JP2013180293A - ハニカム構造体の製造方法、ハニカム構造体、印字方法及び印字装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼成工程以前から情報を印字しつつ焼成工程以降の読取装置が簡単で安価で済み、トレーサビリティの確保できる手法を提供する。
【解決手段】ハニカム構造体200の製造方法で、グリーンハニカム成形体100にレーザ印字200idを印字するレーザ印字工程M310と、レーザ印字100idを印字されたグリーンハニカム成形体100を焼成してハニカム構造体200を製造する焼成工程P120と、焼成されたハニカム構造体200に二次元コード200dmを印字するインクジェット印字工程M330とを含む。焼成工程以前からレーザ印字100idを印字しつつ、焼成工程以降のインクジェット印字工程M330では読み取り容易な印字方法により二次元コード200dmを印字でき、読取装置が簡単で安価になる。二次元コード200dmの読取精度が向上する。トレーサビリティが確保できる。
【選択図】図1
【解決手段】ハニカム構造体200の製造方法で、グリーンハニカム成形体100にレーザ印字200idを印字するレーザ印字工程M310と、レーザ印字100idを印字されたグリーンハニカム成形体100を焼成してハニカム構造体200を製造する焼成工程P120と、焼成されたハニカム構造体200に二次元コード200dmを印字するインクジェット印字工程M330とを含む。焼成工程以前からレーザ印字100idを印字しつつ、焼成工程以降のインクジェット印字工程M330では読み取り容易な印字方法により二次元コード200dmを印字でき、読取装置が簡単で安価になる。二次元コード200dmの読取精度が向上する。トレーサビリティが確保できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハニカム構造体の製造方法、ハニカム構造体、印字方法及び印字装置に関し、特にハニカム構造体に関する情報をハニカム構造体に印字するハニカム構造体の製造方法、ハニカム構造体、印字方法及び印字装置に関する。
従来、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれるカーボン粒子等の微細粒子を捕集するためのセラミックスフィルター(DPF:Diesel Particulate Filter)として、多孔質のセラミックスからなるハニカム構造体が用いられている。
このようなハニカム構造体の製造方法としては、セラミックス原料を成形し、焼成する方法が知られている。また、原料混合物として、更に、有機バインダ、造孔剤などの有機添加物を含むものを用い、この原料混合物のグリーンハニカム成形体を焼成してセラミックスハニカム構造体を製造する方法が知られている(特許文献1参照)。
また、特開文献2には、製造したセラミックスハニカム構造体の端面又は側面に、該ハニカム構造体の端面に関する情報を表示することが開示されている。そして、特開文献2には、この表示に基づいて、排ガス浄化装置へのハニカム構造体の設置後に正しく組み立てられたかどうかをチェックすることが開示されている。
上記特許文献2に開示された方法は、焼成後のハニカム構造体に情報を表示するものであり、表示された情報は、排ガス浄化装置への組み立て時に活用されるものである。上記特許文献1に記載されたような方法でハニカム構造体を製造し、得られた製品に欠陥があった場合、その欠陥が製造時のどの段階で生じたものであるかを把握するためには、各製造工程での製品毎の検査情報を製品とリンクさせて管理する必要がある。また、製品の品質向上及び欠陥の低減を図るために、製品毎の検査情報を上流の工程にフィードバックすることが望まれる。これらを実現するためには、焼成前のグリーンハニカム成形体の段階から、該グリーンハニカム成形体に関する情報を印字しておく必要がある。
しかしながら、例えば耐熱インクや耐熱ラベル等を用いてグリーンハニカム成形体に情報を印字した場合、その後の焼成で印字した情報が消えてしまい、焼成後に情報の読み取りが困難になるという問題がある。耐熱インクにより情報を印字した場合でも品位が低下して、読み取りが困難になる。
そこで、レーザによる刻印によりグリーンハニカム成形体に情報を印字することが考えられる。ところが、レーザにより印字した場合は、焼成後も刻印が残るが、印字の読み取りに特殊な光学系を有する装置が必要となる欠点がある。そのため、焼成工程以降の検査装置等の読取装置が複雑で高価なものとなる。また、レーザにより印字した場合には、印字の読み取りに特殊な光学系を有する装置が必要となるため、製造後に需要者に対して流通されたハニカム構造体のトレーサビリティの確保が難しくなる欠点がある。
そこで、本発明は、焼成工程以前から情報を印字しつつ焼成工程以降の読取装置が簡単で安価なもので済み、トレーサビリティの確保も可能なハニカム構造体の製造方法、この製造方法によって製造されたハニカム構造体、印字方法及び印字装置を提供することを目的とする。
本発明は、一対の端面に複数のセルがセル壁を隔てて並設された構造を有し、焼成によりセラミックスを形成するセラミックス原料を含むグリーンハニカム成形体にグリーンハニカム成形体に関する第1情報を印字する第1印字工程と、第1印字工程により第1情報を印字されたグリーンハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を製造する焼成工程と、焼成工程により焼成されたハニカム構造体にハニカム構造体に関する第2情報を印字する第2印字工程とを含むハニカム構造体の製造方法である。
この構成によれば、ハニカム構造体の製造方法において、グリーンハニカム成形体にグリーンハニカム成形体に関する第1情報を印字する第1印字工程と、第1印字工程により第1情報を印字されたグリーンハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を製造する焼成工程と、焼成工程により焼成されたハニカム構造体にハニカム構造体に関する第2情報を印字する第2印字工程とを含む。このため、焼成工程以前から第1情報を印字しつつ、焼成工程以降の第2印字工程では読み取りが容易な印字方法により第2情報を印字することができ、焼成工程以降の検査装置等の読取装置を簡単で安価にすることが可能となる。また、焼成工程以降の第2情報の読み取りの精度を向上させることが可能となる。さらに読み取りが容易な印字方法により第2情報を印字することができるため、製造後に需要者に対して流通されたハニカム構造体のトレーサビリティの確保も可能となる。
