JP5929454B2 - 発射薬 - Google Patents
発射薬 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5929454B2 JP5929454B2 JP2012093055A JP2012093055A JP5929454B2 JP 5929454 B2 JP5929454 B2 JP 5929454B2 JP 2012093055 A JP2012093055 A JP 2012093055A JP 2012093055 A JP2012093055 A JP 2012093055A JP 5929454 B2 JP5929454 B2 JP 5929454B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propellant
- central
- interval
- holes
- hole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 239000003380 propellant Substances 0.000 title claims description 226
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 36
- VZSRBBMJRBPUNF-UHFFFAOYSA-N 2-(2,3-dihydro-1H-inden-2-ylamino)-N-[3-oxo-3-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)propyl]pyrimidine-5-carboxamide Chemical compound C1C(CC2=CC=CC=C12)NC1=NC=C(C=N1)C(=O)NCCC(N1CC2=C(CC1)NN=N2)=O VZSRBBMJRBPUNF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 34
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 24
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 22
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 15
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 14
- HMUNWXXNJPVALC-UHFFFAOYSA-N 1-[4-[2-(2,3-dihydro-1H-inden-2-ylamino)pyrimidin-5-yl]piperazin-1-yl]-2-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)ethanone Chemical compound C1C(CC2=CC=CC=C12)NC1=NC=C(C=N1)N1CCN(CC1)C(CN1CC2=C(CC1)NN=N2)=O HMUNWXXNJPVALC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 11
- 230000000087 stabilizing effect Effects 0.000 description 9
- NIPNSKYNPDTRPC-UHFFFAOYSA-N N-[2-oxo-2-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)ethyl]-2-[[3-(trifluoromethoxy)phenyl]methylamino]pyrimidine-5-carboxamide Chemical compound O=C(CNC(=O)C=1C=NC(=NC=1)NCC1=CC(=CC=C1)OC(F)(F)F)N1CC2=C(CC1)NN=N2 NIPNSKYNPDTRPC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 8
- 238000000034 method Methods 0.000 description 8
- YLZOPXRUQYQQID-UHFFFAOYSA-N 3-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)-1-[4-[2-[[3-(trifluoromethoxy)phenyl]methylamino]pyrimidin-5-yl]piperazin-1-yl]propan-1-one Chemical compound N1N=NC=2CN(CCC=21)CCC(=O)N1CCN(CC1)C=1C=NC(=NC=1)NCC1=CC(=CC=C1)OC(F)(F)F YLZOPXRUQYQQID-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 7
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 7
