JP5927770B2 - 現像廃液の再生装置及び再生方法 - Google Patents

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本発明は、半導体、液晶、プリント基板等の電子部品製造過程で発生するテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド(以下、「TAAH」という。)を含む現像廃液を再生する現像廃液の再生装置及び再生方法に関する。
従来、半導体、液晶、プリント基板等の電子部品を製造する際、Siウエハー等の基板上にネガ型又はポジ型のフォトレジストの被膜を形成し(被膜形成工程)、次いで、このレジスト被膜にパターンマスクを通して光等を照射し(照射工程)、次に現像液を用いて不要なフォトレジストを溶解除去し(現像工程)、さらにエッチング等の処理を行った(エッチング工程)後、基板上の不溶性のフォトレジスト膜を剥離する(剥離工程)方法が採られている。上記の現像液としては、通常TAAH水溶液が用いられているため、このような電子部品の製造分野における現像工程からは、レジスト剥離物とTAAHを含む現像廃液が排出される。
TAAH含有フォトレジスト現像廃液は排出量が多く、また、TAAHの窒素が水質汚染の原因となるためにそのまま投棄することはできず、減容化して廃棄量を削減して処分する場合もあるが、一般的には、廃液中の不純物を除去し、精製して再利用することが行われている。
従来、TAAH含有現像廃液の再生方法として、ナノフィルトレーション(NF)膜による膜分離法が知られており、特許文献1には、現像廃液に酸を添加してpHを9.5〜12に調整することによりレジスト成分を析出させた後、NF膜分離処理する方法が提案されている。しかし、pH調整でレジスト成分が析出した現像廃液を直接膜分離処理すると膜の濁質負荷が高く、長期に亘り、安定に膜分離処理を継続することができない。特許文献1には、NF膜分離処理に先立ち、遠心分離や濾過等で固液分離を行うことが記載されているが、濃縮水の取扱いについての記載がなく、廃棄物量が多くなる可能性がある。
特許文献2には、現像廃液にカチオン系凝集剤やアニオン系凝集剤を添加して濾過する方法が提案されているが、この方法は、現像廃液のpH調整を行わないため、析出するレジスト成分が少なく効率が悪い。
特許文献3には、感光性平版印刷版の循環水洗水の処理方法として、被処理水のpHを8.5〜12に調整した後に凝集剤を添加して濾過する方法が提案されているが、凝集剤の添加前に濾過などの析出物の濃縮処理を実施していないため、凝集剤の添加量が増え、ランニングコストが高くなる。
特許第3671644号公報 特開2004−249182号公報 特開平5−5998号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決し、レジスト剥離物とTAAHとを含む現像廃液を安定かつ効率的に再生処理する装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、現像廃液を膜分離処理するに当たり、膜供給水ではなく、膜濃縮水に凝集剤を添加して凝集・固液分離処理を行うことにより、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] レジスト剥離物とテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドとを含有する現像廃液の再生装置において、該現像廃液をpH8〜12に調整して、膜分離処理する限外濾過膜又は精密濾過膜分離手段と、該膜分離手段の濃縮水に無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤を添加して固液分離する凝集・固液分離手段と、固液分離により得られた分離水を前記膜分離手段の一次側に返送する返送手段とを備える現像廃液の再生装置であって、
前記膜分離手段の膜分離処理は、所定の回収率となるまで濃縮水を循環濃縮して行われ、所定の回収率に達した後、該膜分離手段の濃縮水が前記凝集・固液分離手段で凝集・固液分離されることを特徴とする現像廃液の再生装置。
[2] [1]において、前記無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤が、Cl型凝集剤であることを特徴とする現像廃液の再生装置。
[3] [1]又は[2]において、前記精密濾過膜の孔径1μm以下であることを特徴とする現像廃液の再生装置。
[4] [1]又は[2]において、前記限外濾過膜の分画分子量10万以下であることを特徴とする現像廃液の再生装置。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記膜分離手段の透過水をナノフィルトレーション膜により膜分離処理する手段を備えることを特徴とする現像廃液の再生装置。
