JP5928132B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成膜装置及び成膜方法に関するものである。
基板等に膜を成膜する方法としては、スパッタリング、真空蒸着、CVD、ALD、エアロゾルデポジション等が挙げられる。このうちエアロゾルデポジションは成膜時における加熱及び成膜後の熱処理等を必要としないため、熱に弱い基板等に成膜する場合には、特に有望な成膜方法とされている。このように熱に弱い基板としては、例えば、液晶ディスプレイや電子ペーパ等に用いられる樹脂材料からなる基板等が挙げられるが、液晶ディスプレイや電子ペーパ等は、今後更なる普及が予想されることから、このような基板に成膜する技術が重要となっている。
ところで、エアロゾルデポジションとは、成膜対象となる基板に微粒子を含むエアロゾルを吹きつけることにより、基板に微粒子を堆積させて成膜を行なう方法であり、フレキシブル基板等にも成膜することができる。
具体的に、図1に基づき、エアロゾルデポジションにおける成膜に用いられる成膜装置について説明する。エアロゾルデポジション成膜装置は、エアロゾル室910及び成膜チャンバー920を有している。エアロゾル室910には成膜される材料の微粒子911が入れられており、酸素等のキャリアガスが入れられたガスボンベ930が配管960を介して接続されている。また、エアロゾル室910と成膜チャンバー920とは、配管941により接続されており、成膜チャンバー920内における配管941の端部にはノズル921が設けられている。真空チャンバー920内においては、ノズル921の開口部と対向する側に、ステージ922が設けられており、ステージ922には、成膜がなされる基板923が設置されている。この成膜チャンバー920内は真空に排気可能であり、配管942を介し、メカニカルブースターポンプ943及び真空ポンプ944が接続されている。尚、エアロゾル室910内を排気することができるように、エアロゾル室910は、配管945及び不図示のバルブ等を介し配管942と接続されている。また、エアロゾル室910が設置される領域には、エアロゾル室910において、成膜される材料の微粒子が固まる、もしくは、成膜中に粒子が偏ることを防ぐため、エアロゾル室910を振動させるための振動器950が設けられている。
この成膜装置において、エアロゾルデポジションにおける成膜を行なう際には、成膜チャンバー920内をメカニカルブースターポンプ943及び真空ポンプ944により真空排気した後、ガスボンベ930よりキャリアガスをエアロゾル室910内に供給する。エアロゾル室910内では、供給されたキャリアガスにより成膜される材料の微粒子が巻き上げられ、成膜される材料の微粒子がキャリアガスとともに配管941を介し、成膜チャンバー920内のノズル921に運ばれる。この後、ノズル921から、キャリアガスとともに成膜される材料の微粒子が基板923に向けて噴出され、基板923の表面に向けてノズル921より噴出された微粒子が堆積することにより成膜が行なわれる。
特開2009−57635号公報 特開2007−162077号公報 特開2009−293107号公報
ところで、小型で大容量のキャパシタを作製することのできる有望な材料として、比較的比誘電率の高い強誘電体材料であるチタン酸バリウムがあり、このようなチタン酸バリウムの膜はエアロゾルデポジションにより成膜することが可能である。しかしながら、成膜される材料がチタン酸バリウム等の絶縁体である場合、振動器950によりエアロゾル室910を振動させると、エアロゾル室910内において、成膜される材料の微粒子同士が静電気等により凝集し、大きな粒子となってしまう。このように成膜される材料の大きな粒子により形成された膜は、膜は膜密度が低く、電気的特性が良好ではない膜となってしまう。
このため、エアロゾルデポジションによる成膜において、静電気等により成膜される微粒子同士が凝集することなく、緻密で電気的特性等の良好な膜を成膜することのできる成膜装置及び成膜方法が望まれている。
本実施の形態の一観点によれば、内部に基板が設置されている成膜チャンバーと、前記基板に成膜される材料の微粒子が入れられているエアロゾル室と、前記成膜チャンバー内に設けられているものであって、前記エアロゾル室にキャリアガスを供給することにより、前記キャリアガスとともに前記成膜される材料の微粒子を前記基板に向けて噴出するノズルと、を有し、前記エアロゾル室には第1の流路と第2の流路が設けられており、前記キャリアガスは前記第1の流路と前記第2の流路に分岐されて、前記エアロゾル室内部に供給されるものであって、前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであり、前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであって、前記第1の流路より供給されるキャリアガスと前記第2の流路より供給されるキャリアガスとは、前記エアロゾル室の底面近傍において、相互に向かい合う方向より前記エアロゾル室内に供給されているものであることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、内部に基板が設置されている成膜チャンバーと、前記基板に成膜される材料の微粒子が入れられているエアロゾル室と、前記成膜チャンバー内に設けられているものであって、前記エアロゾル室にキャリアガスを供給することにより、前記キャリアガスとともに前記成膜される材料の微粒子を前記基板に向けて噴出するノズルと、を有し、前記エアロゾル室には第1の流路と第2の流路が設けられており、前記キャリアガスは前記第1の流路と前記第2の流路に分岐された後、前記エアロゾル室内部に供給される成膜装置における成膜方法において、前記成膜チャンバー内を真空排気する程と、前記エアロゾル室にキャリアガスを供給する工程と、を有し、前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであり、前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであって、前記第1の流路より供給されるキャリアガスと前記第2の流路より供給されるキャリアガスとは、前記エアロゾル室の底面近傍において、相互に向かい合う方向より前記エアロゾル室内に供給されているものであることを特徴とする。
開示の成膜装置及び成膜方法によれば、エアロゾルデポジションによる成膜において、成膜される微粒子同士が凝集することなく、緻密で電気的特性等の良好な膜を成膜することができる。
通常のエアロゾルデポジションによる成膜装置の構造図 本実施の形態における成膜装置の構造図 本実施の形態における成膜装置のエアロゾル室の構造図(1) 本実施の形態における成膜装置のエアロゾル室の構造図(2) 本実施の形態における成膜装置の他のエアロゾル室の構造図(1) 本実施の形態における成膜装置の他のエアロゾル室の構造図(2) 本実施の形態における成膜方法を説明するフローチャート
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
(成膜装置)
本実施の形態における成膜装置について説明する。本実施の形態における成膜装置は、エアロゾルデポジション装置であり、エアロゾル室10及び成膜チャンバー20を有している。エアロゾル室10には成膜される材料の微粒子11が入れられており、酸素等のキャリアガスが入れられたガスボンベ30が配管60を介して接続されている。また、エアロゾル室10と成膜チャンバー20とは、配管41により接続されており、成膜チャンバー20内において、配管41の端部にはノズル21が設けられている。真空チャンバー20内におけるノズル21の開口部と対向する側に、ステージ22が設けられており、ステージ22には、成膜がなされる基板23が設置されている。この成膜チャンバー20内は真空に排気可能であり、配管42を介し、メカニカルブースターポンプ43及び真空ポンプ44が接続されている。エアロゾル室10はガラス等の材料により、略円形状の底面10aを有する円筒形の形状により形成されており、エアロゾル室10内を排気することができるように、配管45及び不図示のバルブ等を介し配管42と接続されている。尚、本実施の形態における成膜装置においては、エアロゾル室10を振動させるための振動器は設けられていない。
本実施の形態における成膜装置では、ステージ22は、2次元に移動可能なXYステージであり、基板21は、プリント基板等の絶縁体の基板の表面に銅等の膜が形成されているものが用いられている。また、成膜される材料として、強誘電体材料であるチタン酸バリウムが用いられている。尚、本実施の形態において成膜される材料としては、チタン酸バリウム以外に、チタン酸ストロンチウム、BST(チタン酸バリウムストロンチウム)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BZT(チタン酸ジルコン酸バリウム)、MgO、Al、SiO、SiN等の誘電体材料または絶縁体材料が挙げられる。更には、Cu等の金属材料であってもよい。また、成膜される材料の微粒子は、平均粒径が数nmから数μm程度のものを用いることができる。ガスボンベ30に入れられているキャリアガスとしては、酸素、窒素、アルゴン等が挙げられる。