- 238000010304 firing Methods 0.000 description 6
- 239000000567 combustion gas Substances 0.000 description 5
- 239000003814 drug Substances 0.000 description 5
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 4
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 4
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 3
- 238000004898 kneading Methods 0.000 description 3
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 3
- AFCARXCZXQIEQB-UHFFFAOYSA-N N-[3-oxo-3-(2,4,6,7-tetrahydrotriazolo[4,5-c]pyridin-5-yl)propyl]-2-[[3-(trifluoromethoxy)phenyl]methylamino]pyrimidine-5-carboxamide Chemical compound O=C(CCNC(=O)C=1C=NC(=NC=1)NCC1=CC(=CC=C1)OC(F)(F)F)N1CC2=C(CC1)NN=N2 AFCARXCZXQIEQB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000020 Nitrocellulose Substances 0.000 description 2
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 2
- 238000013461 design Methods 0.000 description 2
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 2
- 239000003721 gunpowder Substances 0.000 description 2
- 229920001220 nitrocellulos Polymers 0.000 description 2
- 239000003381 stabilizer Substances 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- IDCPFAYURAQKDZ-UHFFFAOYSA-N 1-nitroguanidine Chemical compound NC(=N)N[N+]([O-])=O IDCPFAYURAQKDZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- RNFJDJUURJAICM-UHFFFAOYSA-N 2,2,4,4,6,6-hexaphenoxy-1,3,5-triaza-2$l^{5},4$l^{5},6$l^{5}-triphosphacyclohexa-1,3,5-triene Chemical compound N=1P(OC=2C=CC=CC=2)(OC=2C=CC=CC=2)=NP(OC=2C=CC=CC=2)(OC=2C=CC=CC=2)=NP=1(OC=1C=CC=CC=1)OC1=CC=CC=C1 RNFJDJUURJAICM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- SNIOPGDIGTZGOP-UHFFFAOYSA-N Nitroglycerin Chemical compound [O-][N+](=O)OCC(O[N+]([O-])=O)CO[N+]([O-])=O SNIOPGDIGTZGOP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000006 Nitroglycerin Substances 0.000 description 1
- 238000007792 addition Methods 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 description 1
- 238000012217 deletion Methods 0.000 description 1
- 230000037430 deletion Effects 0.000 description 1
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000002360 explosive Substances 0.000 description 1
- 238000001125 extrusion Methods 0.000 description 1
- 239000003063 flame retardant Substances 0.000 description 1
