定義
化学的定義
具体的な官能基および化学用語の定義は、以下により詳細に記載される。化学元素は、the Periodic Table of the Elements、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、表紙裏に従って特定され、具体的な官能基は、一般にその中に記載されたとおりに定義される。さらに、有機化学の一般原理、ならびに具体的な官能性部分(functional moiety)および反応性は、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989年;およびCarruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年に記載されている。
本明細書で記載されるとおりのある種の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがって、様々な異性体形態、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在することができる。本明細書で提供される化合物は、個別のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であり得るか、またはラセミ混合物および1種もしくは複数の立体異性体が濃縮された混合物を含めて、立体異性体の混合物の形態であり得る。ある種の実施形態において、本明細書で記載されるとおりの化合物は、エナンチオ純粋化合物である。ある種の他の実施形態において、立体異性体の混合物が提供される。
さらに、本明細書で記載されるとおりのある種の化合物は、特に断りのない限り、シスもしくはトランス、またはEもしくはZ異性体のいずれかとして存在し得る1つまたは複数の二重結合を有してもよい。本発明は、実質的に他の異性体を含まない個々の異性体として、および代替として、様々な異性体の混合物、例えば、E/Z異性体のラセミ混合物または1種のE/Z異性体が濃縮された混合物としての化合物をさらに包含する。
本明細書で同義的に使用される場合の「エナンチオマー的に濃縮された」、「エナンチオマー的に純粋の」および「非ラセミの」という用語は、1種のエナンチオマーの重量パーセントが、ラセミ組成物の対照混合物中のその1種のエナンチオマーの量よりも多い(例えば、重量で1:1より多い)組成物を指す。例えば、(S)−エナンチオマーのエナンチオマー的に濃縮された調製は、(R)−エナンチオマーと比べて50重量%を超える、より好ましくは少なくとも75重量%の、さらにより好ましくは少なくとも80重量%の(S)−エナンチオマーを有する化合物の調製を意味する。一部の実施形態において、濃縮は、80重量%をはるかに超え、「実質的にエナンチオマー的に濃縮された」、「実質的にエナンチオマー的に純粋の」または「実質的に非ラセミの」調製を与えることができ、これは、他のエナンチオマーと比べて少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%の1種のエナンチオマーを有する組成物の調製を指す。好ましい実施形態において、エナンチオマー的に濃縮された組成物は、その組成物のラセミ混合物よりも単位質量当たりの治療有用性に関してより高い効力を有する。エナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含めて、当業者に公知の方法によって混合物から単離することができ;または好ましいエナンチオマーは、不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacquesら、Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981年);Wilen, S.H.ら、Tetrahedron 33巻:2725頁(1977年);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill、NY、1962年);およびWilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 268頁(E.L.Eliel編、Univ. of Notre Dame Press、Notre Dame、IN 1972年)を参照されたい。
値の範囲が列挙される場合、それぞれの値およびその範囲内の部分範囲を包含することが意図される。例えば、「C1〜6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5、およびC5〜6アルキルを包含することが意図される。
本明細書で使用される場合、「脂肪族」は、本明細書で定義される、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはカルボシクリル基を指す。
本明細書で使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アルキル」は、1から20個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖状の飽和炭化水素基(「C1〜20アルキル」)のラジカルを指す。一部の実施形態において、アルキル基は、1から10個の炭素原子を有する(「C1〜10アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1から6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1から5個の炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1から4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1から3個の炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1から2個の炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。一部の実施形態において、アルキル基は、2から6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例としては、メチル(C1)、エチル(C2)、n−プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n−ブチル(C4)、tert−ブチル(C4)、sec−ブチル(C4)、イソ−ブチル(C4)、n−ペンチル(C5)、3−ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3−メチル−2−ブタニル(C5)、第三級アミル(C5)、およびn−ヘキシル(C6)が挙げられる。特に断りのない限り、アルキル基のそれぞれの例は、独立して非置換である(「非置換アルキル」)か、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換アルキル」)。ある種の実施形態において、アルキル基は、非置換C1〜6アルキル(例えば、−CH3)である。ある種の実施形態において、アルキル基は、置換C1〜6アルキルである。
本明細書で使用される場合、本明細書で定義される「ペルハロアルキル」または「ハロ置換アルキル」は、水素原子のすべてが、それぞれ独立して置き換えられたハロゲン(例えば、フルオロ、ブロモ、クロロまたはヨードから選択される)である、1から10個の炭素原子を有するアルキル基を指す(「C1〜10ペルハロアルキル」)。一部の実施形態において、アルキル部分は、1から6個の炭素原子を有する(「C1〜6ペルハロアルキル」)。一部の実施形態において、アルキル部分は、1から5個の炭素原子を有する(「C1〜5ペルハロアルキル」)。一部の実施形態において、アルキル部分は、1から4個の炭素原子を有する(「C1〜4ペルハロアルキル」)。一部の実施形態において、アルキル部分は、1から3個の炭素原子を有する(「C1〜3ペルハロアルキル」)。一部の実施形態において、アルキル部分は、1から2個の炭素原子を有する(「C1〜2ペルハロアルキル」)。一部の実施形態において、水素原子のすべてが、それぞれフルオロで置き換えられている。一部の実施形態において、水素原子のすべてが、それぞれクロロで置き換えられている。ペルハロアルキル基の例としては、−CF3、−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CCl3、−CFCl2、−CF2Clなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アルキルオキシ」は、本明細書で定義されるとおりの、酸素原子で置換された(ここで、結合点が酸素原子である)アルキル基を指す。ある種の実施形態において、アルキル基は、1から6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキルオキシ」)。一部の実施形態において、アルキル基は、1から4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキルオキシ」)。C1〜4アルキルオキシ基の例としては、メトキシ(C1)、エトキシ(C2)、プロポキシ(C3)、イソプロポキシ(C3)、ブトキシ(C4)、tert−ブトキシ(C5)などが挙げられる。C1〜6アルキルオキシ基の例としては、ペンチルオキシ(C5)、イソペンチルオキシ(C5)、ネオペンチルオキシ(C5)、ヘキシルオキシ(C6)などに加えて、前述のC1〜4アルキルオキシ基が挙げられる。特に断りのない限り、アルキルオキシ基のアルキル部分のそれぞれの例は、独立して非置換である(「非置換アルキルオキシ」)、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換アルキルオキシ」)。ある種の実施形態において、アルキルオキシ基は、非置換C1〜6アルキルオキシである。ある種の実施形態において、アルキルオキシ基は、置換C1〜6アルキルオキシである。
本明細書で使用される場合、「アルキルカルボキシ」は、式−C(=O)ORa(式中、Raは、本明細書で定義されるとおりのアルキル基である)の基を指す。ある種の実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキルカルボキシ」)。一部の実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から5個の炭素原子を有する(「C1〜5アルキルカルボキシ」)。一部の実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキルカルボキシ」)。一部の実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から3個の炭素原子を有する(「C1〜3アルキルカルボキシ」)。一部の実施形態において、アルキルカルボキシ基のアルキルは、1から2個の炭素原子を有する(「C1〜2アルキルカルボキシ」)。特に断りのない限り、アルキルカルボキシ基のアルキルのそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換アルキルカルボキシ」)、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換アルキルカルボキシ」)。ある種の実施形態において、アルキルカルボキシ基は、非置換C1〜6アルキルカルボキシである。ある種の実施形態において、アルキルカルボキシ基は、置換C1〜6アルキルカルボキシである。
本明細書で使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アルケニル」は、2から20個の炭素原子および1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基(「C2〜20アルケニル」)のラジカルを指す。一部の実施形態において、アルケニル基は、2から10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルケニル」)。一部の実施形態において、アルケニル基は、2から6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。一部の実施形態において、アルケニル基は、2から5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。一部の実施形態において、アルケニル基は、2から4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。一部の実施形態において、アルケニル基は、2から3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。一部の実施形態において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1つまたは複数の炭素−炭素二重結合は、内部(例えば、2−ブテニルにおける)または末端(例えば、1−ブテニルにおける)であり得る。C2〜4アルケニル基の例としては、エテニル(C2)、1−プロペニル(C3)、2−プロペニル(C3)、1−ブテニル(C4)、2−ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)などが挙げられる。C2〜6アルケニル基の例としては、ペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)などに加えて、前述のC2〜4アルケニル基が挙げられる。特に断りのない限り、アルケニル基のそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換アルケニル」)、または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。ある種の実施形態において、アルケニル基は、非置換C2〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、アルケニル基は、置換C2〜6アルケニルである。
本明細書で使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アルキニル」は、2から20個の炭素原子および1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基(「C2〜20アルキニル」)のラジカルを指す。一部の実施形態において、アルキニル基は、2から10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルキニル」)。一部の実施形態において、アルキニル基は、2から6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。一部の実施形態において、アルキニル基は、2から5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。一部の実施形態において、アルキニル基は、2から4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。一部の実施形態において、アルキニル基は、2から3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。一部の実施形態において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1つまたは複数の炭素−炭素三重結合は、内部(例えば、2−ブチニルにおける)または末端(例えば、1−ブチニルにおける)であり得る。C2〜4アルキニル基の例としては、限定するものではないが、エチニル(C2)、1−プロピニル(C3)、2−プロペニル(C3)、1−ブチニル(C4)、2−ブチニル(C4)などが挙げられる。C2〜6アルケニル基の例としては、ペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)などに加えて、前述のC2〜4アルキニル基が挙げられる。特に断りのない限り、アルキニル基のそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換アルキニル」)、または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある種の実施形態において、アルキニル基は、非置換C2〜6アルキニルである。ある種の実施形態において、アルキニル基は、置換C2〜6アルキニルである。
本明細書で使用される場合、「飽和または不飽和非環式炭化水素」は、1から20個の炭素原子および場合によって1つまたは複数の炭素−炭素二重または三重結合を有する、飽和または不飽和の直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す。ある種の実施形態において、炭化水素基は飽和である。一部の実施形態において、炭化水素基は不飽和であり、かつ1つまたは複数の炭素−炭素二重または三重結合を有する。一部の実施形態において、炭化水素基は、1〜10個の炭素原子を有する。ある種の実施形態において、炭化水素基は、1〜5個の炭素原子を有する。一部の実施形態において、炭化水素基は、1〜4個の炭素原子を有する。一部の実施形態において、炭化水素基は、1〜3個の炭素原子を有する。一部の実施形態において、炭化水素基は、1〜2個の炭素原子を有する。
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」は、非芳香族環系中に3から7個の環炭素原子およびゼロ個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基(「C3〜7カルボシクリル」)のラジカルを指す。一部の実施形態において、カルボシクリル基は、3から6個の環炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。一部の実施形態において、カルボシクリル基は、3から6個の環炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。例示的なC3〜7カルボシクリル基としては、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、シクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)などが挙げられるがこれらに限定されない。前述の例が例証するように、ある種の実施形態において、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(例えば、二環系(「二環カルボシクリル」)などの縮合、架橋またはスピロ環系を有する)のいずれかであり、かつ飽和であり得るか、または1つもしくは複数の炭素−炭素二重もしくは三重結合を含有し得る。「カルボシクリル」は、上で定義されたとおりのカルボシクリル環が、1つまたは複数のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており(ここで、結合点がカルボシクリル環上にある)、このような場合、炭素の数は、炭素環式環系中の炭素の数を継続して指定する。特に断りのない限り、カルボシクリル基のそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換カルボシクリル」)、または本明細書で記載されるとおりの1、2、3、4、もしくは5個の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある種の実施形態において、カルボシクリル基は、非置換C3〜10カルボシクリルである。ある種の実施形態において、カルボシクリル基は、置換C3〜10カルボシクリルである。
一部の実施形態において、「カルボシクリル」は、3から7個の環炭素原子を有する単環式飽和カルボシクリル基である(「C3〜7シクロアルキル」)。一部の実施形態において、シクロアルキル基は、3から6個の環炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。一部の実施形態において、シクロアルキル基は、5から6個の環炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)が挙げられる。C3〜6シクロアルキル基の例としては、前述のC5〜6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)が挙げられる。C3〜7シクロアルキルの例としては、シクロヘプチル(C7)に加えて、前述のC3〜6シクロアルキル基が挙げられる。特に断りのない限り、シクロアルキル基のそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換シクロアルキル」)、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある種の実施形態において、シクロアルキル基は、非置換C3〜7シクロアルキルである。ある種の実施形態において、シクロアルキル基は、置換C3〜7シクロアルキルである。
本明細書で使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「ヘテロシクリル」は、環炭素原子、ならびに1から4個の環ヘテロ原子(それぞれのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される)を有する3員から8員の非芳香族環系のラジカルを指す(「3〜8員ヘテロシクリル」)。1個または複数の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、結合点は、原子価が許容する場合、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)、または多環式(例えば、二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)などの縮合、架橋またはスピロ環系)のいずれかであり得、かつ飽和であり得るかまたは1つもしくは複数の炭素−炭素二重もしくは三重結合を含有し得る。ヘテロシクリル多環式環系は、一方または両方の環に1個または複数のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」は、上に定義されたとおりのヘテロシクリル環が、1個もしくは複数のカルボシクリル基と縮合している(ここで、結合点がカルボシクリルもしくはヘテロシクリル環上のいずれかにある)環系、または上に定義されたとおりのヘテロシクリル環が、1個もしくは複数のアリールもしくはヘテロアリール基と縮合している(ここで、結合点がヘテロシクリル環上にある)環系も含み、このような場合、環員の数は、ヘテロシクリル環系中の環員の数を継続して指定する。
一部の実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子、および1〜4個の環ヘテロ原子(それぞれのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される)を有する5〜8員非芳香族環系である(「5〜8員ヘテロシクリル」)。一部の実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子、および1〜4個の環ヘテロ原子(それぞれのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される)を有する5〜6員非芳香族環系である(「5〜6員ヘテロシクリル」)。一部の実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員のヘテロシクリルとしては、アジルジニル、オキシラニル、チオレニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリルとしては、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリルとしては、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル−2,5−ジオンが挙げられるがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリルとしては、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルが挙げられるがこれらに限定されない。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリルとしては、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルが挙げられるがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定するものではないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、トリアジナニルが挙げられるがこれに限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基としては、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基としては、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが挙げられるがこれらに限定されない。特に断りのない限り、ヘテロシクリルのそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換ヘテロシクリル」)、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある種の実施形態において、ヘテロシクリル基は、非置換3〜8員ヘテロシクリルである。ある種の実施形態において、ヘテロシクリル基は、置換3〜8員ヘテロシクリルである。
