JP5930732B2 - 搬送車システム - Google Patents
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Description
本発明の課題は、1本の軌道を3台以上の搬送車が走行する搬送車システムにおいて、搬送車同士の干渉を避けつつも効率の良い搬送を行うことを可能にすることにある。
コントローラは、記憶部と、抽出部と、集合作成部と、送信部とを備えている。記憶部は、複数の搬送要求を記憶する。抽出部は、記憶部に記憶された複数の搬送要求から、経路に沿った同方向の搬送要求を搬送車の台数分だけ抽出する。集合作成部は、抽出された複数の搬送要求からなる集合を作成する。送信部は、搬送要求に基づいて作成された搬送指令を、搬送車に対して集合単位で送信する。
このシステムでは、経路に沿った同方向の搬送要求が一斉に搬送車に送信されるので、各搬送車は経路に沿った同方向に一斉に搬送を行う。したがって、搬送車システムにおける搬送効率が向上する。
複数の搬送要求がある場合はそれらの組合せは大量になるが、上記の場合は搬送スケジュールを設定するのに複雑な演算が不要になっているので、コントローラの演算負荷が小さくなる。
このシステムでは、搬送車の集合間移動時間が短くなるので、全体の作業時間が短縮される。したがって、コントローラの演算負荷が増大することなく、効率良く搬送できる搬送スケジュールが作成される。
このシステムでは、搬送車の集合間移動時間が短くなるので、全体の作業時間が短縮される。したがって、コントローラの演算負荷を増大することなく、効率良く搬送できる搬送スケジュールが作成される。
このシステムでは、干渉を避けるために、例えば、搬送車の待ち時間が設定される。すなわち、特定の搬送車の発進時間を他の搬送車に対して遅らせることで搬送車同士の干渉が防止される。さらに、干渉を避けるために、例えば、搬送車の回避スケジュールが設定される。すなわち、他の搬送車との干渉を回避するための回避スケジュールが特定の搬送車に設定される。
このシステムでは、搬送車同士の干渉が確実に防止される。
このシステムでは、搬送車同士の干渉を判断する手法として、少ない台数同士での干渉の判断を先に行って、その先の設定を確定した状態で次の搬送車を加えた場合の干渉を判断している。したがって、演算手法が単純になり、そのためコントローラの演算負荷が小さくなる。
このシステムでは、集合が作成される前に複数の搬送要求が優先順位順に並べられているので、優先順位に基づいた集合の作成及びその後の集合内での搬送要求の優先順位の判断が容易である。そのためコントローラの演算負荷が小さくなる。
図1及び図2を用いて、自動倉庫1を説明する。図1は自動倉庫の側面図であり、図2は自動倉庫の平面図である。なお、この実施形態において、図2の紙面上下方向が自動倉庫1の前後方向であり、図2の紙面左右方向が自動倉庫1の左右方向である。
自動倉庫1は、主に、一対のラック3,5と、第1スタッカークレーン9と、第2スタッカークレーン11と、第3スタッカークレーン13とを有している。
一対のラック3,5は、図の左右方向に延びる走行レール7を挟むように配置されている。ラック3,5は、複数の荷物収納棚15を有している。この実施形態では、荷物収納棚15は30連3段の構成である。
スタッカークレーン(9,11,13)は、走行台車と、走行台車に設けられた左右一対のマストに昇降自在に装着された昇降台と、昇降台に進退機構によって前後方向に摺動自在に設けられたスライドフォークとを有している。スタッカークレーン(9,11,13)は、走行レール7を走行させながら、荷物の入出庫を行ったり、荷物を各荷物収納棚15間で搬送したりする。
次に、図3を用いて、スタッカークレーン(9,11,13)のクレーンコントローラ17について説明する。図3は、クレーンコントローラ及び地上コントローラの構成を示す図である。
地上コントローラ21は、CPUやメモリ等のコンピュータ・ハードウェアを含んでいるが、図3においてはコンピュータ・ハードウェアとソフトウェアの協働によって実現される機能ブロックとして表現されている。地上コントローラ21は、通信部37によりスタッカークレーン(9,11,13)に対して指令を送信し、スタッカークレーン(9,11,13)からの指令の実行結果(例えば、完了報告)又は現在位置などの報告を受ける。
搬送要求並び替え部23は、クラスタを作成する前に複数の搬送要求を優先順位順に並び替える機能を有している。