- 229960003711 glyceryl trinitrate Drugs 0.000 description 1
- 239000002655 kraft paper Substances 0.000 description 1
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 1
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 1
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 239000002904 solvent Substances 0.000 description 1
- 230000006641 stabilisation Effects 0.000 description 1
- 238000011105 stabilization Methods 0.000 description 1
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Aiming, Guidance, Guns With A Light Source, Armor, Camouflage, And Targets (AREA)
Description
そこで、以下の特許文献1、2には、発射薬の燃焼初期のガス発生速度を高める発明が開示されている。
また、特許文献2に記載の発射装薬では、負差圧等の異常圧力を発生させることなく初速ばらつきを低減することが課題として挙げられている。しかし特許文献2には、発明品の発射装薬を用いた場合に、初速ばらつきを、どの程度、低減できているか記載はあるが、異常圧力である負差圧を、どの程度、低減できているか記載が充分でなく、実際に負差圧の低減効果が得られるか否か不明である。逆に、初速安定化用発射薬を局所的に配置することによって、負差圧PS等の異常圧力が発生する可能性が大きくなることが考えられる。また、初速安定化用発射薬を局所的に配置するためには、初速安定化用発射薬を薬のうなどに充填して、所定の位置へ取り付ける必要があり、組み立て工数の増加に繋がる。
なお負差圧とは、火砲の燃焼薬室内での発射薬の均一な燃焼状態を示す指標として使用されている値であり、燃焼薬室前方の圧力と燃焼薬室後方の圧力との差の最小値の絶対値を算出することで求められる。通常、燃焼薬室に設置されたピエゾセンサによって燃焼薬室内の前方及び後方の圧力が連続的に計測され、図1に示すように、燃焼薬室前方の圧力PF、燃焼薬室後方の圧力PR、差圧履歴(負差圧PS=PF−PR)から求められる。通常、発生した負差圧PSの絶対値は小さいほうが好ましい。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、発射薬の燃焼初期における負差圧等の異常圧力の発生を抑制し、初速のばらつきをより低減することができる発射薬を提供することを課題とする。
まず、本発明の第1の発明は、軸方向に直交する端面と前記軸方向に平行な側面とを備えて柱状の形状を有し、前記端面における前記側面よりも内側となる中央領域において前記軸方向に平行な7個以上の中央部貫通孔を有し、隣り合う前記中央部貫通孔が均一な中央部貫通孔間隔となるようにそれぞれの前記中央部貫通孔が配置されている弾薬用の発射薬において、前記側面には、前記中央部貫通孔間隔以下の幅及び深さを有して前記軸方向に平行な方向となる複数の第1切り込みが形成されており、隣り合う前記第1切り込みの間隔は、前記中央部貫通孔間隔に対して0.05倍から0.75倍となっている発射薬である。
これにより、発射薬の燃焼初期における負差圧等の異常圧力の発生を抑制し、初速のばらつきをより低減することができる。
これにより、発射薬の燃焼初期における負差圧等の異常圧力の発生を抑制し、初速のばらつきをより低減することができる。
これにより、発射薬の燃焼初期における負差圧等の異常圧力の発生を抑制し、初速のばらつきをより低減することができる。
以下、実施例1−1〜実施例1−3(図4に示す発射薬20A)、実施例2−1(図5に示す発射薬20B)、実施例2−2(図6に示す発射薬20C)、実施例3−1(図7に示す発射薬20D)について説明する。
発射薬20A〜発射薬20Dのそれぞれは、軸ZC方向に直交する端面20Tと、軸ZC方向に平行な側面20Sと、を備えて柱状の形状を有している。また、端面20Tにおいて側面20Sよりも内側となる中央領域21Aには、軸ZC方向に平行な7個以上の貫通孔である中央部貫通孔21Eが配置されている。
そして、中央部貫通孔21Eのそれぞれは、隣り合う中央部貫通孔21Eがそれぞれ均一な間隔である中央部貫通孔間隔K1となるように配置されている。
そして側面20Sの表面には、中央部貫通孔間隔K1以下の幅及び深さを有して軸ZC方向に平行な方向となる複数の第1切り込み23が形成されている。
なお、評価方法については、以下に説明する方法にて「初速ばらつき」と「負差圧」について評価した。
初速ばらつきの評価は、図10に示す表における「初速ばらつきの標準偏差」にて評価している。「初速ばらつきの標準偏差」を求めるために、以下に説明するように、飛翔した弾丸の初速を求めている。
