JP2016070625A - 初速安定化発射装薬 - Google Patents

初速安定化発射装薬 Download PDF

Info

Publication number
JP2016070625A
JP2016070625A JP2014202454A JP2014202454A JP2016070625A JP 2016070625 A JP2016070625 A JP 2016070625A JP 2014202454 A JP2014202454 A JP 2014202454A JP 2014202454 A JP2014202454 A JP 2014202454A JP 2016070625 A JP2016070625 A JP 2016070625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
nitrocellulose
combustion
propellant
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014202454A
Other languages
English (en)
Inventor
恒佑 熊谷
Kosuke Kumagai
恒佑 熊谷
正勝 衛藤
Masakatsu Eto
正勝 衛藤
悠 石原
Yu Ishihara
悠 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2014202454A priority Critical patent/JP2016070625A/ja
Publication of JP2016070625A publication Critical patent/JP2016070625A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F42AMMUNITION; BLASTING
    • F42BEXPLOSIVE CHARGES, e.g. FOR BLASTING, FIREWORKS, AMMUNITION
    • F42B5/00Cartridge ammunition, e.g. separately-loaded propellant charges
    • F42B5/38Separately-loaded propellant charges, e.g. cartridge bags

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

【課題】同一の1〜5又は6モジュールを使用して射撃を行うことが可能なりゅう弾砲用のモジュール式発射装薬において、5又は6モジュールを使用した時の燃焼室の最大圧力を従来と同等にし、且つ、1モジュールを使用した時に飛翔体の初速安定化を図ることができる発射装薬の提供。
【解決手段】発射薬、点火薬、並びに外筒、内筒、及び点火薬筒から構成される焼尽容器を構成品として含む発射装薬において、該外筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜3.0とすることを特徴とする前記発射装薬。
【選択図】図1