本明細書で使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「アリール」は、芳香族環系に与えられる6〜10個の環炭素原子およびゼロ個のヘテロ原子を有する単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)の4n+2芳香族環系(「C6〜10アリール」)のラジカルを指す。一部の実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例えば、フェニル)。一部の実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。「アリール」は、上で定義されたとおりのアリール環が、1個または複数のシクロアルキルまたはヘテロシクリル基と縮合している(ここで、結合のラジカルまたは点がアリール環上にある)環系も含み、このような場合、炭素原子の数は、アリール環系中の炭素原子の数を継続して指定する。特に断りのない限り、本明細書中で記載されるとおり、アリール基のそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換アリール」)、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある種の実施形態において、アリール基は、非置換C6〜10アリールである。ある種の実施形態において、アリール基は、置換C6〜10アリールである。
本明細書で使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、「ヘテロアリール」は、芳香族環系に与えられる4〜10個の環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜14員の単環式または多環式(例えば、二環式)4n+2芳香族環系のラジカルを指し、ここで、それぞれのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。1個または複数の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、結合点は、原子価が許容する場合、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール多環式環系は、一方または両方の環に1個または複数のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」は、上で定義されたとおりのヘテロアリール環が、1個または複数のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合している(ここで、結合点がヘテロアリール環上にある)環系を含み、このような場合、環員の数は、ヘテロアリール環系中の環員の数を継続して指定する。「ヘテロアリール」は、上に定義されたとおりのヘテロアリール環が、1個または複数のアリール基と縮合している(ここで、結合点がアリール環またはヘテロアリール環上のいずれかにある)環系も含み;このような場合、環員の数は、縮合多環式(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を指定する。1つの環がヘテロ原子を含有しない多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)の場合、結合点は、いずれかの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2−インドリル)またはヘテロ原子を含有しない環(例えば、5−インドリル)のいずれかの上にあることができる。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に与えられる環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員芳香族環系であり、ここで、それぞれのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に与えられる環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員芳香族環系であり、ここで、それぞれのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5〜8員ヘテロアリール」)。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に与えられる環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員芳香族環系であり、ここで、それぞれのヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5〜6員ヘテロアリール」)。一部の実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリールとしては、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが挙げられるがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリールとしては、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリールとしては、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリールとしては、テトラゾリルが挙げられるがこれに限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリールとしては、ピリジニルが挙げられるがこれに限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリールとしては、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられるがこれらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリールとしては、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリールとしては、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが挙げられるがこれらに限定されない。例示的な5,6−二環式ヘテロアリールとしては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるがこれらに限定されない。例示的な6,6−二環式ヘテロアリールとしては、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが挙げられるがこれらに限定されない。特に断りのない限り、ヘテロアリール基のそれぞれの場合は、独立して非置換である(「非置換ヘテロアリール」)、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある種の実施形態において、ヘテロアリール基は、非置換5〜10員ヘテロアリールである。ある種の実施形態において、ヘテロアリール基は、置換5〜10員ヘテロアリールである。
接尾辞「エン(−ene)」なしで称されるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ、かつ本明細書で定義されるとおりの、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールのモノラジカルを表し、ここで、モノラジカルは、1つの結合(例えば、1つの単結合または二重結合)によって親分子または別の基に直接結合している。本明細書で定義されるとおりのモノラジカル基は、場合によって置換されていてもよい。接尾辞「エン(−ene)」とともに称される基、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレンおよびヘテロアリーレン基は、それぞれ、かつ本明細書で定義されるとおりの、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールのジラジカルを表し、ここで、ジラジカルは、2個の基の間(例えば、親分子と別の基の間)にあり、かつ2つの結合(例えば、単結合または二重結合)によって2個の基に直接結合している。ジラジカル基は、場合によって置換されていてもよい。
本明細書で定義されるとおりの、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、場合によって置換されている(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル、「置換」もしくは「非置換」アルケニル、「置換」もしくは「非置換」アルキニル、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「非置換」アリールまたは「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「場合によって」という用語が先行するかしないかにかかわらず、「置換された」という用語は、基(例えば、炭素または窒素原子)上に存在する少なくとも1個の水素が、許容できる置換基、例えば、置換後に安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離(elimination)、または他の反応などによる変換を自発的に受けない化合物をもたらす置換基で置き換えられていることを意味する。特に断りのない限り、「置換」基は、基の1つまたは複数の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造における2以上の位置が置換されている場合、置換基は、それぞれの位置で同じであるかまたは異なるかのいずれかである。
本明細書で定義されるとおりの、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、場合によって置換されている(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル、「置換」もしくは「非置換」アルケニル、「置換」もしくは「非置換」アルキニル、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「非置換」アリールまたは「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「場合によって」という用語が先行するかしないかにかかわらず、「置換された」という用語は、基(例えば、炭素または窒素原子)上に存在する少なくとも1個の水素が、許容できる置換基、例えば、置換後に安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離、または他の反応などによる変換を自発的に受けない化合物をもたらす置換基で置き換えられていることを意味する。特に断りのない限り、「置換」基は、基の1つまたは複数の置換可能な位置(例えば、1位、2位、3位、4位、または5位)に置換基を有し、任意の所与の構造における1つより多い位置が置換されている場合、置換基は、それぞれの位置で同じであるかまたは異なるかのいずれかである。「置換された」という用語は、有機化合物の許容できる置換基のすべて(安定な化合物の形成をもたらす、本明細書で記載される置換基のいずれか)による置換を含むことが企図される。本発明は、安定な化合物に達するためにありとあらゆるこのような組合せを企図する。本発明において、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満たし、かつ安定な部分の形成をもたらす、本明細書で記載されるとおりの任意の適切な置換基を有してもよい。
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORaa、−ON(Rbb)2、−N(Rbb)2、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−CO2H、−CHO、−C(ORcc)2、−CO2Raa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−OC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−NRbbSO2Raa、−SO2N(Rbb)2、−SO2Raa、−SO2ORaa、−OSO2Raa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa)3、−OSi(Raa)3 −C(=S)N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)2Raa、−OP(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−P(=O)2N(Rbb)2、−OP(=O)2N(Rbb)2、−P(=O)(NRbb)2、−OP(=O)(NRbb)2、−NRbbP(=O)(ORcc)2、−NRbbP(=O)(NRbb)2、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3、−B(Raa)2、−B(ORcc)2、−BRaa(ORcc)、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールが挙げられるがこれらに限定されず、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で独立して置換されているか;
または炭素原子上の2個のジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccで置き換えられており;
Raaのそれぞれの場合は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから独立して選択されるか、または2個のRaa基は、連結されて、3〜8員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリール環を形成し、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で独立して置換されており;
Rbbのそれぞれの場合は、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)2N(Rcc)2、−P(=O)(NRcc)2、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから独立して選択されるか、または2個のRbb基は、連結されて、3〜8員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリール環を形成し、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で独立して置換されており;
Rccのそれぞれの場合は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから独立して選択されるか、または2個のRcc基は、連結されて、3〜8員ヘテロシクリルまたは5〜10員ヘテロアリールを形成し、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で独立して置換されており;
Rddのそれぞれの場合は、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORee、−ON(Rff)2、−N(Rff)2、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−CO2H、−C(=O)ORee、−OC(=O)Ree、−OC(=O)ORee、−C(=O)N(Rff)2、−OC(=O)N(Rff)2、−NRffC(=O)Ree、−NRffCO2Ree、−NRffC(=O)N(Rff)2、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff)2、−OC(=NRff)N(Rff)2、−NRffC(=NRff)N(Rff)2、−NRffSO2Ree、−SO2N(Rff)2、−SO2Ree、−SO2ORee、−OSO2Ree、−S(=O)Ree、−Si(Ree)3、−OSi(Ree)3、−C(=S)N(Rff)2、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)2Ree、−P(=O)(Ree)2、−OP(=O)(Ree)2、−OP(=O)(ORee)2、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから独立して選択され、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で独立して置換されているか、または2個のジェミナルRdd置換基は、連結されて、=Oまたは=Sを形成することができ;
Reeのそれぞれの場合は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから独立して選択され、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で独立して置換されており;
Rffのそれぞれの場合は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから独立して選択されるか、または2個のRff基は、連結されて、3〜8員ヘテロシクリルもしくは5〜10員ヘテロアリール環を形成し、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で独立して置換されており;ならびに
Rggのそれぞれの場合は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)2、−N(C1〜6アルキル)2、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−CO2H、−CO2(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO2(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH2、−C(=O)N(C1〜6アルキル)2、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO2(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)2、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH2、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)2、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH2、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)2、−OC(NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH2、−NHC(NH)N(C1〜6アルキル)2、−NHC(=NH)NH2、−NHSO2(C1〜6アルキル)、−SO2N(C1〜6アルキル)2、−SO2NH(C1〜6アルキル)、−SO2NH2、−SO2C1〜6アルキル、−SO2OC1〜6アルキル、−OSO2C1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜6アルキル)3、−OSi(C1〜6アルキル)3−C(=S)N(C1〜6アルキル)2、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH2、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)2(C1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)2、−OP(=O)(C1〜6アルキル)2、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)2、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールであるか、または2個のジェミナルRgg置換基は、連結されて、=Oもしくは=Sを形成することができる。
ある種の実施形態において、炭素原子の置換基は、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORaa、−N(Rbb)2、−SH、−SRaa、−C(=O)Raa、−CO2H、−CHO、−CO2Raa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−OC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−NRbbSO2Raa、−SO2N(Rbb)2、−SO2Raa、−SO2ORaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa)3、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7カルボシクリル、3〜8員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールからなる群から選択され、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で独立して置換されている。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」という用語は、基−OHを指す。拡張して、「置換ヒドロキシル」または「置換ヒドロキシ」という用語は、酸素原子が、例えば、−ORaa、−ON(Rbb)2、−OC(=O)Raa、−OC(=O)SRaa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OSi(Raa)3、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3、−OP(=O)2Raa、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−OP(=O)2N(Rbb)2、および−OP(=O)(NRbb)2、から選択された、水素以外の基で置換されているヒドロキシル基を指し、ここで、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書で定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、「チオール」または「チオ」という用語は、基−SHを指す。拡張して、「置換チオール」または「置換チオ」という用語は、硫黄原子が、水素以外の基で置換されているチオール基を指し、−SRaa、−S=SRcc、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、および−SC(=O)Raaから選択される基を含み、ここで、RaaおよびRccは、本明細書で定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、基−NH2を指す。
本明細書で使用される場合、「置換アミノ」という用語は、本明細書で定義されるとおりの、一置換、二置換、または三置換アミノ基を指す。
本明細書で使用される場合、「一置換アミノ」という用語は、1個の水素、および水素以外の1個の基で置換されたアミノ基を指し、−NH(Rbb)、−NHC(=O)Raa、−NHCO2Raa、−NHC(=O)N(Rbb)2、−NHC(=NRbb)N(Rbb)2、−NHSO2Raa、−NHP(=O)(ORcc)2、および−NHP(=O)(NRbb)2から選択される基を含み、ここで、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されるとおりであり、基−NH(Rbb)のRbbは、水素でない。
本明細書で使用される場合、「二置換アミノ」という用語は、水素以外の2個の基で置換されたアミノ基を指し、−N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、−NRbbSO2Raa、−NRbbP(=O)(ORcc)2、および−NRbbP(=O)(NRbb)2から選択される基を含み、ここで、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書で定義されるとおりであるが、但し、親分子に直接結合した窒素原子は、水素で置換されていないことを条件とする。
本明細書で使用される場合、「スルホニル」という用語は、−S(=O)2OH、−S(=O)2N(Rbb)2、−S(=O)2Raa、および−S(=O)2ORaaから選択される基を指し、ここで、RaaおよびRbbは、本明細書で定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、「スルフィニル」という用語は、−S(=O)OHおよび−S(=O)Raaを指し、ここで、Raaは、本明細書で定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、「カルボニル」という用語は、親分子に直接結合した炭素が、sp2混成であり、かつ酸素、窒素または硫黄原子で置換されている基、例えば、ケトン(−C(=O)Raa)、カルボン酸(−CO2H)、アルデヒド(−CHO)、エステル(−CO2Raa、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa)、アミド(−C(=O)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−C(=S)N(Rbb)2)、およびイミン(−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa)、−C(=NRbb)N(Rbb)2)から選択される基を指し、ここで、RaaおよびRbbは、本明細書で定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、「シリル」という用語は、基−Si(Raa)3を指し、ここで、Raaは、本明細書で定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、「ボロニル」という用語は、ボラン、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボリン酸、およびボリン酸エステル、例えば、式−B(Raa)2、−B(ORcc)2、および−BRaa(ORcc)のボロニル基を指し、ここで、RaaおよびRccは、本明細書で定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、「ホスフィノ」という用語は、基−P(Rcc)3を指し、ここで、Rccは、本明細書で定義されるとおりである。例示的なホスフィノ基は、トリフェニルホスフィンである。