この場合、焼成工程により焼成されたハニカム構造体の第1印字工程で印字された第1情報を読み取る読取工程をさらに含むことが好適である。
この構成によれば、焼成工程により焼成されたハニカム構造体の第1印字工程で印字された第1情報を読み取る読取工程をさらに含む。このため、第1印字工程で印字された第1情報をその後の工程に反映させることができる。
この場合、第2印字工程では、読取工程で読み取った第1情報に基づいて第2情報を印字することが好適である。
この構成によれば、第2印字工程では、読取工程で読み取った第1情報に基づいて第2情報を印字する。このため、第2印字工程で印字する第2情報に第1印字工程で印字された第1情報を反映させることができ、第2情報を印字する精度を向上させることが可能となる。
また、読取工程では、第1情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより第1情報を撮像することで第1情報を読み取ることが好適である。
この構成によれば、読取工程では、第1情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより第1情報を撮像することで第1情報を読み取る。焼成工程前の第1印字工程で印字される第1情報は、焼成工程後にも読み取りが可能なようにレーザーマーカー等により刻印されたものである場合があるため、深さを有している。そのため、刻印された第1情報に対し、その正面以外の方向から光を照射することで、刻印に陰影を生じさせることができ、刻印の輪郭をはっきりさせることができる。この状態でカメラにより第1情報を撮像することで、情報を容易に且つ精度良く読み取ることができる。また、読み取った第1情報に基づいて、製品毎の検査情報の管理や欠陥が発生した製造工程の把握が可能となる。
また、第1印字工程では、グリーンハニカム成形体に刻印を形成することにより、第1情報を印字することが好適である。
この構成によれば、第1印字工程では、グリーンハニカム成形体に刻印を形成することにより、第1情報を印字する。このため、第1印字工程の後に行われる焼成工程によって、第1情報が消滅することや第1情報の読み取りが不可能になることを防止することができる。
また、第2印字工程では、ハニカム構造体に物質を付与することにより、第2情報を印字することが好適である。
この構成によれば、第2印字工程では、ハニカム構造体に物質を付与することにより、第2情報を印字する。このため、焼成工程以降の第2印字工程では、印字及び読取が容易なインクジェット等の方法で第2情報が印字されることになり、焼成工程以降の検査装置等の読取装置を簡単で安価にすることが可能となる。また、第2情報は読み取りが容易なため、焼成工程以降の第2情報の読み取りの精度を向上させることが可能となる。さらに読み取りが容易な印字方法により第2情報を印字することができるため、製造後に需要者に対して流通されたハニカム構造体のトレーサビリティの確保も可能となる。
また、本発明は上記本発明のハニカム構造体の製造方法によって製造されたハニカム構造体である。
この構成によれば、上記本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されたハニカム構造体は、読み取りが容易な方法で第2情報が印字されているため、製造後に需要者に対して流通されたハニカム構造体のトレーサビリティの確保も可能となる。
また、本発明は、一対の端面に複数のセルがセル壁を隔てて並設された構造を有し、焼成によりセラミックスを形成するセラミックス原料を含むグリーンハニカム成形体にグリーンハニカム成形体に関する第1情報を印字する第1印字工程と、第1印字工程により第1情報を印字されたグリーンハニカム成形体が焼成されたハニカム構造体にハニカム構造体に関する第2情報を印字する第2印字工程とを含む印字方法である。
この場合、焼成されたハニカム構造体の第1印字工程で印字された第1情報を読み取る読取工程をさらに含み、第2印字工程では、読取工程で読み取った第1情報に基づいて第2情報を印字することが好適である。
この場合、読取工程では、第1情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより第1情報を撮像することで第1情報を読み取ることが好適である。
また、第1印字工程では、グリーンハニカム成形体に刻印を形成することにより、第1情報を印字することが好適である。
また、第2印字工程では、ハニカム構造体に物質を付与することにより、第2情報を印字することが好適である。
また、本発明は、一対の端面に複数のセルがセル壁を隔てて並設された構造を有し、セラミックスを含むハニカム構造体に印字されたハニカム構造体に関する第1情報を読み取る読取手段と、読取手段が読み取った第1情報に基づいて、ハニカム構造体にハニカム構造体に関する第2情報を印字する印字手段とを備えた印字装置である。
この場合、読取手段は、第1情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより第1情報を撮像することで第1情報を読み取ることが好適である。
また、読取手段は、ハニカム構造体に刻印を形成することにより印字された第1情報を読み取ることが好適である。
また、印字手段は、ハニカム構造体に物質を付与することにより、第2情報を印字することが好適である。
本発明のハニカム構造体の製造方法、ハニカム構造体、印字方法及び印字装置によれば、焼成工程以前から情報を印字しつつ焼成工程以降の読取装置が簡単で安価なもので済み、焼成工程以降の情報の読み取りの精度を向上させることが可能となり、トレーサビリティの確保も可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。まず、本実施形態のハニカム構造体の製造方法の概略について説明する。図1に概略を示すように、本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、押出切断工程P110と焼成工程P120とを含んでいる。押出切断工程P110と焼成工程P120との工程間、及び焼成工程P120の終了後には、各種の検査工程T210〜T230が行われる。また、押出切断工程P110の終了後には、レーザ印字工程M310により押出成形されたグリーンハニカム成形体にレーザ印字100idが印字される。また、焼成工程P210の終了後には、印字読取工程M320の後に、インクジェット印字工程M330により焼成後のハニカム構造体に、矢印200arや二次元コード200dmが印字される。以下、各工程の詳細について説明する。
