JP2014163577A - 焼尽容器、並びにこれを使用したモジュール式発射装薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】モジュール式発射装薬の封止材の破損を回避するための焼尽容器、及びそれを用いたモジュール式発射装薬を提供する。
【解決手段】径方向中央に貫通孔を有する円筒状に形成されており、一端に他の部分より外径の小さいオス型端部10aを有し、他端に同一形状の別の焼尽容器のオス型端部10aと嵌合して軸方向に連結可能なメス型端部10bを有するモジュール式発射装薬10用焼尽容器であって、オス型端部10aの外周面には軸方向に伸びる少なくとも一つの溝30が設けられ、オス型端部10aの中心軸から溝30の底までの距離が、メス型端部30bの内半径よりも小さいことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、りゅう弾砲で使用する発射装薬用焼尽容器、並びにこれを使用したモジュール式発射装薬に関する。
一般的にりゅう弾砲で用いられる弾丸は、弾丸を飛翔させる発射装薬と共に薬莢に固定された固定型弾丸と、発射装薬と分離している分離装填型弾丸とに分けられる。分離装填型弾丸用の発射装薬として、所望する射距離に応じて複数個の発射装薬を連結して用いるモジュール式発射装薬が考案されている。モジュール式発射装薬は、主に焼尽性容器、発射薬、点火薬から構成される。モジュール式発射装薬は、りゅう弾砲の中心軸に配置されている撃発火管等の点火具で点火される。点火具から発生する火炎を連結された全てのモジュール式発射装薬の点火薬に伝播させるために、モジュール式発射装薬は貫通孔が径方向中央を貫通する構造になっており、貫通孔内に点火薬が配置されている。従来のモジュール式発射装薬では、貫通孔内に点火薬がむき出しの状態で配置されていたため、雨天の野外での取扱時に雨滴が貫通孔内に進入して点火薬が濡れたり、空気中の湿気により点火薬の水分量が増加したりして、点火の遅延若しくは不着火などの問題が発生していた。
そこで、このような問題を回避する技術として下記特許文献1,2が提案されている。特許文献1、2では、貫通孔の両端に封止材を配置し、雨滴及び湿気がモジュール式発射装薬の内部に侵入するのを防いでいる。
複数のモジュール式発射装薬を連結する機構としては、円筒状容器の両端にオス型端部とメス型端部をそれぞれ設け、オス型端部とメス型端部とを相互にはめ込んで連結する方法が一般に採られている。当該機構を採用した場合、封止材が配置された状態で2つのモジュール式発射装薬を連結すると、オス型端部とメス型端部に挟まれた空間は密閉された状態となり、はめ込み深さを深くしていくにつれて空間が狭くなり、内部の空気は圧縮されて圧力が増加する。また、2つのモジュールを分離する場合は、逆に、内部の空気は減圧されて圧力が低下する。
特許文献1,2に記載される封止材は、雨滴が貫通孔内に侵入するのを防ぐ目的で設けられており、通常は0.5mm以下の厚さの金属箔、合成樹脂フィルム、防水加工を施した紙などからなり、接着剤や粘着剤により発射装薬両端部に固着されている。封止材やその固着方法は、圧力による破損や剥離に耐えうるような設計となっていないことから、オス型端部とメス型端部に挟まれた空間の内圧が変化することにより、封止材が破損したり、剥離したりする問題がある。
封止材の破損や剥離を防ぐために、封止材の強度を圧力に耐えうる程度に強くしたり、接着力や粘着力を強くしたりする方法が挙げられるが、その場合は、オス型端部とメス型端部の間の空間の空気が圧縮されたまま残り、完全に嵌合することが困難になるため、発射装薬同士の連結力が不足する可能性がある。