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
本明細書で使用される場合、「ニトロ」は、基−NO2を指す。
本明細書で使用される場合、「シアノ」は、基−CNを指す。
本明細書で使用される場合、「アジド」は、基−N3を指す。
本明細書で使用される場合、「オキソ」は、基=Oを指す。
窒素原子は、原子価が許容する場合、置換されるかまたは非置換であることができ、第一級、第二級、第三級、および第四級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基としては、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)2N(Rcc)2、−P(=O)(NRcc)2、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールが挙げられるがこれらに限定されず、またはN原子に結合した2個のRcc基は、連結されて、3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、もしくは5個のRdd基で独立して置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上記で定義されるとおりである。
ある種の実施形態において、窒素原子上に存在する置換基は、「アミノ保護基」である。アミノ保護基としては、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基が挙げられるがこれらに限定されず、ここで、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で独立して置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、本明細書で定義されるとおりである。アミノ保護基は、当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、第3版、John Wiley & Sons、1999年に詳細に記載されたものを含む。
例えば、アミド基などのアミノ保護基(例えば、−C(=O)Raa)としては、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンアミド(nitrocinnamide)、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミドおよびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが挙げられるがこれらに限定されない。
カルバメート基などのアミノ保護基(例えば、−C(=O)ORaa)としては、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンズイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート(isoborynl carbamate)、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバメートが挙げられるがこれらに限定されない。
スルホンアミド基などのアミノ保護基(例えば、−S(O)2Raa)としては、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドが挙げられるがこれらに限定されない。
他のアミノ保護基としては、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロオリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が挙げられるがこれらに限定されない。
ある種の実施形態において、酸素原子上に存在する置換基は、「酸素保護基」である。酸素保護基としては、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)Raa、−C(=O)ORaa、−C(=O)SRaa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3、−P(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)2N(Rbb)2、および−P(=O)(NRbb)2、が挙げられるがこれらに限定されず、ここで、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書で定義されるとおりである。酸素保護基は、当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、第3版、John Wiley & Sons、1999年に詳細に記載されたものを含む。
例示的な酸素保護基としては、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、メチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、エチルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、イソブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、p−ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p−メトキシベンジルカーボネート、3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、o−ニトロベンジルカーボネート、p−ニトロベンジルカーボネート、S−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、N,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、N−フェニルカルバメート、ジメチルホスフィノチオイル、2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、およびトシレート(Ts)が挙げられるがこれらに限定されない。1,2−または1,3−ジオールを保護するために、保護基としては、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリジンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カーボネート、環状ボロネート、エチルボロネート、およびフェニルボロネートが挙げられるがこれらに限定されない。
ある種の実施形態において、硫黄原子上の存在する置換基は、硫黄保護基(チオール保護基とも称される)である。硫黄保護基としては、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3、−P(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)2N(Rbb)2、および−P(=O)(NRbb)2、が挙げられるがこれらに限定されず、ここで、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書で定義されるとおりである。硫黄保護基は、当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、第3版、John Wiley & Sons、1999年に詳細に記載されたものを含む。
これらのおよび他の例示的な置換基は、詳細な説明、実施例および特許請求の範囲においてより詳細に説明される。本発明は、置換基の上記の例示的なリストによって限定されることは決して意図されない。
本明細書で使用される場合、「塩」、「許容される塩」、または「薬学的に許容される塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応などがなくヒトおよび下等動物の組織と接触した使用に適しており、かつ妥当な利益/リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences(1977年)66巻:1〜19頁に薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、適切な無機および有機の酸および塩基に由来するものを含む。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸と、あるいはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を用いることによって形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN+(C1〜4アルキル)4の塩が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成される非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、生物学的な条件(例えば、インビトロまたはインビボ酵素条件)下で加水分解、酸化、または別様に反応して、薬理学的に活性な化合物を与え得る化合物を意味する。特定の事例では、プロドラッグは、親化合物を上回って改善された物理的および/または送達特性を有する。プロドラッグは、典型的には親化合物に関連した、薬理学的、薬学的および/または薬物動態学的に基づく特性を増強するように設計される。プロドラッグの利点は、親化合物と比較して生理学的pHにおける非経口投与のための増強された水溶解性などの、その物理的特性にあり得るか、またはプロドラッグは、消化管からの吸収を増強するか、またはプロドラッグは、長期貯蔵の薬剤安定性を増強し得る。
他の定義
「疾患」、「障害」、および「状態」は、本明細書で同義的に使用される。
本明細書で使用される場合、投与が企図される「個体」または「被験体」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児の被験体(例えば、子ども、青年)または成人の被験体(例えば、若い成人、中年の成人または高齢の成人)、他の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)ならびに商業的に関連した哺乳動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、および/またはイヌが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の任意の態様および/または実施形態において、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用される場合、「局部投与」または「局部的に投与する」または「局部効果」は、活性成分またはその活性代謝産物を、前記活性物質がその作用を発揮することが意図される身体、組織、または病変の部分への直接、または近接した投与/適用を意味する。これは、例えば、皮膚の部分への局所投与を含み得る。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「局所投与」または「局所」は、例えば、非侵襲的に皮膚の表面に適用することを意味する。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、化合物の「治療有効量」、「十分な量(an amount sufficient)」または「十分量(sufficient amount)」は、疾患、障害または状態を処置するために、または身体もしくは処置された組織に有意なマイナスのもしくは不利な副作用を引き起こすことなく、被験体の身体の特定のパラメータ(例えば、体脂肪)を減少もしくは低下させるために必要とされる化合物のレベル、量または濃度を意味する。「治療有効量」という用語は、全体的な治療を改善し、疾患もしくは状態の症状もしくは原因を減少させもしくは回避し、または別の治療的に活性な薬剤の治療効力を増強する量を包含し得る。
本明細書で使用される場合、「減少させる(reduce)」、「減少(reduction)」、「減少させる(reducing)」、「低下させる(lower)」、または「低下させる(lowering)」という用語は、被験体の身体における物質(例えば、体脂肪、脂肪組織)の体積、大きさ、質量、容積(bulk)、密度、量(amount)、および/または分量(quantity)を縮小する(diminish)または少なくする(lessen)ことを意味する。
本明細書で使用される場合、「排除する(eliminate)」という用語は、被験体の身体における物質(例えば、過剰な体脂肪、過剰な脂肪組織)の何らかの不要な、または望まれていない体積、大きさ、質量、容積、密度、量、および/または分量を完全に除去することを意味する。
本明細書で使用される場合、「罹る(suffer)」、「罹る(suffers)」または「に罹っている(suffering from)」は、特定の疾患または状態と診断された被験体を指す。本明細書で使用される場合、「罹る恐れがある(likely
to suffer)」は、医師により特定の疾患または状態と診断されていないが、素因(例えば、遺伝的および/または生理的素因)を有するか、または疾患もしくは状態の徴候もしくは症状を示す被験体を指す。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「処置する(treat)」、「処置する(treating)」および「処置(treatment)」という用語は、被験体が特定の疾患または状態に罹っている間に起こり、疾患もしくは状態の重症度を軽減するか、または疾患もしくは状態の進行を遅延させる(retard)もしくは遅くさせる(slow)作用を企図する。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」および「予防(prevention)」という用語は、被験体が特定の疾患または状態に罹り始める前に起こり、疾患または状態の重症度を抑制または軽減する作用を企図する。
処置および予防が企図される状態は、医学的状態または美容状態として、さらに分類することができる。本明細書で使用される「医学的状態」とは、身体に影響を及ぼす異常な状態を指す。本明細書で使用される「美容状態」とは、身体の外見に影響を及ぼす、医学的状態以外の状態を指す。美容状態は、例えば、加齢、妊娠、思春期などの身体における正常な過程、および太陽もしくは要素への曝露により、または健常な個体において見られる遺伝的な顔部の特徴もしくは体形などの身体の正常な特徴により起こり得る。様々な医学的状態および美容状態が、本明細書で記載されている、「美容法」とは、例えば、被験体の身体またはその一部の美化のために、被験体における美容状態を改善するよう意図されている方法または手順を指し、こうした目的に有用な「美容用組成物」が企図される。「治療法」とは、医学的状態を処置もしくは予防するよう意図されている方法または手順を指し、こうした目的に有用な「医薬組成物」が企図される。しかし、治療的および予防的目的に有用な医薬組成物が企図され、また美容目的に有用な美容用組成物が企図されるが、該組成物の使用に関すると、これら2種の組成物間に重複がある。例えば、美化目的に有用な医薬組成物も企図される。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「過剰のオトガイ下脂肪」は、例えば、輪状軟骨の下縁のレベルまでの、オトガイ、顎の下側、および前頚部を含めた身体領域上の過剰の脂肪を意味する。
本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、「眼瞼脂肪」とは、眼瞼および/または眼窩周囲組織の過剰脂肪を特徴とする状態を指す。この過剰脂肪は、眼窩内脂肪または眼窩周囲脂肪の脱出に起因する可能性がある。眼瞼脂肪は、下眼瞼もしくは上眼瞼、またはそれら両方に起こり得る。眼瞼脂肪は、「眼の下のたるみ」の原因とみなすことができる。
過剰の脂肪の存在、量または重症度は、例えば、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影法、生検または皮脂厚計(skin caliper)により客観的に、または場合によって、写真数値化尺度、言葉による尺度、すなわち言語尺度、または分類システム、例えば5段階重症度尺度を参照して、臨床医、患者または他の観察者により主観的に評価することができる。
本発明のある種の実施形態の詳細な説明
本発明は、皮膚に局所適用した場合、治療有効量のプロスタグランジンFP受容体アゴニスト(PFPRA化合物)、例えば、プロスタグランジンF2α類似体、例えばラタノプロストまたはタフルプロストを皮下脂肪に送達する、安定で、製造可能で、十分に耐容性があり、見た目に美しい、新規な組成物に関する。より詳細には、本発明は、PFPRA化合物および脂肪酸エステル、例えばミリスチン酸イソプロピルを含む、PFPRA化合物を皮下脂肪に送達するための組成物に関する。本製剤は、皮下脂肪の局部減少、および本明細書で記載されている他の治療的使用に有用である。本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に投与するステップを含む、体脂肪を局部減少させるための方法にも関する。本発明はまた、例えば、無菌法で1種または複数の本発明の組成物を製造する方法であって、これにより、該組成物が、無菌であり、内毒素不含であり、かつ眼科上適合可能であり、したがって眼瞼または眼の近くの使用に適する、方法にも関する。本発明の製剤の特定の利点は、顔部および/または眼窩周囲の皮膚上への適用に関する適合性である。
本明細書で記載されているとおり、皮下脂肪にPFPRA化合物を送達するための組成物を選択または改善するための、利用可能な論理的枠組みは本発明者らにはなかった。むしろ、本発明者らは、様々な濃度、および様々な組合せにおいて、様々な製剤の構成成分を用いて、インビトロとインビボの両方の、幅広い範囲の条件を試験することが必要であることを見出した。この試験により、組成物中に脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)を含ませると、例えば、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、エタノール、モノオレイン酸グリセロール、ヒドロキシプロピルセルロース、乳酸ラウリル、ラウリル酸メチル、オレイルアルコール、ポリソルベート80、プロピレングリコールおよびそれらの組合せの使用に比べて、PFPRA化合物の送達および皮下脂肪の減少に対して、極めて優れた性能をもたらすという発見に至った。
いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)とPFPRAとを組み合わせることによりもたらされる特別な特性は、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)とPFPRA化合物との間のある種の類似性、すなわち類似構造および類似極性に起因する可能性がある。例えば、ラタノプロスト(実施例1〜3を参照)およびミリスチン酸イソプロピルは、どちらも、親酸が類似の鎖長(ミリスチン酸イソプロピルは、脂質尾部中に13個の脂肪族炭素がある。ラタノプロストは、シクロペンチル環の環化している炭素9〜11を計算に含まない場合、13個の脂肪族炭素がある)を含む、イソプロピルエステルである。図1に示されているとおり、それらのエネルギー最小化3次元立体構造において、両方の化合物が概ね線状であり、類似した長さをしている。さらに、この構造的な仮定に従うと、不飽和分子の構造的ねじれは、リン脂質二重層の密充填を妨げることが知られており、これにより浸透が改善され得るので、ラタノプロストの5−シス二重結合(同様に、他のほとんどのPFPRA化合物に存在している)がミリスチン酸イソプロピルの浸透特徴へのある種の改善に役立ち得るという点で、ラタノプロストそれ自体が本文脈において、浸透促進剤として働き得る。
一部の実施形態において、本組成物は、5−シス二重結合を有するPFPRA化合物を含む。一部の実施形態において、本組成物は、PRPRA化合物エステルおよび脂肪酸エステルを含み、両方のエステルは、同じエーテル(−ORFA1)部分を含む。一部の実施形態において、本組成物は、PRPRA化合物エステルおよび脂肪酸エステルを含み、両方のエステルは、類似鎖長の脂肪族尾部(RFA2)を含む。
一部の実施形態において、本組成物は、ミリスチン酸イソプロピルを含む。一部の実施形態において、本組成物は、ミリスチン酸イソプロピル、および1種または複数の追加の様々な、例えば以下の式の脂肪酸エステルを含み、該エステル(RFA1)のエーテル部分は、場合によって置換されているC1〜C6アルキルであり、該エステル(RFA2)の脂肪族部分は、場合によって置換されているC10〜C20アルキルまたは場合によって置換されているC10〜C20アルケニルであり、かつこの追加の様々な脂肪酸エステルはミリスチン酸イソプロピルではない。上の理論によれば、例えば、本組成物が、以下の式の脂肪酸エステルを含むよう、ミリスチン酸イソプロピル以外の様々な脂肪酸エステルが本組成物に使用することができ、該エステル(RFA1)のエーテル部分は、場合によって置換されているC1〜C6アルキルであり、該エステル(RFA2)の脂肪族部分は、場合によって置換されているC10〜C20アルキルまたは場合によって置換されているC10〜C20アルケニルであり、但し、本組成物はミリスチン酸イソプロピルを含まないものとすることが理解される。あるいは、一部の実施形態において、ミリスチン酸イソプロピルは、様々な脂肪酸エステルで置き換えることはできない。一部の実施形態において、本組成物は、ミリスチン酸イソプロピルを含み、1種または複数の追加的な様々な脂肪酸エステルを含まない。
ある種の実施形態において、RFA1は、場合によって置換されているC1〜5アルキル、C1〜4アルキル、C1〜3アルキル、C1〜2アルキル、C2〜6アルキル、C2〜5アルキル、C2〜4アルキル、C2〜3アルキル、C3〜6アルキル、C3〜5アルキル、C3〜4アルキル、C4〜6アルキル、C4〜5アルキル、またはC5〜6アルキルである。ある種の実施形態において、RFA1は、分岐アルキル基、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、またはネオペンチルである。ある種の実施形態において、RFA1は、非分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、またはn−ヘキシルである。ある種の実施形態において、RFA1は、非置換アルキル基であり、すなわち炭素原子および水素原子しか含まない。ある種の実施形態において、RFA1は、置換アルキル基であり、例えばハロゲン原子により置換されている。
ある種の実施形態において、RFA2は、場合によって置換されているC10〜C19アルキル、C10〜C18アルキル、C10〜C17アルキル、C10〜C16アルキル、C10〜C15アルキル、C10〜C14アルキル、C10〜C13アルキル、C11〜C20アルキル、C11〜C19アルキル、C11〜C18アルキル、C11〜C17アルキル、C11〜C16アルキル、C11〜C15アルキル、C11〜C14アルキル、C11〜C13アルキル、C12〜C19アルキル、C12〜C18アルキル、C12〜C17アルキル、C12〜C16アルキル、C12〜C15アルキル、C12〜C14アルキル、C12〜C13アルキル、C13〜C20アルキル、C13〜C19アルキル、C13〜C18アルキル、C13〜C17アルキル、C13〜C16アルキル、C13〜C15アルキル、C13〜C14アルキル、C14〜C20アルキル、C14〜C19アルキル、C14〜C18アルキル、C14〜C17アルキル、C14〜C16アルキル、C14〜C15アルキル、C15〜C20アルキル、C15〜C19アルキル、C15〜C18アルキル、C15〜C17アルキル、またはC15〜C16アルキルである。ある種の実施形態において、RFA2は、直鎖(非分岐)アルキル基である。ある種の実施形態において、RFA2は、非置換アルキル基であり、すなわち炭素原子および水素原子しか含まない。ある種の実施形態において、RFA2は、置換アルキル基であり、例えばハロゲン原子により置換されている。
ある種の実施形態において、RFA2は、場合によって置換されているC10〜C19アルケニル、C10〜C18アルケニル、C10〜C17アルケニル、C10〜C16アルケニル、C10〜C15アルケニル、C10〜C14アルケニル、C10〜C13アルケニル、C11〜C20アルケニル、C11〜C19アルケニル、C11〜C18アルケニル、C11〜C17アルケニル、C11〜C16アルケニル、C11〜C15アルケニル、C11〜C14アルケニル、C11〜C13アルケニル、C12〜C19アルケニル、C12〜C18アルケニル、C12〜C17アルケニル、C12〜C16アルケニル、C12〜C15アルケニル、C12〜C14アルケニル、C12〜C13アルケニル、C13〜C20アルケニル、C13〜C19アルケニル、C13〜C18アルケニル、C13〜C17アルケニル、C13〜C16アルケニル、C13〜C15アルケニル、C13〜C14アルケニル、C14〜C20アルケニル、C14〜C19アルケニル、C14〜C18アルケニル、C14〜C17アルケニル、C14〜C16アルケニル、C14〜C15アルケニル、C15〜C20アルケニル、C15〜C19アルケニル、C15〜C18アルケニル、C15〜C17アルケニル、C15〜C16アルケニルである。ある種の実施形態において、RFA2は、非分岐アルケニル基である。ある種の実施形態において、RFA2は、非置換アルケニル基であり、すなわち炭素原子および水素原子しか含まない。ある種の実施形態において、RFA2は、置換アルケニル基であり、例えばハロゲン原子により置換されている。ある種の実施形態において、RFA2は、それぞれ独立してシスまたはトランスの、1つ、2つ、3つまたは4つの二重結合を含む、アルケニル基である。
