JP2005265352A - モジュール式発射装薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】負差圧や点火遅れの抑制、および燃焼残さの低減をバランス良く満たし、また、発射装薬の装填方向によらず、同じ弾道性能を発揮させるモジュール式発射装薬を提供する。
【解決手段】焼尽材料からなり両端面中央に開口部を有する円柱状容器に発射薬、2つ以上の点火薬を配置したモジュール式発射装薬であって、容器の両端面より1モジュールの軸方向長さの1/4までの範囲から点火薬筒中央側に向かって同じ点火薬を中空部側に配置し、点火薬配置後の中空部最小断面積が、容器の端面面積に対しての少なくとも1/250以上である構造とするモジュール式発射装薬。
【選択図】図4

Description

本発明は、りゅう弾砲などの火砲で弾丸を飛翔させるために用いるモジュール式発射装薬に関する。本発明は更にこの種の発射装薬の点火方法に関する。
りゅう弾砲などの火砲においては、一般的に弾丸(飛翔体)とそれを飛翔させるために用いる発射装薬は分かれて構成されている。発射装薬は、点火薬、発射薬、および焼食抑制剤、除銅剤等の添加剤、さらにそれらを収納する容器で構成されている。モジュール式発射装薬とは、同一形状のモジュールを1個から複数個積み重ねて使用する発射装薬のことで、一つの火砲で複数の距離に弾丸(飛翔体)を飛翔できるという特徴がある。その容器は機械によっても自動で薬室に装填できるよう、また射撃後に薬室に残らないよう強固な焼尽性容器が一般的に用いられる。複数個のモジュールが薬室に装填された場合、まず、火管に隣接するモジュールの点火薬が着火し、さらにモジュール内発射薬、および隣接するモジュールの点火薬に火炎が広がり、装填したモジュール全体の発射薬が着火する。この種の発射装薬では、長く積み重ねて使用する際、点火方法をうまくコントロールしないと、発射薬への着火が不均一になりやすく、薬室内の圧力分布が乱れて負差圧が発生したり、点火遅れが長くなったりする場合がある。また、点火遅れを短くするために点火薬を多く使用しすぎると、燃焼残さが発生したり、薬室内の圧力分布が乱れて負差圧が発生する場合がある。
特許文献1には、中空部分に点火薬を点火薬筒の端壁に対して対称に配列した発射火薬モジュールについて記載されている。また、環状板状の点火薬と点火薬筒壁断面と一体化された点火薬のニ種類の点火薬について記載されている。しかし、これらの点火薬は、いずれもそれぞれが、発射薬を着火させること、および中空部に火炎を伝播させることの両方を目的として使用されており、負差圧抑制、着火遅れ抑制、および燃焼残さ低減をバランス良く満たすことは難しい。
特許文献2には、モジュールの中空部をもうけるために用いる焼尽性円筒チューブ内面に点火薬を配列する構造のモジュール式発射装薬について記載されている。また、使用する点火薬重量範囲、点火薬燃焼表面積について記載されている。しかし、一つの点火薬、および一つの点火薬の配置で、発射薬を着火させることと中空部に火炎を伝播させることの両方を目的として使用されており、負差圧抑制、着火遅れ抑制、および燃焼残さ低減をバランス良く満たすことは難しい。
特許文献3には、モジュールの中空部に装填するニトロセルロースとパルプを筒状に構成した点火薬について記載されている。しかし、一つの点火薬、および一つの点火薬の配置で、発射薬を着火させることと中空部に火炎を伝播させることの両方を目的として使用されており、負差圧抑制、着火遅れ抑制、および燃焼残さ低減をバランス良く満たすことは難しい。
特許文献4には、中空部周囲に点火薬を配置するユニット型発射装薬について記載されている。しかし、板状や棒状の点火薬を中空部に差し込む以外に具体的な発射薬への着火方法や中空部に火炎を伝播させる方法は開示されていない。
特許文献5にはニトロセルロースと黒色火薬の混合物を、中空部を構成するために用いる円筒型支持管に塗布した塗布層を設ける中心点火薬円筒について記載がある。また、円筒型支持管内側、外側の両面に前記塗布層を設けた3層構造の中心点火薬筒についても記載されている。しかし、これらは塗布箇所を明記しておらず中空部に火炎を伝播させる有効な方法について記載がない。また、アセトン等の溶剤を用いて混合液をつくり塗布させて点火薬層を構成するため、均一に塗布できなかった場合、発射薬への着火が不均一になる恐れがある。
特許文献6には、モジュールの中空部を構成する支持管の発射薬側に点火伝達装薬として硬泡層を設ける構造が開示されている。しかし、硬泡層の具体的な配置について明記しておらず中空部に火炎を伝播させる有効な方法について記載がない。また、硬泡層を製造する作業が増えるといった問題が生じる。