押出切断工程P110後にレーザ印字工程M310によりレーザ印字100idを印字されるグリーンハニカム成形体は、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された構造を有し、焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを形成するセラミックス原料を含む柱状のグリーンハニカム成形体である。このグリーンハニカム成形体は、図2(a)及び図2(b)に示すように、一端面から他端面まで延びる貫通孔からなるセル10aが、セル壁10cを隔ててハニカム状に多数形成された構造を有する柱体である。グリーンハニカム成形体100の外形形状は特に限定されないが、例えば、円柱、楕円柱、角柱(例えば、正三角柱、正方形柱、正六角柱、正八角柱等の正多角柱や、正多角柱以外の、3角柱、4角柱、6角柱、8角柱等)等である。また、各セル10aの断面形状も特に限定されず、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、六角形、八角形等の多角形等が挙げられる。セル10aには、径の異なるもの、断面形状の異なるものが混在してもよい。また、グリーンハニカム成形体100の軸方向の端面から見たセル10aの配置も、図2(b)では正方形配置であるが、これに限定されず、セル10aの中心軸が正三角形の頂点に配置される正三角形配置等にすることができる。
セル10aの径は特に限定されず、例えば、断面が正方形の場合、一辺0.5〜2.5mmとすることができる。セル10a同士を隔てるセル壁10cの厚みは、例えば、0.05〜0.5mmとすることができる。また、グリーンハニカム成形体100の外周部に形成された外壁10dの厚みは、例えば、0.3〜1.6mmとすることができる。
また、グリーンハニカム成形体100のセル10aが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、30〜500mmとすることができる。また、グリーンハニカム成形体100の外径も特に限定されないが、例えば、30〜500mmとすることできる。
グリーンハニカム成形体100は、後で焼成することによりチタン酸アルミニウム系セラミックスとなるグリーン体(未焼成体)であり、特に、多孔性のチタン酸アルミニウム系セラミックスとなるグリーン体であることが好ましい。具体的には、グリーンハニカム成形体100は、焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを形成するセラミックス原料を含む。なお、チタン酸アルミニウム系セラミックスは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
グリーンハニカム成形体100は、好ましくは、セラミックス原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。
セラミックス原料である無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末、及び/又は、チタン酸アルミニウム粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。有機バインダの量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。また、有機バインダの下限量は、0.1質量部であることが好ましく、より好ましくは3質量部である。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。造孔剤の添加量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、0〜40質量部であることが好ましく、より好ましくは0〜25質量部である。
潤滑剤および可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、無機化合物源粉末の100質量部に対して、10質量部〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは20質量部〜80質量部である。また、成形体全体の質量に対する溶媒の質量は特に限定されないが、成形後未乾燥品であれば、通常10〜30質量%程度である。また、マイクロウェーブ等による乾燥後であれば、通常0.1〜5質量%程度である。
このようなグリーンハニカム成形体100は、押出成形工程P110において、例えば以下のようにして製造することができる。まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物とを用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物をグリーンハニカム成形体の断面形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切り、必要に応じて乾燥することにより、グリーンハニカム成形体100を得ることができる。
図2(a)に示すように、本実施形態においては、このようなグリーンハニカム成形体100の側面100sに、レーザ印字工程M310により、該グリーンハニカム成形体100に関する情報を含むレーザ印字100idをレーザマーカにより印字する。レーザ印字工程M310では、図3に示すように、レーザマーカ装置400により、グリーンハニカム成形体100の側面100sに所望の情報を含むレーザ印字100idが刻印される。レーザマーカ装置400に使用するレーザの種類は、特に限定されないが、例えば、CO2レーザ、YAGレーザ、YVO4レーザ、FAYbレーザ等が挙げられる。本実施形態においては、グリーンハニカム成形体100が焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスとなるものであるため、レーザ光を吸収し易くレーザマーカによる印字に適しており、幅広い波長のレーザで情報の印字を行なうことが可能である。