射撃試験装置としては、図3に示す155mmりゅう弾砲40と同等の燃焼薬室及び砲身(砲身長約4m)を有する射撃試験装置を使用し、質量44kgの弾丸42を燃焼薬室前方に装填した後、1、3、6個の発射装薬10を燃焼薬室に装填した(図3は、3個の発射装薬10を装填した例を示している)。その後、燃焼薬室を閉鎖装置41で閉鎖した後、火管の作動によって発射装薬に点火し、弾丸42を飛翔させた。
弾丸初速は弾丸の通過によって電気信号を発生する線的を用いて計測し、砲身先端から5m、10mの2ヶ所の位置に線的を設置し、2的間の電気信号の発生時間差から弾丸初速を求めた。なお、射撃回数は1水準当たり3回として初速ばらつきを評価した。
なお、評価基準としては、第1切り込み23を追加していない公知の形状の発射薬(図8参照)による初速ばらつきの標準偏差を100とした場合、発明品の発射薬による初速ばらつきの標準偏差を50未満とすべきであり、好ましくは40未満とすべきである。
負差圧の評価は、図10に示す表における「最大負差圧」にて評価している。「最大負差圧」を求めるために、以下に説明するように、射撃試験装置の燃焼薬室前方の圧力と、射撃試験装置の燃焼薬室後方の圧力と、を求めている。
負差圧とは火砲の燃焼薬室内での発射薬の均一な燃焼状態を示す指標として使用されている値であり、図1に示すように、燃焼薬室前方の圧力PFと燃焼薬室後方の圧力PRとの差(負差圧PS)の最小値の絶対値を算出することで求められる。
燃焼薬室内圧力は、射撃試験装置の燃焼薬室後方及び燃焼薬室前方の2ヶ所に設置したピエゾセンサを使用して連続的に計測し、負差圧を求めた。
なお、評価基準としては、発明品の発射薬による負差圧は、10MPa未満とすべきである。
図4には、図10に示す表における実施例1−1に相当する発射薬20Aの外観(斜視図)の例が示されており、図2には発射薬20Aを収容した発射装薬10の軸方向断面図が示されている。
なお、実施例1−2の発射薬、実施例1−3の発射薬は、後述するように実施例1−1の発射薬20A(図4参照)から第1切り込み23の間隔L44が変更されたものであるが、図示は省略する。
図4に示すように、実施例1−1〜実施例1−3の発射薬20Aは、六角柱状の形状を有して中央領域21Aに19個の貫通孔を有する、いわゆる19孔6角柱状発射薬(図8参照)に対して、軸ZC方向に平行となるように、側面20Sの表面に、所定幅、所定深さ、所定間隔にて、第1切り込み23を設けた発射薬である。
なお、中央部貫通孔21Eには、軸ZCの位置に設けられた中心貫通孔21Cと、軸ZCの周囲に設けられた周辺部貫通孔21Dと、がある。
また、発射薬20Aについては、以下の方法で製造した。
発射薬の組成は代表的なM30組成(ニトロセルロース(28.00重量%)、ニトログリセリン(22.50重量%)、ニトログアニジン(47.70重量%)、安定剤(1.5重量%)、消炎剤(0.3重量%))とした。
製造方法としては、捏和(ねつか)、圧伸、裁断、乾燥の工程からなる公知の溶剤圧伸法を用いて発射薬を製造した。
実施例1−1〜実施例1−3の発射薬20Aには、最大外径D41=16.0mm、長さL41=14.5mm、中央部貫通孔21Eの直径=0.5mm、隣り合う中央部貫通孔21Eの間隔(中央部貫通孔間隔K1)=2mm、中央部貫通孔21Eの数=19個、の断面六角形のものを使用した。
また、第1切り込み23の形成については、圧伸工程で行い、圧伸工程で用いるダイスの内面に、捏和工程後に得られる所定の粘度を有する原材料(以下、捏和薬)の圧出方向と平行に凸部形状を設けた。この凸部形状を有するダイス内に捏和薬を通過させることにより第1切り込み23を有する発射薬を製造した。
図2は、上記の発射薬20Aを収容した発射装薬10の軸方向断面図である。
発射装薬10は、発射薬20A、焼尽部品、点火薬30にて構成されている。また、焼尽部品は上部焼尽部品11、下部焼尽部品12、中心焼尽部品13にて構成されている。
図2に示すように、下部焼尽部品12の中央部に中心焼尽部品13を組み付けることによって発射楽20Aを収容可能な発射薬収容空間12Kが形成され、この発射薬収容空間12K内に、適切な個数の発射薬20Aが収容される。
発射薬20Aを発射薬収容空間12Kに収容した後、発射薬収容空間12Kの開口側から上部焼尽部品11が組み付けられて、上部焼尽部品11は発射薬収容空間12Kの蓋となる。
この結果、発射装薬10は、肉厚の円筒状となり、円筒部の内部に発射薬20Aが収容されている。
また、各焼尽部品の組成は、ニトロセルロース(57重量%)とクラフトパルプ(28重量%)、汎用樹脂(14重量%)、安定剤(1重量%)の組成を使用した。
また、点火薬30については、シングルベース火薬5g、黒色火薬5gを使用し、それらを布製の袋に入れて中心焼尽部品13の内側に設けた。
また、発射装薬1個当たりの発射薬の量を2.0kgとした。
実施例1−1〜実施例1−3の各発射薬について、図10の表に示すように、発射装薬の個数1、3、6個(発射薬量2.0〜12.0kg)の各条件で射撃試験を実施した。
初速ばらつきの標準偏差は、後述の比較例1−1の発射装薬の数が1個の条件で得られた初速ばらつきの標準偏差を100%として相対評価した。