特許文献7には、中空部を設けず、中央部に棒状火薬を配列した発射装薬について記載されている。しかし、この発射装薬は、底部側のモジュールの火炎を弾丸側モジュールに伝播させる有効な中空部を設けていないため、棒状火薬の形状、および棒状火薬量をうまくコントロールしないと、底部側モジュール内の発射薬と弾丸側モジュール内の発射薬の着火が不均一になり負差圧を発生させる恐れがある。
特許文献8には、中空部を設けず、中央部と両端部に点火薬を配置した発射装薬について記載されている。しかし、この発射装薬は、底部側のモジュールの火炎を弾丸側モジュールに伝播させる有効な中空部を設けていないため、点火薬の形状、および棒状火薬量をうまくコントロールしないと、底部側モジュール内の発射薬と弾丸側モジュール内の発射薬の着火が不均一になり負差圧を発生させる恐れがある。
特公昭62−31276号公報 特許公報第3141127号公報 特開平5−878号公報 特開平4−347500号公報 特開平5−105572号公報 特開平8−219692号公報 特許公報第3141092号 米国特許第5747723号明細書
本発明は、負差圧や点火遅れの抑制、および燃焼残さの低減をバランス良く満たすモジュール式発射装薬を提供することを目的とする。また、発射装薬の装填方向によらず、同じ弾道性能を発揮させるモジュール式発射装薬を提供することを別の目的とする。また、吸湿による性能変化を抑制したモジュール式発射装薬を提供することを更に別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、モジュール式発射装薬の構造、および点火方法について鋭意研究した結果、使用する点火薬の配置、種類、重量比、および点火薬筒の構造、開口部分のシール方法を制御することによって、前記目的が達成されることを見出して本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1) 焼尽材料からなり両端面中央に開口部を有する円柱状容器に発射薬、2つ以上の点火薬を配置したモジュール式発射装薬であって、容器の両端面より1モジュールの軸方向長さの1/4までの範囲から点火薬筒中央側に向かって同じ点火薬を中空部側に配置し、点火薬配置後の中空部最小断面積が、容器の端面面積に対しての少なくとも1/250以上である構造を特徴とするモジュール式発射装薬。
(2)点火薬が、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬と、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬の少なくとも2つの点火薬で構成されたことを特徴とする(1)記載のモジュール式発射装薬。
(3)主に発射薬を着火させるために用いる点火薬が、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬より燃焼時間の長い点火薬を用いることを特徴とする(2)記載のモジュール式発射装薬。
(4)主に発射薬を着火させるために用いる点火薬を、点火薬筒の発射薬側に配置した構造であることを特徴とする(2)、(3)記載のモジュール式発射装薬。
(5)主に発射薬を着火させるために用いる点火薬と、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬との重量比が0.5〜15に設定したことを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
(6)主に発射薬を着火させるために用いる点火薬と、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬の合計重量が発射薬1kgあたり0.002〜0.025kgに設定したことを特徴とする(2)〜(5)のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
(7)中空部分を形成するために用いる点火薬筒に、複数の着火孔を設けたことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
(8)容器両端面の開口部を容器中央側に向かってロート状、または円弧状にしたことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
(9)ロート状、または円弧状部分に着火孔を少なくとも1つ以上有することを特徴とする(8)記載のモジュール式発射装薬。
(10)点火薬が、点火薬筒端面より軸方向に向かって、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬の順に配置されたことを特徴とする(1)〜(9)いずれかに記載のモジュール式発射装薬。