このような連結力の低下を補うために、特許文献3に開示されているような線形突起をオス型端部に設けることが考えられる。図8は、貫通孔を塞ぐ封止材120を備えるモジュール式発射装薬110であって、特許文献3に記載の線形突起130を備えるモジュール式発射装薬の外観図である。図9は、図8に記載のモジュール式発射装薬110の上面図及び底面図である。図9に示すように、モジュール式発射装薬110においては、オス型端部110aの外周面に突起130が設けられているため、オス型端部110aの中心軸から突起130の頂部までの距離(L11)は、オス型端部110aの中心軸から突起130の存在しない外周縁までの距離、すなわちオス型端部110aの外半径(L12)より大きくなっている。また、オス型端部110aの中心軸から突起130の頂部までの距離(L11)はメス型端部110bの内半径(L13)より大きく設定されており、連結した状態において、オス型端部110aの外半径(L12)とメス型端部110bの内半径(L13)とが同一になるよう設定されている。すなわち、モジュール式発射装薬110が連結される時に、突起130が圧縮変形してオス型端部110aとメス型端部とが嵌合することによって、連結力を向上することができる。ただし、オス型端部110aの外半径(L12)とメス型端部110bの内半径(L13)とが同一になるため、オス型端部110aとメス型端部110bに挟まれた空間は密閉状態となり、オス型端部110aとメス型端部110bの間の空間の空気は圧縮されたまま残る。
特開2005−265352号公報 米国特許第5747723号明細書 特開平8−122000号公報
上記構成を採用することにより連結力の不足を解消することは可能である。しかし、発射装薬への点火は、火砲内部において発射装薬の外部から火管により行われ、火管から発生する燃焼ガスが封止材を破って内部の点火薬を着火させることによって行われるため、封止材の強度を増すためにその厚さを増加させると封止材が破れにくくなり、着火遅れ若しくは不着火を生じさせるという別の問題が生じた。
そこで、本発明者らは封止材の強度等を強くすること無く上記封止材の破損を回避する方法を鋭意検討した結果、オス型端部の外周面に溝を設けることで上記課題を解決することができることを知見し、本発明を成すに至った。すなわち、本発明の目的は、貫通孔を密閉するために封止材を設けたモジュール式発射装薬を連結・分離する場合に、封止材の破損・剥離が発生しない発射装薬用焼尽容器、及びこれを用いたモジュール式発射装薬を提供することである。
第一の発明は、径方向中央に貫通孔を有する円筒状に形成されており、一端に他の部分より外径の小さいオス型端部を有し、他端に同一形状の別の焼尽容器のオス型端部と嵌合して軸方向に連結可能なメス型端部を有するモジュール式発射装薬用焼尽容器であって、前記オス型端部の外周面には軸方向に伸びる少なくとも一つの溝が設けられ、前記オス型端部の中心軸から前記溝の底までの距離が、前記メス型端部の内半径よりも小さいことを特徴とする。
第二の発明は、第一の発明の焼尽容器であって、前記溝がオス型端部の先端まで伸びていることを特徴とする。
第三の発明は、第一又は第二の発明の焼尽容器であって、前記オス型端部の中心軸に垂直な平面において、前記オス型端部の外周の長さを100としたときの前記溝の幅の総計が0.8以上であり、前記オス型端部の断面積を100としたときの前記溝の総断面積が0.03以上であることを特徴とする。
第四の発明は、第一から第三の発明のいずれかの焼尽容器の内部に発射薬及び点火薬が収容されており、前記貫通孔の両端が密閉されていることを特徴とするモジュール式発射装薬である。
本発明の焼尽容器を用いたモジュール式発射装薬によれば、オス型端部の外周面に溝が設けられているため、モジュール式発射装薬の連結・分離時に、オス型端部とメス型端部に挟まれた空間の空気が溝から入出する。これにより、当該空間が陽圧又は陰圧になることを防止できるため、モジュール式発射装薬の貫通孔を密閉する封止材の破損・剥離を回避できる。
分離装填弾を装填した状態の砲身の断面図である。 封止材が設けられた発射装薬の断面図である。 発射装薬の上方からの外観図(a)及び下方からの外観図(b)である。 発射装薬の上面図(a)及び底面図(b)である。 図4における要部Vの拡大図である。 変形例1の上面図である。 変形例2の上面図である。 オス型端部に線形突起を備える発射装薬の上方からの外観図(a)及び下方からの外観図(b)である。 図8に記載の発射装薬の上面図(a)及び底面図(b)である。
以下に、本発明の代表的な実施態様について説明する。本発明の発射装薬用焼尽容器、並びにこれを使用したモジュール式発射装薬はりゅう弾砲で使用するためのものである。そのため、焼尽容器及びモジュール式発射装薬を説明する前に、りゅう弾砲について説明する。なお、りゅう弾砲用の弾丸(飛翔体)は、発射装薬と分離している分離装填型と、薬莢に固定された固定型とがあるが、本発明の焼尽容器及びモジュール式発射装薬は分離装填型の弾丸と共に用いるものであるため、以下においては分離装填型の弾丸を用いることを前提に説明する。