Description

本発明は、りゅう弾砲用の発射装薬に関する。より詳しくは、本発明は、従来技術では成しえなかった5又は6モジュールでの射撃の際に発生する最大圧力を上げることなく、1モジュールを使用した時の飛翔体の初速安定化を図ることが可能な発射装薬に関する。
りゅう弾砲などの火砲においては、飛しょう体とそれを飛翔させるための発射装薬が用いられる。従来のりゅう弾砲に使用されている発射装薬は、1モジュールから最大5又は6モジュールまでを編合し、組み合わせることで、飛しょう体の初速を調整することができ、射距離を変更することができる。
りゅう弾砲に使用される発射装薬は、発射薬、点火薬、及びそれらを収納するための焼尽容器によって構成されている。一般に焼尽容器は、発射薬や点火薬の爆発的な燃焼に伴う燃焼ガス圧力により、火砲内部で焼尽するよう設計されている。また、一般に焼尽容器は、外筒、内筒、及び点火薬筒の3部品から構成され、それらを組み合わせ、積層部や接合部を接着することで容器としての機能を成している。
従来の発射装薬は、すべてのモジュール数での射撃において、安定した初速性能が求められる。しかし、1モジュールでの射撃においては、次の理由により、初速が安定しないことがわかっている。
飛しょう体は、砲内で発射装薬が燃焼した際に発生する圧力を受けて、弾帯を切開しながら進行する。しかし、1モジュールでは、弾帯切開に伴い飛しょう体が砲から受ける阻害抗力に対し、飛しょう体を常に加速するだけの十分な圧力を発生することができていない。そのため、飛しょう体は砲内で減速やときには一旦停止し、その挙動が射撃毎で異なるため初速が安定しない。
不安定な飛しょう体の挙動を改善するためには、弾帯を切開する低圧域(25MPa〜40MPa)において、従来よりも圧力の上昇速度を上げ、飛しょう体へ与える力を増加させることで、飛しょう体の減速又は一旦停止の現象をより軽減し、より安定した飛しょう体挙動となる。
以下の特許文献1には、主発射薬よりもガス発生速度の速い1種類以上の初速安定化用発射薬を、点火薬筒の外側に主発射薬とは分離して配置したことを特徴とする発射装薬が開示され、りゅう弾砲用のモジュール式発射装薬において、5又は6モジュールを使用した時に燃焼室内に負差圧等の異常圧力が発生せず、かつ、1モジュールを使用した時に飛翔体の初速安定化を図ることを特徴としている。
また、以下の特許文献2には、発射装薬内又は弾薬内に、発射薬と共に収容されるガス発生材であって、包装材と、包装材内部に収納されたガス発生剤とからなり、包装材は、ニトロセルロースを20〜90質量%含有する焼尽性材料からなり、かつ、火炎密閉性を有することを特徴とする発射装薬が開示され、発射薬よりも遅れて燃焼ガスを発生させるガス発生材を使用することで飛しょう体の初速変動を抑制した発射装薬を提供している。
1モジュールでの初速安定性を向上させるために燃焼初期の圧力上昇速度を上げる場合、当該モジュールを5又は6モジュールでも使用するため、大きく次の2つの問題がある。1つ目は最大圧力である。詳しくは、低圧域の圧力上昇速度が増大するため、5又は6モジュールの最大圧力が増加することである。最大圧力が増加することは、飛しょう体の耐久圧力に近づくことであり、場合によっては、飛しょう体及び/又は砲の許容圧力を超え、飛しょう体及び/又は砲を破壊する可能性がある。つまり、1モジュールでの初速安定性を向上させる場合、同時に5又は6モジュールの最大圧力を飛しょう体や砲の耐久圧力以下とすることが求められるため、最大圧力をできるだけ増加させない方法が必要である。2つ目は負差圧である。詳しくは、薬室の前方部と後方部に圧力差が生じ、前方部の圧力が後方部の圧力を超えたときに負差圧が発生する。この負差圧により薬室内で振動燃焼が生じ、その結果、砲の破損につながる恐れがあるため、従来よりも燃焼初期の圧力上昇速度の速いものを加えても、負差圧を抑えることが必要である。
さらに、コストについても考慮する必要がある。従来の技術では、新たに圧力上昇速度を増加させる構成品を組み合わせることで問題解決を図っているが、新しい構成品を組み込むことにより、コストの増加が懸念される。
1モジュールにおいて、燃焼初期の圧力上昇速度を増加させるため、新たに圧力上昇速度を増加させる構成品を組み込むことは、圧力上昇を抑え弾丸の初速を上げる効果を与える漸増性(燃焼の経過とともに圧力が徐々に上昇する性質)を持つ主発射薬の薬量を減らし、初期の圧力上昇速度を増加させるが圧力も増加させる効果を与える漸減性(燃焼の経過とともに圧力が徐々に減少する性質)を持つ構成品を追加することになるため、漸減性と漸増性のトレードオフの関係となり、漸減性を持つ構成品を追加する限り、その量に応じて、5又は6モジュールの最大圧力は必ず増加する。
特許文献1と特許文献2は、いずれも形状の小さな火薬を使用して、低圧域の圧力上昇速度を増加させる発明を提供しており、従来品に新たな構成品を加えており、また、発射薬、点火薬、及び焼尽容器の中で最も燃焼速度の遅い発射薬により改善しているため、燃焼完了点が遅く、弾帯を切開する弾の移動距離に相当する低圧域にのみ作用させることが難しいため、5又は6モジュール時の最大圧力の上昇を抑えることはできない。燃焼完了点を早くするために、火薬の燃焼距離であるウェブを小さくする方法は考えられるが、低圧域にのみ作用する火薬形状は、非常に小さく、製造が困難であることから、現実的には不可能である。さらに、特許文献1と特許文献2のいずれにおいても、新たな構成品を組み込むため、発射薬全体の最大装てん薬量は低下し、また、コストも増加傾向にあることが懸念される。
特開2012−21685号公報 特開2014−92307号公報