レーザマーカによる印字は、高エネルギー密度のレーザ光を照射し、その熱エネルギーによりグリーンハニカム成形体100の表面を溶融及び蒸発させることで達成されるので、印字された情報はその後の焼成により消失することがない。また、レーザマーカによれば、グリーンハニカム成形体100に対して直接印字することができる。
レーザ印字100idの印字位置は、グリーンハニカム成形体100の側面100sであれば特に限定されず、柱体のいずれか一方の端面に近い位置であってもよいし、両端面から中間の位置であってもよい。また、ハニカム構造体をDPFとして使用した場合に、排ガスの入口側の方が出口側よりも生じる熱衝撃が小さいことから、レーザ印字100idの印字位置は、DPFとして使用する際の排ガスの入口側の端面に近い位置であることが好ましい。例えば、図2の例では、レーザ印字100idは、グリーンハニカム成形体100の入口側の端面からd1=50〜60mmの範囲であって、例えばd1=55mmとして印字される。
また、例えば、グリーンハニカム成形体100の外形形状が多角柱である場合、レーザ印字100idの印字位置は多角柱のいずれの側面でもよく、各側面が接する角部に近い位置でも遠い位置でもよい。また、レーザ印字100idは、グリーンハニカム成形体100の外壁10dの厚さ未満の深さで刻印される。
レーザ印字100idは、例えば、数字、文字、記号、図形、模様、バーコード、2次元コード、それらの組み合わせ等により印字する。上記2次元コードとしては、例えば、PDF417等のスタック型の2次元コード、ID Matrix社規格のDataMatrix(ECC200)、MaxiCode、QRコード(登録商標)マトリックス型の2次元コード等が挙げられる。印字するレーザ印字100idの数は特に限定されず、グリーンハニカム成形体100の側面100sの一箇所にレーザ印字100idを印字してもよく、複数箇所にレーザ印字100idを印字してもよい。
印字するレーザ印字100idの向きは特に限定されないが、レーザマーカによる印字がし易く、且つ、印字されたレーザ印字100idの読み取りがし易いことから、図2(a)に示すように、レーザ印字100idの長手方向とグリーンハニカム成形体100の長手方向とが一致するように印字することが好ましい。
レーザ印字工程M310で印字するレーザ印字100idとしては、グリーンハニカム成形体100に関する種々の情報が挙げられ、具体的には、例えば、発注者、納入者、発注日、発注番号、商品名、大きさ、セル密度、製造年月日、原料、価格、製造条件や製造ライン、製造装置、ロット番号、製造番号等の製造履歴、寸法精度に関する情報、質量に関する情報、圧損、使用期限等の品質保持に必要となる情報等が挙げられる。これらの情報は、単独又は組み合わせて印字されてもよい。また、レーザ印字工程M310で印字するレーザ印字100idとしては、製造番号のような各製品を識別できる情報のみを印字しておき、その識別情報から、その製品について蓄積された各種検査情報等を確認できるようにしておくことも好ましい。
図1に戻り、レーザ印字工程M310によりレーザ印字100idを印字された後、グリーンハニカム成形体100には、繰り返し各種の検査工程T210,T220が行われる。検査工程T210,T220においては、例えば、グリーンハニカム成形体100の寸法精度について、一端面から他端面までの長さ、体積、端面に平行な各平面での断面の直径、端面に平行な各平面での断面の直径の偏差を示す円筒度、端面に平行な平面での断面の断面積、端面に平行な各平面での断面の真円度、端面の外周の長さ、端面同士の平行度、端面と側面との直角度及び端面の平坦度等について検査が行われる。検査の結果は、レーザ印字100idが示す情報と関連付けられてデータベースに記録される。
本実施形態では、焼成工程P120の前のグリーンハニカム成形体100に対して、不図示のセル10aの貫通孔を封口する工程を行なう。図4(b)に示すように、複数の貫通孔のうち一部の貫通孔は、グリーンハニカム成形体110の一方の端面において封口材10bで塞がれている。一方の端面において、封口材10bで塞がれた貫通孔と開いた貫通孔とは、格子状に交互に配置されている。一方の端面において封口材10bで塞がれた貫通孔は、反対側の端面において開いている。一方の端面において開いている貫通孔は、反対側の端面において封口材10bで塞がれている。よって、反対側の端面においても、封口材10bで塞がれた貫通孔と開いた貫通孔とは、格子状に交互に配置されている。グリーンハニカム成形体110においては、一対の端面のいずれか一方の面において封口材10bで塞がれた貫通孔により、多数のセル10aが形成されている。なお、外壁10d近傍の貫通孔は、断面形状が歪になり、十分な開口面積が取れない場合がある。このような開口面積が不十分な貫通孔は、第一端面及び第二端面の両方の面において封口材10bで塞がれていることが望ましい。
封口材10bの材料は、焼成後、所望の場所で排ガス等の流体の通過を抑制できるものであれば特に限定されない。封口材10bとしては、通常、グリーンハニカム成形体100のセル壁10cや外壁10dを構成する材料と同様の材料を用いることができるが、異なる材料を用いることもできる。また、封口材10bは、チタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末を含むことが好ましい。セラミックス粉末には、ハニカム構造体の製造過程で得られるセラミックスの屑やハニカム構造体の破損品等を粉砕して得たセラミックスの粉末を再利用しても良い。封口材10bは、上述したような焼成によりチタン酸アルミニウム系セラミックスを形成するセラミックス原料を含んでもよく、含まなくてもよい。また、封口材10bは、上記のもののほか、有機バインダや造孔剤、溶媒等を含有してもよい。流体の通過を抑制する観点からは、封口材10bは造孔剤を含まない又は含んでいても少量であることが好ましい。
なお、上記例では、封口前にレーザ印字工程M310によりレーザ印字100idの印字を行なう場合を説明したが、封口後にレーザ印字工程M310によりレーザ印字100idの印字を行なっても良い。また、封口前及び封口後の両方で、レーザ印字工程M310により、それぞれ異なる情報の印字を行なってもよい。また、上記例では、焼成前のグリーンハニカム成形体100に対して封口を行なう場合を説明したが、封口は焼成後に行なってもよい。ただし、焼成前に封口を行なった方が、その後の焼成が一度で済むため好ましい。
