関する情報を深さを有する彫刻加工により印字する工程と、
    前記情報が印字された前記グリーンハニカム成形体を焼成する工程と、
    前記情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより前記情報を撮像することで前記情報を読み取る工程と、を有する、ハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記情報の印字を、レーザーマーカーにより行う、請求項1記載のハニカム構造体の製造方法。
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