1モジュールでの初速安定性を向上させるために燃焼初期の圧力上昇速度を上げる場合、当該モジュールを5又は6モジュールでも使用するため、2つの問題があることは前記したとおりである。これらの問題を解決するため、本願発明者らは、1モジュールの燃焼初期の圧力上昇速度増加と5又は6モジュールの最大圧力を同時に従来品と同等とすることを達成するためには、従来の構成品で、まずは最大圧力を下げる工夫を行い、その後又は同時に、燃焼初期の圧力上昇速度を増加させる工夫を行う必要があることを突き止めた。そこで、最大圧力低減と燃焼初期の圧力上昇速度向上を同時に達成する手段として、焼尽容器の外筒のニトロセルロースとセルロース誘導体の比率を高める手段を考えた。詳しくは、5又は6モジュールの最大圧力には、各構成品の燃焼完了点(砲内で燃焼が完了する時間)が大きな影響を与えていた。中でも、焼尽容器の構成品である外筒は、燃焼完了点が遅いため、最大圧力を上げる要因の一つとなっていた。そこで、外筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の比率を高め、燃焼完了点を、弾の移動距離に相当する圧力領域付近まで早くすることで最大圧力を低減し、さらにニトロセルロース/セルロース誘導体の燃焼性を上げることで、弾の移動距離に相当する圧力領域付近の総エネルギーを増加させ、燃焼初期の圧力上昇速度を向上させる効果を同時に達成することができないかと考えた。また、外筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の比率は変更せず、密度や厚みを変更して外筒の燃焼完了点のみ上記同様に早くし、最大圧力を下げる方法をも考えた。
かかる従来技術の問題や解決策に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、1モジュール射撃時の飛翔体の初速を安定化させた装薬において、5又は6モジュール射撃時に砲内に発生する最大圧力を従来品と同等とすることができる発射装薬を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、以下の構成によって前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]発射薬、点火薬、並びに外筒、内筒、及び点火薬筒から構成される焼尽容器を構成品として含む発射装薬において、該外筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜3.0とすることを特徴とする前記発射装薬。
[2]前記点火薬筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜3.0をとする、前記[1]に記載の発射装薬。
[3]前記内筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜2.5をとする、前記[1]又は[2]に記載の発射装薬。
本発明に係る発射装薬は、外筒、内筒、及び点火薬筒から構成される焼尽容器の燃焼性を調整し、燃焼完了点を弾帯切開時の弾の移動距離に相当する圧力領域に集中させることによって、最大圧力を上げずに、1モジュールの初速安定性を向上させることができ、且つ、従来のコストで生産できる装薬である。本発明により、従来から使用されている焼尽容器の組成を変え、燃焼完了点を調整したことで、最大圧力が増加せず、初速安定性に寄与する発射装薬を提供することができる。
発射装薬の構成図である。 従来の1モジュール発射装薬の圧力−時間曲線と焼尽容器の燃焼完了点を示すグラフである。 ニトロセルロース/セルロース誘導体の重量比を2.5としたときの1モジュール発射装薬の圧力−時間曲線と焼尽容器の燃焼完了点を示すグラフである。
以下、本発明を、その好ましい態様に基づいて、詳細に説明する。
図2に示すように、従来の外筒では、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を1.6としていたが、質量比1.6では、外筒の燃焼による圧力上昇の効果が、弾帯切開時の弾の移動距離に相当する圧力域に集中して作用せず、最大圧力に近い領域で燃焼が完了する。燃焼完了点を弾帯切開の領域に調整するためには、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を高くし、燃焼速度を速めることで調整することができる。また、従来使用されている内筒は、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比が1.6であったが、燃焼後に発生する残さを発生させないために、ニトロセルロースの窒素量を高めているため、燃焼速度が速い。そのため、内筒は、弾帯切開の時間域より更に早い時間域で燃え尽きてしまっており、弾帯切開時の圧力上昇に寄与していない。点火薬筒においても、内筒と同様に、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比が4.0であったため、燃焼初期の段階で燃え尽きてしまい弾帯切開時には点火薬筒の燃焼圧力が寄与していない。つまり、内筒、点火薬筒においては、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比の調整により、燃焼速度を遅くすることで、燃焼完了点を弾帯切開の領域に調整することができる。