ある種の実施形態において、RFA2は、以下の飽和または不飽和脂肪アシル部分
のいずれか1つから選択される。
ある種の実施形態において、RFA1およびRFA2の炭素数を含む、脂肪酸エステル中の総炭素原子数は、15から19の間(両端含む)、すなわち、15個、16個、17個、18個または19個の炭素原子を合計で含む。
一部の実施形態において、脂肪酸エステル中の総炭素数は、PFPRA化合物の脂肪族鎖長に近づくよう、選択される。例えば、ある種の実施形態において、PRPRA化合物は、PFPRA化合物の脂肪族鎖とエステル部分との合計が同じ総炭素原子数、すなわち合計で15個、16個、17個、18個または19個の炭素原子数を有する。
一部の実施形態において、脂肪酸エステルは、その予測長(例えば、分子モデリングにより)が、PFPRA化合物の予想長に類似するように(例えば、±3Å以内)選択される。例えば、ミリスチン酸イソプロピルは、約20Åの予測長(2個の最も離れた重原子間)を有しており、これは、ラタノプロストおよびタフルプロストの場合、約18Å、ビマトプロストの場合、約19Å、トラボプロストの場合、約20Åの長さと遜色がない。一部の実施形態において、この予測長は、エネルギー最小化立体構造におけるものである。一部の実施形態において、この予測長は、立体構造のものであり、これにより、自由回転結合が、最大長をもたらすよう、回転する。
ある種の実施形態において、本組成物はさらに、軟膏基剤を含む。本明細書で使用される場合、軟膏は均質であり、粘性があり、半固体の調製物であり、中程度から高度の粘度を有する、脂肪性の軟膏基剤を含み、すなわち、皮膚への局所適用が意図されている。例示的な軟膏基剤としては、以下に限定されないが、炭化水素基剤/ワックス(例えば、植物性および動物性ワックス(例えば、ビーワックス、ラノリン、カルナウバワックス)、石油由来ワックス(例えば、硬質パラフィンワックスまたは軟質パラフィンワックス、すなわちワセリン)、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、ホワイトワックス、イエローワックス、およびセチルエステルワックス)が挙げられる。ある種の実施形態において、軟膏基剤は、炭化水素基剤、例えば軟質パラフィンワックス、例えばワセリンである。ワセリン(ペトロラタム、ホワイトペトロラタム、軟質パラフィン、または多成分炭化水素(multi−hydrocarbon)としても公知である)は、主に25個(通常、25〜40個など、25〜35個など、通常25〜50個)より多い炭素数を有する、1種または複数の飽和炭化水素を通常含む(または、それからなる)半固体調製物である。ワセリンは約280℃〜約320℃、好ましくは約300℃などの約250℃〜約350℃の沸点、および通常、約36℃〜約60℃の融点を有する。ある種の実施形態において、ワセリンは、無菌形態で得られるか、または組成物の製造前に、滅菌される。ある種の実施形態において、ワセリンは、純粋な超白色のワセリンである。
一部の実施形態において、本組成物はさらに、有機アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、またはプロピレングリコールを含む。ある種の実施形態において、有機アルコールは、プロピレングリコールである。しかし、ある種の実施形態において、1,3−ブタンジオールは除外される。
臨床的実施では、皮膚を通過する化合物の局所送達は、通常、受動拡散の原理に依存する。この原理は、化合物が、より高い熱力学的ポテンシャル領域からより低い熱力学的ポテンシャル領域のみに流れ得ることを決定づける。ビヒクルにより堅固に保持される溶質は、わずかな拡散を示すか、または拡散しないことを示すであろう。したがって、当業者は、PFPRA化合物(これは、油溶性化合物である)は、油性ビヒクルからよりも水性ビヒクルからの方がよく浸透するであろうと予期する(例えば、Barrett CW、Skin penetration. J. Soc. Cosmetic Chemists 1969年、20巻、487〜499頁を参照されたい)。これまで、局所使用向けPFPRA化合物の製剤は、臨床使用向けの好ましい担体として繰り返し選択されてきた水またはエタノールを有するので、この理論は、実際に裏付けられたものである。例えば、Xalatan(登録商標)、Travatan(登録商標)、Lumigan(登録商標)およびZioptan(登録商標)に関する処方添付文書を参照されたい。Blume−Peytavi Uら、A randomized double−blind placebo−controlled pilot study to assess the efficacy of a 24−week topical treatment by latanoprost 0.1% on hair growth and pigmentation in healthy volunteers with androgenetic alopecia、J Am Acad Dermatol 2012年、66巻、794〜800頁も参照されたい。したがって、本発明の別の予想外の態様は、本明細書で開示されているとおり、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)および軟膏基剤、例えばワセリンなどの炭化水素基剤を用いて製剤化された、PFPRA化合物を含む組成物は、他の一連のビヒクルよりも効率的にPFPRA化合物を送達するということである。ある種の実施形態において、本組成物は、有機アルコールなどの、水性または水溶性構成成分を含まない。しかし、ある種の実施形態において、本組成物は、有機アルコール、例えば、プロピレングリコールを含み、ある種の実施形態において、本組成物は、50重量%以下の有機アルコールを含む。ある種の実施形態において、本組成物は疎水性であり、例えば、本組成物は水と混和しない。ある種の実施形態において、本組成物は、エマルションでなはい。ある種の実施形態において、本組成物は、鉱物油を含有しない。
PFPRA化合物
本明細書で使用される場合、「PFPRA化合物」は、治療上関連性のある、天然または合成プロスタグランジンまたはプロスタグランジン類似体のいずれかとすることができ、但し、それまたはその活性代謝産物(例えば、エステルの場合、親酸)は、適切な機能アッセイにおいて、プロスタグランジンFP受容体を好適にアゴナイズするものとする。本明細書で使用される場合、好適なアゴニスト作用の程度は、例えば、1マイクロモル濃度またはそれ未満、好ましくは100ナノモル濃度またはそれ未満の半数効果濃度(EC50)として定義することができる。適切な機能アッセイは、例えば、クローン化したFPプロスタグランジン受容体を発現する、HEK293細胞におけるイノシトールリン脂質代謝回転の評価とすることができる。例えば、Sharifら、J. Ocular Pharmacol. Ther. 2002年、18巻、313〜324頁を参照されたい。多くのPFPRA化合物は、プロスタグランジン、プロスタノイド、またはプロスタミドとして分類することができる。天然プロスタグランジンは、アラキドン酸から酵素により誘導される、構造的に関連性があるエイコサノイドホルモンのクラスである。天然プロスタグランジンPFPRA化合物の一例は、プロスタグランジンF2αである。プロスタグランジンF2α類似体である、例示的な合成プロスタグランジンとしては、以下に限定されないが、ラタノプロスト、ラタノプロスト遊離酸、ビマトプロスト、ビマトプロスト遊離酸、タフルプロスト、タフルプロスト遊離酸、トラボプロスト、トラボプロスト遊離酸(フルプロステノールとしても公知である)、およびそれらのプロドラッグ(例えば、9−、11−および/または15−エステル誘導体)が挙げられる。
ある種の実施形態において、PFPRA化合物は式(I)または(II)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体(isotopically enriched derivative)、もしくはプロドラッグであり、
式中、
Lは、式
であり、
は、それぞれ出現ごとに独立して、単結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し、
Aは、場合によって置換されているC1〜10アルキレン、場合によって置換されているC2〜10アルケニレン、または場合によって置換されているC2〜10アルキニレンであり、ここでアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基は、1個または複数の−O−または−S−基により場合によって分断されており、
Bは、水素、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリール、場合によって置換されているC6〜10アリール、場合によって置換されているC1〜30アルキル、場合によって置換されているC2〜30アルケニル、または場合によって置換されているC2〜30アルキニルであり、
Xは、−OR4、−SR4、または−N(R4)2であり、ここで、R4は、それぞれ出現ごとに独立して、水素、場合によって置換されているC1〜30アルキル、場合によって置換されているC2〜30アルケニル、場合によって置換されているC2〜30アルキニル、−C(=O)R5、または−C(=O)OR5であり、ここで、R5は、場合によって置換されているC1〜30アルキル、場合によって置換されているC2〜30アルケニル、または場合によって置換されているC2〜30アルキニルであるか、または2個のR4基は、連結されて、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリルまたは場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリール環を形成し、
Zは、=O、=S、または=NRZであり、ここで、RZは、水素、アミノ保護基、−OH、置換ヒドロキシル、場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、場合によって置換されているC2〜10アルキニル、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、またはZは、2個の水素原子を表し、
式(I)の化合物に関すると、R1とR2の一方は、=O、−OH、または−O(CO)R6基であり、他方は、−OHまたは−O(CO)R6であるか、またはR1は=Oであり、R2はHであり、ここで、R6は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR7であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R7は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールであり、
式(II)の化合物に関すると、R1は、=O、−OH、または−O(CO)R6であり、ここで、R6は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR7であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R7は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールである。
ある種の実施形態において、式(I)の環内の点線(すなわち、5員環に図示されている)は、それぞれ、単結合を表す。
例えば、式(I)の環内の点線がそれぞれ単結合を表す、ある種の実施形態において、以下の立体化学
のいずれか1つを有する化合物、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、またはプロドラッグであり、式中、
R1、R2、A、B、ZおよびXは、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、式(I)もしくは(II)の環外の点線
(すなわち、5員環の外側に図示されている)またはその部分集合は、シスまたはトランス配置にある二重結合を表す。ある種の実施形態において、この環外の点線
は、シス配置の二重結合を表す。
ある種の実施形態において、
は、それぞれ出現ごとに独立して、単結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表す。
上で一般に定義したとおり、R1とR2の一方は、=O、−OH、または−O(CO)R6基であり、他方は、−OHまたは−O(CO)R6であるか、またはR1は=Oであり、R2はHであり、ここで、R6は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR7であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R7は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールである。
ある種の実施形態において、R1は=Oであり、R2はHである。
ある種の実施形態において、R1とR2の一方は、−OH、置換ヒドロキシル、または−O(CO)R6であり、他方は、−OH、置換ヒドロキシルまたは−O(CO)R6である。
ある種の実施形態において、R1とR2のどちらも−OHである。
ある種の実施形態において、R1とR2の一方は、−OHであり、他方は、−O(CO)R6である。ある種の実施形態において、R1は−OHであり、R2は−O(CO)R6である。ある種の実施形態において、R2は−OHであり、R1は−O(CO)R6である。ある種の実施形態において、R6は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、例えば、場合によって置換されているC1〜15アルキル、場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC1〜8アルキル、場合によって置換されているC1〜6アルキル、場合によって置換されているC1〜5アルキル、場合によって置換されているC1〜4アルキル、場合によって置換されているC1〜3アルキル、または場合によって置換されているC1〜2アルキルである。ある種の実施形態において、R6は、−(CH2)rCH3(rは、0、1、2、3、4、5または6である)、−CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、または−C(CH3)3である。
上で一般に定義されているとおり、Aは、場合によって置換されているC1〜10アルキレン、場合によって置換されているC2〜10アルケニレン、または場合によって置換されているC2〜10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルキニレンまたはアルキニレン基は、1個または複数の−O−または−S−基により場合によって分断されている。
ある種の実施形態において、Aは、場合によって置換されているC1〜10アルキレン、場合によって置換されているC2〜10アルケニレン、または場合によって置換されているC2〜10アルキニレンであり、ここで、アルキレン、アルキニレンまたはアルキニレン基は1個の−O−基により場合によって分断されている。
ある種の実施形態において、Aは、場合によって置換されているC4〜6アルキレン、場合によって置換されているC4〜6アルケニレン、または場合によって置換されているC4〜6アルキニレンであり、ここでアルキレン、アルキニレンまたはアルキニレン基は1個の−O−基により場合によって分断されている。
ある種の実施形態において、Aは、1個の−O−基により場合によって分断されている、場合によって置換されているC4〜6アルキレンである。ある種の実施形態において、Aは、1個の−O−基により場合によって分断されている、場合によって置換されているC4〜6アルケニレンである。ある種の実施形態において、Aは、1個の−O−基により場合によって分断されている、場合によって置換されているC4〜6アルキニレンである。
ある種の実施形態において、Aは、ハロゲン、−OH、置換ヒドロキシル、または−O(CO)R8からなる群から選択される1個または複数の基で置換されており、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、および場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールである。
ある種の実施形態において、Aは=Oで置換されている。
ある種の実施形態において、Aは−OC(=O)R8で置換されており、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールである。
ある種の実施形態において、Aは−OHまたは置換ヒドロキシルで置換されている。
ある種の実施形態において、Aは置換ヒドロキシルで置換されている。
ある種の実施形態において、Aは−OHで置換されている。
ある種の実施形態において、Aは、式(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)
であり、
式中、
は、それぞれ出現ごとに独立して、単結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し、
R3およびR3’は、それぞれ出現ごとに、水素、ハロゲン、−OH、置換ヒドロキシル、または−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリールもしくは場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールであるか、またはR3とR3’は連結されて=Oを形成し、
Gは、−O−または−S−であり、
yは、0、1または2であり、
xは、0または1である。
ある種の実施形態において、Gは−O−である。ある種の実施形態において、Gは−S−である。
ある種の実施形態において、
式(i)、(ii)または(iii)の
は、シス配置の二重結合を表す。
ある種の実施形態において、
式(i)、(ii)または(iii)の
は、トランス配置の二重結合を表す。
ある種の実施形態において、式(i)の基は、以下の式
ある。
ある種の実施形態において、式(ii)の基は、以下の式
である。
ある種の実施形態において、式(i)、(ii)または(iii)の
は、単結合を表す。
ある種の実施形態において、式(i)の基は、以下の式
である。
ある種の実施形態において、式(ii)の基は、以下の式
である。
上で一般に定義されているとおり、R3およびR3’は、それぞれ出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、−OH、置換ヒドロキシル、または−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリールもしくは場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールであるか、またはR3とR3’は、連結されて=Oを形成する。
ある種の実施形態において、R3は水素である。ある種の実施形態において、R3’は水素である。ある種の実施形態において、R3は水素であり、R3’は非水素基である。ある種の実施形態において、R3’は水素であり、R3は非水素基である。しかし、ある種の実施形態において、R3とR3’のどちらも水素ではない。
ある種の実施形態において、R3とR3’は連結されて=Oを形成する。
ある種の実施形態において、R3とR3’は同じ基である。ある種の実施形態において、R3とR3’は異なる基である。
ある種の実施形態において、R3は、−OH、置換ヒドロキシルまたは−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1〜10(両端含む)の間の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールである。ある種の実施形態において、R3は−O(CO)R8である。ある種の実施形態において、R3は−O(CO)R8であり、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、例えば、場合によって置換されているC1〜15アルキル、場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC1〜8アルキル、場合によって置換されているC1〜6アルキル、場合によって置換されているC1〜5アルキル、場合によって置換されているC1〜4アルキル、場合によって置換されているC1〜3アルキル、または場合によって置換されているC1〜2アルキルである。ある種の実施形態において、R3は−O(CO)R8であり、R8は−(CH2)qCH3(qは、0、1、2、3、4、5または6である)、−CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、または−C(CH3)3である。ある種の実施形態において、R3は−OHまたは置換ヒドロキシルである。ある種の実施形態において、R3は置換ヒドロキシルである。ある種の実施形態において、R3は−OHである。
ある種の実施形態において、R3’は、−OH、置換ヒドロキシルまたは−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1から10(両端含む)の間の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールである。ある種の実施形態において、R3’は−O(CO)R8である。ある種の実施形態において、R3’は−O(CO)R8であり、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、例えば、場合によって置換されているC1〜15アルキル、場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC1〜8アルキル、場合によって置換されているC1〜6アルキル、場合によって置換されているC1〜5アルキル、場合によって置換されているC1〜4アルキル、場合によって置換されているC1〜3アルキル、または場合によって置換されているC1〜2アルキルである。ある種の実施形態において、R3’は−O(CO)R8であり、R8は−(CH2)qCH3(qは、0、1、2、3、4、5または6である)、−CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、または−C(CH3)3である。ある種の実施形態において、R3’は−OHまたは置換ヒドロキシルである。ある種の実施形態において、R3’は置換ヒドロキシルである。ある種の実施形態において、R3’は−OHである。
ある種の実施形態において、R3は、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択されるハロゲンである。ある種の実施形態において、R3’は、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択されるハロゲンである。ある種の実施形態において、R3は水素であり、R3’は、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードからそれぞれ独立して選択されるハロゲンである。ある種の実施形態において、R3とR3’のどちらもフルオロである。
ある種の実施形態において、yは0であり、xは1である。ある種の実施形態において、yは0であり、xは0である。ある種の実施形態において、yは1であり、xは1である。ある種の実施形態において、yは1であり、xは0である。ある種の実施形態において、yは2であり、xは0である。ある種の実施形態において、yは2であり、xは1である。
上で一般に定義されているとおり、Bは、水素、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリール、場合によって置換されているC6〜10アリール、場合によって置換されているC1〜30アルキル、場合によって置換されているC2〜30アルケニル、または場合によって置換されているC2〜30アルキニルである。
ある種の実施形態において、Bは水素である。
ある種の実施形態において、Bは場合によって置換されているC1〜30アルキルである。ある種の実施形態において、Bは場合によって置換されているC2〜30アルケニルである。ある種の実施形態において、Bは場合によって置換されているC2〜30アルキニルである。
ある種の実施形態において、Bは、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、例えば、場合によって置換されているシクロヘキシルである。ある種の実施形態において、Bは、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリルである。ある種の実施形態において、Bは、場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールである。ある種の実施形態において、Bは、場合によって置換されているC6〜10アリールである。ある種の実施形態において、Bは、場合によって置換されているC6アリール(すなわち、フェニル)である。ある種の実施形態において、Bは、場合によって置換されているC10アリール(すなわち、ナフチル)である。
例えば、ある種の実施形態において、Bは、場合によって置換されている、式(viii)のフェニル