図10の表からわかるように、比較例1−1の結果と比較して、初速ばらつきは低減されつつ、最大負差圧は同程度に抑制できていることが確認された。
図5には、図10に示す表における実施例2−1に相当する発射薬20Bの外観(斜視図)の例が示されている。
図5に示すように、実施例2−1の発射薬20Bは、円柱状の形状を有して中央領域21Aに19個の貫通孔を有する、いわゆる円形断面19孔管状発射薬に対して、軸ZC方向に平行となるように、側面20Sの表面に、所定幅、所定深さ、所定間隔にて、第1切り込み23を設けた発射薬である。
実施例2−1の発射薬20Bには、外径D51=16.0mm、長さL51=14.5mm、中央部貫通孔21Eの直径=0.5mm、隣り合う中央部貫通孔21Eの間隔(中央部貫通孔間隔K1)=2mm、中央部貫通孔21Eの数=19個、の断面円形のものを使用した。
また、発射薬20Bの側面20Sの表面に、中央部貫通孔間隔K1以下の幅L52及び深さL53にて、軸ZC方向と平行に第1切り込み23を設けた。そして、第1切り込み23の幅L52=0.1mm、第1切り込み23の深さL53=0.75mmに設定し、隣り合う第1切り込み23の間隔L54=0.5mmに設定した。
なお、発射薬組成は実施例1−1と同一とした。
発射装薬の構造については、実施例1−1にて説明した図2に示す発射装薬10に対して発射薬20Aを発射薬20Bに変更したのみであるので、説明を省略する。
実施例2−1の発射薬について、図10の表に示すように、発射装薬の個数1、3、6個(発射薬量2.0〜12.0kg)の各条件で射撃試験を実施した。
図10の表からわかるように、比較例1−1の結果と比較して、初速ばらつきは低減されつつ、最大負差圧は同程度に抑制できていることが確認された。
図6には、図10に示す表における実施例2−2に相当する発射薬20Cの外観(斜視図)の例が示されている。
図6に示すように、実施例2−2の発射薬20Cは、いわゆる円形断面7孔管状発射薬に対して、軸ZC方向に平行となるように、側面20Sの表面に、所定幅、所定深さ、所定間隔にて、第1切り込み23を設けた発射薬である。
実施例2−2の発射薬20Cには、外径D61=11.0mm、長さL61=9.5mm、中央部貫通孔21Eの直径=0.5mm、隣り合う中央部貫通孔21Eの間隔(中央部貫通孔間隔K1)=2mm、中央部貫通孔21Eの数=7個、の断面円形のものを使用した。
また、発射薬20Cの側面20Sの表面に、中央部貫通孔間隔K1以下の幅L62及び深さL63にて、軸ZC方向と平行に第1切り込み23を設けた。そして、第1切り込み23の幅L62=0.1mm、第1切り込み23の深さL63=0.75mmに設定し、隣り合う第1切り込み23の間隔L64=0.5mmに設定した。
なお、発射薬組成は実施例1−1と同一とした。
発射装薬の構造については、実施例1−1にて説明した図2に示す発射装薬10に対して発射薬20Aを発射薬20Cに変更したのみであるので、説明を省略する。
実施例2−2の発射薬について、図10の表に示すように、発射装薬の個数1、3、6個(発射薬量2.0〜12.0kg)の各条件で射撃試験を実施した。
図10の表からわかるように、比較例1−1の結果と比較して、初速ばらつきは低減されつつ、最大負差圧は同程度に抑制できていることが確認された。
図7には、図10に示す表における実施例3−1に相当する発射薬20Dの外観(斜視図)の例が示されている。
図7に示すように、実施例3−1の発射薬20Dは、いわゆる6角形断面19孔管状発射薬(図8参照)に対して、軸ZC方向に平行となるように、側面20Sの表面に、所定幅、所定深さ、所定間隔にて、第1切り込み23を設け、更に軸ZC方向に直交する方向(第1切り込み23に直交する方向)となるように、側面20Sの表面に、所定幅、所定深さ、所定間隔にて、第2切り込み24を設けた発射薬である。
実施例3−1の発射薬20Dには、最大外径D71=16.0mm、長さL71=14.5mm、中央部貫通孔21Eの直径=0.5mm、隣り合う中央部貫通孔21Eの間隔(中央部貫通孔間隔K1)=2mm、中央部貫通孔21Eの数=19個、の断面六角形のものを使用した。
また、発射薬20Dの側面20Sの表面に、中央部貫通孔間隔K1以下の幅L72及び深さL73にて、軸ZC方向と平行に第1切り込み23を設けた。そして、第1切り込み23の幅L72=0.1mm、第1切り込み23の深さL73=0.75mmに設定し、隣り合う第1切り込み23の間隔L74=0.4mmに設定した。
さらに、発射薬20Dの側面20Sの表面に、中央部貫通孔間隔K1以下の幅L75及び深さにて、軸ZCに直交する方向(第1切り込み23に直交する方向)に第2切り込み24を設けた。そして、第2切り込み24の幅L75=0.1mm、第2切り込み24の深さ=0.75mmに設定し、隣り合う第2切り込み24の間隔L76=0.4mmに設定した。
また、第2切り込み24を有する発射薬を製造するために、公知のギロチン裁断機を使用した。ギロチン裁断機は、圧伸工程後に得られる成型された捏和薬(以後、圧伸薬)を所望の薬長に裁断するために用いられる。通常はギロチン裁断機の裁断刃が圧伸薬を完全に裁断するが、裁断刃の裁断深さを任意の位置で停止できるように調整して第2切り込み24を有する発射薬を製造した。
また、発射薬組成は実施例1−1と同一とした。