そこで、本実施形態においては、焼尽容器の外筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜3.0とする。また、好ましくは、点火薬筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜3.0とし、さらに内筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜2.5とする。
また、本実施形態においては、外筒に使用するニトロセルロースの窒素量は12.6%であることが好ましい。焼尽容器の中で最も体積の多い外筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を3.0以上とすることは、燃焼速度が速くなりすぎてしまい、負差圧の発生要因となり、他方、2.0以下とすると弾の移動距離に相当する圧力上昇速度の効果が希薄となる。
また、本実施形態においては、点火薬筒に使用するニトロセルロースの窒素量は12.6%であることが好ましい。点火薬筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を3.0以上とすることは、燃焼速度が速くなりすぎてしまい、負差圧の発生要因となり、他方、2.0以下とすると弾の移動距離に相当する圧力上昇速度の効果が希薄となる。
また、本実施形態においては、内筒に使用するニトロセルロースの窒素量は12.6%であることが好ましい。この場合、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比が2.5においても燃焼速度は遅くなり、弾帯切開時の圧力上昇速度の増加に寄与する。内筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0以下とすることは、焼尽性が低下し、燃焼残さが増加する要因となる。
焼尽性容器に用いるセルロース誘導体は、容器の強靱性を確保するために用いる。例えば、クラフトパルプ、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチル(CAB)、及びエチルセルロースから成る群から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
焼尽性容器に用いる安定剤としては、硝酸エステルの自然分解を防止するものであれば
どのようなものでも構わない。安定剤の例としては、メチルジフェニルウレア(AK2)、エチルセントラリット(ECL)、ジフェニルアミン(DPA)、2−ニトロジフェニルアミン(2−NDPA)等が挙げられる。バインダーとして用いる汎用樹脂としては、スチレンブタジエンラテックス、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリウレタン等が挙げられる。
焼尽性容器の密度は、800〜1000kg/mの範囲が好ましい。容器の密度とは、焼尽性容器の質量と体積を測定して求めた値であり、密度が800kg/mを下回ると容器の機械的強度が低下し、火砲への装填衝撃に耐えられず破損するおそれがある。また、1000kg/mを超えると製造時に金型内で容器が高圧縮され発火の危険が高まるため好ましくない。
焼尽容器の厚みは、弾帯切開時の領域まで燃焼が継続する厚みとすることが好ましく、詳しくは、外筒、内筒が2.3mm以上であり、点火薬筒が1.9mm以上であることが好ましい。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
以下の実施例では以下の略号を用いる。
NC:ニトロセルロース
NG:ニトログリセリン
NQ:ニトログアニジン
DBP:ジブチルフタレート
ECL:エチルセントラリット
KS:硫酸カリウム
KP:クラフトパルプ
(発射薬の組成)
発射薬の組成は、トリプルベース系の代表組成とした。詳しくは、NC25質量%、NG21%、NQ50%、DBP1.5%、ECL1%であり、この組成で練り上げたものを規定の形状になるよう圧伸成型により作製した。
(発射薬の形状)
発射薬の形状は、6角19孔形状であり、薬長14.4mm、薬径14.0mm、孔径0.5mmとした。
(発射装薬の形態)
焼尽容器の中に、発射薬、点火薬、焼食抑制剤、及び除銅剤を投入し、発射装薬とした。点火薬は、黒色火薬(等級1)、CBI(多孔質又はフレーク状のシングルベース火薬)を1:1の割合で配合し、各5g/モジュールずつとした。焼食抑制剤には、酸化チタンを使用しており、約60g/モジュールとした。除銅剤には、酸化スズを使用しており、約30g/モジュールを配合した。
(評価方法)
最大圧力、燃焼初期の圧力上昇速度を比較するため、射撃装置を使用した射撃試験を行った。射撃装置は、155mmりゅう弾砲を模擬した装置を使用しており、薬室容積、形状は同一であり、砲身長は約4mと実砲身より短い砲身長のものを使用した。射撃装置には、圧力センサーを4カ所設置し、薬室前方と薬室後方の2点の圧力差の絶対値を負差圧として算出した。残さは、目に見える残さを確認し、次弾の射撃に支障のない大きな残さがなければ残さなしとした。圧力上昇速度は、弾帯切開の弾の移動距離に相当する圧力域である25MPa〜40MPaまでの圧力変化と時間変化から算出した。
(比較例1)
NC、KP、汎用樹脂、ECL、水を攪拌機に投入した後、水溶液が均一に分散されるよう撹拌を行い、スラリー状の水溶液を得た。次いで、スラリー状の水溶液を吸引してフェルト状の筒体としたのち、金型で加温プレスして硬化させることで焼尽容器を製作した。外筒に使用したニトロセルロースの窒素量は、12.6%であり、内筒に使用したニトロセルロースの窒素量は、13.4%であり、それぞれ、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を1.6となるように調整した。点火薬筒は、ニトロセルロースの窒素量12.6%を使用し、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を4.0となるように調整した。