(式中、
Yは、場合によって置換されているC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、場合によって置換されているC2〜10アルキニル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換チオール、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノからなる群から選択され、nは、0または1〜5(両端含む)の整数を含む)である。
ある種の実施形態において、nは、0または1〜3(両端含む)の整数を含む。ある種の実施形態において、nは、0または1〜2(両端含む)の整数を含む。ある種の実施形態において、nは0である。ある種の実施形態において、nは1である。ある種の実施形態において、nは2である。ある種の実施形態において、nは3である。
例えば、nが1である、ある種の実施形態において、式(viii)の基は、以下の式
である。
nが2である、ある種の実施形態において、式(viii)の基は、以下の式
である。
ある種の実施形態において、Yはハロであり、すなわち、フルオロ、ヨード、ブロモまたはクロロから選択される。ある種の実施形態において、Yはクロロである。ある種の実施形態において、Yはフルオロである。
ある種の実施形態において、Yは、場合によって置換されているC1〜10アルキルまたはC1〜10ペルハロアルキルである。
ある種の実施形態において、Yは、場合によって置換されているC1〜10アルキルである。ある種の実施形態において、Yは、場合によって置換されているC1〜6アルキルである。ある種の実施形態において、Yは、場合によって置換されているC1〜4アルキルである。ある種の実施形態において、Yは、場合によって置換されているC1〜3アルキルである。ある種の実施形態において、Yは、場合によって置換されているC1〜2アルキルである。ある種の実施形態において、Yは、−CH3、−CH2Fまたは−CHF2である。
ある種の実施形態において、YはC1〜10ペルハロアルキルである。ある種の実施形態において、YはC1〜6ペルハロアルキルである。ある種の実施形態において、YはC1〜4ペルハロアルキルである。ある種の実施形態において、YはC1〜3ペルハロアルキルである。ある種の実施形態において、YはC1−2ペルハロアルキルである。ある種の実施形態において、Yは、−CF3、−CF2Clまたは−CFCl2である。
上で一般に定義されているとおり、Zは、=O、=S、または=NRZであり、ここで、RZは、水素、アミノ保護基、−OH、置換ヒドロキシル、場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、場合によって置換されているC2〜10アルキニル、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、またはZは2個の水素原子を表す。
ある種の実施形態において、Zは=Oである。
ある種の実施形態において、Zは=Sである。
ある種の実施形態において、Zは=NRZであり、ここでRZは、水素、アミノ保護基、−OH、置換ヒドロキシル、場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、場合によって置換されているC2〜10アルキニル、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリール、または場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールから選択される。ある種の実施形態において、Zは=NRZであり、RZは水素である。
ある種の実施形態において、Zは、2個の水素原子を表す。
上で一般に定義されているとおり、Xは、−OR4、−SR4、または−N(R4)2であり、ここで、R4は、それぞれ出現ごとに独立して、水素、場合によって置換されているC1〜30アルキル、場合によって置換されているC2〜30アルケニル、場合によって置換されているC2〜30アルキニル、−C(=O)R5、または−C(=O)OR5であり、ここで、R5は、場合によって置換されているC1〜30アルキル、場合によって置換されているC2〜30アルケニル、または場合によって置換されているC2〜30アルキニルであるか、または2個のR4基は、連結されて、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリルまたは場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリール環を形成する。
ある種の実施形態において、Xは−OR4である。ある種の実施形態において、Xは−OR4であり、R4は水素である。ある種の実施形態において、Xは−OR4であり、R4は場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R4は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R4は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R4は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R4は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
ある種の実施形態において、Xは−OR4であり、ここで、R4は−C(=O)R5または−C(=O)OR5である。
ある種の実施形態において、Xは−OR4であり、R4は−C(=O)R5であり、R5は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
ある種の実施形態において、Xは−OR4であり、R4は−C(=O)OR5であり、R5は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
ある種の実施形態において、Xは−SR4である。ある種の実施形態において、Xは−SR4であり、R4は水素である。ある種の実施形態において、Xは−SR4であり、R4は場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R4は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R4は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R4は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R4は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
ある種の実施形態において、Xは−SR4であり、ここで、R4は−C(=O)R5または−C(=O)OR5である。
ある種の実施形態において、Xは−SR4であり、R4は−C(=O)R5であり、R5は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
ある種の実施形態において、Xは−SR4であり、R4は−C(=O)OR5であり、R5は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2である。ある種の実施形態において、Xは、−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4基は水素である。ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、2個のR4基のどちらも水素ではない。ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えば、C2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えば、C2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。しかし、ある種の実施形態において、Xは−NH(iPr)ではない。
ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は−C(=O)R5または−C(=O)OR5である。
ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は−C(=O)R5であり、R5は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
ある種の実施形態において、Xは−N(R4)2であり、少なくとも1個のR4は−C(=O)OR5であり、R5は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、または場合によって置換されているC2〜20アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は場合によって置換されているC1〜10アルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、または場合によって置換されているC2〜10アルキニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC1〜6アルキル、例えばC1〜3アルキル、C3〜4アルキル、またはC4〜6アルキルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルケニル、例えばC2〜3アルケニル、C3〜4アルケニル、またはC4〜6アルケニルである。ある種の実施形態において、R5は、場合によって置換されているC2〜6アルキニル、例えばC2〜3アルキニル、C3〜4アルキニル、またはC4〜6アルキニルである。
他の実施形態において、Xは、−N(R4)2であり、2個のR4基は、連結されて、場合によって置換されている3〜8員ヘテロシクリルまたは場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリール環を形成する。
ある種の実施形態において、Xは、−OR4、−SR4または−N(R4)2であり、R4またはR5のいずれか1個は、場合によって置換されているC1〜30アルキル(例えば、C1〜10アルキル、C1〜6アルキル、C1〜3アルキル、C7〜30アルキル、C10〜30アルキル、C7〜25アルキル、C10〜25アルキル、C15〜25アルキル)である。ある種の実施形態において、R4またはR5のいずれか1個は、場合によって置換されているC2〜30アルケニル(例えば、C2〜10アルケニル、C2〜6アルケニル、C1〜3アルケニル、C7〜30アルケニル、C10〜30アルケニル、C7〜25アルケニル、C10〜25アルケニル、C15〜25アルケニル)である。ある種の実施形態において、R4またはR5のいずれか1個は、場合によって置換されているC2〜30アルキニル(例えば、C2〜10アルキニル、C2〜6アルキニル、C1〜3アルキニル、C7〜30アルキニル、C10〜30アルキニル、C7〜25アルキニル、C10〜25アルキニル、C15〜25アルキニル)である。
上記の実施形態のいずれかにおいて、R4またはR5がC7〜30アルキル基またはC7〜30アルケニル基として定義される場合、こうした基は、「脂質尾部」とも呼ぶことができる。これらの脂質基中に存在している脂質尾部は、脂質尾部が二重結合を含むか、または含まないかに応じて、飽和および不飽和とすることができる。この脂質尾部はまた、中鎖(すなわち、7から12個の間の炭素、例えば、C7〜12アルキルまたはC7〜12アルケニルの尾部を有する)、長鎖(すなわち、12個超から最大22個の炭素、例えば、C13〜22アルキルまたはC13〜22アルケニルの尾部を有する)、または超長鎖(すなわち、22個超の炭素、例えばC23〜30アルキルまたはC23〜30アルケニルの尾部を有する)として分類されることが多い、異なる長さのものも含む。
例示的な不飽和脂質尾部としては、以下に限定されないが、
が挙げられる。
例示的な飽和脂質尾部としては、以下に限定されないが、
が挙げられる。
式(I)のある種の実施形態において、本化合物は、式(I−a)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、R1、R2、Z、およびXは、本明細書で定義されているとおりであり、
は、それぞれ出現ごとに独立して、単結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し、
R3およびR3’は、それぞれ出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、−OH、置換ヒドロキシル、または−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1から10の間(両端含む)の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリールもしくは場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールであるか、またはR3とR3’は連結されて=Oを形成し、
Yは、場合によって置換されているC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、場合によって置換されているC2〜10アルキニル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換チオール、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノからなる群から選択され、
Gは、−O−または−S−であり、
yは、0、1または2であり、
xは、0または1であり、
nは、0または1〜5(両端含む)の整数を含む。
式(I−a)のある種の実施形態において、R3’は水素であり、本化合物は、式(I−b)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、Z、X、Y、G、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−a)のある種の実施形態において、R3は水素であり、本化合物は、式(I−c)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3’、Z、X、Y、G、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、Gは−O−である。ある種の実施形態において、Gは−S−である。
Gが−O−である、式(I−a)のある種の実施形態において、式(I−a1)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、R1、R2、ZおよびXは、本明細書で定義されているとおりであり、ここで、
、R1、R2、R3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−b)のある種の実施形態において、Gは−O−であり、本化合物は、式(I−b1)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−c)のある種の実施形態において、Gは−O−であり、本化合物は、式(I−c1)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3’、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
Gが−S−である、式(I−a)のある種の実施形態において、式(I−a2)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、R1、R2、ZおよびXは、本明細書で定義されているとおりであり、ここで、
、R1、R2、R3、R3’、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−b)のある種の実施形態において、Gは−S−であり、本化合物は、式(I−b2)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−c)のある種の実施形態において、Gは−S−であり、本化合物は、式(I−c2)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3’、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、式(I−a)の化合物は、本明細書では式(I−d)の化合物とも呼ばれる、以下の立体化学
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、R3’、Z、Y、G、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−d)のある種の実施形態において、R3’は水素であり、本化合物は、式(I−e)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、Z、X、Y、G、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−d)のある種の実施形態において、R3は水素であり、本化合物は、式(I−f)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3’、Z、X、Y、G、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、Gは−O−である。ある種の実施形態において、Gは−S−である。
式(I−d)のある種の実施形態において、Gは−O−であり、本化合物は、式(I−d1)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、R3’、Z、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−e)のある種の実施形態において、Gは−O−であり、本化合物は、式(I−e1)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−f)のある種の実施形態において、Gは−O−であり、本化合物は、式(I−f1)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3’、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−d)のある種の実施形態において、Gは−S−であり、本化合物は、式(I−d2)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、R3’、Z、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−e)のある種の実施形態において、Gは−S−であり、本化合物は、式(I−e2)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I−f)のある種の実施形態において、Gは−S−であり、本化合物は、式(I−f2)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
R1、R2、R3’、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、Zは=Oである。ある種の実施形態において、
のそれぞれは、単結合を表す。ある種の実施形態において、環内の
のそれぞれは、単結合を表す。ある種の実施形態において、少なくとも1つの環外の
は、シス二重結合を表す。ある種の実施形態において、R1およびR2は、それぞれ出現ごとに、−OHである。ある種の実施形態において、R1およびR2は、それぞれ出現ごとに、−O(CO)R6である。ある種の実施形態において、R1とR2の一方は−OHであり、他方は−O(CO)R6である。ある種の実施形態において、R3とR3 ’の一方は−(CO)R8であり、他方は水素である。ある種の実施形態において、R1は−OHであり、R2は−O(CO)R6であり、R3とR3’の一方は−OHであり、他方は水素である。ある種の実施形態において、R2は−OHであり、R1は−O(CO)R6であり、R3とR3’の一方は−OHであり、他方は水素である。ある種の実施形態において、R1およびR2 ’は、それぞれ、−OHであり、R3とR3’の一方は−O(CO)R8であり、他方は水素である。ある種の実施形態において、R1およびR2は、それぞれ出現ごとに、−O(CO)R6であり、R3とR3’の一方は−O(CO)R8であり、他方は水素である。ある種の実施形態において、化合物に結合している−O(CO)R6および−O(CO)R8は、同じ基である。ある種の実施形態において、化合物に結合している−O(CO)R6および−O(CO)R8は、異なる基である。
Zが=Oであり、環内の
のそれぞれが単結合を表し、かつ少なくとも1つの環外の
が、シス二重結合を表す、式(I−d)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する、式(I−d3)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R1、R2、R3、R3’、G、Y、X、y、xおよびnは、本明細書で定義されているとおりである。
Zが=Oであり、環内の
のそれぞれが単結合を表し、かつ少なくとも1つの環外の
が、シス二重結合を表す、式(I−e)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する、式(I−e3)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R1、R2、R3、G、X、Y、y、xおよびnは、本明細書で定義されているとおりである。
Zが=Oであり、環内の
のそれぞれが単結合を表し、かつ少なくとも1つの環外の
が、シス二重結合を表す、式(I−f)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する、式(I−f3)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R1、R2、R3’、G、X、Y、y、xおよびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R1が−OHであり、R2が−O(CO)R6であるか、またはR2が−OHであり、R1が−O(CO)R6であるか、またはR1とR2の両方が−O(CO)R6である、式(I−d3)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する、式(I−d4)、(I−d5)および(I−d6)
の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R6、R3、R3’、G、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R3が−O(CO)R8であり、R3’が−O(CO)R8である、式(I−d3)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する式(I−d7)および(I−d8)
の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
R1、R2、R3、R3’、R8、G、Y、X、y、xおよびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R1およびR2のそれぞれが−OHであり、R3が−O(CO)R8であるか、またはR1およびR2のそれぞれが−OHであり、R3’が−O(CO)R8である、式(I−d3)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する、式(I−d9)および(I−d10)
の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R3、R3’、R8、G、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R1が−OHであり、R2が−O(CO)R6であるか、またはR2が−OHであり、R1が−O(CO)R6であるか、またはR1とR2の両方が−O(CO)R6であり、R3’が水素であり、R3が−OHである、式(I−e3)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する、式(I−d11)、(I−d12)および(I−d13)
の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R6、R3、R3’、G、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R1およびR2のそれぞれが、−O(CO)R6であり、R3’が水素である、式(I−d8)のある種の実施形態において、以下の立体化学を有する式(I−d14)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R6、R8、G、Y、X、y、xおよびnは、本明細書で定義されているとおりである。
Zが=Oであり、R1およびR2がそれぞれ出現ごとに−OHであり、
のそれぞれが、単結合を表す、式(I−d2)のある種の実施形態において、式(I−g)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