(りゅう弾砲)
りゅう弾砲は、弾丸を射出するための砲身1を有する。図1に示すように、砲身1は、モジュール式発射装薬10が装填・燃焼される基端部の薬室2と、該薬室2の先端側に連続し、弾丸6が装填・射出される砲腔3とを備える。砲身1は、薬室2内にモジュール式発射装薬10を装填するための基端開口を有し、該開口は閉鎖装置4によって閉鎖される。また、砲腔3の内周面には、砲腔3を通過する弾丸6を旋転させるための螺旋状の腔線5が形成されている。
(弾丸)
りゅう弾砲用の弾丸6としては、りゅう弾、発煙弾、照明弾、ICM(ImprovedConventional Munition)、及び目標検知型弾などが挙げられる。一般的な弾丸6は、内部に炸薬が内包され、その先端には信管を備えている。炸薬は着弾時に爆風や金属破片を放射するものであって、トリニトロトルエン(TNT)等を爆薬成分として含有する。信管としては、弾頭信管、着発信管、及びVT信管等の近接信管などが目的に応じて使用される。また、弾丸6は、発射時に砲腔3の腔線5に沿って旋転するための弾帯7をその外周に有する。
(モジュール式発射装薬)
図2に示すように、モジュール式発射装薬10は、主に中空の略円筒状である焼尽容器11と、焼尽容器11内に配置される点火薬12及び発射薬13とからなる。モジュール式発射装薬10は、複数個を連結可能に構成されているため、その使用時には、図1に示すように、複数個連結された状態で砲身1の軸方向に沿って薬室2内に装填される。以下において、モジュール式発射装薬10の各構成要素について説明する。
(焼尽容器)
焼尽容器11は、径方向中央に貫通孔を有する肉厚な円筒形の容器であり、内部に発射薬13やガス発生材(図示しない)が収容される有底円筒形の収容ケース11aと、収容ケース11aの開口を閉塞する蓋体11bと、点火薬12を保持するための点火薬筒11cとからなる。焼尽容器11(収容ケース11a)の先端部(図2における右端)は他の部位に比して僅かに縮径しており、当該縮径部が他のモジュール式発射装薬10の基端部(蓋体11b)の内側に嵌合することで、複数のモジュール式発射装薬10を軸方向に連結することができる。以下において、当該縮径部をオス型端部10a、オス型端部10aが嵌合される基端部をメス型端部10bと呼ぶ。
点火薬筒11cは円筒状に形成されており、焼尽容器11の内部を、発射薬13が収容される発射薬収容部13Kと、焼尽容器11の中心軸に沿って延びる貫通孔14とに仕切っている。また、点火薬筒11cの内周面は、点火薬12が詰まった袋を保持できるように構成されている。
焼尽容器11(収容ケース11a、蓋体11b、点火薬筒11c)は、燃焼によって焼尽するニトロセルロースやクラフトパルプを主体成分とし、これらがバインダー樹脂によって容器形状に成形されている。バインダー樹脂としては、スチレンブタジエンラテックス、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリウレタンなどを使用できる。また、焼尽容器11には、ニトロセルロースの自然分解を抑制するための安定剤を添加しておくことも好ましい。安定剤としては、エチルセントラリット、ジフェニルアミン、メチルジフェニルウレアなどが挙げられる。
貫通孔14は、焼尽容器11の両端においてそれぞれ中央開口部15を形成している。焼尽容器11内に点火薬12及び発射薬13を収容した後に、中央開口部15は封止材20によって密閉される。封止材20は、例えば0.5mm以下の厚さの金属箔、合成樹脂フィルム、防水加工を施した紙などからなり、接着剤や粘着剤により焼尽容器11の両端に固着される。
図3に示すように、オス型端部10aの外周面には軸方向に伸びる溝30が設けられている。モジュール式発射装薬10の連結・分離時には、オス型端部10aとメス型端部10bとに挟まれた空間の空気が溝30から入出する。これによって、当該空間が陽圧又は陰圧になることを防止できるため、モジュール式発射装薬10の貫通孔14を密閉する封止材20の破損・剥離を回避できる。また、当該空間に陽圧又は陰圧が生じないため、溝を有しないモジュール式発射装薬と比べて連結・分離時にかかる抵抗が小さくなり、より容易にモジュール式発射装薬10を連結・分離することが可能になる。