発射装薬の構造については、実施例1−1にて説明した図2に示す発射装薬10に対して発射薬20Aを発射薬20Dに変更したのみであるので、説明を省略する。
実施例3−1の発射薬について、図10の表に示すように、発射装薬の個数1、3、6個(発射薬量2.0〜12.0kg)の各条件で射撃試験を実施した。
図10の表からわかるように、比較例1−1の結果と比較して、初速ばらつきは低減されつつ、最大負差圧は同程度に抑制できていることが確認された。
図8には、図10に示す表における比較例1−1に相当する従来の発射薬120Aの外観(斜視図)の例が示されている。
図8に示すように、比較例1−1の従来の発射薬120Aは、いわゆる19孔6角柱状発射薬の例である。
比較例1−1の発射薬120Aには、最大外径D91=14.5mm、長さL91=14.5mm、中央部貫通孔121Eの直径=0.5mm、隣り合う中央部貫通孔121Eの間隔(中央部貫通孔間隔K1)=2mm、中央部貫通孔121Eの数=19個、の断面六角形のものを使用した。
なお、発射薬組成は実施例1−1と同一とした。
発射装薬の構造については、実施例1−1にて説明した図2に示す発射装薬10に対して発射薬20Aを発射薬120Aに変更したのみであるので、説明を省略する。
比較例1−1の従来の発射薬について、図10の表に示すように、発射装薬の個数1、3、6個(発射薬量2.0〜12.0kg)の各条件で射撃試験を実施した。
図10の表において、比較例1−1の発射装薬の数が1個の条件で得られた初速ばらつきの標準偏差を100%(評価基準値)とした。従って、各実施例における初速ばらつきの標準偏差は、100%より小さいほど、好ましい結果であるといえる。
図9には、図10に示す表における比較例2−1に相当する従来の発射薬120Bの外観(斜視図)の例が示されている。
図9に示すように、比較例2−1の従来の発射薬120Bは、いわゆる円形断面単孔管状発射薬に対して、軸ZC方向に平行となるように、側面120Sの表面に、所定幅、所定深さ、所定間隔にて、第1切り込み123を設けた発射薬である。
比較例2−1の発射薬120Bには、外径D101=6mm、長さL101=4.5mm、中心貫通孔121C(中央部貫通孔)の直径=0.5mm、中心貫通孔121Cの数=1個、の断面円形のものを使用した。
更に、発射薬120Bの側面120Sの表面に、軸ZC方向と平行に切り込み123を設けた。そして、切り込み123の幅L102=0.1mm、切り込み123の深さL103=0.75mmに設定し、隣り合う切り込み123の間隔L104=0.5mmに設定した。
また、発射薬組成は実施例1−1と同一とした。
発射装薬の構造については、実施例1−1にて説明した図2に示す発射装薬10に対して発射薬20Aを発射薬120Bに変更したのみであるので、説明を省略する。
比較例2−1の従来の発射薬について、図10の表に示すように、発射装薬の個数1、3、6個(発射薬量2.0〜12.0kg)の各条件で射撃試験を実施した。
図10の表からわかるように、中央部貫通孔が1個のみの比較例2−1では、初速ばらつき及び最大負差圧が大きく、評価結果は好ましくない。これより、中央部貫通孔の個数は7孔以上が必要であることが明らかとなった。
図10に示す表における比較例3−1にて用いた発射薬は、特開2012−21685号公報にて公開されている2種類の発射薬(主発射薬と初速安定化用発射薬)であり、当該発射薬を用いて発射装薬を構成した。なお図示は省略する。
主発射薬としては、最大外径=15mm、長さ=14mm、中央部貫通孔の直径=0.5mm、隣り合う中央部貫通孔の間隔=2mm、中央部貫通孔の数=19個、の断面六角形のものを使用した。また、主発射薬の発射薬組成は実施例1−1と同一とした。
そして、初速安定化用発射薬としては、外径=1.2mm、長さ=8.0mm、中央部貫通孔の直径=0.2mm、中央部貫通孔の数=1個、の断面円形のものを使用した。また、初速安定化用発射薬の発射薬組成は実施例1−1と同一とした。また、初速安定化用発射薬は絹製の袋に填薬して、当該袋を、図2に示す発射装薬10における中心焼尽部品13の外周面(発射薬収容空間12K内)に、紐で固定した。
なお図10の表の比較例3−1において、発射薬Aは主発射薬を示し、発射薬Bは初速安定化用発射薬を示している。
発射装薬の構造については、実施例1−1にて説明した図2に示す発射装薬10に対して発射薬20Aを主発射薬に変更し、初速安定化用発射薬を填薬した袋を中心焼尽部品13の外周面に紐で固定したものであるが、図示は省略する。
比較例3−1の従来の発射薬について、図10の表に示すように、発射装薬1個当たりに主発射薬1.85kg、初速安定化用発射薬0.15kgを填薬し、発射装薬の個数1、3個(発射薬量2.0〜6.0kg)の各条件で射撃試験を実施した。
図10の表からわかるように、比較例1−1の結果と比較して、初速ばらつきは低減されたが、最大負差圧は発射装薬3個で非常に大きくなることが確認された。また、発射装薬6個の条件で射撃した場合、射撃試験装置の著しい破損が生じ、初速及び最大負差圧の計測は実施できなかった。
また、発射薬の組成は、弾薬用発射薬に適した発射薬組成であれば、特に制限はないが、従来から使用されているシングルベース、ダブルベース、トリプルベース又はマルチベースのいずれかの組成が好ましい。