(11)主に中空部に火炎を伝播させるために用いる点火薬が、両端面まで伸びた棒状の形状であり、点火薬筒の中空部側に並べて配置したことを特徴とする (1)〜(9)いずれかに記載のモジュール式発射装薬。
(12)薬室にモジュール式発射装薬を装填した場合の中空部の上端が、砲の火導孔の軸線上より少なくとも5mm以上、15mm以内に位置するように中空部を構成することを特徴とする(1)〜(11)いずれかに記載のモジュール式発射装薬。
(13)両端面に配置した点火薬より外側開口部および/または点火薬筒の着火孔を、射撃の際に焼尽、または破壊するシール剤でシールした構造であることを特徴とする特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
本発明では次の効果を有する。
(1)モジュール式発射装薬において、負差圧や点火遅れの抑制、および燃焼残さの低減をバランス良く満たすことができる。
(2)発射装薬の装填方向によらず、同じ弾道性能を発揮させることができる。
(3)吸湿による性能変化を抑制できる。
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に、詳細に説明する。
本発明にいうモジュール式発射装薬とは、1個のモジュール、あるいは複数のモジュールをつなぎ合わせて用いる発射装薬のことである。モジュール式発射装薬内の発射薬、点火薬、添加剤、容器は単一のものを用いてもよく、また、2種類以上のモジュールを組み合わせて用いても良い。本発明に用いる容器は焼尽材料の容器が好ましい。焼尽材料の容器はパルプとニトロセルロースおよびバインダー等から構成されたものである。ここで用いるニトロセルロースとしては窒素含有率が12.0〜13.4%のものが特に好ましい。容器端面外側はどのような形でも良い。特許公報第3192181号に記載されたように、1つのモジュールの両端面がオス型、メス型の構造をとっていてもよく、両端面が同じ平たんな形状であっても良い。また、両端面が、それぞれ凹凸部の形状をなし、複数のユニットを用いる場合、その凹凸部でそれぞれのユニットを嵌め合うことができるようにしても良く、あるいは両端面外側の径を小さくして、バンド等でお互いのモジュールを固定できるようにしても良い。
本発明で、中空部を設けるために用いる点火薬筒は、容器と同様に、焼尽材料であることが好ましい。ここで用いるニトロセルロースとしては窒素含有率が12.0〜13.4%のものが特に好ましい。容器両端面の開口部は、火管、または隣接するモジュールからの火炎を有効に点火薬に伝え、また他の隣接するモジュールに火炎を有効に伝えるため、ロート状、または円弧状にすることが好ましい。ロート状、または円弧状にする範囲は任意に設定できるが、通常、容器の端面より1モジュールの軸方向長さの1/6までの範囲以内に設定される。1モジュールの軸方向の長さとは、容器の両端面までの長さのことであり、端面外側に凹凸がある場合は凹部側より計測して最短になる長さのことである。点火薬筒は、主に発射薬を着火させる点火薬および/または発射薬を有効に着火させるため、着火孔を設ける構造にすることが好ましい。着火孔の数は任意に決めることができるが、トータル着火孔の面積が、トータル着火孔を含めた点火薬筒周囲面積に対して10〜40%の範囲で設けることが好ましい。更に好ましくは15〜30%の範囲である。10%より小さくすると火炎の流れがスムーズになりにくく、また40%より大きくすると、点火薬筒の強度が低下するため好ましくない。一つの着火孔の大きさは任意に設定できる。通常1〜15mmの範囲で設定できる。着火孔の形状は任意に設定できる。
また、ロート状部分又は、円弧状部分に少なくとも一つ以上の着火孔を設けることは、隣接するモジュールからの火炎および/または主に中空部に火炎を伝播するための点火薬からの火炎をスムーズに、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬および/または発射薬に伝えることができるため好ましい。
本発明で用いる2つの点火薬としては、後述する燃焼時間の関係を満たす範囲内で、どのような点火薬を用いても良い。好ましい例としては、入手が容易な黒色火薬、ベナイトストランド、ボロン硝石、無煙火薬などがあげられる。これらを2種類以上組み合わせても良い。2つの点火薬の形状としては、どのような形状のものでも使用できる。好ましい例としては粒状、粉状、棒状、管状、切欠管状などがあげられる。