また、本実施の形態における成膜装置では、ガスボンベ30からキャリアガスが供給される配管60が、エアロゾル室10の内部において2つに分岐されており、第1の流路61と第2の流路62とが形成されている。具体的には、図3及び図4に示すように、第1の流路61は、エアロゾル室10の中央部分に設けられており、第2の流路62は、円筒形の形状のエアロゾル室10の壁面の内側に設けられている。エアロゾル室10の中央部分に設けられている第1の流路61からは、エアロゾル室10の底面10a近傍において、中心部から周辺部に向けてキャリアガスが噴出するように開口部61aが形成されている。また、円筒形の形状のエアロゾル室10の壁面の内側に形成されている第2の流路62からは、エアロゾル室10の底面10a近傍において、周辺部から中心部に向けてキャリアガスが噴出するように4つの開口部62aが形成されている。従って、エアロゾル室10の底面10a近傍においては、第1の流路61の開口部61aから供給されたキャリアガスは中央部から周辺部に向かって流れ、第2の流路62の開口部62aから供給されたキャリアガスは周辺部から中央部に向かって流れる。よって、エアロゾル室10の底面10a近傍において、キャリアガス同士がぶつかり合う。このように、エアロゾル室10の底面10a近傍において、キャリアガス同士がぶつかり合うため、成膜される材料を微粒子のまま効率よく巻き上げることができ、成膜される材料の微粒子の凝集を防ぐことができる。従って、成膜される材料は微粒子のままノズル21に供給することができるため、基板23の表面には成膜される材料の微粒子が堆積し成膜がなされる。よって、基板23の表面には、緻密で、電気的特性等の良い膜を成膜することができる。本実施の形態においては、キャリアガス同士がぶつかり合うことにより、成膜される材料を微粒子のまま効率よく巻き上げることができることから、エアロゾル室10を外部より振動させる振動器等は不要である。また、本実施の形態においては、成膜される材料の微粒子が凝集しないため、微粒子が凝集して大きくなりすぎて成膜に寄与しないものが発生することはない。従って、安定した成膜レートで、長時間成膜を行なうことができる。尚、本実施の形態では、開口部61a及び62aの大きさは、直径が1mm以下となるように形成されている。図3は、本実施の形態における成膜装置のエアロゾル室10内の底面10aにおける説明図であり、図4は、エアロゾル室10内の内部における説明図である。
(エアロゾル室)
次に、本実施の形態における成膜装置のエアロゾル室10について説明する。本実施の形態においては、エアロゾル室10は、第1の流路61の開口部61aから噴出したキャリアガスと、第2の流路62の開口部62aから噴出したキャリアガスとが、エアロゾル室10の底面10a近傍において、ぶつかり合うように形成されている。これにより、重力によりエアロゾル室10の底面10aに堆積している成膜される材料の微粒子11を微粒子のまま効率よく巻き上げることができる。即ち、エアロゾル室10の底面10a近傍において、キャリアガス同士がぶつかり合うように供給することにより、成膜される材料の微粒子11は凝集することなく、微粒子のまま効率よく巻き上げられる。
尚、本実施の形態における成膜装置は、エアロゾル室10の底面10a近傍において、キャリアガス同士がぶつかり合うように形成されているものであればよい。具体的には、図5(a)に示すように、第2の流路62に開口部62aを5以上、例えば、12個設けた構造のものであってもよい。これにより、エアロゾル室10の底面10a近傍において、より均一に成膜される材料の微粒子11を巻き上げることができる。また、図5(b)に示すように、第2の流路62に開口部62aを略均等な間隔で3つ設けた構造のものでもよく、図5(c)に示すように、第2の流路62に開口部62aを第1の流路61の開口部61aを介し対向するように2つ設けた構造のものでもよい。図5(b)及び図5(c)に示すように、第2の流路62に開口部62aが2つ以上設けられていれば、エアロゾル室10の底面10a近傍において、成膜される材料の微粒子11を巻き上げることができ、成膜される材料の微粒子11の凝集を防ぐことができる。
尚、図4においては、開口部61a及び開口部62aから噴出したキャリアガスが、エアロゾル室10の底面10aに沿って流れるように、第1の流路61には開口部61aが形成され、第2の流路62には開口部62aが形成されているものを記載している。しかしながら、本実施の形態における成膜装置においては、図6に示されるように、底面10aの側面が滑らかなエアロゾル室10を用いた場合、開口部62aからキャリアガスが、エアロゾル室10の底面10aに向かって略垂直に噴出するように形成された構造のものであってもよい。このような構造の場合においても、キャリアガスがエアロゾル室10の底面10aにぶつかることにより方向が変わり、更に、これらのキャリアガス同士がぶつかり合うため、成膜される材料の微粒子11を微粒子のまま効率よく巻き上げることができる。
(成膜方法)