[6] レジスト剥離物とテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドとを含有する現像廃液の再生方法において、該現像廃液をpH8〜12に調整して限外濾過膜又は精密濾過膜分離処理する膜分離工程と、該膜分離工程の濃縮水に無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤を添加して固液分離する凝集・固液分離工程と、固液分離により得られた分離水を前記膜分離工程に返送して膜分離処理する返送工程とを備える現像廃液の再生方法であって、前記膜分離工程の膜分離処理は、所定の回収率となるまで濃縮水を循環濃縮して行われ、所定の回収率に達した後、該膜分離工程の濃縮水が前記凝集・固液分離工程で凝集・固液分離されることを特徴とする現像廃液の再生方法。
[7] [6]において、前記無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤が、Cl型凝集剤であることを特徴とする現像廃液の再生方法。
[8] [6]又は[7]において、前記精密濾過膜の孔径1μm以下であることを特徴とする現像廃液の再生方法。
[9] [6]又は[7]において、前記限外濾過膜の分画分子量10万以下であることを特徴とする現像廃液の再生方法。
[10] [6]ないし[9]のいずれかにおいて、前記膜分離工程の透過水をナノフィルトレーション膜により膜分離処理する工程を備えることを特徴とする現像廃液の再生方法。
本発明によれば、現像廃液を膜分離処理するに当たり、膜供給水ではなく、限外濾過膜又は精密濾過膜分離処理で得られた濃縮水に凝集剤を添加して凝集・固液分離処理し、得られた分離水を膜の一次側に返送して現像廃液と共に膜分離処理することにより、凝集剤使用量を低減すると共に、凝集・固液分離のための設備を小型化した上で、膜の濁質負荷を軽減し、安定かつ効率的な処理を行える。
即ち、現像廃液を膜分離処理して得られる膜濃縮水は、膜分離処理による濃縮で、現像廃液量に対して大幅に減容化されているため、このような濃縮水に対して、凝集剤をその有効濃度で添加する場合、減容化された分、凝集剤使用量を低減することができる。また、凝集槽や固液分離槽についても、濃縮水量に見合う容量のものでよく、設備の小型化が可能となる。
このように濃縮水に対して凝集・固液分離を行っても、この凝集・固液分離で濁質を除去した分離水を膜の一次側に返送することで、膜に導入される供給水全体の濁質は十分に低減することができるため、膜の濁質負荷を軽減して長期に亘り安定に処理することが可能となる。
なお、凝集剤には、塩化アルミニウムのようなCl型凝集剤と硫酸バンドのような硫酸塩系凝集剤とがあるが、このうち、Cl型凝集剤であれば、後段でTAAHをカチオン交換樹脂に吸着させて塩酸で脱離回収するにあたり、SO 2−等の多価アニオンの含有量を抑制でき、後段処理を簡略化することができる。
本発明の現像廃液の再生装置の実施の形態を示す系統図である。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の現像廃液の再生装置の実施の形態を示す系統図であり、図1において、1は廃液貯槽、2は中和槽、3は精密濾過(MF)膜原水槽、4はMF膜モジュール、5は凝集槽、6は固液分離槽、7は中継槽、8はNF膜モジュールである。
図1の再生装置では、現像廃液貯槽1に貯留された現像廃液は、中和槽2で酸が添加され所定のpHに調整された後にMF膜原水槽3に貯留される。MF膜原水槽3に貯留された現像廃液はMF膜モジュール4に導入され、濃縮水と透過水とに膜分離処理される。前記濃縮水はMF膜原水槽3に循環返送され、透過水は中継槽7に貯留される。このMF膜モジュール4での膜分離処理は、所定の回収率となるまで循環濃縮される。この時の回収率は70%以上、特に80%以上であることが好ましく、98%以下、特に95%以下であることが好ましい。回収率が低いと廃棄される現像液量が増大し、また、回収率が高すぎるとMF膜の透過流束が低下し、効率的な膜分離処理が行えなくなる。
所定の回収率に達すると、MF膜モジュール4による膜分離処理を停止し、次に、MF膜原水槽3から凝集槽5に濃縮水が導入され、凝集剤が添加されて凝集処理された後に、固液分離槽6で固液分離され、分離水がMF膜原水槽に返送される。一方、分離汚泥は系外へ排出される。
なお、MF膜モジュール4は循環処理を行わずに、MF膜モジュール4の濃縮水を直接凝集槽5に送給し、凝集処理した後、凝集処理水を固液分離槽6で固液分離するようにしてもよい。
この場合においても、固液分離槽6の分離水は、MF膜原水槽3に返送される。
MF膜モジュール4の透過水は、中継槽7を経てNF膜モジュール8に導入されて膜分離処理される。
このNF膜モジュール8の濃縮水の一部は濃縮廃液として系外へ排出され、残部は中継槽7に戻されて循環処理される。
NF膜モジュール8の透過水は、必要に応じて活性炭処理、イオン交換、電気分解等の後処理が施された後、再生液として回収される。
本発明において処理する現像廃液は、半導体、液晶、プリント基板等の電子部品製造過程で発生するTAAHとレジスト剥離物を含むものである。なお、この現像廃液には、現像時の現像廃液のみならず、その後の洗浄処理で排出される洗浄廃液も含まれる。