なお、隣り合う中央部貫通孔21Eの間隔(中央部貫通孔間隔K1)とは、隣り合う中央部貫通孔21Eにおいて対向している縁から縁の最短距離を示す。
そして、発射薬の初期燃焼時において効果的に発射薬の燃焼ガスを発生させるためには、隣り合う第1切り込み23の間隔(L44、L54、L64、L74)は、中央部貫通孔間隔K1に対して0.05倍から0.75倍が好ましく、特に0.1倍から0.5倍が好ましい。
また、第2切り込み24の幅及び深さは設計要素であり、隣り合う中央部貫通孔21Eの間隔(中央部貫通孔間隔K1)よりも小さければ、特に制限はない。
そして、隣り合う第2切り込み24の間隔(L76)は、中央部貫通孔間隔K1に対して0.05倍から0.75倍が好ましく、特に0.1倍から0.5倍が好ましい。
また、図4、図5、図6のそれぞれに示す各発射薬における軸ZC方向に平行な第1切り込み23の代わりに、軸ZC方向に直交する方向の第2切り込みのみを、側面20Sの表面に複数形成してもよい。この場合、第2切り込みの幅、及び深さは、中央部貫通孔間隔K1よりも小さければ、特に制限はない。また、隣り合う第2切り込みの間隔は、中央部貫通孔間隔K1に対して0.05倍から0.75倍が好ましく、特に0.1倍から0.5倍が好ましい。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、第1切り込み23、第2切り込み24のそれぞれは、連続的につながった切り込みが好ましいが、断続的な切り込みであってもよい。
11 上部焼尽部品
12 下部焼尽部品
13 中心焼尽部品
20A〜20D 発射薬
20S 側面
20T 端面
21A 中央領域
21E 中央部貫通孔
23 第1切り込み
24 第2切り込み
30 点火薬
40 りゅう弾砲
L42、L52、L62、L72 幅(第1切り込み23の幅)
L43、L53、L63、L73 深さ(第1切り込み23の深さ)
L44、L54、L64、L74 間隔(隣り合う第1切り込み23の間隔)
L75 幅(第2切り込み24の幅)
L76 間隔(隣り合う第2切り込み24の間隔)
ZC 軸
Claims (3)
- 軸方向に直交する端面と前記軸方向に平行な側面とを備えて柱状の形状を有し、
前記端面における前記側面よりも内側となる中央領域において前記軸方向に平行な7個以上の中央部貫通孔を有し、
隣り合う前記中央部貫通孔が均一な中央部貫通孔間隔となるようにそれぞれの前記中央部貫通孔が配置されている弾薬用の発射薬において、
前記側面には、前記中央部貫通孔間隔以下の幅及び深さを有して前記軸方向に平行な方向となる複数の第1切り込みが形成されており、
隣り合う前記第1切り込みの間隔は、前記中央部貫通孔間隔に対して0.05倍から0.75倍であることを特徴とする発射薬。 - 請求項1に記載の発射薬であって、
前記側面には、更に、前記中央部貫通孔間隔以下の幅及び深さを有して前記軸方向に直交する方向となる複数の第2切り込みが形成されていることを特徴とする発射薬。 - 軸方向に直交する端面と前記軸方向に平行な側面とを備えて柱状の形状を有し、
前記端面における前記側面よりも内側となる中央領域において前記軸方向に平行な7個以上の中央部貫通孔を有し、
隣り合う前記中央部貫通孔が均一な中央部貫通孔間隔となるようにそれぞれの前記中央部貫通孔が配置されている弾薬用の発射薬において、
前記側面には、前記中央部貫通孔間隔以下の幅及び深さを有して前記軸方向に直交する方向となる複数の第2切り込みが形成されていることを特徴とする発射薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012093055A JP5929454B2 (ja) | 2012-04-16 | 2012-04-16 | 発射薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012093055A JP5929454B2 (ja) | 2012-04-16 | 2012-04-16 | 発射薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013221666A JP2013221666A (ja) | 2013-10-28 |
JP5929454B2 true JP5929454B2 (ja) | 2016-06-08 |
Family
ID=49592765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012093055A Active JP5929454B2 (ja) | 2012-04-16 | 2012-04-16 | 発射薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5929454B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4094248A (en) * | 1977-04-21 | 1978-06-13 | The United States Of America As Represented By Secretary Of The Army | High packing density propellant grains |