次に、本実施の形態における成膜方法について説明する。本実施の形態における成膜方法は、図2から図4に示される成膜装置を用いて、エアロゾルデポジションによる成膜を行なうものである。具体的に、図7に基づき説明する。
最初に、ステップ102(S102)において、成膜チャンバー20内のステージ22に基板23を設置する。尚、基板23は、ノズル21より成膜される材料の微粒子11が噴出される側に設置される。
次に、ステップ104(S104)において、成膜チャンバー20内を排気する。具体的には、配管42を介し成膜チャンバー20に接続されているメカニカルブースターポンプ23及び真空ポンプ24により、成膜チャンバー20内を排気する。
次に、ステップ106(S106)において、ガスボンベ30よりキャリアガスをエアロゾル室10内に供給する。これにより、第1の流路61の開口部61aから噴出したキャリアガスと、第2の流路62の開口部62aから噴出したキャリアガスとが衝突し、エアロゾル室10における成膜される材料の微粒子11は、静電気等により凝集することなく効率よく巻き上げられる。
次に、ステップ108(S108)において、ノズル21より噴出した成膜される材料の微粒子11により、基板23の表面に成膜される材料の膜が成膜される。具体的には、ガスボンベ30よりキャリアガスをエアロゾル室10内に供給することにより、エアロゾル室10内の圧力が高くなり、成膜される材料の微粒子11キャリアガスとともに、配管41を介しノズル21が設けられている側に流れる。これにより、ノズル21より成膜される材料の微粒子11がキャリアガスとともに基板23に向けて噴出されるため、基板23の表面に成膜がなされる。
以上により、本実施の形態における成膜方法により基板23の表面に成膜を行なうことができる。
次に、本実施の形態における実施例について説明する。
(実施例1)
本実施の形態における実施例1は、図2から図4に示される本実施の形態における成膜装置を用いて、基板の表面に成膜を行なったものである。
実施例1の成膜に用いた成膜装置には、エアロゾル室10の内部に、平均粒径が0.5μmのチタン酸バリウム(BaTiO)の微粒子11が入れられており、成膜チャンバー20内のステージ21に、表面に銅箔が形成されている基板23が設置されている。この後、成膜チャンバー20内を真空排気するとともに、前処理として、エアロゾル室10の内部におけるチタン酸バリウムの微粒子11を約130℃に加熱しながら、配管45を介しエアロゾル室10内を30分間真空排気する。これにより、チタン酸バリウムの微粒子11の表面に付着している水分を除去することができる。尚、エアロゾル室10は、内径が75mm、高さが120mmの円筒形の形状のガラスにより形成されている。
この後、ガスボンベ30よりキャリアガスとして、酸素を10L/分の流量でエアロゾル室10に供給することにより、基板23の表面にチタン酸バリウムの膜を成膜した。尚、成膜時間は約20分である。
(比較例1)
比較例1は、図1に示される成膜装置を用いて、基板の表面に成膜を行なったものである。
比較例1の成膜に用いた成膜装置には、エアロゾル室910の内部に、平均粒径が0.5μmのチタン酸バリウムの微粒子911が入れられており、成膜チャンバー920内のステージ921に、表面に銅箔が形成されている基板923が設置されている。この後、成膜チャンバー920内を真空排気するとともに、前処理として、エアロゾル室910の内部におけるチタン酸バリウムの微粒子911を約130℃に加熱しながら、配管945を介しエアロゾル室910内を30分間真空排気する。これにより、チタン酸バリウムの微粒子911の表面に付着している水分を除去することができる。尚、エアロゾル室910は、内径が75mm、高さが120mmの円筒形の形状のガラスにより形成されている。
この後、ガスボンベ930よりキャリアガスとして、酸素を10L/分の流量でエアロゾル室910に供給することにより、基板923の表面にチタン酸バリウムの膜を成膜した。尚、成膜時間は約20分である。
次に、実施例1において成膜された膜と、比較例1において成膜された膜の特性等について説明する。実施例1におけるチタン酸バリウムの膜は、膜厚が1.7μmであり、3Vの電圧を印加した際のリーク電流は、1.5×10−7A/cmであった。また、比較例1におけるチタン酸バリウムの膜は、膜厚が1.1μmであり、3Vの電圧を印加した際のリーク電流は、5.3×10−7A/cmであった。
以上の結果より、実施例1におけるチタン酸バリウムの膜は、比較例1におけるチタン酸バリウムの膜よりもリーク電流が低下しており、電気的特性等が良好な膜となっている。実施例1におけるチタン酸バリウムの膜が、比較例1におけるチタン酸バリウムの膜よりもリーク電流が低下しているのは、実施例1では、微粒子が凝集することなく微粒子の状態でノズルより噴出されるため、緻密な膜が成膜されることによるものと考えられる。言い換えるならば、成膜された膜が緻密な膜となることにより、リーク電流を減らすことができる。