現像廃液中に含まれるTAAHとしては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(以下、「TMAH」という。)、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(以下、「TEAH」という。)、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジエチルジメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、メチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、エチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、テトラ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイドなどの1種又は2種以上が挙げられるが、通常、TMAH、又はTEAHが用いられる。
通常、本発明で処理対象とする現像廃液は、これらのTAAH濃度が1〜20重量%程度で、レジスト剥離物を0.01〜10g/L程度含むpH12〜14、濁度0〜10NTU程度の強アルカリ性である。なお、現像工程から排出された現像廃液や洗浄廃液中のTAAH濃度が上記範囲よりも低い場合、エバポレーター等により濃縮して本発明に従って処理するようにしてもよい。
本発明においては、このような現像廃液に必要に応じて酸を添加してpH8〜12、好ましくは9〜10.5に調整することにより、現像廃液中に溶解しているレジスト剥離物を不溶化して析出させる。この調整pH値が高過ぎると、レジスト剥離物の析出が十分でなく、8未満の低pHとしてもそれ以上のレジスト剥離物の析出効果は得られず、pH調整に用いる酸の添加量が過大となり好ましくない。
pH調整に用いる酸としては、二酸化炭素及び/又は炭酸が好ましい。塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸では、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン等の無機アニオンが残留し、再生液を再利用する際、半導体装置等に悪影響を及ぼし、好ましくない。
pH調整した現像廃液を膜分離処理するMF膜モジュール4のMF膜の材質としては、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セラミック等が挙げられるが、膜の透過液量が低下したときには、pH13以上の強アルカリ性の洗浄液で洗浄することから、耐アルカリ性のポリスルホンやポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
また、析出したレジスト剥離物は、通常粒径0.5〜10μm程度の粒子であるため、MF膜の孔径は1μm以下、特に0.02〜0.1μmであることが、透過水量を維持した上でこのようなレジスト剥離物の析出粒子を効率的に除去する上で好ましい。
なお、MF膜モジュール4の代りに、限外濾過(UF)膜モジュールを用いてもよい。この場合、現像廃液をpH9.5以下に調整しても析出しない溶解性のレジスト剥離物が多く残留し、また、現像廃液中にはレジスト剥離物以外にも界面活性剤等の有機物も含まれているため、これらを効率的に除去するために、分画分子量10万以下、好ましくは13000以下、例えば1000〜13000程度のUF膜を用いると、後段のNF膜の負荷を軽減してNF膜モジュールの安定運転を図ることができ、好ましい。
MF膜モジュール4又はUF膜モジュールにおける通液条件としては特に制限はないが、次のような条件とすることが好ましい。
操作圧力:0.01〜0.15MPa
回収率:85〜95%
循環水量:処理水に対して2〜5倍
MF膜モジュール4の濃縮水に添加する凝集剤としては、無機凝集剤、高分子凝集剤が用いられ、これらを併用してもよい。
無機凝集剤としては、前述の如くCl型凝集剤を用いることが好ましく、Cl型無機凝集剤としては、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等を用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子凝集剤としては、一般的なカチオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、両性高分子凝集剤のいずれも使用可能であり、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、高分子凝集剤についても前述の如く、Cl型凝集剤、すなわち対イオンがClである高分子凝集剤が好ましい。また、現像廃液中で析出したレジスト成分はマイナスに帯電しているため、これらを効率的に凝集処理するために、カチオン系高分子凝集剤又は両性高分子凝集剤を用いることが好ましい。