本実施形態では、封口後にグリーンハニカム成形体110を焼成する焼成工程P120を行う。焼成は、グリーンハニカム成形体110を仮焼き(脱脂)した後、焼成することにより行なわれる。図5(a)及び(b)に示すように、焼成後のハニカム構造体200は、流体が通過できる多孔質のセラミックスからなるセル壁20cにより区画された複数のセル20aを有する。封口材10bは、焼成を経てセル壁20cや外壁20dと一体化し、流体の通過を抑制する封口部20bを形成する。ハニカム構造体200では、焼成前のグリーンハニカム成形体110の形状がほぼ維持され、レーザマーカにより印字されたレーザ印字200idも消失せずに維持される。
ハニカム構造体200において、多数のセル20aには、一対の端面の一方の面において封口部20bが形成されている。これにより、第一端面側から流体を供給した場合、流体は、一方の端面側に封口部20bが形成されていないセル20a内に流入し、多孔質のセル壁20cを通過して反対側の端面側に封口部20bが形成されていないセル10a内に移動し、反対側の端面側から流出することとなる。
仮焼き(脱脂)は、グリーンハニカム成形体110中の有機バインダや、必要に応じて配合される有機添加物を、焼失、分解等により除去するための工程である。典型的な仮焼き工程は、焼成工程の初期段階、すなわちグリーンハニカム成形体110が焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば、300〜900℃の温度範囲)に相当する。仮焼(脱脂)工程おいては、昇温速度を極力おさえることが好ましい。
グリーンハニカム成形体110の焼成温度は、通常、1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。また、焼成温度は、通常、1650℃以下、好ましくは1550℃以下である。この温度範囲でグリーンハニカム成形体110を加熱することにより、グリーンハニカム成形体110中の無機化合物粉末やセラミックス粉末が確実に焼結する。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間〜500℃/時間である。
焼成は通常、大気中で行なわれるが、用いる原料粉末、すなわちアルミニウム源粉末、チタニウム源粉末、並びに、必要に応じて添加されるマグネシウム源粉末及びケイ素源粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。
焼成は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。焼成は回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。また、静置式で行なってもよいし、流動式で行なってもよい。
焼成に要する時間は、グリーンハニカム成形体110がチタン酸アルミニウム系結晶に遷移するのに十分な時間であればよく、グリーンハニカム成形体110の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
なお、グリーンハニカム成形体110の仮焼きと焼成を個別に行ってもよく、連続して行ってもよい。仮焼き工程では、有機バインダその他の有機添加物の熱分解温度以上であり無機化合物粉末の焼結温度よりも低い温度でグリーンハニカム成形体110を加熱すればよい。焼成工程では、仮焼き工程後のグリーンハニカム成形体110を無機化合物粉末の焼結温度以上の温度で加熱すればよい。
以下、本実施形態で行われる印字読取工程M320とインクジェット印字工程M330とについて説明する。印字読取工程M320とインクジェット印字工程M330では、図6に示す二次元コード印字装置900が用いられる。図9に示すように、二次元コード印字装置900は、照明装置500、カメラ600、画像処理装置610、モニタ620、インクジェットノズル700、インクジェットタンクコントローラ710、制御装置800及びタッチパネル810を備えている。
照明装置500は、レーザ印字工程M310で印字されたレーザ印字200idに対して少なくともその正面以外の方向から光を照射する。カメラ600は、照明装置500により照明されたレーザ印字200idを撮像することでレーザ印字200idに係る情報を読み取る。図7に示すように、レーザ印字100idの読み取りは、照明装置500によりレーザ印字100idに対してその正面以外の方向から光を照射しながら、カメラ600によりレーザ印字100idを撮像することで行うことができる。
図7及び図8(a)(b)に示すように、照明装置500は、中央部に開口部510を有する四角形の枠520と、枠520に沿って設けられた光源540とを備えるものである。光源540としては特に限定されないが、LEDを用いることが好ましい。図7及び図8(a)(b)に示した照明装置500は、レーザ印字200idの正面の領域に開口部510を有しており、その開口部510の上下左右に位置する光源540から、レーザ印字200idに対して斜めに光を照射するものである。
図7及び図8(a)(b)に示した照明装置500のように、情報30に対して正面以外の方向から光を照射できる照明装置としては、市販品として、マルチアングル照明[角型] CA−DQ−M(商品名、株式会社キーエンス製)、角型バー照明 CA−DQ(商品名、株式会社キーエンス製)等を用いることができる。図7及び図8(a)(b)に示した構造を有する照明装置500を用いることで、レーザ印字200idの正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラ600によりレーザ印字200idを正面から撮像することができる。これにより、レーザ印字200idを精度良く読み取ることができる。
カメラ600としては特に限定されないが、CCDカメラを用いることが好ましい。カメラ600は、レーザ印字200idの全体を撮像できるものが好ましい。カメラ600は画像処理装置610に接続されている。
カメラ600で撮像されたレーザ印字200idの撮像画像は、画像処理装置610において後述するような画像処理をなされる。画像処理装置610は、撮像画像や画像処理がなされた撮像画像を操作者に表示するためのモニタ620に接続されている。画像処理装置610は、画像処理を適宜行った後、撮像した画像からは、OCR(Optical Character Reader)を用いてパターンマッチング法によりレーザ印字200idを読み取ることができる。読み取られたレーザ印字200idに関する情報は、モニタ620及び制御装置800に送信される。
