以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。
本発明の一実施の形態に係るリモコン装置100は、制御の対象となる機器(制御対象機器)としての空調機を制御する装置である。リモコン装置100は、正面図である図1に示すように、ユーザが操作するための操作部としての各種ボタン101a〜eと、画面を表示する表示装置102と、本体ケース103の内部に配置されてリモコン装置100の全体的な制御を行う制御装置104とを備える。
なお、制御対象機器は、空調機に限られず、例えば照明、セキュリティシステムといった家電機器、設備機器などであってもよい。
ボタン101a〜eは、ユーザが押下することによって操作される。ボタン101a〜eが操作されると操作信号が制御装置104へ入力し、それによって、制御装置104は操作されたボタン101a〜eを判別する。
同図に示す例では、運転/停止ボタン101aは、空調機の運転と停止とを切り替えるための操作部である。上ボタン101bは、表示中の画面に含まれる選択枠を上方へ移動させたり、表示中の画面に含まれる数値を予め定められた刻みで増加させたりするための操作部である。下ボタン101cは、表示中の画面に含まれる選択枠を下方へ移動させたり、表示中の画面に含まれる数値を予め定められた刻みで減少させたりするための操作部である。
メインボタン101dは、運転設定画面を表示させるための操作部である。運転設定画面は、例えば、ユーザが冷房モード、暖房モード及び除湿モードの中からいずれかの運転モードを特定して設定するとともに目標温度を設定するための画面である。
快適セレクトボタン101eは、快適セレクト画面105を表示させるための操作部である。快適セレクト画面105は、図1に示すように、ユーザが除菌脱臭モード、送風モード及び静音モードの中からいずれかの運転モードを特定して設定するための画面である。
なお、リモコン装置100に設けられるボタン101a〜eは、これらに限られず、適宜設けられてよい。また、操作部は、ボタン101a〜eに限られず、タッチパネルなどであってもよい。
表示装置102は、一定の大きさの表示領域に配置された一定の数の画素(例えば、縦255ドット、横140ドットの画素)で表される画像(画面)を表示する装置である。表示装置102は、物理的には、例えば32階調グレースケール対応のフルドット形式の液晶デバイス、表示装置102を制御する制御部、VRAM(Video Random Access Memory)などから構成される。なお、表示装置102は、これに限られず、例えばカラー対応などであってもよい。
表示装置102が備える制御部が実行する処理には、例えば、液晶デバイスの動作を制御する処理、制御装置104から出力される描画データ(詳細後述)を液晶デバイスに適合するように画素数、データ形式などを変換する処理などがある。
制御装置104は、機能的には図4に示すように、描画演算装置108によって読み出される各種情報を予め記憶する記憶装置106と、動作状況に応じた画面を表示装置102に表示させるために連携して動作する中央演算装置107及び描画演算装置108を備える。描画演算装置108は、変更後の画面を構成する要素画像を描画するための描画処理を実行する。中央演算装置107は、描画処理の実行中に前記描画演算装置と連携して動作する。
ここで、動作状況は、リモコン装置100の動作に関連する状況であって、例えば、表示装置102に表示される画面、空調機の運転モード(除菌除湿モード、送風モード、静音モード、冷房モード、暖房モードなど)、操作されたボタン101a〜eを含む。
なお、動作状況は、これらに限られず、室内外の温度、室内外の湿度、現在時刻、設定されている目標温度、設定されている目標湿度、タイマ設定されている時刻などを含んでもよい。このような動作状況は、制御装置104が内部で保持している情報、入力信号(例えば、温度センサ、湿度センサなどから制御装置104が取得するセンサから出力されるセンサ信号、操作信号)などから特定されるとよい。
画面は、ユーザが運転モード、目標温度、タイマ設定などを設定又は確認するために適宜定められたひとまとまりの情報を含む画像である。画面を構成する画像要素の数、配置などの画面構成の違いが大きい画面は、異なる画面として定められ、画面の構成の違いが小さい画面は、1つの画面として定められる。画面の具体例としては、上述の運転設定画面、快適セレクト画面105の他に、タイマ動作を設定するためのタイマ設定画面などを挙げることができる。
画面は、複数の要素画像から構成される。すなわち、要素画像は、画面を構成する要素となる画像であって、固定要素と可変要素とを含む。固定要素は、画像及び表示範囲のいずれもが固定した要素画像である。可変要素は、画像及び表示範囲のうちの少なくとも1つが異なる候補の中から、動作状況に応じていずれか1つが特定されて表示される要素画像である。
図1に示す快適セレクト画面105では、背景画像109と、タイトル画像110と、リスト111と、選択枠112aと、シーン画像113aとが、要素画像として含まれる。
背景画像109は、背景として適宜設定される画像である。タイトル画像110は、画面のタイトルを示す。リスト111は、快適セレクト画面105での選択の候補として定められた運転モード(除菌脱臭モード、送風モード、静音モード)の一覧を示す画像である。選択枠112aは、リスト111の中で選択中の運転モードを示すための枠状の画像であって、リスト111の除菌脱臭モードを囲む。シーン画像113aは、除菌脱臭モードに応じた情景を示す画像である。
また、図2は、例えば、図1に示す快適セレクト画面105が表示された状態で下ボタン101cが操作された場合に表示される快適セレクト画面105を示す。図2に示す快適セレクト画面105では、図1に示す快適セレクト画面105と対比すると、選択枠112aの位置が選択枠112bに変更され、シーン画像113aがシーン画像113bに変更されている。
すなわち、図2に示す快適セレクト画面105では、図1と同様の背景画像109、タイトル画像110及びリスト111と、図1とは異なる選択枠112b及びシーン画像113bとが、要素画像として含まれる。選択枠112bは、選択枠112aとは表示範囲が異なり、リスト111の送風モードを囲む枠状の画像である。シーン画像113bは、シーン画像113aとは画像が異なり、送風モードに応じた情景を示す画像である。
さらに、図2に示す快適セレクト画面105が表示された状態で下ボタン101cが操作された場合、図2に示す快適セレクト画面105から、選択枠112bの位置が選択枠112cに変更され、シーン画像113bがシーン画像113cに変更される(図3参照)。
すなわち、この場合の快適セレクト画面105では、図1と同様の背景画像109、タイトル画像110及びリスト111と、図1及び2とは異なる選択枠112c及びシーン画像113cとが、要素画像として含まれる。選択枠112cは、選択枠112a,bとは表示範囲が異なり、リスト111の静音モードを囲む枠状の画像である。シーン画像113cは、シーン画像113a,bとは画像が異なり、静音モードに応じた情景を示す画像である。
図3は、快適セレクト画面105を構成する要素画像のそれぞれが、固定要素と可変要素とのいずれであるかを示す。同図に示すように、背景画像109、タイトル画像110及びリスト111は、快適セレクト画面105を構成する固定要素の例である。選択枠112a〜c及びシーン画像113a〜cは、快適セレクト画面105を構成する可変要素の例である。選択枠112a〜c及びシーン画像113a〜cは、上述のように下ボタン101cの操作に応じて順に変更されるとともに、上ボタン101bの操作に応じて逆順に変更されるとよい。