凝集剤の添加量には、良好な凝集処理効果が得られればよく、特に制限はないが、濃縮水に対して、無機凝集剤であれば50〜1000mg/L程度、高分子凝集剤であれば1〜100mg/L程度添加することが好ましい。
本発明においては、MF膜モジュール4の濃縮水を凝集・固液分離することにより、濃縮水の濁度に対して濁度が1/100以下に低減された分離水、例えば濁度50NTU以下の分離水を得、これをMF膜モジュール4の供給水側に返送することが、濃縮水の凝集・固液分離処理を行うことによるMF膜モジュール4の濁質負荷の軽減効果を有効に図る上で好ましい。
MF膜モジュール4の透過水を膜分離処理するNF膜モジュール8のNF膜の材質についてもpH13以上の強アルカリ性の洗浄液で洗浄する必要があることから、ポリスルホンやポリエーテルスルホン等の耐アルカリ性のものが好ましい。
このNF膜モジュール8ではTAAHを透過させ、TAAH以外の不純物を除去するために、分画分子量200〜1500、特に200〜1000程度のNF膜を用いることが好ましい。NF膜の分画分子量が200未満では、十分な透過流量を得ることができず、900より大きいとレジスト剥離物等の不純物を十分に除去し得ない。
このような分画分子量を有する耐アルカリ性のNF膜としては、例えばKoch社製「MPS−34」、Nadia社製「NP030」等を用いることができる。
このNF膜モジュール8における通液条件としては特に制限はないが、次のような条件とすることが好ましい。
操作圧力:2.8〜3.8MPa
回収率:75〜85%
循環水量:処理水に対して1〜100倍
なお、図1に示す再生装置は、本発明の実施の形態の一例であって、本発明は何ら図示のものに限定されるものではない。
例えば、前述の如く、MF膜モジュール4の代りにUF膜モジュールを用いてもよい。
また、凝集槽と固液分離槽とをそれぞれ設けずに、凝集槽と固液分離槽とを兼ねた槽を一槽のみ設けることもできる。また、濃縮水の凝集処理水の固液分離手段としては、沈殿槽の他、MF膜等を用いた膜分離装置を用いることもできる。
更に、濃縮水に無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤を添加して凝集処理する場合は、各々の凝集剤による凝集処理のための凝集槽を設けることもできる。
以下に実験例、比較実験例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、試料液としては、半導体製造工程から排出され、約6倍濃縮されたTMAH含有現像廃液(pH14以上、TMAH濃度13重量%、濁度1000NTU、塩化物イオン濃度:3mg/L、硫酸イオン濃度:7mg/L)を用いた。
また、濁度は、HACH社製濁度計「2100P」により測定し、TMAH濃度はブロモクレゾールグリーン/メチルレッド指示薬を用いた中和滴定により測定した。
用いたMF膜及びNF膜の仕様及び条件は以下の通りである。
<MF膜>
旭化成製 内圧式中空糸膜 PSP−303
材質:ポリエチレン
公称孔径:0.1μm
サイズ:89×1129mm
膜面積:6.0m
操作圧力:0.05MPa
回収率:90%(10倍濃縮)
<NF膜>
Koch社製 4インチエレメント MPS34−4040
材質:ポリエーテルスルホン
分画分子量:200
濃縮水循環量:1.5m/h
操作圧力:3.0MPa
回収率:75%
[実験例1]
現像廃液3Lに炭酸を添加してpH9.7に調整した後、MF膜分離処理して10倍に濃縮した。
得られた濃縮水(濁度9720NTU)300mLに、カチオン系高分子凝集剤として栗田工業(株)製「クリフィックスCP805」を30mg/L添加して、1分静置後の上澄水の濁度を測定したところ20NTUであった。
現像廃液3Lの処理に用いた凝集剤の使用量は9mgであった。塩化物イオン、硫酸イオンの濃度は凝集処理の前後においてほとんど変化はなかった。
[実験例2]
濃縮水に対して、凝集剤として、高分子凝集剤の代りに塩化アルミニウムを200mg/L添加したこと以外は実験例1と同様の条件で凝集処理を行い、上澄水の濁度を測定したところ20NTUであった。また、上澄水の塩化物イオン濃度は16mg/Lで、硫酸イオンの濃度は凝集前後においてほとんど変化はなかった。
[比較実験例1]
現像廃液3Lに炭酸を添加してpH9.7に調整した後、実験例1で用いたと同じカチオン系高分子凝集剤を10mg/L添加し、1分静置後の上澄水の濁度を測定したところ、23NTUであった。
現像廃液3Lの処理に用いた凝集剤の使用量は30mgであった。塩化物イオン、硫酸イオンの濃度は凝集前後においてほとんど変化はなかった。
[比較実験例2]
凝集剤として硫酸バンド200mg/Lを添加したこと以外は比較実験例1と同様の条件で凝集処理を行い、上澄水の濁度を測定したところ22NTUであった。また、上澄水の硫酸イオン濃度は17mg/Lで、塩化物イオン濃度は凝集前後においてほとんど変化がなかった。
[実施例1]
実験例1の凝集・固液分離処理を適用して、以下のように、図1に示す装置により、現像廃液の処理を行った。