X、Y、R3、R3’、y、xおよびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R1およびR2がそれぞれ出現ごとに−OHであり、Zが=Oである、式(I−d1)のある種の実施形態において、式(I−h)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R3、R3’、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R3’が水素である、式(I−h)のある種の実施形態において、式(I−i)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、R3、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R3が−OHである、式(I−i)のある種の実施形態において、式(I−j)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R3がFであり、R3’がFである、式(I−h)のある種の実施形態において、式(I−k)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R3が−O(CO)R8である、式(I−i)のある種の実施形態において、式(I−j)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、R8、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
式(I)のある種の実施形態において、本化合物は、式(I−l)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、R1、R2、Z、およびXは、本明細書で定義されているとおりであり、
は、それぞれ出現ごとに独立して、単結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し、
R3およびR3’は、それぞれ出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、−OH、置換ヒドロキシル、または−O(CO)R8であり、ここで、R8は、場合によって置換されているC1〜20アルキル、場合によって置換されているC2〜20アルケニル、場合によって置換されているC2〜20アルキニル、または−(CH2)mR9であり、ここで、mは、0または1〜10の間(両端含む)の整数を含み、R9は、場合によって置換されているC3〜7カルボシクリル、場合によって置換されているC6〜10アリールもしくは場合によって置換されている5〜14員ヘテロアリールであるか、またはR3とR3’は連結されて=Oを形成し、
Yは、場合によって置換されているC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、場合によって置換されているC2〜10アルケニル、場合によって置換されているC2〜10アルキニル、ハロ、ニトロ、シアノ、チオール、置換チオール、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アミノ、一置換アミノ、および二置換アミノからなる群から選択され、
Gは、−O−または−S−であり、
yは、0、1または2であり、
xは、0または1であり、
nは、0または1〜5(両端含む)の整数を含む。
Zが=Oであり、R1およびR2のそれぞれが、−OHである式(I−l)のある種の実施形態において、式(I−m)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、R1、R2、Z、およびXは、本明細書で定義されているとおりである。
R3’が水素であり、yが2であり、Xが0である、式(I−m)のある種の実施形態において、式(I−n)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、R1、R2、Z、およびXは、本明細書で定義されているとおりである。
上で一般に定義されているとおり、ある種の実施形態において、式(II)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、A、B、X、Z、L、およびR1は、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、Lは、式
の基であり、ここで、
は単結合を表す。
ある種の実施形態において、Lは、式
の基であり、ここで、
は、シスまたはトランス配置にあることができる、二重結合を表す。ある種の実施形態において、この二重結合は、シス配置にある。ある種の実施形態において、この二重結合は、トランス配置にある。
ある種の実施形態において、Lは、式
の基であり、ここで、
は単結合を表す。
ある種の実施形態において、Lは、式
の基であり、ここで、
は、シスまたはトランス配置にあることができる、二重結合を表す。ある種の実施形態において、この二重結合は、シス配置にある。ある種の実施形態において、二重結合は、トランス配置にある。
式(II)のある種の実施形態において、本化合物は、式(II−a)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、Z、X、Y、G、R3、R3’、y、xおよびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R3’が水素である、式(II−a)のある種の実施形態において、本化合物は、式(II−b)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
R1、R3、Z、X、Y、G、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R3が水素である、式(II−a)のある種の実施形態において、本化合物は、式(II−c)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中、
、R1、R2、R3’、Z、X、Y、G、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、Gは−O−である。ある種の実施形態において、Gは−S−である。
Gが−O−である、式(II−a)のある種の実施形態において、式(II−a1)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、R1、R2、ZおよびXは、本明細書で定義されているとおりであり、ここで、
、R1、R2、R3’、Z、X、Y、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
ある種の実施形態において、Zは=Oである。
ある種の実施形態において、少なくとも1つの環外の
は、シス二重結合を表す。
例えば、Zが=Oである、式(II−a1)のある種の実施形態において、式(II−d)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
R1、R3、R3’、Y、X、y、x、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
R1がOHであり、R3’が水素であり、R3が−OHであり、yが0であり、Xが1である、式(II−d)のある種の実施形態において、式(II−e)
の化合物または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグが提供され、式中、
Y、X、およびnは、本明細書で定義されているとおりである。
例示的な式(I)の化合物としては、以下に限定されないが、
本明細書ではプロスタグランジンF2αと呼ばれる、
本明細書ではビマトプロストとも呼ばれる、
本明細書ではビマトプロストイソプロピルエステルとも呼ばれる、
本明細書ではビマトプロスト遊離酸とも呼ばれる、
本明細書ではトラボプロストとも呼ばれる、
本明細書ではトラボプロスト遊離酸またはフルプロステノールとも呼ばれる、
本明細書ではラタノプロストとも呼ばれる、
本明細書ではラタノプロスト遊離酸とも呼ばれる、
本明細書ではタフルプロストとも呼ばれる、
本明細書ではタフルプロスト遊離酸またはAFP−172とも呼ばれる、
本明細書ではCAY10509とも呼ばれる、
および
本明細書ではCAY10509遊離酸とも呼ばれる、
および上記、例えば、式
(式中、
R1は−O(CO)R6であり、R2は−OHであるか、または
R1は−OHであり、R2は−O(CO)R6であるか、または
R1は−OHであり、R2は−OHであり、R3は−O(CO)R8であるか、または
R1は−OHであり、R2は−O(CO)R6であり、R3は−OHであるか、または
R1は−O(CO)R6であり、R2は−O(CO)R6であり、R3は−OHであるか、または
R1は−O(CO)R6であり、R2は−OHであり、R3は−O(CO)R8であるか、または
R1は−OHであり、R2は−O(CO)R6であり、R3は−O(CO)R8であるか、または
R1は−O(CO)R6であり、R2は−O(CO)R6であり、R3は−O(CO)R8であり、
ここで、R6およびR8は、本明細書で定義されているとおりである)の9−、11−および/または15−エステル誘導体(例えば、プロドラッグ)、ならびに薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、ならびにプロドラッグが挙げられる。ある種の実施形態において、R8は、−(CH2)qCH3(qは、0、1、2、3、4、5または6である)、−CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3、または−C(CH3)3である。ある種の実施形態において、R6は、−(CH2)rCH3(rは、0、1、2、3、4、5または6である)、−CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3または−C(CH3)3である。
ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、ラタノプロスト、ラタノプロスト遊離酸、タフルプロスト、タフルプロスト遊離酸、トラボプロスト、フルプロステノール、ビマトプロスト、ビマトプロスト遊離酸、ならびに薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、ラタノプロスト、ラタノプロスト遊離酸、タフルプロスト、タフルプロスト遊離酸、および薬学的に許容されるそれらの塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、ならびにプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、ラタノプロスト、ならびに薬学的に許容されるその水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、ラタノプロスト遊離酸、ならびに薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、ラタノプロストである。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、タフルプロスト、ならびに薬学的に許容されるその水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、タフルプロスト遊離酸、ならびに薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、式(I)の化合物は、タフルプロストである。
例示的な式(II)の化合物としては、以下に限定されないが、
AL−12182とも呼ばれる、
AL−12182遊離酸とも呼ばれる、
および上記、例えば、式
(式中、
R1は−OHであり、R3は−O(CO)R8であるか、または
R1は−O(CO)R6であり、R3は−OHであるか、または
R1は−O(CO)R6であり、R3は−O(CO)R8であり、
ここで、R6およびR8は、本明細書で定義されているとおりである)のエステル誘導体(例えば、プロドラッグ)、ならびに薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグが挙げられる。ある種の実施形態において、R8は、−(CH2)qCH3(qは、0、1、2、3、4、5または6である)、−CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3または−C(CH3)3である。ある種の実施形態において、R6は、−(CH2)rCH3(rは、0、1、2、3、4、5または6である)、−CH(CH3)2、−CH2CH(CH3)2、−CH2C(CH3)3または−C(CH3)3である。
ある種の実施形態において、式(I)または(II)の化合物は、本明細書で記載されている化合物のいずれか1つのプロドラッグである。例示的なプロドラッグとしては、親遊離酸のエステル、アミドおよび/またはチオアミド、ならびに親化合物のヒドロキシル基(例えば、五環式ヒドロキシル基R1および/もしくはR2、またはR3および/またはR3’位のヒドロキシル基)がエステル化されている化合物、例えば、本明細書で記載されている9−、11−および/または15−エステル誘導体が挙げられ、例えば、ここで前記位置におけるエステルは、C1〜6エステル、例えば、9−プロピオニルビマトプロスト、11−プロピオニルビマトプロスト、15−プロピオニルビマトプロスト、9−ブチリルビマトプロスト、11−ブチリルビマトプロスト、15−ブチリルビマトプロストなどである。
組成物および製剤
ある種の実施形態において、本発明は、本明細書で記載されているPFPRA化合物、および脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)を含む組成物を局所投与するための、組成物を提供する。本明細書で使用される組成物は、医薬組成物、および美容組成物を包含する。
ある種の実施形態において、本組成物は、PFPRA化合物、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)、および軟膏基剤を含む。一部の実施形態において、本組成物はさらに、有機アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、またはプロピレングリコールを含む。ある種の実施形態において、有機アルコールは、プロピレングリコールである。ある種の実施形態において、本組成物は、ラタノプロスト、ミリスチン酸イソプロピル、および軟膏基剤を含む。ある種の実施形態において、本組成物は、タフルプロスト(tafluoprost)、ミリスチン酸イソプロピル、および軟膏基剤を含む。ある種の実施形態において、本組成物は、上で列挙した構成成分から実質的になる。ある種の実施形態において、本組成物は、皮膚に刺激がない。ある種の実施形態において、本組成物は、無菌の内毒素不含であるか、または実質的に内毒素が不含の、眼科用である、かつ/または眼科上適合可能である。
Kalayoglu(PCT/US2012/021692;WO2012/099942)は、血流へのPFPRAの全身性(経皮)送達のためのある種の製剤を教示している。これらには、2種のエマルション剤(リポダーム(Lipoderm)またはプルロニックレシチンオルガノゲル(pluronic lecithin organogel))が挙げられる。エマルション剤は、製造が困難であり、相分離しやすい。例えば、プルロニックレシチンオルガノゲルは、約5℃またはそれ未満の温度では、相分離をする傾向がある。したがって、一部の実施形態において、本組成物は、非エマルション、すなわちエマルションではない。一部の実施形態において、本組成物は、PFPRA化合物、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)、および軟膏基剤を含む、非エマルションである。一部の実施形態において、本組成物は、PFPRA化合物、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)、有機アルコール、および軟膏基剤を含む、非エマルションである。
一部の実施形態において、PFPRA化合物は、式(I)もしくは(II)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグである。一部の実施形態において、PFPRA化合物は、ラタノプロスト、タフルプロスト、トラボプロストもしくはビマトプロスト、または薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグである。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、ラタノプロスト、ラタノプロスト遊離酸、タフルプロスト、タフルプロスト遊離酸、ならびに薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、ラタノプロスト、ならびに薬学的に許容されるその水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、ラタノプロスト遊離酸、ならびに薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、タフルプロスト、ならびに薬学的に許容されるその水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、タフルプロスト遊離酸、ならびに薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、立体異性体、多形、互変異性体、同位体濃縮誘導体、およびプロドラッグからなる群から選択される。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、ラタノプロストである。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、タフルプロストである。ある種の実施形態において、PFPRA化合物は、皮膚に投与すると、活性代謝産物(例えば、ラタノプロスト、タフルプロスト、トラボプロストまたはビマトプロストの遊離酸)に加水分解する。
一部の実施形態において、本組成物中で提供されるPFPRA化合物の最終濃度は、約0.0001パーセントから約1パーセント(重量に基づく)の間である。一部の実施形態において、最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.05〜約5パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はラタノプロストであり、ラタノプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.05〜約5パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、約0.05〜約5パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はタフルプロストであり、タフルプロストの最終濃度は、約0.001パーセントから約1パーセント、0.001から約0.003パーセント、約0.001から約0.01パーセント、約0.003から約0.01パーセント、約0.01から約0.03パーセント、約0.01から約0.1パーセント、約0.05から約5パーセント、約0.03から約0.1パーセント、約0.1から約0.3パーセント、約0.1から約1パーセント、約0.05から約5パーセント、または約0.3から約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約1重量パーセントから約20重量パーセント(両端含む)の間である。一部の実施形態において、最終濃度は、約5パーセントから約15パーセント、約1から約10パーセント、約1から約2パーセント、約1から約3パーセント、約2から約4パーセント、約3から約5パーセント、約3から約7パーセント、約4から約6パーセント、約5から約7パーセント、約6から約8パーセント、約7から約10パーセント、約10から約20パーセント、約10から約15パーセント、または約15から約20パーセント(両端含む)の間である。ある種の実施形態において、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20重量パーセントである。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はラタノプロストであり、ラタノプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、約0.05〜約5パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。また、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5〜約15重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、約1〜約2重量パーセント、約1〜約3重量パーセント、約2〜約4重量パーセント、約3〜約5重量パーセント、約3〜約7重量パーセント、約4〜約6重量パーセント、約5〜約7重量パーセント、約6〜約8重量パーセント、約7〜約10重量パーセント、約10〜約20重量パーセント、約10〜約15重量パーセント、または約15〜約20重量パーセント(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はタフルプロストであり、タフルプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.05〜約5パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。また、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5〜約15重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、約1〜約2重量パーセント、約1〜約3重量パーセント、約2〜約4重量パーセント、約3〜約5重量パーセント、約3〜約7重量パーセント、約4〜約6重量パーセント、約5〜約7重量パーセント、約6〜約8重量パーセント、約7〜約10重量パーセント、約10〜約20重量パーセント、約10〜約15重量パーセント、または約15〜約20重量パーセントの間(両端含む)である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、本組成物は、軟膏基剤、例えば炭化水素基剤を含む。一部の実施形態において、該炭化水素基剤は、ホワイトワックス、イエローワックス、硬質パラフィンワックス、ワセリン、およびセチルエステルワックスからなる群から選択される。一部の実施形態において、軟膏基剤の最終濃度は、約50重量パーセントから約99重量パーセントの間である。一部の実施形態において、軟膏基剤の最終濃度は、約50パーセントから60パーセント、50パーセントから約70パーセント、約60パーセントから約70パーセント、約60パーセントから約80パーセント、約70パーセントから約80パーセント、約70パーセントから約90パーセント、約70パーセントから約99パーセント、約80パーセントから約90パーセント、約85パーセントから約95パーセント、約90パーセントから約95パーセント、約90パーセントから約99パーセント、および約95パーセントから約99パーセント(両端含む)の間である。一部の実施形態において、軟膏基剤はワセリンであり、ワセリンの最終濃度は、約50重量パーセントから約99重量パーセント(両端含む)の間である。一部の実施形態において、ワセリンの最終濃度は、約50パーセントから60パーセント、50パーセントから約70パーセント、約60パーセントから約70パーセント、約60パーセントから約80パーセント、約70パーセントから約80パーセント、約70パーセントから約90パーセント、約70パーセントから約99パーセント、約80パーセントから約90パーセント、約85パーセントから約95パーセント、約90パーセントから約95パーセント、約90パーセントから約99パーセント、および約95パーセントから約99パーセント(両端含む)の間である。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はラタノプロストであり、ラタノプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.05〜約5パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5〜約15重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、約1〜約2重量パーセント、約1〜約3重量パーセント、約2〜約4重量パーセント、約3〜約5重量パーセント、約3〜約7重量パーセント、約4〜約6重量パーセント、約5〜約7重量パーセント、約6〜約8重量パーセント、約7〜約10重量パーセント、約10〜約20重量パーセント、約10〜約15重量パーセント、または約15〜約20重量パーセント(両端含む)の間である。軟膏基剤(例えば、ワセリン)の最終濃度は、約50パーセント〜60パーセント、50パーセント〜約70パーセント、約60パーセント〜約70パーセント、約60パーセント〜約80パーセント、約70パーセント〜約80パーセント、約70パーセント〜約90パーセント、約70パーセント〜約99パーセント、約80パーセント〜約90パーセント、約85パーセント〜約95パーセント、約90パーセント〜約95パーセント、約90パーセント〜約99パーセント、および約95パーセント〜約99パーセント(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はタフルプロストであり、タフルプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、約0.05〜約5パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。また、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5〜約15重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、約1〜約2重量パーセント、約1〜約3重量パーセント、約2〜約4重量パーセント、約3〜約5重量パーセント、約3〜約7重量パーセント、約4〜約6重量パーセント、約5〜約7重量パーセント、約6〜約8重量パーセント、約7〜約10重量パーセント、約10〜約20重量パーセント、約10〜約15重量パーセント、または約15〜約20重量パーセント(両端含む)の間である。