(比較例2〜3)
比較例1の焼尽容器に、主発射薬と初速安定化発射薬を配合した発射装薬とした。初速安定化発射薬の組成は、主発射薬と同じトリプルベース系発射薬を使用し、形状は、単孔形状とし、薬長7.0mm、薬径1.6mm、孔径0.2mmとなるよう調整した。初速安定化発射薬は、絹製の袋に入れた状態で点火薬筒の外側に配置した。
(実施例1)
比較例1の内筒、点火薬筒を使用し、外筒は、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比が3.0となるように調整した。
(実施例2)
外筒、内筒、及び点火薬筒が、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比で3.0となるように調整した。
(実施例3)
外筒、内筒、及び点火薬筒が、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比で2.5となるように調整した。
(実施例4)
比較例1の内筒、点火薬筒を使用し、外筒は、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比が2.5となるように調整した。
(実施例5)
外筒、内筒、及び点火薬筒が、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比で2.0となるように調整した。
(実施例6)
比較例1の内筒、点火薬筒を使用し、外筒は、ニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比が2.0となるように調整した。
6モジュールの初速を合わせたときの1モジュールの圧力上昇速度の増加率、6モジュールの圧力増加率、負差圧、残さを比較した。結果を以下の表1に示す。
Figure 2016070625
表1から分かるように、従来品である比較例1に対して、初速安定化発射薬を配合した比較例2〜3、焼尽容器の燃焼完了点を調整した実施例1〜6はいずれも1モジュールの圧力上昇速度が増加している。つまり、すべての装薬において、従来品より1モジュールの弾丸挙動が安定することを示している。実施例1〜6で示した装薬は、外筒、内筒、及び点火薬筒の一部又は全部の燃焼完了点を弾帯切開の弾の移動距離に相当する圧力領域に近づけており、比較例2〜3の初速安定化装薬に比べ、圧力上昇速度が速く、より効率的に初速安定化効果を発揮している。
6モジュールの圧力上昇率は、比較例2〜3のように新たな火薬を組み込んだ装薬では、最大圧力が上昇しており、薬量が増加するとともに最大圧力は増加している。それに比べ焼尽容器の燃焼完了点を調整した実施例1〜6は、いずれも最大圧力は従来品と同等の圧力となっており、最大圧力を上げずに初速安定化効果を得ることを可能としている。
負差圧に関しては、燃焼性を最大限に高めた実施例2が最も高く、燃焼性を落としていくにつれ、負差圧も減少した。特に外筒の燃焼性を高めると、点火薬筒内部からの燃焼より速く装薬の外周部が燃えていくため、均一に火炎が進行せず、負差圧が増加すると考えられる。負差圧の許容値は、34.5MPa以下であるため、すべての実施例において許容値内となっているが、焼尽容器の組成として、外筒、内筒、及び点火薬筒のNC/KP質量比が2.5以下であることが好ましい。
本発明に係る発射装薬は、外筒、内筒、及び点火薬筒から構成される焼尽容器の燃焼性を調整し、燃焼完了点を弾帯切開時の弾の移動距離に相当する圧力領域に集中させることによって、最大圧力を上げずに、1モジュールの初速安定性を向上させることができ、且つ、従来のコストで生産できる装薬であるため、最大圧力が増加せず、初速安定性に寄与する発射装薬として、好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. 発射薬、点火薬、並びに外筒、内筒、及び点火薬筒から構成される焼尽容器を構成品として含む発射装薬において、該外筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜3.0とすることを特徴とする前記発射装薬。
  2. 前記点火薬筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜3.0をとする、請求項1に記載の発射装薬。
  3. 前記内筒のニトロセルロース/セルロース誘導体の質量比を2.0〜2.5をとする、請求項1又は2に記載の発射装薬。
JP2014202454A 2014-09-30 2014-09-30 初速安定化発射装薬 Pending JP2016070625A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014202454A JP2016070625A (ja) 2014-09-30 2014-09-30 初速安定化発射装薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014202454A JP2016070625A (ja) 2014-09-30 2014-09-30 初速安定化発射装薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016070625A true JP2016070625A (ja) 2016-05-09