また、実施例1におけるチタン酸バリウムの膜は、比較例1におけるチタン酸バリウムの膜よりも厚く形成されている。即ち、実施例1と比較例1は、ともに成膜時間は同じであるため、比較例1よりも実施例1の方が成膜レートは高い。よって、比較例1に対し実施例1の方が短時間で同じ膜厚のものを成膜することができるため、スループットを向上させることができ、製造時間を短縮することができる。従って、成膜における製造コストを低減させることができる。このように、成膜レートが比較例1よりも実施例1の方が高くなるのは、実施例1においては、チタン酸バリウムの微粒子が凝集しないため、成膜に寄与する微粒子が多く存在しているためであると考えられる。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
内部に基板が設置されている成膜チャンバーと、
前記基板に成膜される材料の微粒子が入れられているエアロゾル室と、
前記成膜チャンバー内に設けられているものであって、前記エアロゾル室にキャリアガスを供給することにより、前記キャリアガスとともに前記成膜される材料の微粒子を前記基板に向けて噴出するノズルと、
を有し、
前記エアロゾル室には第1の流路と第2の流路が設けられており、前記キャリアガスは前記第1の流路と前記第2の流路に分岐されて、前記エアロゾル室内部に供給されるものであって、
前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであり、
前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであることを特徴とする成膜装置。
(付記2)
前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面近傍において、中央部から周辺部に向けて供給され、
前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面近傍において、周辺部から中央部に向けて供給されるものであることを特徴とする付記1に記載の成膜装置。
(付記3)
前記第2の流路には複数の開口部が設けられており、
前記第2の流路より供給されるキャリアガスは前記複数の開口部より、前記エアロゾル室内に供給されるものであることを特徴とする付記1又は2に記載の成膜装置。
(付記4)
前記エアロゾル室は、略円形状の底面を有する円筒形の形状により形成されていることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の成膜装置。
(付記5)
前記第2の流路には複数の開口部が設けられており、
前記複数の開口部は、前記エアロゾル室の側面近傍に設けられていることを特徴とする付記4に記載の成膜装置。
(付記6)
前記第1の流路より供給されるキャリアガスと前記第2の流路より供給されるキャリアガスとは、前記エアロゾル室の底面近傍において、相互に向かい合う方向より前記エアロゾル室内に供給されているものであることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の成膜装置。
(付記7)
前記成膜される材料は絶縁体であることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の成膜装置。
(付記8)
前記成膜される材料は強誘電体であることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の成膜装置。
(付記9)
前記キャリアガスは、酸素または窒素を含むものであることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の成膜装置。
(付記10)
内部に基板が設置されている成膜チャンバーと、前記基板に成膜される材料の微粒子が入れられているエアロゾル室と、前記成膜チャンバー内に設けられているものであって、前記エアロゾル室にキャリアガスを供給することにより、前記キャリアガスとともに前記成膜される材料の微粒子を前記基板に向けて噴出するノズルと、を有し、前記エアロゾル室には第1の流路と第2の流路が設けられており、前記キャリアガスは前記第1の流路と前記第2の流路に分岐された後、前記エアロゾル室内部に供給される成膜装置における成膜方法において、
前記成膜チャンバー内を真空排気する行程と、
前記エアロゾル室にキャリアガスを供給する工程と、
を有し、
前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであり、前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであることを特徴とする成膜方法。
(付記11)
前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面近傍において、中央部から周辺部に向けて供給され、
前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面近傍において、周辺部から中央部に向けて供給されルものであることを特徴とする付記10に記載の成膜方法。
(付記12)
前記第1の流路より供給されるキャリアガスと前記第2の流路より供給されるキャリアガスとは、前記エアロゾル室の底面近傍において、相互に向かい合う方向より前記エアロゾル室内に供給されているものであることを特徴とする付記10または11に記載の成膜方法。
10 エアロゾル室
10a 底面
11 成膜される材料の微粒子
20 成膜チャンバー
21 ノズル
22 ステージ
23 基板
30 ガスボンベ
41 配管
42 配管
43 メカニカルブースターポンプ
44 真空ポンプ
45 配管
60 配管
61 第1の流路
61a 開口部
62 第2の流路
62a 開口部

Claims (6)

  1. 内部に基板が設置されている成膜チャンバーと、
    前記基板に成膜される材料の微粒子が入れられているエアロゾル室と、
    前記成膜チャンバー内に設けられているものであって、前記エアロゾル室にキャリアガスを供給することにより、前記キャリアガスとともに前記成膜される材料の微粒子を前記基板に向けて噴出するノズルと、
    を有し、
    前記エアロゾル室には第1の流路と第2の流路が設けられており、前記キャリアガスは前記第1の流路と前記第2の流路に分岐されて、前記エアロゾル室内部に供給されるものであって、
    前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであり、
    前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであって、
    前記第1の流路より供給されるキャリアガスと前記第2の流路より供給されるキャリアガスとは、前記エアロゾル室の底面近傍において、相互に向かい合う方向より前記エアロゾル室内に供給されているものであることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面近傍において、中央部から周辺部に向けて供給され、
    前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面近傍において、周辺部から中央部に向けて供給されるものであることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記第2の流路には複数の開口部が設けられており、
    前記第2の流路より供給されるキャリアガスは前記複数の開口部より、前記エアロゾル室内に供給されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜装置。
  4. 前記成膜される材料は絶縁体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 前記キャリアガスは、酸素または窒素を含むものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の成膜装置。
  6. 内部に基板が設置されている成膜チャンバーと、前記基板に成膜される材料の微粒子が入れられているエアロゾル室と、前記成膜チャンバー内に設けられているものであって、前記エアロゾル室にキャリアガスを供給することにより、前記キャリアガスとともに前記成膜される材料の微粒子を前記基板に向けて噴出するノズルと、を有し、前記エアロゾル室には第1の流路と第2の流路が設けられており、前記キャリアガスは前記第1の流路と前記第2の流路に分岐された後、前記エアロゾル室内部に供給される成膜装置における成膜方法において、
    前記成膜チャンバー内を真空排気する程と、
    前記エアロゾル室にキャリアガスを供給する工程と、
    を有し、
    前記第1の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであり、前記第2の流路より供給されるキャリアガスは、前記エアロゾル室の底面に向けて、又は、底面に沿って供給されるものであって、
    前記第1の流路より供給されるキャリアガスと前記第2の流路より供給されるキャリアガスとは、前記エアロゾル室の底面近傍において、相互に向かい合う方向より前記エアロゾル室内に供給されているものであることを特徴とする成膜方法。
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