主に発射薬を着火させるために用いる点火薬は、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬より燃焼時間の長い点火薬を選定することが好ましい。燃焼時間は、通常の火薬の燃焼試験として用いられる密閉ボンブ試験によって求める。例えば、密閉ボンブ試験は容積0.8×10―4の装置を使用、そして火薬を装填密度100kg/mで装填し、窒素量約12%の硝化綿0.1×10―3kgで点火する。また、圧力はピエゾ素子を用いて時間と圧力の関係を取得し、そこから計算によって圧力が立ち上がってから最大値を迎えるまでの時間を燃焼時間と呼ぶ。例えば、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬としては、黒色火薬、ベナイトストランドを主成分とする点火薬が、また、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬としては無煙火薬、ボロン硝石、黒色火薬を主成分とする点火薬が用いられる。主に発射薬を着火させるために用いる点火薬の燃焼時間は、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬より1.5倍以上燃焼時間の長い点火薬を選定することが好ましい。3倍以上燃焼時間の長い点火薬を選定することは更に好ましい。主に発射薬を着火させるために用いる点火薬と、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬との重量比は0.3〜15の範囲であることが好ましい。更に好ましい範囲は0.8〜10である。0.3より小さい場合、発射薬の着火が不均一になる恐れがあり、また、15より大きい場合中空部への火炎伝播がスムーズにいかない恐れがあり好ましくない。また、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬と、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬の合計重量は発射薬1kg当たり0.002から0.025kgに設定することが好ましい。更に好ましい範囲は0.003〜0.015kgの範囲である。0.002kgより少ない場合、発射薬への着火が不均一になる恐れがあり、また0.025kgより多い場合、点火薬の燃焼残さが残る恐れや、発射薬の異常燃焼の原因となる恐れがあり好ましくない。主に中空部に火炎を伝播させるために用いる点火薬は点火薬筒周囲の中空部側両端部付近にほぼ同じ重量になるよう均等に配置させる。容器の端面より1モジュールの軸方向長さの1/3までの範囲から点火薬筒中央側に向かって配置することが好ましい。更に好ましくは、容器の端面より1モジュールの軸方向長さの1/4の範囲から配置することである。ここでいう容器の端面からの長さは端面外側に凹凸部がある場合、最短の長さをいう。1/3よりも内側より点火薬を配置すると、火管または隣接するモジュールからの火炎が点火薬にうまく伝わらず着火が不均一になる恐れがあり好ましくない。容器の両端面付近に配置する点火薬は容器開口部のロート状、または円弧状部分、あるいは点火薬筒周囲に2箇所以上袋にわけてほぼ同じ間隔で配置することが好ましい。その際、用いる袋は点火薬等の火炎で焼尽する材料であればどのようなものでも用いることができる。例えば絹袋、綿袋などがあげられる。主に発射薬を着火させるために用いる点火薬は点火薬筒の発射薬側、中空部側のどちらに配置しても良い。発射薬着火をより確実にするために発射薬側に配置することが好ましい。また、点火薬筒周囲に2箇所以上袋にわけてほぼ同じ間隔で配置することが好ましい。その際、用いる袋は点火薬等の火炎で焼尽する材料であればどのようなものでも用いることができる。例えば絹袋、綿袋などがあげられる。
二つ点火薬を配置した後の中空部最小断面積は、容器の端面面積に対して少なくとも1/250以上設けることが好ましい。1/250より小さいと火炎伝播がスムーズにいかず、好ましくない。ここでいう容器の端面面積とは中央開口部を合わせた面積のことである。端面外側に凹凸部がある場合は、平たんな面にみたてて求めた面積である。また、中空部の最小断面積とは中空部の断面積から2つの点火薬の部分が投影されたところの面積を除いた面積である。
2つの点火薬の配列としては、容器の端面より軸方向中央部に向かって、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬の順に配置することが好ましい。また、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬として両端面付近まで伸びた棒状、または管状、切欠管状の点火薬を用いることも、好ましい。
容器の両端面付近に配置した点火薬より外側開口部および/または点火薬筒の着火孔をシール剤でシールすることは吸湿による性能変化を抑制できる良い方法である。シール剤としては、射撃の際に焼尽、または破壊するシール剤であればどのようなものを用いても良い。例えば、ラッカー等を塗布した紙、セルロースフィルム、ポリエステルフィルム、スズ等のホイルなどがあげられる。