溝30の形状は、オス型端部10aの外周面から中心軸に向かって窪んでおり且つ軸方向に伸びる形状であれば、いかなる形状であっても良いが、製造性やオス型端部10aの強度を考慮すると図4に示すような半円状断面、又は方形状断面が好ましい。なお、溝30は軸方向に伸びていれば良く、必ずしも中心軸と平行に伸びている必要は無い。例えば、溝30は軸方向に対して斜めに延びていても良いし、蛇行していても良い。また、溝30の断面形状も一定である必要はなく、例えばオス型端部10aの先端に向かって広がっていても良い。さらに、溝30はオス型端部10aの軸方向の長さも特に限定されないが、モジュール式発射装薬10の連結・分離時にオス型端部10aとメス型端部10bとに挟まれた空間に効率的に空気の入出を行うためには、溝30はオス型端部10aの先端まで伸びていることが好ましく、さらに、オス型端部10aとメス型端部10bの軸方向の長さはほぼ同じであることが多いため、溝30はオス型端部10aの基端から先端まで伸びていることが更に好ましい。
溝30の個数は1つ以上あればよいが、連結された複数のモジュール式発射装薬10の溝30から雨滴が侵入しオス型端部10aとメス型端部10bとに挟まれた空間内に雨滴が溜まる場合を想定すると、雨水を排出するために4つ以上の溝30を設けることが好ましい。また、溝30の周方向の位置は特に限定されないが、極端な偏りがあるとモジュール式発射装薬10を連結した際に相互の貫通孔14が偏心して点火時に不具合が生じたり、モジュール式発射装薬10同士の連結力が弱くなる恐れがあるため、周方向に均等に配置されることが好ましい。
各溝30の幅は、空気の入出を許容する大きさであれば良く、特に限定されない。また、溝30の幅の総計(総幅)は、オス型端部10aの外周の長さ100に対して0.8以上が好ましく、さらに好ましくは0.8〜20である。溝30の総幅が0.8未満であると、モジュール式発射装薬10の急激な結合若しくは分離を行った場合にオス型端部10aとメス型端部10bとに挟まれた空間内の空気が十分に排出若しくは吸入できず封止材20が破損する恐れがある。一方、溝30の総幅が20より大きいと、モジュール式発射装薬10間の結合力が低下し、運搬時や使用時の取り扱い性が低下する。なお、本明細書においてオス型端部10aの「外周の長さ」とは、オス型端部10aの中心軸に対して垂直なオス型端部10aの断面において、溝及び突起を除く略円状の外周縁を結んだ架空円の円周長さをいう。また、図5に示すように「溝の幅(W)」とは、前記断面の架空円のうち溝によって区切られている架空円弧の長さをいう。「溝の深さ(D)」とは、前記断面の架空円が溝によって区切られている架空円弧から溝の最下部までの長さをいう。また、本明細書における「○〜△」の数値範囲は「○以上、△以下」を意味する。
溝30の総断面積は、オス型端部10aの径方向の断面積100に対して、0.03以上が好ましく、さらに0.03〜3が好ましく、最も好ましいのは0.5〜1である。溝30の総断面積が0.03未満であると、モジュール式発射装薬10の急激な結合若しくは分離を行った場合にオス型端部10aとメス型端部10bとに挟まれた空間内の空気が十分に排出若しくは吸入できず封止材20が破損する恐れがある。また、発射装薬を装填するりゅう弾砲の薬室2の形状は決まっており、発射装薬10の全長や外径を変更することは困難であるため、溝30の総断面積が3より大きいと、焼尽容器11の発射薬収納空間が減少し、必要量の発射薬13を充填できなくなり、弾丸6の射出速度が低下して性能が不十分となる恐れがあるため好ましくない。なお、本明細書においてオス型端部10aの「断面積」とは、オス型端部10aの中心軸に対して垂直なオス型端部10aの断面において、溝30の存在しない略円状の外周縁を結んだ架空円の面積をいい、溝30の「断面積」とは、前記架空円と溝の側面とに囲まれる溝断面の面積をいう。
図4に示すように、オス型端部10aの中心軸から溝30の底までの距離(L1)は、オス型端部10aの中心軸から溝30の存在しない外周縁までの距離、すなわちオス型端部10aの外半径(L2)より小さくなっている。ここで、オス型端部10aの外半径(L2)はメス型端部10bの内半径(L3)と同一であり、オス型端部10aの中心軸から溝30の底までの距離(L1)は、メス型端部10bの内半径(L3)より小さい。オス型端部10aの中心軸から溝30までの距離(L1)がメス型端部10bの内半径(L3)以上であると、モジュール式発射装薬10を連結した際に、オス型端部10aが圧縮変形して溝30が潰れてしまうため、オス型端部10aとメス型端部10bとに挟まれた空間内の空気が十分に排出若しくは吸入できず封止材20が破損する恐れがある。なお、焼尽容器11はニトロセルロースやクラフトパルプを主体成分とするため、焼尽容器11のオス型端部10a及びメス型端部10bは連結時に圧縮変形する。それ故、オス型端部10aの外半径(L2)をメス型端部10bの内半径(L3)より若干大きく設定することで、オス型端部10aとメス型端部10bの連結力を向上することも可能である。ただし、オス型端部10aの外半径(L2)をメス型端部10bの内半径(L3)より大きく設定した場合でも、溝30が潰れないようにするためには、オス型端部10aの中心軸から溝30の底までの距離(L1)をメス型端部10bの内半径(L3)より小さく設定する必要がある。
(点火薬及び発射薬)
点火薬12は袋詰めにされて、点火薬筒11cの内周面に固定されており、一方、発射薬13は、粒状に成形されて、焼尽容器11の発射薬収容部13Kに収容されている。点火薬12及び発射薬13は、従来からこの種の発射装薬に使用されている公知の薬剤を特に制限なく使用可能であり、例えばニトロセルロースを基剤とするシングルベース、ニトロセルロース及びニトログリセリンを基剤とするダブルベース、ニトロセルロース、ニトログリセリン、及びニトログアニジンを基剤とするトリプルベース、これらの表面がコーティング剤によってコーティングされたもの、アジド基及びニトラト基含有ポリマー等を主剤とするバインダーを用いた薬剤、またはRDXなどの爆薬成分やその他高エネルギー物質を含有するマルチベースなどを使用できる。
発射薬13の具体的形状も特に制限は無く、例えば球状、棒状、円柱状、単孔管状、7孔管状、19孔管状、6角19孔などとすることができる。迅速に多量の燃焼ガスを発生させるためには、単孔管状、7孔管状、19孔管状、6角19孔などの有孔形状が好ましい。中でも、19孔管状や6角19孔が特に好ましい。
以下において、モジュール式発射装薬10の変形例について説明する。なお、以下の変形例は上述したモジュール式発射装薬10の溝30の数又は形状を変更したものであるから、変更箇所のみを説明し、同一の構造については同一の参照番号を付すことで重複する説明を省略する。
(変形例1)
溝30は4個に限らず、多数であっても良い。例えば、図6は変形例1のモジュール式発射装薬10の上面図であり、オス型端部10aの外周面に32個の溝30が周方向に等間隔で設けられている。溝30の数を増やすことにより、モジュール式発射装薬10の連結・分離時に溝30を介した空気の入出をより円滑に行うことができる。
(変形例2)
図7は、変形例2のモジュール式発射装薬10の上面図である。変形例2においては、オス型端部10aに4個の幅広の溝31が設けられている。溝31の幅を広げることにより、モジュール式発射装薬10の連結・分離時に溝31を介した空気の入出をより円滑に行うことができる。
以下に、本発明の具体的な実施例等について説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
<実施例1>
モジュール式発射装薬は、焼尽容器、点火薬、発射薬で構成した。
焼尽容器の寸法は、中央部外径155mm、全長150mm、オス型端部外径150.5mm、オス型端部長さ30mm、メス型端部内径150.0mm、メス型端部長さ30mm、貫通孔の直径35mm、肉厚2.0mmとし、溝は、オス型端部の外周面に半円状断面の深さ5mm、幅10mmの寸法で軸方向に平行に4本設定した。
ニトロセルロース57重量%、クラフトパルプ28重量%、バインダー樹脂14重量%、及び安定剤1重量%を水に懸濁してできたスラリーを吸引妙造法により筒状に成形した。得られた粗筒体を、可熱可能な雄雌からなる金型に入れ、加熱かつ圧搾して脱水固化させて上記寸法の焼尽容器を製造した。
点火薬は、シングルベース火薬5gと黒色火薬5gを使用し、それらを布製の袋に入れて焼尽容器の貫通孔内に設置した。
発射薬は代表的なM30組成とした。具体的には、ニトロセルロース28重量%、ニトログリセリン22.5重量%、ニトログアニジン47.7重量%、エチルセントラリット1.5重量%、氷晶石0.3重量%とした。発射薬は、捏和(ねつか)、圧伸、裁断、乾燥の工程からなる公知の溶剤圧伸法を用いて、19孔6角に成形した。各発射薬の寸法は、最大外径14mm、長さ14mm、貫通孔の直径0.5mmとした。なお、発射装薬1個当たりの発射薬の量が2.2kgとなるよう発射薬を焼尽容器の発射薬収容部に充填した。
点火薬と発射薬を焼尽容器内に配置した後に、厚さ0.5mm、直径50mmの錫箔からなる封止材をセルロース系接着剤を使用して焼尽容器の両端に接着することで貫通孔を密閉した。
<実施例2>
溝の深さを2mm、幅を4mm、溝の数を1とした以外は実施例1と同様にしてモジュール式発射装薬を作成した。
<実施例3>
溝の深さを5mm、幅を10mm、溝の数を8とした以外は実施例1と同様にしてモジュール式発射装薬を作成した。
<比較例1>
溝を設けなかった以外は実施例1と同様にしてモジュール式発射装薬を作成した。
<比較例2>
溝の代わりに、オス型端部の円周を48等分する位置に高さ0.5mm、幅1mmの半円状線形突起を設けた以外は実施例1と同様にしてモジュール式発射装薬を作成した。
上記発射装薬を用いて、各モジュール式発射装薬を下記の方法によって評価した。その結果を下記表1に示す。
[封止材の破損の評価方法]
モジュール式発射装薬の結合試験および分離試験を行い、封止材の破損の有無を評価した。結合試験および分離試験では株式会社島津製作所製引張試験機AG−500Nを使用した。
結合試験ではモジュール式発射装薬の側面部を固定できる治具を用いて、2つのモジュール式発射装薬を10mm/秒の速度で結合した後、封止材の破損を評価した。分離試験では結合試験と同一の治具を用いて10mm/秒の速度で分離した後、封止材の破損を評価した。
評価基準としては、封止材に裂けや破れの破損が無く、接着剤や粘着剤による固着面の剥がれがないものを「○」、封止材の破損や固着面の剥離があったものを「×」と評価した。
表1の結果からわかるように、実施例1〜3では、封止材の破損は発生しなかった。これに対し、比較例1は溝が設けられていないため、封止材は破損した。比較例2は半円状線形突起が変形し、モジュール式発射装薬間の空間が密閉状態となったため、封止材は破損した。
10 モジュール式発射装薬
10a オス型端部
10b メス型端部
11 焼尽容器
11a 収容ケース
11b 蓋体
11c 点火薬筒
12 点火薬
13 発射薬
13K 発射薬収容部
14 貫通孔
15 中央開口部
20 封止材
30 溝

Claims (4)

  1. 径方向中央に貫通孔を有する円筒状に形成されており、一端に他の部分より外径の小さいオス型端部を有し、他端に同一形状の別の焼尽容器のオス型端部と嵌合して軸方向に連結可能なメス型端部を有するモジュール式発射装薬用焼尽容器であって、
    前記オス型端部の外周面には軸方向に伸びる少なくとも一つの溝が設けられ、
    前記オス型端部の中心軸から前記溝の底までの距離が、前記メス型端部の内半径よりも小さいことを特徴とする焼尽容器。
  2. 前記溝がオス型端部の先端まで伸びていることを特徴とする請求項1に記載の焼尽容器。
  3. 前記オス型端部の中心軸に垂直な平面において、前記オス型端部の外周の長さを100としたときの前記溝の幅の総計が0.8以上であり、前記オス型端部の断面積を100としたときの前記溝の総断面積が0.03以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼尽容器。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の焼尽容器の内部に発射薬及び点火薬が収容されており、前記貫通孔の両端が密閉されていることを特徴とするモジュール式発射装薬。
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