描画処理は、画面を構成する複数の要素画像のうち、動作状況に応じた要素画像を特定して描画する処理である。描画処理の結果として、描画データが生成される。
快適セレクト画面105を表示させるための描画処理では、固定要素である背景画像109、タイトル画像110及びリスト111は、それぞれが描画される。可変要素である選択枠112a〜cは、1つのグループを構成し、これらの中から動作状況に応じて特定されたものが描画の対象となって描画される。同様に、可変要素であるシーン画像113a〜cは、1つのグループを構成し、これらの中から動作状況に応じて特定されたものが描画の対象となって描画される。
なお、要素画像(109〜111,112a〜c,113a〜c)は、ここで例示したものに限られない。要素画像は、任意に定められてよく、例えば文字、数字、記号、図形などのうちの1つ又は複数の組み合わせで構成されるとよい。また、要素画像が固定要素と可変要素とのいずれであるかは、画面の構成に応じて適宜定められてよい。可変要素のグループ構成も、画面の構成に応じて適宜定められてよい。
記憶装置106は、図4に示すように、表示装置102に表示されるすべての画面に含まれる要素画像を示す要素画像情報114と、表示装置102に表示されるすべての画面の構成を画面ごとに示す画面構成情報115とを記憶する。なお、記憶装置106は、物理的には、例えばフラッシュメモリなどから構成されるとよい。
詳細には、要素画像情報114は、要素画像情報114を特定するために予め定められる要素画像IDと、画像を示す情報とを含む。
図5〜10は、快適セレクト画面105を表示するための要素画像情報114a〜fの例を示す。これらの図に示すように、本実施の形態での要素画像IDは、要素画像情報114a〜fのそれぞれに予め付与された固有の名称である。
なお、記憶装置106において要素画像情報114の各々が固定のアドレスに記憶されている場合、要素画像IDには、要素画像情報114の各々のアドレスが採用されてもよい。
図5に示す要素画像情報114aは、要素画像IDとしての「img00」と、背景画像109を示す情報とを含む。図6に示す要素画像情報114bは、要素画像IDとしての「img01」と、タイトル画像110を示す情報とを含む。図7に示す要素画像情報114cは、要素画像IDとしての「img02」と、リスト111を示す情報とを含む。
図8に示す要素画像情報114dは、要素画像IDとしての「img03」と、選択枠112a〜cを示す情報とを含む。ここで、選択枠112a〜cは、画像が共通であるので、これらを描画するための要素画像情報114dは、1つである。
図9に示す要素画像情報114eは、要素画像IDとしての「img10」と、シーン画像113aを示す情報とを含む。図10に示す要素画像情報114fは、要素画像IDとしての「img11」と、シーン画像113bを示す情報とを含む。なお、要素画像IDとしての「img12」と、シーン画像113cを示す情報とを含む要素画像情報114も、記憶装置106に記憶されているが、図示していない。
画面構成情報115は、画面の構成を画面ごとにまとめた情報である。画面構成情報115は、図11に快適セレクト画面105の例を示すように、快適セレクト画面105を特定するために予め定められる画面IDと、快適セレクト画面105を表示するために描画される要素画像の数に応じた描画情報116a〜eとを含む。
同図に示す例では、画面IDは、快適セレクト画面105に付与された固有の番号「2」を示す。同図では、画面タイトルが画面IDに含めて示されているが、これは理解を容易にするためである。
なお、記憶装置106において画面構成情報115の各々が固定のアドレスに記憶されている場合、画面IDには、アドレスが採用されてもよい。
描画情報116a〜eは、快適セレクト画面105を構成するすべての要素画像109〜111,112a〜c,113a〜cの各々を描画するための要素情報を含む。描画情報116a〜eの各々は、それぞれを特定するために予め定められる描画IDと、1つ又は複数の要素情報により構成される。
要素情報は、1つの要素画像を描画するための情報であって、要素画像IDと、要素画像IDにより特定される要素画像情報114が示す画像の描画範囲とを含む。要素情報には、描画情報116a〜eの各々において要素情報を特定するために予め定められる要素IDが対応付けられている。
詳細には、固定要素を描画するための描画情報116a〜cは、それぞれ、「1」〜「3」の異なる描画IDが付与された個別の情報であって、1つの要素情報から構成される。
例えば、描画情報116aは、固定要素である背景画像109を描画するための情報である。描画情報116aは、要素IDが「1」である1つの要素情報から構成される。描画情報116aに含まれる要素情報の要素画像IDは、背景画像109を示す要素画像情報114を特定するための「xxx00」を示す。描画情報116aに含まれる要素情報の描画範囲、すなわち、背景画像109の描画範囲は、(X,Y,dX,dY)のそれぞれに対応する(0,0,140,265)を示す。
ここで、描画範囲は、任意の形状であってよく、任意の方法で表されてよいが、本実施の形態での描画範囲は、代表位置(X,Y)と、幅と高さの組み合わせである(dX,dY)とによって表される矩形である。
詳細には、本実施の形態では、表示範囲の全体(画面の全体)の画素数と、描画処理において採用される描画範囲の全体(全描画範囲)の画素数とが同じであるとする。すなわち、図3を参照すると分かるように、画面の全体に応じた描画範囲(全描画範囲)は、横縦が(140ドット,255ドット)であるとする。代表位置は、矩形の描画範囲の左上隅の位置である。幅(dX)は、基準位置からのX方向(横方向)の長さである。高さ(dY)は、基準位置からのY方向(縦方向)の長さである。代表位置、幅、高さは、いずれも、ドットを単位として表される。
可変要素を描画するための描画情報116d,eは、それぞれ、「4」,「5」の異なる描画IDが付与された個別の情報であって、複数の要素情報から構成される。
例えば、描画情報116dは、可変要素である選択枠112a〜cを描画するための情報である。描画情報116dは、要素IDが「1」〜「3」である3つの要素情報から構成される。要素IDが「1」〜「3」である要素情報は、それぞれ、選択枠112a〜cを描画するための情報である。そのため、各要素情報の要素画像IDは、選択枠112a〜cを示す要素画像情報114dを特定するための「xxx03」を示す。また、要素IDが「1」〜「3」である要素情報の描画範囲は、それぞれ、(5,35,130,30)、(5,65,130,30)、(5,95,130,30)を示す。
例えば、描画情報116eは、可変要素であるシーン画像113a〜cを描画するための情報である。描画情報116eは、要素IDが「1」〜「3」である3つの要素情報から構成される。要素IDが「1」〜「3」である要素情報は、それぞれ、シーン画像113a〜cを描画するための情報である。そのため、要素IDが「1」〜「3」である要素情報の要素画像IDは、それぞれ、シーン画像113a〜cを示す要素画像情報114e〜fを特定するための「xxx10」、「xxx11」、「xxx12」を示す。また、各要素情報の描画範囲は、(5,130,130,120)を示す。
図4に示すように、中央演算装置107は、機能的に、各種情報を記憶する記憶部117と、空調機を制御するための主制御を実行する主制御部118と、記憶部117を適宜参照しつつ描画演算装置108と連携して動作する描画開始指示部119、連携信号取得部120、応答部121及び連携異常検知部122とを備える。
なお、中央演算装置107は、物理的には例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成される。中央演算装置107の機能は、種々の方法で実現されてよく、例えば予め組み込まれたソフトウェアプログラムを実行することで実現される。
記憶部117は、描画演算装置108と連携するための情報として、図12に示すように、画面変更定義情報123と、連携パターン情報124と、応答定義情報125とを記憶する。
画面変更定義情報123は、画面を変更する条件を定義する情報である。図13は、快適セレクト画面105の表示中にボタン101b,c又はdが押下された場合に画面を変更する条件を定義する画面変更定義情報123の例を示す。同図に示すように、画面変更定義情報123では、変更前の動作状況を示す変更前の動作情報と、変更後の動作状況を示す変更後の動作情報と、変更範囲を示す変更範囲情報とが関連付けられている。
変更前の動作情報は、表示中の画面の画面IDと、表示中の画面にて選択されている運転モードと、画面を変更するトリガとなる入力信号の種別を示す入力種別とを含む。変更後の動作情報は、変更後の画面の画面IDと、変更後の画面で選択される運転モードとを含む。変更範囲は、画面において画像が変更される範囲に応じて描画が必要となる範囲を示す。
同図に示す画面変更定義情報123は、変更前の動作情報が示す動作状況となった場合に、変更後の動作情報が示す内容にリモコン装置100の動作状況を変更するとともに、変更範囲が示す範囲の画像を変更することを示す。
例えば、同図において1行目の画面変更定義情報123は、変更前の動作状況として、快適セレクト画面105の表示中にメインボタン101dの操作が検知された場合を示す。この画面変更定義情報123は、変更後の動作状況として、画面を運転設定画面に変更することを示し、画面の全体に応じた範囲(すなわち、横が140ドット、縦が255ドットの全領域)で要素画像の描画が必要となることを示す。ここで、図13の「−」は、任意の動作モードであることを示す。
また例えば、同図において2行目の画面変更定義情報123は、変更前の動作状況として、除菌脱臭モードが選択された快適セレクト画面105の表示中に上ボタン101bの操作が検知された場合を示す。この画面変更定義情報123は、変更後の動作状況として、画面を快適セレクト画面105のままとし、運転モードを静音モードに変更することを示す。この画面変更定義情報123は、(5,35,130,30)、(5,95,13,30)及び(5,130,130,120)で表される矩形領域で画像の変更が必要となることを示す。
このように、例えば快適セレクト画面105から運転設定画面に画面を変更する場合のように、異なる画面へ変更するため画面構成の変化が大きい場合、変更範囲には、画面の全体に応じた範囲が設定される。また、例えば快適セレクト画面105にて要素画像109〜111,112a〜c,113a〜cの一部(可変要素;112a〜c,113a〜c)を変更する場合のように、同一の画面にて変更するため画面構成の変化が小さい場合、変更範囲には、画面を変更するために要素画像の描画が必要な範囲が設定される。
これにより、画面を変更する際のチラツキ(例えば、背景画像109などの変更されない画像(固定要素)が、その前面に配置される要素画像(可変要素)を一時的に消してしまうように見える現象)を抑制することができる。また、要素画像を描画するための処理負荷の軽減、描画演算装置108から表示装置102へ出力される描画データのサイズの小量化、画面を変更するための表示装置102での処理負荷の軽減などを図ることができる。
連携パターン情報124は、図14に一例を示すように、描画処理の実行中に描画演算装置108から連携信号が出力されるパターンを画面ごとに示す情報である。
ここで、連携信号は、描画処理の実行中に描画演算装置108から出力される信号であり、問合わせ信号と、完了通知信号とを含む。
問合わせ信号は、複数の候補の中から動作状況に応じた特定の要素画像(すなわち、可変要素)を描画する場合に、描画の対象となる要素画像を特定するために描画演算装置108から出力される連携信号である。完了通知信号は、変更後の画面に関する描画処理を完了する際に、描画処理の完了を通知するために描画演算装置108から出力される連携信号である。
同図に例示する連携パターン情報124では、画面IDと、描画演算装置108から連携信号が出力されるパターンを示す連携パターンとが関連付けられている。連携パターンでは、問合わせ回数と、問合わせ内容と、取得時間とが関連付けられている。
問合わせ回数は、関連付けられた画面IDによって示される画面に関する描画処理の実行中に描画演算装置108から連携信号(問合わせ信号)が出力される回数である。問合わせ内容は、対応付けられた回数での連携信号による問い合わせの内容である。取得時間は、描画処理の開始から順次連携信号を取得する時間間隔である。
同図に示す連携パターン情報124では、例えば、画面IDが「2」の快適セレクト画面105を描画する場合、連携信号(問合わせ信号)が2回出力されることを示す。そして、同図に示す連携パターン情報124は、快適セレクト画面105を描画するための「1」回目の連携信号が、可変要素である選択枠112a〜cを特定するための「選択枠の位置」の問い合わせであること示す。また、同図に示す連携パターン情報124は、快適セレクト画面105を描画するための「2」回目の連携信号(問合わせ信号)が、可変要素であるシーン画像113a〜cを特定するための「シーン画像」の問い合わせであることを示す。
同図に示す連携パターン情報124の取得時間は、変更後の画面の描画処理が開始されてから最初の連携信号を取得するまでの時間、又は、前回の連携信号を取得してから次の連携信号を取得するまでの時間を示す。
例えば、問合わせ回数「1」に対応付けられた取得時間は、それに関連付けられた画面の描画処理が開始されてから最初の連携信号を取得するまでの時間を示す。問合わせ回数「2」以上に対応付けられた取得時間は、前回の連携信号を取得してから次の連携信号を取得するまでの時間を示す。同図に示す連携パターン情報124では、問合わせ回数が「1」回目、「2」回目の問合わせ信号の取得時間が「T0」である。この取得時間には、描画演算装置108にて1つの要素画像を描画するために要すると想定される時間が採用されればよく、例えば200ms程度であればよい。
なお、本実施の形態では、取得時間は、すべて「T0」としているが、各回について適宜定められてよい。例えば、1回目の連携信号を取得するまでの取得時間と、2回目以降の連携信号を取得するまでの取得時間とで異なる時間が設定されてもよい。
なお、本実施の形態では、連携パターン情報124は、各画面について、連携信号としての問合わせ信号が出力される回数を示す例により説明するが、各画面について、連携信号としての問合わせ信号と完了通知信号とが取得される回数を示してもよい。
応答定義情報125は、図15に示すように、問合わせ内容と変更後の動作状況とに応じた応答内容を定義する情報である。同図に例示する応答定義情報125では、連携パターン情報124と同様の問合わせ内容と、変更後の動作情報としての変更後の運転モードと、応答内容としての要素IDとが関連付けられている。同図に例示する応答定義情報125に含まれる要素IDは、可変要素に関する描画情報116d,eに含まれる要素情報を特定するための情報である。
例えば、同図に示す応答定義情報125は、問合わせ内容が「選択枠の位置」であり、かつ、変更後の動作モードが「除菌脱臭モード」である場合、要素IDとしての「1」が応答となることを示す。
図4を参照し、主制御部118は、中央演算装置107への入力信号として、例えばボタン101a〜eのいずれかの操作に応じた入力信号を検知する。
主制御部118は、入力信号に従って、主制御を実行する。主制御は、例えば、制御信号を空調機へ出力することによって空調機を制御すること、内部のタイマにより現在時刻を示す情報を生成することなどである。
なお、主制御部118は、例えば、画面で選択される運転モードが変更された後、予め定められた時間が経過しても運転モードが変更されない場合に、画面で選択されている運転モードを設定するとよい。運転モードの設定方法は、これに限られず、例えば適宜設けられる設定ボタンの操作時に選択中の運転モードが設定されてもよい。
また、主制御部118は、入力信号が入力すると、その時の動作状況を示す動作情報を描画開始指示部119へ出力する。この動作情報が示す動作状況は、例えば、表示装置102に表示中の画面の画面ID(変更前の画面ID)と、運転モード(変更前の運転モード)と、操作されたボタンを示す情報(入力信号)とを含む。
描画開始指示部119は、動作情報を主制御部118から取得すると、画面変更定義情報123を参照し、表示装置102に表示されている画面を変更するか否かを判断する。画面を変更すると判断した場合、描画開始指示部119は、変更後の画面を構成する要素画像を描画するための描画処理の開始を指示する描画開始指示を描画演算装置108へ出力する。
詳細には、描画開始指示部119は、主制御部118から取得した動作情報に対応する変更前の動作情報を含む画面変更定義情報123があるか否かを判断する。例えば、主制御部118から取得した動作情報と同じ内容の変更前の動作情報を含む画面変更定義情報123がある場合、描画開始指示部119は、画面を変更すると判断し、その画面変更定義情報123を記憶部117から取得する。主制御部118から取得した動作情報と同じ内容の変更前の動作情報を含む画面変更定義情報123がない場合、描画開始指示部119は、画面を変更しないと判断する。
画面を変更すると判断した場合、描画開始指示部119は、記憶部117から取得した画面変更定義情報123に含まれる変更後の動作情報と変更範囲情報とを抽出する。
描画開始指示部119は、抽出した変更後の動作情報に含まれる画面ID(変更後の画面ID)と、抽出した変更範囲情報が示す変更範囲とを含む描画開始指示を描画演算装置108へ出力する。また、描画開始指示部119は、抽出した変更後の動作情報に含まれる画面ID及び運転モード(変更後の画面ID及び変更後の運転モード)を含む通知(描画開始通知)を連携信号取得部120へ出力する。
連携信号取得部120は、描画演算装置108から出力された連携信号を取得する。連携信号取得部120は、描画開始通知を取得した時点から連携信号を取得した回数を、例えば内部に保持する問合わせカウンタC1で計数する。連携信号取得部120は、連携信号を取得すると、問合わせカウンタC1が示す回数を連携異常検知部122と応答部121とのそれぞれへ出力する。
また、連携信号取得部120は、変更後の画面ID及び変更後の運転モードを描画開始指示部119から取得すると、変更後の画面IDを連携異常検知部122へ出力し、変更後の画面ID及び変更後の運転モードを応答部121へ出力する。
連携異常検知部122は、連携信号取得部120によって連携信号が取得された履歴と、連携パターン情報124とを比較し、比較した結果に基づいて、描画演算装置108との連携に異常が生じているか否かを判断する。
例えば、連携信号が取得された履歴として、連携信号が取得された回数が採用されるとよい。すなわち、連携異常検知部122は、変更後の画面IDに連携パターン情報124において関連付けられた回数と、問合わせカウンタC1が示す回数とを比較し、比較した結果に基づいて、描画演算装置108との連携に異常が生じているか否かを判断する。
詳細には、連携異常検知部122は、変更後の画面に関する描画処理の実行中に連携信号取得部120によって連携信号が取得された回数が、変更後の画面について連携パターン情報124によって示される回数とを比較する。そして、連携異常検知部122は、比較した結果、変更後の画面に関する描画処理の実行中に連携信号取得部120によって連携信号が取得された回数が、変更後の画面について連携パターン情報124によって示される回数に到達した場合、その後に連携信号取得部120によって取得された連携信号が完了通知信号であるか否かに基づいて、描画演算装置108との連携に異常が生じているか否かを判断する。
より詳細には、連携異常検知部122は、変更後の画面の画面IDに連携パターン情報124において関連付けられた回数に到達した後に、連携信号取得部120によって連携信号が取得された場合、その連携信号が描画完了通知であるか否かを判断する。その連携信号が描画完了通知ではなく問合わせ信号である場合、連携異常検知部122は、描画演算装置108との連携に異常が生じていると判断する。その連携信号が描画完了通知である場合、連携異常検知部122は、描画演算装置108との連携に異常が生じていないと判断する。
ここで、連携異常検知部122は、連携信号取得部120から連携信号を取得することによって、取得された連携信号が描画完了通知であるかを判断するとよい。なお、連携異常検知部122は、連携信号の出力元が、後述する連携部127と描画完了通知部130とのいずれであるかを描画演算装置108に問い合わせることによって、取得された連携信号が描画完了通知であるか否かを判断してもよい。
また例えば、連携信号が取得された履歴として、連携信号が取得される時間間隔が採用されてもよい。詳細には、連携異常検知部122は、タイマ機能を備え、それによって、連携信号取得部120によって連携信号が取得される時間間隔を計測する。この時間間隔は、描画開始通知を取得した時点から各回の連携信号を取得する時間的な間隔である。そして、連携異常検知部122は、連携パターン情報124において変更後の画面の画面IDに関連付けられた取得時間のうち、描画開始通知を取得した時点から連携信号が取得された回数に応じた取得時間と、自身が計測する時間間隔とを比較し、比較した結果に基づいて、描画演算装置108との連携に異常が生じているか否かを判断する。
詳細には、連携異常検知部122は、自身が計測する時間間隔が、連携パターン情報124にて変更後の画面ID、及び、描画開始通知を取得した時点から連携信号が取得された回数に応じた取得時間を超える場合に、描画演算装置108との連携に異常が生じていると判断する。連携異常検知部122は、自身が計測する時間間隔が、連携パターン情報124にて変更後の画面ID、及び、描画開始通知を取得した時点から連携信号が取得された回数に応じた取得時間を超えない場合に、描画演算装置108との連携に異常が生じていないと判断する。
さらに、連携異常検知部122は、描画演算装置108との連携に異常が生じていると判断した場合、異常から復旧するための復旧処理を実行する。
詳細には、例えば、連携異常検知部122は、復旧処理として、描画演算装置108をリセットさせるリセット信号を描画演算装置108のリセット線へ出力する。これにより、描画演算装置108がリセットされる。
なお、描画演算装置108と表示装置102とが共通のリセット線に接続され、連携異常検知部122が、復旧処理として、描画演算装置108と表示装置102とをリセットさせるリセット信号をその共通のリセット線へ出力してもよい。これにより、描画演算装置108と表示装置102とがリセットされる。
また例えば、連携異常検知部122は、復旧処理として、異常を検知した際に描画中であった画面の画面ID(変更後の画面ID)と、画面の全体に応じた変更範囲とを含む描画開始指示を描画演算装置108へ出力する。
応答部121は、変更後の画面ID及び変更後の運転モードを連携信号取得部120から取得すると、描画演算装置108からの問合わせ信号に対する応答として応答信号を描画演算装置108へ出力する。
詳細には、応答部121は、変更後の画面ID及び変更後の運転モードと、連携パターン情報124と、応答定義情報125とに基づいて、動作状況に応じた可変要素を特定するための情報として要素IDを含む応答信号を出力する。なお、応答部121は、描画演算装置108との連携に異常が生じていると判断された場合、応答信号を出力しなくてもよい。
図4に示すように、描画演算装置108は、機能的に、描画処理の全体的な制御を行う描画制御部126と、描画処理の実行中に連携信号を出力する連携信号(問合わせ信号)を中央演算装置107へ出力する連携部127と、中央演算装置107からの応答信号を取得する応答信号取得部128と、要素画像を描画する要素描画部129と、変更後の画面に関する描画処理を完了する際に連携信号(描画完了通知)を中央演算装置107へ出力する描画完了通知部130とを備える。
なお、描画演算装置108は、物理的には、例えばFPGA(Field−Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるとよい。描画演算装置108の機能は、種々の方法で実現されてよく、例えば予め組み込まれたソフトウェアプログラムを実行することで実現される。
描画制御部126は、中央演算装置107から描画開始指示を取得すると、描画処理を開始し、連携部127、応答信号取得部128、要素描画部129及び描画完了通知部130を制御する。
なお、中央演算装置から出力される指示は、その指示に含まれる内容を描画演算装置108の図示しないレジスタに設定する指示であってもよい。例えば、描画開始指示を取得した場合、描画演算装置108は、描画の開始を示すフラグ、変更後の画面ID、変更範囲を示す情報を、それぞれに応じたレジスタに設定してもよい。そして、描画演算装置108の各処理部は、レジスタに情報を適宜設定し、また、レジスタに設定された情報を適宜参照することによって、処理を実行してもよい。
詳細には、描画制御部126は、描画開始指示を取得すると、描画開始指示に含まれる変更後の画面IDに応じた画面構成情報115を記憶装置106から取得する。このとき、描画制御部126は、自身が保持する描画カウンタC2を、描画情報116a〜eを取得する度に+1加算し、それによって、描画カウンタC2が示す値と同じ描画IDを含む描画情報116a〜eを順に取得する。描画制御部126は、記憶装置106から取得した描画情報116a〜eに基づいて、変更後の画面を描画するための要素画像情報114を記憶装置106から取得する。描画制御部126は、取得した要素画像情報114に基づいて、変更後の画面に応じた要素画像とその描画範囲とを決定する。
より詳細には、描画制御部126は、固定要素の描画情報116a〜cを取得した場合、その描画情報116a〜cに含まれる要素画像IDに応じた要素画像情報114を記憶装置106から取得する。この場合、描画制御部126は、取得した要素画像情報114が示す要素画像の描画範囲として、描画情報116a〜cに含まれる描画範囲を決定する。
また、可変要素の描画情報116d,eを取得した場合、描画制御部126は、連携部127に連携信号(問合わせ信号)を出力させる。描画制御部126は、問合わせ信号の応答として応答部121が取得する応答信号に基づいて、描画情報116d,eのうち描画の対象となる要素情報を特定する。描画制御部126は、特定した要素情報に含まれる要素画像IDに応じた要素画像情報114を記憶装置106から取得する。この場合、描画制御部126は、取得した要素画像情報114が示す要素画像の描画範囲として、特定した要素情報に含まれる描画範囲を決定する。
描画制御部126は、記憶装置106から取得した要素画像情報114と、その要素画像情報114が示す要素画像の描画範囲を示す描画範囲情報と、描画開始指示に含まれる変更範囲を示す変更範囲情報とを要素描画部129へ出力する。描画制御部126は、要素描画部129からの通知に基づいて、描画完了通知部130に連携信号を出力させる。
連携部127は、描画処理を実行中の描画制御部126からの指示に従って、連携信号を出力する。詳細には、連携部127は、可変要素の描画情報116d,eを取得した描画制御部126からの指示を受けて、可変要素で構成されるグループの中から描画の対象を問合わせるための連携信号(問合わせ信号)を中央演算装置107へ出力する。
応答信号取得部128は、応答部121から出力される応答信号を取得する。
要素描画部129は、描画制御部126から出力された要素画像情報114、描画範囲情報及び変更範囲情報に基づいて、変更後の画面を表示装置102に表示させるための画像を示す描画データを生成する。そして、要素描画部129は、生成した描画データとともに、その描画データが示す画像を画面に表示させる範囲を特定するための指示(表示範囲指示)とを表示装置102へ出力する。
詳細には、要素描画部129は、描画範囲情報によって示される描画範囲と変更範囲とに重なり合う範囲がある場合、要素画像情報114が示す要素画像をその重なり合う範囲に描画する。これによって、要素描画部129は、画面の全体に応じた画像うち、変更範囲に対応する範囲の画像を示す描画データを生成する。要素描画部129は、生成した描画データと表示範囲指示とを表示装置102へ出力し、要素画像の描画が完了した通知を描画制御部126へ出力する。
描画完了通知部130は、描画開始指示に応じて開始した変更後の画面の要素画像の描画が完了すると、描画制御部126からの指示を受けて、連携信号を中央演算装置107へ出力する。詳細には、要素描画部129から通知を受けた描画制御部126からの指示を受けて、描画処理の完了を通知するための連携信号(描画完了信号)を中央演算装置107へ出力する。
これまで、本発明の一実施の形態に係るリモコン装置100の構成について説明した。ここから、リモコン装置100の動作について説明する。
図16A及びBは、例えば空調機の運転中に中央演算装置107によって繰り返し実行される中央演算処理の流れを示す。
主制御部118は、主制御を実行する(ステップS101)。主制御部118は、中央演算装置107に入力すると、その入力信号を検知する(ステップS102)。主制御部118は、主制御処理を中断し、入力信号が入力した時の動作情報を生成して、その動作情報を描画開始指示部119へ出力する(ステップS103)。
なお、後述するように描画演算装置108と連携して動作する間であっても、主制御部118は、描画演算装置108からの連携信号を取得するために待機している間などに断続的に主制御を実行してもよい。
例えば、図1に示す快適セレクト画面105の表示中に下ボタン101cが操作されたとする。この場合、主制御部118は、下ボタン101cの操作に応じた操作信号を入力信号として検知する。主制御部118は、画面IDとしての「2」と、運転モードとしての「除菌脱臭モード」と、入力種別としての「下ボタン」とを含む動作情報を生成し、描画開始指示部119へ出力する。
描画開始指示部119は、主制御部118から動作情報を取得すると、取得した動作情報と画面変更定義情報123とに基づいて、画面の変更が必要か否かを判断する(ステップS104)。画面の変更が必要でないと判断した場合(ステップS104;NO)、描画開始指示部119は、その旨を主制御部118へ通知し、主制御部118は、中断していた主制御を続けて実行する(ステップS101)。
画面の変更が必要であると判断した場合(ステップS104;YES)、描画開始指示部119は、主制御部118から取得した動作情報に対応する変更前の動作情報を含む画面変更定義情報123を記憶部117から取得する。描画開始指示部119は、記憶部117から取得した画面変更定義情報123に含まれる変更後の動作情報と変更範囲情報とに基づいて、変更後の画面ID、変更後の動作モード及び変更範囲を決定する(ステップS105)。
例えば、画面変更定義情報123が図13に示す内容であって、描画開始指示部119が画面IDとしての「2」と、運転モードとしての「除菌脱臭モード」及び入力種別としての「下ボタン」を含む動作情報を、主制御部118から取得したとする。この場合、画面変更定義情報123では、主制御部118から取得した動作情報が、変更前の動作情報として定義されている。そのため、描画開始指示部119は、画面の変更が必要であると判断する。そして、描画開始指示部119は、画面IDとしての「2」、運転モードとしての「除菌脱臭モード」及び入力種別としての「下ボタン」を変更前の動作情報に含む画面変更定義情報123を記憶部117から取得する。
この例で、描画開始指示部119により取得された画面変更定義情報123は、画面IDとしての「2」及び運転モードとしての「静音モード」を変更後の動作情報に含み、(5,35,130,30)、(5,95,130,30)及び(5,130,130,120)を変更範囲情報に含む。そのため、描画開始指示部119は、変更後の画面IDを「2」と決定し、変更後の運転モードを「静音モード」と決定し、変更範囲を(5,35,130,30)、(5,95,130,30)及び(5,130,130,120)と決定する。
描画開始指示部119は、ステップS105にて決定した変更後の画面IDと変更範囲とを含む描画開始指示を描画演算装置108へ出力する(ステップS106)。
連携信号取得部120は、ステップS105にて決定された変更後の画面ID及び変更後の運転モードを描画開始指示部119から取得すると、自身が保持する問合わせカウンタC1を初期化する(ステップS107)。
本実施の形態では、初期値として「1」が問合わせカウンタC1に設定される。連携信号取得部120は、問合わせカウンタC1の値を示す問合わせカウンタ情報を連携異常検知部122と応答部121とのそれぞれへ出力する。また、連携信号取得部120は、変更後の画面IDを含む情報を連携異常検知部122へ出力し、変更後の画面ID及び変更後の運転モードを含む情報を応答部121へ出力する。
連携異常検知部122は、描画開始指示部119によって決定された変更後の画面IDを連携異常検知部122から取得すると、これによって、描画開始指示部119が描画開始指示を出力したことを検知する。連携異常検知部122は、連携信号が取得される時間間隔を計測するために、タイマをリセットした後に計時を開始する(ステップS108)。
連携異常検知部122は、連携信号取得部120から取得した変更後の画面IDと問合わせ回数(すなわち、問合わせカウンタ情報が示す値)とに応じた連携パターン情報124を記憶部117から取得する。連携異常検知部122は、取得した連携パターン情報124に含まれる取得時間が、タイマによる計時を開始してから経過したか否かを判断する(ステップS109)。
例えば、変更後の画面IDが「2」であり、描画開始通知を取得した後に描画演算装置108から連携信号を未だ取得しておらず(従って、問合わせカウンタ情報は、初期値「1」を示す。)、連携パターン情報124が図14に示す内容であるとする。この場合、連携信号取得部120は、画面IDが「2」であり、かつ、問合わせ回数が「1」である連携パターン情報124を記憶部117から取得する。この連携パターン情報124は、取得時間に「T0」を含むので、連携信号取得部120は、タイマで測定される時間が「T0」を超えた場合に、取得時間が経過したと判断し、それまでは取得時間が経過していないと判断する。
取得時間が経過していないと判断した場合(ステップS109;NO)、連携異常検知部122は、連携信号取得部120が連携信号を取得したか否かを判断する(ステップS110)。連携異常検知部122は、連携信号取得部120によって連携信号が取得されない場合、連携信号を取得していないと判断し(ステップS110;NO)、ステップS109〜ステップS110を繰り返し実行する。
連携異常検知部122は、連携信号取得部120によって連携信号が取得された場合、連携信号を取得したと判断する(ステップS110;YES)。そして、連携異常検知部122は、問合わせカウンタC1が問合わせ回数の最大値以下であるか否かを判断する(ステップS111)。ここでの問合わせ回数の最大値は、連携パターン情報124において変更後の描画IDに関連付けられた問合わせ回数の最大値である。
例えば、変更後の描画IDが「2」である場合、図14に示す連携パターン情報124では、問合わせ回数の最大値は、「2」である。
問合わせカウンタC1が問合わせ回数の最大値以下であると判断された場合(ステップS111;YES)、応答部121は、連携信号取得部120から取得した変更後の画面ID及び問合わせカウンタ情報と、連携パターン情報124と、応答定義情報125とに基づいて、応答信号を作成する(ステップS112)。
詳細には、応答部121は、連携信号取得部120から取得した変更後の画面IDと問合わせ回数(すなわち、問合わせカウンタ情報が示す値)とに応じた連携パターン情報124を記憶部117から取得する。応答部121は、取得した連携パターン情報124に含まれる問合わせ内容と、連携信号取得部120から取得した変更後の運転モードとに応じた応答定義情報125を記憶部117から取得する。応答部121は、取得した応答定義情報125に含まれる要素IDを含む信号を応答信号として作成する。
例えば、変更後の画面IDが「2」であり、問合わせ回数が「1」であり、変更後の運転モードが「送風モード」であるとする。また、連携パターン情報124及び応答定義情報125がそれぞれ図14及び15に示す内容であるとする。この場合、問合わせ回数の最大値は、上述の通り、「2」であるので、応答部121は、問合わせカウンタC1が問合わせ回数の最大値以下であると判断する。
そして、応答部121は、変更後の画面IDが「2」であり、かつ、問合わせ回数が「1」である連携パターン情報124を記憶部117から取得する。この連携パターン情報124は、問合わせ内容として「選択枠の位置」を含む。応答部121は、問い合わせ内容が「選択枠の位置」であり、かつ、変更後の運転モードが「送風モード」である応答定義情報125を記憶部117から取得する。この応答定義情報125には、要素IDに「2」を含む。そのため、応答部121は、「2」を含む応答信号を作成する。
応答部121は、ステップS112で作成した応答信号を描画演算装置108へ出力する(ステップS113)。
連携信号取得部120は、応答信号を出力した旨の通知を応答部121から受けると、自身が保持する問合わせカウンタC1に+1を加算する(ステップS114)。連携信号取得部120は、加算後の問合わせカウンタC1の値を示す問合わせカウンタ情報を連携異常検知部122と応答部121とのそれぞれへ出力する。
連携異常検知部122は、問合わせカウンタ情報を取得すると、次に連携信号を取得するまでの時間を計測するために、タイマをリセットした後に計時を開始する(ステップS115)。そして、連携異常検知部122は、ステップS109を再び実行する。
取得時間が経過したと判断される場合は(ステップS109;YES)、予め定められた取得時間内に連携信号を取得できない状態であるため、描画演算装置108との連携に異常が生じたと推測できる。そのため、連携異常検知部122は、取得時間が経過したと判断した場合(ステップS109;YES)、復旧処理を実行する(ステップS117)。
問合わせカウンタC1が問合わせ回数の最大値以下でないと判断した場合(ステップS111;NO)、連携異常検知部122は、ステップS110にて取得したと判断された連携信号が完了通知信号であるか否かを判断する(ステップS116)。
例えば、変更後の画面IDが「2」であり、問合わせ回数が「3」であるとする。また、連携パターン情報124が図14に示す内容であるとする。この場合、問合わせ回数の最大値は、上述の通り、「2」であるので、応答部121は、問合わせカウンタC1が問合わせ回数の最大値以下でないと判断する。本実施の形態では、問合わせ回数の最大値に応じた回数だけ連携信号が取得されると、その後には、完了通知信号が、連携信号として1回取得されるだけである。
そのため、この例において、描画演算装置108と連携して動作する間に何らかの異常が生じていなければ、描画演算装置108から出力される連携信号は、描画完了通知部130からの完了通知信号である。他方、描画演算装置108から出力される連携信号が完了通知信号ではなく問合わせ信号であれば、中央演算装置107がノイズを連携信号として誤検知したなど、描画演算装置108との連携に異常が生じたと推測できる。
このように、変更後の画面に関する描画処理の実行中に連携信号取得部120によって連携信号が取得された回数が、変更後の画面について連携パターン情報124によって示される回数に到達した後に、連携信号取得部120によって取得された連携信号が完了通知信号であるか否かを判断する。これによって、前記描画演算装置との連携に異常が生じているか否かを判断することができる。したがって、中央演算装置107が描画演算装置108との連携の異常を自動的に検知することが可能になる。
また、連携信号を取得する度に、それが完了通知信号であるか否かを判断する必要が無い。そのため、連携信号の内容に関する判断処理の回数を低減させることができる。したがって、中央演算装置107の処理負荷の増加を抑制しつつ、中央演算装置107が描画演算装置108との連携の異常を自動的に検知することが可能になる。
完了通知信号であると判断した場合(ステップS116;YES)、連携異常検知部122は、描画演算装置108の連携に異常が生じていないと判断して、中央演算処理を終了する。
完了通知信号でないと判断した場合(ステップS116;NO)、連携異常検知部122は、描画演算装置108との連携に異常が生じていると判断し、描画演算装置108との連携の異常を修復するために復旧処理を実行し(ステップS117)、中央演算処理を終了する。
復旧処理を実行することによって、描画演算装置108との連携の異常を修復することが可能になる。
復旧処理は、上述の通り、例えば、描画演算装置108へリセット信号を出力すること、変更範囲を全体として変更後の画面に関する描画処理を開始させる描画開始指示の出力などを含むとよい。
これにより、描画演算装置108はリセットされる。このとき、中央演算装置107は、自身もリセットするとよい。これによって、中央演算装置107がリセットされずに描画演算装置108のみがリセットされることによって生じる連携の齟齬を防ぐことができる。その結果、描画演算装置108のみがリセットされることに起因する表示装置102における表示の乱れを抑制することが可能になる。
なお、描画演算装置108と表示装置102とが共通のリセット線に接続され、連携異常検知部122が、復旧処理として、描画演算装置108と表示装置102とをリセットさせるリセット信号をその共通のリセット線へ出力することによっても、同様に、描画演算装置108のみがリセットされることに起因する表示装置102における表示の乱れを抑制することが可能になる。
また、本実施の形態では、描画演算装置108との連携に異常が生じていない場合、上述のように、画面の表示を変更する際の画面のチラツキを低減し処理負荷を軽減するために、描画開始指示において変更範囲が設定される。復旧処理では、変更後の画面に関する描画処理が、画面の全体を変更範囲として実行されるので、変更範囲を設定することによる上述の効果に加えて、変更後の画面を確実に表示装置102に表示させ、表示の乱れを抑制することが可能になる。
なお、復旧処理は、例えばリセットボタン(不図示)の操作などに応じて手動で実行されてもよい。その場合、中央演算装置107は、描画演算装置108との連携に異常が生じていることを、例えば表示装置102に直接的に指示して画面を点滅させることなどによって、ユーザに通知するとよい。
図17A及びBは、中央演算装置107から描画開始指示を取得した描画演算装置108によって実行される描画処理の流れを示す。
描画制御部126は、中央演算装置107から描画開始指示を取得すると、描画カウンタC2を初期化する(ステップS201)。本実施の形態では、初期値として「1」が描画カウンタC2に設定される。
描画制御部126は、ステップS203〜S210を繰り返し実行することによって、描画開始指示に含まれる変更後の画面IDが関連付けられた画面構成情報115を、その終端まで記憶装置106から取得する(ループA;ステップS202)。
このとき、描画制御部126は、例えば1byteずつ記憶装置106から画面構成情報115を取得するとよい。例えば、描画演算装置108は、記憶装置106から画面構成情報115を取得するアドレスを格納する画面構成レジスタ(不図示)を有する。描画制御部126は、1byte分の画面構成情報115を記憶部117から取得すると、画面構成レジスタのアドレスに+1を加算する。描画制御部126は、画面構成レジスタに格納されているアドレスを参照しつつ、これを繰り返すことによって、記憶装置106から画面構成情報115を1byteずつ取得する。
描画制御部126は、描画IDが描画カウンタC2の描画情報116a〜eを取得する(ステップS203)。
例えば、変更後の画面IDが「2」であり、描画カウンタC2が「1」であり、画面構成情報115が図11に示す内容であるとする。この場合、描画制御部126は、描画IDが描画カウンタC2と同じ値を示す描画情報aを取得する。
描画制御部126は、ステップS203で取得した描画情報116a〜eについて、それに含まれる要素情報が1つであるか複数であるかに基づいて、可変要素の描画情報116d,eであるか否かを判断する(ステップS204)。
詳細には、ステップS203で取得した描画情報116a〜eが1つの要素情報を含む場合、その描画情報116a〜eは、固定要素の描画情報116a〜cである。この場合、描画制御部126は、可変要素の描画情報116d,eでないと判断する。これに対して、ステップS203で取得した描画情報116a〜eが複数の要素情報を含む場合、その描画情報116a〜eは、可変要素の描画情報116d,eである。この場合、描画制御部126は、可変要素の描画情報116d,eであると判断する。
例えば、ステップS203で描画情報116aが取得された場合、描画情報116aに含まれる要素情報は1つであるので、描画制御部126は、可変要素の描画情報116d,eでないと判断する。ステップS203で描画情報116dが取得された場合、描画情報116dに含まれる要素情報は3つ(複数)であるので、描画制御部126は、可変要素の描画情報116d,eであると判断する。
可変要素の描画情報116d,eでないと判断された場合(ステップS204;NO)、描画制御部126は、ステップS203で取得した描画情報116a〜eに含まれる要素情報に基づいて、描画範囲と要素画像IDとを決定する(ステップS205)。
例えば、ステップS203で描画情報116aが取得された場合、描画情報116aに含まれる要素情報に含まれる「(0,0,140,265)」と「xxx00」とのそれぞれを、描画範囲と要素画像IDとして決定する。
描画制御部126は、ステップS207で決定した描画範囲と、描画開始指示に含まれる変更範囲とを要素描画部129へ通知する。要素描画部129は、描画制御部126から取得した描画範囲と変更範囲とで重なり合う部分があるか否かを判断する(ステップS206)。
例えば、ステップS205で、描画範囲が(0,0,140,265)と決定されたとする。また、図1に示す快適セレクト画面105の表示中に下ボタン101cが操作され、そのため、描画開始指示に含まれる変更範囲が、(5,35,130,30)、(5,65,130,30)及び(5,130,130,120)であるとする。この場合、描画範囲と変更範囲とは、(5,35,130,30)、(5,65,130,30)及び(5,130,130,120)で重なり合う。そのため、要素描画部129は、重なり合う部分があると判断する。
これに対して、例えば、ステップS203で固定要素の描画情報116bが取得され、その後のステップS205で描画範囲が(0,0,140,265)と決定されたとする。また、変更範囲は、上述と同様に、(5,35,130,30)、(5,65,130,30)及び(5,130,130,120)であるとする。この場合、描画範囲と変更範囲とは重なり合わない。そのため、要素描画部129は、重なり合う部分がないと判断する。
重なり合う部分があると判断した場合(ステップS206;YES)、要素描画部129は、重なり合う部分について要素画像を描画し(ステップS207)、描画した画像を示す描画データを保持する。
例えば、背景画像109の描画範囲と変更範囲とが、(5,35,130,30)、(5,65,130,30)及び(5,130,130,120)で重なり合うとする。この場合、要素描画部129は、例えば図5に示す背景画像109のうち、(5,35,130,30)、(5,65,130,30)及び(5,130,130,120)に対応する部分を抜き出す。要素描画部129は、描画範囲の全体のうち(5,35,130,30)、(5,65,130,30)及び(5,130,130,120)に、抜き出した画像を適宜伸縮して配置する。これによって、要素描画部129は、描画データを生成する。
重なり合う部分がないと判断した場合(ステップS206;NO)、又は、要素描画処理(ステップS207)を実行した後、要素描画部129は、要素描画部129での処理が終了したことを描画制御部126へ通知する。描画制御部126は、描画カウンタC2に+1を加算し(ステップS208)、ステップS203へ戻る。
可変要素の描画情報116d,eであると判断された場合(ステップS204;YES)、
連携部127は、描画制御部126からの指示に従って、連携信号を出力する(ステップS209)。応答信号取得部128は、ステップS209で出力された連携信号に対する応答として、中央演算装置107から応答信号を取得する(ステップS210)。
例えば、ステップS203で可変要素の描画情報116dが取得された場合、ステップS204では、描画制御部126により可変要素の描画情報116d,eであると判断される。そのため、連携部127が連携信号(問合わせ信号)を出力し、応答信号取得部128は、応答信号を取得する。図1に示す快適セレクト画面105の表示中に下ボタン101cが操作されたことによる画面の変更である場合、応答信号は、要素IDとしての「2」を含む。
描画制御部126は、ステップS203で取得した描画情報116a〜eに含まれる要素情報と、ステップS210で取得された応答信号とに基づいて、描画範囲と要素画像IDとを決定する(ステップS205)。
例えば、ステップS203で描画情報116dが取得され、応答信号が要素IDとして「2」を含み、画面構成情報115が図11に示す内容であるとする。この場合、描画制御部126は、描画情報116dに含まれる3つの要素情報のうち、要素IDが「2」である要素情報に含まれる「(5,65,130,30)」と「xxx03」とのそれぞれを、描画範囲と要素画像IDとして決定する。
変更範囲が、上述と同様に、(5,35,130,30)、(5,65,130,30)及び(5,130,130,120)である場合、描画範囲と変更範囲とは、(5,65,130,30)で重なり合う。「xxx03」により特定される画像が、図8に示す選択枠112である場合、要素描画部129は、(5,65,130,30)に選択枠112を適宜伸縮して配置する。このとき、要素描画部129は、自身が保持する描画データが示す画像に、選択枠112を上に重ねて描画する。これによって、要素描画部129は、内容が更新された描画データを生成する。
このようなステップS203〜S210を繰り返し、変更後の画面IDが関連付けられた画面構成情報115を終端まで読み出すと、描画制御部126は、ループA(ステップS202)を終了する。要素描画部129は、描画制御部126からの指示に従って、そのときに自身が保持している描画データを、表示範囲指示とともに表示装置102へ出力する(ステップS211)。これにより、表示装置102が、描画データと表示範囲指示とに基づいて、変更後の画面を表示し、その結果、画面が変更される。
描画完了通知部130は、描画制御部126からの指示に従って、中央演算装置107へ連携信号(描画完了通知)を出力し(ステップS212)、変更後の画面に関する一連の描画処理を終了する。
本実施の形態によれば、連携異常検知部122が、描画処理の実行中に連携信号取得部120によって連携信号が取得された履歴と、連携パターン情報124が示すパターンとを比較する。ここで比較される内容は、適宜定められてよいが、例えば、連携信号が取得された回数と連携信号が出力される回数として予め定められた問合わせ回数とであり、連携信号が取得された時間間隔と連携信号が出力されるべき時間的な間隔として予め定められた取得時間回数とである。そして、連携異常検知部122は、比較した結果に基づいて、描画演算装置108との連携に異常が生じているか否かを判断する。
詳細には、連携異常検知部122は、比較した結果が、予め定められた関係を満たさない場合に、描画演算装置108との連携に異常が生じていると判断する。また、連携異常検知部122は、比較した結果が、予め定められた関係を満たす場合に、描画演算装置108との連携に異常が生じていると判断する。
ここで、予め定められた関係とは、例えば、比較した回数が同じであるか否かである。また例えば、連携信号が取得された時間間隔が取得時間を超えないか否かである。さらに例えば、比較した結果、連携信号が取得された回数が問合わせ回数を超えており、その後に取得された連携信号が描画完了通知であることである。
このように、描画演算装置108との連携に異常が生じているか否かを判断することができる。そのため、中央演算装置107は、描画演算装置108との連携の異常を自動的に検知することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば、実施の形態及び変形例を適宜組み合わせた形態、それに種々の変更を加えた形態を含む。