FR2757118B1 (fr) * | 1996-12-18 | 1999-01-08 | Livbag Snc | Generateur tubulaire integral de gaz par voie pyrotechnique, pour gonfler des coussins de protection |
JPH10238999A (ja) * | 1997-02-28 | 1998-09-11 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 管状発射薬 |
JP2000146495A (ja) * | 1998-11-10 | 2000-05-26 | Nof Corp | 発射火薬 |
-
2012
- 2012-04-16 JP JP2012093055A patent/JP5929454B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013221666A (ja) | 2013-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102451244B1 (ko) | 추진제 충전물 또는 그레인 | |
PT1000311E (pt) | Projéctil ou ogiva | |
US11867491B2 (en) | Ammunition cartridge | |
JP5697373B2 (ja) | 発射装薬 | |
JP6131711B2 (ja) | 発射装薬 | |
JP2019049228A (ja) | ロケットモータ | |
JP5929454B2 (ja) | 発射薬 | |
JP5929453B2 (ja) | 発射薬 | |
US10107608B2 (en) | Cartridge for light weapons | |
SE526922C2 (sv) | Progressiv drivkrutladdning med hög laddensitet | |
EP3601939B1 (en) | Improved bullet | |
CA2990862C (en) | Propelling charge system for artillery shells | |
SE512205C2 (sv) | Sätt att vid initiering av artilleridrivkrutladdningar bestående av ett flertal efter varandra anordnade drivkrutsmoduler åstadkomma en jämn övertändning mellan dessa samt i enlighet med sättet utformade drivkrutsmoduler och kompletta laddningar | |
JP5978928B2 (ja) | ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬 | |
JP4740655B2 (ja) | 空包 | |
JP6252213B2 (ja) | ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬 | |
EP2582647B1 (en) | End-burning propellant grain with area-enhanced burning surface | |
JP2016070625A (ja) | 初速安定化発射装薬 | |
RU2658691C1 (ru) | Осколочная боевая часть | |
GB2522788A (en) | Cartridge with rocket bullet | |
RU2506530C1 (ru) | Боеприпас раздражающего действия | |
JP2000146495A (ja) | 発射火薬 | |
JP2001311600A (ja) | 火管体 | |
JP2015152197A (ja) | 焼尽容器及び発射装薬 | |
RU2406968C1 (ru) | Реактивный снаряд с отделяемой ракетной частью |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160119 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160310 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160405 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160418 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5929454 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |