JP5929366B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に関するものである。
記録ヘッドからインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装置では、インクカートリッジとして交換可能なメインタンクと、記録ヘッドに付設されたヘッドタンクを送液手段と送液経路を介して接続し、記録によって消費されたヘッドタンクに適時メインタンクからインクを補充する供給システムが知られている。
メインタンクのインク残量を検知する方法としては、インクジェットヘッドからの吐出回数およびメンテナンス等吐出以外で消費された回数をカウントし、それぞれの消費されるインク量を乗じて算出する方法、カートリッジにエンドセンサを装備する方法、あるいは所定の時間ポンプによる送液動作を行ってもヘッドタンクに送られないと判断することで、当該メインタンクは完全にインクエンドとなったと判断する方法などが用いられている。
カートリッジがインクエンドと判断されるとカートリッジを交換することになるが、送液ポンプによって完全にカートリッジ内のインクがヘッドタンク側に送られると、カートリッジから送液ポンプまでの供給経路は真空状態となっており、そのままエンドになったカートリッジを抜き取ると空気が入り込むことになり、その後に不具合を生じるという問題があった。
これを解決するために、インクカートリッジを交換する際に、前記送液ポンプによる逆転送液を行い前記ヘッドタンクから前記インクカートリッジへインクを戻すことを特徴とするインクジェット記録装置が特開2010−155446号公報(特許文献1)に開示されている。
しかしながら、従来のインクジェット記録装置では、インクカートリッジ内のインク不足でカートリッジからヘッドタンクにインクが送液できない状態で送液ポンプによる正転送液を実行した場合には、正転送液と逆転送液の送液量の関係は正転送液≧逆転送液とする必要があり、正転送液量が不明の場合は送液ポンプによる逆転送液を行わないようにしているため、インクエンドにより正転送液量がゼロに近いような場合には、正転送液量≧逆転送液量とならず、逆転送液が行われないため、上記逆転送液による空気進入の抑制を行うことができなかった。
また従来は、逆転送液を、送液ポンプの稼働時間で制御しているため、ポンプの状態やインクの粘度などにより逆転送液量が不安定であると言う問題もある。
本発明は、従来のインクジェット記録装置における上述の問題を解決し、インクカートリッジのインクエンドを検知した時点で、正転送液量またはヘッドタンクのインク残量にかかわらず逆転送液を可能とし、インク供給系への空気進入を防止するとともに、逆転送液の量を所望の量に安定化させることのできるインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するため、本発明は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に走行させて記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドに付設されたヘッドタンクと、該ヘッドタンクに供給する液体を収容する着脱可能なカートリッジと、該カートリッジと前記ヘッドタンク間で液体を送液させる送液手段とを備え、前記ヘッドタンクには液体残量に応じて変位する変位部材が設けられており、該変位部材を検知する前記キャリッジに搭載された第1の検知手段と、装置本体側に配置されて前記変位部材を検知する第2の検知手段を有し、前記ヘッドタンクへの液体供給開始後所定の時間内に前記第1の検知手段が前記変位部材を検知しなかった場合は前記カートリッジ内の液体残量が不足と判断し、前記ヘッドタンクを大気開放してタンク内の負圧を解除するとともに、その状態で前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ所定量の液体を逆転送液したときの前記変位部材の変位量を算出し、該算出した位置に変位したときの前記変位部材を前記第2の検知手段が検知するべき位置に前記キャリッジを移動させ、前記第2の検知手段が前記変位部材を検知するまで前記送液手段により前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ送液させ、前記ヘッドタンク内の液体量は、負圧を考慮した充填満タン位置から負圧を考慮したインク空位置までの範囲で制御されるものであり、前記所定量を、前記ヘッドタンクにおける前記負圧を考慮したインク空位置での液体残量よりも少ない値に設定することを特徴とする。
本発明によれば、インクカートリッジのインクエンドを検知した時点で、正転送液量またはヘッドタンクのインク残量にかかわらず逆転送液を行うことが可能となり、インク供給系への空気進入を防止するとともに、逆転送液の量を所望の量に安定化させることができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一部として機能する画像形成部の構成例を模式的に示す図である。 ヘッドタンク内の負圧発生機構について説明する図である。 ヘッドタンク102内の負圧とインク量の関係を示すグラフである。 ヘッドタンク内のインク量を充填満タン位置に設定する方法について説明する図である。 ヘッドタンクの可撓性部材の変位量を検知する構成の一例について説明する図である。 可撓性部材の変位量を検知する他の構成例を示すものである。 可撓性部材の変位量を検知するさらに他の構成例を示すものである。 図6の構成の側面図である。 2つの被検知部が側面方向から見て同位置にある構成例を示す側面図である。 環境条件により可撓性部材が変位することについて説明する図である。 フィラーの各位置について説明する図である。 キャリッジ走査中のヘッドタンク内の圧力変動について説明する図である。 キャリッジ走査中にインク供給するときのキャリッジ走査方向による影響ついて説明する図である。 キャリッジに複数の吐出ヘッド及びヘッドタンクを搭載した画像形成部の構成例を模式的に示す図である。 本実施形態における逆転送液制御を示すフローチャートである。 大気開放を行わずに逆転送液を行う制御例を示すフローチャートである。 カートリッジ交換時送液制御の一例を示すフローチャートである。 カートリッジ交換時送液制御の他の例を示すフローチャートである。 カートリッジ交換時送液制御の更に他の例を示すフローチャートである。 カートリッジ交換時送液制御の更に他の例を示すフローチャートである。 逆転送液制御の他の例を示すフローチャートである。 逆転送液制御の更に他の例を示すフローチャートである。 フィラーの位置について説明する図である。 確実な逆転送液を行なえるヘッドタンクについて説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一部として機能する画像形成部の構成例を模式的に示す、主走査方向と直交する方向から見た正面図である。なお、主走査方向は、キャリッジ103の移動方向であり、図1の左右方向である。
本実施例の画像形成部を構成する要素として、インクを滴下し、記録媒体に記録する為にインクを吐出する吐出ヘッド(記録ヘッド)101と、インクを吐出ヘッド101に送る前に一時的に貯蔵するヘッドタンク102が有り、これらはキャリッジ103に搭載されている。キャリッジ103は図の左右方向に走査可能となっており、キャリッジ103の位置を測定する走査範囲に設置したエンコーダ104と、キャリッジ103の位置を検知するキャリッジ位置検知センサ105が有り、キャリッジ位置検知センサ105がエンコーダ104のスリット数を検知することで、キャリッジ103の走査位置を制御することが可能となる。また、ヘッドタンク102に供給されるインクを貯蔵するメインタンク106と、メインタンク106とヘッドタンク102を連通するインク供給路107が有り、インク供給路107の経路中にはインクタンク106からヘッドタンク102へインクを送るための送液ポンプ108がある。送液ポンプ108は例えばチューブポンプであり、正転及び逆転動作によりインク送液及び吸引が可能である。
図2は、ヘッドタンク(ザブタンク)102内の負圧発生機構について説明する平面図である。
ヘッドタンク102内は貯蔵したインクが吐出ヘッド101から漏液しないようにするために、負圧状態を保つ必要がある。負圧状態を作る為には例えば、ヘッドタンク102の一側面に可撓性部材110を有し、可撓性部材110を外側へ付勢する負圧発生バネ109を有し、ヘッドタンク102内へインクが供給される供給口102aからインクが供給されたのち、ヘッドタンク102からインクを吸引、又は排出することでヘッドタンク102内に負圧が発生する。さらにインクを吸引可能な送液ポンプ108(図1)にて吸引することで、可撓性部材110がヘッドタンク102内方向に引き込まれ、負圧発生バネ109が圧縮されて負圧が高まる。そこからヘッドタンク内へインクを供給すると、可撓性部材110がヘッドタンク102外方向に押し出され、負圧発生バネ109が伸びることで負圧が弱まる。これらを繰り返すことでヘッドタンク102内の負圧を一定内に保つよう制御することができる。
図3は、ヘッドタンク102内の負圧とインク量の関係を示すグラフである。ヘッドタンク102内のインク量が多いとき、ヘッドタンク102内の負圧は小さく弱い状態であり、インク量が少ないとき、ヘッドタンク102内の負圧は大きく強くなる。
ヘッドタンク102内の負圧は弱すぎると吐出ヘッド101からインクが漏液する問題があり、負圧が強すぎると吐出ヘッド101から空気や塵を混入してしまい、吐出不良や空気混入による障害が問題となる。このため、ヘッドタンク102内は負圧を考慮した充填満タン位置から負圧を考慮したインク空位置までである負圧制御範囲Aの範囲で制御する必要があり、これはヘッドタンク102内のインク量をインク量制御範囲Bの範囲で制御する必要がある。
図4は、ヘッドタンク102内のインク量を充填満タン位置(以下、ファイラー位置やキャリッジの位置との混同を避けるため、「充填満タン量」と記す)に設定する方法について、ヘッドタンク102の側面方向から見て説明するものである。
ヘッドタンク102には、液面を検知する手段として、例えば電極ピン111が設けられている。また、ヘッドタンク102内を大気と連通するための大気連通路112を有し、大気連通路112には大気との連通と遮蔽が可能な大気開閉弁113を有する構成である。
充填満タン量に設定する1例として、まず大気開閉弁113を開放することで、ヘッドタンク102内の負圧が開放され、ヘッドタンク102内の液面が下がる。この時、供給口102aは液面下にあることが望ましい。液面上にあると、供給口102aからインク経路107に空気が混入し、次にインクを供給したとき、供給口102aからインクと共に気泡が排出されることがあり、そのまま供給を続けると、気泡が大気連通路112を通り、大気開閉弁113へ気泡を付着させ、弁の固着、または液漏れの障害になることもある。
負圧が開放され、液面が下がった後インクを供給する。インクを供給することで液面が上昇し、液面を検知する電極ピン111が検知することで所定の位置(量)までインクを供給することが可能となる。その後再び大気開閉弁113を閉状態にし、そこからインクを所定量吸引することで所定の負圧値となり、ヘッドタンク102内の負圧を考慮した充填満タン量に設定することができる。
図5は、ヘッドタンク102の可撓性部材110の変位量を検知する構成例について説明する平面図である。
本例においては、走査位置を検知・制御可能なキャリッジ103に搭載されたヘッドタンク102に備わる可撓性部材110の変位量検知を行うためにフィラー114が備えられている。このフィラー114はヘッドタンク102との接続部となる支軸部116を回転軸とし、揺動可能な状態に設けられている。そして、フィラー114の端部とヘッドタンク102との間に付勢バネ115が配設されている。この付勢バネ115がフィラー114の端部を図の上方向に付勢することにより、フィラー114は、支軸部116を支点として可撓性部材110に押圧接触する方向に付勢される。フィラー114を検出する検知センサ117(例えば透過型フォトセンサ)はキャリッジ103には搭載せず、所定位置に設置されている。
このような構成において、ある時点でフィラー114を検知センサ117が検知したときのキャリッジ103の位置を記憶し、その記憶した位置と、次時点でフィラー114を検知センサ117が検知したときのキャリッジ103位置との変位を検出することで、可撓性部材110の変位量を測定することができる。
すなわち、ヘッドタンク102を搭載したキャリッジ103は記録動作のために図の左右方向に往復移動するものであるが、(a)図において、キャリッジ103の位置がX1のときに検知センサ117がフィラー114を検知したとする。もし、フィラー114の位置が変わっていなければ(可撓性部材110が変位していなければ)、キャリッジ103が往復移動したとしても、次に検知センサ117がフィラー114を検知する位置はX1であり、同じキャリッジ位置(X1)で検知センサ117がフィラー114を検知したことによって、フィラー114の位置が変化していない(可撓性部材110が変位していない)ことが分かる。
一方、(b)図に実線で示すようにフィラー114の位置が変わっていた場合、X1のキャリッジ位置ではフィラー114は検知されず、X1よりも左のX2のキャリッジ位置で検知センサ117がフィラー114を検知することになる。したがって、位置X1とX2の差分だけフィラー114すなわち可撓性部材110が変位したことが分かる。仮に、X0をキャリッジのホーム位置とすると、可撓性部材110の変位量はX2−X1となる。フィラー114の変位量を可撓性部材110の変位量とみなすことは、実際上問題はない。
図4にて説明したように負圧を考慮した充填満タン量に設定する場合、大気開閉弁113を開状態にし、ヘッドタンク102内を大気圧にした後、インクを電極ピン111が検知することで所定の量までインク供給し、再び大気開閉弁113を閉状態にする。この状態でキャリッジ103を走査することでフィラー114を検知センサ117に検知させ、検知したキャリッジ位置を大気開放位置として記憶する。そして、そこから所定量だけインクを吸引することで、負圧を考慮した充填満タン量にヘッドタンク内のインク量を設定することができる。
ただし本構成例では、可撓性部材110の変位量を検知する必要がある度に、検知センサ117の検知可能位置に合わせて、考慮した位置にキャリッジ103に搭載したフィラー114を移動する必要がある。
図6は、可撓性部材110の変位量を検知する他の構成例を示すものである。
図6の構成は、キャリッジ103に搭載されない検知センサ117に加えて、キャリッジ103に搭載された検知センサ118を有する構成である。検知センサ118も検知センサ117と同じく、フィラー114を検知する検知手段であり、例えば透過型フォトセンサを用いることができる。なお、キャリッジに搭載された検知センサ118を第1の検知手段、本体側に配置された検知センサ117を第2の検知手段とする。
このような構成において、例えばヘッドタンク102内の負圧を考慮した充填満タン量に設定する場合、検知センサ117によりフィラー114を検出した大気開放位置Xaから、充填満タン位置Xbにキャリッジ103を移動させる。このとき、キャリッジに搭載されている第1の検知手段である検知センサ118とフィラー114の関係は変化しないが、キャリッジに搭載されていない第2の検知手段である検知センサ117とフィラー114の関係は変化する。
そして、そのキャリッジ位置Xbにてフィラー114が第1の検知手段である検知センサ118にて検知される位置を通過するまで送液ポンプ108を逆転動作させてインクを吸引(逆転送液)する。さらに再び送液ポンプ108によりフィラー114が検知センサ117にて検知されるまでインク供給を行う。このとき(このインク供給時に)、検知センサ118がフィラー114を検知した時点から充填満タン検出位置となる検知センサ117がフィラー114を検知するまでの供給ポンプ108の送液量を検出(算出)することで、検知センサ118による検知位置から検知センサ117による検知位置までのフィラー114の変位量すなわち可撓性部材110の変位量Cを測定することが可能であり、ヘッドタンク102内の液体容量を検知することができる。なお、変位量Cの検知方法としては、検知センサ118による検知から検知センサ117による検知までの時間を測定することでも可能である。
図6の構成においては、キャリッジ103が走査中でも、インクを所定量吐出検知した後(所定量消費したことを検知した後)、ヘッドタンク102内にインクを供給し、キャリッジ103に搭載された検知センサ118にてフィラー114を検知した後、先に検知した変位量C分をインク供給することで、負圧を考慮した充填満タン量までインク供給することが可能となる。検知センサ118による検知は位置検知センサであるため、インクの吐出量の検知誤差や、送液ポンプ108の送液量の検知誤差など、検知誤差の積み上がりが検知センサ118にて検知した時点で無くなり、検知誤差が積み上がることなく、インク吐出及びインク供給を繰返し行うことができる。
これら一連の動作を繰り返すことにより、印刷動作を途中で中断することなく、常にヘッドタンク102内にインクを供給することができるので、印刷効率が向上する。
検知した変位量Cに応じて印字中に送液する供給量として、供給ポンプ108が殆ど駆動しないような微量である場合(所定下限値以下の場合)、印字中に送液する量は検知センサ118がフィラー114を検知してから所定下限値分を送液するものとする。また、検知した変位量Cが所定上限値以上の場合は、印字中に送液する量は検知センサ118がフィラー114を検知してから所定上限値分を送液するものとする。
図7は、可撓性部材110の変位量を検知するさらに他の構成例を示すものである。
図7の構成は、フィラー114にエンコーダ119が備えられており、エンコーダ119のスリット数を検知する検知センサ120が設けられた構成である。このような構成において、検知センサ117がフィラー114を検知するまでの変位距離(エンコーダスリットのカウント数)を測定することで、可撓性部材110の変位による変位量Cを計測でき、ヘッドタンク102内のインク容量を検知することも可能である。
また、大気開放位置Xa(大気開放状態で電極ピン111が液面を検知するまでインクを供給した状態でのフィラー114を検知センサ117が検知するキャリッジ位置)、あるいは充填満タン検出位置Xb(大気開放状態で電極ピン111が液面を検知するまでインクを供給した状態から大気開閉弁113を閉じ、そこからインクを所定量吸引した状態でのフィラー114を検知センサ117が検知するキャリッジ位置)にキャリッジ103を移動させ、送液ポンプ108逆転動作にて検知センサ118がフィラー114を検知するまでインク吸引することで、大気開放位置Xa、又は充填満タン検出位置Xbから検知センサ118がフィラー114を検知するまでの供給ポンプ108による吸引量、または吸引時間、または吸引による可撓性部材110の変位量をキャリッジ移動距離によって検知することで、ヘッドタンク102内のインク容量を検出(算出)することも可能である。
図8は図6の構成の側面図である。フィラー114を検知する検知手段として第1の検知センサ118及び第2の検知センサ117を有する構成である。第1の検知センサ118はキャリッジ103に搭載され、第2の検知センサ117はキャリッジ103には搭載されていない(本体側に配置される)。
図9は、側面方向から見て検知センサ117と検知センサ118の検知位置がフィラー114の変位支点である支軸部116から同寸法となるような構成例を示すものである。この構成においても、第1の検知センサ118はキャリッジ103に搭載され、第2の検知センサ117はキャリッジ103には搭載されていない(本体側に配置される)。
ここで、図10および図11を参照して、環境条件により可撓性部材110が変位することについて説明する。
環境の変化、例えば湿度の変化により可撓性部材110が伸縮することが知られている。図10(a)のグラフに示すように、低湿度10%RHの時の充填満タン位置であるフィラー114の位置をDとした場合、そのまま湿度を高湿度80%RHまで上昇させると可撓性部材110が伸びることで、フィラー114も同様にEの位置に変位する。このことから、周囲環境の変化により、フィラー114の大気開放位置Fや負圧を考慮した充填満タン位置Gが変位することとなる。なお、フィラー位置F,G,H,Iについては図11を参照。
図6あるいは図8,9の構成では、検知センサ118の設置位置は、可撓性部材110が所定の環境下で最も収縮するときの所定の検知位置に設置したものであり、例えば検知センサ118を最低湿環境時にフィラー114がインク充填満タン位置Dにて検知可能な位置に設置する。こうすることで、最低湿環境時にはインク充填満タン位置Dに設定する際、インク供給により変位するフィラ−114がインク充填満タン位置Dまで変位したとき、検知センサ118にて検知するとともに、検知センサ117も検知し(変位量C=0)、最高湿環境時にインク充填満タン位置Eに設定する場合では、検知センサ118が必ず先にフィラー114を検知し、その後、検知センサ117がフィラーを検知し、検知センサ118の検知から検知センサ117の検知までの変位量C(max)を記憶することで、印字走査中でも検知センサ118の検知位置Hから変位量C分をインク供給することで各環境に適したインク充填満タン位置を設定することが可能となる。
本実施形態では変位量Cを再測定するときとして、周囲環境を検知する湿度計を備えた構成において、ある時点での変位量Cを記憶した湿度から所定値以上の湿度差を検知したとき、変位量Cを再測定し、記憶し直すものとする。
また、環境温度変化により可撓性部材110が伸縮する場合、可撓性部材110が所定温度環境で最も収縮する位置に検知センサ118を設置してもよい。その場合、周囲環境を検知する温度計を備えた構成において、ある時点での変位量Cを記憶した温度から所定値以上の温度差を検知したとき、変位量Cを再測定し、記憶し直すものとする。
印字中に急激な環境変化による影響や、インク吐出量検知の所定以上の検知誤差や送液ポンプ108の所定以上の送液量検知誤差など、予期せぬ誤差により、検知センサ118の検知位置Hと吐出量検知による所定量消費検知位置Iとが逆転したとき、所定量消費検知後にインク充填満タン位置までインク供給すると検知センサ118が検知することなくインク供給を続けるため、ヘッドタンク102内のインク容量が過多状態となり、ヘッドタンク102の破損やインク漏れの原因となる。このため、本実施形態では吐出量検知による所定量消費検知位置Iに到達したとき、それまでに検知センサ118を通過せず、フィラーを検知していないときは、検知センサ118が検知するまでインクを吐出し、検知センサ118による検知後、変位量C分のインク供給を行う。また、これらの動作を所定回数行ったことを検知したとき、印字動作を中断し、再度負圧を考慮した充填満タン位置に設定し、変位量Cを再測定する。
図12は、キャリッジ103走査中のヘッドタンク102内の圧力変動について説明するグラフである。このグラフに示すように、キャリッジ103が等速度で走査しているときのヘッドタンク102内の圧力変動よりも、キャリッジ103が加速及び減速するときのヘッドタンク102内の圧力変動のほうが大きい。
キャリッジ103が往復走査するとき、往路から復路へ、復路から往路への切り返しの際、キャリッジ103が加速及び減速することで、ヘッドタンク102内は圧力変動が起こる。このとき、送液ポンプ108からヘッドタンク102へインクを供給すると、インク供給圧とキャリッジ駆動圧が同時にヘッドタンク102内に加わることで、ヘッドタンク102内の負圧の安定を崩すことがある。このため、キャリッジ103走査中にヘッドタンク102内へインク供給するときは、キャリッジ駆動圧の影響の少ないキャリッジ103が等速度で走査しているときに行うと好適である。また、等速度でのインク供給は加減速時に比べフィラー114の挙動が小さいため、検知センサ118が誤検知しにくい。
図13は、キャリッジ103走査中にインク供給するときのキャリッジ103走査方向による影響ついて説明するものである。
可撓性部材110に押圧接触しているフィラー114はキャリッジ103の走査方向により、挙動が変化する。キャリッジ103走査時、キャリッジ103の走査方向側にあるときのフィラー114は、押圧接触している可撓性部材110に圧縮方向に付勢されることで挙動が小さいが、キャリッジ103の走査方向と反対側にあるときのフィラー114は可撓性部材110から離れる方向に付勢されることで挙動が大きくなる。このため、走査中にヘッドタンク102内にインク供給するときは、キャリッジ103の走査方向側に可撓性部材110があるヘッドタンクにインクを供給する。これにより、走査中でもヘッドタンク102内の負圧を安定させてインク供給を行うことが出来る。
図14は、キャリッジに複数の吐出ヘッド及びヘッドタンクを搭載した画像形成部の構成例を模式的に示す図である。
図14に示す形態では、キャリッジ103に、各色ごとに分かれた複数の吐出ヘッド101とヘッドタンク102を搭載しており、これに対応するインク供給系、すなわち複数のメインタンク106、複数のインク経路107、複数の送液ポンプ108を備える構成で、各色系統ごとに同時に送液ポンプ108を駆動することで、複数のインク供給動作を同時に行うことが出来る。なおここでは、2系統の(2色の)もので説明したが、4系統(例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色)によりフルカラー画像を形成可能な形態の場合も同様に可能である。
図15は、本実施形態における逆転送液制御を示すフローチャートである。インク充填開始(S1)後、カートリッジ内のインクが不足した状態で送液ポンプの正転送液動作を実施したかどうかを判断する(S2)。なお、カートリッジのインク不足は、インク供給開始後所定の時間内に検知センサ118(第1の検知手段)がフィラー114を検知しなかった場合にカートリッジの残量不足と判断する。S2で「Yes」の場合はカートリッジ交換前にヘッドタンク102の大気開放を行うことで負圧を解除する(S3)。この状態ではヘッドタンクのフィラー114は大気開放位置に位置しているので、ここから逆転送液の目標値である、たとえば0.4cc分のインクをヘッドタンクから吸引した場合のフィラー位置を計算し、その位置に変位後のフィラーを検知できる(検知センサ117で検知できる)ようキャリッジ103をセンサ117と相対的に移動する(S4)。そして、ヘッドタンクの送液ポンプの逆転送液動作をフィラーが(検知センサ117により)検知されるまで実施する(S5〜S7)。
S7での逆転送液が終了したら、送液ポンプ108を正転動作させてヘッドタンクにインクを供給する。このインク充填が終了(S8)したら、インクカートリッジの交換をユーザに報知する(S9)。
上記報知を見てユーザがインクカートリッジを交換する際には、大気開放を行った後の逆転送液が実施されているので、インク供給系への空気進入の恐れがない。また、逆転送液を位置検知センサである検知センサ117(第2の検知手段)の検知に基づいて行う制御であるため、逆転送液の量を正確なものとすることができる。
なお、ヘッドタンク内のインク残量によっては大気開放を行わずに逆転送液を行うことが可能な場合もあるので、そのような場合に対応可能な制御例を図16により説明する。
図16のフローチャートにおいて、ヘッドタンクへインクを充填するためのインク供給動作開始(S11)後、ヘッドカートリッジ内のインクが不足していた状態において送液ポンプの正転送液動作を実施したか否かをチェックする(S12)。インク不足状態で正転送液動作が実施された場合は、キャリッジ103を移動させてフィラー114を第2の検知手段である検知センサ117で検知し、その検知したときのキャリッジ位置と、ヘッドタンク内のインク量を予め所定のインク量(例えば負圧を考慮した充填満タン量)に設定したときのフィラー114を検知センサ117で検知したキャリッジ位置とに基づきヘッドタンク102内のインク量を算出する(S13)。なお、図では簡略的に「現在のフィラー位置検出」と記してある。そしてそのインク量により逆転送液が実施可能かどうか判断する(S14)。
大気開放を行わずに逆転送液が実施可能であれば(逆転送液が実施可能な規定量以上ヘッドタンク内にインクが残っていれば)S15〜S19の処理を行った後、S26に進んでインクカートリッジの交換をユーザに報知する。この流れでの処理においてはヘッドタンクの大気開放を実施しないので、その後の空気抜きの動作が必要ないため、より簡単な制御となる。
一方、S14で大気開放を行わずに逆転送液が実施不可と判断された(逆転送液が実施可能なだけヘッドタンク内にインクが残っていない)場合は、図15のフローにおけるS3〜S8と同じ内容であるS20〜S25の処理を行い、S26に進んでインクカートリッジの交換をユーザに報知する。この流れでの処理は、ヘッドタンクのインク残量にかかわらず逆転送液を実施することでインク供給系への空気進入を防止する制御である。
次に、カートリッジ内のインクがなくなる場合について説明する。
本実施形態の構成のように、インクカートリッジ(メインタンク)から供給されたインク等の記録液を一時的に貯蔵しておくヘッドタンク(サブタンク)を搭載している場合、インクカートリッジが空である場合に不必要にインク等記録液の送液動作(メインタンクからサブタンクへの送液)を行った場合、インクカートリッジと送液ポンプの連結部が強い負圧状態になる。
その状態でインクカートリッジを挿抜(脱着)すると、送液ポンプの供給経路に気泡が入り込み、次の供給動作で気泡がヘッドタンク内に送られることとなる。ヘッドタンク内に過度の気泡が入り込むと、例えばヘッドタンクの大気開放弁等、大気に開放する機構が備わっていた場合、当該機構から気泡だけでなく、インク等記録液も漏出し、記録ヘッド等の破損、あるいは、当該ヘッドタンクに気泡が混入しその気泡が記録ヘッドの液室に入り込むことによるノズル抜けや、負圧制御異常等の不具合につながる。
そこで、図17〜図20にフローチャートで示すインクカートリッジ交換時送液制御を行うことによって、インクカートリッジを交換する際のインク送液経路内に気泡が入り込むことを防止でき、ノズル抜け、記録ヘッドの破損等の障害を防止することができる。
以下、図17〜図20のフローチャートに従ってインクカートリッジ交換時送液制御について説明する。
図17は本実施形態で実施可能なインクカートリッジ交換時送液制御の一例を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ヘッドタンクへインクを充填するためのインク供給動作開始(S201)後、ヘッドカートリッジ内のインクが不足していた状態において送液ポンプの正転送液動作を実施したか否かをチェックする(S202)。インク不足状態での正転送液動作が実施された場合は、送液ポンプの逆転送液動作を行い(S203)、その後に、インクカートリッジの交換をユーザに報知して(S204)、ヘッドタンクへのインク充填を終了する(S205)。S202で正転送液動作を実施していなければ、そのままヘッドタンクへのインク充填を終了する(S205)。
このようなインクカートリッジ交換時送液制御により、インクカートリッジを交換する際のインク送液経路内に気泡が入り込むことを防止でき、ノズル抜け、記録ヘッドの破損等の障害を防止することができる。
図18は本実施形態で実施可能なインクカートリッジ交換時送液制御の他の例を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ヘッドタンクへインクを充填するためのインク供給動作開始(S301)後、ヘッドカートリッジ内のインクが不足していた状態において送液ポンプの正転送液動作を実施したか否かをチェックする(S302)。インク不足状態での正転送液動作が実施された場合は、送液ポンプの正転送液動作を実施した時間に応じた所定の時間だけ送液ポンプの逆転送液動作を行い(S303)、その後に、インクカートリッジの交換をユーザに報知して(S304)、ヘッドタンクへのインク充填を終了する(S305)。S302で正転送液動作を実施していなければ、そのままヘッドタンクへのインク充填を終了する(S305)。
このようなインクカートリッジ交換時送液制御により、インクカートリッジを交換する際のインク送液経路内に気泡が入り込むことを防止でき、ノズル抜け、記録ヘッドの破損等の障害を防止することができる。
図19は本実施形態で実施可能なインクカートリッジ交換時送液制御の更に他の例を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ヘッドタンクへインクを充填するためのインク供給動作開始(S401)後、ヘッドカートリッジ内のインクが不足していた状態において送液ポンプの正転送液動作を実施したか否かをチェックする(S402)。インク不足状態での正転送液動作が実施された場合は、その正転送液動作すなわちインク充填動作がヘッドタンクに搭載した電極ピン間の出力電圧を検出しながら充填したか度かをチェックする(S403)。出力電圧を検出しながら充填した場合はインクカートリッジの交換をユーザに報知し(S405)、そうでない場合は、送液ポンプの正転送液動作を実施した時間に応じた所定の時間だけ送液ポンプの逆転送液動作を実施して(S404)、インクカートリッジの交換をユーザに報知する(S405)。そして、ヘッドタンクへのインク充填を終了する(S406)。S402で正転送液動作を実施していなければ、そのままヘッドタンクへのインク充填を終了する(S406)。
このようなインクカートリッジ交換時送液制御により、インクカートリッジを交換する際のインク送液経路内に気泡が入り込むことを防止でき、ノズル抜け、記録ヘッドの破損等の障害を防止することができる。
図20は本実施形態で実施可能なインクカートリッジ交換時送液制御の更に他の例を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ヘッドタンクへインクを充填するためのインク供給動作開始(S401)後、ヘッドカートリッジ内のインクが不足していた状態において送液ポンプの正転送液動作を実施したか否かをチェックする(S402)。インク不足状態での正転送液動作が実施された場合は、その正転送液動作すなわちインク充填動作がフィラー位置を検出しながらの充填動作かどうかを判断する。フィラー位置を検出しながらの充填動作であればインクカートリッジの交換をユーザに報知し(S505)、そうでない場合は、送液ポンプの正転送液動作を実施した時間に応じた所定の時間だけ送液ポンプの逆転送液動作を実施して(S504)、インクカートリッジの交換をユーザに報知する(S505)。そして、ヘッドタンクへのインク充填を終了する(S506)。S502で正転送液動作を実施していなければ、そのままヘッドタンクへのインク充填を終了する(S506)。
上記した送液ポンプの逆転送液動作を実施する所定の時間は、インク粘度や経時によって変わるが、送液ポンプを空回りした時のエアー流入量の最大値は例えば0.4ccであることがわかっている。つまり送液ポンプを空回りした直後は少なくとも0.4ccをインクカーリッジ側に戻し、インクカートリッジ側の負圧を解除する必要がある。
実施形態で用いている送液ポンプの送液量実力値は0.3〜0.6cc/secであるので、最も遅い送液量で送液した場合であって、負圧レバー(フィラー114)を検出しながら充填した場合に正転送液動作が8秒であれば送液ポンプの逆転送液動作を実施する所定の時間は1.3秒とする。
よって、図17〜図20に示すそれぞれのインクタンク交換時送液制御を行うことによって、例えばインクカートリッジ内のインクが不足していた状態で送液ポンプを回し続けることにより送液経路内に強い負圧が形成され、その後インクカートリッジを交換した際に送液経路内に気泡が入り込むことを防止することができ、ノズル抜けや記録ヘッドの破損等の障害を防止することができる。
しかしながら、送液ポンプの送液量が0.6cc/secであった場合、逆転送液動作の実施時間が1.3秒であれば逆転送液量は0.78ccとなり、0.38cc分は過剰に逆転送液することになる。インクエンドとなったカートリッジに戻されたインクは廃棄することになり、結果的に0.38cc分のインクは無駄になってしまう。
また、図20のフローチャートにおいて、ヘッドタンクへインクを充填するためのインク供給動作時に、ヘッドタンクに搭載の負圧レバー(フィラー114)を検出しながら充填した場合(ステップS503でYES)は送液ポンプの逆転送液動作を実施せずにインクカートリッジの交換をユーザに報知している(ステップS505)。
一方、ヘッドタンクに搭載の負圧レバーを検出しながら充填しなかった場合(ステップS503でNO)は、送液ポンプの正転送液動作を実施した時間に応じた所定の時間、送液ポンプの逆転送液動作を実施している(ステップS504)。すなわち、正転送液と逆転送液の送液量の関係は正転送液≧逆転送液の関係を満たすように逆転送液動作を制限する。
すなわち、ヘッドタンクのインク量が少ないと判断される場合においては、逆転送液動作を行うことによってヘッドタンクのインク量がさらに少なくなることになり、ヘッドタンク内の負圧が増大してノズルからの空気吸い込み等の懸念があるので、これを回避するため、逆転送液を実施しないという動作をしている。このような場合は、カートリッジ交換のために脱着した際に空気が混入してしまうため、カートリッジ交換後に混入した空気を排出する処理のための動作が必要となる。
そこで、図21又は図22に示すような制御を行なうとよい。
図21のフローチャートにおいて、ヘッドタンク102へインクを充填するためのインク供給動作時に、カートリッジ内のインクが不足していた状態において送液ポンプの正転送液動作を実施した場合(S601、S602;YES)、インク充填動作を開始するにあたり、現在のヘッドタンクのインク残量を調べるためヘッドタンクに装着したフィラー位置を検出する(S603)。次に、ここから逆転送液の目標値である、たとえば0.4cc分のインクをヘッドタンクから吸引した場合のフィラー位置を計算し、逆転してもヘッドタンクの過負圧によりノズルからの空気吸い込みの懸念があるのか無いのかを判断する(S604)。ここで逆転送液可能と判断した場合、算出した逆転送液後のフィラー変位位置でフィラーを検出できる(検知センサ117が検出できる)位置へキャリッジ103をセンサと相対的に移動する(S605)。この状態でヘッドタンクの送液ポンプの逆転送液動作をフィラーが検知されるまで(検知センサ117が検出するまで)実施することによって、正確な量を逆転送液することができる(ステップ606〜608)。その後インクカートリッジ交換を促す警告を表示して終了する(ステップ609〜610)。この逆転送液動作によりカートリッジ側の負圧が解除されインクカートリッジ交換の際に空気が混入するのを防止できるとともに、逆転量を正確に制御することによりヘッドタンクの負圧が適切に管理され、ノズルからの空気混入も防止できる。
図22のフローチャートにおいて、ヘッドタンク102へインクを充填するためのインク供給動作時に、ヘッドカートリッジ内のインクが不足していた状態において送液ポンプの正転送液動作を実施した場合に(S701、S702;YES)、一旦ヘッドタンク102の大気開放弁113を開閉してヘッドタンク内に空気を取り込んで負圧を解除する(S703)。この状態ではヘッドタンクのフィラー114は大気開放位置に位置しているので、ここから逆転送液の目標値である、たとえば0.4cc分のインクをヘッドタンクから吸引した場合のフィラー位置を計算し、その位置に変位後のフィラーを検知できる(検知センサ117で検知できる)ようキャリッジ103をセンサと相対的に移動する(S704)。
この状態でヘッドタンクの送液ポンプの逆転送液動作をフィラーが検知されるまで実施することによって、正確な量を逆転送液することができる(S705〜S707)。
このときのフィラー114の位置を図23を用いて説明する。
通常インク補充動作は、図11にも示したようにフィラーの位置はH,もしくはIの位置で開始される。この充填動作によりG位置を目標に供給されるが、途中でインクカートリッジのインクが枯渇すると、図23(a)に示すように(ここではI位置から開始されたと想定)、所定時間の送液動作でG位置に達することなく、フィラー位置I‘で止まってしまう。この状態から逆転動作が入るとフィラー位置はI位置よりもさらにタンク内容量が少ない側、即ち負圧が大きい側にシフトしまう。これを回避するため、一旦大気開放弁を開閉する(S703)。この時点でフィラーはF位置となる。
次にこのF位置から、所定量の逆転送液量例えば0.4cc分を排出した場合のフィラー位置Hを算出する(図23(b))。
次に、H位置に変位後のフィラーをセンサ117が検知できるようキャリッジを移動してから、送液ポンプを逆転動作し、フィラーをセンサで検出した時点で逆転送液を停止する(図23(c))。
この動作により、インクエンドとなったカートリッジの負圧を解除するのに必要最小限量の目標値、例えば0.4cc分を比較的正確に逆転送液することが可能となる。
ところで、ヘッドタンク102から逆転送液する際に、確実にインクをインクカートリッジ側に送液するには、ヘッドタンク内のインク供給口102aが、インク液面より下に位置している必要がある。
ここで、図24の(a)図に示すように、ヘッドタンク内のインク液面が電極ピン111の検知によりインクありと判定している状態で、インク使用によるインク量最下限すなわち、フィラーによるインク消費最下限値Iの状態(フィラー114がヘッドタンク壁面に密着した状態)で、大気開放により空気を入れると負圧が解除され、(b)図のように可撓性部材110が膨らみ、液面が下がるとともに、フィラー114がFの位置に変位する。
そこで、本実施形態では、ヘッドタンク102として、フィラー114の位置がインク消費最下限値に位置している状態でヘッドタンク内の負圧を解除した場合でもインク供給口102aがインク液面より下に位置するように構成されたヘッドタンクを用いるものとする。このようなヘッドタンクを用いることで、逆転送液時に空気を送ることなく、確実にインクを逆送することができる。
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。記録ヘッド(吐出ヘッド)は適宜な構成が可能であり、例えば、圧力発生手段としてはサーマル方式、圧電方式、静電方式など任意の方式を採用可能である。フィラーの形状や、フィラーを検知する検知手段の構成なども任意である。また、インクジェット記録装置としての画像形成装置は、各部の構成や形態等も本発明の範囲内で適宜変更可能である。