また、軟膏基剤(例えば、ワセリン)の最終濃度は、約50パーセント〜60パーセント、50パーセント〜約70パーセント、約60パーセント〜約70パーセント、約60パーセント〜約80パーセント、約70パーセント〜約80パーセント、約70パーセント〜約90パーセント、約70パーセント〜約99パーセント、約80パーセント〜約90パーセント、約85パーセント〜約95パーセント、約90パーセント〜約95パーセント、約90パーセント〜約99パーセント、および約95パーセント〜約99パーセント(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、本組成物はさらに、有機アルコール(例えば、プロピレングリコール)を含む。一部の実施形態において、プロピレングリコールの最終濃度は、約5重量パーセントから約50重量パーセント(両端含む)の間である。一部の実施形態において、有機アルコール(例えば、プロピレングリコール)の最終濃度は、約5パーセントから10パーセント、約5パーセントから約15パーセント、約5パーセントから約20パーセント、約10パーセントから約15パーセント、約10パーセントから約20パーセント、約15パーセントから約20パーセント、約15パーセントから約25パーセント、約20パーセントから約25パーセント、約20パーセントから30パーセント、約25パーセントから約30パーセント、約25パーセントから約35パーセント、約30パーセントから約35パーセント、約30パーセントから約40パーセント、約35パーセントから約40パーセント、約35パーセントから約45パーセント、約40パーセントから約50パーセント、約40パーセントから約45パーセント、または約45パーセントから約50パーセント(両端含む)の間である。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はラタノプロストであり、ラタノプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.05〜約5パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。また、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5〜約15重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、約1〜約2重量パーセント、約1〜約3重量パーセント、約2〜約4重量パーセント、約3〜約5重量パーセント、約3〜約7重量パーセント、約4〜約6重量パーセント、約5〜約7重量パーセント、約6〜約8重量パーセント、約7〜約10重量パーセント、約10〜約20重量パーセント、約10〜約15重量パーセント、または約15〜約20重量パーセントの間(両端含む)を含む。また、有機アルコール(例えば、プロピレングリコール)の最終濃度は、約5パーセント〜10パーセント、約5パーセント〜約15パーセント、約5パーセント〜約20パーセント、約10パーセント〜約15パーセント、約10パーセント〜約20パーセント、約15パーセント〜約20パーセント、約15パーセント〜約25パーセント、約20パーセント〜約25パーセント、約20パーセント〜30パーセント、約25パーセント〜約30パーセント、約25パーセント〜約35パーセント、約30パーセント〜約35パーセント、約30パーセント〜約40パーセント、約35パーセント〜約40パーセント、約35パーセント〜約45パーセント、約40パーセント〜約50パーセント、約40パーセント〜約45パーセント、または約45パーセント〜約50パーセント(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はタフルプロストであり、タフルプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、約0.05〜約5パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。また、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5〜約15重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、約1〜約2重量パーセント、約1〜約3重量パーセント、約2〜約4重量パーセント、約3〜約5重量パーセント、約3〜約7重量パーセント、約4〜約6重量パーセント、約5〜約7重量パーセント、約6〜約8重量パーセント、約7〜約10重量パーセント、約10〜約20重量パーセント、約10〜約15重量パーセント、または約15〜約20重量パーセント(両端含む)の間である。また、有機アルコール(例えば、プロピレングリコール)の最終濃度は、約5パーセント〜10パーセント、約5パーセント〜約15パーセント、約5パーセント〜約20パーセント、約10パーセント〜約15パーセント、約10パーセント〜約20パーセント、約15パーセント〜約20パーセント、約15パーセント〜約25パーセント、約20パーセント〜約25パーセント、約20パーセント〜30パーセント、約25パーセント〜約30パーセント、約25パーセント〜約35パーセント、約30パーセント〜約35パーセント、約30パーセント〜約40パーセント、約35パーセント〜約40パーセント、約35パーセント〜約45パーセント、約40パーセント〜約50パーセント、約40パーセント〜約45パーセント、または約45パーセント〜約50パーセント(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はラタノプロストであり、ラタノプロストの最終濃度は、約0.001パーセント〜約1パーセント、0.001〜約0.003パーセント、約0.001〜約0.01パーセント、約0.003〜約0.01パーセント、約0.01〜約0.03パーセント、約0.01〜約0.1パーセント、約0.05〜約5パーセント、約0.03〜約0.1パーセント、約0.1〜約0.3パーセント、約0.1〜約1パーセント、または約0.3〜約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。また、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5〜約15重量パーセント、約1〜約10重量パーセント、約1〜約2重量パーセント、約1〜約3重量パーセント、約2〜約4重量パーセント、約3〜約5重量パーセント、約3〜約7重量パーセント、約4〜約6重量パーセント、約5〜約7重量パーセント、約6〜約8重量パーセント、約7〜約10重量パーセント、約10〜約20重量パーセント、約10〜約15重量パーセント、または約15〜約20重量パーセント(両端含む)の間である。有機アルコール(例えば、プロピレングリコール)の最終濃度は、約5パーセント〜10パーセント、約5パーセント〜約15パーセント、約5パーセント〜約20パーセント、約10パーセント〜約15パーセント、約10パーセント〜約20パーセント、約15パーセント〜約20パーセント、約15パーセント〜約25パーセント、約20パーセント〜約25パーセント、約20パーセント〜30パーセント、約25パーセント〜約30パーセント、約25パーセント〜約35パーセント、約30パーセント〜約35パーセント、約30パーセント〜約40パーセント、約35パーセント〜約40パーセント、約35パーセント〜約45パーセント、約40パーセント〜約50パーセント、約40パーセント〜約45パーセント、または約45パーセント〜約50パーセント(両端含む)の間である。また、軟膏基剤(例えば、ワセリン)の最終濃度は、約50パーセント〜60パーセント、50パーセント〜約70パーセント、約60パーセント〜約70パーセント、約60パーセント〜約80パーセント、約70パーセント〜約80パーセント、約70パーセント〜約90パーセント、約70パーセント〜約99パーセント、約80パーセント〜約90パーセント、約85パーセント〜約95パーセント、約90パーセント〜約95パーセント、約90パーセント〜約99パーセント、および約95パーセント〜約99パーセント(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
一部の実施形態において、PFPRA化合物はタフルプロストであり、タフルプロストの最終濃度は、約0.001パーセントから約1パーセント、0.001から約0.003パーセント、約0.001から約0.01パーセント、約0.003から約0.01パーセント、約0.01から約0.03パーセント、約0.01から約0.1パーセント、約0.05から約5パーセント、約0.03から約0.1パーセント、約0.1から約0.3パーセント、約0.1から約1パーセント、または約0.3から約1パーセント(重量に基づく)(両端含む)の間である。また、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)の最終濃度は、約5から約15重量パーセント、約1から約10重量パーセント、約1から約2重量パーセント、約1から約3重量パーセント、約2から約4重量パーセント、約3から約5重量パーセント、約3から約7重量パーセント、約4から約6重量パーセント、約5から約7重量パーセント、約6から約8重量パーセント、約7から約10重量パーセント、約10から約20重量パーセント、約10から約15重量パーセント、または約15から約20重量パーセント(両端含む)の間である。有機アルコール(例えば、プロピレングリコール)の最終濃度は、約5パーセントから10パーセント、約5パーセントから約15パーセント、約5パーセントから約20パーセント、約10パーセントから約15パーセント、約10パーセントから約20パーセント、約15パーセントから約20パーセント、約15パーセントから約25パーセント、約20パーセントから約25パーセント、約20パーセントから30パーセント、約25パーセントから約30パーセント、約25パーセントから約35パーセント、約30パーセントから約35パーセント、約30パーセントから約40パーセント、約35パーセントから約40パーセント、約35パーセントから約45パーセント、約40パーセントから約50パーセント、約40パーセントから約45パーセント、または約45パーセントから約50パーセント(両端含む)の間である。また、軟膏基剤(例えば、ワセリン)の最終濃度は、約50パーセントから60パーセント、50パーセントから約70パーセント、約60パーセントから約70パーセント、約60パーセントから約80パーセント、約70パーセントから約80パーセント、約70パーセントから約90パーセント、約70パーセントから約99パーセント、約80パーセントから約90パーセント、約85パーセントから約95パーセント、約90パーセントから約95パーセント、約90パーセントから約99パーセント、および約95パーセントから約99パーセント(両端含む)の間である。これらの百分率は、組成物の総重量の重量に基づき表される。
ある種の実施形態において、本組成物はさらに、以下に限定されないが、溶媒、賦形剤または他の液状ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、滑沢剤などを含めた、他の薬学的に許容される添加剤を含んでもよい。局所用組成物の製剤化および/または製造において一般に考慮されることは、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、E. W. Martin (Mack Publishing Co.、Easton, Pa.、1980年)、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版(Lippincott Williams & Wilkins、2005年)に見出すことができる。
一部の実施形態において、本組成物は、無菌である。一般に、無菌組成物を製造する方法としては、ガンマ線照射、加熱(例えば、オートクレーブまたは乾式加熱)、および精密ろ過(例えば、0.2マイクロメートルのフィルターによる)が挙げられる。しかし、これらの方法の一部は、ある種の組成物に対して適切とはなり得ない。例えば、ガンマ線照射または加熱は、PFPRA化合物の分解を引き起こす恐れがある。ワセリンなどの油性基剤は、オートクレーブ殺菌に影響を受けやすい。または一部の添加剤は、0.2マイクロメートルのフィルターには不適合であるか、または適合性に乏しいことがある。
組成物は、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として、バルクで、調製、包装および/または販売することができる。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、所定量のPFPRA化合物を含む組成物の個別の量である。PFPRA化合物の量は、一般に、被験体に投与されるPFPRA化合物の投与量に等しいか、および/または例えばこうした投与量の2分の1もしくは3分の1などの、こうした投与量の便利な分割量に等しい。
組成物中のPFPRA化合物、薬学的に許容される添加剤、および/または任意の追加的な成分の相対量は、処置される被験体の素性、大きさ、および/または状態に、さらには、該組成物が投与されることになる経路に応じて変更される場合もある。
組成物の他の特徴
提供される組成物の製造に使用される薬学的に許容される添加剤としては、不活性賦形剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝化剤、滑沢剤および/または油が挙げられる。着色剤、コーティング剤、芳香剤、および日焼け防止剤などの添加剤も、本組成物中に存在してもよい。
例示的な造粒剤および/または分散剤としては、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、柑橘パルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリケート、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファデンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、水溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物など、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
例示的な界面活性剤および/または乳化剤としては、脂質/天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状クレー(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびVeegum[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセリルモノステアレート、およびプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[Tween20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[Tween80]、ソルビタンモノパルミテート[Span40]、ソルビタンモノステアレート[Span60]、ソルビタントリステアレート[Span65]、グルセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[Span80]、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびSolutol)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij30]、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニックF68、ポロキサマー188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムなど、および/またはこれらの組合せが挙げられる。
例示的な結合剤としては、デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例えば、ショ糖、ブドウ糖、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイルランドゴケの抽出物、パンワールガム(panwar gum)、ガティガム、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、およびカラマツアラビノガラクタン(larch arabogalactan)、アルギンネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコールなど、ならびに/またはこれらの組合せが挙げられる。
例示的な保存剤としては、酸化防止剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤が挙げられる。
例示的な酸化防止剤としては、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート(acorbyl palmitate)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
例示的なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)と、その塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸と、その塩および水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸と、その塩および水和物、リンゴ酸と、その塩および水和物、リン酸と、その塩および水和物、ならびに酒石酸と、その塩および水和物が挙げられる。例示的な抗菌性保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールが挙げられる。保存剤として、例えば、クロロブタノールを、最終組成物の総重量の0.001重量%〜1重量%(重量あたり0.5%など)の濃度で、軟膏製剤中に使用することができる。
例示的な抗真菌性保存剤としては、ブチルバラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が挙げられる。
例示的なアルコール保存剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート、およびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
例示的な酸性保存剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が挙げられる。
他の保存剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロキシムメシレート(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylが挙げられる。ある種の実施形態において、保存剤は酸化防止剤である。他の実施形態において、保存剤はキレート剤である。
例示的な緩衝剤としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、リン酸水素カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、水酸化カルシウムホスフェート(sodium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱性物質を含まない水、等張性塩水、リンゲル液、エチルアルコールなど、およびこれらの組合せが挙げられる。
例示的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、グリセリルベヘネート(glyceryl behanate)、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびこれらの組合せが挙げられる。
例示的な油剤としては、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババスー油、ベルガモット油、クロスグリ種子(black current seed)油、ルリジサ油、ケード油、カモミール油、キャノーラ油、キャラウェー油、カルナウバ油、ヒマシ油、シナモン油、ココアバター油、ココナッツ油、たら肝油、コーヒー油(coffee)、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油(emu)、ユーカリ油、オオマツヨイグサ油、魚油、亜麻仁油、ゲラニオール油、ヒョウタン油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、クークーエーナッツ油、ラバンディン油、ラベンダー油、レモン油、アオモジ(litsea cubeba)油、マカデミアナッツ油、ゼニアオイ油、マンゴー種子油、メドウフォーム種子油、ミンク油、ニクズク油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラフィー油、パーム油、パーム核油、桃仁油、ピーナッツ油、ケシ粒油、パンプキンシード油、菜種油、米糠油、ローズマリー油、紅花油、ビャクダン油、サザンカ(sasquana油)、セイボリー油、シーバックソーン(sea buckthorn)油、ゴマ油、シアバター油、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー油、アザミ油、ツバキ油、ベチベルソウ(vetiver)油、クルミ油、および麦芽油が挙げられる。例示的な油剤としては、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびこれらの組合せが挙げられる。
本発明の組成物は、パッチ剤または包帯剤と合わせられる、これらに組み込まれる、かつ/またはこれらにより送達することができ、パッチ剤または包帯剤は、PFPRA化合物を身体に制御送達するのを実現するという、追加の利点を有することが多い。代替的または追加的に、その速度は、速度制御膜を設けることにより、ならびに/またはポリマーマトリックスおよび/もしくはゲル中にPFPRA化合物を分散することのいずれかにより、制御することができる。
本組成物はさらに、本明細書で記載されている、追加の成分を1種または複数含んでもよい。一部の実施形態において、追加的な成分は、日焼け防止剤、保湿剤、着色料、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗線維化剤、抗炎症剤、麻酔剤、鎮痛剤、血管収縮剤、血管拡張剤、ビタミンもしくはミネラル、または抗酸化剤である。
本明細書で提供される組成物の説明は、ヒトに局所投与するのに適した組成物を主に対象としているが、こうした組成物は、すべての種類の動物への投与に一般に適していることが、当業者により理解されよう。本組成物を様々な動物への投与に適したものとするために、ヒトへの投与に適した組成物の改変も十分に理解されており、当分野の薬理獣医学者は、通常の実験により、こうした改変を設計および/または実施することができる。組成物の製剤化および/または製造において一般に考慮されることは、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 第21版、Lippincott Williams & Wilkins、2005年に見出すことができる。
本明細書で記載されている本発明の組成物、および使用のための指示書を含むキットもやはり、本発明によりさらに包含される。提供されるキットは、提供される組成物、および容器(例えば、チューブ、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分注包装、または他の適切な容器)を含むことができる。
処置および使用の方法
本明細書で一般に記載されているとおり、それを必要とする被験体において、皮下脂肪を減少させるのに有用な、本明細書で記載されている組成物が企図される。使用および処置の方法としては、本明細書で記載されている治療法および美容法が挙げられる。例えば、一態様では、被験体において体脂肪を減少させる方法であって、それを必要とする被験体に、本明細書で記載されている組成物を局所投与するステップを含む、方法が提供される。別の態様において、被験体において体脂肪を減少させる方法において使用するための、本発明の組成物が提供される。別の態様において、被験体において体脂肪を減少させるための医薬の製造における、本発明の組成物の使用が提供される。ある種の実施形態において、本方法は治療法である。ある種の実施形態において、本方法は美容法である。
脂肪減少は、体積、大きさ、質量、容積、密度、量、および/または分量の少なくとも1つによって測定される脂肪の減少を含み得る。本発明は、75%より高いかまたはそれに等しく、70%より高いかまたはそれに等しく、60%より高いかまたはそれに等しく、50%より高いかまたはそれに等しく、40%より高いかまたはそれに等しく、30%より高いかまたはそれに等しく、25%より高いかまたはそれに等しく、20%より高いかまたはそれに等しく、15%より高いかまたはそれに等しく、10%より高いかまたはそれに等しく、あるいは5%より高いかまたはそれに等しく脂肪を減少させることが期待される。例えば、脂肪減少は、脂肪細胞の量(例えば、脂肪細胞の数)の減少、脂肪細胞体積の減少、脂肪細胞成熟の減少、および/または脂肪細胞の脱分化も含み得る。
ある種の実施形態において、体脂肪は、局部であり、例えば顔部、下顎、頚部、腕部、腹部、胸郭部、胸部、臀部、腰部、大腿部、脚部、および/または膝に集中している。
ある種の実施形態において、被験体は、肥満症、胸部上の過剰脂肪、下顎上の過剰脂肪、女性化乳房、薬物誘導性肥満症、甲状腺機能低下症、偽性副甲状腺機能低下症、視床下部性肥満症、多嚢胞性卵巣疾患、うつ病、過食症、分娩後肥満症、禁煙に伴う肥満症、プラーダー−ヴィリ症候群、バルデー−ビードル症候群、コーエン症候群、ダウン症候群、ターナー症候群、成長ホルモン欠乏症、成長ホルモン抵抗性、レプチン欠乏症または抵抗性、クッシング症候群、偽クッシング症候群、頸背部脂肪の肥大/頸背部脂肪肥大(「野牛肩」)、満月様顔貌、HIV脂肪異栄養症、眼窩脂肪脱(orbital fat prolapse)、異常脂肪の加齢性下垂、他の後天性脂肪異栄養症、家族性脂肪異栄養症、脂肪腫、脂肪腫症またはマデルング病に罹患しているか、または罹患する可能性が高い。ある種の実施形態において、被験体は、肥満症、女性化乳房、HIV脂肪異栄養症、脂肪腫、眼瞼脂肪、過剰の眼瞼脂肪(excess eyelid fat)、過剰の眼窩周囲脂肪、または下顎上の過剰脂肪に罹る、または罹る恐れがある。ある種の実施形態において、被験体は美容状態を有する。
ある種の実施形態において、被験体は、過剰のオトガイ下脂肪に罹る、または罹る恐れがある。したがって、一態様において、過剰のオトガイ下脂肪に罹っている被験体において、脂肪を減少させるのに使用するための組成物が提供される。別の態様において、被験体において過剰のオトガイ下脂肪を処置する方法であって、それを必要とする被験体に、本明細書で記載されている組成物を局所投与するステップ(例えば、被験体のオトガイ下の皮膚に適用するステップ)を含む、方法が提供される。別の態様において、被験体において過剰のオトガイ下脂肪を処置する方法において使用するための、本明細書で記載されている組成物が提供される。別の態様において、被験体において過剰のオトガイ下脂肪を処置するための医薬の製造における、本明細書で記載されている組成物の使用が提供される。
ある種の実施形態において、被験体は、眼瞼脂肪に罹る、または罹る恐れがある。したがって、一態様において、眼瞼脂肪に罹っている被験体において脂肪を減少させるのに使用するための組成物が提供される。別の態様において、被験体において眼瞼脂肪を処置する方法であって、それを必要とする被験体に、本明細書で記載されている組成物を局所投与するステップ(例えば、被験体の眼瞼に適用するステップ)を含む、方法が提供される。別の態様において、被験体において眼瞼脂肪を処置する方法において使用するための、本明細書で記載されている組成物が提供される。別の態様において、被験体において眼瞼脂肪を処置するための医薬の製造における、本明細書で記載されている組成物の使用が提供される。
本明細書で記載されているとおり、投与経路は局所である。ある種の実施形態において、この投与は、顔部、下顎、オトガイ下部、顎、頬、眼窩周囲の皮膚、頚部、腕部、腹部、胸郭部、胸部、臀部、腰部、大腿部、脚部および膝からなる群から選択される、身体部分に対するものである。
ある種の実施形態において、被験体は、薬物療法(例えば、コルチゾールおよび類似体、コルチコステロイド、メゲース(megace)、スルホニル尿素、抗レトロウイルス、抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、選択的セロトニン再吸収阻害薬、経口避妊薬、インスリンまたはインスリンの形態、リスペリドン、クロザピンおよびチアゾリジンジオン)の副作用として、過剰な体脂肪を有する。
ある種の実施形態において、被験体は、ホルモン状態の変化(例えば、妊娠または閉経などの生理的変化の結果)による過剰な体脂肪を有する。
ある種の実施形態において、過剰な体脂肪を有する被験体は、禁煙中であるか、または最近禁煙をしている。
ある種の実施形態において、被験体は、例えば加齢性眼窩脂肪脱、過剰のオトガイ下脂肪、または頬骨部脂肪体の垂下(descent)による、美容上重要な体脂肪を有する。
本発明のこの態様は、術前、術中または術後の期間における使用を問わず、様々な種類の手術および/または非侵襲治療法のいずれかに対する補助として有用な場合もある。本発明はさらに、先に行われる腹部手術、胸部手術、腫瘍手術、内分泌手術、神経手術、移植手術、および皮膚手術(これにより、手術による曝露を改善することができる)、先または後に行われる整形外科手順(これにより、手術による曝露および術後の回復を改善し得る)、およびレーザー、他のタイプの照射、温熱療法、冷凍療法、超音波、電気分解療法、化学処置などを使用する、先行する美容手順(例えば、肌引き締め、肌再生(skin resurfacing)、コラーゲンリモデリングなど)における使用を企図する。
無菌軟膏を製造する方法
眼科用途、例えば、眼瞼脂肪の減少のための眼瞼上への適用の場合、無菌組成物が好ましい。本発明のある種の製剤(例えば、ラタノプロスト、ミリスチン酸イソプロピル、およびペトロラタムを含む組成物)は、殺菌のすべての形態とは適合しない。例えば、本発明者らは、ガンマ線照射は、ラタノプロストの分解を引き起こすことを見出した(実施例14)。ワセリンは、オートクレーブ殺菌には適合せず、精密ろ過への適性は乏しい。
本発明者らは、実用的な代替法を探求した。本発明者らは、ラタノプロストがミリスチン酸イソプロピルに例外的に溶解することを発見し(実施例3)、(1)脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)に、PFPRA(例えば、ラタノプロスト)および場合によって他の構成成分(例えば、クロロブタノール)を溶解して、溶液を作製するステップ、(2)この溶液を精密ろ過(例えば、滅菌条件)して、無菌ろ液を作製するステップ、および(3)このろ液を、例えば加熱(例えば、約40℃〜約70℃、例えば約50〜約60℃)により場合によって液化した無菌ワセリンに添加するステップ、および(4)混合して、均質な混合物を得るステップを含む、製造法(実施例4を参照)を開発した。実施例を一読すると、当業者であれば、これらの構成成分を個別にろ過する場合とは対照的に、精密ろ過前に、ラタノプロストとPFPRA化合物とを合わせることに対する利点を認識することができる。ラタノプロストは非常に粘度が高く、精密ろ過への適性に乏しい。ラタノプロストの体積は一般に小さく、したがって、測定誤差(すなわち、不正確)、およびいわゆるマイクロフィルターの「デッドスペース」において損失を生じやすい。さらに、ミリスチン酸イソプロピルにラタノプロストを希釈すると、最終組成物中のラタノプロストの均質性が促進される。しかし、当業者はまた、ミリスチン酸イソプロピルにラタノプロストを溶解する戦略は、本発明者らにより見出された偶発的に良好な溶解度を除くと、実用的であるとは認識しないであろう(実施例3)。さらに、ワセリン中でミリスチン酸イソプロピルを混合するという、意外かつ有利な特性は、この特性により、純粋なワセリンのそれと比べて、上記混合物の粘度が実質的に低下するという点にある。これは、混合を容易にすることに加えて(これにより上記混合物の均質性が促進される)、皮膚上で組成物をより流動しやすくして塗り広げやすくし、すなわち本医薬組成物を容器から分取して皮膚に適用することが容易になる。
したがって、別の態様において、無菌法で1種または複数の本発明の組成物を製造するための方法であって、これにより、該組成物が無菌であり、内毒性不含であり、かつ眼科上適合可能であり、したがって眼瞼または眼の近くの使用に好適となる、方法が提供される。例えば、一実施形態において、滅菌軟膏を製造する方法であって、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)中にPFPRA化合物(例えば、ラタノプロストまたはタフルプロスト)を溶解して溶液を作製するステップ、該溶液の精密ろ過を行うステップ、およびこのろ液と軟膏基剤(例えば、ワセリンなどの炭化水素基剤)とを合わせるステップを含む、方法が提供される。ある種の実施形態において、本方法はさらに、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)中に保存剤(例えば、クロロブタノール)を溶解するステップをさらに含む。
組成物が、具体的な構成成分を有する、含む(including)または含む(comprising)ものとして記載されている、説明全体を通して、これらの組成物はまた、列挙されている構成成分から実質的になり得る、またはそれらからなり得るものと企図される。さらに、ステップの順序、またはある作業を実施する順序は、本発明が操作可能であり続ける限り、重要ではない。さらに、2つまたはそれ超のステップまたは行為は、同時に行ってもよい。前記の説明に照らせば、以下に示されている具体的な非限定例は、例示目的であり、本発明の範囲を決して限定する意図はない。
(実施例1)
皮下脂肪を局部減少させるための組成物を以下のとおり調製した。
プロピレングリコールとミリスチン酸イソプロピルとの混合物に、ニートなラタノプロストを添加した。得られた混合物に、溶融ワセリンを添加した。この混合物を十分に撹拌して、冷却したところ、最終ラタノプロスト濃度が0.1%(w/w)の軟膏が約100グラム得られた。この混合物は、純粋なペトロラタムと比べてより流動性があり、より塗りやすく、より容易に混合され(すなわち、混合にそれほどの力を必要としない)、かつ容器、例えば、広口ビンまたは圧縮可能なチューブからより簡単に分注された(すなわち、それほど力を必要とせず、かつより制御された方法で流動する)。
(実施例2)
皮下脂肪を局部減少させるための組成物を以下のとおり調製した。
クロロブタノールをミリスチン酸イソプロピルに溶解し、得られた溶液に、ニートなラタノプロストを添加して溶解した。得られた溶液に、溶融ワセリンを添加した。この混合物を十分に撹拌して、冷却すると、最終ラタノプロスト濃度が0.3%(w/w)の軟膏が約100グラム得られた。組成物は、約50〜約1000gの範囲の様々なスケールで、上の配合に従って調製した。さらに、ラタノプロスト含有量が0.1%、0.15%および0.5%(w/w)と異なって含んでおり、ワセリンの量によってバランスをとった、同等の製剤を同様に調製した。HPLC分析すると、これらの組成物は、均質であること、および正確な効力を有することが分かった。
(実施例3)
25℃において、ミリスチン酸イソプロピルおよびクロロブタノールの10:1の溶液へのラタノプロストの溶解度を標準(USP)プロトコルにより評価した。この温度における溶解度の上限値は、約60〜約85mg/gであることが分かった。ラタノプロストはほとんどの溶媒に不溶であるか、または溶解度が乏しいので、この高い溶解度の程度は、予想外であった。さらに、この高い溶解度の程度は、次の実施例において記載されている、無菌法を実施するために重要であった。
(実施例4)
脂肪を局部減少させるための、無菌の眼科上適合可能な組成物を以下のとおり調製した。
この方法は、無菌で実施した。クロロブタノール(CB)をミリスチン酸イソプロピル(IM)に溶解した。この溶液にラタノプロストを添加すると、容易に溶解した。得られた溶液を0.2マイクロメートルのフィルターによりろ過を行い、ろ液が得られ、これを無菌容器に入れた。この容器に溶融ワセリンを無菌で添加した。この混合物を十分に撹拌すると、最終ラタノプロスト濃度が0.1%(w/w)の均質な軟膏が約100グラム得られた。実験室分析すると、この軟膏は無菌であり、内毒素不含であった。同様量のワセリンを追加のラタノプロストに置き換えて、0.3%(w/w)を含む同等の軟膏を調製した。当業者であれば、上記の方法は、それぞれ、0.1%および0.3%の製品とするためには、ラタノプロストのIM:CB溶液中への溶解度が、少なくとも18または55mg/g必要であることを理解するであろう。
(実施例5)
組成物は、実施例2に従って調製し、しっかりと密封した容器中、室温で保管した。ラタノプロスト濃度、均質性、および不純物がないことは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により確認した。2か月間、この組成物を保管し、HPLCで定期的な間隔で、再分析および試験を行った。各間隔において、官能検査により、組成物の物理的安定性が示され、かつHPLCにより、ラタノプロスト濃度の安定性および公知の分解物(例えば、ラタノプロスト遊離酸、15−ケトラタノプロスト)がないことが示された。したがって、この組成物は、優れた物理的および化学的安定性を実証すると結論づけた。
(実施例6)
皮膚浸透検討は、ラタノプロストの様々な製剤を用い、エクスビボで、新鮮なヒト皮膚上で実施した。新鮮なヒト皮膚は、腹部整形術を受けた生体ドナーから得て、標準的な(フランツ型)拡散セル装置に取り付けた。すべての製剤は、該組成物の総重量あたりのラタノプロストの重量として表すと、ラタノプロスト0.8%を含有した。各試験品(8mg)を、0.8cm
2の皮膚表面に均一に適用した。製剤はすべて、少なくとも2人の異なるドナーからの皮膚上で試験した。処置した皮膚を大気に開放して放置し、臨床条件を模擬した。受容者の体液が24時間かけて連続して流れ、画分毎に採集した。これらの画分中の薬物(ラタノプロスト遊離酸)の量を、紫外検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により決定した。以下の薬物量が、24時間にわたる受容者の体液から回収された。
したがって、炭化水素基剤中のミリスチン酸イソプロピルを含むラタノプロストの製剤は、ミリスチン酸イソプロピルのない類似の製剤と比べて、実質的により多くの薬物の皮膚浸透をもたらした。ミリスチン酸イソプロピルを含む製剤はまた、DMSO99%のゲル剤であるポジティブ対照よりも、ならびに乳酸ラウリル、ポリソルベート80およびジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの増強剤を含む様々な他の製剤と比べて、優れた薬物浸透をもたらした。
(実施例7)
皮膚浸透試験は、前述の実施例において記載されている方法に従い、ラタノプロストの様々な製剤を用い、エクスビボで、新鮮なブタの皮膚上で実施した。すべての製剤は、該組成物の総重量あたりのラタノプロストの重量として表すと、ラタノプロスト0.25%を含有した。LFAに対して、以下のフラックス値が、24時間にわたり観測された。
こうして、ワセリンおよびミリスチン酸イソプロピルを含むが、鉱物油のないラタノプロストの製剤は、鉱物油と、ミリスチン酸イソプロピル、ワセリン、またはそれらの両方とを含むラタノプロストの製剤よりも、優れたLFA送達をもたらした。
(実施例8)
ラタノプロストを0.1%または0.5%の最終濃度で含む、実施例2に記載されている組成物を、ゲッチンゲンミニブタ(Gottingen minipig)で試験した(1用量濃度あたり3頭の動物)。動物はすべて、背部皮膚上の、身体の表面積の10%にわたり、10日間、毎日1回、試験した。動物を、皮膚状態、体重、および安全性についてモニタリングした。一連の血漿試料を採取し、薬物動態を評価した。最後の投与の24時間後に、動物を屠殺した。皮膚および脂肪を処置領域から切除した。組織を組織学的に検査した。液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法(LC/MS/MS)により、皮下脂肪(組織の中間深度)における薬物(LFA)濃度を測定するためにも組織を使用した。この製品は、いかなる動物でも、有害作用を伴うことなく、十分に耐容性があった。10日目の皮下脂肪および血漿中のLFA濃度を表6に示す。
こうして、この組成物は十分に耐容性があり、厚い皮膚の哺乳動物への適用後に、LFAを皮下脂肪に局所送達した。
(実施例9)
ラタノプロストを0.1%または0.5%の最終濃度で含む、実施例2に記載されている組成物は、ゲッチンゲンミニブタの眼球周囲の皮膚上で試験した(1用量濃度あたり3頭の動物)。動物はすべて、10日間、毎日1回、試験した。動物を、皮膚状態、体重、および安全性についてモニタリングした。最後の投与の24時間後、動物を屠殺した。皮膚および脂肪を処置領域から切除した。この組織の一部を、組織学的に検査した。この製品は、いかなる動物でも、有害作用を伴うことなく、十分に耐容性があった。
(実施例10)
ラタノプロスト(0.1%または0.5%)、クロロブタノール0.5%、ミリスチン酸イソプロピル5%、および白色ワセリン(十分量)(すべて、w/w)からなる製剤を、ウサギの標準的な視覚刺激試験で試験した。この製剤は有害作用を何ら引き起こさなかった。
(実施例9)
ミリスチン酸イソプロピル5%、プロピレングリコール15%、および白色ワセリン80%(活性成分を含まず)を含む組成物を、健常な成人男性および女性(n=4)の前腕の手のひら側の皮膚に適用した。この適用面積は、5cm×5cmであった。適用は、7日間連続で毎日1回とした。皮膚状態および参加者の経験を毎日記録し、結果は以下のとおりであった。
こうして、上記の製剤は、ヒト皮膚に適用しても、非刺激性であり、見た目に美しいものであった。
(実施例10)
ラタノプロストを例えば0.1%w/w含む様々な組成物を、肥満マウスで試験した。すべて、類似のベースライン体重を有する、約6週齢のマウスを無作為抽出し、以下のとおり前向き処置を行った(群あたりn=5の動物)。
用量は右側腹に毎日0.1ccであった。マウスは餌を自由摂取させて、約28日間、毎日体重を測定した。28日目または約28日目に、マウスを屠殺し、組織学的検査のために、皮下脂肪を含む皮膚試料を採集した。約28日後、群Dのマウスは、群A、BまたはCのいずれのマウスと比べても、比較的少ない体重増加(または、より大きな体重の減少)および比較的小さな肥満度を示すことが予期される。すなわち、肥満のマウスモデルにおいて、前述の結果は、ワセリン、クロロブタノールおよびミリスチン酸イソプロピルを含むラタノプロスト製剤により、ワセリンから実質的になるビヒクルを有する、等モル量のラタノプロスト製剤と比べて、優れた肥満度の低下を示すことが予期される。
(実施例11)
ラタノプロスト0.5%、ミリスチン酸イソプロピル5%、クロロブタノール0.5%、および白色ワセリン94%(すべて、w/w)から実質的になる組成物を、6頭のゲッチンゲンミニブタの背部皮膚(身体表面積の10%)に、毎日1回で13週間、投与した。ミリスチン酸イソプロピル5%、クロロブタノール0.5%、および白色ワセリン94.5%(すべて、w/w)から実質的になるプラセボ組成物により、同頭数の動物を処置した。安全性および耐容性について、動物を観察した。この組成物は、すべての動物において、十分に耐容性があった。13週間後、動物を屠殺し、背部皮膚、脂肪および筋肉を、処置領域の画一部分から一括切除した。プラセボ組成物により処置した動物と比べて、ラタノプロスト0.5%品により処置した動物では、全体的な萎縮、すなわち皮下脂肪の30%〜70%の厚み低下があった。
(実施例12)
実施例11に記載されている検討から、組織の一部分をホルマリン中で固定化し、ヘマトキシリンおよびエオシンを用いて染色し、組織学的検査を行った。皮下脂肪の厚みを、例えば、ImageJ(米国国立衛生研究所)などの画像分析ソフトウェアを使用し、真皮から皮膚筋層(panniculus carnosus)に至る脂肪の厚みを測定することにより全身測定した。組織の別の部分から皮下脂肪を切除し、洗浄して細かく砕いてホモジナイズし、このホモジネートをタンデム質量分析法を含む液体クロマトグラフィー(当分野で公知の方法)を使用して、ラタノプロスト遊離酸の濃度の定量に供した。ラタノプロストを含有する組成物は、対照と比べて、皮下脂肪の厚みの低下を伴うであろうと予期される。ラタノプロスト組成物は、他のインビボ実験およびインビトロアッセイを参照すると、治療効果があると考えられる、皮下脂肪における、ラタノプロスト遊離酸の量と関連することがさらに予期される。本実施例のラタノプロスト組成物は、これまで開示されている他の製剤と比べて、ラタノプロスト遊離酸のより高い組織濃度、および/または皮下脂肪のより高い低下度を伴うことがさらに予期される。
(実施例13)
以下の実験は、オトガイ下脂肪の低下のための、PFPRA化合物の組成物の安全性および効力がどうかを試験するために、ヒト被験体における、無作為のプラセボを対照とする、二重盲検試験を記載する。この組成物は、例えば実施例2に記載されているとおりとすることができ、ここでは、PFPRA化合物はラタノプロストである。あるいは、PFPRA化合物は、例えばタフルプロストとすることができる。
過剰のオトガイ下脂肪を有する、適格な被験体(例えば、n=60)が、無作為二重盲検検討に参加する。被験体は、1:1形式で無作為化され、活性組成物(例えば、ラタノプロスト0.3%を含む)または対応する不活性ビヒクルのどちらか一方の投与を受ける。被験体は、下顎に薄い膜で、用量0.5mlを1日1回適用するよう指示を受ける。一連の臨床評価、写真、および磁気共鳴画像法(MRI)走査を、最初の投与前、次に13週間目に実施する。処置は、合計で13週間継続する。臨床評価および/またはMRIにより測定すると、ラタノプロスト(またはタフルプロスト)を含む組成物は、経時的に、例えば処置の13週間後に、ビヒクル単独と比べて、オトガイ下脂肪の深さおよび/または体積のより多くの減少を伴うことが予期される。
(実施例14)
以下の実験は、眼窩周囲脂肪の減少のための、PFPRA化合物の組成物の安全性および効力がどうかを試験するために、ヒト被験体における、無作為のプラセボを対照とする、二重盲検試験を記載する。この組成物は、例えば実施例4に記載されている無菌組成物とすることができ、ここでは、PFPRA化合物はラタノプロストである。あるいは、PFPRA化合物は、例えばタフルプロストとすることができる。
過剰の眼窩周囲脂肪を有する、適格な被験体(例えば、n=60)が、無作為二重盲検検討に参加する。被験体は、1:1形式で無作為化され、活性組成物(例えば、ラタノプロスト0.1%を含む)または対応する不活性ビヒクルのどちらか一方の投与を受ける。被験体は、眼窩周囲の皮膚に薄い膜で、用量0.1mlを1日1回適用するよう指示を受ける。一連の臨床評価および写真を、最初の投与前、次に6週間時および12週間時に実施する。処置は、合計で12週間継続する。臨床評価により測定すると、ラタノプロスト(または他の活性成分)を含む組成物は、経時的に、例えば処置の12週間後に、ビヒクル単独と比べて、眼窩周囲脂肪の体積のより多くの減少を伴うことが予期される。
(実施例15)
ラタノプロスト軟膏を実施例2に従って調製し、殺菌に一般に使用されている、様々な用量のガンマ線照射を施した。バリデーション済みのHPLC法を使用して、ラタノプロスト含有量および分解物に関して軟膏を評価した。ラタノプロストのかなりの分解が、ガンマ線照射のすべての用量で観測された。こうして、ガンマ線照射は、ラタノプロストを含む組成物を滅菌するには適していないことが見出された。
他の実施形態
特許請求の範囲において、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、特に反対の記載がない限り、または文脈から特に明白ではない限り、1つまたは1つ超を意味することができる。特に反対の記載がない限り、または特に文脈から明白ではない限り、ある群の1つまたは複数の要素間に「または(or)」を含む特許請求の範囲または説明は、その群の要素の1つ、1つ超またはすべてが、所与の生成物または方法において存在する、それらに使用されている、またはそれ以外の方式でそれらに関連している場合、条件を満たすとみなされる。本発明は、その群のちょうど1つの要素が、所与の生成物または方法に存在するか、それらに使用されるか、またはそれらに関連している実施形態を含む。本発明は、その群の要素1つ超またはすべてが、所与の生成物または方法に存在するか、それらに使用されるか、またはそれらに関連している実施形態を含む。
さらに、本発明は、その中で、列挙されている特許請求の範囲の1つまたは複数からの1つまたは複数の限定、要素、節、および記述用語が別の請求項に導入されている、すべての変更、組合せおよび変形を包含する。例えば、別の請求項に従属するいかなる請求項も、その同じ基本請求項に従属する他の任意の請求項において見出される1つまたは複数の限定を含むように改変することができる。要素が列挙として、例えば、マーカッシュ群形式で示されている場合、その要素の各下位群もやはり開示されており、その群から任意の要素(複数可)を排除することができる。一般に、本発明、または本発明の態様が特定の要素および/または特徴を含むと言及されている場合、本発明のある実施形態または本発明の態様は、こうした要素および/または特徴からなるか、または実質的にこれからなることを理解すべきである。簡潔にするために、そうした実施形態は、本明細書では、このとおりの言葉で具体的に示されていない。「含む(comprising)」および「含有する(containing)」という用語は、非限定を意図しており、追加の要素またはステップの包含を許容することも留意されたい。範囲が示されている場合、端点が含まれる。さらに、特に示さない限り、または文脈からかつ当業者の理解から特に明白ではない限り、範囲として示されている値は、その文脈が明らかに別段の指定をしない限り、本発明の様々な実施形態において明記されている範囲内で、その範囲の下限の単位の10分の1までの具体的な任意の値または部分範囲を想定することができる。
本出願は、様々な発行された特許、公開特許出願、学術論文、および他の刊行物を参照しており、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれている。組み込まれた参照文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本出願が支配する。さらに、従来技術内に含まれる本発明の特定の実施形態のいずれもが、いずれか1つまたは複数の特許請求の範囲から、明確に除外され得る。こうした実施形態は、当業者に公知であるとみなされるので、除外されるものが本明細書において明確に説明されていない場合でさえ、除外され得る。本発明のいかなる特定の実施形態も、従来技術の存在に関係するか否かにかかわらず、いかなる理由でも、いかなる請求項からも除外することができる。
当業者は、型とおりの実験だけを使用して、本明細書で記載されている具体的な実施形態に対する、多くの等価物を認識するか、または確認することができよう。本明細書で記載されている本発明の実施形態の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲において説明されているとおりである。当業者であれば、以下の特許請求の範囲において定義されている、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変更および改変を行うことができることが理解されよう。