インクジェットノズル700は、インクジェットノズル200から噴射されるインクによりハニカム構造体200の側面にハニカム構造体200の入口側端面から出口側端面への方向を示す矢印200arと二次元コード200dmとを印字する。インクジェットノズル700は、上述した照明装置500とカメラ600とは、異なる位置に設置されている。ハニカム構造体200は、照明装置500及びカメラ600の設置位置と、インクジェットノズル700の設置位置との間を人力あるいは所定の搬送装置により移動させられる。
インクジェットノズル700は、インクジェットノズルにインクを供給するインクジェットタンクコントローラ710に接続されている。インクジェットノズル700とインクジェットタンクコントローラ710とは、制御装置800からのレーザ印字200idに係る情報に基づいた制御信号により制御される。
制御装置800は、画像処理装置610からのレーザ印字200idに係る情報を入力される。制御装置800は、レーザ印字200idに係る情報と、タッチパネル810からの操作者により入力信号に基づいて、照明装置500、カメラ600、画像処理装置610、インクジェットノズル700、インクジェットタンクコントローラ710の動作を制御する。
以下、二次元コード印字装置900を用いた印字読取工程M320とインクジェット印字工程M330とについて説明する。準備として、操作者によるタッチパネル810への入力操作により、インクジェットノズル700が起動される。図9に示すように、人力あるいは所定の搬送装置により、焼成工程P120により焼成されたハニカム構造体200(ワーク)が照明装置500及びカメラ600の作業位置に設置される(S301)。照明500によりハニカム構造体200を照明しつつ、カメラ600はレーザ印字工程M310で印字されたレーザ印字200idを読み取る(S302)。
ここで、照明装置500による光の照射は、レーザ印字200idの正面以外の少なくとも一方向から行えば良い。しかしながら、図10に示すように、レーザ印字200idに対して、左右方向からのみ照射した場合や、上下方向からのみ照射した場合よりも、上下左右方向から光を照射した場合の方が、レーザ意印字200idの刻印の陰影が明瞭になる。
そのため、照明装置500による光の照射は、レーザ印字200idの刻印の陰影をよりはっきり生じさせ、読み取り性を向上させる観点から、レーザ印字200idの正面の上下左右方向から光を照射することが好ましい。ここで、上下左右方向は、レーザ印字200idの向きを基準とした方向を意味し、レーザ印字200idが文字や数字等で構成されている場合、その文字や数字等の向きを基準とした方向を意味する。
また、図7に示す照明装置500とハニカム構造体200との距離Dは特に限定されない。しかしながら、図11に示すように、距離Dが短いほどレーザ印字200idの認識し易さは良好となる。一方、ハニカム構造体200が照明装置500と接触することは好ましくない。そこで、照明装置500とハニカム構造体200との距離Dは、ハニカム構造体200が照明装置500と接触して破損することを防止する観点から、5mm以上とすることが好ましく、刻印の陰影をはっきり生じさせる観点から、15mm以下とすることが好ましい。
カメラ600により撮像した画像は、読み取り精度向上のため、画像処理装置610により、画像処理を行ってもよい。画像処理としては、例えば、図12に示すように、シェーディング補正、強調処理(ゲイン、ノイズ除去)等を行うことができる。また、複数の画像処理を組み合わせて行ってもよい。図12に示すように、レーザ印字200idの刻印の場合、撮像した画像は明暗の画像となるが、光の照射により刻印に陰影を生じさせているため、暗側を強調処理することが読み取り精度向上のためには好ましい。したがって、撮像した画像についてシェーディング補正を行った後、暗側をゲイン5〜15倍、明側をゲイン2〜5倍に強調処理し、強調に伴ってノイズとなるハニカム構造体200の表面の凹凸を消すために、4〜7階調のノイズ除去を行うことが好ましい。
図9に戻り、画像処理装置610は、パターンマッチング法によりレーザ印字200idに係る情報を読み取る。画像処理装置610は、モニタ620にレーザ印字200idから読み取った情報(読取値)を表示する(S303)。読取値は、操作者あるいは画像処理装置610により確認される(S304)。もし、読取値に誤りがあるときは(S305)、読取値は操作者あるいは画像処理装置610により修正される(S306)。読取値は、画像処理装置610から制御装置800へと出力される。
読取値に誤りがないときは(S305)、人力あるいは所定の搬送装置により、カメラ600によりレーザ印字200idを読み取られたハニカム構造体200がインクジェットノズル700の作業位置に設置される(S307)。制御装置800は、画像処理装置610からのレーザ印字100idの読取値に基づいて、ハニカム構造体200の側面200sにインクジェットノズル700から噴射されたインクを付着させ、ハニカム構造体200の側面200sに矢印200ar及び二次元コード200dmを印字させる(S308)。
図13に示すように、矢印200arはハニカム構造体200に対する排ガスの入口側から出口側への方向を示す。二次元コード200dmとしては、例えば、PDF417等のスタック型の2次元コード、ID Matrix社規格のDataMatrix(ECC200)、MaxiCode、QRコード(登録商標)等のマトリックス型の2次元コード等が挙げられる。印字する二次元コード200dmの数は特に限定されず、ハニカム構造体200の側面200sの一箇所に二次元コード200dmを印字してもよく、複数箇所に二次元コード200dmを印字してもよい。
図13に示す例では、レーザ印字200idはハニカム構造体200の入口側端面からd1=50〜60mmの範囲であって、例えばd1=55mmとして印字される。二次元コード200dmは、レーザ印字200idの印字位置よりもハニカム構造体200の出口側端面よりであって、d2=10〜20mmの範囲であり、例えばd2=15mmとして印字される。矢印200arは、二次元コードdmの印字位置よりもハニカム構造体200の出口側端面よりであって、d3=10〜20mmの範囲であり、例えばd3=15mmとして印字される。レーザ印字200id、二次元コードdm及び矢印200arの印字範囲は、ハニカム構造体200の入口側端面からd4=70〜100mmの範囲であって、例えばd4=85mmとすることができる。
二次元コード200dmに含まれる情報は、レーザ印字200idと同様に、ハニカム構造体200に関する種々の情報が挙げられ、具体的には、例えば、発注者、納入者、発注日、発注番号、商品名、大きさ、セル密度、製造年月日、原料、価格、製造条件や製造ライン、製造装置、ロット番号、製造番号等の製造履歴、寸法精度に関する情報、質量に関する情報、圧損、使用期限等の品質保持に必要となる情報等が挙げられる。あるいは、検査工程T210,T220での検査結果を二次元コード200dmに含めても良い。これらの情報は、単独又は組み合わせて印字されてもよい。また、インクジェット印字工程M330で印字する二次元コード200dmとしては、製造番号のような各製品を識別できる情報のみを印字しておき、その識別情報から、その製品について蓄積された各種検査情報等を確認できるようにしておくことも好ましい。
人力あるいは所定の搬送装置により、矢印200ar及び二次元コード200dmを印字されたハニカム構造体200は、照明装置500及びカメラ600の作業位置に再び設置される(S309)。カメラ600は、レーザ印字200idと同様に二次元コード200dmを読み取る(S310)。制御装置800は、レーザ印字200idに係る情報と二次元コード200dmに係る情報とを照合し、結果をモニタ620に表示する(S311)。照合の結果が正しい場合は、次のワークに対してS301〜S310の処理が繰り返される(S312)。
図1に戻り、インクジェット印字工程M330で二次元コード200dmを印字されたハニカム構造体200は、検査工程T210〜T230を経て需要者に出荷される。検査工程T210〜T230での検査結果は、二次元コード200dmが示す個々のハニカム構造体200の製造番号等に関連付けられてデータベースに記録される。
本実施形態では、ハニカム構造体200の製造方法において、グリーンハニカム成形体100の側面100sにグリーンハニカム成形体100に関するレーザ印字200idを印字するレーザ印字工程M310と、レーザ印字工程M310によりレーザ印字100idを印字されたグリーンハニカム成形体100を焼成してハニカム構造体200を製造する焼成工程P120と、焼成工程P120により焼成されたハニカム構造体200の側面200sにハニカム構造体200に関する二次元コード200dmを印字するインクジェット印字工程M330とを含む。このため、焼成工程P120以前からレーザ印字100idを印字しつつ、焼成工程P120以降のインクジェット印字工程M330では読み取りが容易な印字方法により二次元コード200dmを印字することができ、焼成工程P120以降の検査装置等の読取装置を簡単で安価にすることが可能となる。また、焼成工程P120以降の二次元コード200dmの読み取りの精度を向上させることが可能となる。さらに読み取りが容易な印字方法により二次元コード200dmを印字することができるため、製造後に需要者に対して流通されたハニカム構造体200のトレーサビリティの確保も可能となる。
また、本実施形態によれば、焼成工程P120により焼成されたハニカム構造体200の側面200sのレーザ印字工程M310で印字されたレーザ印字200idを読み取る印字読取工程M320を含む。このため、レーザ印字工程M310で印字されたレーザ印字100idをその後の工程に反映させることができる。
また、本実施形態によれば、インクジェット印字工程M330では、印字読取工程M320で読み取ったレーザ印字200idに基づいて二次元コード200dmを印字する。このため、インクジェット印字工程M330で印字する二次元コード200dmにレーザ印字工程M310で印字されたレーザ印字100idを反映させることができ、二次元コード200dmを印字する精度を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、印字読取工程M320では、レーザ印字200idに対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラ600によりレーザ印字200idを撮像することでレーザ印字200idを読み取る。焼成工程P120前のレーザ印字工程M310で印字されるレーザ印字200idは、焼成工程P120後にも読み取りが可能なようにレーザマーカ等により刻印されたものであるため、深さを有している。そのため、刻印されたレーザ印字200idに対し、その正面以外の方向から光を照射することで、刻印に陰影を生じさせることができ、刻印の輪郭をはっきりさせることができる。この状態でカメラ600によりレーザ印字200idを撮像することで、情報を容易に且つ精度良く読み取ることができる。また、読み取ったレーザ印字200idに基づいて、製品毎の検査情報の管理や欠陥が発生した製造工程の把握が可能となる。
また、本実施形態では、レーザ印字工程M310では、グリーンハニカム成形体100の側面100sに刻印を形成することにより、レーザ印字100idを印字する。このため、レーザ印字工程M310の後に行われる焼成工程P120によって、レーザ印字100idが消滅することやレーザ印字100idの読み取りが不可能になることを防止することができる。
また、本実施形態では、インクジェット印字工程M330では、ハニカム構造体200の側面200sに物質を付与することにより、二次元コード200dmを印字する。このため、焼成工程P120以降のインクジェット印字工程M330では、印字及び読取が容易なインクジェット等の方法で二次元コード200dmが印字されることになり、焼成工程P120以降の検査装置等の読取装置を簡単で安価にすることが可能となる。また、二次元コード200dmは読み取りが容易なため、焼成工程P120以降の二次元コード200dmの読み取りの精度を向上させることが可能となる。さらに読み取りが容易な印字方法により二次元コード200dmを印字することができるため、製造後に需要者に対して流通されたハニカム構造体200のトレーサビリティの確保も可能となる。