Family

ID=55866605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014202454A Pending JP2016070625A (ja) 2014-09-30 2014-09-30 初速安定化発射装薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016070625A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014092307A (ja) * 2012-11-02 2014-05-19 Nof Corp ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬
JP2014163577A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Nof Corp 焼尽容器、並びにこれを使用したモジュール式発射装薬
JP2014228167A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 日油株式会社 発射装薬

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014092307A (ja) * 2012-11-02 2014-05-19 Nof Corp ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬
JP2014163577A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Nof Corp 焼尽容器、並びにこれを使用したモジュール式発射装薬
JP2014228167A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 日油株式会社 発射装薬

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5697373B2 (ja) 発射装薬
EP1272808A1 (en) Projectile for the destruction of large explosive targets
JP6131711B2 (ja) 発射装薬
RU2415831C1 (ru) Взрывчатая композиция многофункционального действия
US4570540A (en) LOVA Type black powder propellant surrogate
CA2990862C (en) Propelling charge system for artillery shells
KR101987170B1 (ko) 포 발사 적용을 위한 점화보조물질이 도포된 램제트 고체연료
JP3141092B2 (ja) 複合発射装薬
JP2016070625A (ja) 初速安定化発射装薬
JP5978928B2 (ja) ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬
ES2815524T3 (es) Propulsores sin ftalatos
KR102051995B1 (ko) 155mm 곡사포용 저호 모듈형 장약 추진제 및 이의 제조방법
JP4740655B2 (ja) 空包
AU2014242706A1 (en) Insensitive munition propellants
US8425703B1 (en) Insensitive munitions primers
CN209857777U (zh) 一种用于高膛压火炮装药结构
US20030192632A1 (en) Method for production of nitrocellulose base for consolidated charges and consolidated propellant charge based thereon
JP7289775B2 (ja) 高安全化発射薬組成物
JP6252213B2 (ja) ガス発生材、並びにこれを使用した発射装薬及び弾薬
JP3517386B2 (ja) 火管体
US1757584A (en) Shot shell
JP2018115801A (ja) ガス発生材用包装材組成物
JP5929453B2 (ja) 発射薬
RU2711143C1 (ru) Высокоэнергетический пироксилиновый порох для метательных зарядов танковой артиллерии
RU2466975C1 (ru) Метательный заряд

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160405

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180320

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180918