クラスタ作成部27は、抽出された複数の搬送要求からなるクラスタを作成する機能を有している。ここで、「クラスタを作成する」とは、抽出された搬送要求のグループ化、及び、スタッカークレーンの搬送開始から搬送完了までの時間軸におけるスタッカークレーンの走行レール7上の位置を示す集合内搬送スケジュールを算出することを意味する。
搬送指令作成部31は、搬送要求に基づいて、スタッカクレーン(9,11,13)に送信するための搬送指令を作成する。
クラスタ並び替え部33は、抽出された複数の搬送要求からなる集合を並び替える機能を有している。
遷移時間決定部35は、クラスタ間でスタッカークレーン(9,11,13)が移動するための遷移時間を決定する機能を有している。
記憶部39は、複数の搬送要求を記憶する機能を有している。
上位コントローラ41は、地上コントローラ21に対し搬送要求を送信し、地上コントローラ21から搬送結果の報告を受ける。搬送要求は例えば荷積みポイント(From位置)と荷下ろしポイント(To位置)とを指定し、これ以外に搬送指令のIDや搬送物品のIDなどを含めても良い。またスタッカークレーンの場合、「From位置」や「To位置」は、走行レール7上の位置データ(連)と、ラック3,5のどの高さ位置(段)で移載するかの高さデータ(段)で構成されている。
図4〜図6を用いて、地上コントローラ21による基本的な制御動作を説明する。図4は、複数の搬送要求をラックの側面図に表現した模式図である。図5は、複数の搬送要求の内容を示した表である。図6は、複数の搬送要求に基づいて作成された搬送スケジュールを示すグラフである。
続いて、クラスタ作成部27が、抽出された搬送要求のグループ単位で、搬送要求の搬送スケジュールを作成する。さらに、クラスタ作成部27が、クラスタ同士の接続部分の搬送スケジュールを作成する。以上の結果、図6に示すような搬送スケジュールが完成される。つまり、クラスタ作成が完了する。
続いて、搬送指令作成部31が、搬送要求に、搬送要求に割り当てられたスタッカークレーンの情報及び発信時刻を加えることで搬送指令を作成する。
複数の搬送要求がある場合はそれらの組合せは大量になるが、上記の場合は搬送スケジュールを設定するのに複雑な演算が不要になっているので、地上コントローラ21の演算負荷が小さくなる。また、搬送スケジュールの作成が早くなっている。
図7を用いて、地上コントローラ21による基本的な制御動作を説明する。図7は、地上コントローラによるスケジューリング及び搬送指令送信制御動作を示すフローチャートである。図8は、地上コントローラによるクラスタ作成制御動作を示すフローチャートである。
図に示すフローチャートの開始は、例えば、上位コントローラ41から地上コントローラ21に送られてきた搬送要求の数が所定数(例えば、15個)に達すると行われる。また、搬送要求の数が所定数に達していなくても、所定時間の経過など他の条件によってフローチャートは開始されてもよい。
ステップS1では、クラスタ作成部27は、例えば合計5個のクラスタを作成する(後述)。
ステップS5では、地上コントローラ21は、スタッカークレーン(9,11,13)から搬送完了報告が送信されてくるのを待つ。
ステップS6では、地上コントローラ21は、全クラスタに関する搬送指令の送信及び完了報告受信が完了したか否かを判断する。「Yes」であればプロセスはステップ1に戻り、「No」であればプロセスはステップS4に戻る。
ステップS1のクラスタ作成を、図8のフローチャートを用いて説明する。
ステップS11では、抽出部25が、複数の搬送指令から、同方向となる3個の搬送要求を抽出する。
ステップS12では、搬送要求割り付け部29が、クラスタ内の搬送要求にクレーンを割り付ける。この割付は、複数(ここでは3台)の搬送要求の移動開始位置とクレーンにおける搬送要求開始位置とクレーン現在位置との間の移動距離合計がもっとも短くなる組合せとなるように行われる。
・移動開始の遅れ時間(待ち時間)の算出(後述)
・回避スケジュールの算出(後述)
なお、1度目の干渉判定は、最初に最優先の1台目のスタッカークレーンの搬送スケジュールを固定した状態で、それに対して次優先の2台目の搬送スケジュールを考えたときの干渉を判定する。
ステップS15では、クラスタ作成部27は、全ての搬送要求についてのクラスタ作成が終了したか否かを判断する。「Yes」であればプロセスは終了し、「No」であればプロセスはステップS11に戻る。
この自動倉庫1では、干渉を避けるために、例えば、スタッカークレーン(9,11,13)の移動開始の遅れ時間が設定される。すなわち、特定のスタッカークレーンの発進時間を他のスタッカークレーンに対して遅らせることでスタッカークレーン(9,11,13)同士の干渉が防止される。
さらに、干渉を避けるために、例えば、スタッカークレーン(9,11,13)の回避スケジュールが設定される。すなわち、他のスタッカークレーンとの干渉を回避するための回避スケジュールが特定のスタッカークレーンに設定される。このため、スタッカークレーン(9,11,13)同士の干渉が確実に防止される。
搬送要求T4に関しては、荷下ろし後に搬送要求T5との干渉を避けながら外部接点につなげるために、破線で示す回避スケジュールが設定される。
搬送要求T5に関しては、荷下ろし後に搬送要求T5との干渉を避けながら外部接点につなげるために、破線で示す回避スケジュールが設定される。
図11を用いて、遷移時間(クラスタ間移動時間)の一般的な算出方法について説明する。図11は、クラスタ内スケジュールに本来の遷移時間を取り込まずに遷移時間を決定した搬送スケジュールを示すグラフである。なお、このグラフには説明の簡素化のために3個目の搬送要求を図示していない。
遷移時間の算出は、遷移時間決定部35が行う。なお、遷移時間の算出は、クラスタ並び替え後で有れば、どのタイミングで行ってもよい。
図11では、搬送要求T1(優先)と搬送要求T2(非優先)が存在する。以下の説明では、搬送要求T1には第1スタッカークレーン101が割り当てられ、搬送要求T2には第2スタッカークレーン102が割り当てられているとする。搬送要求T2には、搬送要求T1と干渉を避けるために回避軌道103(点線)が設定されており、接点eが比較的大きな数の連に設定されている。ここで、「接点」とは、以下の2本の回避軌道の交点である。
・優先指令を実行する搬送要求と干渉しない位置において水平軸に平行な回避軌道
・回避軌道を描くスタッカークレーンの移動軌跡(優先指令実行クレーンの移動軌跡と平行又は最大速度による移動軌跡)
図では、第2スタッカークレーン102の前クラスタ最終位置が比較的小さい連なので、第2スタッカークレーン102はクラスタ間で比較的長い移動軌道104を走行する。そのため、第2スタッカークレーン102のクラスタ間遷移時間が長くなり、その結果全体の遷移時間も長くなる。また、クラスタ内で第2スタッカークレーン102は比較的長い間にわたって待ち状態105を続けている。
図12では、図11と同じ状況であるが、図11と比べると接点eの位置をクラスタ内に設定している点が異なる。つまり、第2スタッカークレーン102が接点まで移動する移動軌道104のほとんどがクラスタ内に設定されている。これは、クラスタ内での第2スタッカークレーン102の待ち状態105における待ち時間(図11参照)に、移動軌道104を利用したからである。
この結果、遷移時間は、第2スタッカークレーン102から接点eまでの時間t2からクラスタ開始から接点eまでの時間t1を引いた小さな値になる。
以上のようにして、遷移時間(クラスタ間移動時間)を図11の実施形態に比べて短くできる。
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
地上コントローラ21は、記憶部39(記憶部の一例)と、抽出部25(抽出部の一例)と、クラスタ作成部(集合作成部の一例)と、通信部37(送信部の一例)とを備えている。記憶部39は、複数の搬送要求を記憶する。抽出部25は、記憶部39に記憶された複数の搬送要求から、経路に沿った同方向の搬送要求をスタッカークレーンの台数分だけ抽出する。クラスタ作成部27は、抽出された複数の搬送要求からなるクラスタを作成する。通信部37は、搬送要求に基づいて作成された搬送指令を、スタッカークレーン(9,11,13)に対してクラスタ単位で送信する。
この自動倉庫1では、走行レール7に沿った同方向の搬送要求が一斉にスタッカークレーン(9,11,13)に送信されるので、各スタッカークレーン(9,11,13)は走行レール7に沿った同方向に一斉に搬送を行う。したがって、自動倉庫1における搬送効率が向上する。
複数の搬送要求がある場合はそれらの組合せは大量になるが、上記の場合は搬送スケジュールを設定するのに複雑な演算が不要になっているので、地上コントローラ21の演算負荷が小さくなる。
この自動倉庫1では、スタッカークレーン(9,11,13)のクラスタ間移動時間が短くなるので、全体の作業時間が短縮される。したがって、地上コントローラ21の演算負荷を増大することなく、効率良く搬送できる搬送スケジュールが作成される。
この自動倉庫1では、スタッカークレーン(9,11,13)のクラスタ間移動時間が短くなるので、全体の作業時間が短縮される。したがって、地上コントローラ21の演算負荷を増大することなく、効率良く搬送できる搬送スケジュールが作成される。
この自動倉庫1では、干渉を避けるために、例えば、スタッカークレーン9,11,13の待ち時間が設定される。すなわち、特定のスタッカークレーンの発進時間を他のスタッカークレーンに対して遅らせることでスタッカークレーン(9,11,13)同士の干渉が防止される。さらに、干渉を避けるために、例えば、スタッカークレーン9,11,13の回避スケジュールが設定される。すなわち、他のスタッカークレーンとの衝突を回避するための回避スケジュールが特定のスタッカークレーンに設定される。
このシステムでは、スタッカークレーン(9,11,13)同士の干渉が確実に防止される。
この自動倉庫1では、スタッカークレーン(9,11,13)同士の干渉を判断する手法として、少ない台数同士での干渉の判断を先に行って、その先の設定を確定した状態で次のスタッカークレーンを加えた場合の干渉を判断している。したがって、演算手法が単純になり、そのため地上コントローラ21の演算負荷が小さくなる。
この自動倉庫1では、クラスタが作成される前に複数の搬送要求が優先順位順に並べられているので、優先順位に基づいたクラスタの作成及びクラスタ内での搬送要求の優先順位の判断が容易である。そのため地上コントローラ21の演算負荷が小さくなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
前記実施形態では搬送車システムとして、スタッカークレーンが走行する自動倉庫を説明した。しかし、本発明は、同一の走行ルートに沿って複数の搬送車が往復走行するシステムであればよく、他の有軌道台車や無人搬送車にも適用できる。
3 ラック
5 ラック
7 走行レール
9 第1スタッカークレーン
11 第2スタッカークレーン
13 第3スタッカークレーン
15 荷物収納棚
17 クレーンコントローラ
17a 走行制御部
17b 昇降制御部
17c 移載制御部
17d 通信部
21 地上コントローラ
23 搬送要求並び替え部
25 抽出部
27 クラスタ作成部
29 搬送要求割り付け部
31 搬送指令作成部
33 クラスタ並び替え部
37 通信部
39 記憶部
41 上位コントローラ
Claims (6)
- 経路と、
前記経路に沿って往復走行する少なくとも3台の搬送車と、
前記搬送車に搬送指令を割り付けるためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
複数の搬送要求を記憶するための記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数の搬送要求から、前記経路に沿った同方向の搬送要求を前記搬送車の台数分だけ抽出する抽出部と、
抽出された前記搬送車の台数分の前記同方向の搬送要求からなる集合を作成する集合作成部と、
前記搬送要求に割り当てられた前記搬送車の情報と、各搬送車の発信時刻とを前記搬送要求に付加することにより作成された搬送指令を、前記搬送車に対して前記集合の単位で送信することにより前記搬送車を走行させる送信部と、を有している、搬送車システム。 - 前記集合作成部は複数の集合を作成し、
前記搬送車の集合間移動時間を短縮するために、前記複数の集合の順番を並び替える集合並び替え部をさらに備えた、請求項1に記載の搬送車システム。 - 前記搬送車が前記集合間で移動するために必要な本来の集合間移動時間の少なくとも一部を集合内搬送スケジュールに取り込むことで、前記集合間移動時間を短縮する移動時間決定部をさらに備える、請求項2に記載の搬送車システム。
- 前記集合作成部は、抽出された複数の搬送要求に基づいて複数の搬送車が走行した場合の干渉を判断し、前記干渉を避けるように集合内搬送スケジュールを算出する、請求項1〜3のいずれかに記載の搬送車システム。
- 前記集合作成部は、最初に2台の搬送車間で干渉を判断することで前記搬送車の待ち時間を設定及び/又は前記搬送車の回避スケジュールを設定し、次に設定された最初の2台の搬送車の搬送スケジュールに対して3台目の搬送車の干渉を判断することで3台目の搬送車の待ち時間を設定及び/又は3台目の搬送車の回避スケジュールを設定する、請求項4に記載の搬送車システム。
- 前記集合を作成する前に前記複数の搬送要求を優先順位順に並び替える搬送要求並び替え部をさらに備え、
前記集合作成部は、前記優先順位順に前記集合を作成する、請求項1〜5のいずれかに記載の搬送車システム。
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