また、本実施形態では、上記本実施形態の製造方法により製造されたハニカム構造体200は、読み取りが容易な方法で二次元コード200dmが印字されているため、製造後に需要者に対して流通されたハニカム構造体200のトレーサビリティの確保も可能となる。
以上、本発明のハニカム構造体の製造方法の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
ハニカム構造体の用途はDPFに限定されない。ハニカム構造体は、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられる排ガスフィルター又は触媒担体、ビールなどの飲食物の濾過に用いる濾過フィルター、石油精製時に生じるガス成分(例えば一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素等)を選択的に透過させるための選択透過フィルターなどのセラミックスフィルターなどに好適に適用することができる。なかでも、セラミックスフィルターなどとして用いる場合、チタン酸アルミニウム系セラミックスは、高い細孔容積および開気孔率を有することから、良好なフィルター性能を長期にわたって維持することができる。
10a,20a…セル、10b…封口材、20b…封口部、10c,20c…セル壁、10d,20d…外壁、100,110…グリーンハニカム成形体、200…ハニカム構造体、100s,200s…側面、100id,200id…レーザ印字、200ar…矢印、200dm…二次元コード、400…レーザマーカ装置、500…照明装置、510…開口部、520…枠、540…光源、600…カメラ、610…画像処理装置、620…モニタ、700…インクジェットノズル、710…インクジェットタンクコントローラ、800…制御装置、810…タッチパネル、900…二次元コード印字装置、P110…押出切断工程、P120…焼成工程、T210,T220,T230…検査工程、M310…レーザ印字工程、M320…印字読取工程、M330…インクジェット印字工程。
Claims (16)
- 一対の端面に複数のセルがセル壁を隔てて並設された構造を有し、焼成によりセラミックスを形成するセラミックス原料を含むグリーンハニカム成形体に前記グリーンハニカム成形体に関する第1情報を印字する第1印字工程と、
前記第1印字工程により前記第1情報を印字された前記グリーンハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を製造する焼成工程と、
前記焼成工程により焼成された前記ハニカム構造体に前記ハニカム構造体に関する第2情報を印字する第2印字工程と、
を含むハニカム構造体の製造方法。 - 前記焼成工程により焼成された前記ハニカム構造体の前記第1印字工程で印字された前記第1情報を読み取る読取工程をさらに含む、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 前記第2印字工程では、前記読取工程で読み取った前記第1情報に基づいて前記第2情報を印字する、請求項2に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 前記読取工程では、前記第1情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより前記第1情報を撮像することで前記第1情報を読み取る、請求項2又は3に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 前記第1印字工程では、前記グリーンハニカム成形体に刻印を形成することにより、前記第1情報を印字する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 前記第2印字工程では、前記ハニカム構造体に物質を付与することにより、前記第2情報を印字する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法によって製造されたハニカム構造体。
- 一対の端面に複数のセルがセル壁を隔てて並設された構造を有し、焼成によりセラミックスを形成するセラミックス原料を含むグリーンハニカム成形体に前記グリーンハニカム成形体に関する第1情報を印字する第1印字工程と、
前記第1印字工程により前記第1情報を印字された前記グリーンハニカム成形体が焼成されたハニカム構造体に前記ハニカム構造体に関する第2情報を印字する第2印字工程と、
を含む印字方法。 - 焼成された前記ハニカム構造体の前記第1印字工程で印字された前記第1情報を読み取る読取工程をさらに含み、
前記第2印字工程では、前記読取工程で読み取った前記第1情報に基づいて前記第2情報を印字する、請求項8に記載の印字方法。 - 前記読取工程では、前記第1情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより前記第1情報を撮像することで前記第1情報を読み取る、請求項9に記載の印字方法。
- 前記第1印字工程では、前記グリーンハニカム成形体に刻印を形成することにより、前記第1情報を印字する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の印字方法。
- 前記第2印字工程では、前記ハニカム構造体に物質を付与することにより、前記第2情報を印字する、請求項8〜11のいずれか1項に記載の印字方法。
- 一対の端面に複数のセルがセル壁を隔てて並設された構造を有し、セラミックスを含むハニカム構造体に印字された前記ハニカム構造体に関する第1情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記第1情報に基づいて、前記ハニカム構造体に前記ハニカム構造体に関する第2情報を印字する印字手段と、
を備えた印字装置。 - 前記読取手段は、前記第1情報に対して少なくともその正面以外の方向から光を照射しつつ、カメラにより前記第1情報を撮像することで前記第1情報を読み取る、請求項13に記載の印字装置。
- 前記読取手段は、前記ハニカム構造体に刻印を形成することにより印字された前記第1情報を読み取る、請求項13又は14に記載の印字装置。
- 前記印字手段は、前記ハニカム構造体に物質を付与することにより、前記第2情報を印字する、請求項13〜15のいずれか1項に記載の印字装置。
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