101 吐出ヘッド(記録ヘッド)
102 ヘッドタンク(ザブタンク)
102a 供給口
103 キャリッジ
105 キャリッジ位置検知センサ
106 メインタンク(インクカートリッジ)
107 インク供給路
108 送液ポンプ
109 負圧発生バネ
110 可撓性部材
111 電極ピン
112 大気連通路
113 大気開閉弁
114 フィラー
115 付勢バネ
116 支軸部
117 検知センサ(第2の検知手段)
118 検知センサ(第1の検知手段)
特開2010−155446号公報

Claims (4)

  1. 記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に走行させて記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドに付設されたヘッドタンクと、該ヘッドタンクに供給する液体を収容する着脱可能なカートリッジと、該カートリッジと前記ヘッドタンク間で液体を送液させる送液手段とを備え、
    前記ヘッドタンクには液体残量に応じて変位する変位部材が設けられており、該変位部材を検知する前記キャリッジに搭載された第1の検知手段と、装置本体側に配置されて前記変位部材を検知する第2の検知手段を有し、
    前記ヘッドタンクへの液体供給開始後所定の時間内に前記第1の検知手段が前記変位部材を検知しなかった場合は前記カートリッジ内の液体残量が不足と判断し、前記ヘッドタンクを大気開放してタンク内の負圧を解除するとともに、その状態で前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ所定量の液体を逆転送液したときの前記変位部材の変位量を算出し、該算出した位置に変位したときの前記変位部材を前記第2の検知手段が検知するべき位置に前記キャリッジを移動させ、前記第2の検知手段が前記変位部材を検知するまで前記送液手段により前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ送液させ
    前記ヘッドタンク内の液体量は、負圧を考慮した充填満タン位置から負圧を考慮したインク空位置までの範囲で制御されるものであり、
    前記所定量を、前記ヘッドタンクにおける前記負圧を考慮したインク空位置での液体残量よりも少ない値に設定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に走行させて記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドに付設されたヘッドタンクと、該ヘッドタンクに供給する液体を収容する着脱可能なカートリッジと、該カートリッジと前記ヘッドタンク間で液体を送液させる送液手段とを備え、
    前記ヘッドタンクには液体残量に応じて変位する変位部材が設けられており、該変位部材を検知する前記キャリッジに搭載された第1の検知手段と、装置本体側に配置されて前記変位部材を検知する第2の検知手段を有し、
    前記ヘッドタンクへの液体供給開始後所定の時間内に前記第1の検知手段が前記変位部材を検知しなかった場合は前記カートリッジ内の液体残量が不足と判断し、
    前記ヘッドタンク内の液体量を予め所定の液体量に設定したときの前記変位部材を前記第2の検知手段で検知したキャリッジ位置と、現在の前記変位部材を前記第2の検知手段で検知させたキャリッジ位置とに基づいて前記ヘッドタンク内の液体量を算出し、
    前記算出した液体量が規定量以上の場合は、前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ所定量の液体を逆転送液したときの前記変位部材の変位量を算出し、該算出した位置に変位したときの前記変位部材を前記第2の検知手段が検知するべき位置に前記キャリッジを移動させ、前記第2の検知手段が前記変位部材を検知するまで前記送液手段により前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ送液させ、
    前記算出した液体量が前記規定量未満の場合は、前記ヘッドタンクを大気開放してタンク内の負圧を解除するとともに、その状態で前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ所定量の液体を逆転送液したときの前記変位部材の変位量を算出し、該算出した位置に変位したときの前記変位部材を前記第2の検知手段が検知するべき位置に前記キャリッジを移動させ、前記第2の検知手段が前記変位部材を検知するまで前記送液手段により前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ送液させ
    前記ヘッドタンク内の液体量は、負圧を考慮した充填満タン位置から負圧を考慮したインク空位置までの範囲で制御されるものであり、
    前記所定量を、前記ヘッドタンクにおける前記負圧を考慮したインク空位置での液体残量よりも少ない値に設定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記カートリッジの交換を報知する手段を備え、
    前記第2の検知手段が前記変位部材を検知するまで前記送液手段により前記ヘッドタンクから前記カートリッジへ送液させた後、所定量の液体を前記送液手段により前記カートリッジから前記ヘッドタンクへ送液させ、前記カートリッジの交換を報知することを特徴とする、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記変位部材が所定のインク消費最下限値に位置している状態で前記ヘッドタンク内の負圧を解除した場合でも、前記ヘッドタンクへの液体供給口先端が液面より下に位置するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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