本発明で用いる発射薬としては、どのような発射薬を用いてもよい。例えばシングルベース発射薬、ダブルベース発射薬、トリプルベース発射薬、ニトラミン発射薬が用いられる。また、発射薬表層と内部の組成が異なる2層構造の発射薬や、表面をコーテングした発射薬を用いても良い。更にこれらの発射薬を複数組み合わせて用いても良い。
薬室にモジュール式発射装薬を装填した場合の中空部の上端が、砲の火導孔の軸線上より少なくとも5mm以上、15mm以内に位置するように中空部を構成することが好ましい。この範囲を外すと、火管からの火炎がモジュール内の点火薬にうまく伝わらず、着火が不均一になりやすく、好ましくない。
以下に、本発明を更に具体的に説明する。本発明はこれらの具体例によって技術的範囲を何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の代表的モジュール式発射装薬を示す模式図である。
図1において、焼尽性容器7は両端面中央に開口部を有する円柱容器であり、開口部は、ロート状に成型され、点火薬筒3と接合されている。火管や隣接するモジュールからの火炎は、防湿フィルム4を破りロート状部分に配置された点火薬1に着火する。これにより発生した火炎の一部はロート状部分に設けられた着火孔5より点火薬筒側面に配置された点火薬2におよび/または発射薬6に着火し、その火炎により発射薬6に伝播して行く。また、点火薬1から発生した火炎のもう一方は、点火薬筒の軸方向に沿って点火薬筒の着火孔5より点火薬2に着火し、発射薬6へ伝播して行くものと、そのまま点火薬筒軸方向に移動し、反対側に配置された点火薬1に着火して次のモジュールへ火炎を伝播されて行く。
図2は、図1の編合可能タイプ(オスメス結合)を説明するための模式図である。
図3は、本発明の他の例を示すモジュール式発射装薬の模式図である。点火薬2を中空部側に配置した例である。ここで、点火薬1は主に中空部に火炎伝播を目的とした点火薬であり、点火薬2は主に発射薬への着火を目的とした点火薬である。
図4は、火砲薬室内の火管からの火炎の流れを説明する模式図であり、火砲の火導孔と発射装薬の中空部の先端部分との関係を示す。
[実施例1]
本発明のモジュール式発射装薬を用いての実施例を示す。外径155mmφ、長さ155mmの焼尽性容器を用い、中心部に位置する点火薬筒は内径25mmφで焼尽性のものを用いた。また、点火薬1は無煙火薬を容器の両端面から約3mmの場所より、それぞれ0.005kgを配置して合計0.010kgとし、また、点火薬2は黒色火薬0.010kgを点火薬筒側面に沿って発射薬側に配置した。点火薬2は点火薬1の燃焼時間の約4倍であった。また、点火薬1と点火薬2の比は0.010/0.010=1であった。また、点火薬1は両端面から1モジュール軸長さの約1/52(3/155)の地点から点火薬筒中央側に向かって配置した。無煙火薬と点火薬配置後の中空部最小断面積は容器の端面面積の約1/40にした。発射薬にはトリプルベース2.3kgを用い、焼尽性容器端面の開口部は防湿フィルム(ポリエチレンフィルム)を用いてシールし、図1の本発明品を製造した。
[実施例2]
実施例1で製造したモジュール式発射装薬6個を155mm試験砲で射撃したところ、火砲薬室内に大きな負差圧や点火遅れは発生しなかった。また、残さもほとんど見られなかった。
[実施例3]
実施例1で製造したモジュール式発射装薬6個を実施例2とは逆の方向で火砲に装填して射撃したところ、実施例2と同様の結果が得られた。
[実施例4]
実施例1で製造したモジュール式発射装薬1個を155mm試験砲で射撃したところ、実施例2と同様の結果が得られた。
[実施例5]
点火薬2を棒状に成型した黒色火薬に替えた以外は実施例1と同じようにモジュール式発射装薬を製造し、そのモジュール式発射装薬6個を用いて、155mm試験砲で射撃したところ、実施例2と同様の結果が得られた。
点火薬2は点火薬1の燃焼時間の約12倍であった。
[比較例1]
点火薬を点火薬2のみの1種類とし、点火薬筒側面に沿って中空部側に配置した以外は、実施例1と同じモジュール式発射装薬1個で射撃したところ、最大で実施例4の約10倍の点火遅れを生じた。また、火砲の閉鎖機(遊頭)に残さが付着していた。
[比較例2]
点火薬を点火薬2のみの1種類とし、点火薬筒側面に沿って中空部側に配置した以外は、実施例1と同じモジュール式発射装薬6個で射撃したところ、実施例2の約5倍の負差圧が観測された。
本発明の発射装薬はりゅう弾砲などの火砲に使用するモジュール式発射装薬に関する。