廃液貯槽1からの現像廃液1000L/hrに中和槽2において、炭酸を添加してpH9.7に調整した後、MF膜モジュール4で膜分離処理して10倍濃縮し、得られた濃縮水に凝集槽5で実験例1と同様の条件で凝集剤を添加して凝集処理した後、固液分離槽6で固液分離し、分離水80L/hrを中和槽2に返送した。
MF膜透過水900L/hrは、中継槽7を経て、NF膜モジュール8に導入して処理した。
その結果、MF膜モジュール4に導入される膜供給水の濁度は20NTUであり、30分間継続して以下の水質のNF膜透過水を安定に得ることができた。
<NF膜透過水>
TMAH(重量%):13
濁度:1NTU以下
塩化物イオン濃度(mg/L):3
硫酸イオン濃度(mg/L):7
[実施例2]
実験例2の凝集・固液分離処理を適用したこと以外は、実施例1と同様に現像廃液の処理を行った。
その結果、MF膜モジュール4に導入される膜供給水の濁度は22NTUであり、30分間継続して以下の水質のNF膜透過水を安定に得ることができた。
<NF膜透過水>
TMAH(重量%):13
濁度:1NTU以下
塩化物イオン濃度(mg/L):16
硫酸イオン濃度(mg/L):7
[比較例1]
MF膜濃縮水の凝集・固液分離処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に処理を行ったところMF膜モジュール4に導入される膜供給水の濁度が15000NTUを超え、処理水流量が低下した。
以上の結果から、本発明によれば、凝集剤使用量を低減した上で膜モジュールの濁質負荷を軽減し、現像廃液を安定かつ効率的に処理することができることが分かる。
また、凝集剤としては、Cl型凝集剤を用いることにより、後段処理の負荷となる凝集剤由来の硫酸イオンの混入を防止することができる。
1 廃液貯槽
2 中和槽
3 MF膜原水槽
4 MF膜モジュール
5 凝集槽
6 固液分離槽
7 中継槽
8 NF膜モジュール

Claims (10)

  1. レジスト剥離物とテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドとを含有する現像廃液の再生装置において、
    該現像廃液をpH8〜12に調整して、膜分離処理する限外濾過膜又は精密濾過膜分離手段と、
    該膜分離手段の濃縮水に無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤を添加して固液分離する凝集・固液分離手段と、
    固液分離により得られた分離水を前記膜分離手段の一次側に返送する返送手段とを備える現像廃液の再生装置であって、
    前記膜分離手段の膜分離処理は、所定の回収率となるまで濃縮水を循環濃縮して行われ、所定の回収率に達した後、該膜分離手段の濃縮水が前記凝集・固液分離手段で凝集・固液分離されることを特徴とする現像廃液の再生装置。
  2. 請求項1において、前記無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤が、Cl型凝集剤であることを特徴とする現像廃液の再生装置。
  3. 請求項1又は2において、前記精密濾過膜の孔径1μm以下であることを特徴とする現像廃液の再生装置。
  4. 請求項1又は2において、前記限外濾過膜の分画分子量10万以下であることを特徴とする現像廃液の再生装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記膜分離手段の透過水をナノフィルトレーション膜により膜分離処理する手段を備えることを特徴とする現像廃液の再生装置。
  6. レジスト剥離物とテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドとを含有する現像廃液の再生方法において、
    該現像廃液をpH8〜12に調整して限外濾過膜又は精密濾過膜分離処理する膜分離工程と、
    該膜分離工程の濃縮水に無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤を添加して固液分離する凝集・固液分離工程と、
    固液分離により得られた分離水を前記膜分離工程に返送して膜分離処理する返送工程とを備える現像廃液の再生方法であって、
    前記膜分離工程の膜分離処理は、所定の回収率となるまで濃縮水を循環濃縮して行われ、所定の回収率に達した後、該膜分離工程の濃縮水が前記凝集・固液分離工程で凝集・固液分離されることを特徴とする現像廃液の再生方法。
  7. 請求項6において、前記無機凝集剤及び/又は高分子凝集剤が、Cl型凝集剤であることを特徴とする現像廃液の再生方法。
  8. 請求項6又は7において、前記精密濾過膜の孔径1μm以下であることを特徴とする現像廃液の再生方法。
  9. 請求項6又は7において、前記限外濾過膜の分画分子量10万以下であることを特徴とする現像廃液の再生方法。
  10. 請求項6ないし9のいずれか1項において、前記膜分離工程の透過水をナノフィルトレーション膜により膜分離処理する工程を備えることを特徴とする現像廃液の再生方法。
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