本発明の代表的モジュール式発射装薬を示す模式図。 図1の編合可能タイプ(オスメス結合)を説明するための模式図。 本発明の他の例を示すモジュール式発射装薬の模式図。 火砲薬室内の火管からの火炎の流れを説明する模式図。
符号の説明
1 主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬(点火薬1)
2 主に発射薬を着火させるために用いる点火薬(点火薬2)
3 点火薬筒
4 防湿フィルム
5 着火孔
6 発射薬
7 焼尽性容器
8 結合部(オス)
9 結合部(メス)
10 容器の端面
11 モジュール式発射装薬
12 火管
13 火導孔
14 火導孔と発射装薬中空部先端との差
15 中空部

Claims (13)

  1. 焼尽材料からなり両端面中央に開口部を有する円柱状容器に発射薬、2つ以上の点火薬を配置したモジュール式発射装薬であって、容器の両端面より1モジュールの軸方向長さの1/4までの範囲から点火薬筒中央側に向かって同じ点火薬を中空部側に配置し、点火薬配置後の中空部最小断面積が、容器の端面面積に対しての少なくとも1/250以上である構造を特徴とするモジュール式発射装薬。
  2. 点火薬として主に中空部に火炎を伝播させるために用いる点火薬と、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬の少なくとも2つの点火薬で構成されたことを特徴とする請求項1記載のモジュール式発射装薬。
  3. 主に発射薬を着火させるために用いる点火薬が、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬より燃焼時間の長い点火薬を用いることを特徴とする請求項2記載のモジュール式発射装薬。
  4. 主に発射薬を着火させるために用いる点火薬を、点火薬筒の発射薬側に配置した構造であることを特徴とする請求項2、3記載のモジュール式発射装薬。
  5. 主に発射薬を着火させるために用いる点火薬と、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬との重量比が0.5〜15に設定したことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
  6. 主に発射薬を着火させるために用いる点火薬と、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬の合計重量が発射薬1kgあたり0.002〜0.025kgに設定したことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
  7. 中空部分を形成するために用いる点火薬筒に、複数の着火孔を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
  8. 容器両端面の開口部を容器中央側に向かってロート状、または円弧状にしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
  9. ロート状、または円弧状部分に着火孔を少なくとも1つ以上有することを特徴とする請求項8記載のモジュール式発射装薬。
  10. 点火薬が、点火薬筒端面より軸方向に向かって、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬、主に発射薬を着火させるために用いる点火薬、主に中空部に火炎を伝播するために用いる点火薬の順に配置されたことを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載のモジュール式発射装薬。
  11. 主に中空部に火炎を伝播させるために用いる点火薬が、両端面まで伸びた棒状の形状であり、点火薬筒の中空部側に並べて配置したことを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載のモジュール式発射装薬。
  12. 薬室にモジュール式発射装薬を装填した場合の中空部の上端が、砲の火導孔の軸線上より少なくとも5mm以上、15mm以内に位置するように中空部を構成することを特徴とする請求項1〜11いずれかに記載のモジュール式発射装薬。
  13. 両端面に配置した点火薬より外側開口部および/または点火薬筒の着火孔を、射撃の際に焼尽、または破壊するシール剤でシールした構造であることを特徴とする特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のモジュール式発射装薬。
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